JP3129995B2 - チューブ被覆ローラの製造方法及びチューブ被覆ローラ - Google Patents
チューブ被覆ローラの製造方法及びチューブ被覆ローラInfo
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- B29C45/00—Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
- B29C45/14—Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor incorporating preformed parts or layers, e.g. injection moulding around inserts or for coating articles
- B29C45/14467—Joining articles or parts of a single article
- B29C45/14491—Injecting material between coaxial articles, e.g. between a core and an outside sleeve for making a roll
-
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- Manufacturing & Machinery (AREA)
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- Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)
- Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
- Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チューブ被覆ロー
ラの製造方法に係わり、特に電子写真複写機、レーザー
ビームプリンター等における熱定着ローラ、加圧ロー
ラ、ラミネートローラ、サーマルプラテンローラ等とし
て使用できる、寿命が長いチューブ被覆ローラの製造方
法、及び該方法により製造されたチューブ被覆ローラに
関する。
ラの製造方法に係わり、特に電子写真複写機、レーザー
ビームプリンター等における熱定着ローラ、加圧ロー
ラ、ラミネートローラ、サーマルプラテンローラ等とし
て使用できる、寿命が長いチューブ被覆ローラの製造方
法、及び該方法により製造されたチューブ被覆ローラに
関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、電子写真複写機やレーザービー
ムプリンタに代表される電子写真プロセスにおいては、
コピー用紙上のトナー画像を熱ローラ定着方式で定着す
る。熱ローラ定着方式では定着ローラと加圧ローラでニ
ップを形成し、このニップ間をトナーで形成された画像
を通過させて加熱加圧し、トナーを溶融させて定着させ
る。
ムプリンタに代表される電子写真プロセスにおいては、
コピー用紙上のトナー画像を熱ローラ定着方式で定着す
る。熱ローラ定着方式では定着ローラと加圧ローラでニ
ップを形成し、このニップ間をトナーで形成された画像
を通過させて加熱加圧し、トナーを溶融させて定着させ
る。
【0003】このようなレーザービームプリンタ等はオ
フィスにおいて長期間継続して運転する必要があるた
め、ここに使用する部品としての定着ローラや加圧ロー
ラは長期間交換の必要のない長寿命のものが望まれる。
このため従来からこれらのローラとしてシリコーンゴム
の外側にフッ素樹脂からなるスリーブを被覆したものが
知られている。
フィスにおいて長期間継続して運転する必要があるた
め、ここに使用する部品としての定着ローラや加圧ロー
ラは長期間交換の必要のない長寿命のものが望まれる。
このため従来からこれらのローラとしてシリコーンゴム
の外側にフッ素樹脂からなるスリーブを被覆したものが
知られている。
【0004】一方、プリンタの小型化の要請から定着器
はコンパクトなものが要求される。このためには、比較
的小さい径のローラにより十分なニップ幅を確保するた
めにローラには柔らかいゴム、即ち硬度の低いゴムを採
用することが望まれる。また熱応答性をよくするために
はゴム厚を薄くすることが好ましい。
はコンパクトなものが要求される。このためには、比較
的小さい径のローラにより十分なニップ幅を確保するた
めにローラには柔らかいゴム、即ち硬度の低いゴムを採
用することが望まれる。また熱応答性をよくするために
はゴム厚を薄くすることが好ましい。
【0005】しかしながら、ローラの長寿命化を意図し
た上記のようなチューブ被覆ローラにおいてゴムを低硬
度化、肉薄化するとその製造時にローラ表面の凹凸、即
ち「うねり」を生ずるという問題が生じた。従来の5〜
6mm程度のゴム厚を有し、硬度が25以上の硬いゴム
から形成されたローラにおいては残留応力が緩和されや
すいことからこのような問題が生じなかったものと思わ
れる。このようなうねりはトナー画像上に現れるため、
定着側及び加圧側のいずれのローラにも好ましくない。
た上記のようなチューブ被覆ローラにおいてゴムを低硬
度化、肉薄化するとその製造時にローラ表面の凹凸、即
ち「うねり」を生ずるという問題が生じた。従来の5〜
6mm程度のゴム厚を有し、硬度が25以上の硬いゴム
から形成されたローラにおいては残留応力が緩和されや
すいことからこのような問題が生じなかったものと思わ
れる。このようなうねりはトナー画像上に現れるため、
定着側及び加圧側のいずれのローラにも好ましくない。
【0006】このようなローラ表面のうねりはゴムの一
次加硫の段階では見られず、二次加硫の段階で発生する
が、うねりの発生していない一次加硫のみを行ったロー
ラをプリンタ等の定着器に搭載すると、ヒートアップ
時、即ち作動中にローラ表面にうねりが発生し、さらに
ゴムが著しく劣化してローラの硬度も低下し、ニップ幅
も変化してローラの搬送スピード微妙に変わってしまう
ことも判明した。
次加硫の段階では見られず、二次加硫の段階で発生する
が、うねりの発生していない一次加硫のみを行ったロー
ラをプリンタ等の定着器に搭載すると、ヒートアップ
時、即ち作動中にローラ表面にうねりが発生し、さらに
ゴムが著しく劣化してローラの硬度も低下し、ニップ幅
も変化してローラの搬送スピード微妙に変わってしまう
ことも判明した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、上記
のような問題点を解決するため、ゴムを肉薄で硬度が低
いものとしてもローラ表面にうねりを生じないチューブ
被覆ローラの製造方法及び該方法により製造されたロー
ラを提供することを目的とする。
のような問題点を解決するため、ゴムを肉薄で硬度が低
いものとしてもローラ表面にうねりを生じないチューブ
被覆ローラの製造方法及び該方法により製造されたロー
ラを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らの研究の結
果、上記のようなチューブ被覆ローラの製造において、
樹脂被覆チューブにその径方向及び/または長さ方向に
張力を加えて伸ばした状態で弾性材料を射出及び硬化す
ることによりうねりの発生を抑制できることが見い出さ
れた。
果、上記のようなチューブ被覆ローラの製造において、
樹脂被覆チューブにその径方向及び/または長さ方向に
張力を加えて伸ばした状態で弾性材料を射出及び硬化す
ることによりうねりの発生を抑制できることが見い出さ
れた。
【0009】従って本発明は、成形型空洞内にフッ素樹
脂を主成分とするフッ素樹脂チューブとその中を通る芯
体を装着し、弾性材料前駆体を前記樹脂チューブ及び前
記芯体との間に射出して前記成形型空洞内を樹脂チュー
ブ、弾性材料前駆体及び芯体で満たし、前記弾性材料前
駆体を硬化して弾性材料とすることからなるチューブ被
覆ローラの製造方法において、前記弾性材料として硬化
後の硬度がJIS-Aで20以下である弾性材料を用い、前
記樹脂チューブをその径方向及び長さ方向に張力を加え
て、特定の条件で伸ばした状態で前記弾性材料を射出及
び硬化することを特徴とする前記製造方法を提供するも
のである。
脂を主成分とするフッ素樹脂チューブとその中を通る芯
体を装着し、弾性材料前駆体を前記樹脂チューブ及び前
記芯体との間に射出して前記成形型空洞内を樹脂チュー
ブ、弾性材料前駆体及び芯体で満たし、前記弾性材料前
駆体を硬化して弾性材料とすることからなるチューブ被
覆ローラの製造方法において、前記弾性材料として硬化
後の硬度がJIS-Aで20以下である弾性材料を用い、前
記樹脂チューブをその径方向及び長さ方向に張力を加え
て、特定の条件で伸ばした状態で前記弾性材料を射出及
び硬化することを特徴とする前記製造方法を提供するも
のである。
【0010】
【0011】上記本発明の方法において、フッ素樹脂チ
ューブの径方向の伸びを5〜20%、好ましくは10〜
20%とする。
ューブの径方向の伸びを5〜20%、好ましくは10〜
20%とする。
【0012】上記本発明の方法において、フッ素樹脂チ
ューブの長さ方向の伸びを0.5〜10%、好ましくは
1.5〜10%とする。
ューブの長さ方向の伸びを0.5〜10%、好ましくは
1.5〜10%とする。
【0013】上記本発明の方法の好ましい態様において
は、弾性材料としてシリコーンゴム、特に好ましくは付
加反応型シリコーンゴムを用いる。シリコーンゴムの熱
硬化における二次加硫の最低温度は好ましくは170℃
以上とする。
は、弾性材料としてシリコーンゴム、特に好ましくは付
加反応型シリコーンゴムを用いる。シリコーンゴムの熱
硬化における二次加硫の最低温度は好ましくは170℃
以上とする。
【0014】上記本発明の方法の好ましい態様において
は、フッ素樹脂チューブの内面をエッチングする。また
さらに好ましくは、フッ素樹脂チューブのエッチング面
にプライマーを塗布する。
は、フッ素樹脂チューブの内面をエッチングする。また
さらに好ましくは、フッ素樹脂チューブのエッチング面
にプライマーを塗布する。
【0015】上記本発明の方法によれば、弾性体層の厚
さを3mm以下、硬化後の硬度をJIS−Aで20以下
としても前記のようなローラ表面のうねりを生じること
なく、芯体の外周に弾性材料層とその外側の被覆樹脂層
を有するチューブ被覆ローラが得られる。また被覆樹脂
層にフッ素樹脂を主成分とする樹脂を使用すると耐磨耗
性等の耐久性に特に優れたローラが得られる。
さを3mm以下、硬化後の硬度をJIS−Aで20以下
としても前記のようなローラ表面のうねりを生じること
なく、芯体の外周に弾性材料層とその外側の被覆樹脂層
を有するチューブ被覆ローラが得られる。また被覆樹脂
層にフッ素樹脂を主成分とする樹脂を使用すると耐磨耗
性等の耐久性に特に優れたローラが得られる。
【0016】従って本発明はさらに、芯体の外周に弾性
材料層とその外側の被覆樹脂層を有するチューブ被覆ロ
ーラにおいて、弾性体層の厚さが3mm以下、硬度がJ
IS−Aで20以下であり、被覆樹脂層がフッ素樹脂を
主成分とする樹脂からなることを特徴とするチューブ被
覆ローラを提供するものである。
材料層とその外側の被覆樹脂層を有するチューブ被覆ロ
ーラにおいて、弾性体層の厚さが3mm以下、硬度がJ
IS−Aで20以下であり、被覆樹脂層がフッ素樹脂を
主成分とする樹脂からなることを特徴とするチューブ被
覆ローラを提供するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下本発明について詳細に説明す
る。
る。
【0018】本発明により製造されるチューブ被覆ロー
ラは、芯体の外周に弾性材料の層と、さらにその外側の
樹脂被覆層とを有するものである。このようなローラ自
体の構造は知られており、その寸法等の特徴は従来のも
のと同様なものでよい。
ラは、芯体の外周に弾性材料の層と、さらにその外側の
樹脂被覆層とを有するものである。このようなローラ自
体の構造は知られており、その寸法等の特徴は従来のも
のと同様なものでよい。
【0019】本発明のローラの製造に用いられる芯体の
材質は特に限定されるものではなく、従来のローラに用
いられているものと同様のものを使用できる。例えば、
パイプ状の鉄、ステンレス、アルミニウム等の金属から
なる芯体、即ち芯金を使用することが好適である。この
ような芯体は、例えば20〜60mmの直径を有するも
のとすることができる。
材質は特に限定されるものではなく、従来のローラに用
いられているものと同様のものを使用できる。例えば、
パイプ状の鉄、ステンレス、アルミニウム等の金属から
なる芯体、即ち芯金を使用することが好適である。この
ような芯体は、例えば20〜60mmの直径を有するも
のとすることができる。
【0020】芯体の表面には光の吸収を高めるため、黒
色塗料を塗布することが好ましい。また芯金の表面は接
着性を改善するために脱脂及び洗浄することが好まし
い。また、ケミカルブラスト、サンドブラスト等により
ブラスト処理することも好ましい。
色塗料を塗布することが好ましい。また芯金の表面は接
着性を改善するために脱脂及び洗浄することが好まし
い。また、ケミカルブラスト、サンドブラスト等により
ブラスト処理することも好ましい。
【0021】この芯体表面には接着剤としてプライマー
を塗布することができる。プライマーはこのような目的
に従来から使用されている公知のものを使用することが
できる。
を塗布することができる。プライマーはこのような目的
に従来から使用されている公知のものを使用することが
できる。
【0022】芯体上に設けられる弾性材料からなる層に
用いられる弾性材料は、材料自体としては従来の樹脂チ
ューブ被覆ローラと同様な材料でよいが、本発明におい
ては特に高度の低い弾性材料を意図するものであり、特
にJIS−Aによる硬度が20以下のものである。また
後述するように弾性材料はその前駆体として成形型内に
注入することができるものでなければならない。
用いられる弾性材料は、材料自体としては従来の樹脂チ
ューブ被覆ローラと同様な材料でよいが、本発明におい
ては特に高度の低い弾性材料を意図するものであり、特
にJIS−Aによる硬度が20以下のものである。また
後述するように弾性材料はその前駆体として成形型内に
注入することができるものでなければならない。
【0023】上記のような弾性材料としては、例えばシ
リコーンゴムを用いることができ、ジフェニルポリシロ
キサン、ジメチルポリシロキサン等のジオルガノポリシ
ロキサンを前駆体として形成されたシリコーンゴムを使
用できるが、特に液状の付加反応型シリコーンゴムを前
駆体として形成されたものを好適に使用できる。
リコーンゴムを用いることができ、ジフェニルポリシロ
キサン、ジメチルポリシロキサン等のジオルガノポリシ
ロキサンを前駆体として形成されたシリコーンゴムを使
用できるが、特に液状の付加反応型シリコーンゴムを前
駆体として形成されたものを好適に使用できる。
【0024】上記のような付加型シリコーンゴム(付加
型メチルフェニルポリシロキサンシリコーンゴム)は、
メチル基及びフェニル基の他に付加型反応性基、例えば
ビニル基を有するシロキサン化合物から得られたポリシ
ロキサンであり、付加型反応性基とシラン架橋剤との付
加開裂反応により架橋されるものである。
型メチルフェニルポリシロキサンシリコーンゴム)は、
メチル基及びフェニル基の他に付加型反応性基、例えば
ビニル基を有するシロキサン化合物から得られたポリシ
ロキサンであり、付加型反応性基とシラン架橋剤との付
加開裂反応により架橋されるものである。
【0025】上記のようなシリコーンゴム例えば下記式
(I) で表されるポリシロキサンから製造される。
(I) で表されるポリシロキサンから製造される。
【0026】
【化1】 上記式(I) 中、R1 、R2 、R3 及びR4 は独立してメ
チル基、フェニル基等を表す。付加型シリコーンゴムの
場合はその一部がビニル基のような付加型反応性基であ
る。nは約300〜約2000である。
チル基、フェニル基等を表す。付加型シリコーンゴムの
場合はその一部がビニル基のような付加型反応性基であ
る。nは約300〜約2000である。
【0027】R1 〜R4 全体の2モル%以上にフェニル
基を使用すると、シリコーンオイル等の離型剤に対する
耐膨潤性を有するシリコーンゴムが得られる。
基を使用すると、シリコーンオイル等の離型剤に対する
耐膨潤性を有するシリコーンゴムが得られる。
【0028】付加型シリコーンゴムの場合、付加型反応
性基の量はR1 〜R4 全体の好ましくは0.05〜0.
35モル%、より好ましくは0.1〜0.3モル%程度
である。
性基の量はR1 〜R4 全体の好ましくは0.05〜0.
35モル%、より好ましくは0.1〜0.3モル%程度
である。
【0029】ビニル基等の付加型反応性基は架橋形成に
必要な官能基であり、0.05モル%未満であるとポリ
シロキサンが半硬化状態になり弾性が得られにくくな
る。一方、0.35モル%を越えると架橋が進みすぎて
ポリシロキサンが固く脆いものになってしまい、やはり
好ましい弾性が得られない。
必要な官能基であり、0.05モル%未満であるとポリ
シロキサンが半硬化状態になり弾性が得られにくくな
る。一方、0.35モル%を越えると架橋が進みすぎて
ポリシロキサンが固く脆いものになってしまい、やはり
好ましい弾性が得られない。
【0030】上記のようなポリシロキサンの重合度は25
℃の粘度で表して30〜400ポイズであるものが好ま
しく、液状物として注入成形することが望ましいので、
好ましくは1200ポイズ、より好ましくは800ポイ
ズ以下の粘度を有していることが望ましい。上記のポリ
シロキサンの重合度(n)は上記のような粘度が得られ
るように規定されたものであり、nが約300未満であ
ると粘度が低すぎ、ローラ表面層の製造の製造が困難に
なり、また製造できたとしても十分な物性が得られな
い。またnが約2000を越えると粘度が高くなり過ぎ
てやはりローラ表面層の製造の製造が困難になる。
℃の粘度で表して30〜400ポイズであるものが好ま
しく、液状物として注入成形することが望ましいので、
好ましくは1200ポイズ、より好ましくは800ポイ
ズ以下の粘度を有していることが望ましい。上記のポリ
シロキサンの重合度(n)は上記のような粘度が得られ
るように規定されたものであり、nが約300未満であ
ると粘度が低すぎ、ローラ表面層の製造の製造が困難に
なり、また製造できたとしても十分な物性が得られな
い。またnが約2000を越えると粘度が高くなり過ぎ
てやはりローラ表面層の製造の製造が困難になる。
【0031】このようなポリオルガノシロキサンもそれ
自体公知の化合物であり、公知の方法で製造することが
できる。
自体公知の化合物であり、公知の方法で製造することが
できる。
【0032】また、この弾性材料からなる層に用いるシ
リコーンゴムの物理的性質は絶縁性或いは半導電性いず
れでもよく、熱定着ローラ用としては熱伝導率が高いこ
とが好ましい。
リコーンゴムの物理的性質は絶縁性或いは半導電性いず
れでもよく、熱定着ローラ用としては熱伝導率が高いこ
とが好ましい。
【0033】本発明のチューブ被覆ローラにおいては、
弾性材料層はJIS−Aによる硬度が20以下であるこ
とが好ましい。20を越える硬度では表層にフッ素樹脂
層を有するためにローラの硬度が硬くなり、十分なニッ
プ幅を得るためにはローラ間の荷重を大きくしなければ
ならず、装置全体の小型化に不利である。
弾性材料層はJIS−Aによる硬度が20以下であるこ
とが好ましい。20を越える硬度では表層にフッ素樹脂
層を有するためにローラの硬度が硬くなり、十分なニッ
プ幅を得るためにはローラ間の荷重を大きくしなければ
ならず、装置全体の小型化に不利である。
【0034】また弾性材料は低クリープ性のゴムである
ことが好ましく、具体的には、例えば180℃、22時
間で25%圧縮した場合に、圧縮永久歪率が12%以下
であるものが好ましい。このような圧縮永久歪の低いゴ
ムを用いることにより、ローラ間に常に圧力を加えた状
態でも歪みが生じないようにすることができる。
ことが好ましく、具体的には、例えば180℃、22時
間で25%圧縮した場合に、圧縮永久歪率が12%以下
であるものが好ましい。このような圧縮永久歪の低いゴ
ムを用いることにより、ローラ間に常に圧力を加えた状
態でも歪みが生じないようにすることができる。
【0035】このような弾性材料からなる層の厚さは熱
応答性を低下させないことが必要なため本発明において
は好ましくは3mm以下とする。3mm以上とすると熱
応答性が悪くなり、トナー定着時の温度幅の揺らぎが大
きすぎて十分な定着性が確保できない場合があり得る。
応答性を低下させないことが必要なため本発明において
は好ましくは3mm以下とする。3mm以上とすると熱
応答性が悪くなり、トナー定着時の温度幅の揺らぎが大
きすぎて十分な定着性が確保できない場合があり得る。
【0036】最表層の被覆樹脂層の樹脂としては、定着
ロールでは200℃前後の高温で連続使用を可能とする
必要があることから耐熱性に優れたものが好ましく、テ
トラフルオロエチレン/パーフルオロアルコキシエチレ
ン共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン/ヘキ
サフルオロプロピレン共重合体(FEP)等のフッ素樹
脂が好ましい。これらの樹脂は、エチレン四フッ化エチ
レン共重合体(ETFE)に比べてトナーの離型性に優
れており、表層用の樹脂として好適である。また、耐熱
温度や耐屈曲亀裂性の観点からはPFAがより好まし
い。
ロールでは200℃前後の高温で連続使用を可能とする
必要があることから耐熱性に優れたものが好ましく、テ
トラフルオロエチレン/パーフルオロアルコキシエチレ
ン共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン/ヘキ
サフルオロプロピレン共重合体(FEP)等のフッ素樹
脂が好ましい。これらの樹脂は、エチレン四フッ化エチ
レン共重合体(ETFE)に比べてトナーの離型性に優
れており、表層用の樹脂として好適である。また、耐熱
温度や耐屈曲亀裂性の観点からはPFAがより好まし
い。
【0037】本発明のチューブ被覆ローラにおいてPF
Aのチューブを使用する場合、メルトインデックス(A
STM D−2116により測定)が5(g/10 min)以
下、特に2(g/10 min)以下のPFAからなるものを使用
することが好ましい。またこのようなフッ素樹脂チュー
ブは100万回以上、例えば100万〜200万回の耐
屈曲性(13mm×90mm×0.2mmの試料を使用
して荷重1.25kgでASTM D−2176−69
に従って屈曲亀裂が生じるまでの繰り返し屈曲数を測
定)を有していることが好ましい。このような特性を有
するフッ素樹脂からなるチューブを使用することにより
特に耐磨耗性等の耐久性の優れたチューブ被覆ローラが
得られる。
Aのチューブを使用する場合、メルトインデックス(A
STM D−2116により測定)が5(g/10 min)以
下、特に2(g/10 min)以下のPFAからなるものを使用
することが好ましい。またこのようなフッ素樹脂チュー
ブは100万回以上、例えば100万〜200万回の耐
屈曲性(13mm×90mm×0.2mmの試料を使用
して荷重1.25kgでASTM D−2176−69
に従って屈曲亀裂が生じるまでの繰り返し屈曲数を測
定)を有していることが好ましい。このような特性を有
するフッ素樹脂からなるチューブを使用することにより
特に耐磨耗性等の耐久性の優れたチューブ被覆ローラが
得られる。
【0038】上記のような本発明のチューブ被覆ローラ
に使用されるフッ素樹脂チューブは、押し出し成形等に
より成形されたチューブとして得られる。このような押
し出し成形により形成されたフッ素樹脂チューブは、フ
ッ素樹脂ディスパージョンを弾性材料層上に塗布して乾
燥し、焼成すること等により形成されていたものと異な
り、ピンホール、クラック等の表面欠陥がなく、また高
い耐摩耗性等の耐久性が得られる。
に使用されるフッ素樹脂チューブは、押し出し成形等に
より成形されたチューブとして得られる。このような押
し出し成形により形成されたフッ素樹脂チューブは、フ
ッ素樹脂ディスパージョンを弾性材料層上に塗布して乾
燥し、焼成すること等により形成されていたものと異な
り、ピンホール、クラック等の表面欠陥がなく、また高
い耐摩耗性等の耐久性が得られる。
【0039】このようなフッ素樹脂には導電性フィラー
を含有させることにより導電性を付与して帯電によるオ
フセットを防止するようにしてもよい。
を含有させることにより導電性を付与して帯電によるオ
フセットを防止するようにしてもよい。
【0040】このような目的に使用される導電性フィラ
ーの種類は特に限定されないが、例えば、ケッチェンブ
ラック等のカーボンブラックやアルミニウム等の金属粉
を挙げることができる。導電性フィラーの平均粒子径
は、安定した均一な導電性を得るために、0.5μm以
下であることが好ましい。
ーの種類は特に限定されないが、例えば、ケッチェンブ
ラック等のカーボンブラックやアルミニウム等の金属粉
を挙げることができる。導電性フィラーの平均粒子径
は、安定した均一な導電性を得るために、0.5μm以
下であることが好ましい。
【0041】導電性フィラーの含有量は、通常、樹脂に
対して0.1〜5重量%程度である。但し、フッ素樹脂
層の導電性が高すぎると、記録紙上のトナーが定着ロー
ルのフッ素樹脂層と接触した際にトナーの電荷がフッ素
樹脂層に流れて、記録紙とトナーとの間に吸引力が失わ
れることがある。このような現象を防止するためには、
外層の表面抵抗率を1×1012〜1×1016Ω/□とす
ることが好ましい。
対して0.1〜5重量%程度である。但し、フッ素樹脂
層の導電性が高すぎると、記録紙上のトナーが定着ロー
ルのフッ素樹脂層と接触した際にトナーの電荷がフッ素
樹脂層に流れて、記録紙とトナーとの間に吸引力が失わ
れることがある。このような現象を防止するためには、
外層の表面抵抗率を1×1012〜1×1016Ω/□とす
ることが好ましい。
【0042】このフッ素樹脂層の厚さは5〜75μmの
範囲が好ましく、より好ましくは10〜50μmであ
る。5μm以下ではフッ素樹脂チューブとして押し出す
のが困難であり、またローラ成形上も薄すぎるため小さ
な力で伸びてしまい好ましくない。また、75μm以上
では、ローラの硬度が硬くなり過ぎるとともに、フッ素
樹脂の熱伝導率が低く熱応答性が遅くなるため好ましく
ない。
範囲が好ましく、より好ましくは10〜50μmであ
る。5μm以下ではフッ素樹脂チューブとして押し出す
のが困難であり、またローラ成形上も薄すぎるため小さ
な力で伸びてしまい好ましくない。また、75μm以上
では、ローラの硬度が硬くなり過ぎるとともに、フッ素
樹脂の熱伝導率が低く熱応答性が遅くなるため好ましく
ない。
【0043】次に本発明のチューブ被覆ローラの製造方
法を具体的に説明する。
法を具体的に説明する。
【0044】まず、図1に概略断面図で示すように、成
形されるローラの外径を有する円筒形の金型1の空洞内
に、金型1の内径より小さい外径を有するフッ素樹脂チ
ューブ2を通し、その両端を金型1の外側に折り返し、
またその中に芯体3を金型1と同心状に配置し、金型蓋
体4を金型1の両端にはめ込むことによりフッ素樹脂チ
ューブ2及び芯体3を固定する。
形されるローラの外径を有する円筒形の金型1の空洞内
に、金型1の内径より小さい外径を有するフッ素樹脂チ
ューブ2を通し、その両端を金型1の外側に折り返し、
またその中に芯体3を金型1と同心状に配置し、金型蓋
体4を金型1の両端にはめ込むことによりフッ素樹脂チ
ューブ2及び芯体3を固定する。
【0045】その後金型蓋体4の樹脂注入口5から樹脂
チューブ2と芯体3との間に弾性材料前駆体を注入し、
金型内で樹脂チューブ2と芯体3との間に存在し得る空
間を満たす。反対側の金型蓋体4には空気排出口6が設
けられている。
チューブ2と芯体3との間に弾性材料前駆体を注入し、
金型内で樹脂チューブ2と芯体3との間に存在し得る空
間を満たす。反対側の金型蓋体4には空気排出口6が設
けられている。
【0046】そして全体を通常は加熱することにより弾
性材料前駆体を架橋して硬化させ(一次加硫)、適当に
硬化した後、一体化した芯体、弾性材料層、被覆樹脂層
を金型から取り出し、さらに加熱して架橋させて(二次
加硫)樹脂チューブ被覆ローラを得る。
性材料前駆体を架橋して硬化させ(一次加硫)、適当に
硬化した後、一体化した芯体、弾性材料層、被覆樹脂層
を金型から取り出し、さらに加熱して架橋させて(二次
加硫)樹脂チューブ被覆ローラを得る。
【0047】本発明の樹脂チューブ被覆ローラの製造方
法においては、上記のように金型内に樹脂チューブ2及
び芯体3を固定して弾性材料前駆体を注入した際に、樹
脂チューブ2に張力がかかり、その径方向及び/または
長さ方向に伸びた状態にあるようにする。
法においては、上記のように金型内に樹脂チューブ2及
び芯体3を固定して弾性材料前駆体を注入した際に、樹
脂チューブ2に張力がかかり、その径方向及び/または
長さ方向に伸びた状態にあるようにする。
【0048】径方向の伸びは、使用する樹脂チューブの
外径と金型の内径との差により樹脂チューブを金型に装
着する際に主として得られるが、弾性材料前駆体を注入
したときにその圧力により得てもよい。従って、樹脂チ
ューブを金型に装着した際には固定された端部以外では
樹脂チューブが金型に密着していなくてもよく、弾性材
料前駆体を注入することにより樹脂チューブが伸ばさ
れ、金型内面に密着するようにすることができる。その
際は樹脂チューブと金型との間に存在する空気を逃がす
ための孔を金型に設けることができる。
外径と金型の内径との差により樹脂チューブを金型に装
着する際に主として得られるが、弾性材料前駆体を注入
したときにその圧力により得てもよい。従って、樹脂チ
ューブを金型に装着した際には固定された端部以外では
樹脂チューブが金型に密着していなくてもよく、弾性材
料前駆体を注入することにより樹脂チューブが伸ばさ
れ、金型内面に密着するようにすることができる。その
際は樹脂チューブと金型との間に存在する空気を逃がす
ための孔を金型に設けることができる。
【0049】また、樹脂チューブの長さ方向の伸びは、
樹脂チューブを金型に装着する際に張力をかけて伸ばし
た状態で固定することにより得られる。
樹脂チューブを金型に装着する際に張力をかけて伸ばし
た状態で固定することにより得られる。
【0050】樹脂チューブの伸びの程度は、使用するチ
ューブのもとの径に対して5%以上であることが本発明
の効果を得る上で好ましく、10%以上であることがよ
り好ましい。またこの伸びは弾性変形の範囲で、永久塑
性変形を起こさないものでなければならないので、その
上限は約20%であることが好ましい。
ューブのもとの径に対して5%以上であることが本発明
の効果を得る上で好ましく、10%以上であることがよ
り好ましい。またこの伸びは弾性変形の範囲で、永久塑
性変形を起こさないものでなければならないので、その
上限は約20%であることが好ましい。
【0051】チューブの長さ方向の伸びは同様に、もと
のチューブの長さに対して好ましくは0.5%以上、よ
り好ましくは1.5%以上である。上限は上記と同様の
理由から約10%である。
のチューブの長さに対して好ましくは0.5%以上、よ
り好ましくは1.5%以上である。上限は上記と同様の
理由から約10%である。
【0052】樹脂チューブの伸びは径方向または長さ方
向のいずれかについてそれぞれ単独で加えてもよく、ま
た両方向の張力を同時に加えてもよいが、両方向共に加
えることがより好ましい。このように張力を加えること
により、一次加硫時のローラの残留応力が緩和されると
考えられ、これによりローラ表面にうねりを生じること
なく所望のチューブ被覆ローラを得ることができる。
向のいずれかについてそれぞれ単独で加えてもよく、ま
た両方向の張力を同時に加えてもよいが、両方向共に加
えることがより好ましい。このように張力を加えること
により、一次加硫時のローラの残留応力が緩和されると
考えられ、これによりローラ表面にうねりを生じること
なく所望のチューブ被覆ローラを得ることができる。
【0053】樹脂チューブの内面はシリコーンゴムとの
接着性を向上させるためにエッチングしておくことが好
ましい。エッチングは従来から知られている方法で行う
ことができ、例えばナトリウム・ナフタレン法、液体ア
ンモニウム法等の化学的方法、エキシマーレーザーエッ
チング法、低温プラズマ法等の物理的方法でにより行う
ことができる。特にチューブ厚が30μm以下の場合に
は化学的エッチングは困難なため、物理的エッチングが
適している。
接着性を向上させるためにエッチングしておくことが好
ましい。エッチングは従来から知られている方法で行う
ことができ、例えばナトリウム・ナフタレン法、液体ア
ンモニウム法等の化学的方法、エキシマーレーザーエッ
チング法、低温プラズマ法等の物理的方法でにより行う
ことができる。特にチューブ厚が30μm以下の場合に
は化学的エッチングは困難なため、物理的エッチングが
適している。
【0054】また、シリコーンゴムとフッ素樹脂チュー
ブとの接着性を向上させるためにエッチング面にプライ
マーを塗布してもよい。プライマーは樹脂チューブを伸
ばした状態で塗布することが好ましい。プライマーとし
ては市販のフッ素樹脂用のプライマーを好適に使用でき
る。そのような市販のプライマーとしては、例えば東レ
・ダウコーニング社製のDY39−067等がある。こ
のようなプライマーは導電性フィラーを含有してもよ
い。プライマーはフッ素樹脂チューブの内面に通常は
0.1〜20μm、好ましくは1〜10μm程度の厚さ
で均一に塗布する。上記のように固定されたフッ素樹脂
チューブ2と芯体1との間に弾性材料前駆体を射出注入
するが、このような弾性材料前駆体は、通常、架橋剤及
びその他の添加剤を含むゴムコンパウンドとして注入す
る。架橋剤も従来公知のものでよく、付加型シリコーン
ゴムの場合はシラン架橋剤を使用する。
ブとの接着性を向上させるためにエッチング面にプライ
マーを塗布してもよい。プライマーは樹脂チューブを伸
ばした状態で塗布することが好ましい。プライマーとし
ては市販のフッ素樹脂用のプライマーを好適に使用でき
る。そのような市販のプライマーとしては、例えば東レ
・ダウコーニング社製のDY39−067等がある。こ
のようなプライマーは導電性フィラーを含有してもよ
い。プライマーはフッ素樹脂チューブの内面に通常は
0.1〜20μm、好ましくは1〜10μm程度の厚さ
で均一に塗布する。上記のように固定されたフッ素樹脂
チューブ2と芯体1との間に弾性材料前駆体を射出注入
するが、このような弾性材料前駆体は、通常、架橋剤及
びその他の添加剤を含むゴムコンパウンドとして注入す
る。架橋剤も従来公知のものでよく、付加型シリコーン
ゴムの場合はシラン架橋剤を使用する。
【0055】任意成分として、従来よりシリコーンゴム
等に用いられていたものを使用することができ、例えば
充填剤をシリコーンゴムの補強、増量等の目的で添加す
ることができる。このような充填剤の例としては、シリ
カ、珪藻土、石英粉、クレー、炭酸カルシウム、酸化チ
タン等を挙げることができる。特にシリカ充填剤はシリ
コーンゴムの強度を改善するものとして好ましく、ヒュ
ームドシリカと呼ばれる乾式法シリカ、沈降性シリカと
呼ばれる湿式法シリカのいずれでもよく、またその表面
のケイ素原子に結合した水酸基をトリメチルシリル化し
たもの、その表面を低重合度ジメチルポリシロキサンで
疏水化処理したもの、さらにはこれらにチタンやアルミ
ニウムなどの他の金属の酸化物を副成分として含有させ
たものであってもよい。このようなシリカ系充填剤は、
一般的には上記ポリオルガノシロキサン100重量部に
対して10〜60重量部、好ましくは20〜50重量部
の量で使用される。
等に用いられていたものを使用することができ、例えば
充填剤をシリコーンゴムの補強、増量等の目的で添加す
ることができる。このような充填剤の例としては、シリ
カ、珪藻土、石英粉、クレー、炭酸カルシウム、酸化チ
タン等を挙げることができる。特にシリカ充填剤はシリ
コーンゴムの強度を改善するものとして好ましく、ヒュ
ームドシリカと呼ばれる乾式法シリカ、沈降性シリカと
呼ばれる湿式法シリカのいずれでもよく、またその表面
のケイ素原子に結合した水酸基をトリメチルシリル化し
たもの、その表面を低重合度ジメチルポリシロキサンで
疏水化処理したもの、さらにはこれらにチタンやアルミ
ニウムなどの他の金属の酸化物を副成分として含有させ
たものであってもよい。このようなシリカ系充填剤は、
一般的には上記ポリオルガノシロキサン100重量部に
対して10〜60重量部、好ましくは20〜50重量部
の量で使用される。
【0056】オルガノシラン化合物あるいは低分子オル
ガノポリシロキサン化合物を、上記のようなシリカ系充
填剤の分散性を向上させるために添加することができ、
例えば低重合度の末端シラノール封鎖ジオルガノポリシ
ロキサン、ジフェニルシランジオール、ジメチルジエト
キシシラン等が挙げられる。このような化合物の添加量
は一般的には上記ポリオルガノシロキサン100重量部
に対して0〜30重量部であり、1〜30重量部、特に
2〜10重量部とすることが好ましく、前記シリカ系充
填剤の種類や配合量に応じて適宜な添加量を選択するこ
とができる。
ガノポリシロキサン化合物を、上記のようなシリカ系充
填剤の分散性を向上させるために添加することができ、
例えば低重合度の末端シラノール封鎖ジオルガノポリシ
ロキサン、ジフェニルシランジオール、ジメチルジエト
キシシラン等が挙げられる。このような化合物の添加量
は一般的には上記ポリオルガノシロキサン100重量部
に対して0〜30重量部であり、1〜30重量部、特に
2〜10重量部とすることが好ましく、前記シリカ系充
填剤の種類や配合量に応じて適宜な添加量を選択するこ
とができる。
【0057】上記のように金型内に射出注入された弾性
材料前駆体は、通常加熱加硫することにより硬化させ
(一次加硫)、その後金型から取り外した後にさらに加
熱して(二次加硫)してチューブ被覆ローラを得る。シ
リコーンゴムの場合、一次加硫は100〜170℃、二
次加硫は170℃以上の温度で行うことが好ましく、通
常は200℃程度の温度で行うことができる。このよう
な温度で二次加硫を行うことによりローラの耐熱性が格
段に向上し、ローラ表面にうねりのないローラを得るこ
とができる。
材料前駆体は、通常加熱加硫することにより硬化させ
(一次加硫)、その後金型から取り外した後にさらに加
熱して(二次加硫)してチューブ被覆ローラを得る。シ
リコーンゴムの場合、一次加硫は100〜170℃、二
次加硫は170℃以上の温度で行うことが好ましく、通
常は200℃程度の温度で行うことができる。このよう
な温度で二次加硫を行うことによりローラの耐熱性が格
段に向上し、ローラ表面にうねりのないローラを得るこ
とができる。
【0058】このようにして得られたチューブ被覆ロー
ラは、レーザービームプリンタなどにおいてトナーに接
触する定着ローラ、加圧ローラ等として好適に使用する
ことができる。
ラは、レーザービームプリンタなどにおいてトナーに接
触する定着ローラ、加圧ローラ等として好適に使用する
ことができる。
【0059】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明す
る。
る。
【0060】ロール成型用の長さ360mm、内径40
mmの金型の空洞内部に外径35mm、厚さ50μm、
長さ420mmのフッ素樹脂チューブ(350−J、三
井・デュポンフロロケミカル製、メルトインデックス2
のPFAからなる)を挿入し、次いでプライマーNo. 18
B(信越化学工業製)をフッ素樹脂チューブ部内面に塗布
し、その中に長さ320mm、直径34.8mm、軸厚
3mmのアルミニウム製芯金(アルミニウムA505
6)を挿入し、金型両端に蓋体を嵌装することにより樹
脂チューブは金型と蓋体との係合部に、芯金は金型と同
心状に固定した。このときフッ素樹脂チューブは長さ方
向に全体で8.4mm引き伸ばした状態で固定した(伸
び2%)。
mmの金型の空洞内部に外径35mm、厚さ50μm、
長さ420mmのフッ素樹脂チューブ(350−J、三
井・デュポンフロロケミカル製、メルトインデックス2
のPFAからなる)を挿入し、次いでプライマーNo. 18
B(信越化学工業製)をフッ素樹脂チューブ部内面に塗布
し、その中に長さ320mm、直径34.8mm、軸厚
3mmのアルミニウム製芯金(アルミニウムA505
6)を挿入し、金型両端に蓋体を嵌装することにより樹
脂チューブは金型と蓋体との係合部に、芯金は金型と同
心状に固定した。このときフッ素樹脂チューブは長さ方
向に全体で8.4mm引き伸ばした状態で固定した(伸
び2%)。
【0061】その後付加型メチルフェニルシリコーンゴ
ム前駆体の、粘度が800ポイズで比重が1.28のゴ
ムコンパウンドを金型蓋体の樹脂注入口から注入した。
ム前駆体の、粘度が800ポイズで比重が1.28のゴ
ムコンパウンドを金型蓋体の樹脂注入口から注入した。
【0062】ゴムコンパウンドを注入することによりフ
ッ素樹脂は全体的に径方向にも伸ばされ、外径40mm
となるので径方向の伸びは約14%である。
ッ素樹脂は全体的に径方向にも伸ばされ、外径40mm
となるので径方向の伸びは約14%である。
【0063】この金型を110℃で1時間、恒温槽中で
加熱して硬化させた後、一体化したローラを金型から取
り出し、200℃に4時間加熱して二次加硫させてチュ
ーブ被覆ローラを得た。
加熱して硬化させた後、一体化したローラを金型から取
り出し、200℃に4時間加熱して二次加硫させてチュ
ーブ被覆ローラを得た。
【0064】得られたチューブ被覆ローラの弾性材料層
の厚さは約2.5mm、硬度はJIS−Aで8であっ
た。
の厚さは約2.5mm、硬度はJIS−Aで8であっ
た。
【0065】また、内径38mmの上記と同様な金型を
使用し、弾性材料層の厚さが約1.5mmのチューブ被
覆ローラを上記と同様に製造した。この場合、フッ素樹
脂チューブの径方向の伸びは約8.6%である。硬度は
上記と同じくJIS−Aで8であった。
使用し、弾性材料層の厚さが約1.5mmのチューブ被
覆ローラを上記と同様に製造した。この場合、フッ素樹
脂チューブの径方向の伸びは約8.6%である。硬度は
上記と同じくJIS−Aで8であった。
【0066】得られたローラはいずれもローラ表面の外
観が平滑であり、うねりを生じなかった。また、本ロー
ラをフルカラープリンタに使用し、表面定着温度180
℃で通紙耐久試験を行ったところ15万枚通過後も異常
なく使用できた。さらに本ローラをヒートアップしたま
ま5日間放置した後起動したところ、何ら異常音を発生
せず、画質も良好であった。
観が平滑であり、うねりを生じなかった。また、本ロー
ラをフルカラープリンタに使用し、表面定着温度180
℃で通紙耐久試験を行ったところ15万枚通過後も異常
なく使用できた。さらに本ローラをヒートアップしたま
ま5日間放置した後起動したところ、何ら異常音を発生
せず、画質も良好であった。
【0067】特にフッ素樹脂チューブの径方向の伸びを
約14%としたものは特に平滑な表面を示し、定着用の
ローラとして好適に使用できる。
約14%としたものは特に平滑な表面を示し、定着用の
ローラとして好適に使用できる。
【0068】
【発明の効果】以上説明したようにフッ素樹脂チューブ
に張力を加えた状態でゴムのような弾性材料を射出及び
硬化する本発明のチューブ被覆ローラの製造方法によれ
ば、低硬度で肉厚の薄いゴムを使用しても、ローラ表面
にうねりの生じない平滑なローラを得ることができる。
このような方法で得られたチューブ被覆ローラは、硬度
の低いゴムを使用できるため柔らかいローラとすること
ができ、このため低荷重で広いニップ巾を得ることがで
きる。また、ゴム厚も薄くできるため熱応答性の良好な
ローラが得られる。
に張力を加えた状態でゴムのような弾性材料を射出及び
硬化する本発明のチューブ被覆ローラの製造方法によれ
ば、低硬度で肉厚の薄いゴムを使用しても、ローラ表面
にうねりの生じない平滑なローラを得ることができる。
このような方法で得られたチューブ被覆ローラは、硬度
の低いゴムを使用できるため柔らかいローラとすること
ができ、このため低荷重で広いニップ巾を得ることがで
きる。また、ゴム厚も薄くできるため熱応答性の良好な
ローラが得られる。
【0069】また、チューブ被覆されていることから、
シリコーンオイルを塗布してもローラ径が変化せず、ま
た紙によってローラ表面が削られても表層材料が付着性
の低いフッ素樹脂であるためオフセット性が変化しな
い。このため、ローラの寿命は15万枚以上と長寿命で
あり、ローラ交換を必要としないために電子写真複写
機、レーザービームプリンター等に最適である。このよ
うなローラを定着ローラや加圧ローラに採用することに
より用紙の安定した搬送性が得られ、またカールも生じ
ない。
シリコーンオイルを塗布してもローラ径が変化せず、ま
た紙によってローラ表面が削られても表層材料が付着性
の低いフッ素樹脂であるためオフセット性が変化しな
い。このため、ローラの寿命は15万枚以上と長寿命で
あり、ローラ交換を必要としないために電子写真複写
機、レーザービームプリンター等に最適である。このよ
うなローラを定着ローラや加圧ローラに採用することに
より用紙の安定した搬送性が得られ、またカールも生じ
ない。
【0070】さらに表層がフッ素樹脂であるため、ロー
ラ表面に塗布するオイル量を減らすかあるいは使用しな
いようにすることもでき、オイルレス定着を実現するこ
とも可能となる。
ラ表面に塗布するオイル量を減らすかあるいは使用しな
いようにすることもでき、オイルレス定着を実現するこ
とも可能となる。
【図1】 本発明のチューブ被覆ローラの製造方法を示
す概略断面図である。
す概略断面図である。
1・・・・・・金型(成形型) 2・・・・・・フッ素樹脂チューブ 3・・・・・・芯体 4・・・・・・金型蓋体 5・・・・・・樹脂注入口 6・・・・・・空気排出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩田 俊光 神奈川県川崎市川崎区小田栄2丁目1番 1号 昭和電線電纜株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−334024(JP,A) 特開 平3−61024(JP,A) 特開 平1−278316(JP,A) 特開 平2−171224(JP,A) 特開 平1−219781(JP,A) 特開 昭63−36282(JP,A) 特開 平8−185072(JP,A) 特開 昭62−28213(JP,A) 特開 平5−169566(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 13/20 G03G 15/20 B29C 39/10 B29C 45/14 B29C 45/34 B29C 63/42 F16C 13/00
Claims (5)
- 【請求項1】 成形型空洞内にフッ素樹脂を主成分とす
るフッ素樹脂チューブとその中を通る芯体を装着し、弾
性材料前駆体を前記樹脂チューブ及び前記芯体との間に
射出して前記成形型空洞内を樹脂チューブ、弾性材料前
駆体及び芯体で満たし、前記弾性材料前駆体を硬化し、
硬化後の硬度がJIS-Aで20以下、厚さ3mm以下の弾性
材料の層を形成することからなるチューブ被覆ローラの
製造方法において、前記樹脂チューブをその径方向及び
長さ方向に張力を加えて、径方向に8.6〜20%及び
長さ方向に0.5〜10%伸ばした状態で前記弾性材料
を射出及び硬化することを特徴とする前記製造方法。 - 【請求項2】 シリコーンゴムの熱硬化における二次加
硫の最低温度が170℃以上であることを特徴とする請
求項1に記載の製造方法。 - 【請求項3】 前記樹脂チューブの内面をエッチングす
ることを特徴とする請求項1又は2に記載の製造方法。 - 【請求項4】 前記エッチング面にプライマーを塗布す
ることを特徴とする請求項3記載の製造方法。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の製造方
法によって製造され、芯体の外周に弾性材料層とその外
周に被覆樹脂層を有するチューブ被覆ローラであって、
弾性材料層の厚さが3mm以下、硬度がJIS-Aで20以下
であることを特徴とするチューブ被覆ローラ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18339497A JP3129995B2 (ja) | 1997-07-09 | 1997-07-09 | チューブ被覆ローラの製造方法及びチューブ被覆ローラ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18339497A JP3129995B2 (ja) | 1997-07-09 | 1997-07-09 | チューブ被覆ローラの製造方法及びチューブ被覆ローラ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1124476A JPH1124476A (ja) | 1999-01-29 |
JP3129995B2 true JP3129995B2 (ja) | 2001-01-31 |
Family
ID=16135018
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18339497A Expired - Fee Related JP3129995B2 (ja) | 1997-07-09 | 1997-07-09 | チューブ被覆ローラの製造方法及びチューブ被覆ローラ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3129995B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5196804B2 (ja) * | 2007-02-23 | 2013-05-15 | キヤノン株式会社 | 像加熱装置 |
JP2020012941A (ja) * | 2018-07-17 | 2020-01-23 | 富士ゼロックス株式会社 | 定着部材、定着部材の製造方法、定着装置、及び画像形成装置 |
CN109624154A (zh) * | 2019-02-14 | 2019-04-16 | 咸阳海龙密封复合材料有限公司 | 用于橡胶复合密封板的内置式大开档自动平板加热装置 |
-
1997
- 1997-07-09 JP JP18339497A patent/JP3129995B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1124476A (ja) | 1999-01-29 |
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