JPH085399Y2 - ピンスライド型ディスクブレーキ - Google Patents

ピンスライド型ディスクブレーキ

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JPH085399Y2
JPH085399Y2 JP11266290U JP11266290U JPH085399Y2 JP H085399 Y2 JPH085399 Y2 JP H085399Y2 JP 11266290 U JP11266290 U JP 11266290U JP 11266290 U JP11266290 U JP 11266290U JP H085399 Y2 JPH085399 Y2 JP H085399Y2
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pin
rubber bush
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disc brake
guide pin
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、キャリパスライド部に改良を加えた自動
車用のピンスライド型ディスクブレーキに関する。
〔従来の技術〕
ピンスライド型ディスクブレーキは、キャリパと固定
部材(トルクメンバ)にディスク軸方向のピン穴とガイ
ドピンを対応して設け、上記ピン穴にガイドピンを挿入
してキャリパをディスク軸方向スライド可能に懸架して
いる。ガイドピンは単一軸を用いるものとボルト外周に
スリーブを嵌めたものゝ2種類があるが、いずれのピン
を用いるにせよ、そのピンの外周にはピン穴の出入口部
の端面に係止する鍔を備えたゴムブッシュを装着し、こ
のブッシュでスライド部の錆付き等を防止するのが一般
的である。この場合、キャリパ移動時の滑りはガイドピ
ンとゴムブッシュの間に生じるが、ゴムブッシュはピン
の外周に適度の締め代をもって接するのが望ましいこと
から、従来は、ゴムブッシュの前記ピン穴内でガイドピ
ンを支える部分の自由状態での内径をdr、外径をDr、ピ
ン穴の穴径をDi、ピン径をdoとしたときのdrとdo、Drと
Diの関係をdr<doかつDr>Di、又はdr<doかつDr<Diの
どちらかに設定していた。
〔考案が解決しようとする課題〕
上述の寸法関係に定めた従来のピンスライド型ディス
クブレーキは、使用の初期及び長期放置後のキャリパの
摺動抵抗が大きく、ディスクに対するアウターパッドの
当りが遅れてブレーキの効きがやや甘くなると云う課題
があった。
この考案は、かゝる課題を解決してブレーキの応答性
等を改善することを目的としている。
〔課題を解決するための手段〕
上記の課題を解決するため、この考案においては、上
述したdr、Dr、Di、doについて、dr>doかつDr>Diの関
係を満足させたのである。ゴムブッシュの自由状態での
内径dr、外径Drは、ピン穴に挿入される胴部のうち、実
施例で述べるようなグリース溜まりを避けた位置、即
ち、ガイドピンを実質的に支える部分の寸法である。
なお、この場合、(Dr-Di)と(dr-do)の大きさ次第
で組付け後のゴムブッシュ内径がピンの外径よりも大き
くなる、小さくなる、等しくなるの3通りが考えられる
が、通常は(Dr-Di)>(dr-do)として組付け後のゴム
ブッシュがピンに対して若干の締め代をもつようにして
おくのがよい。
〔作用〕
上記の構造によると、初期及び長期放置後の摺動抵抗
が従来構造に比べて共に小さくなり、放置後の摺動抵抗
については特に抑制効果が高いことが実験で確認され
た。組付け後に同一締め代をもつもの同志の比較結果を
第3図に示す。
従来は、ガイドピンに対する締め代をゴムブッシュの
内径側に圧縮代をつけて生じさせている。これに対し、
この考案ではゴムブッシュの外径側に圧縮代をつけて同
一目的を達成する。この相違が摺動抵抗の低減に効果を
奏していると思われる。
〔実施例〕
第1図及び第2図にこの考案の一実施例を示す。
第2図はディスクブレーキの全体を表している。図の
1はキャリパであり、ディスクの回入側、回出側の双方
にゴムブッシュ2とガイドピン3を用いたスライドガイ
ド部を備えている。
ゴムブッシュ2は、第1図に示すように、胴部2aの両
側に鍔2bと伸縮用のジャバラ2cを設けて胴部2aをキャリ
パ1に設けたピン穴4に嵌め、抜け止めのために上記鍔
2bをピン穴4の出入り口部の端面に係止させてある。
ガイドピン3は、ゴムブッシュ組付け後にそのブッシ
ュの内側に通すスリーブ3aとこのスリーブの内側に通す
ボルト3bとから成るものを用い、一端を固定部材5に止
着している。
ゴムブッシュ2の両端は、スリーブ3aの外周に加工し
た環状溝に適度の締め代をもって嵌められている。
そのゴムブッシュ2の自由状態でのスリーブ3aに接す
る部分の胴部内径drはスリーブ3aの外径doよりも大き
く、同じ自由状態での胴部外径Drはピン穴4の内径Diよ
りも大きい。また、(Dr-Di)>(dr-do)の条件も満た
している。従って、第1図の組付け状態では胴部2aが適
度の締め代をもってガイドピン3に接する。
6は、良好な滑性を維持するために設けられるグリー
ス溜りである。このグリース溜りは、第3図の比較実験
に用いた従来ブレーキにも存在する。
〔効果〕
以上述べたように、この考案によれば、使用初期及び
長期放置後のキャリパのスライド抵抗を軽減できるた
め、操作の軽いブレーキにおけるブレーキフィーリング
を向上させる(効きの甘さを改善する)ことができ、ま
た、同時に非ブレーキ作動時の引きずりトルクも軽減し
て燃費の向上、ディスクロータの摩耗抑制、ブレーキ異
音の防止を図ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この考案のディスクブレーキのスライドガイ
ド部の一例を示す断面図、第2図は第1図のスライドガ
イド部を有するディスクブレーキの平面図、第3図は摺
動抵抗の比較結果を示すグラフである。 1……キャリパ、2……ゴムブッシュ、2a……胴部、2b
……鍔、3……ガイドピン、3a……スリーブ、3b……ボ
ルト、4……ピン穴、5……固定部材、6……グリース
溜り。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】キャリパと固定部材にピン穴とガイドピン
    を対応して設け、上記ピン穴の内面とその穴に挿入した
    ガイドピンとの間にピン穴の出入口部に係止する鍔を備
    えたゴムブッシュを挾持し、このゴムブッシュとガイド
    ピンとの間に滑りを生じさせてキャリパをディスク軸方
    向にスライドさせるピンスライド型ディスクブレーキに
    おいて、ゴムブッシュの前記ピン穴内でガイドピンを支
    える部分の自由状態での内径をdr、外径をDr、ピン穴の
    穴径をDi、ピン径をdoとしたとき、dr>do、Dr>Diの条
    件を満足させたことを特徴とするピンスライド型ディス
    クブレーキ。
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