JPH0853752A - 真空成膜装置およびその減圧方法 - Google Patents

真空成膜装置およびその減圧方法

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JPH0853752A
JPH0853752A JP18837394A JP18837394A JPH0853752A JP H0853752 A JPH0853752 A JP H0853752A JP 18837394 A JP18837394 A JP 18837394A JP 18837394 A JP18837394 A JP 18837394A JP H0853752 A JPH0853752 A JP H0853752A
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JP
Japan
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film forming
vacuum
film
chamber
chambers
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JP18837394A
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English (en)
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Katsumi Ichitani
克実 市谷
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Abstract

(57)【要約】 【目的】メインテナンスのために大気開放した成膜室の
内部に水分が侵入しても、メインテナンスの作業性を損
なわずに、所定の真空度まで迅速に減圧可能な真空成膜
装置およびその減圧方法の提供。 【構成】成膜される基板を搬送する基板キャリアを改造
してスパッタ室11〜15に入退室可能な加熱機2を真空成
膜装置に設ける。加熱機2の電熱線3でスパッタ室11〜
15を加熱して、スパッタ室11〜15の内部の水分を強制的
に蒸発させ、真空ポンプで水分の排出を容易に行えるよ
うにし、所定の真空度に達する時間を著しく短縮する。
また、メインテナンス時に加熱機2を外部に取り出せ
ば、加熱機2がスパッタ室11〜15のメインテナンス作業
の障害物となることがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は真空成膜装置およびその
減圧方法に関し、基板の表面に記録媒体の膜を形成した
光磁気ディスクの製造等に利用できる。
【0002】
【背景技術】従来より、複数の成膜室を連結するととも
に、基板が取付けられたキャリアを一の成膜室から次の
成膜室へ順次搬送しながら、基板上に多層構造の膜を形
成し、これにより光磁気ディスク等の成膜品を製造する
インライン式の真空成膜装置が利用されている。このよ
うな真空成膜装置では、所定周期毎に成膜室の内部を大
気開放し、成膜室の清掃、基板以外の部分の成膜を防止
する防着板の交換作業、および、クライオポンプの再生
作業等のメンテナンス作業を行い、これらのメンテナン
ス作業が完了した後、成膜室を所定の真空度まで減圧
し、成膜品の製造を再開する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一旦成
膜室を大気開放すると、空気中の水分が成膜室に入って
成膜室の内部に付着し、単に真空ポンプで減圧したので
は、蒸発潜熱の大きい水分がなかなか蒸発せずに残留す
るため、再度所定の真空度まで減圧するのに時間がかか
るという問題がある。特に、成膜される成分が吸湿性を
有するものであると、成膜室に付着した吸湿成分に吸収
された水分が簡単に排除できず、所定の真空度まで減圧
するのに著しく時間がかかる。このような問題を解決す
るために、加熱により水分を蒸気にして減圧を促進する
ヒータを成膜室に取付けた真空成膜装置がある。しか
し、ヒータが障害物となって、防着板の着脱作業や成膜
室の清掃が面倒になったり、ヒータの表面も成膜される
ために、ヒータの清掃作業が必要になるといったメンテ
ナンス上の問題が生じる。
【0004】本発明の目的は、メンテナンス作業のため
に大気開放した成膜室の内部に水分が侵入しても、メン
テナンスの作業性を損なわずに、所定の真空度まで迅速
に減圧可能な真空成膜装置およびその減圧方法を提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の第1発明は、成
膜される基板を搬送するキャリアが入退室可能にされた
成膜室で成膜を行う真空成膜装置であって、前記キャリ
アと同一種類の移動機構を有する台車に放熱装置を取付
けた加熱機を前記成膜室に入退室可能に設けたことを特
徴とする。本発明の第2発明は、成膜される基板を搬送
するキャリアが入退室可能にされた成膜室で成膜を行う
真空成膜装置の減圧方法であって、前記キャリアと同一
種類の移動機構を有する台車に放熱装置を取付けた加熱
機を設け、この加熱機を前記成膜室に入れ、前記放熱装
置を発熱させながら前記成膜室を減圧し、この成膜室が
所定の真空度に到達した後に、前記加熱機を前記成膜室
から退室させることを特徴とする。以上において、同一
種類の移動機構とは、前記キャリアと同一構造の移動機
構に限らず、前記キャリアと同様の機能を達成できるも
のをいう。また、前記真空成膜装置としては、複数の成
膜室を有するインライン式の真空成膜装置を採用するこ
とが望ましい。
【0006】
【作用】このような本発明では、加熱機の放熱装置で成
膜室を加熱することで、成膜室の内部の水分を強制的に
蒸発させるので、真空ポンプによる水分の排除が容易に
行え、所定の真空度に達する時間が著しく短縮される。
また、成膜時には、加熱機を成膜室から別の真空室へ移
動することにより、加熱機が成膜作業を阻害することが
なく、加熱機の表面に成膜されることが防止される。こ
のため、加熱機のメンテナンスが煩雑になることがな
い。さらに、メンテナンスの作業時には、加熱機を外部
に取り出すことが可能なため、加熱機がメンテナンスの
作業の障害物となることがなく、防着板の着脱作業や成
膜室の清掃が容易に行え、これらにより前記目的が達成
される。
【0007】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1および図2には、本実施例に係る真空成膜
装置であるインラインスパッタ装置1が示されている。
このインラインスパッタ装置1は、光磁気ディスクの製
造装置の一つである。インラインスパッタ装置1には、
直線状に連結された複数の成膜室であるスパッタ室11〜
15と、これらのスパッタ室11〜15の両端に連結されたス
トッカ室16, 17とが設けられている。各スパッタ室11〜
15の内部には、基板キャリア18および加熱機2(図2に
のみ示す)が移動可能に設けられている。このうち基板
キャリア18には、複数の基板19が取付けられている。
【0008】スパッタ室11, 12は、光磁気ディスクの記
録層を酸化から保護する保護層を成膜するものであり、
互いにほぼ同一の構造を有している。各スパッタ室11,
12の内部には、スッパタ粒子が基板19以外の部分に付着
することを防止する防着板(図示せず)および複数のカ
ソード20が設けられている。各カソード20には、それぞ
れ保護層の膜材料であるターゲット材21が取付けられて
いる。スパッタ室13は、光磁気ディスクの記録層を成膜
するものである。スパッタ室13の内部には、図示しない
防着板およびカソード22が設けられている。カソード22
には、記録層の膜材料であるターゲット材23が取付けら
れている。スパッタ室14は、光磁気ディスクの記録層を
酸化から保護する保護層を成膜するものであり、その構
造はスパッタ室11, 12とほぼ同じとなっている。スパッ
タ室14の内部には、図示しない防着板および複数のカソ
ード24が設けられている。各カソード24には、それぞれ
保護層の膜材料であるターゲット材25が取付けられてい
る。スパッタ室15は、光磁気ディスクの光反射層を成膜
するものである。スパッタ室15の内部には、図示しない
防着板およびカソード26が設けられている。カソード26
には、保護層の膜材料であるターゲット材27が取付けら
れている。
【0009】ストッカ室16は、インラインスパッタ装置
1の入口部分に設けられたものであり、未成膜状態の基
板19を取付けた基板キャリア18および加熱機2をストッ
クしておく部屋である。ストッカ室17は、インラインス
パッタ装置1の出口部分に設けられたものであり、基板
19が成膜済の基板キャリア18および加熱機2をストック
しておく部屋である。以上のスパッタ室11〜15やストッ
カ室16, 17を大気開放すると、スパッタ室11〜15やスト
ッカ室16, 17の内壁表面、スパッタ室11〜15の防着板の
表面、および、その表面に付着した膜材料に空気中の水
分が吸着される。これらに吸着された水分は、蒸発潜熱
が大きいため、単に真空ポンプで真空引きしただけで
は、容易に排出できず、所定の真空度に到達するまでの
時間を著しく長くする原因となるものである。
【0010】基板キャリア18は、図3にも示されるよう
に、円盤状のパレット18A と、このパレット18A を回転
自在に支持する台車18B と、パレット18A を回転駆動す
る図示しない駆動手段とを含んで構成されたものであ
る。パレット18A は、周縁部分に沿って配置された複数
の基板19を回転自在に支持するものであり、図示しない
回転駆動源により自転するようになっている。台車18B
は、インラインスパッタ装置1の長手方向に沿って敷か
れたレール2Cの上を移動するものである。このような構
成の基板キャリア18により、パレット18A に取付けられ
た複数の基板19の各々は、各スパッタ室11〜15において
パレット18A の回転で順次ターゲット材に対向させら
れ、基板19自体の回転で表面に均一な膜が成膜され、各
スパッタ室11〜15を通過して多層構造の膜が形成される
ようになっている。
【0011】加熱機2は、図4に示されるように、基板
キャリア18とほぼ同一の構造を有するものである。具体
的には、加熱機2は、基板キャリア18を改造したもので
あり、基板キャリア18とほぼ同一の円盤状のパレット2A
および台車2Bとを含んで構成されたものである。パレッ
ト2Aの両面には、放熱装置としての電熱線3が直径の異
なる複数の同心円周上に敷設されている。電熱線3の両
端は、パレット2Aの周縁部分に設けられた端子台4に接
続されている。この端子台4は、台車2Bに設けられた図
示しないバッテリあるいは各スパッタ室のスパッタ電源
に接続可能となっている。台車2Bは、基板キャリア18と
同一のレール2Cの上を移動するものである。このような
構成の加熱機2により、各スパッタ室11〜15の内部が加
熱されるようになっている。また、スパッタ室11〜15の
加熱が終了すると、加熱機2はストッカ室17まで移動可
能となっている。これにより、各スパッタ室11〜15は、
内部を大気開放することなく、基板キャリア18が搬入さ
れ、成膜を開始できるようになっている。
【0012】このような本実施例では、インラインスパ
ッタ装置1を連続運転し、基板19の表面に各ターゲット
材の膜を順次成膜してゆく。そして、運転時間がメンテ
ナンス周期に到達すると、インラインスパッタ装置1を
停止し、必要に応じて各スパッタ室11〜15の内部圧力を
真空から大気圧に戻した後、大気圧に戻したスパッタ室
については、クライオポンプの再生作業や、防着板の交
換作業等のメンテナンス作業を行う。このメンテナンス
作業が終了したら、メンテナンスを行ったスパッタ室の
内部に加熱機2を配置し、当該スパッタ室の内部を加熱
しながら真空引きする。このスパッタ室の内部が5×1
-5torr以下、好ましくは、5×10-6torr以下の真空
度に達したら、そのスパッタ室に配置した加熱機2をス
トッカ室17へ移動し、この後、インラインスパッタ装置
1の運転を開始し、光磁気ディスクの製造を再開する。
ここで、スパッタ室11〜15を大気開放した際、スパッタ
室11〜15の内表面、スパッタ室11〜15の防着板の表面、
および、その表面に付着した膜材料により空気中の水分
が吸着される。空気中の水分は、特に膜材料に多く吸着
されやすい。この場合、防着板を交換しなくとも、スパ
ッタ室13に加熱機2を配置し、前記防着板を加熱機2で
加熱しながら、真空引きを行えば、膜材料、防着板、お
よび、内表面に吸着された水分は加熱機2の加熱により
蒸発し、真空ポンプにより容易かつ迅速にスパッタ室13
の外へ排出される。
【0013】前述のような本実施例によれば、次のよう
な効果がある。すなわち、電熱線3を有する加熱機2を
各スパッタ室11〜15に入退室可能としたので、大気開放
によりスパッタ室11〜15の防着板等が水分を吸収したと
しても、当該水分を加熱機2の加熱により強制的に蒸発
させ、真空ポンプで当該水分の排出が容易となるため、
所定の真空度に達する時間を著しく短縮できる。
【0014】また、加熱機2を基板キャリア18と同一構
造の移動機構を有する基板キャリア18の改造物とし、ス
パッタ室11〜15から入退室可能とし、成膜時には、スパ
ッタ室11〜15からストック室17へ加熱機2を移動させる
ようにしたので、加熱機2の表面に成膜されることが防
止され、加熱機2の掃除等のメンテナンスを容易とでき
るうえ、加熱機2の退室後には基板キャリア18がスパッ
タ室11〜15に無理なく入室可能となるため、成膜作業が
阻害されることがない。
【0015】さらに、メンテナンスの作業時には、加熱
機2をスパッタ室11〜15の外部に取り出すことが可能な
ため、加熱機2がメンテナンスの作業の障害物となるこ
とがなく、防着板の着脱作業や成膜室の清掃を容易に行
うことができる。
【0016】また、加熱機2を基板キャリア18の改造物
としたので、インラインスパッタ装置1本体を改造する
必要が殆どなく、様々な種類の真空成膜装置に対しても
容易に実施することができる。
【0017】以上、本発明について好適な実施例を挙げ
て説明したが、本発明は、この実施例に限られるもので
なく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改
良並びに設計の変更が可能である。例えば、インライン
スパッタ装置としては、前記実施例で示したターゲット
材の前面で基板を自転・公転させる、いわゆる基板回転
型の装置1に限らず、四角形状のパレットの表面に縦横
に基板を配列する基板キャリアを有し、ターゲット材の
前面で基板を回転させることなく単に通過させて成膜す
る、いわゆる通過型の装置でもよい。
【0018】また、インラインスパッタ装置で製造する
ものとしては、光磁気ディスクに限らず、タンタル集積
回路等のIC、ICメタライゼーション用アルミニウム
膜、および、各種電気部品等でもよい。この際、スパッ
タ室の数、ターゲット材の数等は、製造される成膜品に
応じて適宜設定すればよい。
【0019】さらに、放熱装置としては、電熱線3に限
らず、赤外線ランプでもよく、要するに、輻射熱を放射
可能なものであれば、構造、機構は限定しない。また、
加熱機としては、基板キャリア18と同一構造の移動機構
を有する基板キャリア18の改造物に限らず、車輪の数等
が異なる専用設計のものでもよく、要するに、基板キャ
リアの移動機構と同様の機能を達成できるものであれば
よい。なお、本発明は、マグネトロンスパッタ法による
真空成膜装置に限らず、高周波スパッタ法等の他のスパ
ッタ法による真空成膜装置や、蒸着法による真空成膜装
置にも適用できる。
【0020】
【発明の効果】前述のように本発明によれば、メンテナ
ンス作業のために大気開放した成膜室の内部に水分が侵
入したとしても、メンテナンスの作業性を損なわずに、
成膜室を所定の真空度まで迅速に減圧できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の全体を示す斜視図である。
【図2】前記実施例の全体を示す模式平面図である。
【図3】前記実施例で使用される基板キャリアを示す斜
視図である。
【図4】前記実施例で使用される加熱機を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
1 真空成膜装置としてのインラインスパッタ装置 2 加熱機 3 放熱装置 2B 台車 11〜15 成膜室であるスパッタ室 18 キャリアとしての基板キャリア 19 基板

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】成膜される基板を搬送するキャリアが入退
    室可能にされた成膜室で成膜を行う真空成膜装置であっ
    て、前記キャリアと同一種類の移動機構を有する台車に
    放熱装置を取付けた加熱機を前記成膜室に入退室可能に
    設けたことを特徴とする真空成膜装置。
  2. 【請求項2】成膜される基板を搬送するキャリアが入退
    室可能にされた成膜室で成膜を行う真空成膜装置の減圧
    方法であって、前記キャリアと同一種類の移動機構を有
    する台車に放熱装置を取付けた加熱機を設け、この加熱
    機を前記成膜室に入れ、前記放熱装置を発熱させながら
    前記成膜室を減圧し、この成膜室が所定の真空度に到達
    した後に、前記加熱機を前記成膜室から退室させること
    を特徴とする真空成膜装置の減圧方法。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の真空成膜装置の減圧方法
    において、前記真空成膜装置は、複数の成膜室を有する
    インラインスパッタ装置であることを特徴とする真空成
    膜装置の減圧方法。
JP18837394A 1994-08-10 1994-08-10 真空成膜装置およびその減圧方法 Pending JPH0853752A (ja)

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Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20030078454A (ko) * 2002-03-29 2003-10-08 주식회사 엘지이아이 표면처리장치와 그 방법 및 표면처리된 제품
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JP2013503414A (ja) * 2009-08-26 2013-01-31 ビーコ・インスツルメンツ・インコーポレーテッド 磁気記録媒体上にパターンを製造するためのシステム

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