JPH085280B2 - 天然木目模様を施した化粧材およびその製作方法 - Google Patents
天然木目模様を施した化粧材およびその製作方法Info
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- JPH085280B2 JPH085280B2 JP20845393A JP20845393A JPH085280B2 JP H085280 B2 JPH085280 B2 JP H085280B2 JP 20845393 A JP20845393 A JP 20845393A JP 20845393 A JP20845393 A JP 20845393A JP H085280 B2 JPH085280 B2 JP H085280B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高級天然木材の持つ美
麗で暖かく且つ柔らかい感じの木目に酷似する天然木目
模様を、建築物、家具等に用いる基体部材、例えばベニ
ヤ合板やモルタル製板材に施した化粧材に関するもので
ある。
麗で暖かく且つ柔らかい感じの木目に酷似する天然木目
模様を、建築物、家具等に用いる基体部材、例えばベニ
ヤ合板やモルタル製板材に施した化粧材に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】例えば桧材および杉材で代表される建築
用の高級木材や例えば桐材、チーク材、ローズウッド
材、チーク材およびマホガニーで代表される家具用の高
級木材を、生(「ナマ」)のままの状態で建築物や家具
に用いようとすると、その価格が極めて高価なものにな
る。
用の高級木材や例えば桐材、チーク材、ローズウッド
材、チーク材およびマホガニーで代表される家具用の高
級木材を、生(「ナマ」)のままの状態で建築物や家具
に用いようとすると、その価格が極めて高価なものにな
る。
【0003】そのため、原木からこれらの高級木材の持
つ美麗な木目が明瞭に残る形で薄く剥いで剥ぎ材(いわ
ゆるツキ板)を製作し、それを他の木材の表面に貼付け
るようにして恰も高級木材を生のままの形で使用してい
るかのように見せ掛けるという手法が、従来から広く用
いられて来ている。
つ美麗な木目が明瞭に残る形で薄く剥いで剥ぎ材(いわ
ゆるツキ板)を製作し、それを他の木材の表面に貼付け
るようにして恰も高級木材を生のままの形で使用してい
るかのように見せ掛けるという手法が、従来から広く用
いられて来ている。
【0004】しかしながら、このように1本の高級原木
から木目を明瞭に残した形で剥ぎ材を得ようとすると、
原木のうちに無駄となる部分が多量に発生することにな
って、1本の原木から得られる剥ぎ材の量が極めて少量
になってしまうという現象が生じる。
から木目を明瞭に残した形で剥ぎ材を得ようとすると、
原木のうちに無駄となる部分が多量に発生することにな
って、1本の原木から得られる剥ぎ材の量が極めて少量
になってしまうという現象が生じる。
【0005】一方、これらの高級木材に対する憧れ感の
高まりにつれ、その需要が増加の一途を辿っているた
め、これらの高級原木は、地球規模で著しく減少しつつ
ある。そのため、一方においてこれら高級原木の伐採を
最小限度に抑えることにより地球規模での環境破壊を防
止し、他方では、高級原木の減少化に対処するため、塗
装方法やプリント方法を利用して、他の適宜の木材の表
面に高級天然木材の持つ木目を模した模様を描くことが
考えられ、既に数多くの方法が提案されている。
高まりにつれ、その需要が増加の一途を辿っているた
め、これらの高級原木は、地球規模で著しく減少しつつ
ある。そのため、一方においてこれら高級原木の伐採を
最小限度に抑えることにより地球規模での環境破壊を防
止し、他方では、高級原木の減少化に対処するため、塗
装方法やプリント方法を利用して、他の適宜の木材の表
面に高級天然木材の持つ木目を模した模様を描くことが
考えられ、既に数多くの方法が提案されている。
【0006】例えば、特公昭 49 - 46135 号公報に開示
された方法は、先ず、適宜の木材等で作られた基体部材
の表面に、例えば酸化チタン、カーボンブラック、酸化
鉄、アルキド樹脂溶液等からなる下塗り塗料を用いて平
坦な任意の塗装を行うことにより下塗り層を形成し、乾
燥後の下塗り層上に、表面張力の小さい珪素樹脂塗料を
用いて、例えば木目模様を成す任意の縞状パターンを描
く。
された方法は、先ず、適宜の木材等で作られた基体部材
の表面に、例えば酸化チタン、カーボンブラック、酸化
鉄、アルキド樹脂溶液等からなる下塗り塗料を用いて平
坦な任意の塗装を行うことにより下塗り層を形成し、乾
燥後の下塗り層上に、表面張力の小さい珪素樹脂塗料を
用いて、例えば木目模様を成す任意の縞状パターンを描
く。
【0007】その後、この縞状パターンの描かれた珪素
樹脂塗剤層の上に全面に亘って、透明、半透明または不
透明の例えば、カーボンブラック、酸化鉄、アルキド樹
脂溶液等からなる塗料を用いて上塗り層を形成する。
樹脂塗剤層の上に全面に亘って、透明、半透明または不
透明の例えば、カーボンブラック、酸化鉄、アルキド樹
脂溶液等からなる塗料を用いて上塗り層を形成する。
【0008】このとき、上塗り層を形成する段階におい
て、下塗り層上に形成された珪素樹脂塗剤層の存在する
部分の上塗り層の塗料がはじかれて珪素樹脂塗剤の存在
部の周辺に押し寄せるという作用(いわゆる、揆水作
用、目弾き作用)が生じるから、この作用を利用して任
意の木目模様を現出させるというものである。
て、下塗り層上に形成された珪素樹脂塗剤層の存在する
部分の上塗り層の塗料がはじかれて珪素樹脂塗剤の存在
部の周辺に押し寄せるという作用(いわゆる、揆水作
用、目弾き作用)が生じるから、この作用を利用して任
意の木目模様を現出させるというものである。
【0009】この場合、珪素樹脂塗剤で描かれる縞状パ
ターンは、パターンロールや毛を適当に間引いた構造の
ブラシを用いて、所定幅を持つ複数本の線状縞として並
列的に描かれることになる。
ターンは、パターンロールや毛を適当に間引いた構造の
ブラシを用いて、所定幅を持つ複数本の線状縞として並
列的に描かれることになる。
【0010】また、特公昭 58 - 44036 号公報(特開昭
52 - 96715 号公報)に開示された方法は、先ず、ラワ
ン合板で作られた基体部材の表面に、アクリルエマルジ
ョン系水性目止め剤を塗装し、この塗膜層を乾燥研磨後
に、淡色のアクリルラッカーのサーフェーサーを全面に
亘って塗布して中塗り塗料層を形成する。
52 - 96715 号公報)に開示された方法は、先ず、ラワ
ン合板で作られた基体部材の表面に、アクリルエマルジ
ョン系水性目止め剤を塗装し、この塗膜層を乾燥研磨後
に、淡色のアクリルラッカーのサーフェーサーを全面に
亘って塗布して中塗り塗料層を形成する。
【0011】その後、求める木目、導管等の模様部分を
印刷しようとする面以外の前記サーフェーサーの表面に
アクリルラッカークリアーを塗布し、次に、発泡剤を所
定量混入させた印刷剤を塗装する。このとき、印刷剤は
アクリルラッカークリアーの塗装面以外のサーフェーサ
ー表面にのみ、ウエット状態で残存することになる。そ
して、印刷剤が未乾燥状態ないしは指触乾燥状態の内
に、通常のインクを用いて、求める木目、導管等の模様
部分に対するボカシ刷りを行うと共に、発泡剤を含有し
た印刷剤と同一配合の艶消しインクを用いて、骨格部分
を印刷する。
印刷しようとする面以外の前記サーフェーサーの表面に
アクリルラッカークリアーを塗布し、次に、発泡剤を所
定量混入させた印刷剤を塗装する。このとき、印刷剤は
アクリルラッカークリアーの塗装面以外のサーフェーサ
ー表面にのみ、ウエット状態で残存することになる。そ
して、印刷剤が未乾燥状態ないしは指触乾燥状態の内
に、通常のインクを用いて、求める木目、導管等の模様
部分に対するボカシ刷りを行うと共に、発泡剤を含有し
た印刷剤と同一配合の艶消しインクを用いて、骨格部分
を印刷する。
【0012】その後、これらの全面に酸分解型発泡剤を
分解させる酸成分を含有した上塗り塗料を塗布して塗膜
を形成し、さらに、加熱環境または常温において、木
目、導管等の模様部分とそれ以外の部分とを同時に乾燥
させる。このとき、乾燥過程において、木目、導管等の
模様部分を印刷した面が発泡により微細な不均一面とな
って、印刷面上の上塗り塗膜の光沢が低下するから、こ
の印刷面と他の平滑面とに間に光沢差が生じる。この結
果、優雅な仕上りで且つ立体感あふれる高級天然木材の
ような外観が得られるというものである。
分解させる酸成分を含有した上塗り塗料を塗布して塗膜
を形成し、さらに、加熱環境または常温において、木
目、導管等の模様部分とそれ以外の部分とを同時に乾燥
させる。このとき、乾燥過程において、木目、導管等の
模様部分を印刷した面が発泡により微細な不均一面とな
って、印刷面上の上塗り塗膜の光沢が低下するから、こ
の印刷面と他の平滑面とに間に光沢差が生じる。この結
果、優雅な仕上りで且つ立体感あふれる高級天然木材の
ような外観が得られるというものである。
【0013】ところで、特開平 5 - 115837 号公報に開
示された方法は、木質化粧単板の表面を浮造り構造に形
成する場合における着色を目的とした技術で、特に木目
模様を形成する目的の技術ではないが、浮造り構造にす
ることにより結果的に木目模様が形成されることにもな
るので、一応、本発明の先行技術になり得ると考えられ
る。
示された方法は、木質化粧単板の表面を浮造り構造に形
成する場合における着色を目的とした技術で、特に木目
模様を形成する目的の技術ではないが、浮造り構造にす
ることにより結果的に木目模様が形成されることにもな
るので、一応、本発明の先行技術になり得ると考えられ
る。
【0014】この方法は、先ず、適宜の合板等で作られ
た基体部材の表面に、木質化粧単板を接着し、この化粧
単板の表面をブラッシングする。
た基体部材の表面に、木質化粧単板を接着し、この化粧
単板の表面をブラッシングする。
【0015】このとき、化粧単板の表面の木目を構成す
る春材部と秋材部の内、柔らかい春材部が深く削られて
凹形状となり、硬い秋材部が余り削られないことから凸
形状になって浮造り構造となる。
る春材部と秋材部の内、柔らかい春材部が深く削られて
凹形状となり、硬い秋材部が余り削られないことから凸
形状になって浮造り構造となる。
【0016】その後、このような浮造り構造に形成され
た化粧単板の表面に、シーラ層を塗布すると共にその上
にさらに着色剤を塗装する。この場合、シーラ層の存在
により着色剤の浸透作用が抑制され、春材部と秋材部と
の着色のコントラストが小さくなる。
た化粧単板の表面に、シーラ層を塗布すると共にその上
にさらに着色剤を塗装する。この場合、シーラ層の存在
により着色剤の浸透作用が抑制され、春材部と秋材部と
の着色のコントラストが小さくなる。
【0017】この結果、「色ムラ」のないソフトな外観
を保ちながら木質化粧単板を着色することができるとい
うものである。
を保ちながら木質化粧単板を着色することができるとい
うものである。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公昭
49 - 46135 号公報の方法では、量産に適する方法であ
るがために、描かれる珪素樹脂塗剤の縞が画一的なもの
となる。しかも、描かれた縞が直線状のものとして表現
され、且つ、縞の描かれた領域と他の領域との間の境界
線が可成り明瞭な形で表れる関係で、得られる縞模様
は、見た目には硬めの縞として映ることになる。その結
果、高級天然木材の持つ美麗で奥床しく且つ柔らかい感
じの木目とは、感覚的に異なる木目模様になってしまう
ということが問題となる。
49 - 46135 号公報の方法では、量産に適する方法であ
るがために、描かれる珪素樹脂塗剤の縞が画一的なもの
となる。しかも、描かれた縞が直線状のものとして表現
され、且つ、縞の描かれた領域と他の領域との間の境界
線が可成り明瞭な形で表れる関係で、得られる縞模様
は、見た目には硬めの縞として映ることになる。その結
果、高級天然木材の持つ美麗で奥床しく且つ柔らかい感
じの木目とは、感覚的に異なる木目模様になってしまう
ということが問題となる。
【0019】また、特公昭 58 - 44036 号公報の方法で
は、印刷法によって形成される木目、導管等の模様部分
の骨格部分7′が見た目に硬めの模様として映ることを
防ぐためのボカシ印刷が必要になり、その分だけ製作工
程が複雑になるという問題が生じる。
は、印刷法によって形成される木目、導管等の模様部分
の骨格部分7′が見た目に硬めの模様として映ることを
防ぐためのボカシ印刷が必要になり、その分だけ製作工
程が複雑になるという問題が生じる。
【0020】しかも、酸分解型発泡剤を使用することに
なるので、酸分解型発泡剤を含む塗料やこの酸分解型発
泡剤を分解する酸成分を含む塗料といった特殊な塗料を
必要とするという製作上の大きな問題も生じることにな
る。
なるので、酸分解型発泡剤を含む塗料やこの酸分解型発
泡剤を分解する酸成分を含む塗料といった特殊な塗料を
必要とするという製作上の大きな問題も生じることにな
る。
【0021】また、特開平 5 - 115837 号公報に開示さ
れた方法は、木質化粧単板の春材部と秋材部との硬さの
違いを利用して、木質化粧単板の表面に凹凸模様を形成
するようにしているため、高級天然木材の持つ美麗で奥
床しく且つ柔らかい感じの木目を得るためには、木質化
粧単板に高級天然木材の薄板で作らねばならないことに
なる。これでは、高級天然木材を使用しないで高級天然
木材の持つ美麗で奥床しく且つ柔らかい感じの木目を得
るという目的に合致しなくなるので、これがこの従来方
法の大きな欠点となる。
れた方法は、木質化粧単板の春材部と秋材部との硬さの
違いを利用して、木質化粧単板の表面に凹凸模様を形成
するようにしているため、高級天然木材の持つ美麗で奥
床しく且つ柔らかい感じの木目を得るためには、木質化
粧単板に高級天然木材の薄板で作らねばならないことに
なる。これでは、高級天然木材を使用しないで高級天然
木材の持つ美麗で奥床しく且つ柔らかい感じの木目を得
るという目的に合致しなくなるので、これがこの従来方
法の大きな欠点となる。
【0022】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、その目的とするところは、貴重な高級天然木
材(いわゆるツキ板)を一切使用せず、さらに、特殊な
配合の塗料を用いる必要もなく、しかも、従来の製作工
程に利用される塗布装置の殆どをそのまま用いて簡単な
工程で製作することが可能であり、製作コストを著しく
低減することができる天然木目模様を施した化粧材およ
びその製作方法を提供することにある。
たもので、その目的とするところは、貴重な高級天然木
材(いわゆるツキ板)を一切使用せず、さらに、特殊な
配合の塗料を用いる必要もなく、しかも、従来の製作工
程に利用される塗布装置の殆どをそのまま用いて簡単な
工程で製作することが可能であり、製作コストを著しく
低減することができる天然木目模様を施した化粧材およ
びその製作方法を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係る天然木目模様を施した化粧材の発明
は、少なくとも、建築物、家具等に用いられる化粧材の
基礎素材となる基体部材と、目的とする天然木目模様の
色合いを形成する一方の構成色を表すエマルジョン塗料
をもって前記基体部材の表面に形成されたエマルジョン
塗料層と、顔料を含有し且つ前記天然木目模様の色合い
を形成する他方の構成色を表すオイルカラーをもって前
記エマルジョン塗料層上に形成されたオイルカラー層
と、このオイルカラー層の表面を、刷毛部材で前記オイ
ルカラー層の表面において前記天然木目模様を形成する
方向にブラッシングすることにより、前記オイルカラー
層の含有顔料を前記天然木目模様を形成する方向に沿っ
て偏在的に付着させて得られた前記含有顔料の濃淡縞模
様と、この濃淡縞模様が表す前記他方の構成色と前記濃
淡縞模様と混在した状態で表れる前記エマルジョン塗料
層の前記一方の構成色との組合せで創成された複合色と
の相互作用により形成された前記天然木目模様と、この
天然木目模様を施された前記エマルジョン塗料層の上に
実質的に透明な無色または有色の塗剤をもって形成され
た付加膜層と、を有するように構成されたことを特徴と
するものである。
めに、本発明に係る天然木目模様を施した化粧材の発明
は、少なくとも、建築物、家具等に用いられる化粧材の
基礎素材となる基体部材と、目的とする天然木目模様の
色合いを形成する一方の構成色を表すエマルジョン塗料
をもって前記基体部材の表面に形成されたエマルジョン
塗料層と、顔料を含有し且つ前記天然木目模様の色合い
を形成する他方の構成色を表すオイルカラーをもって前
記エマルジョン塗料層上に形成されたオイルカラー層
と、このオイルカラー層の表面を、刷毛部材で前記オイ
ルカラー層の表面において前記天然木目模様を形成する
方向にブラッシングすることにより、前記オイルカラー
層の含有顔料を前記天然木目模様を形成する方向に沿っ
て偏在的に付着させて得られた前記含有顔料の濃淡縞模
様と、この濃淡縞模様が表す前記他方の構成色と前記濃
淡縞模様と混在した状態で表れる前記エマルジョン塗料
層の前記一方の構成色との組合せで創成された複合色と
の相互作用により形成された前記天然木目模様と、この
天然木目模様を施された前記エマルジョン塗料層の上に
実質的に透明な無色または有色の塗剤をもって形成され
た付加膜層と、を有するように構成されたことを特徴と
するものである。
【0024】また、上記の目的をよりよく達成するため
に、本発明に係る天然木目模様を施した化粧材の発明
は、少なくとも建築物、家具等に用いられる化粧材の基
礎素材となる基体部材と、目的とする天然木目模様の色
合いを形成する一方の構成色を表すエマルジョン塗料を
もって前記基体部材の表面に塗布されたエマルジョン塗
料層と、顔料を含有し且つ前記天然木目模様の色合いを
形成する他方の構成色を表す第1オイルカラーを、前記
エマルジョン塗料層の表面上に塗布して得られた第1オ
イルカラー層が浸潤状況にある状態において、前記基体
部材に対して前記天然木目模様を形成する方向に相対移
動可能である微細凹凸形成手段を、前記第1オイルカラ
ーにより浸潤された状態にある前記エマルジョン塗料層
の表面に接触させた状態で、少なくとも前記天然木目模
様を形成する方向に且つ第1オイルカラー層の表面に対
する押圧力を不規則に変化させながら移動させることに
より、多数の微細な擦り線として形成された微細凹凸部
と、この微細凹凸部が形成され且つ清掃された後の前記
エマルジョン塗料層の表面に、前記第1オイルカラーと
実質的に同等且つ同色の第2オイルカラーをもって形成
された第2オイルカラー層と、この前記第2オイルカラ
ー層の表面を、前記基体部材の幅方向一杯の領域に亘っ
て設けられた複数個の刷毛部材で前記天然木目模様を形
成する方向にブラッシングすることにより、前記第2オ
イルカラー層の含有顔料を前記天然木目模様を形成する
方向に沿って偏在的に付着させて得られた前記含有顔料
の濃淡縞模様と、この濃淡縞模様が表す前記他方の構成
色と前記濃淡縞模様と混在した状態で表れる前記エマル
ジョン塗料層の前記一方の構成色とで創成される複合色
との相互作用により形成された前記天然木目模様と、こ
の天然木目模様を施された前記エマルジョン塗料層の上
に実質的に透明な無色または有色の塗剤をもって形成さ
れた付加膜層と、を有するように構成されたことを特徴
とするものである。
に、本発明に係る天然木目模様を施した化粧材の発明
は、少なくとも建築物、家具等に用いられる化粧材の基
礎素材となる基体部材と、目的とする天然木目模様の色
合いを形成する一方の構成色を表すエマルジョン塗料を
もって前記基体部材の表面に塗布されたエマルジョン塗
料層と、顔料を含有し且つ前記天然木目模様の色合いを
形成する他方の構成色を表す第1オイルカラーを、前記
エマルジョン塗料層の表面上に塗布して得られた第1オ
イルカラー層が浸潤状況にある状態において、前記基体
部材に対して前記天然木目模様を形成する方向に相対移
動可能である微細凹凸形成手段を、前記第1オイルカラ
ーにより浸潤された状態にある前記エマルジョン塗料層
の表面に接触させた状態で、少なくとも前記天然木目模
様を形成する方向に且つ第1オイルカラー層の表面に対
する押圧力を不規則に変化させながら移動させることに
より、多数の微細な擦り線として形成された微細凹凸部
と、この微細凹凸部が形成され且つ清掃された後の前記
エマルジョン塗料層の表面に、前記第1オイルカラーと
実質的に同等且つ同色の第2オイルカラーをもって形成
された第2オイルカラー層と、この前記第2オイルカラ
ー層の表面を、前記基体部材の幅方向一杯の領域に亘っ
て設けられた複数個の刷毛部材で前記天然木目模様を形
成する方向にブラッシングすることにより、前記第2オ
イルカラー層の含有顔料を前記天然木目模様を形成する
方向に沿って偏在的に付着させて得られた前記含有顔料
の濃淡縞模様と、この濃淡縞模様が表す前記他方の構成
色と前記濃淡縞模様と混在した状態で表れる前記エマル
ジョン塗料層の前記一方の構成色とで創成される複合色
との相互作用により形成された前記天然木目模様と、こ
の天然木目模様を施された前記エマルジョン塗料層の上
に実質的に透明な無色または有色の塗剤をもって形成さ
れた付加膜層と、を有するように構成されたことを特徴
とするものである。
【0025】そして、上記の目的を達成するために、本
発明に係る天然木目模様を施した化粧材の製作方法は、
建築物、家具等に用いられる化粧材の基礎素材となる基
体部材の表面上に、目的とする天然木目模様の色合いを
形成する一方の構成色を表すエマルジョン塗料をもって
エマルジョン塗料層を形成すると共に、顔料を含有し且
つ前記天然木目模様の色合いを形成する他方の構成色を
表すオイルカラーをもって前記エマルジョン塗料層上に
オイルカラー層を形成し、前記基体部材の幅方向一杯の
領域に亘って設けられた複数個の刷毛部材を用いて、前
記オイルカラー層の表面を前記天然木目模様を形成する
方向にブラッシングすることにより、前記オイルカラー
層の含有顔料を前記天然木目模様を形成する方向に沿う
ような状態で偏在させて、前記含有顔料による濃淡縞模
様を形成し、このとき、前記濃淡縞模様が表す前記他方
の構成色と前記濃淡縞模様と混在した状態で表れる前記
エマルジョン塗料層の前記一方の構成色とで創成される
複合色と前記濃淡縞模様との相互作用により前記天然木
目模様を形成し、この天然木目模様が形成された後の前
記オイルカラー層と前記エマルジョン塗料層との表面
に、実質的に透明な無色または有色の塗剤をもって付加
膜層を形成するようになしたことを特徴とするものであ
る。
発明に係る天然木目模様を施した化粧材の製作方法は、
建築物、家具等に用いられる化粧材の基礎素材となる基
体部材の表面上に、目的とする天然木目模様の色合いを
形成する一方の構成色を表すエマルジョン塗料をもって
エマルジョン塗料層を形成すると共に、顔料を含有し且
つ前記天然木目模様の色合いを形成する他方の構成色を
表すオイルカラーをもって前記エマルジョン塗料層上に
オイルカラー層を形成し、前記基体部材の幅方向一杯の
領域に亘って設けられた複数個の刷毛部材を用いて、前
記オイルカラー層の表面を前記天然木目模様を形成する
方向にブラッシングすることにより、前記オイルカラー
層の含有顔料を前記天然木目模様を形成する方向に沿う
ような状態で偏在させて、前記含有顔料による濃淡縞模
様を形成し、このとき、前記濃淡縞模様が表す前記他方
の構成色と前記濃淡縞模様と混在した状態で表れる前記
エマルジョン塗料層の前記一方の構成色とで創成される
複合色と前記濃淡縞模様との相互作用により前記天然木
目模様を形成し、この天然木目模様が形成された後の前
記オイルカラー層と前記エマルジョン塗料層との表面
に、実質的に透明な無色または有色の塗剤をもって付加
膜層を形成するようになしたことを特徴とするものであ
る。
【0026】また、上記の目的をよりよく達成するため
に、本発明に係る天然木目模様を施した化粧材の製作方
法は、建築物、家具等に用いられる化粧材の基礎素材と
なる基体部材の表面上に、目的とする天然木目模様の色
合いを形成する一方の構成色を表すエマルジョン塗料を
もってエマルジョン塗料層を形成すると共に、顔料を含
有し且つ前記天然木目模様の色合いを形成する他方の構
成色を表す第1オイルカラーをもって前記エマルジョン
塗料層の表面を浸潤し、前記基体部材に対して前記天然
木目模様を形成する方向に相対移動可能である微細凹凸
形成手段を、前記第1オイルカラーにより浸潤された状
況にある前記エマルジョン塗料層の表面に接触させた状
態で、少なくとも前記天然木目模様を形成する方向に且
つ第1オイルカラー層の表面に対する押圧力を不規則に
変化させながら移動させることにより、前記第1オイル
カラーの上から前記エマルジョン塗料層の表面に多数の
微細な擦り線から成る微細凹凸部を形成し、この微細凹
凸部を形成した後の前記エマルジョン塗料層の表面を清
掃した後、前記第1オイルカラーと実質的に同等且つ同
色の第2オイルカラーをもって、前記微細凹凸部形成後
の前記エマルジョン塗料層の表面に第2オイルカラー層
を形成し、前記基体部材の幅方向一杯の領域に亘って設
けられた複数個の刷毛部材を用いて、前記第2オイルカ
ラー層の表面を前記天然木目模様を形成する方向にブラ
ッシングすることにより、前記第2オイルカラー層の含
有顔料を前記天然木目模様を形成する方向に沿うような
状態で偏在させて、前記含有顔料による濃淡縞模様を形
成し、このとき、前記濃淡縞模様が表す前記他方の構成
色と前記濃淡縞模様と混在した状態で表れる前記エマル
ジョン塗料層の前記一方の構成色とで創成される複合色
と前記濃淡縞模様との相互作用によって前記天然木目模
様を形成し、この天然木目模様が形成された後の前記第
2オイルカラー層と前記エマルジョン塗料層との表面
に、実質的に透明な無色または有色の塗剤をもって付加
膜層を形成するようになしたことを特徴とするものであ
る。
に、本発明に係る天然木目模様を施した化粧材の製作方
法は、建築物、家具等に用いられる化粧材の基礎素材と
なる基体部材の表面上に、目的とする天然木目模様の色
合いを形成する一方の構成色を表すエマルジョン塗料を
もってエマルジョン塗料層を形成すると共に、顔料を含
有し且つ前記天然木目模様の色合いを形成する他方の構
成色を表す第1オイルカラーをもって前記エマルジョン
塗料層の表面を浸潤し、前記基体部材に対して前記天然
木目模様を形成する方向に相対移動可能である微細凹凸
形成手段を、前記第1オイルカラーにより浸潤された状
況にある前記エマルジョン塗料層の表面に接触させた状
態で、少なくとも前記天然木目模様を形成する方向に且
つ第1オイルカラー層の表面に対する押圧力を不規則に
変化させながら移動させることにより、前記第1オイル
カラーの上から前記エマルジョン塗料層の表面に多数の
微細な擦り線から成る微細凹凸部を形成し、この微細凹
凸部を形成した後の前記エマルジョン塗料層の表面を清
掃した後、前記第1オイルカラーと実質的に同等且つ同
色の第2オイルカラーをもって、前記微細凹凸部形成後
の前記エマルジョン塗料層の表面に第2オイルカラー層
を形成し、前記基体部材の幅方向一杯の領域に亘って設
けられた複数個の刷毛部材を用いて、前記第2オイルカ
ラー層の表面を前記天然木目模様を形成する方向にブラ
ッシングすることにより、前記第2オイルカラー層の含
有顔料を前記天然木目模様を形成する方向に沿うような
状態で偏在させて、前記含有顔料による濃淡縞模様を形
成し、このとき、前記濃淡縞模様が表す前記他方の構成
色と前記濃淡縞模様と混在した状態で表れる前記エマル
ジョン塗料層の前記一方の構成色とで創成される複合色
と前記濃淡縞模様との相互作用によって前記天然木目模
様を形成し、この天然木目模様が形成された後の前記第
2オイルカラー層と前記エマルジョン塗料層との表面
に、実質的に透明な無色または有色の塗剤をもって付加
膜層を形成するようになしたことを特徴とするものであ
る。
【0027】
【作用】上記のように構成された天然木目模様を施した
化粧材は、先ず、建築物、家具等に用いられる化粧材の
基礎素材となる基体部材の表面上に、目的とする天然目
模様の色合いを形成する一方の構成色を表すエマルジョ
ン塗料をもってエマルジョン塗料層を形成する。
化粧材は、先ず、建築物、家具等に用いられる化粧材の
基礎素材となる基体部材の表面上に、目的とする天然目
模様の色合いを形成する一方の構成色を表すエマルジョ
ン塗料をもってエマルジョン塗料層を形成する。
【0028】そして、このエマルジョン塗料層の表面
に、目的とする天然目模様の色合いを形成する他方の構
成色を表す染料と適当な顔料とを含有したオイルカラー
をもってオイルカラー層を形成し、その後、基体部材の
幅方向一杯の領域に亘って設けられた複数個の刷毛部材
を用いて、このオイルカラー層の表面を天然木目模様を
形成する方向にブラッシングする。
に、目的とする天然目模様の色合いを形成する他方の構
成色を表す染料と適当な顔料とを含有したオイルカラー
をもってオイルカラー層を形成し、その後、基体部材の
幅方向一杯の領域に亘って設けられた複数個の刷毛部材
を用いて、このオイルカラー層の表面を天然木目模様を
形成する方向にブラッシングする。
【0029】この結果、染料の付着(滲み込むことを含
む)したオイルカラー層の含有顔料が、天然木目模様を
形成する方向に沿うような状態で偏在することになり、
この作用によってオイルカラー層付きエマルジョン塗料
層上に含有顔料の濃淡縞模様が形成され、エマルジョン
塗料層上に付着したオイルカラー層の含有顔料の存在に
より立体感が生じることになる。
む)したオイルカラー層の含有顔料が、天然木目模様を
形成する方向に沿うような状態で偏在することになり、
この作用によってオイルカラー層付きエマルジョン塗料
層上に含有顔料の濃淡縞模様が形成され、エマルジョン
塗料層上に付着したオイルカラー層の含有顔料の存在に
より立体感が生じることになる。
【0030】このとき、含有顔料の濃淡縞模様は一方に
おいてオイルカラー層の表す色の濃淡縞模様となって表
れることになり、エマルジョン塗料層の表す色は、この
オイルカラー層の表す色の濃淡縞模様と混在した状態で
表れることになる。すなわち、濃淡縞模様の表す色とエ
マルジョン塗料層の表す色とが複合した状態で表れる
が、さらに、オイルカラー層の表す色がエマルジョン塗
料層の滲み出すような状況にもなる。
おいてオイルカラー層の表す色の濃淡縞模様となって表
れることになり、エマルジョン塗料層の表す色は、この
オイルカラー層の表す色の濃淡縞模様と混在した状態で
表れることになる。すなわち、濃淡縞模様の表す色とエ
マルジョン塗料層の表す色とが複合した状態で表れる
が、さらに、オイルカラー層の表す色がエマルジョン塗
料層の滲み出すような状況にもなる。
【0031】従って、オイルカラー層付きエマルジョン
塗料層の表面に対する複数個の刷毛部材の倒れ姿勢およ
び/または天然木目を形成する方向に対する複数個の刷
毛部材の傾き角を、刷毛部材と基体部材との相対変位速
度との関係で適切に設定すれば、目的とする天然木目模
様を得ることが可能になる。
塗料層の表面に対する複数個の刷毛部材の倒れ姿勢およ
び/または天然木目を形成する方向に対する複数個の刷
毛部材の傾き角を、刷毛部材と基体部材との相対変位速
度との関係で適切に設定すれば、目的とする天然木目模
様を得ることが可能になる。
【0032】そして、この天然木目模様が形成された後
のオイルカラー層付きエマルジョン塗料層の表面に、実
質的に透明な無色または有色の付加膜層(保護層でもあ
る)を形成してこの天然木目模様を定着させる。
のオイルカラー層付きエマルジョン塗料層の表面に、実
質的に透明な無色または有色の付加膜層(保護層でもあ
る)を形成してこの天然木目模様を定着させる。
【0033】
【実施例】以下、例えば、適宜の木質材料を使用した3
枚構造から成る市販品のベニヤ合板(例えばラワンベニ
ヤ、シナベニヤ等)を化粧材の基体部材として使用した
場合を実施例として、本発明に係る天然木目模様を施し
た化粧材に係る複数の実施例の構成およびその製作方法
について説明する。
枚構造から成る市販品のベニヤ合板(例えばラワンベニ
ヤ、シナベニヤ等)を化粧材の基体部材として使用した
場合を実施例として、本発明に係る天然木目模様を施し
た化粧材に係る複数の実施例の構成およびその製作方法
について説明する。
【0034】図1は、建築に用いる天然木目模様を施し
た化粧材の第1実施例を、基体部材上に順次に形成され
た塗膜層を露出させながら分り易く示す斜視模式構成図
で、図2は、図1におけるA−A矢視方向の断面構成を
示す断面構成である。図1において、1は上述した、例
えばベニヤ合板からなる化粧材の基体部材である。その
表面1aは、基体部材1が予め平坦に形成されている場
合には、例えば180番サンドペーパを用いたペーパ掛
けを実施して、ベニヤ合板の木目がそのまま表れる状態
で平坦な粗面に仕上げられている。
た化粧材の第1実施例を、基体部材上に順次に形成され
た塗膜層を露出させながら分り易く示す斜視模式構成図
で、図2は、図1におけるA−A矢視方向の断面構成を
示す断面構成である。図1において、1は上述した、例
えばベニヤ合板からなる化粧材の基体部材である。その
表面1aは、基体部材1が予め平坦に形成されている場
合には、例えば180番サンドペーパを用いたペーパ掛
けを実施して、ベニヤ合板の木目がそのまま表れる状態
で平坦な粗面に仕上げられている。
【0035】また、基体部材1に曲りや凹凸がある場合
には、先ず例えば電動鉋(カンナ)でほぼ平坦に削った
後、180番サンドペーパを用いたペーパ掛けを実施し
て平坦な粗面に仕上げる。この場合、いずれもペーパ掛
けの方向性は問わない。
には、先ず例えば電動鉋(カンナ)でほぼ平坦に削った
後、180番サンドペーパを用いたペーパ掛けを実施し
て平坦な粗面に仕上げる。この場合、いずれもペーパ掛
けの方向性は問わない。
【0036】2はこの基体部材1の表面1a上に塗布さ
れた、例えば水性のエマルジョン塗料層で、求めようと
する天然木目模様(以下、「目的とする天然木目模様」
という)の色合いを形成する一方の構成色を表すエマル
ジョン塗料を用い、例えばローラ塗り、刷毛塗り、吹付
け法等のそれ自体公知の塗布方法で1回塗り乃至は数回
塗りすることにより所定の厚さをもつ塗膜層として形成
されている。
れた、例えば水性のエマルジョン塗料層で、求めようと
する天然木目模様(以下、「目的とする天然木目模様」
という)の色合いを形成する一方の構成色を表すエマル
ジョン塗料を用い、例えばローラ塗り、刷毛塗り、吹付
け法等のそれ自体公知の塗布方法で1回塗り乃至は数回
塗りすることにより所定の厚さをもつ塗膜層として形成
されている。
【0037】この場合、エマルジョン塗料層2の厚さ
は、基体部材1の表面木目を覆い隠し得る合計厚さに設
定するのが原則であるが、基体部材1の表面が良質、美
麗な木目である場合には、エマルジョン塗料層2を薄く
塗布して、基体部材1の木目と色合いを活かすようにす
ることも可能である。なお、エマルジョン塗料層2を数
回塗りで形成する場合には、最上層に塗布される塗膜
を、この塗膜がエマルジョン塗料層2の表面を平坦化さ
せ得るような状態で塗布するのが好ましい。
は、基体部材1の表面木目を覆い隠し得る合計厚さに設
定するのが原則であるが、基体部材1の表面が良質、美
麗な木目である場合には、エマルジョン塗料層2を薄く
塗布して、基体部材1の木目と色合いを活かすようにす
ることも可能である。なお、エマルジョン塗料層2を数
回塗りで形成する場合には、最上層に塗布される塗膜
を、この塗膜がエマルジョン塗料層2の表面を平坦化さ
せ得るような状態で塗布するのが好ましい。
【0038】そして、エマルジョン塗料層2が乾燥した
後には、その表面2aに、例えば280番サンドペーパ
を用いたペーパ掛け作業を、目的とする天然木目模様を
形成する方向(以下、木目形成方向という)に沿う方向
に実施して平坦面(平滑面)に仕上げる。なお、このエ
マルジョン塗料層2を形成するための塗料としては、例
えば下記のものが好ましい。
後には、その表面2aに、例えば280番サンドペーパ
を用いたペーパ掛け作業を、目的とする天然木目模様を
形成する方向(以下、木目形成方向という)に沿う方向
に実施して平坦面(平滑面)に仕上げる。なお、このエ
マルジョン塗料層2を形成するための塗料としては、例
えば下記のものが好ましい。
【0039】[第1例] メーカー ロックペイント株式会社製 品番 032 - D100 品名 ビニロックアクリル 外部用ホワイト 規格 JIS K 5663 1種 組成 顔料分 44%(重量百分率。
以下同じ) アクリルエマルジョン塗料樹脂 17% 水 35% 添加剤 4%
以下同じ) アクリルエマルジョン塗料樹脂 17% 水 35% 添加剤 4%
【0040】[第2例] メーカー 関西ペイント株式会社製 品名 ビニデラックス 500 規格 JIS K 5663 - 1987 合成樹脂エマルジョンペイント 2種(内部用) 組成 着色・体質顔料 42% アクリル樹脂エマルジョン 10% 添加剤 7% 上水 41%
【0041】[第3例] メーカー ユニオンペイント株式会社製 品番 14−21 品名 ウッドサーフェーサーホワイト 組成 チタンホワイト 20.0% 体質顔料 13.5% アルキッド樹脂 11.0% 硝化綿 6.0% 芳香族炭化水素系溶剤 26.5% エステル系溶剤 6.0% ケトン系溶剤 5.0% アルコール系溶剤 5.0% グリコール系溶剤 2.0%
【0042】3はエマルジョン塗料層2の表面2a上に
塗布された第1オイルカラー層で、エマルジョン塗料層
2の持つ一方の構成色と組み合わせて、目的とする天然
木目模様の色合いを形成する他方の構成色を表す顔料等
の粉状体を含有する水溶液の塗布層として形成されてい
る。
塗布された第1オイルカラー層で、エマルジョン塗料層
2の持つ一方の構成色と組み合わせて、目的とする天然
木目模様の色合いを形成する他方の構成色を表す顔料等
の粉状体を含有する水溶液の塗布層として形成されてい
る。
【0043】この場合、顔料は、カラー組成物と必要な
添加物との混合物から構成され、さらに、これらの混合
物が適当な量の水によって溶かされて水溶液となり、こ
の水溶液がエマルジョン塗料層2上に塗布されて第1オ
イルカラー層3となるが、このときの水溶液の濃さおよ
び第1オイルカラー層3の塗布厚さは、例えばこの層3
がエマルジョン塗料層2上に形成された状態において、
第1オイルカラー層3の持つ他方の構成色がエマルジョ
ン塗料層2の持つ一方の構成色を覆い隠すような濃さお
よび塗布厚さに設定される。
添加物との混合物から構成され、さらに、これらの混合
物が適当な量の水によって溶かされて水溶液となり、こ
の水溶液がエマルジョン塗料層2上に塗布されて第1オ
イルカラー層3となるが、このときの水溶液の濃さおよ
び第1オイルカラー層3の塗布厚さは、例えばこの層3
がエマルジョン塗料層2上に形成された状態において、
第1オイルカラー層3の持つ他方の構成色がエマルジョ
ン塗料層2の持つ一方の構成色を覆い隠すような濃さお
よび塗布厚さに設定される。
【0044】ところで、顔料その他の粉状体のうち他方
の構成色を表すためのカラー組成物は、目的とする天然
木目模様の色合いに応じて選択されることになる。ま
た、粉状体のうち添加物は、カラー組成物の組合せによ
って表される色合いに必要な暗さを付与したり、或い
は、立体感を具えた自然な感じを付与するために混入さ
れることになる。
の構成色を表すためのカラー組成物は、目的とする天然
木目模様の色合いに応じて選択されることになる。ま
た、粉状体のうち添加物は、カラー組成物の組合せによ
って表される色合いに必要な暗さを付与したり、或い
は、立体感を具えた自然な感じを付与するために混入さ
れることになる。
【0045】例えば、ローズウッド仕上げにする場合に
は、次に記すようなカラー組成および添加物組成を持つ
顔料を用いるのが好ましい。
は、次に記すようなカラー組成および添加物組成を持つ
顔料を用いるのが好ましい。
【0046】[第1例] カラー組成 ブラウン 2.21 % 5g(重量比) レッド 11.06 % 25g(重量比) グリーン 25.66 % 58g(重量比) ブルー 21.23 % 48g(重量比) 添加物組成 パール 30.97 % 70g(重量比) 金 粉 6.63 % 15g(重量比) 銀 粉 2.21 % 5g(重量比)
【0047】[第2例] カラー組成 ブラウン 2.84 % 5g(重量比) レッド 14.2 % 25g(重量比) グリーン 32.95 % 58g(重量比) ブルー 27.27 % 48g(重量比) 添加物組成 パール 11.36 % 20g(重量比) 金 粉 8.52 % 15g(重量比) 銀 粉 2.84 % 5g(重量比)
【0048】なお、第1実施例では、これら[第1例]
および[第2例]の表中におけるカラー組成物に、一般
に市販されている、例えばオリエント化学工業株式会社
製の「BROWN 416」、「RED5B」、「GR
EEN BG」、「BLUEBOS」を使用している。
および[第2例]の表中におけるカラー組成物に、一般
に市販されている、例えばオリエント化学工業株式会社
製の「BROWN 416」、「RED5B」、「GR
EEN BG」、「BLUEBOS」を使用している。
【0049】また、パール、金粉、銀粉の添加物組成物
については、いずれも一般に市販されている、例えば下
記組成のものを使用するのが好ましい。
については、いずれも一般に市販されている、例えば下
記組成のものを使用するのが好ましい。
【0050】パール 日本光研工業株式会社製 酸化チタン粉末 約28% マイカ粉末 約72%
【0051】また、 金粉(赤口) 中島金属箔粉工業株式会社製 Cu 粉末 86.4%以上 Zn 粉末 12.8%以上 Fe 粉末 0.2 %以下 Pb 粉末 痕跡程度 Sn 粉末 痕跡程度
【0052】金粉(青口) 中島金属箔粉工業株式会
社製 Cu 粉末 75.6% 粉末以上 Zn 粉末 23.6% 以上 Fe 粉末 0.2 % 以下 Pb 粉末 痕跡程度 Sn 粉末 痕跡程度
社製 Cu 粉末 75.6% 粉末以上 Zn 粉末 23.6% 以上 Fe 粉末 0.2 % 以下 Pb 粉末 痕跡程度 Sn 粉末 痕跡程度
【0053】銀粉 中島金属箔粉工業株式会社製 Al 粉末 98.6% Cu 粉末 0.2% Fe 粉末 0.9% Si 粉末 0.3%
【0054】これら2例の場合、各々の表中におけるカ
ラー組成物の組合せにより天然木目模様の他方の色合い
を作り出し、また、金粉および銀粉の添加物組成物によ
り、カラー組成物による色合い(色調)を変えずに暗さ
を強調するようになし、さらに、パールの添加物組成物
によって、カラー組成物による色合いを変えずに立体感
を持つ自然な感じを出させるようにしている。
ラー組成物の組合せにより天然木目模様の他方の色合い
を作り出し、また、金粉および銀粉の添加物組成物によ
り、カラー組成物による色合い(色調)を変えずに暗さ
を強調するようになし、さらに、パールの添加物組成物
によって、カラー組成物による色合いを変えずに立体感
を持つ自然な感じを出させるようにしている。
【0055】なお、この例では、暗さを強調するための
添加物として金粉および銀粉を使用しているが、これ
は、顔料を水溶液にしたときに比較的重量の軽い銀粉が
第1オイルカラーの水溶液中の上方領域に分散し、比較
的重量の重い金粉が水溶液中の下方領域に分散して、水
溶液中における分散が全体として均一な分散になるよう
にするためである。
添加物として金粉および銀粉を使用しているが、これ
は、顔料を水溶液にしたときに比較的重量の軽い銀粉が
第1オイルカラーの水溶液中の上方領域に分散し、比較
的重量の重い金粉が水溶液中の下方領域に分散して、水
溶液中における分散が全体として均一な分散になるよう
にするためである。
【0056】4は目的とする天然木目模様の下地模様を
得るためにエマルジョン塗料層2および第1オイルカラ
ー層3の表面に形成される微小凹凸面で、第1オイルカ
ラー層3が浸潤状態にあるときに、例えば適宜の微小凹
凸形成部材(図示せず)をもって第1オイルカラー層3
の上から軽く擦る作業により形成されることになる。
得るためにエマルジョン塗料層2および第1オイルカラ
ー層3の表面に形成される微小凹凸面で、第1オイルカ
ラー層3が浸潤状態にあるときに、例えば適宜の微小凹
凸形成部材(図示せず)をもって第1オイルカラー層3
の上から軽く擦る作業により形成されることになる。
【0057】例えば、微小凹凸形成部材を比較的短いス
トロークで木目形成方向に小領域づつ軽く擦りながら、
順次に且つ全領域に亘って木目形成方向に移動させるこ
とにより、第1オイルカラー層3およびエマルジョン塗
料層2の表面に多数の微小な擦り線を形成し、しかも、
これらの多数の微小な擦り線が全体として木目形成方向
に向うように形成する。
トロークで木目形成方向に小領域づつ軽く擦りながら、
順次に且つ全領域に亘って木目形成方向に移動させるこ
とにより、第1オイルカラー層3およびエマルジョン塗
料層2の表面に多数の微小な擦り線を形成し、しかも、
これらの多数の微小な擦り線が全体として木目形成方向
に向うように形成する。
【0058】この場合、微小凹凸形成部材としては、例
えばスチールウールの塊や糸状にまで細長く切られたサ
ンドペーパ細片の塊等を利用するのが好ましく、また、
この微小凹凸形成部材による擦り方は、例えば木目形成
方向に往復的に擦るようにしても、または、木目形成方
向に向って一方向のみ擦るようにしてもよい。
えばスチールウールの塊や糸状にまで細長く切られたサ
ンドペーパ細片の塊等を利用するのが好ましく、また、
この微小凹凸形成部材による擦り方は、例えば木目形成
方向に往復的に擦るようにしても、または、木目形成方
向に向って一方向のみ擦るようにしてもよい。
【0059】どちらの方法を採るかは、目的とする天然
木目模様の状態ないし表し方をどのようにするかによっ
て決定されることになる。この結果、エマルジョン塗料
層2の表面には、第1オイルカラー層3を介して多数の
微小な擦り線が断続的に形成され、これらの擦り線によ
り、全体として木目形成方向に向う形状・構造の多数の
微小凹凸部ができ上がることになる。
木目模様の状態ないし表し方をどのようにするかによっ
て決定されることになる。この結果、エマルジョン塗料
層2の表面には、第1オイルカラー層3を介して多数の
微小な擦り線が断続的に形成され、これらの擦り線によ
り、全体として木目形成方向に向う形状・構造の多数の
微小凹凸部ができ上がることになる。
【0060】そして、第1オイルカラー層3が半乾きの
状態または第1オイルカラー層3中の水分が蒸発した状
態において、これら多数の微小凹凸部のそれぞれの表面
には不規則な状態で第1オイルカラー層3の顔料が付着
することになる。
状態または第1オイルカラー層3中の水分が蒸発した状
態において、これら多数の微小凹凸部のそれぞれの表面
には不規則な状態で第1オイルカラー層3の顔料が付着
することになる。
【0061】そのため、微小凹凸面4が形成された状態
では、エマルジョン塗料層2の表面に形成された微小凹
凸部の凹凸量および第1オイルカラー層3の顔料の付着
量の不規則性によって、天然木目模様の一方の色合いを
形成する一方の構成色と他方の構成色とが立体感を伴っ
た自然感を具えた状態で混じり合うことになる。
では、エマルジョン塗料層2の表面に形成された微小凹
凸部の凹凸量および第1オイルカラー層3の顔料の付着
量の不規則性によって、天然木目模様の一方の色合いを
形成する一方の構成色と他方の構成色とが立体感を伴っ
た自然感を具えた状態で混じり合うことになる。
【0062】5は適宜の方法で清掃された微小凹凸面4
の上に塗布された第2オイルカラー層で、上述した第1
オイルカラー層3の顔料と同じ組成の顔料を含有する水
溶液の塗布層として形成されている。この場合、第2オ
イルカラー層5となる水溶液の濃度および第2オイルカ
ラー層5の厚さは、目的とする天然木目模様の状態ない
し表し方をどのようにするかによって決定されることに
なる。
の上に塗布された第2オイルカラー層で、上述した第1
オイルカラー層3の顔料と同じ組成の顔料を含有する水
溶液の塗布層として形成されている。この場合、第2オ
イルカラー層5となる水溶液の濃度および第2オイルカ
ラー層5の厚さは、目的とする天然木目模様の状態ない
し表し方をどのようにするかによって決定されることに
なる。
【0063】6は第2オイルカラー層5上に形成される
最終木目模様面で、第2オイルカラー層5が浸潤状態に
あるときに、適宜のブラシ手段を用いて、第2オイルカ
ラー層5の上から、第2オイルカラー層5(基体部材1
およびエマルジョン塗料層2でもある)の全幅に亘っ
て、且つ、木目形成方向に向って1回または数回軽く刷
くような作業により形成される。
最終木目模様面で、第2オイルカラー層5が浸潤状態に
あるときに、適宜のブラシ手段を用いて、第2オイルカ
ラー層5の上から、第2オイルカラー層5(基体部材1
およびエマルジョン塗料層2でもある)の全幅に亘っ
て、且つ、木目形成方向に向って1回または数回軽く刷
くような作業により形成される。
【0064】この場合、ブラシ手段は、後述するような
構成を持つ木目形成刷毛手段43、例えば独立した複数
個の独立刷毛手段44、47、50を木目形成方向に沿
って数列(例えば3列)に亘って設けると共に、木目形
成方向と直交する方向(幅方向)に複数個の単位刷毛部
材46a〜46d、49a〜49c、52a〜52cが
並んだ構造のブラシ手段として構成し、また、各々の刷
毛部材に設けられる植毛の硬さを種々の硬さのものに設
定するようにする。
構成を持つ木目形成刷毛手段43、例えば独立した複数
個の独立刷毛手段44、47、50を木目形成方向に沿
って数列(例えば3列)に亘って設けると共に、木目形
成方向と直交する方向(幅方向)に複数個の単位刷毛部
材46a〜46d、49a〜49c、52a〜52cが
並んだ構造のブラシ手段として構成し、また、各々の刷
毛部材に設けられる植毛の硬さを種々の硬さのものに設
定するようにする。
【0065】さらにまた、木目形成方向に対する単位刷
毛部材の配列位置の角度や第2オイルカラー層5の面に
対する植毛の傾き等を適切に設定するようにして、目的
とする天然木目模様が得られるようにする。なお、この
最終木目模様6の形成作業については後述する製作方法
の項で詳しく説明する。
毛部材の配列位置の角度や第2オイルカラー層5の面に
対する植毛の傾き等を適切に設定するようにして、目的
とする天然木目模様が得られるようにする。なお、この
最終木目模様6の形成作業については後述する製作方法
の項で詳しく説明する。
【0066】さて、最終木目模様面6が形成され且つ乾
燥された後は、次に述べるような付加膜層7〜11の形
成作業が行われるとになる。7は乾燥された最終木目模
様面6上に形成された第1サンディングシーラ層で、比
較的柔らかい無色且つ透明な塗膜層として形成されてい
る。この層7は、第1サンディングシーラ層7上に塗布
される上塗り層の付着性を向上させるための中塗り層と
して、例えば吹付け法により1回塗りまたは数回塗りで
形成されることになる。
燥された後は、次に述べるような付加膜層7〜11の形
成作業が行われるとになる。7は乾燥された最終木目模
様面6上に形成された第1サンディングシーラ層で、比
較的柔らかい無色且つ透明な塗膜層として形成されてい
る。この層7は、第1サンディングシーラ層7上に塗布
される上塗り層の付着性を向上させるための中塗り層と
して、例えば吹付け法により1回塗りまたは数回塗りで
形成されることになる。
【0067】この場合、第1サンディングシーラ層7
は、所定組成の塗料を、例えばラッカーシンナーにより
塗り易い程度に希釈された状態で、最終木目模様面6上
に塗布されることになる。また、その塗布回数(膜厚)
は、目的とする化粧材の仕上げ面に対するユーザーの要
望ないし好みに応じて決定される。
は、所定組成の塗料を、例えばラッカーシンナーにより
塗り易い程度に希釈された状態で、最終木目模様面6上
に塗布されることになる。また、その塗布回数(膜厚)
は、目的とする化粧材の仕上げ面に対するユーザーの要
望ないし好みに応じて決定される。
【0068】すなわち、ユーザーからより自然な感じの
外観を持つ仕上げ面を要望された場合には、1回塗りと
し、また、鏡面仕上げの面を要望された場合には数回塗
りを行うようにする。
外観を持つ仕上げ面を要望された場合には、1回塗りと
し、また、鏡面仕上げの面を要望された場合には数回塗
りを行うようにする。
【0069】そして、第1サンディングシーラ層7が乾
燥した後には、その表面7aに、例えば320番サンド
ペーパを用いたペーパ掛け作業を、例えば木目形成方向
に沿う方向に実施して平坦面に仕上げる。なお、第1サ
ンディングシーラ層7を形成するための塗料としては、
例えば以下に示すような組成のものが好ましい。
燥した後には、その表面7aに、例えば320番サンド
ペーパを用いたペーパ掛け作業を、例えば木目形成方向
に沿う方向に実施して平坦面に仕上げる。なお、第1サ
ンディングシーラ層7を形成するための塗料としては、
例えば以下に示すような組成のものが好ましい。
【0070】ユニオンペイント株式会社製 品番 14−02 品名 サンディングシーラ
【0071】組成 硝化綿 13% アルキッド樹脂 15% 研磨剤 3% 可塑剤 3% 芳香族炭化水素系溶剤 36% エステル系溶剤 22% アルコール系溶剤 5% グリコール系溶剤 3%
【0072】また、ラッカーシンナーとしては、次のよ
うな組成を持つものが好ましい。
うな組成を持つものが好ましい。
【0073】[第1例] ロックペイント株式会社製 品番 016−o123 品名 ラッカーシンナー 規格 JIS K 5538 組成 エステル系溶剤 29重量% 芳香族炭化水素系溶剤 63重量% アルコール系溶剤 8重量%
【0074】[第2例] 関西ペイント株式会社製 品番 セルバ151 品名 ラッカーシンナー 組成 エステル系溶剤 29重量% アルコール系溶剤 8重量% 炭化水素系溶剤 63重量%
【0075】8はペーパ掛け作業後の第1サンディング
シーラ層7上に形成されるウッドシーラ層で、サンドペ
ーパが掛けられない程度の硬さを持つ無色且つ透明な塗
膜層として形成されている。この層8は、下地であるエ
マルジョン塗料層2から第1サンディングシーラ層7ま
での色合いを出しながら、最終木目模様面6を浮き立た
せる役目を果すものである。
シーラ層7上に形成されるウッドシーラ層で、サンドペ
ーパが掛けられない程度の硬さを持つ無色且つ透明な塗
膜層として形成されている。この層8は、下地であるエ
マルジョン塗料層2から第1サンディングシーラ層7ま
での色合いを出しながら、最終木目模様面6を浮き立た
せる役目を果すものである。
【0076】このウッドシーラ層8は、所定組成を持つ
塗料を適宜の溶剤により薄めて、例えば吹付け法により
1回塗りにて塗布するが、塗料としては次に掲げる組成
のものが好ましい。
塗料を適宜の溶剤により薄めて、例えば吹付け法により
1回塗りにて塗布するが、塗料としては次に掲げる組成
のものが好ましい。
【0077】ユニオンペイント株式会社製 品番 14−12 品名 ウッドシーラ 組成 硝化綿 10.5% アルキッド樹脂 21.5% 可塑剤 2.0% 芳香族炭化水素系溶剤 38.5% エステル系溶剤 17.0% グリコール系溶剤 8.5% アルコール系溶剤 2.0%
【0078】9は乾燥されたウッドシーラ層8上に形成
された透明な色調整層(カラーイング層)で、化粧材の
表面の色合いを最終的に調整するためのものである。こ
の色調整層9は、下記の組成を持つ塗料をシンナーとウ
ッドシーラを混ぜて塗布するが、このときの色調整層9
の希釈濃度は、ウッドシーラ層8の塗料よりも薄目の濃
度にして付着性を向上させるようにする。この色調整層
9に用いる塗料としては例えば次のものが好ましい。
された透明な色調整層(カラーイング層)で、化粧材の
表面の色合いを最終的に調整するためのものである。こ
の色調整層9は、下記の組成を持つ塗料をシンナーとウ
ッドシーラを混ぜて塗布するが、このときの色調整層9
の希釈濃度は、ウッドシーラ層8の塗料よりも薄目の濃
度にして付着性を向上させるようにする。この色調整層
9に用いる塗料としては例えば次のものが好ましい。
【0079】ユニオンペイント株式会社製 品番 15−01 品名 アルマステイン No.1 ブラック 組成 黒染料 6.0% ケトン系溶剤 28.0% エステル系溶剤 50.0% 芳香族炭化水素系溶剤 16.0%
【0080】10は乾燥された色調整層9上に形成され
た第2サンディングシーラ層で、この層10上に形成さ
れる最終仕上げ層11の付着性を良くすると共に、凹凸
をなくし、しかも、塗布むらを目立たなくして外観を良
くするためのものである。この第2サンディングシーラ
層10は、研磨剤の入った、例えば第1サンディングシ
ーラ層7に使用された塗料と同じ組成の塗料を、例えば
ラッカーシンナーで塗り易い程度に希釈した状態にした
後に、例えば吹き付け法により2回塗りの無色且つ透明
な塗膜層として形成されている。
た第2サンディングシーラ層で、この層10上に形成さ
れる最終仕上げ層11の付着性を良くすると共に、凹凸
をなくし、しかも、塗布むらを目立たなくして外観を良
くするためのものである。この第2サンディングシーラ
層10は、研磨剤の入った、例えば第1サンディングシ
ーラ層7に使用された塗料と同じ組成の塗料を、例えば
ラッカーシンナーで塗り易い程度に希釈した状態にした
後に、例えば吹き付け法により2回塗りの無色且つ透明
な塗膜層として形成されている。
【0081】そして乾燥後に、この第2サンディングシ
ーラ層10の表面10a上に320番サンドペーパを用
いたペーパ掛け作業を、例えば木目形成方向に沿う方向
に実施して平坦面に仕上げる。この場合、第2サンディ
ングシーラ層10は、塗膜が厚く且つ柔らかいのでペー
パ掛け作業が行い易い。
ーラ層10の表面10a上に320番サンドペーパを用
いたペーパ掛け作業を、例えば木目形成方向に沿う方向
に実施して平坦面に仕上げる。この場合、第2サンディ
ングシーラ層10は、塗膜が厚く且つ柔らかいのでペー
パ掛け作業が行い易い。
【0082】11はこの第2サンディングシーラ層10
上に形成される最終仕上げ層で、所定の組成を持つ塗料
の吹付け法による1回塗りの塗膜層として塗布されるこ
とになる。この最終仕上げ層11は、化粧材の最終的な
表面を天然木目模様(最終木目模様面6)が自然な感じ
で表れるような面として仕上げる場合と、鏡面に仕上げ
る場合とで、使用する塗料および塗り方が異なることに
なる。
上に形成される最終仕上げ層で、所定の組成を持つ塗料
の吹付け法による1回塗りの塗膜層として塗布されるこ
とになる。この最終仕上げ層11は、化粧材の最終的な
表面を天然木目模様(最終木目模様面6)が自然な感じ
で表れるような面として仕上げる場合と、鏡面に仕上げ
る場合とで、使用する塗料および塗り方が異なることに
なる。
【0083】この場合、自然な感じで表れるような面と
して仕上げるときには、例えば下記の組成を持つクリヤ
ーラッカを用いて、吹付け法により、例えば1回塗りの
塗膜層として形成するのが好ましい。
して仕上げるときには、例えば下記の組成を持つクリヤ
ーラッカを用いて、吹付け法により、例えば1回塗りの
塗膜層として形成するのが好ましい。
【0084】ユニオンペイント株式会社製 品番 13−03 品名 クリヤーラッカ 組成 硝化綿 13.5% アルキッド樹脂 14.5% 可塑剤 2.0% 芳香族炭化水素系溶剤 30.5% エステル系溶剤 30.0% アルコール系溶剤 9.5%
【0085】このクリヤーラッカを用いた最終仕上げ層
11では、膜の強度が大きく且つ膜厚が薄く、綺麗な外
観を呈する層として仕上がることになる。また、鏡面に
仕上げるときには、例えば下記の組成を持つポリウレタ
ン樹脂系の主剤および硬化剤を混合した塗料を用いて吹
付け法により塗布するのが好ましい。
11では、膜の強度が大きく且つ膜厚が薄く、綺麗な外
観を呈する層として仕上がることになる。また、鏡面に
仕上げるときには、例えば下記の組成を持つポリウレタ
ン樹脂系の主剤および硬化剤を混合した塗料を用いて吹
付け法により塗布するのが好ましい。
【0086】[主剤] ユニオンペイント株式会社製 品番 16−27 品名 UPウレタンサンジング A液 組成 ウレタン用ポリエステル 41.5% 増粘剤 1.5% 研磨材 5.0% エステル系溶剤 39.0% ケトン系溶剤 7.0% 芳香族炭化水素系溶剤 6.0% [硬化剤]
【0087】ユニオンペイント株式会社製 品番 16−271 品名 UPウレタンサンジング B液 組成 ウレタン用イソシヤネート 27.0% エステル系溶剤 61.0% 芳香族炭化水素系溶剤 12.0%
【0088】この混合塗料を用いた最終仕上げ層11で
は膜厚が厚く且つ縮みが少なく、しかも、水に対して強
い(揆水性)層として仕上がることになる。なお、基体
部材1、エマルジョン塗料層2、第1サンディングシー
ラ層7、第2サンディングシーラ層10に施したサンド
ペーパ掛け作業は、対象とする面を平坦化するという意
味の外に、次に塗布する塗料の付着性を向上(良化)さ
せるという意味もある。
は膜厚が厚く且つ縮みが少なく、しかも、水に対して強
い(揆水性)層として仕上がることになる。なお、基体
部材1、エマルジョン塗料層2、第1サンディングシー
ラ層7、第2サンディングシーラ層10に施したサンド
ペーパ掛け作業は、対象とする面を平坦化するという意
味の外に、次に塗布する塗料の付着性を向上(良化)さ
せるという意味もある。
【0089】以上、第1実施例に係る化粧材の構成につ
いて説明したが、その特徴部分は、先ず、エマルジョン
塗料層2と第1オイルカラー層3の上に微小凹凸面4を
形成し、さらに、その上に第2オイルカラー層5を形成
した後に最終木目模様面6を形成することにある。
いて説明したが、その特徴部分は、先ず、エマルジョン
塗料層2と第1オイルカラー層3の上に微小凹凸面4を
形成し、さらに、その上に第2オイルカラー層5を形成
した後に最終木目模様面6を形成することにある。
【0090】従って、最終木目模様面6上に形成される
付加膜層7〜11については、化粧材の最終的な表面を
どのような状態ないし外観に仕上げるかというユーザー
の要望や製作者側の販売計画ないし目的に応じて、図示
例の構成のものから種々に変更することができる。
付加膜層7〜11については、化粧材の最終的な表面を
どのような状態ないし外観に仕上げるかというユーザー
の要望や製作者側の販売計画ないし目的に応じて、図示
例の構成のものから種々に変更することができる。
【0091】例えば、第1サンディングシーラ層7は、
ユーザーの要望ないし好みに応じて、化粧材の仕上げ面
をより自然な感じの外観を持つ仕上げ面にするとき、ま
たは、鏡面仕上げの面にするときの中塗り層であるか
ら、これを省略することも可能である。
ユーザーの要望ないし好みに応じて、化粧材の仕上げ面
をより自然な感じの外観を持つ仕上げ面にするとき、ま
たは、鏡面仕上げの面にするときの中塗り層であるか
ら、これを省略することも可能である。
【0092】また、ウッドシーラ層8は、最終木目模様
面6を浮き立たせる役目を果すものであるから、化粧材
の仕上げ面をぼかした色や、ぼやっと霞んで見える外観
にしたいときには、これを省略することが可能である。
また、色調整層9は、化粧材の表面の色合いを最終的に
調整するためのものであるから、特に色の調整を必要と
しない場合には省略することが可能である。
面6を浮き立たせる役目を果すものであるから、化粧材
の仕上げ面をぼかした色や、ぼやっと霞んで見える外観
にしたいときには、これを省略することが可能である。
また、色調整層9は、化粧材の表面の色合いを最終的に
調整するためのものであるから、特に色の調整を必要と
しない場合には省略することが可能である。
【0093】また、第2サンディングシーラ層10につ
いても、最終仕上げ層の付着性を良くし、凹凸をなく
し、塗布むらを目立たなくして外観を良くするためのも
のであるから、最終木目模様面6を形成した時点で、こ
の面が最終仕上げ層11に対する付着性が良く、また、
塗布むらが目立たないような場合には、これを省略する
ことが可能である。
いても、最終仕上げ層の付着性を良くし、凹凸をなく
し、塗布むらを目立たなくして外観を良くするためのも
のであるから、最終木目模様面6を形成した時点で、こ
の面が最終仕上げ層11に対する付着性が良く、また、
塗布むらが目立たないような場合には、これを省略する
ことが可能である。
【0094】また、最終仕上げ層11は、化粧材の最終
的な表面を商品として恥ずかしくない面に仕上げるため
のものであるから、必要に応じて、図示実施例のものと
は異なる方法で形成することも可能である。
的な表面を商品として恥ずかしくない面に仕上げるため
のものであるから、必要に応じて、図示実施例のものと
は異なる方法で形成することも可能である。
【0095】次に、第1実施例の特徴部分に関しての製
作方法を図3の塗装装置の1部分例に従って説明する。
先ず、塗装装置の1部分例に係る構成について説明す
る。
作方法を図3の塗装装置の1部分例に従って説明する。
先ず、塗装装置の1部分例に係る構成について説明す
る。
【0096】図3において、20は送出しローラ装置
で、例えば定尺の基体部材1を載置し得るような長さお
よび幅(例えば950cm)と、例えば据付け地盤から8
0cmの高さとを具えた台座21上に、基体部材1を図3
の右から左へ向う方向(木目形成方向)に搬送し得る所
定数の搬送ローラ手段22を並設した構造の装置として
構成されている。
で、例えば定尺の基体部材1を載置し得るような長さお
よび幅(例えば950cm)と、例えば据付け地盤から8
0cmの高さとを具えた台座21上に、基体部材1を図3
の右から左へ向う方向(木目形成方向)に搬送し得る所
定数の搬送ローラ手段22を並設した構造の装置として
構成されている。
【0097】この場合、所定数の搬送ローラ手段22
は、それ自体公知の電動モータ駆動装置(図示なし)に
より、エマルジョン塗料層2の表面2aが実質的に水平
になるような状態で、基体部材1を木目形成方向に所定
速度で移動させ得るように構成されている。
は、それ自体公知の電動モータ駆動装置(図示なし)に
より、エマルジョン塗料層2の表面2aが実質的に水平
になるような状態で、基体部材1を木目形成方向に所定
速度で移動させ得るように構成されている。
【0098】30は送出しローラ装置20の次工程の領
域に据え付けられた凹凸面形成装置で、送出しローラ装
置20と実質的同一の幅および高さを具え、しかも、そ
の上部が、後述するブラッシング装置40まで延びるベ
ルトコンベア台座31として構成されている。この場
合、ベルトコンベア台座31上における送出しローラ装
置20に近い領域には、第1オイルカラー塗布手段32
が配設されている。
域に据え付けられた凹凸面形成装置で、送出しローラ装
置20と実質的同一の幅および高さを具え、しかも、そ
の上部が、後述するブラッシング装置40まで延びるベ
ルトコンベア台座31として構成されている。この場
合、ベルトコンベア台座31上における送出しローラ装
置20に近い領域には、第1オイルカラー塗布手段32
が配設されている。
【0099】このオイルカラー塗布手段32は、第1オ
イルカラー層3を形成する顔料水溶液を基体部材1のエ
マルジョン層2上に供給するためのもので、例えばベル
トコンベア台座31の幅一杯に亘って設けられた漏斗
(じょうご)状の供給容器32aと、その下において幅
一杯に亘って回転可能に設けられた塗布ローラ32bと
から構成され、しかも、供給容器32aの外からこの塗
布ローラ32bの周面に水を塗り付ける水供給手段32
cが付設されるように構成されている。
イルカラー層3を形成する顔料水溶液を基体部材1のエ
マルジョン層2上に供給するためのもので、例えばベル
トコンベア台座31の幅一杯に亘って設けられた漏斗
(じょうご)状の供給容器32aと、その下において幅
一杯に亘って回転可能に設けられた塗布ローラ32bと
から構成され、しかも、供給容器32aの外からこの塗
布ローラ32bの周面に水を塗り付ける水供給手段32
cが付設されるように構成されている。
【0100】この場合、ベルトコンベア台座31は、基
体部材1のエマルジョン塗料層2上に多数の微細な擦り
線を形成し得るような速度で、基体部材1を木目形成方
向に移動させるように構成されている。
体部材1のエマルジョン塗料層2上に多数の微細な擦り
線を形成し得るような速度で、基体部材1を木目形成方
向に移動させるように構成されている。
【0101】また、塗布ローラ32bの周面は、スポン
ジ状またはフェルト状の材料で覆われているのが好まし
く、また、顔料水溶液または水がエマルジョン塗料層2
上に不均一に滴下するような状態で供給(塗布)される
ように構成するのが好ましい。そして、この第1オイル
カラー塗布手段32の次の領域には、微細凹凸形成手段
33が設けられている。
ジ状またはフェルト状の材料で覆われているのが好まし
く、また、顔料水溶液または水がエマルジョン塗料層2
上に不均一に滴下するような状態で供給(塗布)される
ように構成するのが好ましい。そして、この第1オイル
カラー塗布手段32の次の領域には、微細凹凸形成手段
33が設けられている。
【0102】この微細凹凸形成手段33は、図4にも示
すように、例えば、ベルトコンベア台座31の幅一杯に
亘って設けられた下向きの保持箱33aと、この保持箱
33aを昇降可能に支持する支持軸部材33bと、保持
箱33aをベルトコンベア台座31に対して常時上方に
向って付勢するコイルばね33cと、このコイルばね3
3cの付勢力に抗して、保持箱33aをベルトコンベア
台座31側に接近されるカム部材33dとから構成され
ている。
すように、例えば、ベルトコンベア台座31の幅一杯に
亘って設けられた下向きの保持箱33aと、この保持箱
33aを昇降可能に支持する支持軸部材33bと、保持
箱33aをベルトコンベア台座31に対して常時上方に
向って付勢するコイルばね33cと、このコイルばね3
3cの付勢力に抗して、保持箱33aをベルトコンベア
台座31側に接近されるカム部材33dとから構成され
ている。
【0103】この場合、保持箱33a内には、第1オイ
ルカラー層3およびエマルジョン塗料層2の表面に多数
の微細な擦り線を形成し得るような部材、例えばスチー
ルウールの塊や糸状にまで細長く切られたサンドペーパ
細片の塊等から成る微細凹凸形成部材34が取り換え可
能な状態に収容されることになる。
ルカラー層3およびエマルジョン塗料層2の表面に多数
の微細な擦り線を形成し得るような部材、例えばスチー
ルウールの塊や糸状にまで細長く切られたサンドペーパ
細片の塊等から成る微細凹凸形成部材34が取り換え可
能な状態に収容されることになる。
【0104】そして、カム部材33dは、例えばマニュ
アル操作手段または適宜の往復回転手段および回転制御
手段により不規則に往復方向に回転される駆動軸33e
により回転されるように構成されており、この往復方向
に回転動作により変化するカム作用で例えばスチールウ
ールや幅狭に裁断した紙ヤスリ材などから成る、微細凹
凸形成部材34を基体部材1のエマルジョン塗料層2に
対して不規則に昇降させて、エマルジョン塗料層2に対
する微細凹凸形成部材34の接触圧力を加減し得るよう
に構成されている。
アル操作手段または適宜の往復回転手段および回転制御
手段により不規則に往復方向に回転される駆動軸33e
により回転されるように構成されており、この往復方向
に回転動作により変化するカム作用で例えばスチールウ
ールや幅狭に裁断した紙ヤスリ材などから成る、微細凹
凸形成部材34を基体部材1のエマルジョン塗料層2に
対して不規則に昇降させて、エマルジョン塗料層2に対
する微細凹凸形成部材34の接触圧力を加減し得るよう
に構成されている。
【0105】さらに、この微細凹凸形成手段33の次の
領域には、微細凹凸形成手段33により削り取られた第
1オイルカラー層3やエマルジョン塗料層2の削り屑、
並びに、微細凹凸形成部材34から離脱した屑等(以
下、「削り屑異物」という)を洗い流すための清掃手段
35が設けられている。
領域には、微細凹凸形成手段33により削り取られた第
1オイルカラー層3やエマルジョン塗料層2の削り屑、
並びに、微細凹凸形成部材34から離脱した屑等(以
下、「削り屑異物」という)を洗い流すための清掃手段
35が設けられている。
【0106】この清掃手段35は、例えば柔らかい清掃
可能な材料がロール状に巻かれた回転ブラシ35aと、
この回転ブラシ35aの中心空間に連通された真空引き
手段35bとから構成され、回転ブラシ35aがベルト
コンベア台座31の幅一杯に亘って設けられている。
可能な材料がロール状に巻かれた回転ブラシ35aと、
この回転ブラシ35aの中心空間に連通された真空引き
手段35bとから構成され、回転ブラシ35aがベルト
コンベア台座31の幅一杯に亘って設けられている。
【0107】そして、柔らかい清掃可能な材料の掃き作
用と真空引き作用との協働によってエマルジョン塗料層
2の削り屑異物を効率良く吸収し得るように構成されて
いる。なお、これらの各手段32〜35は、それぞれ、
それ自体公知である適宜の支持手段によりベルトコンベ
ア台座31に支持されるように構成されている。
用と真空引き作用との協働によってエマルジョン塗料層
2の削り屑異物を効率良く吸収し得るように構成されて
いる。なお、これらの各手段32〜35は、それぞれ、
それ自体公知である適宜の支持手段によりベルトコンベ
ア台座31に支持されるように構成されている。
【0108】40は凹凸面形成装置30の次工程の領域
に据え付けられたブラッシング装置で、凹凸面形成装置
30のベルトコンベア台座31上における送出しローラ
装置20の次工程の領域41に配設されている。
に据え付けられたブラッシング装置で、凹凸面形成装置
30のベルトコンベア台座31上における送出しローラ
装置20の次工程の領域41に配設されている。
【0109】このブラッシング装置40は、前方領域に
上述した第1オイルカラー塗布手段32と同一構造の第
2オイルカラー塗布手段42を有し、次工程領域に木目
形成刷毛手段43を具えた構造の装置として構成されて
いる。
上述した第1オイルカラー塗布手段32と同一構造の第
2オイルカラー塗布手段42を有し、次工程領域に木目
形成刷毛手段43を具えた構造の装置として構成されて
いる。
【0110】この場合、第2オイルカラー塗布手段42
は、供給容器42aおよび塗布ローラ42bを具え、そ
れ自体公知である適宜の支持手段によりベルトコンベア
台座31に支持されるように構成されている。
は、供給容器42aおよび塗布ローラ42bを具え、そ
れ自体公知である適宜の支持手段によりベルトコンベア
台座31に支持されるように構成されている。
【0111】一方、木目形成刷毛手段43は、例えば所
定の間隔(例えば400cm)を隔てて直列に配置された
第1列〜第3列の独立刷毛手段44、47、50から成
る手段として構成されている。
定の間隔(例えば400cm)を隔てて直列に配置された
第1列〜第3列の独立刷毛手段44、47、50から成
る手段として構成されている。
【0112】この場合、第1列の独立刷毛手段44は、
適宜の支持部材45により支持された例えば5個の単位
刷毛部材46a〜46eが、ベルトコンベア台座31の
幅一杯に亘って配置されるように構成されている。
適宜の支持部材45により支持された例えば5個の単位
刷毛部材46a〜46eが、ベルトコンベア台座31の
幅一杯に亘って配置されるように構成されている。
【0113】また、第2列の独立刷毛手段47は、適宜
の支持部材48により支持された3個の単位刷毛部材4
9a〜49cが、第1列の単位刷毛部材46a〜46e
のそれぞれの境目を無くし得るような位置に配置され、
さらに、第3列の独立刷毛手段50は、適宜の支持部材
51により支持された3個の単位刷毛部材52a〜52
cが適宜の位置に配置されるように構成されている。
の支持部材48により支持された3個の単位刷毛部材4
9a〜49cが、第1列の単位刷毛部材46a〜46e
のそれぞれの境目を無くし得るような位置に配置され、
さらに、第3列の独立刷毛手段50は、適宜の支持部材
51により支持された3個の単位刷毛部材52a〜52
cが適宜の位置に配置されるように構成されている。
【0114】これら3列の単位刷毛部材46a〜46
e、49a〜49c、52a〜52cのそれぞれの植毛
の厚さおよび柔らかさは、各々の植毛の刷け目により合
成される刷け目模様(縞模様)が目的とする天然木目模
様になるように適切に設定されるものとし、また、各々
の単位刷毛部材46a〜46e、49a〜49c、52
a〜52cの水平面内における木目形成方向に対する傾
斜、並びに、エマルジョン塗料層2の表面2aに対する
上下方向の姿勢も、目的とする天然木目模様が得られる
ように適切に設定されるように構成されている。
e、49a〜49c、52a〜52cのそれぞれの植毛
の厚さおよび柔らかさは、各々の植毛の刷け目により合
成される刷け目模様(縞模様)が目的とする天然木目模
様になるように適切に設定されるものとし、また、各々
の単位刷毛部材46a〜46e、49a〜49c、52
a〜52cの水平面内における木目形成方向に対する傾
斜、並びに、エマルジョン塗料層2の表面2aに対する
上下方向の姿勢も、目的とする天然木目模様が得られる
ように適切に設定されるように構成されている。
【0115】例えば1個の単位刷毛部材46a等を水平
面内における木目形成方向に対する傾斜を変えると、そ
の植毛の厚さおよび柔らかさが微妙に変化することにな
る。
面内における木目形成方向に対する傾斜を変えると、そ
の植毛の厚さおよび柔らかさが微妙に変化することにな
る。
【0116】一方、例えば1個の単位刷毛部材46a等
を、図5に示すようにエマルジョン塗料層2の表面2a
に対して直立に近い姿勢に設定した場合には、縞模様が
太く且つぼやける状態になり、さらに、図6に示すよう
にエマルジョン塗料層2の表面2aに対して寝かせるよ
うな姿勢に設定した場合には、縞模様が明瞭になる。従
って、これらの状況を考慮して各々の単位刷毛部材46
aの傾斜および姿勢を適切に設定することにより、目的
とする天然木目模様が得られるようにする。
を、図5に示すようにエマルジョン塗料層2の表面2a
に対して直立に近い姿勢に設定した場合には、縞模様が
太く且つぼやける状態になり、さらに、図6に示すよう
にエマルジョン塗料層2の表面2aに対して寝かせるよ
うな姿勢に設定した場合には、縞模様が明瞭になる。従
って、これらの状況を考慮して各々の単位刷毛部材46
aの傾斜および姿勢を適切に設定することにより、目的
とする天然木目模様が得られるようにする。
【0117】なお、図示実施例では、凹凸面形成装置3
0のベルトコンベア台座31上にブラッシング装置40
を設けるように構成しているが、ベルトコンベア台座3
1上の送出しローラ装置20の次工程の領域41の部分
を独立分離したベルトコンベア台座として構成すること
もできる。
0のベルトコンベア台座31上にブラッシング装置40
を設けるように構成しているが、ベルトコンベア台座3
1上の送出しローラ装置20の次工程の領域41の部分
を独立分離したベルトコンベア台座として構成すること
もできる。
【0118】ところで、化粧材1〜11の製作作業は、
所定の縦横寸法(定尺)に形成された基体部材1の表面
1a上に、それ自体公知の方法ないし装置を利用してエ
マルジョン塗料層2を形成し、その後、エマルジョン塗
料層2が乾燥した後の基体部材1を、その長手方向が図
3の右から左へ向う方向(木目形成方向)と一致するよ
うな状態で送出しローラ装置20の搬送ローラ手段22
上に載置することから始まる。
所定の縦横寸法(定尺)に形成された基体部材1の表面
1a上に、それ自体公知の方法ないし装置を利用してエ
マルジョン塗料層2を形成し、その後、エマルジョン塗
料層2が乾燥した後の基体部材1を、その長手方向が図
3の右から左へ向う方向(木目形成方向)と一致するよ
うな状態で送出しローラ装置20の搬送ローラ手段22
上に載置することから始まる。
【0119】このようにして送出しローラ装置20上に
載置されたエマルジョン塗料層2付きの基体部材1は、
搬送ローラ手段22により微細凹凸面4を形成する凹凸
面形成装置30に移動させられ、さらに、凹凸面形成装
置30のベルトコンベア台座31により所定の速度で木
目形成方向に搬送される。
載置されたエマルジョン塗料層2付きの基体部材1は、
搬送ローラ手段22により微細凹凸面4を形成する凹凸
面形成装置30に移動させられ、さらに、凹凸面形成装
置30のベルトコンベア台座31により所定の速度で木
目形成方向に搬送される。
【0120】このとき、供給容器32a内に注入された
第1オイルカラー層3の顔料または着色粉状体水溶液
が、塗布ローラ32bを介してエマルジョン塗料層2上
に不均一に滴下して、エマルジョン塗料層2上に濃淡の
不規則な第1オイルカラー層3を形成(塗布)する。
第1オイルカラー層3の顔料または着色粉状体水溶液
が、塗布ローラ32bを介してエマルジョン塗料層2上
に不均一に滴下して、エマルジョン塗料層2上に濃淡の
不規則な第1オイルカラー層3を形成(塗布)する。
【0121】その後、基体部材1の移動につれて、第1
オイルカラー層3の顔料水溶液により浸潤状態にあるエ
マルジョン塗料層2上に、微細凹凸形成手段33の微細
凹凸形成部材(サンドペーパ細片の塊)34が接触し
て、エマルジョン塗料層2に多数の微細な擦り線を形成
することになる。
オイルカラー層3の顔料水溶液により浸潤状態にあるエ
マルジョン塗料層2上に、微細凹凸形成手段33の微細
凹凸形成部材(サンドペーパ細片の塊)34が接触し
て、エマルジョン塗料層2に多数の微細な擦り線を形成
することになる。
【0122】このとき、微細凹凸形成手段33の駆動軸
33cを往復方向に不規則に回転させることにより、保
持箱33aを介してエマルジョン塗料層2に対する微細
凹凸形成部材34の接触圧力を変えるように制御するか
ら、エマルジョン塗料層2に形成される多数の微細凹凸
部は、不規則なものになり微細凹凸面4となる。
33cを往復方向に不規則に回転させることにより、保
持箱33aを介してエマルジョン塗料層2に対する微細
凹凸形成部材34の接触圧力を変えるように制御するか
ら、エマルジョン塗料層2に形成される多数の微細凹凸
部は、不規則なものになり微細凹凸面4となる。
【0123】同時に、エマルジョン塗料層2の持つ一方
の構成色と第1オイルカラー層3の持つ他方の構成色と
が木目形成方向と幅方向に亘って入り交じって複雑な色
合いを作り出して行く。
の構成色と第1オイルカラー層3の持つ他方の構成色と
が木目形成方向と幅方向に亘って入り交じって複雑な色
合いを作り出して行く。
【0124】この結果、第1オイルカラー層3を形成す
る顔料水溶液を塗布された後のエマルジョン塗料層2の
面は、目的とする天然木目模様により近付いた自然な感
じのする仕上げ面となる。そして、このような微細凹凸
面4が形成されたエマルジョン塗料層2付きの基体部材
1は、その後もベルトコンベア台座31により移動して
行く。
る顔料水溶液を塗布された後のエマルジョン塗料層2の
面は、目的とする天然木目模様により近付いた自然な感
じのする仕上げ面となる。そして、このような微細凹凸
面4が形成されたエマルジョン塗料層2付きの基体部材
1は、その後もベルトコンベア台座31により移動して
行く。
【0125】さて、基体部材1が移動して行くと、その
過程で、上述した第1オイルカラー塗布手段32のとき
と同様に、第2オイルカラー塗布手段42の供給容器4
2a内から第2オイルカラー層5の顔料水溶液が、塗布
ローラ42bを介して微細凹凸面4形成後のエマルジョ
ン層2上に不均一に滴下して、エマルジョン層2上に濃
淡の不規則な第2オイルカラー層5を形成(塗布)す
る。
過程で、上述した第1オイルカラー塗布手段32のとき
と同様に、第2オイルカラー塗布手段42の供給容器4
2a内から第2オイルカラー層5の顔料水溶液が、塗布
ローラ42bを介して微細凹凸面4形成後のエマルジョ
ン層2上に不均一に滴下して、エマルジョン層2上に濃
淡の不規則な第2オイルカラー層5を形成(塗布)す
る。
【0126】そして、引き続いて、木目形成刷毛手段4
3の3列の独立刷毛手段44〜50が、第2オイルカラ
ー層5の上から微細凹凸面4の全表面に亘ってブラッシ
ングすることになる。
3の3列の独立刷毛手段44〜50が、第2オイルカラ
ー層5の上から微細凹凸面4の全表面に亘ってブラッシ
ングすることになる。
【0127】先ず、第1列の独立刷毛手段44の単位刷
毛部材46a〜46eが微細凹凸面4の表面を柔らかく
掃き、その後、第2列の独立刷毛手段47の単位刷毛部
材49a〜49cが、例えば第1列の各々の単位刷毛部
材46a〜46eの境目を無くするような状態で微細凹
凸面4上を木目形成方向に柔らかく掃き、さらに、第3
列の独立刷毛手段50の単位刷毛部材52a〜52cが
例えば第2列の各単位刷毛部材49a〜49cの境目を
無くするような状態で上を柔らかく掃いて、最終的に微
細凹凸面4の表面上に第2オイルカラー層5の不規則な
濃淡模様から成る合成的な刷け目模様(縞模様)を形成
する。
毛部材46a〜46eが微細凹凸面4の表面を柔らかく
掃き、その後、第2列の独立刷毛手段47の単位刷毛部
材49a〜49cが、例えば第1列の各々の単位刷毛部
材46a〜46eの境目を無くするような状態で微細凹
凸面4上を木目形成方向に柔らかく掃き、さらに、第3
列の独立刷毛手段50の単位刷毛部材52a〜52cが
例えば第2列の各単位刷毛部材49a〜49cの境目を
無くするような状態で上を柔らかく掃いて、最終的に微
細凹凸面4の表面上に第2オイルカラー層5の不規則な
濃淡模様から成る合成的な刷け目模様(縞模様)を形成
する。
【0128】このようにして形成された刷け目模様は、
天然木目に極めて酷似した立体感のある模様となり、こ
れが最終木目模様面6となる。なお、上述したように、
木目形成方向に対する単位刷毛部材46a〜46e、4
9a〜49c、52a〜52cの配列位置の角度や第2
オイルカラー層5の面に対する植毛の傾き等を、予め実
験ないし試験を行って適切に設定するようにして、目的
とする天然木目模様が得られるようにする。
天然木目に極めて酷似した立体感のある模様となり、こ
れが最終木目模様面6となる。なお、上述したように、
木目形成方向に対する単位刷毛部材46a〜46e、4
9a〜49c、52a〜52cの配列位置の角度や第2
オイルカラー層5の面に対する植毛の傾き等を、予め実
験ないし試験を行って適切に設定するようにして、目的
とする天然木目模様が得られるようにする。
【0129】そして、最終木目模様面6が乾燥状態にな
った後は、この上に付加膜層7〜11の形成作業を実施
する。この場合、最終木目模様面6が形成された後の基
体部材1を例えばベルトコンベア等の搬送手段により木
目形成方向に移動しながら、付加膜層7〜11を構成す
るそれぞれの塗膜の形成作業、清掃作業、強制乾燥作業
等を適宜に実施して、目的とする化粧材を形成すること
になる。
った後は、この上に付加膜層7〜11の形成作業を実施
する。この場合、最終木目模様面6が形成された後の基
体部材1を例えばベルトコンベア等の搬送手段により木
目形成方向に移動しながら、付加膜層7〜11を構成す
るそれぞれの塗膜の形成作業、清掃作業、強制乾燥作業
等を適宜に実施して、目的とする化粧材を形成すること
になる。
【0130】しかしながら、この付加膜層7〜11に係
る形成作業等は、それ自体公知の手段による公知の方法
で実施されるのでその詳しい説明は省略する。
る形成作業等は、それ自体公知の手段による公知の方法
で実施されるのでその詳しい説明は省略する。
【0131】本発明の第2実施例は、上述した第1実施
例の中から、第1オイルカラー塗布手段32(または、
第2オイルカラー塗布手段42)、微細凹凸形成手段3
3、清掃手段35を取り去った構成から成るものであ
る。
例の中から、第1オイルカラー塗布手段32(または、
第2オイルカラー塗布手段42)、微細凹凸形成手段3
3、清掃手段35を取り去った構成から成るものであ
る。
【0132】すなわち、第1または第2オイルカラー層
3または5が施されたエマルジョン塗料層2上に、直接
木目形成刷毛手段43によるブラッシング作業を行うも
のであるが、この場合にも上述した第1実施例のものよ
り自然な感じは低下するが目的とする天然木目模様が得
られる。
3または5が施されたエマルジョン塗料層2上に、直接
木目形成刷毛手段43によるブラッシング作業を行うも
のであるが、この場合にも上述した第1実施例のものよ
り自然な感じは低下するが目的とする天然木目模様が得
られる。
【0133】以上、図示実施例について説明したが、本
発明は、これに限定されるものではなく、その要旨を逸
脱しない範囲内で種々に変形実施することが可能であ
る。例えば、最終木目模様面6が形成された後の付加膜
層については、第1実施例のような5層構成にする必要
は特になく、求める化粧材1〜11の必要度に応じて適
宜の層構成に形成することができる。
発明は、これに限定されるものではなく、その要旨を逸
脱しない範囲内で種々に変形実施することが可能であ
る。例えば、最終木目模様面6が形成された後の付加膜
層については、第1実施例のような5層構成にする必要
は特になく、求める化粧材1〜11の必要度に応じて適
宜の層構成に形成することができる。
【0134】また、木目形成刷毛手段43についても、
3列以外の独立刷毛手段で構成することも可能である。
また、搬送される基体部材1に対して木目形成刷毛手段
43を木目形成方向とは逆の方向に間欠的に往復移動さ
せながら、最終木目模様面6を形成することもできる。
3列以外の独立刷毛手段で構成することも可能である。
また、搬送される基体部材1に対して木目形成刷毛手段
43を木目形成方向とは逆の方向に間欠的に往復移動さ
せながら、最終木目模様面6を形成することもできる。
【0135】また、基体部材1については、ベニヤ材に
限らず、単体木材(単板)、コンクリートまたはモルタ
ルブロック、合成樹脂材料、金属材料(例えば、アルミ
ニウム、ステンレススティール)等を使用することがで
き、また、材料の形態については、板材、角材、引き
板、無空材等に広く適用することができる。さらに、天
然木目模様を形成する対象面については、平面、曲面、
筒面、球面、非球面等を対象にすることができる。
限らず、単体木材(単板)、コンクリートまたはモルタ
ルブロック、合成樹脂材料、金属材料(例えば、アルミ
ニウム、ステンレススティール)等を使用することがで
き、また、材料の形態については、板材、角材、引き
板、無空材等に広く適用することができる。さらに、天
然木目模様を形成する対象面については、平面、曲面、
筒面、球面、非球面等を対象にすることができる。
【0136】
【発明の効果】以上述べたように、本発明を用いるとき
は、貴重な高級天然木材を一切使用せず、さらに、特殊
な配合の塗料を用いる必要もなく、しかも、従来の製作
工程に利用される塗布装置の殆どをそのまま用いて付加
工程で製作することが可能であり、製作コストを著しく
低減することができる天然木目模様を施した化粧材とそ
の製作方法を実現することが可能であり、さらに、乱伐
に起因する地球規模の自然破壊も防止することもできる
ことになる。
は、貴重な高級天然木材を一切使用せず、さらに、特殊
な配合の塗料を用いる必要もなく、しかも、従来の製作
工程に利用される塗布装置の殆どをそのまま用いて付加
工程で製作することが可能であり、製作コストを著しく
低減することができる天然木目模様を施した化粧材とそ
の製作方法を実現することが可能であり、さらに、乱伐
に起因する地球規模の自然破壊も防止することもできる
ことになる。
【0137】例えばローズウッド材の木目を残したいわ
ゆるツキ板としての剥ぎ板(0.3mm程度)を適宜のベ
ニヤ合板上に貼付した内装材または家具材の場合には、
3万円〜10万円/m2 の市販価格であり、目地が揃っ
ていない普及品でも3万6千円程度になるが、本発明を
用いるときには、基体部材に単価の安いラワンベニヤ
(500円/m2 )を用いた場合でも、塗装コストを含
んだ最終価格が6000円〜7000円/m2 の低価格
で外観的および強度的に剥ぎ板使用品と同等のものが得
られ、また、シナベニヤ(1000円/m2 )を用いた
場合でもラワンベニヤとの差額分だけ上積みされるだけ
で済む。
ゆるツキ板としての剥ぎ板(0.3mm程度)を適宜のベ
ニヤ合板上に貼付した内装材または家具材の場合には、
3万円〜10万円/m2 の市販価格であり、目地が揃っ
ていない普及品でも3万6千円程度になるが、本発明を
用いるときには、基体部材に単価の安いラワンベニヤ
(500円/m2 )を用いた場合でも、塗装コストを含
んだ最終価格が6000円〜7000円/m2 の低価格
で外観的および強度的に剥ぎ板使用品と同等のものが得
られ、また、シナベニヤ(1000円/m2 )を用いた
場合でもラワンベニヤとの差額分だけ上積みされるだけ
で済む。
【図1】建築に用いる天然木目模様を施した化粧材の第
1実施例を、ベニヤ合板上に順次に形成された塗膜層を
露出させながら分り易く示す模式図である。
1実施例を、ベニヤ合板上に順次に形成された塗膜層を
露出させながら分り易く示す模式図である。
【図2】図1におけるA−A線矢視方向の断面構成を示
す断面構成である。
す断面構成である。
【図3】図1の第1実施例に係る化粧材を製作する塗装
装置の1部分例に係る概略構成を示す斜視図である。
装置の1部分例に係る概略構成を示す斜視図である。
【図4】図3の塗装装置の1部分例に使用される微細凹
凸形成手段の概略構成を部分的に示す断面図である。
凸形成手段の概略構成を部分的に示す断面図である。
【図5】図3の塗装装置の1部分例に使用される木目形
成刷毛手段に用いる単位刷毛部材を直立に近い姿勢で設
置したときの状態を説明するための説明図である。
成刷毛手段に用いる単位刷毛部材を直立に近い姿勢で設
置したときの状態を説明するための説明図である。
【図6】図3の塗装装置の1部分例に使用される木目形
成刷毛手段に用いる単位刷毛部材を寝かせた姿勢で設置
したときの状態を説明するための説明図である。
成刷毛手段に用いる単位刷毛部材を寝かせた姿勢で設置
したときの状態を説明するための説明図である。
1〜11 化粧材 1 基体部材 2 エマルジョン塗料層 3 第1オイルカラー層 4 微細凹凸面 5 第2オイルカラー層 6 最終木目模様面 7 第1サンディングシーラ層 8 ウッドシーラ層 9 色調整層 11 最終仕上げ層 20 送出しローラ装置 21 台座 22 搬送ローラ 30 凹凸面形成装置 31 ベルトコンベア台座 32 第1オイルカラー塗布手段 32a 供給容器 32b 塗布ローラ 33 微細凹凸形成手段 33a 下向きの保持箱 33b 支持軸部材 33c コイルばね 33d カム部材 33c 駆動軸 34 微細凹凸形成部材 35 清掃手段 35a 回転ブラシ 35b 真空引き手段 40 ブラッシング装置 41 次工程の領域 42 第2オイルカラー塗布手段 42a 供給容器 42b 塗布ローラ 43 木目形成刷毛手段 44 第1列の独立刷毛手段 47 第2列の独立刷毛手段 50 第3列の独立刷毛手段 45、48、51 支持部材 46a〜46e、49a〜49c、52a〜52c 単
位刷毛部材
位刷毛部材
Claims (7)
- 【請求項1】 少なくとも、建築物、家具等に用いられ
る化粧材の基礎素材となる基体部材と、 目的とする天然木目模様の色合いを形成する一方の構成
色を表すエマルジョン塗料をもって前記基体部材の表面
に形成されたエマルジョン塗料層と、 顔料を含有し且つ前記天然木目模様の色合いを形成する
他方の構成色を表すオイルカラーをもって前記エマルジ
ョン塗料層上に形成されたオイルカラー層と、 このオイルカラー層の表面を、刷毛部材で前記オイルカ
ラー層の表面において前記天然木目模様を形成する方向
にブラッシングすることにより、前記オイルカラー層の
含有顔料を前記天然木目模様を形成する方向に沿って偏
在的に付着させて得られた前記含有顔料の濃淡縞模様
と、この濃淡縞模様が表す前記他方の構成色と前記濃淡
縞模様と混在した状態で表れる前記エマルジョン塗料層
の前記一方の構成色との組合せで創成された複合色との
相互作用により形成された前記天然木目模様と、 この天然木目模様を施された前記エマルジョン塗料層の
上に実質的に透明な無色または有色の塗剤をもって形成
された付加膜層と、を有するように構成されたことを特
徴とする天然木目模様を施した化粧材。 - 【請求項2】 少なくとも建築物、家具等に用いられる
化粧材の基礎素材となる基体部材と、 目的とする天然木目模様の色合いを形成する一方の構成
色を表すエマルジョン塗料をもって前記基体部材の表面
に塗布されたエマルジョン塗料層と、 顔料を含有し且つ前記天然木目模様の色合いを形成する
他方の構成色を表す第1オイルカラーを、前記エマルジ
ョン塗料層の表面上に塗布して得られた第1オイルカラ
ー層が浸潤状況にある状態において、前記基体部材に対
して前記天然木目模様を形成する方向に相対移動可能で
ある微細凹凸形成手段を、前記第1オイルカラーにより
浸潤された状態にある前記エマルジョン塗料層の表面に
接触させた状態で、少なくとも前記天然木目模様を形成
する方向に且つ第1オイルカラー層の表面に対する押圧
力を不規則に変化させながら移動させることにより、多
数の微細な擦り線として形成された微細凹凸部と、 この微細凹凸部が形成され且つ清掃された後の前記エマ
ルジョン塗料層の表面に、前記第1オイルカラーと実質
的に同等且つ同色の第2オイルカラーをもって形成され
た第2オイルカラー層と、 この前記第2オイルカラー層の表面を、前記基体部材の
幅方向一杯の領域に亘って設けられた複数個の刷毛部材
で前記天然木目模様を形成する方向にブラッシングする
ことにより、前記第2オイルカラー層の含有顔料を前記
天然木目模様を形成する方向に沿って偏在的に付着させ
て得られた前記含有顔料の濃淡縞模様と、この濃淡縞模
様が表す前記他方の構成色と前記濃淡縞模様と混在した
状態で表れる前記エマルジョン塗料層の前記一方の構成
色とで創成される複合色との相互作用により形成された
前記天然木目模様と、 この天然木目模様を施された前記エマルジョン塗料層の
上に実質的に透明な無色または有色の塗剤をもって形成
された付加膜層と、を有するように構成されたことを特
徴とする天然木目模様を施した化粧材。 - 【請求項3】 建築物、家具等に用いられる化粧材の基
礎素材となる基体部材の表面上に、目的とする天然木目
模様の色合いを形成する一方の構成色を表すエマルジョ
ン塗料をもってエマルジョン塗料層を形成すると共に、
顔料を含有し且つ前記天然木目模様の色合いを形成する
他方の構成色を表すオイルカラーをもって前記エマルジ
ョン塗料層上にオイルカラー層を形成し、 前記基体部材の幅方向一杯の領域に亘って設けられた複
数個の刷毛部材を用いて、前記オイルカラー層の表面を
前記天然木目模様を形成する方向にブラッシングするこ
とにより、前記オイルカラー層の含有顔料を前記天然木
目模様を形成する方向に沿うような状態で偏在させて、
前記含有顔料による濃淡縞模様を形成し、 このとき、前記濃淡縞模様が表す前記他方の構成色と前
記濃淡縞模様と混在した状態で表れる前記エマルジョン
塗料層の前記一方の構成色とで創成される複合色と前記
濃淡縞模様との相互作用により前記天然木目模様を形成
し、 この天然木目模様が形成された後の前記オイルカラー層
と前記エマルジョン塗料層との表面に、実質的に透明な
無色または有色の塗剤をもって付加膜層を形成するよう
になしたことを特徴とする天然木目模様を施した化粧材
の製作方法。 - 【請求項4】 建築物、家具等に用いられる化粧材の基
礎素材となる基体部材の表面上に、目的とする天然木目
模様の色合いを形成する一方の構成色を表すエマルジョ
ン塗料をもってエマルジョン塗料層を形成すると共に、
顔料を含有し且つ前記天然木目模様の色合いを形成する
他方の構成色を表す第1オイルカラーをもって前記エマ
ルジョン塗料層の表面を浸潤し、 前記基体部材に対して前記天然木目模様を形成する方向
に相対移動可能である微細凹凸形成手段を、前記第1オ
イルカラーにより浸潤された状況にある前記エマルジョ
ン塗料層の表面に接触させた状態で、少なくとも前記天
然木目模様を形成する方向に且つ第1オイルカラー層の
表面に対する押圧力を不規則に変化させながら移動させ
ることにより、前記第1オイルカラーの上から前記エマ
ルジョン塗料層の表面に多数の微細な擦り線から成る微
細凹凸部を形成し、 この微細凹凸部を形成した後の前記エマルジョン塗料層
の表面を清掃した後、前記第1オイルカラーと実質的に
同等且つ同色の第2オイルカラーをもって、前記微細凹
凸部形成後の前記エマルジョン塗料層の表面に第2オイ
ルカラー層を形成し、 前記基体部材の幅方向一杯の領域に亘って設けられた複
数個の刷毛部材を用いて、前記第2オイルカラー層の表
面を前記天然木目模様を形成する方向にブラッシングす
ることにより、前記第2オイルカラー層の含有顔料を前
記天然木目模様を形成する方向に沿うような状態で偏在
させて、前記含有顔料による濃淡縞模様を形成し、 このとき、前記濃淡縞模様が表す前記他方の構成色と前
記濃淡縞模様と混在した状態で表れる前記エマルジョン
塗料層の前記一方の構成色とで創成される複合色と前記
濃淡縞模様との相互作用によって前記天然木目模様を形
成し、 この天然木目模様が形成された後の前記第2オイルカラ
ー層と前記エマルジョン塗料層との表面に、実質的に透
明な無色または有色の塗剤をもって付加膜層を形成する
ようになしたことを特徴とする天然木目模様を施した化
粧材の製作方法。 - 【請求項5】 前記オイルカラー層付き前記エマルジョ
ン塗料層の表面に対する前記刷毛部材の倒れ姿勢および
/または前記天然木目を形成する方向に対する前記刷毛
部材の傾き角を、この刷毛部材と前記基体部材との相対
変位速度との関係で適切に設定して、前記オイルカラー
層の含有顔料を前記天然木目模様を形成する方向に沿っ
て偏在的に付着させることにより、目的とする前記含有
顔料の濃淡縞模様を形成するようになしたことを特徴と
する請求項3および4に記載された天然木目模様を施し
た化粧材の製作方法。 - 【請求項6】 前記エマルジョン塗料層、前記オイルカ
ラー層、前記オイルカラー層の含有顔料の濃淡縞模様、
前記天然木目模様および前記付加膜層を形成する際に、
前記基体部材を少なくとも前記木目形成刷毛手段に対し
て、前記天然木目模様を形成する方向に相対移動させな
がら形成するようになしたことを特徴とする請求項3な
いし5のいずれかに記載された天然木目模様を施した化
粧材の製作方法。 - 【請求項7】 前記オイルカラーに有色染料の他に少な
くとも金粉顔料および銀粉顔料を含有させて、前記天然
木目模様の他方の構成色を調色するようになしたことを
特徴とする請求項3ないし6のいずれかに記載された天
然木目模様を施した化粧材の製作方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20845393A JPH085280B2 (ja) | 1993-07-30 | 1993-07-30 | 天然木目模様を施した化粧材およびその製作方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20845393A JPH085280B2 (ja) | 1993-07-30 | 1993-07-30 | 天然木目模様を施した化粧材およびその製作方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0740700A JPH0740700A (ja) | 1995-02-10 |
JPH085280B2 true JPH085280B2 (ja) | 1996-01-24 |
Family
ID=16556452
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20845393A Expired - Lifetime JPH085280B2 (ja) | 1993-07-30 | 1993-07-30 | 天然木目模様を施した化粧材およびその製作方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH085280B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP4562582B2 (ja) * | 2004-04-15 | 2010-10-13 | エスケー化研株式会社 | 塗装仕上げ方法 |
JP4494228B2 (ja) * | 2004-06-04 | 2010-06-30 | 菊水化学工業株式会社 | 模様付け材、模様付け具及び模様付け方法 |
JP5477826B2 (ja) * | 2012-02-08 | 2014-04-23 | 立神工業株式会社 | 木目調塗装方法 |
JP7378546B1 (ja) * | 2022-07-25 | 2023-11-13 | 佐藤興業株式会社 | 塗装方法及び装飾板の製造方法 |
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-
1993
- 1993-07-30 JP JP20845393A patent/JPH085280B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0740700A (ja) | 1995-02-10 |
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