JP2814354B2 - 天然木目模様を施した化粧材およびその製作方法 - Google Patents

天然木目模様を施した化粧材およびその製作方法

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JP2814354B2 JP6337492A JP33749294A JP2814354B2 JP 2814354 B2 JP2814354 B2 JP 2814354B2 JP 6337492 A JP6337492 A JP 6337492A JP 33749294 A JP33749294 A JP 33749294A JP 2814354 B2 JP2814354 B2 JP 2814354B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高級天然木材の持つ美
麗で奥床しく且つ柔らかい感じの木目に酷似する天然木
目模様を、建築や家具等に用いる種々の建築用材料、例
えばベニヤ合板を含む木質材・モルタル材・セメント材
(コンクリート材)・石膏材・ボード材等のように液体
が滲み込むような材料や、金属材・プラスチック材・ガ
ラスのように液体が滲み込まない材料に天然木目模様を
施した化粧材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば桧材および杉材で代表される高級
木材や例えば桐材およびマホガニーで代表される家具用
の高級木材を、生「ナマ」のままの状態で建築物や家具
に用いようとすると、その価格が極めて高価なものにな
る。そのため、原木からこれらの高級木材の持つ美麗な
木目が明瞭に残る形で薄く剥ぎ、それを他の木材の表面
に貼付けるようにして恰も高級木材を生のままの形で使
用しているかのように見せ掛けるという手法が、従来か
ら広く用いられて来ている。
【0003】しかしながら、このように1本の高級原木
から木目を明瞭に残した形で剥ぎ材を得ようとすると、
原木のうちに無駄となる部分が多量に発生することにな
って、1本の原木から得られる剥ぎ材の量が極めて少量
になってしまうという現象が生じる。一方、これらの高
級木材に対する憧れ感の高まりにつれ、その需要が増加
の一途を辿っているため、これらの高級原木は地球規模
で著しく減少しつつある。
【0004】そのため、一方において、これら高級原木
の伐採を最小限度に抑えることにより地球規模での環境
破壊を防止し、他方では、高級原木の減少化に対処する
ため、塗装方法やプリント方法を利用して、他の適宜の
木材の表面に高級天然木材の持つ木目を模した模様を描
くことが考えられ、そのための方法が既に数多く提供さ
れている。
【0005】例えば、特公昭 49 - 46135 号公報に開示
された方法は、先ず、適宜の木材等で作られた基体材
(本発明の基体部材に相当)の表面に、下塗り塗料を用
いて平坦な任意の塗装を行うことにより下塗り層を形成
し、乾燥後の下塗り層上に、表面張力の小さい珪素樹脂
塗剤を用いて、例えば木目模様を成す任意の縞状パター
ンを描く。
【0006】その後、この縞状パターンの描かれた珪素
樹脂塗剤層の上に全面に亘って、透明、半透明または不
透明の塗料から成る上塗り層を形成する。このとき、上
塗り層を形成する段階において、下塗り層上に形成され
た珪素樹脂塗剤層の存在する部分の上塗り層の塗料が弾
かれて珪素樹脂塗剤の存在部の周辺に押し寄せるという
作用(いわゆる、「揆水作用」、「目弾き作用」)が生
じるから、この作用を利用して任意の木目模様を現出さ
せるというものである。この場合、珪素樹脂塗剤で描か
れる縞状パターンは、フローコーター(パターンロー
ル)や毛を適当に間引いた構造のブラシを用いて、所定
幅を持つ複数本の線状縞として並列的に描かれることに
なる。
【0007】また、特公昭 58 - 44036 号公報(特開昭
52 - 96715 号公報)に開示された方法は、先ず、ラワ
ン合板等により作られた基体材の表面に、例えばアクリ
ルエマルジョン系水性目止め剤を塗装し、この塗膜層を
乾燥研磨後に、例えば淡色のアクリルラッカーのサーフ
ェーサーを全面に亘って塗布して中塗り塗料層を形成す
る。
【0008】その後、求める木目、導管等の模様部分を
印刷しようとする面以外のフェーサーの表面にアクリル
ラッカーのクリヤーを塗布し、次に、発泡助剤を所定量
混入させた印刷剤を塗装する。このとき、印刷剤はクリ
ヤーの塗装面以外のサーフェーサー表面にのみ、ウエッ
ト状態で残存することになる。そして、印刷剤が未乾燥
ないし接触乾燥状態の内に、通常のインクを用いて、求
める木目、導管等の模様部分に対するボカシ刷りを行う
と共に、発泡助剤を含有した印刷剤と同一配合の艶消し
インクを用いて、骨格部分を印刷する。
【0009】その後、これらの全面に酸分解型発泡剤を
分解させる酸成分を含有した上塗り塗料を塗布して塗膜
を形成し、さらに、加熱環境または常温において、木
目、導管等の模様部分とそれ以外の部分とを同時に乾燥
させる。このとき、乾燥過程において、木目、導管等の
模様部分を印刷した面が発泡により微細な不均一面とな
って、印刷面上の上塗り塗膜の光沢が低下するから、こ
の印刷面と他の平滑面とに間に光沢差が生じる。この結
果、優雅な仕上りで且つ立体感あふれる高級天然木材の
ような外観が得られるというものである。
【0010】ところで、特開平 5 - 115837 号公報に開
示された方法は、木質化粧単板の表面を浮造り構造に形
成する場合における着色を目的とした技術で、特に木目
模様を形成する目的の技術ではないが、浮造り構造にす
ることにより結果的に木目模様が形成されることにもな
るので、一応、本発明の先行技術になり得ると考えられ
る。
【0011】この方法は、先ず、適宜の合板等で作られ
た基体材の表面に、木質化粧単板を接着し、この木質化
粧単板の表面をブラッシングする。このとき、化粧単板
の表面の木目を構成する春材部と秋材部の内、柔らかい
春材部が深く削られて凹形状となり、硬い秋材部が余り
削られないことから凸形状になって浮造り構造となる。
【0012】その後、このような浮造り構造に形成され
た化粧単板の表面に、シーラ層を塗布すると共にその上
にさらに着色剤を塗装する。この場合、シーラ層の存在
により着色剤の浸透作用が抑制され、春材部と秋材部と
の着色のコントラストが小さくなる。この結果、「色ム
ラ」のないソフトな外観を保ちながら木質化粧単板を着
色することができるというものである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公昭
49 - 46135 号公報の方法では、量産に適する方法であ
るがために、描かれる珪素樹脂塗剤の縞が画一的なもの
となる。しかも、描かれた縞が直線状のものとして表現
され、且つ、縞の描かれた領域と他の領域との間の境界
線が可成り明瞭な形で表れる関係で、得られる縞模様
は、見た目には硬めの縞として映ることになる。その結
果、高級天然木材の持つ美麗で奥床しく且つ柔らかい感
じの木目とは、感覚的に異なる木目模様になってしまう
ということが問題となる。
【0014】また、特公昭 58 - 44036 号公報の方法で
は、印刷法によって形成される木目、導管等の模様部分
の骨格部分が見た目に硬めの模様として映ることを防ぐ
ためのボカシ印刷が必要になり、その分だけ製作工程が
複雑になるという問題が生じる。しかも、酸分解型発泡
剤を使用することになるので、酸分解型発泡剤を含む塗
料やこの酸分解型発泡剤を分解する酸成分を含む塗料と
いった特殊な塗料を必要とするという製作上の大きな問
題も生じることになる。
【0015】また、特開平 5 - 115837 号公報に開示さ
れた方法は、木質化粧単板の春材部と秋材部との硬さの
違いを利用して、木質化粧単板の表面に凹凸模様を形成
するようにしているため、高級天然木材の持つ美麗で奥
床しく且つ柔らかい感じの木目を得るためには、木質化
粧単板に高級天然木材の薄板で作らねばならないことに
なる。
【0016】これでは、高級天然木材を使用しないで高
級天然木材の持つ美麗で奥床しく且つ柔らかい感じの木
目を得るという目的に合致しなくなるので、これがこの
従来方法の大きな欠点となる。そのため本出願人は、従
来の考え方とは全く異なる原理を用いて、高級天然木材
を用いた場合と極めて似た高級天然木目模様を現出した
化粧材およびその製作方法を発明し、平成 5年 7月30日
付けの特願平5 -208453 号として出願(以下、「先願発
明」という)した。
【0017】この先願発明は、先ず、建築、家具等に用
いられる化粧材の基体材の表面上に、目的とする天然木
目模様の色合いを形成する構成色の一方の構成色を表す
塗剤をもってエマルジョン層を形成する。そして、この
エマルジョン層の表面に、目的とする天然木目模様の色
合いを形成する他方の構成色を表す染料と適当な顔料と
を含有したオイルカラーをもってオイルカラー層を形成
し、その後、基体材の幅方向一杯の領域に亘って設けら
れた複数個の刷毛部材を用いて、このオイルカラー層の
表面を天然木目模様を形成する方向にブラッシングして
天然木目模様を現出させる。
【0018】この結果、染料の付着(滲み込むことを含
む)したオイルカラー層の含有顔料が、天然木目模様を
形成する方向に沿うような状態で偏在することになり、
この作用によってオイルカラー層付きエマルジョン層上
に含有顔料の濃淡縞模様が形成され、エマルジョン層上
に付着したオイルカラー層の含有顔料の存在により立体
感が生じる。
【0019】このとき、含有顔料の濃淡縞模様は一方に
おいてオイルカラー層の表す色の濃淡縞模様となって表
れることになり、エマルジョン層の表す色は、このオイ
ルカラー層の表す色の濃淡縞模様と混在した状態で表れ
ることになる。すなわち、濃淡縞模様の表す色とエマル
ジョン層の表す色とが複合した状態で表れることにな
る。しかも、オイルカラー層の表す色がエマルジョン層
に滲み出すような状況にもなる。
【0020】この場合、オイルカラー層付きエマルジョ
ン層の表面に対する複数個の刷毛部材の倒れ姿勢および
/または天然木目を形成する方向に対する複数個の刷毛
部材の傾き角を、刷毛部材と基体材との相対変位速度と
の関係で適切に設定すれば、目的とする天然木目模様を
得ることができる。そして、この天然木目模様が形成さ
れた後のオイルカラー層付きエマルジョン層の表面に、
実質的に透明な無色または有色の付加膜層(保護層でも
ある)を形成してこの天然木目模様を定着させるという
ものである。
【0021】ところで、建築用の化粧材は、生活空間に
露出される環境下で、しかも、長期間に亘って使用され
るものであるから、化粧材を製作するときには、日光や
照明光に曝射されたときでも木目模様等に美観を損なう
ような変色や褪色が生じないような考慮も払う必要があ
り、また、そのための工夫もしなければならない。
【0022】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、その目的とするところは、貴重な高級天然木
材を一切使用せず、さらに、特殊な配合の塗料を用いる
必要もなく、しかも、製作コストを著しく低減する中に
おいて、日光や照明光による変色や褪色を防止すること
が可能である建築および家具等に用いる天然木目模様を
施した化粧材およびその製作方法を提供することにあ
る。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明は、高級天然木材の持つ木
目に酷似する所望の天然木目模様、チーク模様、ローズ
ウッド模様、ウォールナット模様等から成る所望の天然
木目模様を施した、建築や家具等に使用される化粧材に
おいて、前記化粧材の基体部分を構成する基体部材と、
少なくとも、黒色、赤色、黄色の顔料の内の2ないし3
種類の顔料を混合して所望の色彩に調合された複合顔料
をもって前記基体部材上に形成された木目模様入れ塗膜
層、および、この木目模様入れ塗膜層の表面上に形成さ
れ且つ全体として所定方向に向う多数の微細な凹凸擦り
線として形成された前記所望の天然木目模様とを含むよ
うに構成された前記化粧材の基本構成層と、この基本構
成層の上に形成された実質的に透明な無色または有色の
少なくとも1層の塗膜層から成る前記化粧材の表面仕上
げ層とを、有しており、且つ前記基本構成層が、 前記所
望の天然木目模様に応じ、少なくとも複数種類の塗料か
ら成る主剤液と少なくとも1種類の塗料から成る調色液
とをもって調合された基本色調塗料をもって、前記基体
部材の表面上に形成された基本色調塗膜層と、 この基本
色調塗膜層上に形成された前記木目模様入れ塗膜層と、
前記木目模様入れ塗膜層が乾かない内に、ハンドパッド
等から構成された第1の木目模様入れ部材を用い且つ前
記木目模様入れ塗膜層上を全体として所定方向に擦るこ
とにより形成された第1擦り線と、刷毛部材やへちま等
から構成された第2の木目模様入れ部材を用い且つ前記
第1擦り線の上を全体として所定方向に擦ることにより
形成された第2擦り線とで合成された前記多数の微細な
凹凸擦り線から成る前記所望の天然木目模様とから構成
されていることを特徴とするものである。
【0024】また、請求項に記載の発明は、高級天然
木材の持つ木目に酷似する所望の天然木目模様、チーク
模様、ローズウッド模様、ウォールナット模様等から成
る所望の天然木目模様を施した、建築や家具等に使用さ
れる化粧材において、液体が滲み込まない透明な材料で
且つ少なくともその裏面が平滑面として構成された材料
から成る透明な要平滑面対策基体部材と、前記透明な要
平滑面対策基体部材の裏面に対するひび割れ防止用塗膜
層の付着性を高め得る塗料をもって、前記透明な要平滑
面対策基体部材の裏面上に形成された付着性向上下地処
理層と、少なくとも経時変化による「ひび割れ」を生じ
させない性質の塗料をもって、この付着性向上下地処理
層の下側面上に形成された実質的に無色透明な前記ひび
割れ防止用塗膜層と、少なくとも、黒色、赤色、黄色の
顔料の内の2ないし3種類の顔料を混合して所望の色彩
に調合された複合顔料をもって、前記ひび割れ防止用塗
膜層の下側面上に形成された木目模様入れ塗膜層と、こ
の木目模様入れ塗膜層の下側面上に形成され且つ全体と
して所定方向に向う多数の微細な凹凸擦り線として形成
された前記所望の天然木目模様と、前記所望の天然木目
模様に応じ、少なくとも複数種類の塗料から成る主剤液
と少なくとも1種類の塗料から成る調色液とをもって調
合された基本色調塗料をもって、前記所望の天然木目模
様が形成された後の木目入れ塗膜層の下側面上に形成さ
れた基本色調塗膜層とを含むように構成された前記化粧
材の透明下地用基本構成層と、前記化粧材の裏面を鏡面
に仕上げ得る塗料をもって形成された実質的に無色透明
な塗膜層として、前記透明下地用基本構成層の最下側層
である前記基本色調塗膜層の下側面上に形成された裏面
仕上げ用第1ポリウレタン塗膜層と、この裏面仕上げ用
第1ポリウレタン塗膜層の下側面上に形成された実質的
に無色透明な塗膜層としての裏面仕上げ用中塗り塗膜層
と、この裏面仕上げ用中塗り塗膜層の下側面上に形成さ
れた仕上げ塗膜層としての裏面仕上げ用第2ポリウレタ
ン塗膜層とを含む仕上げ層であって、塗膜が硬く且つ水
分に対して強い仕上げ層として構成された化粧材の裏面
仕上げ層とを、有していることを特徴とするものであ
る。
【0025】また、請求項に記載の発明は、高級天然
木材の持つ木目に酷似する所望の天然木目模様、チーク
模様、ローズウッド模様、ウォールナット模様等から成
る所望の天然木目模様を施した、建築や家具等に使用さ
れる化粧材において、モルタル材・セメント材・ボード
・木材等の非金属材料から成る材料をもって構成された
前記化粧材の基体部分を成す基体部材と、この基体部材
の表面上に形成された第1塗膜層としてのアルカリシー
ラ層と、前記所望の天然木目模様および所望の色彩に応
じて黒色、赤色、黄色の各塗料を調合して得られた所望
の塗料をもって、前記アルカリシーラ層の表面上に形成
された第2塗膜層としてのポリウレタンサーフェイサー
層と、所望の天然木目模様およびその色彩に応じて黒
色、赤色、黄色の各油性塗料を調合して得られた所望の
油性塗料仕上げ用塗料を、刷毛塗りまたは機械塗り等の
手段を用いて、前記ポリウレタンサーフェイサー層の表
面上にまんべんなく塗布することにより形成された油性
塗料木目入れ塗膜層と、この油性塗料木目入れ塗膜層の
前記油性塗料仕上げ用塗料が乾かない内に、木目入れ刷
毛部材やハンドパッドのような木目形成用部材を前記所
望の天然木目模様の木目方向に擦ることにより、前記油
性塗料木目入れ塗膜層の表面に形成された擦り目群から
形成された前記所望の天然木目模様と、前記所望の天然
木目模様が形成された後の前記油性塗料木目入れ塗膜層
の表面上に油性透明塗料をもって形成された最上層塗膜
層とから構成された前記化粧材の油性塗料用基本構成層
とを、有していることを特徴とするものである。
【0026】また、請求項に記載の発明は、高級天然
木材の持つ木目に酷似する所望の天然木目模様、チーク
模様、ローズウッド模様、ウォールナット模様等から成
る所望の天然木目模様を施した建築や家具等に使用され
る化粧材において、金属材料から成る材料をもって構成
された前記化粧材の基体部分を成す基体部材と、金属材
料の表面に対する塗料の付着性を向上させるために、第
1塗膜層として前記基体部材の表面上に形成された下地
処理層と、前記所望の天然木目模様および所望の色彩に
応じ黒色、赤色、黄色の各塗料を調合して得られた所望
の塗料をもって、前記下地処理層の表面上に形成された
第2塗膜層としてのポリウレタンサーフェイサー層と、
所望の天然木目模様およびその色彩に応じて黒色、赤
色、黄色の各油性塗料を調合して得られた所望の油性塗
料仕上げ用塗料を、刷毛塗りまたは機械塗り等の手段を
用いて、前記ポリウレタンサーフェイサー層の表面上に
まんべんなく塗布することにより形成された油性塗料木
目入れ塗膜層と、この油性塗料木目入れ塗膜層の前記油
性塗料仕上げ用塗料が乾かない内に、木目入れ刷毛部材
やハンドパッドのような木目形成用部材を前記所望の天
然木目模様の木目方向に擦ることにより、前記油性塗料
木目入れ塗膜層の表面に形成された擦り目群から形成さ
れた前記所望の天然木目模様と、前記所望の天然木目模
様が形成された後の前記油性塗料木目入れ塗膜層の表面
上に油性透明塗料をもって形成された最上層塗膜層とか
ら構成された前記化粧材の油性塗料用基本構成層とを、
有していることを特徴とするものである。
【0027】また、請求項10に記載の発明は、高級天
然木材の持つ木目に酷似する所望の天然木目模様、チー
ク模様、ローズウッド模様、ウォールナット模様等から
成る所望の天然木目模様を施した、建築や家具等に使用
される化粧材において、前記化粧材の基体部分を構成す
るカシュー用基体部材と、このカシュー用基体部材の表
面上に、自然乾燥用カシュー塗料または焼き付け用カシ
ュー塗料をもって形成されたカシューサーフェイサー層
と、少なくとも、黒色、赤色、黄色の顔料の内の2ない
し3種類の顔料を混合して所望の色彩に調合された複合
顔料をもって、前記カシューサーフェイサー層の表面上
に形成された木目模様入れ塗膜層と、この木目模様入れ
塗膜層の表面上に形成され且つ全体として所定方向に向
う多数の微細な凹凸擦り線として形成された前記所望の
天然木目模様と、前記所望の天然木目模様が形成された
後の前記木目模様入れ塗膜層の表面上に、所望の透明度
または乳白度を表すカシュー塗料をもって形成されたカ
シュークリヤー層と、このカシュークリヤー層の表面上
に、所望の透明度または乳白度を表すカシュー塗料をも
って形成されたカシュー上塗り仕上げ層とから構成され
た前記化粧材のカシュー用基本構成層とを、有している
ことを特徴とするものである。
【0028】また、請求項13に記載の発明は、高級天
然木材の持つ木目に酷似する所望の天然木目模様、チー
ク模様、ローズウッド模様、ウォールナット模様等から
成る所望の天然木目模様を施した化粧材の製作方法にお
いて、先ず、前記所望の天然木目模様に応じ、少なくと
も複数種類の塗料から成る主剤液と少なくとも1種類の
塗料から成る調色液とをもって調合された基本色調塗料
を、前記化粧材の基体部分を構成する基体部材の表面上
に数回塗りして基本色調塗膜層を形成する作業を行うと
共に、この基本色調塗膜層上に所定のメッシュを有する
サンドペーパを用いたペーパ掛け作業を実施して粗面を
形成し、次に、少なくとも、黒色、赤色、黄色の顔料の
内の2ないし3種類の顔料を混合して所望の色彩に調合
された複合顔料を形成し、この複合顔料を前記基本色調
塗膜層の粗面上にまんべんなく塗布する作業を行って木
目模様入れ塗料層を形成し、次に、この木目模様入れ塗
料層が乾かないうちに、ハンドパッドを用いてこの木目
模様入れ塗料層上を所定方向に擦って第1擦り線を形成
し、さらに、刷毛を用いてこの第1擦り線上を所定方向
に擦って第2擦り線を形成するという作業を行って、こ
の2種類の擦り線により全体として所定方向に向う多数
の微細な凹凸擦り線を形成し、その後、例えば常温で所
定時間の乾燥作業を行って所望の天然木目模様を形成す
るという諸作業をもって前記化粧材の基本構成層を形成
し、その後、実質的に透明な無色または有色の少なくと
も1層の塗料をこの基本構成層上に塗布する作業を行っ
て前記化粧材の表面仕上げ層を形成する、ようになした
ことを特徴とするものである。
【0029】また、請求項16に記載の発明は、高級天
然木材の持つ木目に酷似する所望の天然木目模様、チー
ク模様、ローズウッド模様、ウォールナット模様等から
成る所望の天然木目模様を施した、建築や家具等に使用
される化粧材の製作方法において、先ず、液体が滲み込
まない透明な材料で且つ少なくともその裏面が平滑面と
して構成された材料から成る透明な要平滑面対策基体部
材の裏面に対するひび割れ防止用塗膜層の付着性を高め
得る塗料を、前記透明な要平滑面対策基体部材の裏面上
に塗布する作業を行って付着性向上下地処理層を形成す
る、次に、少なくとも経時変化による「ひび割れ」を生
じさせない性質の塗料を、この付着性向上下地処理層の
下側面上に塗布する作業を行って実質的に無色透明のひ
び割れ防止用塗膜層を形成する、次に、少なくとも、黒
色、赤色、黄色の顔料の内の2ないし3種類の顔料を混
合して所望の色彩に調合された複合顔料を、このひび割
れ防止用塗膜層の下側面上に塗布する作業を行って木目
模様入れ塗膜層を形成する、次に、この木目模様入れ塗
料層が乾かないうちに、ハンドパッドを用いてこの木
目模様入れ塗料層の下側面を所定方向に擦って第1擦り
線を形成し、さらに、刷毛を用いてこの第1擦り線の
下側面を所定方向に擦って第2擦り線を形成するという
作業を行って、この2種類の擦り線により全体として所
定方向に向う多数の微細な凹凸擦り線を形成し、その
後、例えば常温で所定時間の乾燥作業を行って所望の天
然木目模様を形成する、次に、前記所望の天然木目模様
に応じ、少なくとも複数種類の塗料から成る主剤液と少
なくとも1種類の塗料から成る調色液とをもって調合さ
れた基本色調塗料を、前記所望の天然木目模様が形成さ
れた後の前記木目模様入れ塗膜層の下側面上に塗布する
という作業を行って基本色調塗膜層を形成するという諸
作業をもって前記化粧材の透明下地用基本構成層を形成
する、その後、前記化粧材の裏面を鏡面に仕上げ得る塗
料を前記透明下地用基本構成層の最下側層である前記基
本色調塗膜層の下側面上に塗布する作業を行って、実質
的に無色透明の裏面仕上げ用第1ポリウレタン塗膜層を
形成し、次に、この裏面仕上げ用第1ポリウレタン塗膜
層の下側面上に実質的に無色透明の裏面仕上げ用中塗り
塗膜層を形成すると共に、この裏面仕上げ用中塗り塗膜
層の下側面上に上塗り仕上げ塗膜層としての裏面仕上げ
用第2ポリウレタン塗膜層を形成する作業を行って前記
化粧材の表面仕上げ層を形成する、ようになしたことを
特徴とするものである。
【0030】
【作用】上記のように構成された天然木目模様を施した
化粧材は、先ず、建築、家具等に用いられる化粧材の基
体部分となる基体部材の表面を平坦な粗面に仕上げるた
めに、サンドペーパを用いてペーパ掛け作業を実施す
る。
【0031】次に、平坦な粗面として形成された基体部
材の表面上に、基本色調塗装膜を形成するために、高級
天然木材の持つ木目に酷似する所望の天然木目模様の色
彩に応じて主剤液と調色液とを調合して得られた基本色
調塗料を塗布した後、その表面上をサンドペーパを用い
てペーパー掛けをする。次に、所望の天然木目模様の塗
料層を形成するために、黒色、赤色、黄色の顔料を必要
に応じて混合することにより得られた所望色彩の複合顔
料を、基本色調塗膜層の粗面上にまんべんなく塗布す
る。
【0032】次に、所望の天然木目模様を形成するため
に、この木目模様入れ塗料層が乾かないうちに、この木
目模様入れ塗料層上を、ハンドパッドを用いて所定方向
に擦ることにより第1擦り線を形成し、さらにこの第1
擦り線が形成された面上を、刷毛部材を用いて所定方向
に擦ることにより第2擦り線を形成し、この2種類の擦
り線により全体として所定方向に向かう多数の微細な凹
凸擦り線を形成し、その後、例えば常温で所定時間の乾
燥作業を行う。
【0033】そして、最後に、表面仕上げ層を形成する
ために、このような化粧材の基本構成層を形成した後
に、その表面に、実質的に透明な無色または有色の塗料
層を形成する。
【0034】
【実施例】本発明は、前述したように、例えばベニヤ合
板を含む木質材・モルタル材・セメント材(コンクリー
ト材)・石膏材・ボード材等のように液体が滲み込むよ
うな材料や、金属材・透明または非透明のプラスチック
材・ガラス材のように液体が滲み込まない材料(以下、
「基体部材」または「下地材」と総称する)の上に、高
級天然木材の持つ美麗で奥床しく且つ柔らかい感じの木
目に酷似する天然木目模様(以下、単に「天然木目模
様」という)を施して、建築や家具等に利用する天然木
目模様を具えた化粧材(以下、「化粧材」と略称する)
を製作することを目的としている。
【0035】この場合、化粧材は、所望のまたは目的と
する天然木目模様を実現する塗膜層として形成される木
目模様入れ塗膜層(以下、「木目入れ塗膜層」と略称す
る)を中心とした、各種の塗膜層を基体部材上に塗布す
ることにより形成されることになるが、本発明では、目
的とする天然木目模様の模様仕上げに、例えばチーク模
様仕上げ、ローズウッド模様仕上げ、ウォールナット模
様仕上げという数種類の仕上げを予定し、さらに、木目
入れ塗膜層を形成する際の塗料としては、顔料を主成分
とする塗料(以下、「顔料塗料」という)、オイルペイ
ント油性塗料、カシュー等の使用を予定している。
【0036】また、顔料塗料を使用して天然木目模様を
形成するときの「化粧材の表面仕上げ層」の仕上げ方
に、例えばクリヤーラッカー表面仕上げとポリウレタン
表面仕上げの2通りを予定している。従って、本発明で
製作される化粧材の種類は、使用する基体部材の違い、
天然木目模様の模様仕上げの違い、木目入れ塗膜層に使
用する塗料の違い、顔料塗料を使用するときの化粧材の
表面の仕上げ方の違いによって、多岐・多様に亘ること
になり、それに伴って、基体部材上に形成される塗膜層
の層構成もそれぞれに異なることになる。
【0037】これでは、多種少量生産に似た生産方法を
余儀なくされることになり、工程管理・品質管理・製品
管理等が煩雑化するばかりでなく、コスト増を招く原因
となって製作上の問題が生じることになる。
【0038】そのため、本発明では、このようなことを
避けるために、基体部材上に形成される全塗膜層のう
ち、基体部材の表面に形成される第1塗膜層から木目入
れ塗膜層に至るまでの特定塗膜層群の層構成と、この木
目入れ塗膜層に施す所定の木目模様入れ作業(以下、
「木目入れ作業」と略称することもある)により形成さ
れる天然木目模様とをもって、「基本構成層」なる概念
を設定し、基体部材の如何、天然木目模様の模様仕上げ
の種類、木目入れ塗膜層に使用する塗料の種類、表面仕
上げの別に拘らず、この「基本構成層」を大部分の化粧
材に対して共通に用い得るように構成して、多種・多様
に亘る化粧材の製作を容易に行い得るようにしている。
【0039】そのため、以下の説明では、このような考
え方に基づいて、先ず、顔料塗料を用いて木目入れ塗膜
層を形成するときの「基本構成層」を代表例として説明
し、引き続いて、この「基本構成層」の表面仕上げの際
に形成される「表面仕上げ付加膜層」についての説明を
行い、さらに、この「基本構成層」を各種類の基体部材
に形成する際の「下地処理層」についての説明を行うこ
とにする。
【0040】そして、顔料塗料を用いて天然木目模様を
形成する際の木目模様入れ作業については全ての基体部
材に対して共通的であるので、その後に説明することに
する。なお、透明なプラスチック材・ガラス材のような
透明基体部材の場合の「透明下地用基本構成層」、オイ
ルペイント油性塗料を使用する場合の「OP用基本構成
層」、カシュー(漆)塗料を使用する場合の「カシュー
用基本構成層」については、それぞれ後段で説明する。 [I] 顔料塗料を用いた「基本構成層」の形成につい
て。
【0041】「基本構成層」の形成について、木質材か
ら成る基体部材(合板を含む)に形成するケースを代表
例として説明する。図1は、本発明の天然木目模様を施
した化粧材に係る第1実施例の構成を模式的に示す斜視
図であり、層構成を分り易く示すために基体部材上に形
成された塗膜層を順次に露出させた状態を表している。
図2は、図1におけるA−A線矢視方向断面の構成を示
す断面構成図である。
【0042】第1実施例では、先ず、適宜の木質材から
成る化粧材の基体部材1を用意するが、この第1実施例
では、基体部材1として、例えば単板や適宜の材料を用
いて構成された、例えば3枚構造から成る市販品のベニ
ヤ合板(例えば「ラワンベニヤ」や「シナベニヤ」等)
が選択されることになる[ステップS1]。この場合、
この基体部材1の表面(化粧材の表面になる側の面。以
下同じ)1aに、例えば180番サンドペーパーを用い
たペーパー掛け作業(サンダー)を実施して、単板やベ
ニヤ合板の生地木目がそのまま表れるような平坦な粗面
に仕上げる。
【0043】但し、表面1aが予め平坦に削成されてい
る場合は、ペーパー掛け作業は、省略しても良い。ま
た、基体部材1の表面1aに曲りや凹凸がある場合に
は、先ずその表面1aを、例えば電動鉋(カンナ)でほ
ぼ平坦に削った後、180番サンドペーパーを用いたペ
ーパー掛け作業を実施して平坦な粗面に仕上げる。な
お、いずれもの場合にも、ペーパー掛け作業におけるペ
ーパー掛けの方向は問わない。
【0044】次に、図1、図2に示すように、この基体
部材1の表面1a上に、目的とする(所望の)天然木目
模様Mの色彩に応じて調合された所定の塗料を、例えば
それ自体公知の吹付け法をもって数回塗り(例えば2回
塗り)して、「基本構成層」の基本色調塗膜層であるポ
リウレタンサーフェイサー層2を形成する[ステップS
2]。
【0045】このポリウレタンサーフェイサー層2の形
成に使用する塗料は、図示例では、下記のA液群の中か
ら選択した1つまたは複数のA液をもって主剤液を調合
し、この複数の主剤液に下記の調色液群の中から選択し
た調色液を配合して、天然木目模様Mの種類に応じた基
本色調混合液(複数のA液+調色液)を調合し、この混
合液に、基本色調混合液との配合比4:1で下記のB液
(硬化剤の一種)を加えて作ることになる。
【0046】[A液(その1)] ユニオンペイント (株) 製品番号23 - 77 製品名 ポリウレタンサーフェイサー白色 A液 成分名 成分量(重量%) ポリウレタンポリオール 25.0% 芳香族炭化水素系溶剤 25.5% エステル系溶剤 6.0% チ タ ン 顔 料 13.5% 体 質 顔 料 22.0% 研 磨 剤 7.5% 添 加 剤 類 0.5%
【0047】[A液(その2)] ユニオンペイント (株) 製品番号23 - 72 製品名 ポリウレタンサーフェイサー赤錆色 A液 成分名 成分量(重量%) ポリウレタンポリオール 16.0% 芳香族炭化水素系溶剤 14.0% エステル系溶剤 16.0% 体 質 顔 料 42.0% 研 磨 剤 5.0% 弁 柄 7.0% 添 加 剤 微 量
【0048】[A液(その3)] ユニオンペイント (株) 製品番号23 - 71 製品名 ポリウレタンサーフェイサー黒色 A液 成分名 成分量(重量%) ポリウレタンポリオール 21.5% 芳香族炭化水素系溶剤 24.5% エステル系溶剤 7.5% 着 色 顔 料 1.0% 体 質 顔 料 40.0% 研 磨 剤 5.0% 添 加 剤 0.5%
【0049】[調色液(その1)] ユニオンペイント (株) 製品番号55 - 01 製品名 ロマンステイン黒色 成分名 成分量(重量%) 黒 色 顔 料 7.0% ビ ニ ル 系 樹 脂 10.0% ケ ト ン 系 溶 剤 21.0% 芳 香 族 系 溶 剤 21.0% グリコールエーテル系溶剤 41.0%
【0050】[調色液(その2)] ユニオンペイント (株) 製品番号55 - 04 製品名 ロマンステイン赤色 成分名 成分量(重量%) 赤 色 顔 料 5.0% ビ ニ ル 系 樹 脂 14.0% ケ ト ン 系 溶 剤 20.0% 芳 香 族 系 溶 剤 20.0% グリコールエーテル系溶剤 41.0%
【0051】[調色液(その3)] ユニオンペイント (株) 製品番号55 - 06 製品名 ロマンステイン ブラウン 成分名 成分量(重量%) 茶 色 顔 料 5.0% ビ ニ ル 系 樹 脂 14.0% ケ ト ン 系 溶 剤 20.0% 芳 香 族 系 溶 剤 20.0% グリコールエーテル系溶剤 41.0%
【0052】[調色液(その4)] ユニオンペイント (株) 製品番号55 - 07 製品名 ロマンステイン黄色 成分名 成分量(重量%) 黄 色 顔 料 5.0% ビ ニ ル 系 樹 脂 15.0% ケ ト ン 系 溶 剤 20.0% 芳 香 族 系 溶 剤 20.0% グリコールエーテル系溶剤 40.0%
【0053】[調色液(その5)] ユニオンペイント (株) 製品番号55 - 08 製品名 ロマンステイン ライトブラウン 成分名 成分量(重量%) 茶 色 顔 料 8.0% ビ ニ ル 系 樹 脂 24.0% ケ ト ン 系 溶 剤 17.0% 芳 香 族 系 溶 剤 17.0% グリコールエーテル系溶剤 34.0%
【0054】[調色液(その6)] ユニオンペイント (株) 製品番号55 - 09 製品名 ロマンステイン白色 成分名 成分量(重量%) 白 色 顔 料 24.0% ビ ニ ル 系 樹 脂 14.0% ケ ト ン 系 溶 剤 15.0% 芳 香 族 系 溶 剤 15.0% グリコールエーテル系溶剤 32.0%
【0055】[調色液(その7)] ユニオンペイント (株) 製品番号55 - 10 製品名 ロマンステイン ダークブラウン 成分名 成分量(重量%) 茶 色 顔 料 7.0% ビ ニ ル 系 樹 脂 21.0% ケ ト ン 系 溶 剤 18.0% 芳 香 族 系 溶 剤 18.0% グリコールエーテル系溶剤 36.0%
【0056】[B液] ユニオンペイント (株) 製品番号23 - 702 製品名 ウレタンサーフェサー B液 成分名 成分量(重量%) ウレタン用イソシアネート 50.0% エ ス テ ル 50.0%
【0057】さて、図示例では、所望する天然木目模様
Mの色調(色合い)を下表の色記号に基づいて出すよう
にしている。なお、表中に記された色記号は、日本塗料
工業会発行「昭和64年度版標準色見本帳」の色番号に
拠る。
【0058】
【表1】
【0059】すなわち、チーク調(色番号P15 - 382)
の色調を出したいときには、A液白色(その1)にA液
赤色(その2)とを下記の配合をもって調合して主剤液
を作り、この主剤液に調色液黄色(その4)のロマンス
テインを配合して、チーク調の天然木目模様Mに係る基
本色調混合液(2種類のA液+調色液)を作る。そし
て、この混合液に、基本色調混合液との配合比4:1を
もって硬化剤B液を加えて、最終的にチーク調(色番号
P15 - 382)の天然木目模様Mを実現し得る塗料を調合
する。
【0060】[主剤液] ポリウレタンサーフェイサー白色 80% A液(その1) ポリウレタンサーフェイサー赤錆色 5% A液(その2) [調色液] ロマンステイン黄色 10%
【0061】一方、ウォールナット調(色番号P23 - 1
52)の色調を出したいときには、A液(その1)〜A液
(その3)の3種類のA液を下記の配合をもって調合し
て主剤液を作り、この主剤液に、例えばチーク調の場合
と同様に調色液(その4)のロマンステインを配合し
て、ウォールナット調の天然木目模様Mに係る基本色調
混合液(3種類のA液+調色液)を作る。そして、この
混合液に、基本色調混合液との配合比4:1をもってB
液を加えて、ウォールナット調(色番号P23 - 152)の
天然木目模様Mを実現し得る塗料を調合する。 ポリウレタンサーフェイサー白色 85% A液(その1) ポリウレタンサーフェイサー赤錆色 10% A液(その2) ポリウレタンサーフェイサー黒色 5% A液(その3)
【0062】さらに、ローズウツド調(色番号P26 - 1
44)の色調を出したいときには、A液(その2)とA液
(その3)の別の2種類のA液を下記の配合をもって調
合して主剤液を作り、この主剤液に、例えばチーク調の
場合と同様に調色液(その4)のロマンステインを配合
して、ローズウツド調の天然木目模様Mに係る基本色調
混合液(別の2種類のA液+調色液)を作る。そして、
この混合液に、基本色調混合液との配合比4:1をもっ
てB液を加えて、ローズウツド調の天然木目模様Mを実
現し得る塗料を調合する。
【0063】 ポリウレタンサーフェイサー赤錆色 95% A液(その2) ポリウレタンサーフェイサー黒色 5% A液(その3) なお、いずれの天然木目模様Mを実現する場合にも、B
液は、基体部材の材質やそのときの温度等に応じて、例
えばウレタンシンナーのような適宜の希釈液を必要量
(例えば10%)だけ加えて希釈するが、例えば基体部材
が凹凸のあるような材質である場合には硬目に希釈(調
合)するようにする。
【0064】また、ポリウレタンサーフェイサー層2に
使用する塗料としては、他の塗料を使用することも可能
である。例えばアクリル系ラッカーやフタル酸系塗料
(油性ペンキ)を用いることができる。このようにして
ポリウレタンサーフェイサー層2が塗布された後は、そ
の塗膜層2上に、図示例ではサンドペーパー180番〜
240番を用いたサンダーにてペーパー掛け作業を実施
して、所定のペーパー粗面3を形成するようにする[ス
テップS3]。
【0065】そして、所定のペーパー粗面3の形成作業
が終了した後は、このペーパー粗面3上に所定の木目入
れ塗料をまんべんなく塗布して木目模様入れ塗装膜とし
ての木目入れ塗膜層4を形成する[ステップS4]。こ
の木目入れ塗膜層4の形成に用いる木目入れ塗料は、目
的とする天然木目模様Mの色調を実現するための「複合
顔料」と、付着剤(糊)の役割を果す「水性シーラ」と
を調合して作ることになる。
【0066】この場合、「複合顔料」は、「黒色」・
「赤色」・「黄色」の顔料の2〜3種類を所定の割合で
混合して作り、混合後の複合顔料を、AS水性シーラ
(または、水性クリヤーシーラ)との調合過程において
擂砕(らいさい)することにより小さな粒子の粉末から
成る「複合顔料」に変えるようにする。なお、「水性シ
ーラ」は、本来が下地材または下地層に対する密着剤や
下塗り剤として用いられるもので適量の水により希釈し
て用いられるものである。この場合、下地材としては、
木質材・モルタル材・セメント材・ボード材等の液体が
滲み込むような材料が選ばれる。
【0067】以下に、木目入れ塗膜層4に用いる「複合
顔料」および「水性シーラ」の具体的な例を記すが、
[複合顔料]の色調の種類やメーカー等および[水性シ
ーラ]の成分やメーカー等についてはこの具体例に限定
されるものではない。
【0068】
【表2】
【0069】
【0070】そして、上記木目入れ塗膜層4が乾かない
内に、以下に概説するような木目模様入れ作業を行う。
この木目模様入れ作業は、未だ木目入れ塗膜層4が乾か
ないうちに、第1の木目模様入れ部材としての例えばハ
ンドパッド(一例を挙げれば、住友スリーエム(株)社
製の「スコッチブライト(製品名):製品番号744
7)を用いてこの木目入れ塗膜層4上を所定方向(基体
部材1が木質材であるときにはその木目に沿った方向)
に擦って第1擦り線を形成すると共に、第2の木目模様
入れ部材としての例えば刷毛部材や「へちま」(面取り
個所に用いて好適)等を用いて、この第1擦り線上を所
定方向に擦って第2擦り線を形成するという作業を行
う。
【0071】このような作業を行うと、この2種類の擦
り線は、全体として所定方向に向う合成された多数の微
細な凹凸擦り線となるから、第1擦り線の模様と第2擦
り線の模様とを種々に変えて合成することにより所望の
天然木目模様Mを実現する凹凸擦り線を形成する。
【0072】すなわち、ハンドパッドの場合は、大きさ
・形状・硬さ・接触圧・使用数等の各要因を、また、刷
毛部材の場合には、毛の長さ・硬さ・密度・接触圧・設
置数(使用数)および木目入れ塗膜層4の面に対する傾
き度(倒れ度)、また、毛の並び線と擦り方向(所定方
向)との角度等の各要因を、さらに、「へちま」の場合
には、目の大きさ(密度)・形状・硬さ・接触圧・使用
数や、木目入れ塗膜層4の面に対する傾き度または所定
方向との角度の関係等の各要因を目的に応じて種々に変
化させれば、所望の天然木目模様Mを実現することが可
能になる。
【0073】そして、このときの第1擦り線および第2
擦り線の形成方法については、適宜の手作業(マニュア
ル作業)による擦り運動によっても、また、機械的な擦
り運動によってもよいことになる。例えば機械的な擦り
運動による場合は、例えば本出願人が平成 5年 7月30日
付けで提出した平成 5年特許願第 208453 号「天然木目
模様を施した化粧材およびその製作方法」の明細書並び
に図面に示したような装置および方法、または、これら
に準じた装置および方法を用いるのも1例である。
【0074】そして、この凹凸擦り線形成作業の終了後
に、例えば常温で 5分〜30分程度の乾燥作業を行って所
望の天然木目模様Mを形成する。なお、ガラス材や透明
なプラスチック材で且つ少なくともその裏面が平滑面と
して構成された基体部材の裏面に天然木目模様Mを形成
するときには、先ず、木目入れ塗膜層4の下側面上に第
1擦り線を形成し、その後、第1擦り線面の下側面上に
第2擦り線を形成するという順序により、所望の天然木
目模様Mに応じた多数の微細な凹凸擦り線の模様を形成
することになる。また、前述した乾燥作業の時間は、そ
のときの環境温度により変更されることがある。
【0075】このように、[ステップS2]〜[ステッ
プS4]の工程で形成されたポリウレタンサーフェイサ
ー層2とペーパー粗面3と木目入れ塗膜層4と、木目入
れ塗膜層4上の天然木目模様Mとにより、顔料塗料を用
いたときの本発明の「基本構成層」2〜4・Mが構成さ
れることになる。なお、今迄の説明では、基体部材1の
表面1aを平坦な粗面にしたり、また、ペーパー粗面3
を形成するようにしているが、これらの粗面を形成する
ことは、本発明の必須の条件ではないことを付記する。
次に、顔料塗料を用いた「基本構成層」2〜4・Mの上
に形成する表面仕上げについて説明する。 [II] クリヤーラッカーによる「化粧材の表面仕上げ
層」の形成について。
【0076】本発明の第2実施例では、木質材から成る
基体部材1上に形成された「基本構成層」2〜4・Mの
表面に、クリヤーラッカーによる「化粧材の表面仕上げ
層」(以下、「表面仕上げ付加膜層」ともいう)を形成
する場合を代表例として、図1および図2に従って説明
する。
【0077】先ず、「基本構成層」2〜4・Mの最上層
である木目入れ塗膜層4(天然木目模様Mの形成済)上
に、「表面仕上げ用第1塗膜層」としてのウッドシーラ
層5を形成する[ステップS5]。このウッドシーラ層
5を形成する理由の一つは、色調を保ちながら天然木目
模様Mを浮き立たせるためのものであり、他の理由は、
経時変化(永年使用)による「ひび割れ」の可能性を持
つ木質材に「ひび割れ」を生じさせないためのものであ
る。
【0078】このウッドシーラ層5は、所定の成分を持
つ塗料を適宜の溶剤により希釈し、例えば吹付け法をも
って1回塗りで塗布し、その後、例えば常温で 5分以上
乾燥させて形成されるが、このようにして形成された塗
膜層は、サンドペーパーが掛けられない程度の硬さを持
つ無色且つ透明な塗膜層となる。この場合、ウッドシー
ラ層5に用いる塗料としては、例えば次に掲げる成分の
ものが好ましい。
【0079】 ユニオンペイント (株) 製品番号14 - 12 製品名 ウッドシーラ 成分名 成分量(重量%) 硝 化 綿 10.5% アルキッド樹脂 21.5% 可 塑 剤 2.0% 芳香族炭化水素系溶剤 38.5% エステル系溶剤 17.0% グリコール系溶剤 8.5% アルコール系溶剤 2.0%
【0080】このウッドシーラ層5上に、この層5の表
面の凹凸をなくし且つ塗布むらを目立たなくさせて外観
を良くするためのサンジングシーラ層(表面仕上げ用ラ
ッカー塗膜層)6が形成されることになる[ステップS
6]。このサンジングシーラ層6は、自身の上に形成さ
れる上塗り仕上げ層7の付着性を良くすることをも目的
として設けられるもので、無色且つ透明な塗膜層として
形成されるが、この際、研磨剤の入った所定の塗料を、
例えばラッカーシンナーを使って塗り易い程度に希釈し
た状態にした後に、例えば吹き付け法をもって1回〜2
回塗りで塗布されることにより形成される。
【0081】そして、所定の乾燥(乾燥時間:5分以
上)後に、このサンジングシーラ層6の表面上に320
番〜400番のサンドペーパーを用いたペーパー掛け作
業を、例えば天然木目模様の形成方向に沿う方向に実施
して平坦面に仕上げる。この場合、サンジングシーラ層
6は、塗膜が厚く且つ柔らかいのでペーパー掛け作業が
行い易いという利点がある。
【0082】このサンジングシーラ層6上に、最終仕上
げ層としての上塗り仕上げ層(上塗り仕上げ塗膜層)7
を形成する[ステップS7]。この上塗り仕上げ層7
は、天然木目模様Mが自然な感じで表れるような面とし
て仕上げるためのものであり、例えば下記の組成を持つ
クリヤーラッカーを用いて、吹付け法により、例えば1
回塗りの塗膜層として形成されるのが好ましい。
【0083】 ユニオンペイント (株) 製品番号13 - 03 製品名 クリヤーラッカ− 成分名 成分量(重量%) 硝 化 綿 13.5% アルキッド樹脂 14.5% 可 塑 剤 2.0% 芳香族炭化水素系溶剤 30.5% エステル系溶剤 30.0% アルコール系溶剤 9.5%
【0084】また、クリヤーラッカーについては、「フ
ラットクリヤー」と称されるもの(各社共通の名称)、
「パールフラット」(和信化学工業(株)と称されるも
のもある。このような工程を経てクリヤーラッカーによ
る「表面仕上げ付加膜層」5〜7が形成されるが、この
クリヤーラッカーによる表面仕上げは、塗膜の強度が大
きく且つ膜厚が薄く、つや消しの綺麗な外観を呈する層
として仕上がり、しかも、補修し易く且つコストも安い
ので、例えば種々の造作やそれ程高級ではないが一般の
室よりは高級に見せるような室(例えば一般的な役員室
等)の壁や扉等に使用する化粧材の表面仕上げとして好
適である。
【0085】ところで、「従来技術の項」において述べ
たように、化粧材を製作するときには、生活空間に露出
された環境下で長期間に亘って使用したときでも、日光
や照明光による変色や褪色が生じないことが要求され
る。そのため、本発明者は、第2実施例の化粧材につい
て変色や褪色に関する試験を公的機関に依頼した。この
試験に供した試供品の化粧材は、基体部材1として厚さ
3mmのベニヤ板を用い、その表面上に、「基本構成層」
2〜4・Mとクリヤーラッカーによる「表面仕上げ付加
膜層」5〜7を施したものである。
【0086】この場合、チーク模様仕上げ、ローズウッ
ド模様仕上げ、ウォールナット模様仕上げの3種類の天
然木目模様Mを施した試供品をそれぞれ2枚づつ用意
し、公的機関である東京都立工業技術センターに「促進
耐候試験( 100時間)」の試験を依頼した。そして、工
業技術センターにおいては、JIS K 5400 (1990) 塗料一
般試験方法における 9.8.1サンシャインカーボンアーク
灯式により 100時間の促進耐侯試験を行い、6枚の試供
品の全てに「異常が認められない」という目視による評
価判定結果を得た(平成6年7月11日付)。
【0087】これは、本発明に係る建築用の化粧材が、
生活空間に露出された環境下で長期間に亘って使用した
ときでも、日光や照明光による変色や褪色を生じない優
秀な性能を有していることを雄弁に物語るものである。 [III] ポリウレタンによる「表面仕上げ付加膜層」
の形成について。
【0088】本発明の第3実施例では、第2実施例の場
合と同様に、木質材から成る基体部材1上に形成された
「基本構成層」2〜4・Mの表面に、ポリウレタンによ
る「表面仕上げ付加膜層」を形成する場合を代表例とし
て、図2および図3に従って説明する。
【0089】先ず、「基本構成層」2〜4・Mの最上層
である木目入れ塗膜層4(天然木目模様Mの形成済)の
表面上に第1ポリウレタンクリヤー層(表面仕上げ用第
1ポリウレタン塗膜層)5′を形成する[ステップS
5′]。この第1ポリウレタンクリヤー層5′は、鏡面
に仕上げるためのものであり、例えば下記の組成を持つ
ポリウレタン樹脂系の主剤と硬化剤とを混合した「混合
塗料」を用いて、吹付け法により、例えば1回塗りの塗
膜層として形成されるのが好ましい。
【0090】[主剤] ユニオンペイント (株) 製品番号16 - 27 製品名 ポリウレタンサンジング A液 成分名 成分量(重量%) ポリウレタン用ポリエステル 41.5% 増 粘 剤 1.5% 研 磨 材 5.0% エステル系溶剤 39.0% ケトン系溶剤 7.0% 芳香族炭化水素系溶剤 6.0%
【0091】[硬化剤] ユニオンペイント (株) 製品番号16 - 271 製品名 ポリウレタンサンジング B液 成分名 成分量(重量%) ポリウレタン用イソシヤネート 27.0% エステル系溶剤 61.0% 芳香族炭化水素系溶剤 12.0%
【0092】そして、この第1ポリウレタンクリヤー層
5′の表面上に、後述する上塗り仕上げ層(最終仕上げ
層)である第2ポリウレタンクリヤー層7′の付着性を
向上させるための塗膜層として、ポリウレタンサンジン
グシーラ層(表面仕上げ用中塗り層)6′を形成する
[ステップS6′]。
【0093】このポリウレタンサンジングシーラ層6′
は、最終仕上げ層の付着性を良くし、凹凸をなくし、塗
料ムラを目立たなくして外観を良くし、前述したウッド
シーラ層5の場合と同様に、経時変化による「ひび割
れ」の可能性を持つ木質材に「ひび割れ」を生じさせな
いような効果を有する塗膜層として形成され、下記の組
成を持つ塗料を、例えばラッカーシンナーにより塗り易
い程度に希釈して、例えば吹付け法により1回塗りまた
は数回塗りにより、比較的柔らかく且つ無色透明な塗膜
層として形成されることになる。この場合、その塗布回
数(膜厚)は、目的とする化粧材の仕上げ面に対するユ
ーザーの要望ないし好みに応じて決定され、また、希釈
に用いるラッカーシンナーとしては下記の第1例および
第2例のような組成を持つものが好ましい。
【0094】[塗料] ユニオンペイント (株) 製品番号14 - 02 製品名 ポリウレタンサンジングシーラ 成分名 成分量(重量%) 硝化綿 13% アルキッド樹脂 15% 研磨剤 3% 可塑剤 3% 芳香族炭化水素系溶剤 36% エステル系溶剤 22% アルコール系溶剤 5% グリコール系溶剤 3%
【0095】[ラッカーシンナーの第1例] ロックペイント (株) 製 製品番号016 -0123 製品名 ラッカーシンナー 規格 JIS K 5538 成分名 成分量(重量%) エステル系溶剤 29% 芳香族炭化水素系溶剤 63% アルコール系溶剤 8%
【0096】[ラッカーシンナーの第2例] 関西ペイント (株) 製 製品番号セルバ151 製品名 ラッカーシンナー 成分名 成分量(重量%) エステル系溶剤 29% アルコール系溶剤 8% 炭化水素系溶剤 63%
【0097】そして、このポリウレタンサンジングシー
ラ層6′が乾燥した後には、その表面に、例えば400
番〜600番サンドペーパーを用いたペーパー掛け作業
を例えば木目形成方向に沿う方向に実施して平坦面に仕
上げる。その後、ペーパー掛けの終了したポリウレタン
サンジングシーラ層6′の表面上に、第2ポリウレタン
クリヤー層(表面仕上げ用第2ポリウレタン塗膜層)
7′を形成する[ステップS7′]。
【0098】この第2ポリウレタンクリヤー層7′に使
用する塗料および形成方法は、例えば前述した第1ポリ
ウレタンクリヤー層5′に用いた「混合塗料」と同様の
組成を持つ主剤と硬化剤とを配合した「混合塗料」を用
いて、吹付け法により、例えば1回塗りまたは数回塗り
の塗膜層として形成されるのが好ましい。なお、この場
合の塗布回数(膜厚)も、第1ポリウレタンクリヤー層
5′の場合と同様に、目的とする化粧材の仕上げ面に対
するユーザーの要望ないし好みに応じて決定されること
になる。
【0099】このような工程を経てポリウレタンによる
「表面仕上げ付加膜層」5′〜7′が形成されるが、こ
のポリウレタンによる表面仕上げは、クリヤーラッカー
による表面仕上げに比べてコスト的に高くなり、補修も
難しくなるという問題はあるが、豪華で高級感溢れる外
観を呈する層として仕上がり、しかも、塗膜層が硬く且
つ水分に対して強いという性能を発揮するので、例えば
高級家具類、建物柱などに使用する化粧材の表面仕上げ
に適することになる。 [IV] 液体が滲み込むような材料(木質材を除く)を
基体部材に用いる場合における顔料塗料を用いた化粧材
の製作について。 例えばモルタル材・セメント材(コンクリート材)・石
膏ボード材等のように、液体が滲み込むような材料であ
って且つ長時間を経過するとその表面に「カビ」や「ア
ク」が生じるような材料を基体部材に使用すると、発生
する「カビ」や「アク」等のために、基体部材の表面上
に形成した顔料塗料を用いた「基本構成層」や「表面仕
上げ付加膜層」に凹凸等が生じて天然木目模様Mが変形
する虞れが生じる。
【0100】そのため、このような「カビ」や「アク」
等を生じ易い材料を用いた基体部材(以下、「防カビ対
策基体部材」という)11の表面11aに「基本構成
層」を形成する場合には、その表面11aと「基本構成
層」2〜4・Mとの間に「カビ防止下地処理層」(「カ
ビ防止下地付加膜層」ともいう)を形成して、「カビ」
や「アク」等の発生を防止する必要性が生じる。
【0101】本発明の第4実施例は、この「カビ防止下
地付加膜層」を具えた化粧材を製作する場合の実施例で
ある。なお、当然のことながら「基本構成層」2〜4・
M自体の構成は、第1実施例の場合の構成と同一とな
る。図4において、12は要カビ対策基体部材11の表
面11aと「基本構成層」2〜4・Mとの間に形成され
た「カビ防止下地付加膜層」で、例えば「基本構成層」
の木目入れ塗膜層4で用いられた「水性(AS)シー
ラ」と同じ塗料を使用し、且つ、同し塗布方法によって
形成されることになる[ステップS11]。
【0102】[水性シーラ] ロックペイント (株) 製品番号033 - 1150 製品名 エマルジョンクリヤーシーラー 規格 JIS A 6910 複層仕上塗材 (成分名および成分量については前掲したので省略す
る)
【0103】この結果、第4実施例の化粧材では、「カ
ビ」や「アク」を生じ易い材料を基体部材を用いた場合
にも、「カビ」や「アク」を防止することが可能にな
り、美麗な天然木目模様を得ることができる。この後、
顔料塗料を用いた「基本構成層」2〜4・Mの上に「表
面仕上げ付加膜層」5〜7または5′〜7′を形成し
て、所望の化粧材を製作する。 [V] 液体が滲み込まない不透明な材料を基体部材に
用いる場合における顔料塗料を用いた化粧材の製作につ
いて。 金属材や不透明なプラスチック材のような液体が滲み込
まない材料(以下、「不透明な要平滑面対策基体部材」
という)、または、ガラス材や透明なプラスチック材の
ような液体が滲み込まない材料(以下、「透明な要平滑
面対策基体部材」という)は、大体において表面や裏面
が平滑面となっているので、要平滑面対策基体部材の表
面または裏面(いずれも平滑面)上に「基本構成層」2
〜4・Mの最下層の塗膜層を直接塗布すると、塗布した
塗膜層に剥離等の問題が生じる虞れが出てくる。
【0104】この場合、要平滑面対策基体部材が金属材
や不透明なプラスチック材のような不透明な要平滑面対
策基体部材の場合には、不透明な要平滑面対策基体部材
の表面と「基本構成層」2〜4・Mとの間に「付着性向
上下地処理層」(「付着性向上下地付加膜層」ともい
う)を形成して、顔料塗料を用いた「基本構成層」2〜
4・Mの付着性能を良好に保つ必要がある。
【0105】本発明の第5実施例の化粧材は、この「付
着性向上下地付加膜層」を施した化粧材を製作する場合
における実施例である。なお、当然のことながら顔料塗
料を用いた「基本構成層」2〜4・M自体の構成は、第
1実施例の場合の構成と同一となる。
【0106】図4の括弧内符号で示すように、21は金
属材や不透明なプラスチック材から構成された不透明な
要平滑面対策基体部材であり、22はこの不透明な要平
滑面対策基体部材21の表面21aと「基本構成層」2
〜4・Mのポリウレタンサーフェイサー層2との間に形
成された「付着性向上下地付加膜層」である。この「付
着性向上下地付加膜層」22は、例えば下記の塗料を使
用し、且つ例えば吹き付け法をもって1回〜2回塗りで
塗布した下地密着層として形成されることになる[ステ
ップS21]。 [第1例] ユニオンペイント (株) 製品番号38 - 67 製品名 ミッチャク剤 成分名 成分量(重量%) アクリル樹脂 10.0% アルコール系溶剤 21.0% ケトン系溶剤 5.0% エステル系溶剤 13.0% 芳香族炭化水素系溶剤 45.0% 添 加 剤 6.0%
【0107】[第2例] ロックペイント (株) 製品番号029 - 0121 製品名 ロックラッカー ミッチャクシーラ 成分名 成分量(重量%) アクリル樹脂および可塑剤 6.0% エステルおよびケトン系溶剤 38.0% エーテルエステル系溶剤 9.0% 芳香族炭化水素系溶剤 47.0%
【0108】この結果、第5実施例(図4)の化粧材で
は、たとえ平滑面上に「基本構成層」2〜4・Mを形成
した場合でも、要平滑面対策基体部材21の表面21a
とポリウレタンサーフェイサー層2との間の密着性を良
好に確保することが可能になり、塗膜層の剥離等の現象
を伴わない美麗な天然木目模様を得ることができる。こ
の後、顔料塗料を用いた「基本構成層」2〜4・Mの上
に「表面仕上げ付加膜層」5〜7または5′〜7′を形
成して、所望の化粧材を製作する。 [VI] 液体が滲み込まない材料であって、少なくとも
裏面が平滑面として構成された透明な材料を基体部材に
用いる場合における顔料塗料を用いた化粧材の製作につ
いて。 一方、ガラス材や透明なプラスチック材のように、液体
が滲み込まない材料であって、少なくとも裏面が平滑面
として構成された透明な要平滑面対策基体部材31に天
然木目模様Mを施す場合には、透明な要平滑面対策基体
部材31の裏面(平滑面)31a上に「透明下地用基本
構成層」(「基本構成層」2〜4・Mに相当する構成
層)を形成し、透明な要平滑面対策基体部材31の表面
側からプラスチック材・ガラス材を介して、天然木目模
様Mを透かし見ることになる。
【0109】そのため、透明な要平滑面対策基体部材を
基準として見たときの「透明下地用基本構成層」の層配
置は、第1実施例における「基本構成層」2〜4・Mの
層配置と逆の配置となる。また、「透明下地用基本構成
層」に組み合わせる化粧材の裏面仕上げ(第1実施例に
対する表面仕上げに対応する)は、ポリウレタンを用い
た鏡面仕上げ法となるが、このときの裏面仕上げ層の層
構成も第1実施例におけるポリウレタン表面仕上げ法の
場合の層構成と逆になる。
【0110】図5に示すのは、この透明な要平滑面対策
基体部材31の裏面上に「透明下地用基本構成層」を形
成する場合の実施例であり、本発明の第6実施例であ
る。図5において、31はガラス材や透明なプラスチッ
ク材で構成された透明な要平滑面対策基体部材31であ
り、32はこの要平滑面対策基体部材31の裏面31a
上に形成された「付着性向上下地処理層」(「付着性向
上密着層」ともいう)である。
【0111】この「付着性向上密着層」32に使用され
る塗料は、例えば第5実施例(図4)の「付着性向上下
地処理層」22で用いられた塗料と同じ性質を持つ下記
の塗料が選択され、例えば吹き付け法をもって1回〜2
回塗りの塗布により形成されることになる[ステップS
31]。
【0112】この「付着性向上密着層」32の付着性能
(耐剥離性)は、特別に優れているというものではない
が、塗膜層の形成される個所が外力により傷付けられな
いプラスチック材・ガラス材の裏面個所であるので問題
にはならない。なお、透明な要平滑面対策基体部材31
の裏面を摺って粗面としたときには、当然のことながら
塗膜層の付着性が向上するので、このような場合には
「付着性向上密着層」32を特に形成する必要はなくな
る。 ユニオンペイント (株) 製品番号38 - 67 製品名 ミッチャク剤 (成分名および成分量については前掲したので省略す
る)
【0113】33はこの「付着性向上密着層」32上
(実際には下側面上)に形成されたポリウレタンサンジ
ングシーラ層であり、例えば下記の第1例または第2例
のような組成を持つ塗料を、例えば下記に示すようなラ
ッカーシンナーにより塗り易い程度に希釈し、例えば吹
付け法により1回塗りまたは数回塗りにより形成される
ことになる。この場合、その塗布回数(膜厚)は、目的
とする化粧材の仕上げ面に対するユーザーの要望ないし
好みに応じて決定される[ステップS32]。 [塗料の第1例] ロックペイント (株) 製品番号028 - 0182 製品名 ロックラッカー サンジングシーラ 規格 JIS A 5534 成分名 成分量(重量%) 顔料分 5% 硝化綿、樹脂および可塑剤 22% エステル系溶剤 18% 芳香族炭化水素系溶剤 37% アルコール系溶剤 18% [塗料の第2例] ユニオンペイント (株) 製品番号14 - 02 製品名 ポリウレタンサンジングシーラ (成分名および成分量については前掲したので省略す
る)
【0114】[ラッカーシンナーの第1例] ロックペイント (株) 製 製品番号016 -0123 製品名 ラッカーシンナー 規格 JIS K 5538 (成分名および成分量については前掲したので省略す
る) [ラッカーシンナーの第2例] 関西ペイント (株) 製 製品番号セルバ151 製品名 ラッカーシンナー (成分名および成分量については前掲したので省略す
る) このポリウレタンサンジングシーラ層33は、比較的柔
らかく且つ脆いという性質を有する無色透明な塗膜層と
して形成されるので、ペーパー掛け作業が容易になると
いう効果を奏する。このポリウレタンサンジングシーラ
層33が形成された後は、その塗膜層33上に、例えば
サンドペーパー240番を用いたペーパー掛け作業を実
施して、所定のペーパー粗面33aを形成するようにす
る[ステップS33]。
【0115】34はこのポリウレタンサンジングシーラ
層33のペーパー粗面33a上に形成された木目入れ塗
膜層である。この場合、木目入れ塗膜層34は、例えば
前述の「基本構成層」2〜4・Mで形成された木目入れ
塗膜層4の場合と同じ組成を持つ塗料とラッカーシンナ
ーを用い、且つ、前述の木目入れ塗膜層4のときと同様
の塗布方法をもって形成される。
【0116】すなわち、木目入れ塗膜層34は、天然木
目模様Mの色調を実現するための「複合顔料」と付着剤
(糊)の役割を果す「水性(AS)シーラ」とで調合さ
れた塗料を、前述のペーパー粗面33a上にまんべんな
く塗布するという方法で形成されることになるので、そ
の詳細な説明は省略する[ステップS34]。そして、
この木目入れ塗膜層34が乾かないうちに、「基本構成
層」2〜4・Mにおける場合と同様の木目模様入れ作業
を行って天然木目模様Mを形成することになる[ステッ
プS35]。
【0117】35は目的とする天然木目模様Mの種類
(チーク調、ウォールナット調、ローズウツド調)に応
じた色彩を出すためのポリウレタンサーフェイサー層
(基本色調塗膜層)であり、第1実施例におけるポリウ
レタンサーフェイサー層2の場合と同様に、天然木目模
様Mの色彩に応じて調合された塗料を、例えば吹付け法
をもって天然木目模様Mが形成済みの木目入れ塗膜層3
4上に数回塗り(例えば2回塗り)で形成されることに
なる[ステップS36]。
【0118】すなわち、塗料は、前掲したA液群の中か
ら天然木目模様Mの種類に応じて選択した複数のA液を
もって主剤液を調合し、これに前掲した調色液群の中か
ら選択した調色液を配合して天然木目模様Mの種類に応
じた基本色調混合液(複数のA液+調色液)を調合し、
この混合液に基本色調混合液との配合比4:1で前掲の
B液(硬化剤の一種)を加えて調合するが、説明の重複
を避けるために詳細説明は省略する。なお、いずれの天
然木目模様Mを実現する場合にも、B液は、基体部材の
材質やそのときの温度等に応じて、例えばウレタンシン
ナーのような適宜の希釈液を必要量(例えば10%)だけ
加えて希釈する。
【0119】[A液(その1)] ユニオンペイント (株) 製品番号23 - 77 製品名 ポリウレタンサーフェイサー白色 (成分名および成分量については前掲したので省略す
る) 〜 [A液(その3)] ユニオンペイント (株) 製品番号23 - 71 製品名 ポリウレタンサーフェイサー黒色 (成分名および成分量については前掲したので省略す
る)
【0120】[調色液(その1)] ユニオンペイント (株) 製品番号55 - 01 製品名 ロマンステイン黒色 (成分名および成分量については前掲したので省略す
る) 〜 [調色液(その7)] ユニオンペイント (株) 製品番号55 - 10 製品名 ロマンステイン ダークブラウン (成分名および成分量については前掲したので省略す
る)
【0121】[B液] ユニオンペイント (株) 製品番号23 - 702 製品名 ウレタンサーフェサー (成分名および成分量については前掲したので省略す
る)
【0122】このように、[ステップS31]〜[ステ
ップS36]の工程で形成された「付着性向上密着層」
32と、ポリウレタンサンジングシーラ層33と、木目
入れ塗膜層34、木目入れ塗膜層34上に形成された天
然木目模様Mと、ポリウレタンサーフェイサー層35と
により、顔料塗料を用いた場合の「透明下地用基本構成
層」が構成されることになる。そして、この第6実施例
における化粧材の裏面仕上げ層の層構成は、前述したよ
うに、第1実施例に対する第6実施例のポリウレタン表
面仕上げ法の場合の層構成と逆になる。
【0123】このような工程を経て、塗膜が硬く且つ水
分に対して強い「化粧材の裏面仕上げ層」(「ポリウレ
タンによる裏面仕上げ付加膜層」)が形成されることに
なるが、この第6実施例の化粧材は、所望の天然木目模
様Mをガラス材や透明なプラスチック材の表面側からガ
ラス材やプラスチック材を通して見ることになるため、
豪華で高価な外観を呈する化粧材となり、例えば高級家
具類に使用する化粧材の表面仕上げに適することにな
る。
【0124】[VII] 油性塗料(オイルペイント)を
用いる場合について。 ところで、建造物の外壁等に用いられる化粧材のうち、
例えばモルタル材・セメント材・ボード・木造建築用の
木材等の非金属材を基体部材(下地材料)1に用いた外
装用化粧材、並びに、金属を基体部材1に用いた外装用
化粧材は、内装用化粧材のような美麗さをそれ程には求
められる化粧材ではない。
【0125】従って、このような外装用化粧材および美
麗さをそれ程求められない内装用化粧材に対しては、オ
イルペイント油性塗料(以下、「OP塗料仕上げ」と略
称する)を用いた仕上げを施すことが可能になる。以下
に示す第7実施例および第8実施例に係る化粧材に関す
るものである。
【0126】このOP塗料仕上げを施した化粧材は、前
述した「顔料」を基礎においた塗料を用いた化粧材に比
べて、コスト的に有利で且つ作業性が良いという実用性
に富んだ特徴があり、しかも、水分および熱に対して強
いという利点がある。第7実施例は、モルタル材・セメ
ント材・ボード・木材等の非金属材料を基体部材1に用
いた場合のOP塗料仕上げに関するものである。
【0127】この7実施例に係る化粧材は、図6に示す
ように、先ず、モルタル材・セメント材・ボード・木造
建築用の木材等のOP用基体部材41の表面41a上
に、第1層であるアルカリシーラ層42を形成する。こ
のアルカリシーラ層42は、下記の組成を持つ所定の塗
料(アルカリシーラ)を用い且つ、例えば吹き付け法に
よる数回塗り(好ましくは1回塗り)の塗膜層として形
成されることになる[ステップS41]。
【0128】[アルカリシーラ] ロックペイント (株) 製品番号033 - 0150 製品名 クリヤーシーラー溶剤型 規格 JIS A 6910 複合仕上塗材(下塗材) 成 分 成分量(重量%) 塩素系合成樹脂 15% 特殊合成樹脂 5% 芳香族炭化水素系溶剤 80%
【0129】次に、アルカリシーラ層42上にポリウレ
タンサーフェイサー層43を形成する。このポリウレタ
ンサーフェイサー層43は、例えば第6実施例における
ポリウレタンサーフェイサー層35の場合と同じ塗料を
用い且つ同様な塗装法をもって形成されることになる。
すなわち、目的とする天然木目模様Mの種類(チーク
調、ウォールナット調、ローズウツド調)および色彩に
応じて調合された塗料を、例えば吹付け法をもってアル
カリシーラ層42上に数回塗り(好ましくは2回塗り)
して形成される。なお、使用する塗料については前掲し
てあるので省略する[ステップS42]。
【0130】このポリウレタンサーフェイサー層43が
形成された後は、その塗膜層43上に例えばサンドペー
パー180番を用いたペーパー掛け作業を実施して、所
定のペーパー粗面43aを形成する[ステップS4
3]。そして、ポリウレタンサーフェイサー層43上に
所定のペーパー粗面43aが形成された後は、合成オイ
ルペイトから成るOP塗料仕上げ用の所定塗料を、例え
ば適宜の刷毛塗り作業または機械塗り作業により、ペー
パー粗面43形成後のポリウレタンサーフェイサー層4
3上にまんべんなく塗布してOP木目入れ塗膜層44を
形成する[ステップS44]。
【0131】この場合、OP木目入れ塗膜層44を形成
する塗料は、前述したように天然木目模様Mの種類(チ
ーク調、ウォールナット調、ローズウツド調)および色
彩に応じて、例えば黒色、赤色、黄色の各合成オイルペ
イントを下表のような割合で調合し、これを適宜の塗料
用シンナーにて薄めることにより形成するのが好まし
い。なお、下表中の色番号は日本塗料工業会の色見本番
号に基づく。
【0132】
【表3】 この場合、合成ペイントとしては、各色に応じて下記の
ものを使用するのが好ましいが、塗料メーカーの如何は
問わない。 ロックペイント (株) 製品番号059 - 0506 製品名 ロックコート 黒色 規格 JIS K 5516 1種 成 分 成分量(重量%) 顔 料 分 33% 長油性フタル酸樹脂 36% 脂肪族炭化水素系溶剤 27% 乾燥剤および添加剤 4%
【0133】 ロックペイント (株) 製品番号059 - 0515 製品名 ロックコート 赤錆色(オキサイドレッド) 規格 JIS K 5516 1種 成 分 成分量(重量%) 顔 料 分 37% 長油性フタル酸樹脂 35% 脂肪族炭化水素系溶剤 24% 乾燥剤および添加剤 4%
【0134】 ロックペイント (株) 製品番号059 - 0516 製品名 ロックコート 赤鮮色(レッド) 規格 JIS K 5516 1種 成 分 成分量(重量%) 顔 料 分 32% 長油性フタル酸樹脂 35% 脂肪族炭化水素系溶剤 27% 乾燥剤および添加剤 6%
【0135】 ロックペイント (株) 製品番号059 - 0509 製品名 ロックコート 黄色 規格 JIS K 5516 1種 成 分 成分量(重量%) 顔 料 分 35% 長油性フタル酸樹脂 35% 脂肪族炭化水素系溶剤 26% 乾燥剤および添加剤 4%
【0136】このようにしてOP木目入れ塗膜層44を
形成した後は、この塗膜層44の合成オイルペイトの膜
層が乾かない内に、それ自体公知構成の木目入れ部材、
例えば適宜の木目入れ刷毛部材や上述したハンドパッド
等を用いて、OP木目入れ塗膜層44の表面に所望の天
然木目模様M′を形成する[ステップS45]。
【0137】この場合、例えば木目入れ刷毛部材やハン
ドパッド等を手作業または適宜の機械作業を利用して天
然木目模様M′の木目方向に(OP用基体部材41が木
材の場合にはその木目に合わせて)擦るような作業を行
ってOP木目入れ作業を実施する。なお、その木目入れ
作業の内容および要領は、例えば前述した第1実施例の
顔料塗料を用いての木目入れ作業(「基本構成層」2〜
4・Mにおける場合と同様の方法ないし手段を用いた作
業に準じて行うことも可能である。
【0138】OP木目入れ作業が終了した後は、適宜の
油性透明塗料(例えばウレタンワニス)を用いた、例え
ば数回塗り(好ましくは2回塗り)の作業により、木目
入れ済みのOP木目入れ塗膜層44上に最上層45を形
成する[ステップS46]。このような過程を経て、非
金属材料を基体部材41に用いた場合における油性塗料
用基本構成層が形成され、また、この第7実施例により
非金属材料を基体部材上に油性塗料用基本構成層を施し
た化粧材が製作されることになる。
【0139】次に説明するのは、金属材料を基体部材4
1′に用いた場合におけるOP塗料仕上げを施した第8
実施例である。この第8実施例に係る化粧材は、図6の
括弧内符号で示すように、第7実施例の第1層であるア
ルカリシーラ層42の代りに密着剤層42′を形成する
ことを特徴とする。すなわち、金属材料から成るOP用
基体部材41′の表面41a′上に、下記の塗料を用い
且つ、例えば吹き付け法による1回〜2回塗りの下地密
着層として形成されることになる[ステップS4
1′]。 ユニオンペイント (株) 製品番号38 - 67 製品名 ミッチャク剤 (成分名および成分量については前掲したので省略す
る)
【0140】そして、この密着剤層42′の表面上に、
第7実施例の場合のポリウレタンサーフェイサー層4
3、ペーパー粗面43a、OP木目入れ塗膜層44に相
当する各塗膜層43′〜44′を形成し、その上にOP
天然木目模様M′を形成すると共に、さらにその上に、
第7実施例の場合の最上層45に相当する最上層45′
を形成して、第8実施例に係るOP塗料仕上げの化粧材
を製作する[ステップS42′〜S46′]。
【0141】この場合、密着剤層42′を除いた第8実
施例の各塗膜層43′〜45′の構成および形成方法、
並びに、ペーパー粗面43a′およびOP天然木目模様
M′の構成および形成方法は、第7実施例の場合の各層
43〜45並びにペーパー粗面43aおよびOP天然木
目模様M′と同様な構成および形成方法と同じになるの
で、煩雑さを避ける意味でその説明を省略する。
【0142】このような過程を経て、金属材料を基体部
材41に用いた場合における油性塗料用基本構成層が形
成され、また、この第8実施例により金属材料の基体部
材上に油性塗料用基本構成層を施した化粧材が製作され
ることになる。なお、第7実施例および第8実施例に係
る化粧材の色彩は、前述した色彩に限定されることなく
好みに応じて調合することが可能である。このように化
粧材の色彩を変えるときには、下記の塗料を用いること
が好ましい。
【0143】 ロックペイント (株) 製品番号059 - 0544 製品名 ロックコート 内外部用白色 規格 JIS K 5516 2種上塗り用 成 分 成分量(重量%) 顔 料 分 38% 長油性フタル酸樹脂 33% 脂肪族炭化水素系溶剤 25% 乾燥剤および添加剤 4% また、OP天然木目模様M′も、使用する刷毛部材の毛
自体の柔らかさや強靭さおよび毛並みの程度を種々に設
定することにより変えることが可能であることを付記す
る。 [XII] カシュー(漆)塗料を用いる場合について。
【0144】本発明の第9実施例は、カシュー塗料を用
いた場合の実施例であり、家具、神社仏閣のような特殊
な建物の内外壁、床柱等のように、高価なもの、高級感
溢れるもの、見栄えを良くしたいものに用いて好適な化
粧材を製作する場合の実施例である。
【0145】このカシューには、自然乾燥用と焼き付け
用の2種類があるが、いずれも、 (イ)塗膜が非常に強靭であり、美麗にしてしかも弾力
性に富んでいる。 (ロ)光沢が素晴らしく優美で、他種エナメルの追随を
許さない。 (ハ)密着力が強く、耐水性、耐熱性、耐油性、耐溶剤
性および電気絶縁性にも富んでいる。 (ニ)自然乾燥にても焼き付けに劣らない堅牢塗膜が得
られる。 (ホ)使用法が簡単であり、刷毛塗り、スプレー塗りの
いずれも溶剤を変えるだけで優美な塗膜が得られる。 というような、他の塗料に見られない種々の特徴を持っ
ているものである。
【0146】この第9実施例では、前述した各実施例で
使用された種々の材料を基体部材に用いることができる
が、基体部材として、モルタルやコンクリート等のよう
に表面が平滑面でない材料、「カビ」や「あく」が生じ
るような材料、経年変化により変色を生じる虞れのある
材料等を用いるときには、基体部材上にそれぞれ必要な
下地密着層を形成してから、その上に本来の「カシュー
用基本構成層」を形成することになる。
【0147】先ず、図7に基づいて、第9実施例の化粧
材に係る「カシュー用基本構成層」の構成について説明
する。図7において、51は、例えば表面が平坦面で且
つ「カビ」や「あく」が生じない材料で、しかも、経年
変化により変色を生じないような材料(例えば木材)か
ら構成されたカシュー用基体部材である。「カシュー用
基本構成層」を形成する場合、このカシュー用基体部材
51の表面上に、所定のカシュー塗料を用い且つ所定回
数塗り(好ましくは2回塗り)をもってカシューサーフ
ェイサー層52を形成するが、カシュー塗料としては、
下記の塗料を使用するのが好ましい[ステップS5
1]。
【0148】 カシュー (株) 製品番号 T011 - 66 - 7801 製品名 カシューサーフェイサー(自然乾燥) 成分名 成分量(重量%) カシュー樹脂 12.5% 着 色 顔 料 6.5% 体 質 顔 料 62.9% 添 加 剤 0.2% 溶 剤 17.9%
【0149】そして、自然乾燥後に、カシューサーフェ
イサー層52の表面を、例えば240番のサンドペーパ
ーを用いて粗すことにより、所定のペーパー粗面52a
を形成する[ステップS52]。その後、このペーパー
粗面52aを形成済みのカシューサーフェイサー層52
の表面上に、例えば第1実施例に示した顔料塗料を用い
て木目入れ塗膜層53を形成する。なお、このときの顔
料塗料および形成方法は、前述した第1実施例の場合と
同じであるので、その詳細な説明は省略する[ステップ
S53]。
【0150】そして、この木目入れ塗膜層53の表面
に、例えば第1実施例の場合における木目入れ作業と同
様の作業を行って所望の天然木目模様Mを形成する[ス
テップS54]。そして、天然木目模様Mを形成した後
の木目入れ塗膜層53の表面上に、下記の組成を持つ塗
料を用い且つ所定回数塗り(好ましくは2回塗り)をも
ってカシュークリヤー層54を形成する[ステップS5
5]。この場合、クリヤー程度または乳白度の違い乃至
種類に応じて、例えば次のように塗料を使い分けるのが
好ましい。
【0151】[ネオクリヤー用] カシュー (株) 製品番号 No.48 製品名 ネオクリヤー(自然乾燥) 成分名 成分量(重量%) カシュー樹脂 69.1% 着 色 顔 料 − 体 質 顔 料 − 添 加 剤 2.9% 溶 剤 28.0% この No.48のカシュー塗料を用いたときには、乳白色に
近い状態の色彩を出すことができる。すなわち、天然木
目模様Mの持つ色彩をそのような状態で見ることができ
る。
【0152】[クリヤー用] カシュー (株) 製品番号 No.51 製品名 クリヤー(自然乾燥) 成分名 成分量(重量%) カシュー樹脂 65.0% 着 色 顔 料 − 体 質 顔 料 − 添 加 剤 2.0% 溶 剤 33.0%
【0153】この No.51のカシュー塗料を用いたときに
は、 No.48のカシュー塗料を用いた場合よりは淡い状態
の色彩を出すことができる。すなわち、天然木目模様M
の持つ色彩を乳白色に近い、例えばグレーやチーク材の
ような状態で見ることができる。
【0154】[淡透明用] カシュー (株) 製品番号 No.52 製品名 淡透明(自然乾燥) 成分名 成分量(重量%) カシュー樹脂 68.7% 着 色 顔 料 − 体 質 顔 料 − 添 加 剤 1.8% 溶 剤 29.5% この No.52のカシュー塗料を用いたときには、グレーや
黄色(チーク材に近い色)の状態の色彩を出すことがで
きる。すなわち、後述する No.53のカシュー塗料を用い
た場合よりは淡い状態の仕上がり色を出すことができ
る。
【0155】[透明用] カシュー (株) 製品番号 No.53 製品名 透 明(自然乾燥) 成分名 成分量(重量%) カシュー樹脂 70.0% 着 色 顔 料 − 体 質 顔 料 − 添 加 剤 3.0% 溶 剤 27.0%
【0156】この No.53のカシュー塗料を用いたときに
は、深みのある(濃い)色彩を出すことができる。次
に、このように形成されたカシュークリヤー層54の表
面上に320 番〜600 番の耐水ペーパーを用いたペーパー
掛け作業を行って、その表面を研ぎ出し面(細かな平坦
面)54aとして形成する[ステップS56]。
【0157】そして、この研ぎ出し面54a上にカシュ
ー上塗り仕上げ層55を形成することになるが、この場
合に用いる塗料としては、例えばカシュークリヤー層5
4で用いられた塗料を使用し、且つ、所定回数塗り(好
ましくは1回塗り)により形成する[ステップS5
7]。
【0158】このようにして形成されたカシューサーフ
ェイサー層52、ペーパー粗面52a、木目入れ塗膜層
53、天然木目模様M、カシュークリヤー層54、研ぎ
出し面54a、上塗り仕上げ層55をもって「カシュー
用基本構成層」が形成されることになる。なお、下地密
着層を必要とする材料をカシュー用基体部材51′とし
て使用する場合には、予め、カシュー用基体部材51′
の表面と「カシュー用基本構成層」の最下塗膜層である
カシューサーフェイサー層52との間に、下記のような
塗料を利用した下地処理を施すようにする。
【0159】この場合の下地処理層(図示なし)は、カ
シュー用基体部材51′にどのような材料を用いるかに
よって異なることになるが、例えば金属材やガラス材等
のように塗料着きの余り良くない平滑面を具えたカシュ
ー用基体部材51′の場合には、カシュー用基体部材5
1′の表面に対するカシューサーフェイサー層52の付
着性を向上させ得るような塗料、例えば ユニオンペイント (株) 製品番号38 - 67 製品名 ミッチャク剤 (成分名および成分量については前掲したので省略す
る) を使用して下地密着層を形成する。
【0160】また、例えばモルタル材やコンクリート材
等のように、「カビ」や「アク」の生じ易い材料や表面
が平滑面でない材料から構成されたカシュー用基体部材
51′の場合には、例えば下記のような組成を持つ「パ
テ」または表面を平坦化し得る性質を有する適宜の塗料
を用いて、カシュー用基体部材51′の表面上に下地処
理層を形成して凹凸を均す(平坦化する)ようにする
[ステップS50]。
【0161】 カシュー (株) 製品番号 T011 - 87 -7706 製品名 下地2号(自然乾燥) 成分名 成分量(重量%) カシュー樹脂 13.6% 着 色 顔 料 0.0% 体 質 顔 料 65.0% 添 加 剤 9.6% 溶 剤 11.8%
【0162】なお、カシュー用基体部材51′の材料に
よっては、この2種類の下地処理層を順次に重畳して形
成することを余儀なくされる場合も考えられるが、この
ような場合における下地処理層の形成順序については、
それぞれの下地処理の目的ないし必要に応じて適宜に決
定するものとする。
【0163】以上、図示実施例について説明したが、本
発明は、これに限定されるものではなく、その要旨を逸
脱しない範囲内で種々に変形実施することが可能であ
る。例えば天然木目模様面が形成された後の表面仕上げ
層(付加膜層)や、基体部材と各基本構成層の第1層と
の間に形成される下地処理層(下地密着層など)につい
ては、図示実施例の層構成に限らず、求める化粧材の必
要度またはユーザーの要望等に応じて適宜の層構成に形
成することができる。
【0164】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、高
級天然木材の持つ美麗で奥床しく且つ柔らかい感じの木
目に酷似する天然木目模様を施した、建築および家具等
に用いる化粧材を、貴重な高級天然木材を一切使用せ
ず、市販品ではない特殊配合の塗料を用いる必要もな
く、従来の塗装工程に利用される塗布装置の殆どをその
まま用いて簡単な工程で製作することが可能で、しか
も、製作コストを著しく低減しながら提供することがで
きる天然木目模様を施した化粧材とその製作方法を提供
することができる。
【0165】さらに、生活空間に露出される環境下で長
期間に亘って使用され、且つ、日光や照明光に曝射され
たときでも、日光や照明光による変色や褪色を防止して
天然木目模様等の美観を損なうことにない化粧材および
その製作方法を実現することをも可能にしている。
【0166】しかも、本発明では、化粧材の基体部材
に、例えばベニヤ合板を含む木質材・モルタル材・セメ
ント材(コンクリート材)・石膏材・ボード材等のよう
に液体が滲み込むような材料や、金属材・プラスチック
材・ガラス材のように液体が滲み込まない材料を使用す
ることができ、また、材料の形態については、板材、角
材、引き板、無空材等に広く適用することができ、さら
に、天然木目模様を形成する対象面については、平面、
曲面、筒面、球面、非球面等を対象にすることができる
という優れた利点を有する。
【0167】また、天然木目模様の模様仕上げには、例
えばチーク模様仕上げ、ローズ模様仕上げ、ウォールナ
ット模様仕上げという数種類の仕上げが可能になり、さ
らに、化粧材の表面の仕上げ方には、例えばクリヤーラ
ッカー表面仕上げ、ポリウレタン表面仕上げ、カシュー
仕上げなど、目的や好みに応じた仕上げも可能になると
いう実用的な利点をも有している。
【0168】また、本発明では、使用する基体部材の違
い、天然木目模様の模様仕上げの違い、表面の仕上げ方
の違いによって多岐・多様に亘る化粧材の製作に際し
て、「基本構成層」なる構成概念を設定し、これに種々
の付加的な層構成を追加するという手法を採用すること
により、工程管理・品質管理・製品管理等を簡単且つ容
易になし、ユーザーの種々の要望ないし好みに対応した
多種少量生産をも可能にするという製作上の優れた効果
をも奏する。
【0169】その結果、例えばローズウッド材の木目を
残した剥ぎ板(0.3mm程度)を適宜の基体部材上に貼
付した従来の内装材または家具材の場合には、3万円〜
10万円/m2 の市販価格であり、目地が揃っていない
普及品でも3万6千円程度になるが、本発明を用いると
きには、基体部材に単価の安いラワンベニヤ(500円
/m2 )を用いた場合でも、塗装コストを含んだ最終価
格が6000円〜7000円/m2 の低価格で外観的お
よび強度的に剥ぎ板使用品と同等のものが得られ、ま
た、シナベニヤ(1000円/m2 )を用いた場合でも
ラワンベニヤとの差額分だけ上積みされるだけで済むこ
とになる。加えて、乱伐に起因する地球規模の自然破壊
も抑制することもできることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の天然木目模様を施した化粧材の第1実
施例に係る塗膜層の構成を模式的に示す斜視図であり、
層構成を分り易く示すために基体部材上に形成された塗
膜層を順次に露出させた状態を表している。
【図2】図1におけるA−A線矢視方向断面の層構成を
示す断面図である。
【図3】本発明の天然木目模様を具えた化粧材の第2実
施例に係る塗膜層の構成を模式的に示す斜視図であり、
層構成を分り易く示すために基体部材上に形成された塗
膜層を順次に露出させた状態を表している。
【図4】本発明の天然木目模様を施した化粧材の第4実
施例および第5実施例(括弧内符号)に係る塗膜層の概
略構成を示す部分断面図である。
【図5】本発明の天然木目模様を施した化粧材の第6実
施例に係る塗膜層の構成を示す部分断面図である。
【図6】本発明の天然木目模様を施した化粧材の第7実
施例および第8実施例(括弧内符号)に係る塗膜層の概
略構成を示す部分断面図である。
【図7】本発明の天然木目模様を施した化粧材の第9実
施例に係る塗膜層(カシュー層)の構成を示す部分断面
図である。
【符号の説明】
1 基体部材 2〜4・M 「基本構成層」 2 ポリウレタンサーフェイサー層 3 ペーパー粗面 4 木目入れ塗膜層 M 天然木目模様 5〜7 クリヤーラッカーによる表面仕上げ付加膜層 5 ウッドシーラ層 6 サンジングシーラ層 7上塗り仕上げ層(最終仕上げ層) 5′ 第1ポリウレタンクリヤー層 6′ ポリウレタンサンジングシーラ層 7′ 第2ポリウレタンクリヤー層 11 防カビ対策基体部材 12 カビ防止下地付加膜層 21 不透明な要平滑面対策基体部材 22 付着性向上下地付加膜層 31 透明な要平滑面対策基体部材 31a 裏面(平滑面) 32 付着性向上密着層 33 ポリウレタンサンジングシーラ層 34 木目入れ塗膜層 35 ポリウレタンサーフェイサー層 41 OP用基体部材 42 アルカリシーラ層 43,43′ ポリウレタンサーフェイサー層 43a,43a′ ペーパー粗面 44,44′ OP木目入れ塗膜層 M′ OP天然木目模様 45,45′ 最上層 42′ 密着剤層 51,51′ カシュー用基体部材 52 カシューサーフェイサー層 52a ペーパー粗面 53 木目入れ塗膜層 54 カシュークリヤー層 54a 研ぎ出し面 55 上塗り仕上げ層

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高級天然木材の持つ木目に酷似する所望
    の天然木目模様、チーク模様、ローズウッド模様、ウォ
    ールナット模様等から成る所望の天然木目模様を施し
    た、建築や家具等に使用される化粧材において、 前記化粧材の基体部分を構成する基体部材と、 少なくとも、黒色、赤色、黄色の顔料の内の2ないし3
    種類の顔料を混合して所望の色彩に調合された複合顔料
    をもって前記基体部材上に形成された木目模様入れ塗膜
    層、および、この木目模様入れ塗膜層の表面上に形成さ
    れ且つ全体として所定方向に向う多数の微細な凹凸擦り
    線として形成された前記所望の天然木目模様とを含むよ
    うに構成された前記化粧材の基本構成層と、 この基本構成層の上に形成された実質的に透明な無色ま
    たは有色の少なくとも1層の塗膜層から成る前記化粧材
    の表面仕上げ層とを、 有しており、且つ前記基本構成層が、 前記所望の天然木目模様に応じ、少なくとも複数種類の
    塗料から成る主剤液と少なくとも1種類の塗料から成る
    調色液とをもって調合された基本色調塗料をもって、前
    記基体部材の表面上に形成された基本色調塗膜層と、 この基本色調塗膜層上に形成された前記木目模様入れ塗
    膜層と、 前記木目模様入れ塗膜層が乾かない内に、ハンドパッド
    等から構成された第1の木目模様入れ部材を用い且つ前
    記木目模様入れ塗膜層上を全体として所定方向に擦るこ
    とにより形成された第1擦り線と、刷毛部材やへちま等
    から構成された第2の木目模様入れ部材を用い且つ前記
    第1擦り線の上を全体として所定方向に擦ることにより
    形成された第2擦り線とで合成された前記多数の微細な
    凹凸擦り線から成る前記所望の天然木目模様とから構成
    されて いることを特徴とする天然木目模様を施した化粧
    材。
  2. 【請求項2】 高級天然木材の持つ木目に酷似する所望
    の天然木目模様、チーク模様、ローズウッド模様、ウォ
    ールナット模様等から成る所望の天然木目模様を施し
    た、建築や家具等に使用される化粧材において、 前記化粧材の基体部分を構成する基体部材と、 少なくとも、黒色、赤色、黄色の顔料の内の2ないし3
    種類の顔料を混合して 所望の色彩に調合された複合顔料
    をもって前記基体部材上に形成された木目模様入れ塗膜
    層、および、この木目模様入れ塗膜層の表面上に形成さ
    れ且つ全体として所定方向に向う多数の微細な凹凸擦り
    線として形成された前記所望の天然木目模様とを含むよ
    うに構成された前記化粧材の基本構成層と、 この基本構成層の上に形成された実質的に透明な無色ま
    たは有色の少なくとも1層の塗膜層から成る前記化粧材
    の表面仕上げ層とを、 有しており、且つ前記化粧材の表面仕上げ層が、 少なくとも前記天然木目模様の色調を保ちながら前記天
    然木目模様を浮き立たせ得る塗料をもって、前記天然木
    目模様を形成済みの木目模様入れ塗膜層の上に形成され
    た実質的に無色透明な塗膜層としての表面仕上げ用第1
    塗膜層と、少なくともこの表面仕上げ用第1塗膜層の表
    面の凹凸をなくすと共に塗布むらを目立たなくさせ得る
    塗料をもって、前記表面仕上げ用第1塗膜層の上に形成
    された実質的に無色透明な塗膜層としての表面仕上げ用
    ラッカー塗膜層と、前記天然木目模様が自然な感じで表
    れるような面として仕上げる得る塗料をもって、前記表
    面仕上げ用ラッカー塗膜層の上に形成された上塗り仕上
    げ塗膜層とを含む表面仕上げ層であって、膜厚が薄く且
    つ塗膜の強度が大きい表面仕上げ層として構成されてい
    ることを特徴とする 天然木目模様を施した化粧材。
  3. 【請求項3】 前記化粧材の表面仕上げ層が、化粧材の
    表面を鏡面に仕上げ得る塗料をもって形成された実質的
    に無色透明な塗膜層としての表面仕上げ用第1ポリウレ
    タン塗膜層と、この表面仕上げ用第1ポリウレタン塗膜
    層上に形成された実質的に無色透明な塗膜層としての表
    面仕上げ用中塗り塗膜層と、この表面仕上げ用中塗り塗
    膜層の上に形成された上塗り仕上げ塗膜層としての表面
    仕上げ用第2ポリウレタン塗膜層とを含む表面仕上げ層
    であって、塗膜が硬く且つ水分に対して強い表面仕上げ
    層として構成されていることを特徴とする請求項2に記
    載の天然木目模様を施した化粧材。
  4. 【請求項4】 前記基体部材が、ベニヤ合板を含む木質
    材・モルタル材・セメント材(コンクリート材)・石膏
    材・ボード材等のように液体が滲み込むような材料や、
    金属材・透明および非透明のプラスチック材・ガラス材
    のように液体が滲み込まない材料によって構成されてい
    ることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載
    の天然木目模様を施した化粧材。
  5. 【請求項5】 前記基体部材の表面と前記基本構成層の
    基本色調塗膜層との間に、必要に応じて下地処理層を設
    けて成ることを特徴とする請求項1ないしのいずれか
    に記載の天然木目模様を施した化粧材。
  6. 【請求項6】 前記基体部材が液体の滲み込まない不透
    明な材料で且つその表面が平滑な材料から成る不透明な
    要平滑面対策基体部材である場合、前記下地処理層が、
    前記基本構成層の基本色調塗膜層の前記不透明な要平滑
    面対策基体部材の表面に対する付着性を高め得る塗料を
    もって形成された付着性向上下地処理層であることを特
    徴とする請求項に記載の天然木目模様を施した建築や
    家具等に使用される化粧材。
  7. 【請求項7】 高級天然木材の持つ木目に酷似する所望
    の天然木目模様、チーク模様、ローズウッド模様、ウォ
    ールナット模様等から成る所望の天然木目模様を施し
    た、建築や家具等に使用される化粧材において、 液体が滲み込まない透明な材料で且つ少なくともその裏
    面が平滑面として構成された材料から成る透明な要平滑
    面対策基体部材と、 前記透明な要平滑面対策基体部材の裏面に対するひび割
    れ防止用塗膜層の付着性を高め得る塗料をもって、前記
    透明な要平滑面対策基体部材の裏面上に形成された付着
    性向上下地処理層と、少なくとも経時変化による「ひび
    割れ」を生じさせない性質の塗料をもって、この付着性
    向上下地処理層の下側面上に形成された実質的に無色透
    明な前記ひび割れ防止用塗膜層と、少なくとも、黒色、
    赤色、黄色の顔料の内の2ないし3種類の顔料を混合し
    て所望の色彩に調合された複合顔料をもって、前記ひび
    割れ防止用塗膜層の下側面上に形成された木目模様入れ
    塗膜層と、この木目模様入れ塗膜層の下側面上に形成さ
    れ且つ全体として所定方向に向う多数の微細な凹凸擦り
    線として形成された前記所望の天然木目模様と、前記所
    望の天然木目模様に応じ、少なくとも複数種類の塗料か
    ら成る主剤液と少なくとも1種類の塗料から成る調色液
    とをもって調合された基本色調塗料をもって、前記所望
    の天然木目模様が形成された後の木目入れ塗膜層の下側
    面上に形成された基本色調塗膜層とを含むように構成さ
    れた前記化粧材の透明下地用基本構成層と、 前記化粧材の裏面を鏡面に仕上げ得る塗料をもって形成
    された実質的に無色透明な塗膜層として、前記透明下地
    用基本構成層の最下側層である前記基本色調塗膜層の下
    側面上に形成された裏面仕上げ用第1ポリウレタン塗膜
    層と、この裏面仕上げ用第1ポリウレタン塗膜層の下側
    面上に形成された実質的に無色透明な塗膜層としての裏
    面仕上げ用中塗り塗膜層と、この裏面仕上げ用中塗り塗
    膜層の下側面上に形成された仕上げ塗膜層としての裏面
    仕上げ用第2ポリウレタン塗膜層とを含む仕上げ層であ
    って、塗膜が硬く且つ水分に対して強い仕上げ層として
    構成された化粧材の裏面仕上げ層とを、 有していることを特徴とする天然木目模様を施した化粧
    材。
  8. 【請求項8】 高級天然木材の持つ木目に酷似する所望
    の天然木目模様、チーク模様、ローズウッド模様、ウォ
    ールナット模様等から成る所望の天然木目模様を施し
    た、建築や家具等に使用される化粧材において、 モルタル材・セメント材・ボード・木材等の非金属材料
    から成る材料をもって構成された前記化粧材の基体部分
    を成す基体部材と、 この基体部材の表面上に形成された第1塗膜層としての
    アルカリシーラ層と、前記所望の天然木目模様および所
    望の色彩に応じて黒色、赤色、黄色の各塗料を調合して
    得られた所望の塗料をもって、前記アルカリシーラ層の
    表面上に形成された第2塗膜層としてのポリウレタンサ
    ーフェイサー層と、 所望の天然木目模様およびその色彩に応じて黒色、赤
    色、黄色の各油性塗料を調合して得られた所望の油性塗
    料仕上げ用塗料を、刷毛塗りまたは機械塗り等の手段を
    用いて、前記ポリウレタンサーフェイサー層の表面上に
    まんべんなく塗布することにより形成された油性塗料木
    目入れ塗膜層と、この油性塗料木目入れ塗膜層の前記油
    性塗料仕上げ用塗料が乾かない内に、木目入れ刷毛部材
    やハンドパッドのような木目形成用部材を前記所望の天
    然木目模様の木目方向に擦ることにより、前記油性塗料
    木目入れ塗膜層の表面に形成された擦り目群から形成さ
    れた前記所望の天然木目模様と、前記所望の天然木目模
    様が形成された後の前記油性塗料木目入れ塗膜層の表面
    上に油性透明塗料をもって形成された最上層塗膜層とか
    ら構成された前記化粧材の油性塗料用基本構成層とを、 有していることを特徴とする天然木目模様を施した化粧
    材。
  9. 【請求項9】 高級天然木材の持つ木目に酷似する所望
    の天然木目模様、チーク模様、ローズウッド模様、ウォ
    ールナット模様等から成る所望の天然木目模様を施した
    建築や家具等に使用される化粧材において、 金属材料から成る材料をもって構成された前記化粧材の
    基体部分を成す基体部材と、 金属材料の表面に対する塗料の付着性を向上させるため
    に、第1塗膜層として前記基体部材の表面上に形成され
    た下地処理層と、前記所望の天然木目模様および所望の
    色彩に応じ黒色、赤色、黄色の各塗料を調合して得られ
    た所望の塗料をもって、前記下地処理層の表面上に形成
    された第2塗膜層としてのポリウレタンサーフェイサー
    層と、所望の天然木目模様およびその色彩に応じて黒
    色、赤色、黄色の各油性塗料を調合して得られた所望の
    油性塗料仕上げ用塗料を、刷毛塗りまたは機械塗り等の
    手段を用いて、前記ポリウレタンサーフェイサー層の表
    面上にまんべんなく塗布することにより形成された油性
    塗料木目入れ塗膜層と、この油性塗料木目入れ塗膜層の
    前記油性塗料仕上げ用塗料が乾かない内に、木目入れ刷
    毛部材やハンドパッドのような木目形成用部材を前記所
    望の天然木目模様の木目方向に擦ることにより、前記油
    性塗料木目入れ塗膜層の表面に形成された擦り目群から
    形成された前記所望の天然木目模様と、前記所望の天然
    木目模様が形成された後の前記油性塗料木目入れ塗膜層
    の表面上に油性透明塗料をもって形成された最上層塗膜
    層とから構成された前記化粧材の油性塗料用基本構成層
    とを、有していることを特徴とする天然木目模様を施し
    た化粧材。
  10. 【請求項10】 高級天然木材の持つ木目に酷似する所
    望の天然木目模様、チーク模様、ローズウッド模様、ウ
    ォールナット模様等から成る所望の天然木目模様を施し
    た、建築や家具等に使用される化粧材において、 前記化粧材の基体部分を構成するカシュー用基体部材
    と、 このカシュー用基体部材の表面上に、自然乾燥用カシュ
    ー塗料または焼き付け用カシュー塗料をもって形成され
    たカシューサーフェイサー層と、少なくとも、黒色、赤
    色、黄色の顔料の内の2ないし3種類の顔料を混合して
    所望の色彩に調合された複合顔料をもって、前記カシュ
    ーサーフェイサー層の表面上に形成された木目模様入れ
    塗膜層と、この木目模様入れ塗膜層の表面上に形成され
    且つ全体として所定方向に向う多数の微細な凹凸擦り線
    として形成された前記所望の天然木目模様と、前記所望
    の天然木目模様が形成された後の前記木目模様入れ塗膜
    層の表面上に、所望の透明度または乳白度を表すカシュ
    ー塗料をもって形成されたカシュークリヤー層と、この
    カシュークリヤー層の表面上に、所望の透明度または乳
    白度を表すカシュー塗料をもって形成されたカシュー上
    塗り仕上げ層とから構成された前記化粧材のカシュー用
    基本構成層とを、 有していることを特徴とする天然木目模様を施した化粧
    材。
  11. 【請求項11】 前記カシュー用基体部材が、金属材や
    ガラス材等のように塗料着きの余り良くない平滑面を施
    した材料から構成され、しかも、前記カシュー用基体部
    材の表面と前記カシュー用基本構成層の第1層である前
    記カシューサーフェイサー層との間に、前記カシュー用
    基体部材の表面に対するこのカシューサーフェイサー層
    の付着性を向上せしめ得る塗料から成る下地処理層が形
    成されていることを特徴とする請求項10に記載の天然
    木目模様を施した建築や家具等に使用される化粧材。
  12. 【請求項12】 前記カシュー用基体部材が、モルタル
    材やコンクリート材等のように「カビ」や「アク」の生
    じ易い材料から構成され、しかも、前記カシュー用基体
    部材の表面と前記カシュー用基本構成層の第1層である
    前記カシューサーフェイサー層との間に、前記カシュー
    用基体部材の表面を平坦化し得る性質を有するパテまた
    は塗料から成る下地処理層が形成されていることを特徴
    とする請求項10に記載の天然木目模様を施した建築や
    家具等に使用される化粧材。
  13. 【請求項13】 高級天然木材の持つ木目に酷似する所
    望の天然木目模様、チーク模様、ローズウッド模様、ウ
    ォールナット模様等から成る所望の天然木目模様を施し
    た化粧材の製作方法において、 先ず、前記所望の天然木目模様に応じ、少なくとも複数
    種類の塗料から成る主剤液と少なくとも1種類の塗料か
    ら成る調色液とをもって調合された基本色調塗料を、前
    記化粧材の基体部分を構成する基体部材の表面上に数回
    塗りして基本色調塗膜層を形成する作業を行うと共に、
    この基本色調塗膜層上に所定のメッシュを有するサンド
    ペーパを用いたペーパ掛け作業を実施して粗面を形成
    し、 次に、少なくとも、黒色、赤色、黄色の顔料の内の2な
    いし3種類の顔料を混合して所望の色彩に調合された複
    合顔料を形成し、この複合顔料を前記基本色調塗膜層の
    粗面上にまんべんなく塗布する作業を行って木目模様入
    れ塗料層を形成し、 次に、この木目模様入れ塗料層が乾かないうちに、ハン
    ドパッドを用いてこの木目模様入れ塗料層上を所定方向
    に擦って第1擦り線を形成し、さらに、刷毛を用いてこ
    の第1擦り線上を所定方向に擦って第2擦り線を形成す
    るという作業を行って、この2種類の擦り線により全体
    として所定方向に向う多数の微細な凹凸擦り線を形成
    し、その後、例えば常温で所定時間の乾燥作業を行って
    所望の天然木目模様を形成するという諸作業をもって前
    記化粧材の基本構成層を形成し、 その後、実質的に透明な無色または有色の少なくとも1
    層の塗料をこの基本構成層上に塗布する作業を行って前
    記化粧材の表面仕上げ層を形成する、 ようになしたことを特徴とする天然木目模様を施した化
    粧材の製作方法。
  14. 【請求項14】 前記化粧材の表面仕上げ層を形成する
    作業が、 前記天然木目模様を形成済みの木目模様入れ塗膜層上
    に、少なくとも前記天然木目模様の色調を保ちながら前
    記天然木目模様を浮き立たせ得る塗料を塗布して、実質
    的に無色透明の表面仕上げ用第1塗膜層を形成する作業
    と、 少なくともこの表面仕上げ用第1塗膜層の表面の凹凸を
    なくすと共に塗布むらを目立たなくさせ得る塗料を、こ
    の表面仕上げ用第1塗膜層の表面上に塗布して実質的に
    無色透明の表面仕上げ用ラッカー塗膜層を形成する作業
    と、 前記天然木目模様が自然な感じで表れるような面として
    仕上げる得る塗料を、前記表面仕上げ用ラッカー塗膜層
    上に形成する作業と、 から成ることを特徴とする請求項13に記載の天然木目
    模様を施した建築や家具等に使用される化粧材の製作方
    法。
  15. 【請求項15】 前記化粧材の表面仕上げ層を形成する
    作業が、 前記天然木目模様を形成済みの木目模様入れ塗膜層上に
    前記化粧材の表面を鏡面に仕上げ得る塗料を塗布して、
    実質的に無色透明の表面仕上げ用第1ポリウレタン塗膜
    層を形成する作業と、 この表面仕上げ用第1ポリウレタン塗膜層上に実質的に
    無色透明の表面仕上げ用中塗り塗膜層を形成する作業
    と、 この表面仕上げ用中塗り塗膜層上に上塗り仕上げ塗膜層
    としての表面仕上げ用第2ポリウレタン塗膜層を形成す
    る作業と、 から成ることを特徴とする請求項13に記載の天然木目
    模様を施した化粧材の製作方法。
  16. 【請求項16】 高級天然木材の持つ木目に酷似する所
    望の天然木目模様、チーク模様、ローズウッド模様、ウ
    ォールナット模様等から成る所望の天然木目模様を施し
    た、建築や家具等に使用される化粧材の製作方法におい
    て、 先ず、液体が滲み込まない透明な材料で且つ少なくとも
    その裏面が平滑面として構成された材料から成る透明な
    要平滑面対策基体部材の裏面に対するひび割れ防止用塗
    膜層の付着性を高め得る塗料を、前記透明な要平滑面対
    策基体部材の裏面上に塗布する作業を行って付着性向上
    下地処理層を形成する、 次に、少なくとも経時変化による「ひび割れ」を生じさ
    せない性質の塗料を、この付着性向上下地処理層の下側
    面上に塗布する作業を行って実質的に無色透明のひび割
    れ防止用塗膜層を形成する、 次に、少なくとも、黒色、赤色、黄色の顔料の内の2な
    いし3種類の顔料を混合して所望の色彩に調合された複
    合顔料を、このひび割れ防止用塗膜層の下側面上に塗布
    する作業を行って木目模様入れ塗膜層を形成する、 次に、この木目模様入れ塗料層が乾かないうちに、ハン
    ドパッドを用いてこの木目模様入れ塗料層の下側面を
    所定方向に擦って第1擦り線を形成し、さらに、刷毛
    を用いてこの第1擦り線の下側面を所定方向に擦って第
    2擦り線を形成するという作業を行って、この2種類の
    擦り線により全体として所定方向に向う多数の微細な凹
    凸擦り線を形成し、その後、例えば常温で所定時間の乾
    燥作業を行って所望の天然木目模様を形成する、 次に、前記所望の天然木目模様に応じ、少なくとも複数
    種類の塗料から成る主剤液と少なくとも1種類の塗料か
    ら成る調色液とをもって調合された基本色調塗料を、前
    記所望の天然木目模様が形成された後の前記木目模様入
    れ塗膜層の下側面上に塗布するという作業を行って基本
    色調塗膜層を形成するという諸作業をもって前記化粧材
    の透明下地用基本構成層を形成する、 その後、前記化粧材の裏面を鏡面に仕上げ得る塗料を前
    記透明下地用基本構成層の最下側層である前記基本色調
    塗膜層の下側面上に塗布する作業を行って、実質的に無
    色透明の裏面仕上げ用第1ポリウレタン塗膜層を形成
    し、 次に、この裏面仕上げ用第1ポリウレタン塗膜層の下側
    面上に実質的に無色透明の裏面仕上げ用中塗り塗膜層を
    形成すると共に、この裏面仕上げ用中塗り塗膜層の下側
    面上に上塗り仕上げ塗膜層としての裏面仕上げ用第2ポ
    リウレタン塗膜層を形成する作業を行って前記化粧材の
    表面仕上げ層を形成する、 ようになしたことを特徴とする天然木目模様を施した化
    粧材の製作方法。
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