JP7258387B1 - 木目模様形成用組成物、およびそれを用いた木目模様を有する塗膜の作製方法 - Google Patents

木目模様形成用組成物、およびそれを用いた木目模様を有する塗膜の作製方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7258387B1
JP7258387B1 JP2022162818A JP2022162818A JP7258387B1 JP 7258387 B1 JP7258387 B1 JP 7258387B1 JP 2022162818 A JP2022162818 A JP 2022162818A JP 2022162818 A JP2022162818 A JP 2022162818A JP 7258387 B1 JP7258387 B1 JP 7258387B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wood grain
grain pattern
composition
forming
inorganic mineral
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2022162818A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2024055694A (ja
Inventor
久 小川
晃平 堀
Original Assignee
アシュフォードジャパン株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by アシュフォードジャパン株式会社 filed Critical アシュフォードジャパン株式会社
Priority to JP2022162818A priority Critical patent/JP7258387B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7258387B1 publication Critical patent/JP7258387B1/ja
Publication of JP2024055694A publication Critical patent/JP2024055694A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

【課題】 種々の部材に対して様々な木目模様を簡便に形成することのできる、木目模様形成用組成物、およびそれを用いた木目模様を有する塗膜の作製方法を提供すること。【解決手段】 本発明の木目模様形成用組成物は200mPa・秒から5000mPa・秒の粘度を有する水性高分子エマルジョンと、30μmから330μmの平均粒子径を有する無機鉱物粒子とを含有する。本発明においては、基材にこの木目模様形成用組成物を付与して未硬化膜を形成し、未硬化膜にブラシ掛けを行って乾燥させることにより木目模様を有する塗膜を作製することができる。【選択図】 図1

Description

本発明は、木目模様形成用組成物、およびそれを用いた木目模様を有する塗膜の作製方法に関する。
木目模様は木材特有の風合いを醸し出し、利用者に精神的な安定を与えることから、多くの工業生産品に採用されている。特に、建物、乗用車、鉄道車両などの内装材には、高級感を提供する目的でも木目模様(または木目調ということもある)を有する部材が多用されている。
木目模様を有する部材を得るには、例えば、天然木から切り出した板材や柱材がそのまま使用されるか、合板のような木質材料を利用することが考えられる。しかし、これらは木材という森林資源を利用するものであり、過度の森林伐採を通じた環境破壊などの社会的問題に発展することが懸念されている。
一方、合成樹脂や鋼板などの様々な基材に対して木目模様を印刷によって設ける技術も実用化されている。しかし、こうした印刷では得られる木目模様が画一的であり、天然木の部材で得られるような個性が感じられず、チープな印象を与えることも指摘されている。また、こうした印刷は大型の部材には適しておらず、これを実現するためには高額な設備が必要となることもある。
さらに樹脂成形の分野では、押出成形技術や転写技術を利用して樹脂成形体に木目模様を付すことも行われている。しかし、この技術が提供できるのは、押出成形体のような限られた成形体のみである。
このように、各種部材に木目模様を設ける潜在的なニーズがあったとしても、それを実現できる技術はまだ十分に確立されておらず、さらなる技術開発が所望されている。
本発明は、上記問題の解決を課題とするものであり、その目的とするところは、種々の部材に対して様々な木目模様を簡便に形成することのできる、木目模様形成用組成物、およびそれを用いた木目模様を有する塗膜の作製方法を提供することにある。
本発明は、200mPa・秒から5000mPa・秒の粘度を有する水性高分子エマルジョンと、30μmから330μmの平均粒子径を有する無機鉱物粒子とを含有する、木目形成用組成物である。
1つの実施形態では、上記無機鉱物粒子は有色粒子である。
1つの実施形態では、上記無機鉱物粒子はケイ酸塩を含有する。
1つの実施形態では、上無機鉱物粒子は、雲母、カンラン石、輝石、角閃石、長石および沸石からなる群から選択される少なくとも1種の無機物の粒子である。
1つの実施形態では、上記水性高分子エマルジョンは、アクリル系エマルジョン、アクリル-シリコン系エマルジョン、およびスチレン-アクリル系エマルジョンからなる群から選択される少なくとも1種のエマルジョンである。
本発明はまた、木目模様を有する塗膜の作製方法であって、
基材に上記木目模様形成用組成物を付与して未硬化膜を形成する工程、および
該未硬化膜にブラシ掛けを行って乾燥させる工程、
を含む、方法である。
本発明によれば、平面的または立体的の区別や大きさを問わず、種々の基材に対して木目模様を形成することができる。この木目模様は画一的なものではなく、例えば建築物の壁面や床面のような比較的面積の大きな基材に対しても施工現場で設けることができる。
本発明の木目模様形成用組成物を用いて、基材上に木目模様を有する塗膜を作製する手順を説明するための図である。 (a)は実施例1で使用したスレート基材(スレート材)の表面を表す写真であり、(b)は実施例1で作製した木目模様形成用塗料をスレート基材の表面に付与することにより当該表面に木目模様を形成した状態を表す写真である。 種々の粘度を有する水性高分子エマルジョンを用いて作製した木目形成用塗料をスレート基材の表面に付与することにより木目模様を形成した状態を表す写真である。 種々の粘度を有する水性高分子エマルジョンを用いて作製した木目形成用塗料を、スレート基材の表面に付与することにより木目模様を形成した状態を表す写真である。 種々の平均粒子径を有する着色雲母を用いて作製した木目形成用塗料を、スレート基材の表面に付与することにより木目模様を形成した状態を表す写真である。
以下、本発明について詳述する。
(木目模様形成用組成物)
本発明の木目模様形成用組成物は、水性高分子エマルジョンおよび無機鉱物粒子を含有する。木目模様形成用組成物は全体として好ましくは液状またはコロイド状の形態を有する。
水性高分子エマルジョンは、例えば、塗料、接着剤、粘着剤、住宅建材などに使用される所定の高分子を含有する水系のエマルジョンである。本発明において、水性高分子エマルジョンは、例えば、水および/または当該分野において公知の増粘剤を必要に応じて添加することによりそれ自体の流動性が制御されたものであり、200mPa・秒~5000mPa・秒、好ましくは280mPa・秒~4500mPa・秒、より好ましくは800mPa・秒~3500mPa・秒の粘度を有する。使用する水性高分子エマルジョンの粘度が200mPa・秒を下回ると、無機鉱物粒子との混合により得られる組成物の流動性が高くなり、そのような組成物を基材上に付与させても容易に流動し、所望の木目模様を形成することが困難となることがある。使用する水性高分子エマルジョンの粘度が5000mPa・秒を上回ると、無機鉱物粒子との混合により得られる組成物の流動性が損なわれ、当該組成物を基材に付与する際の作業性が著しく低下し、それにより木目模様の形成(特に細線の形成)が困難となることがある。水性高分子エマルジョンの粘度は、例えば、IKA社製ROTAVISCのような粘度計を用いて当業者によって容易に測定され得る。
水性高分子エマルジョンの例としては、アクリル系エマルジョン、アクリル-シリコン系エマルジョン、スチレン-アクリル系エマルジョン、ウレタン系エマルジョン、エポキシ系エマルジョン、エチレン-酢酸ビニル系エマルジョン、および酢酸ビニル系エマルジョン、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。上記粘度範囲を満たす汎用製品が多数存在し、水および/または増粘剤の添加を通じて粘度を容易に調整することができるという理由から、アクリル系エマルジョン、アクリル-シリコン系エマルジョン、スチレン-アクリル系エマルジョンおよびそれらの組み合わせが好ましい。
上記水性高分子エマルジョンのうち、例えばアクリル系エマルジョンには、樹脂成分として、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル共重合体、メタクリル共重合体等が含有されている。これらの樹脂は、アクリル系モノマーを乳化重合、溶液重合等の公知の方法で重合することにより得られたものである。
上記樹脂成分を構成するアクリル系モノマーとしては、特に限定されないが、例えば、スチレン、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸グリシジル、およびメタクリル酸グリシジル、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。
本発明において、水性高分子エマルジョンは、後述する無機鉱物粒子によって形成される木目模様が視覚的に損なわれることを避けるためにそれ自体好ましくは無色または淡色、より好ましくは無色である。水性高分子エマルジョンは例えばクリア塗料として市販されているものであってもよい。
水性高分子エマルジョンのpHは好ましくは6.5~8.5、より好ましくは7~8である。水性高分子エマルジョンがこのような範囲内のpHを有することにより、付与される基材を侵蝕することなく安全に取り扱うことができる。
本発明において、無機鉱物粒子は、水性高分子エマルジョン内で適度には分散するものの、均一には分散することが困難な無機化合物で構成される粒子である。均一な分散が困難なものであることにより水性高分子エマルジョンの塗膜(硬化膜)中で無機鉱物粒子が微細なドットの集合体となって所定の模様を形成し、塗膜が硬化することにより、その模様が木目の筋のようになって表面に現われるものである。また、無機鉱物粒子はそれ自体の色彩を有する(無着色)の粒子および所望の色彩に着色された着色粒子のいずれであってもよく、好ましくは着色された粒子であり、上記水性高分子エマルジョンと混ざり合って単色を構成することのないよう、使用する水性高分子エマルジョンとは色彩が異なるものを採用することがより好ましい。
1つの実施形態では、このような無機鉱物粒子は例えばケイ酸塩を含有する粒子である。
ケイ酸塩を含有する無機鉱物粒子としては、例えば、雲母、カンラン石、輝石、角閃石、および長石、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。比較的安価に入手することができる等の理由から、雲母、カンラン石、輝石、角閃石、および長石、ならびにそれらの組み合わせが好ましい。さらに、より繊細な木目模様が形成できるとの理由から、ケイ酸塩を含有する無機鉱物粒子としては、雲母がより好ましく、雲母の中でもマスコバイトがさらにより好ましい。
マスコバイトは白雲母とも呼ばれるケイ酸塩鉱物(フィロケイ酸鉱物)の一種に分類される。主に単斜晶系の結晶系を有し、鱗片状フィラーとしても使用されている。
あるいは、1つの実施形態では、このような無機鉱物粒子は例えばケイ酸塩を含有しない粒子である。
ケイ酸塩を含有しない無機鉱物粒子としては、例えば、炭酸カルシウム粒子が挙げられる。炭酸カルシウム粒子は、より繊細な木目模様が形成できるとの理由から50μm~300μmの平均粒子径を有するものが好ましい。炭酸カルシウム粒子は、それ自体の色彩を有する(無着色)の粒子および所望の色彩に着色された着色粒子のいずれであってもよく、好ましくは着色された粒子であり、上記水性高分子エマルジョンと混ざり合って単色を構成することのないよう、使用する水性高分子エマルジョンとは色彩が異なるものを採用することがより好ましい。
無機鉱物粒子は、上記の通り塗膜上で個々が微細なドット柄となるために適度な粒度に整えられていることが好ましい。無機鉱物粒子の平均粒子径は、好ましくは30μm~330μm、より好ましくは100μm~250μmである。無機鉱物粒子の平均粒子径が30μmを下回ると、得られるドット柄が繊細過ぎて塗膜の硬化後の模様にキレがなく鈍調となり、木目らしさが低減することがある。無機鉱物粒子の平均粒子径が330μmを上回ると、得られるドット柄が粗過ぎて塗膜の硬化後の模様がモザイク調になり、木目らしさが低減することがある。
本発明の木目模様形成用組成物に含まれる無機鉱物粒子の含有量は、特に限定されないが、例えば水性高分子エマルジョン100質量部に対して、好ましくは5質量部~30質量部、より好ましくは10質量部~20質量部である。無機鉱物粒子の含有量が5質量部を下回ると、そのような含有量を有する組成物を基材に塗布しても、水性高分子エマルジョンの量に対する無機鉱物粒子の量が少なすぎて塗膜に適切な木目模様が現われないことがある。無機鉱物粒子の含有量が30質量部を上回ると、そのような含有量を有する組成物を基材に塗布しても、水性高分子エマルジョンの量に対する無機鉱物粒子の量が多すぎて塗膜表面に多くの無機鉱物粒子が現われ、全体として木目模様に見えないことがある。
本発明の木目模様形成用組成物は、上記水性高分子エマルジョンおよび無機鉱物粒子は予め混合した状態で製品として製造されて販売されるものであってもよく、水性高分子エマルジョンと無機鉱物粒子とが別々の容器に収容したキットの形態で製造かつ販売され、使用直前に両者を混合して使用するものであってもよい。
本発明の木目模様形成用組成物は、木目模様の形成が所望される種々の基材に対して使用可能である。
(木目模様を有する塗膜の作製方法)
次に、本発明の木目模様を有する塗膜の作製方法を、図面を用いて説明する。
本発明においては、まず図1の(a)に示すように基材100に、上記木目模様形成用組成物が付与される。
基材は、木目模様の形成が所望される部材であり、例えば板状、柱状、円盤状、その他の立体的形状のいずれであってもよい。基材の例としては、コンクリート、セメント、石膏、石材、人工スレート(単にスレートと呼ぶことがある)などのカルシウム系無機質部材;タイル、ブロック、石膏または木質ボード、床材(例えば木製、石材製、合成樹脂製のいずれをも包含する)、ガラス板、合成樹脂板(例えば、ポリエチレン製、ポリプロピレン製、ポリ塩化ビニル製、ポリスチレン製、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂製のいずれをも包含する)、木製または金属製の柱類、門扉、外壁材、内壁材などの建築用の内装材および外装材;自動車、列車、船舶、航空機などの乗物用の内装材および外装材;冷蔵庫、洗濯機、テレビ、電子レンジなどの家庭用電化製品の筐体;滑り台、ジャングルジムなどの遊具;自動車おもちゃ、ミニハウスおもちゃ(例えばドールハウス)などの玩具;が挙げられる。
基材には、シーラーやフィラーなどのプライマー、錆止め剤、その他の当業者に公知の下塗り塗料が予め付与されていてもよい。また、木質感を高めるために、基材に予め付与される下塗り塗料は、例えば、茶色、橙色、黄色、赤色などの色彩を有する塗料、またはそれらの組み合わせから構成されるものであってもよい。あるいは、木目模様を有する石材のような新たな印象の部材として提供するために、例えば、白色、灰色、他の淡色などの色彩を有する塗料、またはそれらの組み合わせから構成されるものであってもよい。
基材100への木目模様形成用組成物の付与は特に限定されないが、例えば、刷毛またはブラシによる塗布が挙げられる。
これにより、基材100上に木目模様形成用組成物の未硬化膜120が形成される。
その後、図1の(b)に示すように、未硬化膜120にブラシ掛けが行われ、好ましくはそのまま乾燥が行われる。
未硬化膜120へのブラシ掛けは、例えばブラシのようなブラッシング手段140を用いて基材100上の未硬化膜120を任意の方向に軽く擦ることにより行われる。ここで、ブラッシング手段140は、未硬化膜120内で無機鉱物粒子が不均一に分散し、木目に一層擬態した模様を容易に形成することができるとの理由から、毛先が不揃いのもの、毛足が硬いもの、および毛足が短いもの、ならびにそれらの組み合わせでなるものであることが好ましい。
このブラシ掛けを通じて、未硬化膜120内の無機鉱物粒子は膜内での不均一な分散状態を保持したまま、ブラシ掛けの方向に沿って互いの間隔や太さが不均一な複数の筋となって配列する。その際、各筋上に無機鉱物粒子の1つずつが微細なドット柄で配置され、当該ドット柄の凝集の程度によって濃淡を形成することにより、全体として木目に擬態した模様(これを本明細書中では「木目模様」という)130が形成される。ただし、未硬化膜120が完全に硬化するまでは、木目模様130を構成する当該無機鉱物粒子の移動を生じることがあるため、ブラシ掛けの後はそのまま未硬化膜120が硬化するまで乾燥が行われる。
なお、仮に未硬化膜120へのブラシ掛け後、納得できる木目模様130が形成されなかった場合は、作業者は未硬化膜120が硬化する前に再度ブラシ掛けを行って、新たに木目模様130を形成するか、あるいは未硬化膜120を一旦拭き取って、拭き取った基材100上に新たな木目模様形成用組成物の未硬化膜120を付与して、再度ブラシ掛けを行ってもよい。
このようにして、基材100上に木目模様を有する塗膜150が形成される(図1の(c))。
その後、塗膜150には、所望の光沢を提供しかつ表面保護の目的で必要に応じて当業者に公知のクリア塗料が付与され、クリアコート層が付与されてもよい。
本発明によれば、基材の大きさに関わらず(例えば、個々のタイル、建築物内の床面全体などの大きさに関わらず)、木目模様を有する塗膜を基材上に簡単に形成することができる。また、このような塗膜の形成のために大型の設備を導入する必要がなく、作業者の手作業で行うことも可能である。
さらに形成される木目模様は画一的なものではないことから、看者にはより自然な木目として認識することができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
なお、以下の実施例および比較例で調製した水性高分子エマルジョンの粘度についてはすべて粘度計(IKA社製ROTAVISC)を用いて測定した。
(実施例1:木目形成用塗料(E1)の作製と、スレート基材への塗布)
アクリル系エマルジョン製品(ヘンケルジャパン株式会社製GD89;粘度400mPa・秒)60質量部と、水40質量部と、25質量部の粘度調整剤(レジノカラー工業株式会社製AQE2588)とを常温で混合することにより、1800mPa・秒の粘度を有する水性高分子エマルジョンを調製し、その後、当該水性高分子エマルジョン100質量部に対して、予め黒色に着色されたマスコバイト(平均粒子径150μm)15質量部とを常温で混合することにより、木目形成用塗料(E1)を作製した。
20cm×20cmの正方形のスレート基材(スレート材)の上面(図2の(a))に、白色のベース塗料(アシュフォードジャパン株式会社製ペイントクリート彩における「主剤」と「しっくい色着色剤」との混合物))を刷毛塗り1回にて塗布し、25℃の室温下で十分乾燥させて塗工面を形成した。次いで、この塗工面上に上記で作製した木目形成用塗料(E1)を刷毛塗り1回にて塗布することにより未硬化膜を作製した。
この未硬化膜が完全に硬化する前に、毛先が不揃いで、毛足が硬くかつ短くなるように調整したブラシを用いてブラシ掛けを一方向に複数回往復させることにより、未硬化膜上のマスコバイトの粒子が不均一に配列して形成される木目模様が出現したことを確認した。その後、この状態のまま未硬化膜を自然乾燥させることにより、スレート基材上に木目模様を有する塗膜を形成した(図2の(b))。
(実施例2~6および比較例1:木目形成用塗料(E2)~(E6)および(C1)の作製と、スレート基材への塗布)
スレート基材に塗布したベース塗料をクリアのベース塗料(アシュフォードジャパン株式会社製ペイントクリート彩における「主剤」のみ)に変更し、かつ実施例1で使用した水性高分子エマルジョンの代わりに、水および粘度調整剤の含有量を変更して以下の表1に示す所定の粘度を有する水性高分子エマルジョンを調製し、当該水性高分子エマルジョン100質量部を、実施例1で使用したマスコバイト15質量部と組み合わせて使用したこと以外は、実施例1と同様にして木目形成用塗料(E2)~(E6)および(C1)を作製した。
Figure 0007258387000002
木目形成用塗料(E1)の代わりに、これら木目形成用塗料(E2)~(E6)および(C1)をそれぞれ用いたこと以外は、実施例1と同様にしてスレート基材上に木目模様を有する塗膜を形成した。結果を図3および図4に示す。
図3および図4に示すように、実施例2~6の木目形成用塗料(E2)~(E6)を塗布したスレート基材では、繊細な線で構成される木目模様が形成されていた。これに対し、比較例1の木目形成用塗料(C1)を塗布したスレート基材では、得られた模様にキレがなく鈍調でありかつ木目らしさが低減したものであった。
(実施例7および8および比較例2:木目形成用塗料(E7)および(E8)、ならびに(C2)の作製と、スレート基材への塗布)
スレート基材に塗布したベース塗料をクリアのベース塗料(アシュフォードジャパン株式会社製ペイントクリート彩における「主剤」のみ)に変更し、かつ実施例1で使用したマスコバイトの代わりに、以下の表2に示す所定の平均粒子径を有する黒色に着色されたマスコバイトをそれぞれ準備し、当該マスコバイト15質量部を実施例1で使用した水性高分子エマルジョン100質量部と組み合わせて使用したこと以外は実施例1と同様にして木目形成用塗料(E7)および(E8)、ならびに(C2)を作製した。
Figure 0007258387000003
木目形成用塗料(E1)の代わりに、これら木目形成用塗料(E7)および(E8)、ならびに(C2)をそれぞれ用いたこと以外は、実施例1と同様にしてスレート基材上に木目模様を有する塗膜を形成した。結果を図5に示す。
図5に示すように、実施例7および8の木目形成用塗料(E7)および(E8)を塗布したスレート基材では、繊細な線で構成される木目模様が形成されていた。これに対し、比較例2の木目形成用塗料(C2)を塗布したスレート基材では、得られた模様はモザイク調でありかつ木目らしさが低減した模様が形成されていた。
本発明の木目模様形成用組成物は、様々な基材に木目模様を有する塗膜を形成することができ、例えば、建築分野、自動車分野、電気分野などの技術分野において有用である。
100 基材
120 未硬化膜
130 木目模様
140 ブラッシング手段
150 木目模様を有する塗膜

Claims (6)

  1. 200mPa・秒から5000mPa・秒の粘度を有する水性高分子エマルジョンと、30μmから330μmの平均粒子径を有する無機鉱物粒子とを含有する木目模様模様形成用組成物であって、該組成物を基材に付与して得られた未硬化膜のブラシ掛けにより該木目模様が形成される、木目模様形成用組成物。
  2. 前記無機鉱物粒子が有色粒子である、請求項1に記載の木目模様形成用組成物。
  3. 前記無機鉱物粒子がケイ酸塩を含有する、請求項1に記載の木目模様形成用組成物。
  4. 前記無機鉱物粒子が、雲母、カンラン石、輝石、角閃石、長石および沸石からなる群から選択される少なくとも1種の無機物の粒子である、請求項1に記載の木目模様形成用組成物。
  5. 前記水性高分子エマルジョンが、アクリル系エマルジョン、アクリル-シリコン系エマルジョン、およびスチレン-アクリル系エマルジョンからなる群から選択される少なくとも1種のエマルジョンである、請求項1に記載の木目模様形成用組成物
  6. 木目模様を有する塗膜の作製方法であって、
    基材に請求項1から5のいずれかに記載の木目模様形成用組成物を付与して未硬化膜を形成する工程、および
    該未硬化膜にブラシ掛けを行って乾燥させる工程、
    を含む、方法。
JP2022162818A 2022-10-07 2022-10-07 木目模様形成用組成物、およびそれを用いた木目模様を有する塗膜の作製方法 Active JP7258387B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022162818A JP7258387B1 (ja) 2022-10-07 2022-10-07 木目模様形成用組成物、およびそれを用いた木目模様を有する塗膜の作製方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022162818A JP7258387B1 (ja) 2022-10-07 2022-10-07 木目模様形成用組成物、およびそれを用いた木目模様を有する塗膜の作製方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP7258387B1 true JP7258387B1 (ja) 2023-04-17
JP2024055694A JP2024055694A (ja) 2024-04-18

Family

ID=85986348

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022162818A Active JP7258387B1 (ja) 2022-10-07 2022-10-07 木目模様形成用組成物、およびそれを用いた木目模様を有する塗膜の作製方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7258387B1 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000005696A (ja) 1998-06-26 2000-01-11 Kikusui Kagaku Kogyo Kk 木目模様の形成方法
JP2001003002A (ja) 1999-06-23 2001-01-09 Yamamoto Yogyo Kako Kk 建築物又は構築物表面装飾用塗装材
JP2008168191A (ja) 2007-01-10 2008-07-24 Yokoi Kogyo Kk 木目模様付き構造材料
JP2013216795A (ja) 2012-04-10 2013-10-24 Aica Kogyo Co Ltd 塗材組成物
JP2018051866A (ja) 2016-09-28 2018-04-05 ケイミュー株式会社 塗膜構成体
JP2019038909A (ja) 2017-08-24 2019-03-14 ベック株式会社 水性被覆材

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5085637A (ja) * 1973-11-30 1975-07-10
JPH085280B2 (ja) * 1993-07-30 1996-01-24 利之 松岡 天然木目模様を施した化粧材およびその製作方法
JPH11253870A (ja) * 1998-03-13 1999-09-21 Acs:Kk 水性グレイニング塗装用ブラシおよび水性グレイニング塗装用ブラシを用いた塗装法
JPH11279460A (ja) * 1998-03-31 1999-10-12 Ashford Japan Kk 水性グレイニング用塗料組成物

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000005696A (ja) 1998-06-26 2000-01-11 Kikusui Kagaku Kogyo Kk 木目模様の形成方法
JP2001003002A (ja) 1999-06-23 2001-01-09 Yamamoto Yogyo Kako Kk 建築物又は構築物表面装飾用塗装材
JP2008168191A (ja) 2007-01-10 2008-07-24 Yokoi Kogyo Kk 木目模様付き構造材料
JP2013216795A (ja) 2012-04-10 2013-10-24 Aica Kogyo Co Ltd 塗材組成物
JP2018051866A (ja) 2016-09-28 2018-04-05 ケイミュー株式会社 塗膜構成体
JP2019038909A (ja) 2017-08-24 2019-03-14 ベック株式会社 水性被覆材

Also Published As

Publication number Publication date
JP2024055694A (ja) 2024-04-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6461648B2 (ja) コンクリート成形用型枠およびその製造方法ならびに木調表面を有するコンクリートの製造方法
KR101700640B1 (ko) 수성 다채 무늬 도료 조성물의 제조방법 및 그 수성 다채 무늬 도료 조성물과 이를 이용한 천연석 입체 무늬 도장방법
JP2015193245A (ja) コンクリート成形用型枠およびその製造方法
JP7265378B2 (ja) 面材
JP7258387B1 (ja) 木目模様形成用組成物、およびそれを用いた木目模様を有する塗膜の作製方法
JP2015110766A (ja) 被覆材
JP2019013863A (ja) 水性多彩模様塗料の仕上げ方法
JP2018048546A (ja) 面材
JP3210672U (ja) 積層体
JP2016124290A (ja) 積層体
KR101579125B1 (ko) 환경친화형 인테리어용 무늬도료 조성물의 제조방법 및 이에 의해 제조된 환경친화형 인테리어용 무늬도료 조성물
CN112010589B (zh) 砂包砂多彩涂料及其制备方法和应用
JPH08151541A (ja) 御影石調模様形成塗料
KR102141733B1 (ko) 비스페놀 a형과 텍사놀 및 침투제가 포함된 표면강화재
JP2007268499A (ja) 模様面の形成方法
WO2015147100A1 (ja) コンクリート成形用型枠およびその製造方法
JP5232834B2 (ja) 模様面の形成方法
JP5374279B2 (ja) 塗装方法
JP2014223792A (ja) 積層体
JP2020121237A (ja) 被膜形成方法
Khedkar et al. Study of separation of pigments in paints for development of multicolor paint
JP3378735B2 (ja) 砂岩調塗膜形成用組成物及びその形成方法
JP5576011B2 (ja) 模様面の形成方法
JP3827222B2 (ja) 自然石調塗装方法
JP4895494B2 (ja) 模様面の形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221014

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221014

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20221014

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221206

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230124

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230328

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230329

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7258387

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350