JPH0852478A - 廃水の処理方法 - Google Patents

廃水の処理方法

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JPH0852478A
JPH0852478A JP6189557A JP18955794A JPH0852478A JP H0852478 A JPH0852478 A JP H0852478A JP 6189557 A JP6189557 A JP 6189557A JP 18955794 A JP18955794 A JP 18955794A JP H0852478 A JPH0852478 A JP H0852478A
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和雄 福永
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秀起 神吉
Sadao Sato
貞雄 佐藤
Masao Akimoto
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は着色廃水や窒素化合物等を含む廃水
の処理方法に関し、海水成分から、酸化反応に必要な酸
化剤と凝集剤とを生成させ有効利用することによって、
廃水を効率よく処理することを目的とする。 【構成】 海水成分含有液を鉱酸によってpH1〜5に
調整して静置した後、この電解液に対し下部電解液を
0.5〜20v/v%量分取してアルカリ剤によりpH
5〜9に中和し、該中和水を廃水1容に対し0.1〜1
容混合して酸化処理し、さらにこの酸化処理液をアルカ
リ剤によってpH9以上に調整し、凝集生成物を分離す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、染色工業における染
料、染色助剤、顔料、窒素化合物等を含む廃水分解の難
しい廃水の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】浮遊物質やCOD、BOD成分を含む廃
水は、一般には凝集沈殿処理、活性汚泥処理、活性炭吸
着処理、酸化処理等を施して処理した後放流されるが、
このうち廃水中に着色物質や窒素化合物等の難分解成分
を含有する場合、このような単独処理によって処理でき
ない場合が多く、処理水中に着色成分が微量残留するこ
とによって著しく目立つことがあるため美観上の点から
好ましくない。また、各種産業より排出される着色廃液
中の着色成分の種類はその排出源によって千差万別であ
り、さらに同一排出源であっても複数の廃水経路から合
流する場合は多種類の着色成分が混在することがあり、
特に化学的安定性の高い着色成分を含有する場合は甚だ
処理が困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の廃水の処理方法
には、次のような問題があった。 (1)多量の酸化剤が必要であるうえ、処理に長時間を
要し、特に懸濁物質や有機性物質が共存すると脱色効果
が低下し易かった。 (2)使用する酸化剤、例えば塩素ガス、さらし粉、次
亜塩素酸ナトリウム、オゾン等は一般に高価であり、単
独で多量に使用する際の処理費用がかなり割り高となっ
ていた。
【0004】(3)一般的に着色廃水中に着色成分以外
の汚濁成分を含んでいることが多く、特に染色廃水と他
工程からの廃水とが混入しているような場合、単独処理
では期待する処理効果が得られず必然的に複数の処理方
式を組み合わせなければならなかった。すなわち、排水
基準を達成させつつ十分な脱色効果を得るためには、処
理方式が非常に複雑となって処理コストが高くなること
が避けられなかった。
【0005】本発明は、以上の問題点を解決できる廃水
の処理方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、廃水の処理方
法における前記課題を解決するために、海水成分含有液
を鉱酸によってpH1〜5に調整し電解処理して静置し
た後、この電解液に対し下部電解液を0.5〜20v/
v%量(体積/体積百分率)を分取してアルカリ剤によ
りpH5〜9に中和し、該中和水を廃水1容に対し0.
1〜1容混合して酸化処理し、さらにこの酸化処理液を
アルカリ剤によってpH9以上に調整し、凝集生成物を
分離する方法を提供する。
【0007】上記本発明の方法において、分取した下部
電解液を、そのままアルカリ剤によりpH5〜9に中和
する以外に、上部電解液を抜き出し新たに海水成分含有
液を混合してから再度電解処理した後、同様にアルカリ
剤によって中和する工程に付してもよい。この場合は、
電解後の経時変化によって消失した次亜塩素酸ナトリウ
ム等の塩素系酸化剤量をある程度復活させ酸化作用を向
上させる効果と、また電解槽に下部電解液を常時蓄積さ
せ、必要量ずつ取り出し後続の工程へ供給することによ
って連続的な処理を可能とするという効果が付加的に奏
せられる。なお上記本発明の方法において、凝集生成物
を分離した処理水のpHが9以上のアルカリ性を呈する
ため、適宜中和剤を添加若しくは他の廃水と混合し、中
性付近に調整することによって放流可能となる。
【0008】以下に本発明の具体化例を図1のフローシ
ートに沿って説明する。工場内の各工程から排出される
廃水11を混合槽3に入れる。一方、海水成分含有液1
2を電解槽1に入れて塩酸等の鉱酸13aを注入してp
H1〜5好ましくはpH3以下に調整して電解処理する
ことによりハロゲン系酸化剤を生成させて静置した後、
この電解液に対し下部電解液を0.5〜20v/v%
量、好ましくは2〜10v/v%、更に好ましくは0.
5〜1v/v%量以下を分取し、中和槽2においてアル
カリ剤14aによりpH5〜9、好ましくはpH6〜8
に中和する。次に前記混合槽3に貯留する廃水11にそ
の1容に対して中和液を0.1〜1容混合して酸化処理
をする。さらにこの酸化処理液をpH調整槽4または分
離槽5に移してアルカリ剤、14bを加え、pH9以
上、好ましくはpH10〜12に調整する。このときア
ルカリ剤14bは、pH調整槽4で加えた場合には分離
槽5では加える必要はなく、pH調整槽4をバイパスし
て分離槽5に酸化処理液を移した場合には分離槽5の段
階で加える(図1中、pH調整槽4をバイパスした場合
を破線で示す)。
【0009】またpH調整時に、水酸化マグネシウムの
フロックが生成し、残存する未反応成分の殆どがこの沈
殿物に吸着されて汚泥16として排出され、処理水15
中からこうした成分が除去される。該フロック生成時に
有機系の高分子凝集剤を添加することにより汚泥の沈殿
を促進して一層の分離効果を得ることができる。分離槽
5でpH調整された処理水が、放出基準を超える高pH
の場合には必要に応じて鉱酸13b、若しくは他工程か
ら排出される酸性の廃水等により中和処理して放出する
ことができる。この場合、鉱酸13bとしては塩酸、硫
酸等が用いられるが、中和時にカルシウム化合物を使用
する場合は、汚泥成分を生成しない塩酸等の鉱酸が好ま
しい。
【0010】また前記海水成分含有液12は、自然海水
のほか市販されている海水成分を含む粉粒物を任意の濃
度に溶解した人工海水を用いてもよい。電解槽1に用い
る電極の材質は、炭素製のもので充分であるが、そのほ
か通常用いられる材料から適宜に選択使用することがで
きる。電解時の電圧は、DC10V前後、電流密度は1
〜2A/dm2 程度、また極間短離は5〜10mm程度
が好ましい。
【0011】
【作用】本発明による廃水の処理方法において、海水中
には20000mg/l程度の塩素イオン(Cl- )を
含む塩類が存在するため電解すると次のとおり反応す
る。
【化1】〔陽極側〕 2Cl- → Cl2 +2e 4OH- → O2 +2H2 O+4e 〔陰極側〕 2H2 O+2e→H2 +2OH- Na+ +OH- →NaOH ここで、陰極側で発生したNaOHは、酸性溶液中で次
のとおり直ちに反応してNa塩を生成する〔次式は塩酸
酸性とした場合〕。
【化2】NaOH+HCl→NaCl+H2 O 一方、陽極側で発生したCl2 は、海水中に共存するM
gBr2 と次のとおり反応してBr2 を遊離し、静置す
ることにより過飽和のBr2 が沈降する。
【化3】Cl2 +MgBr2 →MgCl2 +Br2
【0012】すなわち前記操作による電解液中、電解液
上部はBr2 が希薄となり、電解液下部はBr2 は濃厚
となるので、所定時間静置後デカンテーション等によっ
て、電解液上部を排出したり、または電解液下部の帯域
のみ分取することにより、Br2 の豊富な電解液が得ら
れる。こうして得たBr2 の豊富な電解液にNaOH等
のアルカリ剤を加えてpH5〜9に中和すると次のとお
り反応して臭素塩となり、さらに残存する塩素系酸化剤
(例えば、NaOCl等)によって一部が臭素系酸化剤
(例えば、NaOBr)となる。
【化4】Br2 +2NaOH→2NaBr+2OH- NaBr+NaOCl→NaOBr+NaCl
【0013】ここで、溶存する塩素系酸化剤(NaOC
l等)と臭素系酸化剤(NaOBr)は徐々に分解して
原子状の酸素(O)が発生し、その強力な酸化性によ
り、廃水中の酸化しやすい特定の成分が分解する。こう
して電解後、活性度が消失しない時点における海水成分
含有液を廃水中に添加することにより、酸化還元に関与
する多くの成分が分解するが、反応に関与しない残留成
分は後述の処理によって分離する。すなわち、海水成分
含有液を添加した廃水にアルカリ剤、例えば水酸化ナト
リウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム等を添加して
pH9以上、好ましくはpH10〜12に調整する。こ
のpH調整により、海水成分中のマグネシウムは水酸化
物となって凝集する。その際、液中に可溶化もしくはコ
ロイド状に分散している残留物質が水酸化マグネシウム
に吸着し沈殿物とともに除去される。本発明は、染色工
業における染料、染色助剤、顔料、窒素化合物等を含む
廃水の他、リグニン、カラメル、ラノリン等生物処理の
みでは分解の難しい廃水や重金属を含む廃水等にも適用
できる。
【0014】
【実施例】以下本発明を実施例により更に詳細に説明す
る。着色廃水を酸化処理する際に使用する添加剤の原料
となる海水の組成は次の表1のとおりである。以下の実
施例1〜6において海水とはすべて該海水をいう。な
お、この海水は市販の人工海水用結晶粉末を純水に溶解
した人工海水であるが、各成分の含有量はほぼ自然海水
に相当するものである。
【表1】
【0015】(実施例1)着色物質として反応性染料を
次の割合で純水に溶解し、70℃で30分間温浴中で加
熱後放冷して模擬廃水を調製した。 反応性染料 2g/l 炭酸ナトリウム(Na2 CO3 ) 20g/l 硫酸ナトリウム(Na2 SO4 ) 50g/l ここに、反応性染料は次の2種類とし、各々の反応性染
料を混ぜた2種類の模擬廃水を調製した。 試料(1):反応性染料 [住友化学製、商品名:Sumifix Su
pra Red 3BF] 試料(2):反応性染料 [チバ化学製、商品名:Cibacron R
ed F-B] 以下の実施例1〜6において着色廃水とは、該模擬廃水
をいう。
【0016】前記組成の海水に、鉱酸として塩酸(0.
1N HCl)を添加してpHを、各々0.5,1,
1.5,2,3,4,5に調整した後、電解装置に入れ
て次の表2の条件により電解した。
【表2】
【0017】電解後、直ちにこの電解液を揺動させない
よう緩やかにして分液ろ斗へ移し20分間静置した後,
電解液より下部電解液10v/v%を分取し、水酸化ナ
トリウム(0.1N NaOH)によってpH8.0に
中和した後、前記2種類の各着色廃水中に、その廃水量
に対して10v/v%混合し、5分間攪拌して反応さ
せ、この溶液を酸化処理液とした。該処理によって廃水
中の着色成分のうちの多くが脱色するが、酸化還元に関
与しない一部の着色成分は処理液中に残留する。比較例
1として、海水をpH調整することなくそのまま前記と
同様に電解した後、静置および分取をすることなく任意
の部分より取り出した電解液を、前記各着色廃水に10
v/v%混合し、5分間攪拌して反応させ酸化処理液と
した。実施例1と比較例1によって処理した各酸化処理
液の、波長540nmでの透過率を表3に示す。
【0018】
【表3】 (注)*1のpHは海水のpH(0.1N HClで調整)
【0019】その結果、本実施例では比較例1に対して
良好な脱色効果を得られることが判明した。特に海水を
pH3以下として電解処理した場合にその効果が顕著と
なることから、電解処理して静置する際、電解処理液の
下部に遊離臭素(Br2 )が沈降して豊富な帯域を生
じ、これを中和することによって臭素化合物および次亜
臭素酸塩等を生成し、次亜塩素酸塩等塩素系酸化剤によ
る酸化作用を助長するためであると考えられる。
【0020】(実施例2)次に、前記組成の海水を塩酸
でpH2に調整して実施例1と同様の条件で電解を行
い、静置20分後の下部電解液を、電解液全体の各々
0.5,1,2,5,10,20,50v/v%相当量
分取して中和後、前記着色廃水のそれぞれに、該中和液
を10v/v%添加して5分間攪拌し酸化処理液とし
た。なお、比較例2は海水を塩酸でpH2に調整して実
施例1と同様の条件で電解を行い、静置20分後分取す
ることなく任意の部分より取り出した電解液を中和後、
前記各着色廃水に10v/v%添加して5分間攪拌し酸
化処理液とした。実施例2と比較例2によって処理した
各酸化処理液の波長540mmでの透過率を表4に示
す。
【0021】
【表4】 (注)*2の横欄は下部電解液の分取割合 (v/v%)
【0022】その結果比較例と比べて、本実施例で着色
廃水に添加する静置後の下部電解液の分取割合による脱
色効果への影響は、20v/v%付近から表れはじめ、
10v/v%付近で急上昇し2v/v%付近ないし1v
/v%付近でほぼ上限に達することが判明した。
【0023】(実施例3〜4)実施例1または2より少
し規模の大きい電解槽を用いて前記組成の海水をやや多
量に用い、これを塩酸でpH2に調整して実施例1と同
様の条件で電解を行い、静置20分後の下部電解液を、
電解液全体の10v/v%相当量分取した後、さらに同
様の条件で再度10分間電解して中和した後、前記着色
廃水に対し、該中和液をそれぞれ10v/v%添加して
5分間攪拌し酸化処理液とした。なお、実施例4として
前記実施例3と同様の操作により、再度電解することな
く中和後、各着色廃水に対し10v/v%添加して5分
間攪拌し酸化処理液とした。実施例3と実施例4によっ
て処理した各酸化処理液の、波長540nmでの透過率
を表5に示す。
【0024】
【表5】
【0025】その結果、再度電解処理した場合は、電解
処理1回のものと比べて一層の脱色効果があった。これ
は電解後の経時変化によって消失した次亜塩素酸ナトリ
ウム等の塩素系酸化剤量がある程度復活するためと考え
られる。
【0026】(実施例5)前記組成の海水を塩酸でpH
2に調整して実施例1と同様の条件で電解を行い、静置
20分後の下部溶液を、それぞれ電解液全体の10v/
v%に相当する量を分取して中和した後、前記着色廃水
に対し10v/v%添加して5分間攪拌した酸化処理液
に、アルカリ剤として水酸化ナトリウム(1N NaO
H)を添加しpH10.5に調整したうえで5分間攪拌
した。ここで、海水中に含まれるマグネシウム化合物は
次式のとおり水酸化物となって沈殿する。
【化5】Mg2++2(OH- )→Mg(OH)2 また、その際海水中に含有され臭化マグネシウムも次式
に従って反応する。
【化6】 MgBr2 +2NaOH→Mg(OH)2 +2NaBr
【0027】なお、この凝集処理の際に有機高分子凝集
剤を必要量添加することは、凝集粒子を粗大化し沈殿を
促進するうえで大いに意義のあるところである。以上の
ようにして、沈殿物を生成した懸濁液を約20分間静置
し、その上澄液をろ紙(No.5A)によりろ過した
後、鉱酸として塩酸(0.1N HCl)によりpH8
に中和したものを凝集処理液とした。また、比較例3と
して前記実施例5と同様の操作により電解処理をして分
取しpH5〜9に中和後、アルカリ剤によるpH9以上
での凝集処理を行わない酸化処理液を用いた。実施例5
と比較例3によって処理した各酸化処理液の、波長54
0nmでの透過率を表6に示す。
【0028】
【表6】
【0029】(実施例6)アンモニア態窒素として塩化
アンモニウムを、次の割合で純水に溶解して模擬廃水を
調製した。 試料(1) 塩化アンモニウム(NH4 Cl) 250
g/l 試料(2) 塩化アンモニウム(NH4 Cl) 500
g/l 前記組成の海水を塩酸でpH2に調整して実施例1と同
様の条件で電解を行い、静置20分後の下部電解液を電
解液全体の10v/v%相当量分取して中和後、前記各
模擬廃水に5,10,20v/v%添加し5分間攪拌し
たものを酸化処理液とし、また同酸化処理液をアルカリ
剤でpH10.5に調整して20分間静置し、その上澄
液をろ紙(No.5A)によりろ過した後pH8に中和
し、5分間攪拌したものを凝集処理液とした。
【0030】なお、比較例4は海水を塩酸でpH2に調
整して実施例1と同様の条件で電解を行い、静置20分
後分取することなく任意の部分より取り出した電解液を
中和後、前記各着色廃水に5,10,20v/v%添加
して以下同様に酸化処理液と凝集処理液をつくったもの
である。実施例6と比較例4によって処理した各酸化処
理液と、凝集処理液とに含まれる全窒素(T−N)およ
びアンモニア態窒素(NH4 −N)を表7に示す。
【0031】
【表7】
【0032】実施例5の実験条件により、臭素化合物が
濃縮された状態の電解液を廃水中に添加した場合、アン
モニア態窒素をはじめとする窒素化合物の除去効果が飛
躍的に向上し、廃水に対して電解液を10〜20v/v
%添加することでほぼ完全に窒素化合物を除去し得るこ
とが判明した。これに対して比較例5の場合もある程度
の処理効果が認められるが、自然海水中の臭素化合物が
低く本実施例と同等の処理効果を得るためには、電解前
の海水に別途臭素化合物を添加する必要があるものと考
えられる。なお、酸化処理液と凝集処理液に残留する窒
素化合物量を比較すると大差はなく、主として酸化処理
の際に窒素化合物が分解されるものと考えられる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明による廃水
の処理方法を用いれば次の効果が得られる。 (1)塩素系酸化剤と臭素化合物との相乗効果により廃
水中の着色成分を強力に酸化分解してほぼ完全に脱色す
ることができ、またそれに続いて凝集沈殿処理を併合す
ることが可能であり、残存する着色成分を吸着して脱色
処理を確実なものとすることができる。 (2)安価かつ無尽蔵に存在する海水成分を有効利用す
ることができ、廃水中の着色成分の分解に必要な次亜塩
素塩素酸ナトリウム等の酸化剤が得られるだけでなく、
同酸化剤と相乗効果によって脱色反応を有効に促進させ
ることのできる高価な臭素化合物も同時に得られるため
薬品費用を著しく節減することができる。 (3)酸化処理後、pH調整するのみで水酸化マグネシ
ウムが生成し凝集剤として作用するため外部から無機凝
集剤を供給する必要がなく、さらに薬品費用を大幅に節
減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係る廃水の処理方法の模式
図。
【符号の説明】
1. 電解槽 2. 中和槽 3. 混合槽 4. pH調整槽 5. 分離槽 6. 処理水槽 11.廃水 12.海水成分含有液 13a.13b.鉱酸 14a.14b.アルカリ剤 15.処理水 16.汚泥
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C02F 1/76 ZAB Z 9/00 502 R P 504 B (72)発明者 佐藤 貞雄 兵庫県神戸市兵庫区小松通五丁目1番16号 株式会社神菱ハイテック内 (72)発明者 秋本 昌尾 兵庫県神戸市兵庫区小松通五丁目1番16号 株式会社神菱ハイテック内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自然海水または人工海水の海水成分含有
    液を鉱酸によってpH1〜5に調整し、電解処理して静
    置した後、この電解液に対し下部電解液を0.5〜20
    v/v%量を分取してアルカリ剤によりpH5〜9に中
    和し、該中和水を廃水1容に対し0.1〜1容混合して
    酸化処理し、さらにこの酸化処理液をアルカリ剤によっ
    てpH9以上に調整し、凝集生成物を分離することを特
    徴とする廃水の処理方法。
  2. 【請求項2】 前記海水成分含有液が臭素化合物および
    /またはマグネシウム化合物を含有するものである請求
    項1に記載された廃水の処理方法。
  3. 【請求項3】 前記電解処理後静置し分取する下部電解
    液量が、電解液全体の2〜10v/v%量である請求項
    1に記載された廃水の処理方法。
  4. 【請求項4】 自然海水または人工海水の海水成分含有
    液を鉱酸によってpH1〜5に調整し、電解処理して静
    置した後、この電解液に対し下部電解液0.5〜20v
    /v%量を除く上部電解液を排出し、残存する下部電解
    液へ新たに海水成分含有液を混合し、再度電解処理した
    後アルカリ剤によりpH5〜9に中和し、該中和水を廃
    水1容に対し0.1〜1容混合して酸化処理し、さらに
    この酸化処理液をアルカリ剤によってpH9以上に調整
    し、凝集生成物を分離することを特徴とする廃水の処理
    方法。
  5. 【請求項5】 自然海水または人工海水の海水成分含有
    液を鉱酸によってpH1〜5に調整し、電解処理して静
    置した後、この電解液に対し下部電解液を0.5〜20
    v/v%量を分取してアルカリ剤によりpH5〜9に中
    和し、該中和水を廃水1容に対し0.1〜1容混合して
    酸化処理し、さらにこの酸化処理液をアルカリ剤によっ
    てpH10〜12に調整し、有機高分子凝集剤を添加し
    て凝集生成物を分離することを特徴とする廃水の処理方
    法。
  6. 【請求項6】 自然海水または人工海水の海水成分含有
    液を鉱酸によってpH1〜5に調整し、電解処理して静
    置した後、この電解液に対し下部電解液を0.5〜20
    v/v%量を分取してアルカリ剤によりpH5〜9に中
    和し、該中和水を廃水1容に対し0.1〜1容混合して
    酸化処理し、さらにこの酸化処理液をアルカリ剤によっ
    てpH10〜12に調整し、凝集生成物を分離した後中
    和処理する廃水の処理方法。
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