JPH0852171A - ヘルメツトシールド用およびゴーグルレンズ用分解性保護フイルム - Google Patents
ヘルメツトシールド用およびゴーグルレンズ用分解性保護フイルムInfo
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- JPH0852171A JPH0852171A JP18957494A JP18957494A JPH0852171A JP H0852171 A JPH0852171 A JP H0852171A JP 18957494 A JP18957494 A JP 18957494A JP 18957494 A JP18957494 A JP 18957494A JP H0852171 A JPH0852171 A JP H0852171A
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Abstract
ム状に成形してなるヘルメツトシールド用およびゴーグ
ルレンズ用分解性保護フイルム。特に、ポリ乳酸系重合
体からなる延伸・熱処理フイルムであって、面配向度Δ
Pが3.0×10-3以上、フイルムを昇温したときの結
晶融解熱量ΔHmと昇温中の結晶化により発生する結晶
化熱量ΔHcとの差(ΔHm−ΔHc)が20J/g以
上のフイルムが好ましい。 【効果】 透明で分解性を有するヘルメツトシールド用
およびゴーグルレンズ用保護フイルムを得ることができ
る。
Description
部分やスポーツ用ゴーグルのレンズ部分に装着または貼
り付けて用いる保護フイルムに関する。
ー競技などのスポーツやその他の産業分野にも用いられ
るヘルメツトのシールド部分あるいはゴーグルレンズ部
分に装着または貼り付けて用いる保護フイルムは、水、
泥、油などが付着して視界を遮る場合、これを剥ぎ取り
視界を確保する目的で使用される。この保護フイルムは
通常、複数枚を剥離可能に粘着積層して、1枚ずつ剥が
して使用される。この保護フイルムに要求される特性
は、透明性に優れ、使用時には耐水性、耐油性があり、
また剥がす際にも破断しないことである。
フイルムは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチ
レンテレフタレートなどからなる。特にポリエチレンテ
レフタレート製のものは透明性に優れ、強度も高いので
保護フイルムとして一般に多く使用されている。
チツクフイルムは、自然環境中に散乱した場合、分解せ
ず、公害を引き起こしたり、あるいは回収されて埋め立
て処理しても分解されずにそのまま残るため、埋立地の
地盤が安定せず、また埋立地の寿命を短くするなどの問
題がある。
決し、使用・棄却後、土壌中または水中において自然に
加水分解が進行し、土中に原形が残らず、次いで微生物
により無害な分解物となり、かつ透明性に優れ、通常の
使用時に支障の無い強度、耐水性、耐油性を持つ保護フ
イルムを提供するものである。
体をヘイズ3%以下のフイルム状に成形してなるヘルメ
ツトシールド用およびゴーグルレンズ用分解性保護フイ
ルムにある。このようなフイルムは、ポリエチレンテレ
フタレートフイルムなどと違い、自然環境中で分解して
無害な分解物となる。
からなるフイルムであって、面配向度ΔPが3.0×1
0-3以上であり、かつフイルムを昇温したときの結晶融
解熱量ΔHmと昇温中の結晶化により発生する結晶化熱
量ΔHcとの差(ΔHm−ΔHc)が20J/g以上で
あることを特徴とするヘルメツトシールド用およびゴー
グルレンズ用分解性保護フイルムを提供する。このフイ
ルムは、薄肉化が容易で、強度などの点でも一層好適に
使用することができる。
用いられるポリ乳酸系重合体とは、ポリ乳酸または乳酸
と他のヒドロキシカルボン酸との共重合体、もしくはこ
れらの混合物であり、本発明の効果を阻害しない範囲で
他の高分子材料が混入されても構わない。また、成形加
工性、フイルム物性を調整する目的で、可塑剤、滑剤、
無機フィラー、紫外線吸収剤などの添加剤、改質剤を添
加することも可能である。
られ、他のヒドロキシカルボン酸としては、グリコール
酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、3−ヒ
ドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキ
シカプロン酸などが代表的に挙げられる。
環重合法など公知のいずれの方法を採用することも可能
であり、さらには、分子量増大を目的として少量の鎖延
長剤、例えばジイソシアネート化合物、エポキシ化合
物、酸無水物などを使用しても構わない。重合体の重量
平均分子量としては、5万から100万が好ましく、か
かる範囲を下まわると実用物性がほとんど発現されず、
上まわる場合には、溶融粘度が高くなりすぎ成形加工性
に劣る。
ルムを得るには、ポリ乳酸系重合体をシート状に溶融成
形して急冷することにより透明なフイルムとすることに
より得られる。保護フイルムは、複数枚積層して使用さ
れることもあるので、1枚のフイルムは高度の透明性、
具体的にはJIS−K−7105で規定されるヘイズで
3%以下、好適には2%以下とするのが望ましい。ポリ
乳酸系重合体は現在知られている他の分解性樹脂よりも
透明性が優れているが、保護フイルムとしての好ましい
透明性を得るには、フイルムを極力薄くするとともに、
溶融成形時に急冷して球晶の生成を防止することが重要
である。また透明性を損なう添加剤、特に固体添加剤の
添加を抑えるのも有効である。
状に溶融成形して急冷することにより未延伸シートと
し、これに延伸処理および熱処理を施すのが実用的であ
る。未延伸シートの製膜条件について説明すると、ポリ
乳酸系重合体を十分に乾燥し、水分を除去したのち押出
機で溶融する。溶融温度は組成によって変化するのでそ
れに対応して適宜選択することが好ましい。実際には1
40から230℃の温度範囲が通常選ばれる。
するキヤステイングドラム(冷却ドラム)に接触させて
急冷するのが好ましい。キヤステイングドラムの温度は
50℃以下が適当である。これより高いとポリマーがキ
ヤステイングドラムに粘着し、引き取れない。また、結
晶化が促進されて、球晶が発達し延伸が困難となるた
め、上記温度範囲に設定して急冷し実質上非晶性にする
ことが好ましい。
または同時2軸延伸のいずれでもかまわないが、使用目
的上、縦・横両方向の物性の改良が必要なので、2軸延
伸することが望ましい。本発明におけるシートの延伸倍
率は、縦方向、横方向それぞれ1.5〜5倍の範囲で、
延伸温度は50℃〜90℃の範囲で適宜選定し、無配向
シートでは1.0×10-3以下である面配向度ΔPを
3.0×10-3以上に増大させ、それにより薄肉でも強
靭なフイルムを得ることができる。
向の配向度を表し、通常直交3軸方向の屈折率を測定し
以下の式で算出される。 ΔP={(γ+β)/2}−α (α<β<γ) ここで、γ、βがフイルム面に平行な直交2軸の屈折
率、αはフイルム厚さ方向の屈折率である。
が、大きくはフイルム面内の分子配向に依存する。つま
りΔPの増大はフイルム面内、特にフイルムの流れ方向
および/またはそれと直行する方向に対し分子配向を増
大させることにより達成され、それによりフイルムの強
度を高め、脆さを改良することができる。ΔPを増大さ
せる方法としては、既知のあらゆるフイルム延伸法に加
え、電場や磁場を利用した分子配向法を採用することも
できる。
であり、これよりもΔPを高めようとすると、延伸が不
安定ないし不可能になるという不利が生じる。このよう
にΔPを3.0×10-3以上とすることにより強度面で
顕著に改良されるとともに、無配向シートの場合にみら
れる主に球晶成長に起因する脆化や白化を防止すること
ができる。
良となり、夏の暑い時期にはフイルムが収縮してしま
い、屋外が使用されることの多い保護フイルムとしては
適さない。従って、常温よりもやや高い温度、すなわち
約50℃以上の温度雰囲気下で収縮せず元の形でいられ
るようにすることが重要である。
イルムにおいて、実用的な熱寸法安定性を得るために
は、フイルムの(ΔHm−ΔHc)を20J/g以上に
制御することが重要である。すなわち、(ΔHm−ΔH
c)が20J/gを下回る場合は、フイルムの熱寸法安
定性が不良であり、屋外で使用される保護フイルムとし
ては実用に適しないが、20J/g以上であれば、熱寸
法安定性が良好となり、実用上支障がない。ΔHm、Δ
Hcは、フイルムサンプルの示差走査熱量測定(DS
C)により求められるもので、ΔHmは昇温速度10℃
/分で昇温したときの全結晶を融解させるのに必要な熱
量であって、重合体の結晶融点付近に現れる結晶融解に
よる吸熱ピークの面積から求められる。またΔHcは、
昇温過程で生じる結晶化の際に発生する発熱ピークの面
積から求められる。
依存し、結晶性が大きい重合体では大きな値を取る。ち
なみに共重合体のないホモのL−乳酸重合体では、約5
0J/gとなる。またΔHcは、重合体の結晶性に対す
るその時のフイルムの結晶化度に関係する指標であり、
ΔHcが大きいときには、昇温過程でフイルムの結晶化
が進行する、すなわち重合体が有する結晶性を基準にフ
イルムの結晶化度が相対的に低かったことを表す。逆に
ΔHcが小さいときは、重合体が有する結晶性を基準に
フイルムの結晶化度が相対的に高かったことを表す。
るための1つの方向は、結晶性が高い重合体を原料に、
結晶化度の比較的高いフイルムをつくることである。フ
イルムの結晶化度は、重合体の組成に少なからず依存す
るが、フイルムの成形加工条件によっても、大きく影響
される。成形加工工程、特にテンタ法2軸延伸において
フイルムの結晶化度を上げるためには、延伸倍率を上げ
配向結晶化を促進する、延伸後に結晶化温度以上の雰囲
気で熱処理するなどが有用である。
以上で行うのが効果的であるが、フイルムの結晶化温度
はΔPが大きいほど低下する傾向があり、本発明の場合
には90℃〜160℃の範囲で5秒以上熱処理すること
で熱寸法安定性が付与できる。
えばポリ乳酸オリゴマなどの粘着性物質を用いて複数枚
を剥離可能に積層して使用される。その際、フイルムの
周辺部は粘着させずに剥がしやすいようにするのが普通
である。そしてこの積層フイルムは、ヘルメツトシール
ドやゴーグルレンズに直接貼り付けたり、シールドなど
の周囲に設けた枠体に装着して使用することができる。
1枚のフイルムの厚さは、一般には20〜150μm程
度とすることができ、その点からも薄肉化が容易な延伸
フイルムが好ましい。
明は何ら制限を受けるものではない。なお、実施例中に
示す測定値は次に示すような条件で測定を行い、算出し
た。 (1)水中浸漬分解性テスト 生分解性プラスチック研究会のフイールドテストにおけ
る水中浸漬方法に準じてテストを行った。すなわち、フ
イルムを120mm×30mmに切り出し、それをステ
ンレス製サンプルホルダー3枚の中央部にはさみこん
だ。サンプルホルダ−の中央部にはフイルムサンプルと
同形状の窓を開けておき、ステンレス製金網(40メツ
シユ)2枚をかませて、フイルムがそのまま流れ出さ
ず、かつ水との接触が良好な状態にした。
重量平均分子量保持率、外観および触感を調べた。重量
平均分子量は島津製作所製クロマトパックC−R4A型
GPCで、フイルムサンプルをクロロホルムに溶解させ
て濃度約0.5(w/v)%に調製し、流速1.0m/
分、カラム温度40℃で測定し、ポリスチレン換算し
た。重量平均分子量保持率は、(浸漬前のサンプル重量
平均分子量)−(浸漬後のサンプル重量平均分子量)
を、浸漬前のサンプル重量平均分子量で割って%で表示
した。
γ)を測定し、次式で算出した。 ΔP={(γ+β)/2}−α (α<β<γ) γ:フイルム面内の最大屈折率 β:それに直交するフイルム面内方向の屈折率 α:フイルム厚さ方向の屈折率 (3)ΔHm−ΔHc パーキンエルマー製DSC−7を用い、フイルムサンプ
ル10mgをJIS−K7122に基づいて、昇温速度
10℃/分で昇温したときのサーモグラムから結晶融解
熱量ΔHmと結晶化熱量ΔHcを求め、算出した。
127に基づいて測定した。測定温度は23℃、引張り
速度は100mm/分である。MDはフィルムの流れ方
向、TDはフィルムの流れに対し直交する方向を示す。 (5)ハイドロシヨツト衝撃強度 島津製作所製高速衝撃試験機HTM−1型(ハイドロシ
ヨツト)を用い、耐衝撃性を測定した。フイルムを10
0mm×100mmに切り出し、クランプで固定し、フ
イルム中央に落垂で衝撃を与え、そのエネルギーを読み
取った。測定温度は23℃、落垂の落下速度は3m/秒
とした。
し、80℃の温水バスに10秒浸漬した後、縦横の寸法
を計り、その値を(縦×横)で表記し、熱寸法安定性の
指標とした。 (7)耐熱性 フイルムサンプルを100mm×100mmに切り出
し、60℃の恒温槽中に7日間放置しておいた後の外観
(透明性)および収縮性を調べた。
し、粘着剤としてポリ乳酸オリゴマをフイルムサンプル
の中央、80mm×80mm程度に極く薄く塗布し、同
種のフイルムサンプルをMD、TDを揃えて貼り合わせ
室温下に放置した。5時間後、一隅から手で剥離させて
フイルムの切れなどがないか調べた。 (9)ヘイズ JIS−K7105に準じて測定した。
ポリ−L−乳酸を、30mmφ単軸押出機にて180℃
でTダイより押し出し、キヤステイングドラムで急冷し
て未延伸シートを得た。次いで、表1に示す条件で長さ
方向ロール延伸および幅方向テンタ延伸を行い、引き続
きテンタ内で熱処理して、表1に示す厚さのフイルムを
得た。フイルムの流れ速度は3m/分、延伸・熱処理各
ゾーンの通過時間は各々約20秒であった。 各フイル
ムについての評価結果を表1、2、3に示す。
テレフタレートフイルム(厚さ50μm)について、水
中浸漬分解性テストを行った。その結果を表2に示す。
チレンテレフタレートフイルムは水中でほとんど分解性
を示さないのに対し、実施例のポリ乳酸フイルムは分解
性を示した。また、実施例のポリ乳酸フイルムについて
強度などを評価した結果、表3に示すように、ΔPが
3.0×10-3以上で(ΔHm−ΔHc)が20J/g
以上である実施例4〜6のフイルムが、強度、耐熱性な
どの点で特に好適であった。
透明性に優れたポリ乳酸系重合体からなるヘルメツトシ
ールド用およびゴーグルレンズ用分解性保護フイルムを
得ることができる。特に面配向度ΔPが3.0×10-3
以上であり、かつフイルムを昇温したときの結晶融解熱
量ΔHmと昇温中の結晶化により発生する結晶化熱量Δ
Hcとの差(ΔHm−ΔHc)が20J/g以上である
フイルムは、強度、耐熱性など実用上必要な諸特性にお
いて優れている。
Claims (2)
- 【請求項1】 ポリ乳酸系重合体をヘイズ3%以下のフ
イルム状に成形してなるヘルメツトシールド用およびゴ
ーグルレンズ用分解性保護フイルム。 - 【請求項2】 ポリ乳酸系重合体からなるフイルムであ
って、面配向度ΔPが3.0×10-3以上であり、かつ
フイルムを昇温したときの結晶融解熱量ΔHmと昇温中
の結晶化により発生する結晶化熱量ΔHcとの差(ΔH
m−ΔHc)が20J/g以上であることを特徴とする
ヘルメツトシールド用およびゴーグルレンズ用分解性保
護フイルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18957494A JP3522344B2 (ja) | 1994-08-11 | 1994-08-11 | ヘルメツトシールド用およびゴーグルレンズ用分解性保護フイルム |
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---|---|---|---|
JP18957494A JP3522344B2 (ja) | 1994-08-11 | 1994-08-11 | ヘルメツトシールド用およびゴーグルレンズ用分解性保護フイルム |
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JPH0852171A true JPH0852171A (ja) | 1996-02-27 |
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ID=16243613
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18957494A Expired - Fee Related JP3522344B2 (ja) | 1994-08-11 | 1994-08-11 | ヘルメツトシールド用およびゴーグルレンズ用分解性保護フイルム |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3522344B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08252895A (ja) * | 1995-03-16 | 1996-10-01 | Mitsubishi Plastics Ind Ltd | 分解性ラミネート材料 |
JPH10204378A (ja) * | 1997-01-24 | 1998-08-04 | Toyobo Co Ltd | 生分解性コーティング |
JP2003212270A (ja) * | 2002-10-30 | 2003-07-30 | Mitsubishi Plastics Ind Ltd | 内容物透視用の容器 |
JP2010209492A (ja) * | 2009-03-10 | 2010-09-24 | Joibondo Kk | ヘルメット及びこれに用いられる保護フィルム |
JP2013217905A (ja) * | 2012-03-16 | 2013-10-24 | Ricoh Co Ltd | 撮像ユニット、測色装置、画像形成装置、測色システムおよび測色方法 |
-
1994
- 1994-08-11 JP JP18957494A patent/JP3522344B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JP3522344B2 (ja) | 2004-04-26 |
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