JPH0851998A - 糖転移酵素の活性測定法 - Google Patents

糖転移酵素の活性測定法

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JPH0851998A
JPH0851998A JP18829594A JP18829594A JPH0851998A JP H0851998 A JPH0851998 A JP H0851998A JP 18829594 A JP18829594 A JP 18829594A JP 18829594 A JP18829594 A JP 18829594A JP H0851998 A JPH0851998 A JP H0851998A
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JP18829594A
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English (en)
Inventor
Yoshihiko Okaichi
佳彦 岡市
Takuya Furuta
拓也 古田
Junichi Namikawa
純一 南川
Shin Yazawa
伸 矢澤
Masaru Akamatsu
優 赤松
Tetsuya Tachikawa
哲也 立川
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Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明は、糖供与体と糖受容体とを用いる糖転
位酵素の活性測定法において、糖供与体としてCMP−
N−アセチルノイラミン酸を用い且つ糖受容体としてN
−アセチルグルコサミン残基の6位が不活性化された1
型糖鎖を用いて、1型糖鎖のガラクトース非還元末端に
シアル酸をα−(2→3)位で結合するα−(2→3)
シアル酸転位酵素に特異的な活性を測定することを特徴
とする糖転位酵素の活性測定法を提供する。 【効果】本発明方法によれば、検体中に含まれるα−
(2→6)シアル酸転位酵素の影響を除外して、より高
精度、高感度にてα−(2→3)シアル酸転位酵素の活
性を特異的に測定できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、糖転移酵素の活性測定
法、より詳しくはα−(2→3)シアル酸転移酵素(α
−(2→3)シアリルトランスフェラーゼ:α−(2→
3)ST)活性を特異的に測定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】シアル酸転移酵素は、糖ヌクレオチドで
あるCMP−N−アセチルノイラミン酸(シチジン一リ
ン酸−N−アセチルノイラミン酸:CMP−NeuA
c)を糖供与体として、ガラクトース等のアクセプター
糖鎖の非還元末端(HO−アクセプター)にシアル酸
(NeuAc)を転移する反応を触媒する酵素であり、
その内α−(2→3)STは、1型糖鎖のガラクトース
非還元末端にシアル酸をα−(2→3)位で結合する。
【0003】上記1型糖鎖は、ガラクトースとN−アセ
チルグルコサミンの繰返し構造単位が、Galβ1→3
GlcNAcである糖鎖であり、狭義のラクトシリーズ
或はルイスc:Lec糖鎖を包含する。
【0004】糖転移酵素の活性測定は、血液型判定やガ
ン診断等の医学分野において重要な技術となっている。
かかる活性測定法は、適宜選択された糖供与体と糖受容
体との組合わせを用いて、被検体中に含まれる酵素活性
によって糖供与体を糖受容体に転移させ、その転移量を
測定することにより行なわれている(例えば特開平3−
15761号公報参照)。
【0005】α−(2→3)ST活性の測定は、糖供与
体と糖受容体とを適宜選択して、例えば上記公報に記載
された活性測定法により測定可能であるが、かかる公知
方法に従えば、検体中に同時に存在する他のシアル酸転
移酵素の影響を避けることはできない欠点がある。即
ち、測定対象であるα−(2→3)ST以外のシアル酸
転移酵素、特にα−(2→6)シアル酸転移酵素(α−
(2→6)シアリルトランスフェラーゼ:α(2→6)
ST)は、採用される測定系において同時にシアル化
(sialylation )を触媒することにより、α−(2→
3)ST活性の測定に重大な悪影響を与える。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来公
知の方法にみられる欠点を解消したα−(2→3)ST
の新規な活性測定法を提供することを目的とする。特に
本発明は、検体中に含まれるα−(2→6)STの影響
を除外して、より高精度、高感度にて、α−(2→3)
STの活性を特異的に測定できる新しい活性測定法を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究の
結果、下記要旨の本願発明によれば、上記目的に合致す
る特異的活性測定が可能となることを見出し、ここに本
発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明によれば、糖供与体と糖受容
体とを用いる糖転移酵素の活性測定法において、糖供与
体としてCMP−N−アセチルノイラミン酸(CMP−
NeuAc)を用い且つ糖受容体としてN−アセチルグ
ルコサミン残基の6位が不活性化された1型糖鎖を用い
て、1型糖鎖のガラクトース非還元末端にシアル酸をα
−(2→3)位で結合するα−(2→3)シアル酸転移
酵素に特異的な活性を測定することを特徴とする糖転移
酵素の活性測定法が提供される。
【0009】本発明測定法は、上記特定の糖供与体と糖
受容体とを利用することを必須として、それ以外の手法
等は通常の糖供与体と糖受容体とを用いる糖転移酵素の
活性測定法に準じることができ、特に限定されるもので
はない。
【0010】特に好ましい本発明方法は、例えば前記特
開平3−15761号公報に開示された主題である改良
測定法に従って実施できる。以下かかる方法を例にとり
具体的に説明すれば、本発明方法は、標識されていない
CMP−NeuAcと、N−アセチルグルコサミン残基
の6位が不活性化された1型糖鎖からなる固相化され
た、もしくは固相化し得る糖受容体とを、検体と反応さ
せて、1型糖鎖のガラクトース非還元末端にシアル酸が
α−(2→3)位で結合した反応生成物を得、必要に応
じてこれを固相化処理後、該反応生成物と同じ構造をも
つ反応液中の内因性物質を洗浄除去し、次いで反応生成
物量をその生成物と特異的に反応する抗体又はレクチン
を用いて測定することにより実施できる。
【0011】本発明において糖供与体として利用される
CMP−NeuAcは公知であり、例えば市販品として
入手できる。糖受容体として利用されるN−アセチルグ
ルコサミン残基の6位が不活性化された1型糖鎖は、新
規化合物及び公知化合物の両者を含んでおり、之等には
より詳しくは下記一般式(1)〜(4)で表される化合
物から選択されたものが包含される。
【0012】
【化1】
【0013】〔各式中、R1 はアシル基を示す。R2
水素原子又は低級アルキル基を示す。R3 は水素原子、
低級アルキル基又はフェニル低級アルキル基を示す。A
及びBはそれぞれアルキレン基を示す。Xは基−CH2
−、基−S−又は基−NR4 −基(R4 は水素原子又は
低級アルキル基である)を示す。〕 上記一般式(1)〜(4)で表わされる化合物は、各種
の糖転移酵素の活性測定法における糖受容体として有用
であり、本発明はかかる新規な糖受容体をも提供するも
のである。
【0014】上記化合物(1)〜(4)を示す各一般式
において示される各基は、より具体的にはそれぞれ次の
通りである。
【0015】即ち、アシル基としては、例えばホルミ
ル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、ペンタノイ
ル、ヘキサノイル基等の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖
状アルカノイル基を例示できる。
【0016】低級アルキル基としては、例えばメチル、
エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチ
ル、ペンチル、ヘキシル基等の炭素数1〜6の直鎖又は
分枝鎖状アルキル基を例示できる。
【0017】アルキレン基としては、例えばメチレン、
エチレン、トリメチレン、2−メチルトリメチレン、1
−メチルメチレン、2,2−ジメチルトリメチレン、1
−メチルトリメチレン、メチルメチレン、エチルメチレ
ン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレ
ン、ヘプタメチレン、オクタメチレン、ノナメチレン、
デカメチレン基等の炭素数1〜10の直鎖又は分枝鎖状
アルキレン基を例示できる。
【0018】フェニル低級アルキル基としては、例えば
ベンジル、2−フェニルエチル、1−フェニルエチル、
3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル、1,1−
ジメチル−2−フェニルエチル、5−フェニルペンチ
ル、6−フェニルヘキシル、2−メチル−3−フェニル
プロピル基等のアルキル部分が炭素数が1〜6の直鎖又
は分枝鎖状アルキル基であるフェニルアルキル基を例示
できる。
【0019】上記一般式(1)〜(4)で表される各化
合物は、例えば下記反応工程式に示す方法により製造す
ることができる。
【0020】
【化2】
【0021】〔式中A、X、B及びR3 は前記に同じ。
Rは基
【0022】
【化3】
【0023】を示し、該Rで示される各基中R5 はアジ
ド基、フタルイミド基又は基−NHR1 (R1 は前記に
同じ)を示し、R6 、R7 、R8 、R9 、R10、R11
12、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R
22、R23、R24、R25、R26、R27及びR28は、それぞ
れ水酸基、低級アルカノイルオキシ基又はフェニル低級
アルコキシ基を示し、R13及びR14はそれぞれ水酸基、
低級アルカノイルオキシ基、フェニル低級アルコキシ基
又は低級アルコキシ基を示す。〕 上記反応工程式−1において、一般式(5)の化合物と
してRが基
【0024】
【化4】
【0025】の化合物を用いた時は、いずれの場合もR
が基
【0026】
【化5】
【0027】である一般式(7)の各化合物の混合物が
収得され、之等各化合物は容易に分離可能である。
【0028】反応工程式−1における化合物(5)と化
合物(6)との反応は、例えばモレキュラーシーブス、
トリフルオロメタンスルホン酸銀(CF3 SO3
g)、AgClO4 、Ag2 CO3 等の存在下、適当な
溶媒中で実施される。
【0029】ここで使用されるハロゲン化金属として
は、例えばジルコノセンジクロライド、ハフノセンジク
ロライド、チタノセンジクロライド、塩化第二錫、(C
3 SO3 2 Sn、Bu3 SnO2 SCF3 等を例示
できる。また溶媒としては、例えばジエチルエーテル、
テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチレングリコー
ルジメチルエーテル等のエーテル類、ジクロロメタン、
ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲ
ン化炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳
香族炭化水素類、CH3 CN、CH3 NO2 等や之等の
混合溶媒を例示できる。
【0030】化合物(6)の使用量は、化合物(5)に
対して、少なくとも等モル量、好ましくは等モル量〜
1.5倍モル量程度とするのがよく、トリフルオロメタ
ンスルホニルオキシ銀及びハロゲン化金属の使用量は、
それぞれ化合物(5)に対して少なくとも等モル量、好
ましくは等モル量〜2倍モル量程度とされるのが適当で
ある。該反応は通常−50℃〜室温付近、好ましくは−
30℃〜室温付近にて、1〜10時間程度で終了する。
【0031】
【化6】
【0032】〔式中R、A、Y、X、B及びR3 は前記
に同じ。〕 上記反応工程式−2における化合物(8)と化合物
(9)との反応は、後述するアルキル化剤としてR29
を用いたアルキル化反応と同様の条件下で実施すること
もできるが、好ましくは、適当な不活性溶媒中、塩基性
化合物及び相関移動触媒の存在下に実施することができ
る。
【0033】ここで使用される不活性溶媒としては、例
えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素
類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチレングリ
コールジメチルエーテル等のエーテル類、メタノール、
エタノール、イソプロパノール、ブタノール等の低級ア
ルコール類、酢酸エチル、アセトン、アセトニトリル、
ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムア
ミド(DMF)、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HM
PA)等や之等の混合溶媒の他、水及び水と上記各溶媒
との混合溶媒を例示できる。塩基性化合物としては、例
えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸水素カリウム、炭酸セシウム等の炭酸塩、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム等の金属水酸化物、水素
化ナトリウム等の金属水素化物、カリウム、ナトリウム
等の金属単体、ナトリウムアミド等の金属アミド、ナト
リウムメチラート、ナトリウムエチラート等の金属アル
コラート等の無機塩基性化合物及びピリジン、N−エチ
ルジイソプロピルアミン、ジメチルアミノピリジン、ト
リエチルアミン、1,5−ジアザビシクロ〔4,3,
0〕ノネン−5(DBN)、1,8−ジアザビシクロ
〔5,4,0〕ウンデセン−7(DBU)、1,4−ジ
アザビシクロ〔2,2,0〕オクタン(DABCO)等
の有機塩基を挙げることができる。また相関移動触媒と
しては、例えばテトラ−n−ブチルアンモニウムアイオ
ダイド、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、
トリオクチル,メチルアンモニウムクロライド等のアル
キルアンモニウムハライド類等を例示できる。
【0034】上記反応は、通常0〜100℃程度、好ま
しくは0〜70℃付近にて、一般に1〜15時間程度を
要して完結する。化合物(9)の使用量は、化合物
(8)に対して通常少なくとも等モル量、好ましくは等
モル量〜10倍モル量程度とされるのがよい。
【0035】上記各反応工程式に示す反応において出発
原料として用いる一般式(5)及び(8)の化合物は、
例えば下記反応工程式−3及び−4に示す方法により製
造することができる。
【0036】
【化7】
【0037】〔式中Rは前記に同じ。〕 上記反応工程式−3に示す化合物(10)を化合物
(5)に導く反応は、適当な溶媒中、フッ素化剤の存在
下に実施できる。
【0038】ここで使用される溶媒としては、例えばジ
クロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化
炭素等のハロゲン化炭化水素類、ジオキサン、テトラヒ
ドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等を例示
できる。フッ素化剤としては、例えばジエチルアミノサ
ルファ−トリフルオライド(DAST)、モルホリノア
ミノサルファ−トリフルオライド(Morpho−DA
ST)、ジメチルアミノサルファ−トリフルオライド
(Methyl−DAST)フッ化カリウム等を例示で
きる。該反応は通常−50℃〜室温付近、好ましくは−
30℃〜0℃付近にて、30分〜5時間程度にて終了す
る。上記におけるフッ素化剤の使用量は、化合物(1
0)に対して少なくとも等モル量、好ましくは等モル量
〜2倍モル量程度とされるのがよい。
【0039】
【化8】
【0040】〔式中R、A及びYは前記に同じ。Za
低級アルカノイルオキシ基を示し、Zb はトリ低級アル
キル錫を示す。〕 上記反応工程式−4に示す化合物(11)と化合物(1
2)との反応は、適当な溶媒中、塩化(IV)錫の存在
下に実施することができる。
【0041】ここで使用される溶媒としては、前記反応
工程式−3に示す化合物(10)を化合物(5)に導く
反応で例示した溶媒と同様のものをいずれも使用するこ
とができる。該反応は通常0〜100℃程度、好ましく
は0〜70℃付近にて、1〜15時間程度で終了する。
上記における化合物(12)の使用量は、化合物(1
1)に対して少なくとも等モル量、好ましくは等モル量
〜2倍モル量程度とされるのがよい。
【0042】上記した一般式(5)の化合物及び一般式
(8)の化合物において、単糖類である化合物は、従来
公知の方法に従って、容易にオリゴ糖類である化合物に
変換することができる。該変換において、水酸基の保護
基としては、従来公知の各種の保護基をいずれも使用可
能である。また、単糖類又はオリゴ糖類の水酸基を従来
公知の方法に従って、例えば(2−トリメチルシリルエ
トキシ)メチル基等の低級アルキルシリル置換低級アル
コキシ低級アルキル基等で保護したり、該糖類の1,2
位又は3,4位の水酸基をイソプロピリデニル基等の低
級アルキリデン基や、シクロペンチリデニル基等のシク
ロアルキリデニル基等で保護した後、上記変換反応を行
ない、その後従来公知の方法に従って脱保護することも
できる。
【0043】また、前記一般式(5)、(7)及び
(8)で示される化合物において、基RとしてR5 がア
ジド基である基を有する化合物は、通常の接触水素添加
による還元方法又は水素化還元剤を用いた還元方法に従
って、同R5 がアミノ基である対応する基を有する化合
物に変換することができる。この変換反応はまた適当な
溶媒中、トリフェニルホスフィン等のリン化合物の存在
下に水と反応させることによっても実施することがで
き、この方法がより好適である。該方法において使用さ
れる溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレ
ン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、シクロヘキサン等
の炭化水素類、DMF、DMSO、HMPA等を例示で
きる。該反応は通常室温〜100℃付近、好ましくは室
温〜70℃付近にて、1〜10時間程度にて終了する。
上記における水及びリン化合物の使用量は、出発原料に
対して前者では通常5〜20倍モル量程度、好ましくは
5〜15倍モル量程度、後者では通常1〜5倍モル量程
度、好ましくは1〜3倍モル量程度とされるのがよい。
【0044】上記接触水素添加による還元方法を実施す
る場合、反応は、適当な溶媒中、触媒の存在下に実施す
ることができる。ここで使用される溶媒としては、例え
ば水、酢酸、メタノール、エタノール、イソプロピルア
ルコール等のアルコール類、ヘキサン、シクロヘキサン
等の炭化水素類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジ
エチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル
等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル
類、DMF等の非プロトン性極性溶媒又は之等の混合溶
媒を例示できる。また使用される触媒としては、例えば
パラジウム、パラジウム−黒、パラジウム−炭素、白
金、酸化白金、亜クロム酸銅、ラネーニッケル等を例示
できる。触媒の使用量は出発原料に対して一般に0.0
2〜1倍量程度とするのがよい。反応温度は、通常−2
0〜100℃付近、好ましくは0〜80℃付近、水素圧
は通常1〜10気圧とするのがよく、該反応は一般に
0.5〜20時間程度で終了する。
【0045】上記水素化還元剤を用いて還元する方法を
実施する場合、用いられる水素化還元剤としては、例え
ば水素化アルミニウムリチウム、ジボラン、水素化ジイ
ソブチルアルミニウム、水素化硼素ナトリウム、水素化
硼素リチウム、テトラブチルアンモニウムボロハイドラ
イド、水素化硼素カルシウム、水素化アルミニウム等を
例示でき、その使用量は原料化合物に対して少なくとも
0.1倍モル量程度、好ましくは0.1〜15倍モル量
程度とされるのがよい。この還元反応は、適当な溶媒、
例えば水、メタノール、エタノール、イソプロパノール
等の低級アルコール類、テトラヒドロフラン、ジエチル
エーテル、ジイソプロピルエーテル、ジグライム等のエ
ーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素類や之等の混合溶媒等を用い、通常約−60〜1
50℃程度、好ましくは−30〜100℃程度にて、約
10分間〜20時間程度で行なうことができる。
【0046】前記一般式(5)、(7)及び(8)で示
される化合物において、基RとしてR5 がフタルイミド
基である基を有する化合物は、之等化合物にヒドラジン
を反応させるか又は之等化合物を加水分解することによ
って、同R5 がアミノ基である対応する化合物に変換す
ることができる。
【0047】上記ヒドラジンを反応させる場合、該反応
は適当な溶媒中で実施できる。ここで溶媒としては、例
えば水、ベンゼン、キシレン、トルエン等の芳香族炭化
水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチレン
グリコールジメチルエーテル等のエーテル類、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等の低
級アルコール類、酢酸、酢酸エチル、アセトン、アセト
ニトリル、DMF、DMSO、HMPA等を例示でき
る。上記反応は通常室温〜120℃程度、好ましくは0
〜100℃程度で行なわれ、一般に0.5〜10時間程
度にて終了する。ヒドラジンの使用量は、出発原料に対
して少なくとも等モル量程度、好ましくは等モル〜5倍
モル量程度とするのがよい。
【0048】また上記加水分解反応は、適当な溶媒中、
無溶媒で又は酸もしくは塩基性化合物の存在下に実施す
ることができる。ここで用いられる溶媒としては、例え
ば水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブ
タノール等の低級アルコール類、アセトン、メチルエチ
ルケトン等のケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル
類、酢酸、ギ酸等の脂肪酸類、之等の混合溶媒等を例示
できる。酸としては、例えば塩酸、硫酸、臭化水素酸等
の鉱酸やギ酸、酢酸、芳香族スルホン酸等の有機酸等を
挙げることができ、また塩基性化合物としては、例えば
炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の金属炭酸塩や水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の金
属水酸化物、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラ
ート、カリウムメチラート等のアルカリ金属アルコラー
ト類等を挙げることができる。上記反応は通常0〜20
0℃程度、好ましくは0〜150℃程度にて好適に進行
し、一般に0.5〜25時間程度にて終了する。
【0049】前記一般式(5)、(7)及び(8)で示
される化合物において、基RとしてR5 が基−NHR1
(R1 は前記に同じ)である基を有する化合物は、同R
5 がアミノ基である対応する基を有する化合物と (R1 2 O又はR1 Y (各式中R1 は前記に同じ。Yはハロゲン原子を示
す。)で示されるアシル化剤とを反応させることにより
製造することができる。
【0050】上記反応は無溶媒又は適当な溶媒中、塩基
性化合物の存在下もしくは非存在下、好ましくは存在下
に実施できる。ここで溶媒としては、例えば前述した芳
香族炭化水素類、メタノール、エタノール、プロパノー
ル等の低級アルコール類、DMF、DMSO等の他、ク
ロロホルム、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素類、
アセトン、ピリジン等を使用することができる。また塩
基性化合物としては、例えばトリエチルアミン、ジメチ
ルアミノピリジン、ピリジン等の有機塩基類や、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム等を使
用することができる。上記反応はまた酢酸等の溶媒中
で、硫酸等の鉱酸の存在下に実施することもできる。
【0051】アシル化剤の使用量は、出発原料に対して
等モル量程度以上、好ましくは等モル〜10倍モル量程
度とするのがよく、反応は通常0〜200℃程度、好ま
しくは0〜150℃程度で、0.5〜20時間程度で完
結する。
【0052】前記一般式(5)、(7)及び(8)で示
される化合物において、基RとしてR6 、R7 、R8
9 、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R
17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24
25、R26、R27及びR28のいずれかがフェニル低級ア
ルコキシ基である基を有する化合物は、之等を前記した
接触水素添加して還元する方法と同様の方法に従って還
元することにより、対応するR6 、R7 、R8 、R9
10、R11、R12、R15、R16、R17、R18、R19、R
20、R21、R22、R23、R24、R25及びR26のいずれか
が水酸基である化合物に変換することができる。
【0053】前記一般式(5)、(7)及び(8)で示
される化合物において、基RとしてR6 、R7 、R8
9 、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R
17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24
25、R26、R27及びR28のいずれかが低級アルカノイ
ルオキシ基である基を有する化合物は、之等を前記した
加水分解反応と同様の条件下に加水分解反応させること
により、対応するR6 、R7 、R8 、R9 、R10
11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R
19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27
及びR28のいずれかが水酸基である化合物に変換するこ
とができる。
【0054】また之等の各化合物は、同様の原料化合物
を、適当な溶媒中、ヒドラジン・アセテート等のヒドラ
ジン・アルカノエート類と反応させることによっても誘
導することができる。ここで用いられる溶媒としては、
例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチレング
リコールジメチルエーテル等のエーテル類、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等の低
級アルコール類、酢酸、酢酸エチル、アセトン、アセト
ニトリル、DMF、DMSO、HMPA等を例示するこ
とができる。ヒドラジン・アルカノエート類の使用量
は、出発原料に対して少なくとも等モル量程度、好まし
くは等モル〜2倍モル量程度とするのがよい。上記反応
は通常−20℃〜室温付近、好ましくは0℃〜室温付近
の温度下に行なわれ、一般に1〜10時間程度にて終了
する。
【0055】前記一般式(5)、(7)及び(8)で示
される化合物において、R3 がフェニル低級アルコキシ
基である基を有する化合物は、之等を前記した接触水素
添加して還元する方法と同様の条件下に還元することに
より、対応するR3 が水素原子である化合物に変換する
ことができる。
【0056】前記一般式(5)、(7)及び(8)で示
される化合物において、R3 が低級アルキル基である基
を有する化合物は、之等を加水分解することにより、対
応するR3 が水素原子である化合物に変換することがで
きる。この加水分解反応は、より具体的には、例えば硫
酸、塩酸、硝酸等の鉱酸類、酢酸、芳香族スルホン酸等
の有機酸類等の存在下に、又は炭酸ナトリウム、炭酸カ
リウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バ
リウム等の塩基性化合物の存在下に、水、メタノール、
エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール
類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジオ
キサン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエー
テル類、酢酸等の溶媒もしくは之等の混合溶媒中で、0
〜200℃程度、好ましくは室温〜150℃付近の温度
下に、0.5〜15時間程度を要して実施することがで
きる。
【0057】前記一般式(5)、(7)及び(8)で示
される化合物において、R3 が低級アルキル基又はフェ
ニル低級アルキル基である基を有する化合物は、対応す
るR3 が水素原子である化合物をエステル化することに
よって、誘導することができる。このエステル化反応
は、例えば塩酸、硫酸等の鉱酸類、チオニルクロライ
ド、オキシ塩化リン、五塩化リン、三塩化リン等のハロ
ゲン化剤の存在下に、原料化合物を、メタノール、エタ
ノール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール
等のアルコール類と、通常0〜150℃程度、好ましく
は50〜100℃程度にて、1〜10時間程度反応させ
ることにより実施することができる。
【0058】また同化合物は、メタノール、エタノー
ル、イソプロピルアルコール等のアルコール類、ジエチ
ルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールジメチル
エーテル等のエーテル類等の適当な溶媒中、又は之等の
混合溶媒中で、同原料化合物にジアゾメタン、フェニル
ジアゾメタン等のジアゾアルカンを反応させることによ
っても誘導することができる。該反応は、通常−20〜
70℃程度、好ましくは0〜室温付近にて、1〜5時間
程度で終了する。上記ジアゾアルカンは、出発原料化合
物に対して通常大過剰量用いられるのがよい。
【0059】前記一般式(5)、(7)及び(8)で示
される化合物において、基RとしてR13及びR14のいず
れかが低級アルコキシ基である既基を有する化合物は、
対応するR13及びR14のいずれかが水酸基である化合物
を、アルキル化することによって、誘導することができ
る。該アルキル化反応は、適当なアルキル化剤の存在下
に行ない得る。該アルキル化剤としては、例えばR29
(R29は低級アルキル基を、Yはハロゲン原子をそれぞ
れ示す)で示されるアルキルハライド類、メチルフルオ
ロスルホネート、メチルトリフルオロメチルスルホネー
ト、ジメチル硫酸等の低級アルキルスルホン酸エステル
類、(CH3 3 + BF4 - 等の低級アルキルオキソ
ニウム塩類等を例示することができる。
【0060】アルキル化剤として低級アルキルスルホン
酸エステル類及び低級アルキルオキソニウム塩類を用い
る上記アルキル化反応は、反応に悪影響を与えない溶
媒、例えばジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素
等のハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシ
レン等の芳香族炭化水素類等の溶媒中で実施することが
できる。アルキル化剤の使用量は、特に制限されず広範
囲から適宜選択できるが、通常出発原料に対して少なく
とも等モル量程度、好ましくは等モル〜5倍モル量程度
の範囲から選ばれるのがよい。該反応は通常0〜100
℃程度、好ましくは0〜70℃程度の温度下に行なわ
れ、一般に1〜40時間程度で終了する。尚、該反応
は、反応系内に2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルピ
リジン等の有機塩基を添加存在させることにより、より
有利に進行する。
【0061】またアルキル化剤として前記R29Yで示さ
れるアルキルハライド類を用いる反応は、一般に適当な
不活性溶媒中、塩基性化合物の存在下又は不存在下にて
行ない得る。ここで用いられる不活性溶媒としては、例
えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素
類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチレングリ
コールジメチルエーテル等のエーテル類、メタノール、
エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等の
低級アルコール類、酢酸エチル、アセトン、アセトニト
リル、DMF、DMSO、HMPA等及び之等の混合溶
媒を例示できる。塩基性化合物としては、例えば炭酸ナ
トリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水
素カリウム、炭酸セシウム等の炭酸塩、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等の金属水酸化物、水素化ナトリウ
ム、水素化カリウム等の金属水素化物、ナトリウム、カ
リウム等の金属単体、ナトリウムアミド、ナトリウムメ
チラート、ナトリウムエチラート、カリウムメチラート
等の金属アルコラート等の無機塩基及びピリジン、N−
エチルジイソプロピルアミン、ジメチルアミノピリジ
ン、トリエチルアミン、DBN、DBU、DABCO等
の有機塩基を挙げることができる。
【0062】上記アルキル化剤の使用量は、特に限定が
なく広い範囲から適宜選択すればよいが、一般に出発原
料に対して少なくとも等モル量程度、好ましくは等モル
〜5倍モル量程度とするのがよい。該反応は通常0〜2
00℃程度、好ましくは0〜170℃程度にて行なわ
れ、一般に30分〜30時間程度にて終了する。尚、反
応系内には沃化ナトリウム、沃化カリウム等のアルカリ
金属ハロゲン化物を添加存在させることもできる。
【0063】前記一般式(5)、(7)及び(8)で示
される化合物において、基RとしてR6 、R7 、R8
9 、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R
17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24
25、R26、R27及びR28のいずれかが低級アルカノイ
ルオキシ基である基を有する化合物は、之等R6 〜R28
のいずれかが水酸基である対応する化合物に、前記アシ
ル化剤を反応させる反応と同様の条件下に、同様のアシ
ル化剤を反応させることにより、製造することができ
る。
【0064】前記一般式(5)、(7)及び(8)で示
される化合物において、基RとしてR6 〜R28のいずれ
かが水酸基である基を有する化合物に、一般式 R30Y (R30はフェニル低級アルキル基を示す。Yは前記に同
じ。)で表される化合物を反応させることにより、対応
するR6 〜R28のいずれかがフェニル低級アルコキシ基
である化合物を誘導することができる。該反応はアルキ
ル化剤としてR29Yを用いる前記アルキル化反応と同様
の条件下に実施することができる。
【0065】上記各反応により得られる所望化合物は、
通常の方法に従って反応系より単離することができ、ま
た精製することができる。
【0066】かくして、本発明に糖受容体として利用す
るN−アセチルグルコサミン残基の6位が不活性化され
た所望の1型糖鎖を含む各種糖受容体を得ることができ
る。本発明活性測定法において、特に好ましい上記1型
糖鎖としては、例えばGalβ−(1→3)(6−0−
Me)GlcNAcβ−構造を有するもの等を例示でき
る。
【0067】本発明の前記好ましい活性測定法におい
て、糖受容体の固相化は、常法に従うことができる。即
ち、公知の方法に従って糖受容体を不溶性担体に化学的
もしくは物理的に結合させることにより該糖受容体を固
相化し得る。その際、用いられる不溶性担体としては、
例えばシリカ、ジルコニア、その他の金属等の無機担体
や、ポリスチレン等の合成高分子物質や天然多糖類等の
有機担体等及び之等の組合わせからなる通常のもののい
ずれでもよく、かかる担体の形状も粒子状、球状、容器
壁等の任意のものでよい。
【0068】上記した固相化し得る糖受容体としては、
好ましくは検体中に存在しない可溶性蛋白質を結合させ
た糖受容体を例示できる。より具体的には、例えば検体
がヒト由来のものである場合、牛血清アルブミン(BS
A)、卵アルブミン(ovalbumin )等の他種動物由来の
蛋白質やリジンポリマー等の可溶性蛋白質と糖受容体と
の結合体を例示できる。かかる糖受容体と可溶性蛋白質
との結合体もまた、本発明によって提供される新規物質
であり、例えば上記蛋白質としてBSAを例にとり、該
結合体の製造につき詳述すれば、該結合体は、例えば下
記反応工程式−5に示すごとくして製造することができ
る。
【0069】
【化9】
【0070】〔式中R′は基
【0071】
【化10】
【0072】を示し、各基におけるR1 及びR2 並びに
A、X、B及びR3 は前記に同じ。〕 上記反応工程式−5における化合物(7a)を化合物
(13)に導く反応は、無溶媒下に、又はエタノール、
メタノール、イソプロパノール等のアルコール類、DM
F等の適当な溶媒の存在下に、化合物(7a)とヒドラ
ジン水和物とを反応させることにより実施することがで
きる。該反応は通常0〜100℃程度、好ましくは0〜
70℃付近にて、30分〜10時間程度を要して実施す
ることができる。ヒドラジン水和物の使用量は、化合物
(7a)に対して大過剰量とするのがよい。
【0073】上記で得られる化合物(13)を化合物
(14)に導く反応は、適当な溶媒中、二酸化窒素又は
t−ブチルナイトライト等のアルキルナイトライト類を
用いて実施することができる。ここで使用される溶媒と
しては、例えばジクロロメタン、ジクロロエタン、クロ
ロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、ベン
ゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジオ
キサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチ
レングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、DM
SO、之等の混合溶媒等を例示することができる。二酸
化窒素又はアルキルナイトライト類の使用量は、化合物
(13)に対して少なくとも等モル量程度、好ましくは
等モル量〜3倍モル量程度とされるのがよい。該反応
は、二酸化窒素を用いるときは、通常−70℃〜0℃付
近、好ましくは−50℃〜0℃付近にて、10分〜3時
間程度にて終了する。一方、アルキルナイトライト類を
用いるときは、通常−30℃〜室温付近、好ましくは0
℃〜室温付近にて、10分〜3時間程度にて終了する。
またアルキルナイトライト類を用いる反応の場合は、反
応系内に塩酸、硫酸、臭化水素酸、弗化硼素酸等の酸を
存在させるのが好ましい。
【0074】上記に引き続く化合物(14)を化合物
(15)に導く反応は、適当な緩衝液中で、化合物(1
4)と牛血清アルブミン(BSA)と反応させることに
より実施できる。ここで使用される緩衝液としては、例
えば0.35M KHCO3 /0.08M Na2 4
7 (pH=9.0〜9.3)等を例示できる。化合物
(14)の使用量は、BSAに対して通常大過剰量とさ
れるのが好ましい。該反応は、通常0℃〜室温付近に
て、10〜20時間程度で終了する。
【0075】上記反応により得られる所望の糖受容体−
蛋白質(BSA)結合体は、通常の方法に従って反応系
より単離、精製することができる。
【0076】上記のごとくして得られる結合体を採用す
る測定系においては、前記の通り、測定系の反応生成物
を得た後に、これは固相化処理に付される。該固相化処
理は、該結合体の製造に用いた蛋白質に特異反応性を有
する固相化抗体等を用いて、常法に従って行なうことか
できる。尚、該固相化抗体は、前記した糖受容体の固相
化に準じて調整することができる。
【0077】本発明において、測定系の反応生成物は、
1型糖鎖のガラクトース非還元末端にシアル酸がα−
(2→3)位で結合した糖鎖構造を有しており、この構
造に特異的に反応する抗体又はレクチンを用いることに
より、かかる反応生成物量を容易に定量することができ
る。但し、上記抗体は、糖供与体としてのCMP−Ne
uAc及びこれがまだ転移していない(未反応の)糖受
容体の糖鎖構造に対しては結合性を示さないことが重要
である。かかる特性を有する抗体又はレクチンとして
は、例えばCA50等の抗α−(2→3)シアリルLe
c抗体を好ましく例示できるが、α−(2→3)シアリ
ルLecと反応するものであれば、特に上記に限定され
ることなく、例えばCA19−9抗体等の抗α−(2→
3)シアリルLea抗体や、例えばMacckia A
murensis Lectin(イヌエンジュレクチ
ン)やLimax Flavus等のシアル酸認識レク
チン等も採用できるであろう。
【0078】尚、通常の抗α−(2→3)シアリルLe
c抗体は、ジシアリルLec構造(α−(2→6)STに
よってN−アセチルグルコサミン残基にシアル酸がα−
(2→6)位で更に結合した反応生成物)とは交叉反応
せず、従って、従来法によれば、その採用によっては検
体中のα−(2→6)STによる影響を受けるが、本発
明方法によれば、前記特定の糖受容体の採用によって、
かかる影響を全く受けずに回避でき、従ってより簡便且
つ正確に所望の測定を行ない得る。
【0079】本発明に従う、上記糖供与体、固相化され
たもしくは固相化される糖受容体及び検体の反応は、検
体中に含まれるα−(2→3)STによって糖供与体が
糖受容体に転移される酵素反応のなされることを前提と
して、その条件は任意に選択、決定でき、反応生成物の
固相化処理は、通常の免疫反応条件下に行ない得、また
反応生成物の定量は、通常の免疫測定法に従って実施で
き、いずれも特に限定されるものではない。
【0080】本発明方法の適用できる検体は、特に限定
はないが、通常、血液、血漿等の体液を例示できる。本
発明方法は、該検体中のα−(2→3)ST活性の測定
を好適に行ない得るものである。
【0081】
【実施例】以下、本発明を更に詳しく説明するため、本
発明に利用する糖受容体の製造例を参考例1〜50とし
て挙げ、之等とBSAとの結合体の製造例を参考例51
〜55として挙げ、また本発明に利用するシアリルLe
c抗体及びその 125I標識体の製造例を参考例56及び
参考例57として挙げ、次いで本発明方法の実施例を挙
げる。
【0082】
【参考例1】t−ブチルジフェニルシリル 2−アジド
−2−デオキシ−3,4,6−トリ−O−アセチル−β
−D−ガラクトピラノシド(化合物8)の製造 2−アジド−3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デ
オキシ−D−ガラクトース7.64g及びイミダゾール
3.45gを乾燥ジメチルホルムアミド(DMF)23
mlに溶かし、アルゴン気流下、室温でこれにt−ブチ
ルジフェニルシリル クロライド6.97gを加えた
後、攪拌しながら60℃に加熱して6時間攪拌を続け
た。
【0083】得られた反応混合物を酢酸エチルで希釈
し、水及び食塩水で順次洗浄し、乾燥(Na2 SO4
した後、減圧濃縮してシロップ状物を得た。このものを
カラムクロマトグラフィー(片山社シリカゲル450g
使用、溶出液;トルエン/酢酸エチル=7/1)で精製
して、標記目的化合物(化合物8)10.88g(収率
82.8%)を得た。
【0084】 Rf=0.39(トルエン/酢酸エチル=5/1) 〔α〕25 D −7.35°(c=1,CHCl3 ) 元素分析値(C28353 8 Siとして): 計算値(%) C,59.03 H,6.19 N,7.38 実測値(%) C,59.34 H,6.20 N,7.78。
【0085】1H−NMR(δppm、CDCl3 ):
7.751−7.151(10H,aromatic),5.2
29(1H,dd,J=1.0,3.38Hz),4.
674(1H,dd,J=3.40,10.88H
z),4.456(1H,d,J=7.78Hz),
3.937(1H,dd,J=6.72,11.17H
z),3.913(1H,dd,J=6.58,11.
15Hz),3.729(1H,dd,J=7.73,
10.90Hz),3.529(1H,dt,J=1.
11,6.65Hz),2.172(3H,s),2.
034(3H,s),1.912(3H,s),1.1
29(9H,s)。
【0086】13 C−NMR(δ、CDCl3 ) 96.858 FabMass(m/z) 592(M+Na)+,569
(M+),568,542,512,492,457,
314
【0087】
【参考例2】t−ブチルジフェニルシリル 2−アジド
−2−デオキシ−β−D−ガラクトピラノシド(化合物
9)の製造 化合物8の10.88gをアルゴン気流下、乾燥メタノ
ール96mlに溶かし、0℃に冷却した後、攪拌しなが
らこれに5.18Mナトリウムメトキシドのメタノール
溶液369μlを加え、0℃で1時間攪拌した。反応混
合物にアンバーリスト(Amberlyst 15,オルガノ社製)
10gを加えて中性とし、濾過後、濾液を減圧濃縮して
シロップ状物をほぼ定量的に得た。このものは更に精製
することなく次の反応に使用した。
【0088】Rf=0.39(クロロホルム/メタノー
ル=10/1)
【0089】
【参考例3】t−ブチルジフェニルシリル 2−アジド
−2−デオキシ−3,4,6−トリ−O−ベンジル−β
−D−ガラクトピラノシド(化合物10)の製造 化合物9の8.01g及び鉱油に溶解させた60%ナト
リウムハイドライド2.38gをフラスコに入れ、−5
℃に冷却し、アルゴン気流下、攪拌しながらこれに乾燥
DMF60mlを加えた。混合物を0℃で1時間攪拌
後、これに臭化ベンジル7.1mlを加え、0℃で1夜
攪拌し、更に室温で8時間攪拌した。反応混合物を0℃
に冷却し、これにメタノールを加えて反応を停止させ、
水で希釈後、酢酸エチルで2回抽出し、水及び食塩水で
順次洗浄後、乾燥(Na2 SO4 )し、減圧濃縮して油
状物を得た。このものをカラムクロマトグラフィー(片
山社シリカゲル450g使用、溶出液;n−ヘキサン/
アセトン=15/1)で精製して、標記目的化合物(化
合物10)及びパーベンジル体(2−アジド−1,3,
4,6−テトラ−o−ベンジル−2−デオキシ−β−D
−ガラクトース、化合物11)をそれぞれ7.03g
(収率56.1%)及び610mg(収率6.1%)得
た。
【0090】化合物10: Rf=0.29(n−ヘキサン/アセトン=10/1) 〔α〕29 D −11.7°(c=1.0,CHCl3 ) 元素分析値(C43473 5 Siとして): 計算値(%) C,72.34 H,6.64 N,5.89 実測値(%) C,72.46 H,6.71 N,6.15。
【0091】1H−NMR(δppm、CDCl3 ):
7.751−7.677(4H),7.429−7.1
36(21H),4.886(1H,d,J=11.5
8Hz),4.635(2H,s),4.547(1
H,d,J=11.55Hz),4.327(1H,
d,J=7.75Hz),4.283(2H,s),
3.867(1H,dd,J=7.76,10.39H
z),3.781(1H,broad d),3.495(1
H,dd,J=7.32,9.03Hz),3.290
(1H,dd,J=5.45,9.03Hz),3.2
26−3.146(2H,m),1.092(9H,
s)。
【0092】13 C−NMR(δ、CDCl3 ) 97.014 FabMass(m/z) 736(M+Na)+,714
(M+H)+,686。
【0093】化合物11: Rf=0.16(n−ヘキサン/アセトン=10/1)1 H−NMR(δppm、CDCl3 ):7.400−
7.246(20H),4.914(1H,d,J=1
2.15Hz),4.894(1H,d,J=11.5
3Hz),4.667(2H,s),4.667(1
H,d,J=11.72Hz),4.580(1H,
d,J=11.42Hz),4.482(1H,d,J
=11.96Hz),4.416(1H,d,J=1
1.77Hz),4.449(1H,d,J=8.03
Hz),3.888(1H,dd,J=7.92,1
0.26Hz),3.615(2H),3.480(1
H,m),3.287(1H,dd,J=2.75,1
0.33Hz)。
【0094】
【参考例4】2−アジド−2−デオキシ−3,4,6−
トリ−O−ベンジル−D−ガラクトピラノース(化合物
12)の製造 化合物10(シリル体)9.0gを乾燥ジクロロエタン
250mlに溶かし、アルゴン気流下、−20℃に冷却
した後、攪拌しながらこれにテトラヒドロフラン(TH
F)に溶かした1Mテトラ−n−ブチルアンモニウム
フルオライド16.4mlを加えた。混合物を1時間攪
拌後、リン酸塩緩衝液(pH4.0)40mlを加え、
有機層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を
水及び食塩水で順次洗浄後、乾燥(Na2 SO4 )し、
減圧濃縮して油状物を得た。このものをカラムクロマト
グラフィー(片山社シリカゲル450g使用、溶出液;
n−ヘキサン/アセトン=8/1)で精製して、標記目
的化合物(化合物12)を5.50g(収率91.7
%)得た。
【0095】 Rf=0.24(n−ヘキサン/アセトン=3/1) 元素分析値(C27293 5 として): 計算値(%) C,68.19 H,6.15 N,8.84 実測値(%) C,68.03 H,6.29 N,9.09。
【0096】1H−NMR(δppm、CDCl3 ):
7.427−7.187(15H,m),5.284
(broad ,H),4.867(d,J=11.48H
z),4.136(broad t,J=6.25Hz)。
【0097】FabMass(m/z) 476(M+H)
+,430,391,363,341,307,289
【0098】
【参考例5】2−アジド−2−デオキシ−3,4,6−
トリ−O−ベンジル−α−D−ガラクトピラノシル フ
ルオライド(化合物13α)及び2−アジド−2−デオ
キシ−3,4,6−トリ−O−ベンジル−β−D−ガラ
クトピラノシルフルオライド(化合物13β)の製造 化合物12の663mgをアルゴン気流下、乾燥ジクロ
ロエタン14mlに溶かし、攪拌しながら−20℃に冷
却後、これにmorph−DAST255μlを加え
た。混合物を1時間攪拌後、冷飽和炭酸水素ナトリウム
水溶液中に加え、酢酸エチルで2回抽出し、食塩水で洗
浄し、乾燥(Na2 SO4 )後、減圧濃縮してシロップ
状物を得た。このものをカラムクロマトグラフィー(片
山社シリカゲル80g使用、溶出液;n−ヘキサン/ア
セトン=8/1)で精製して、標記目的化合物(化合物
13α及び化合物13β)をそれぞれ337mg(収率
50.6%)及び294mg(収率44.2%)得た。
【0099】化合物13α: Rf=0.33(n−ヘキサン/アセトン=5/1) 〔α〕26 D +49.2°(c=1.0,CHCl3 ) 元素分析値(C2728FN3 4 として): 計算値(%) C,67.91 H,5.91 N,8.80 実測値(%) C,67.88 H,5.96 N,8.82。
【0100】1H−NMR(δppm、CDCl3 ):
7.437−7.207(15H,m),5.638
(1H,dd,J=2.50,52.5Hz),4.8
86(1H,d,J=11.23Hz),4.740
(1H,d,J=11.47Hz),4.707(1
H,d,J=11.45Hz),4.536(1H,
d,J=11.23Hz),4.491(1H,d,J
=11.83Hz),4.447(1H,d,J=1
1.78Hz),4.106(1H,broad t,J=
6.79Hz),4.076(1H),3.979(1
H,ddd,J=2.55,10.45,25.09H
z),3.912(1H),3.579(2H,d,J
=6.65Hz)。
【0101】13C−NMR(δ、CDCl3 ) 10
6.458(d,J=226.0Hz;NOE JC-H
=184.3Hz) FabMass(m/z) 478(M+H)+,476,
450,430。
【0102】化合物13β: Rf=0.25(n−ヘキサン/アセトン=5/1) 〔α〕26 D −27.8°(c=1.0,CHCl3 ) 元素分析値(C2728FN3 4 として): 計算値(%) C,67.91 H,5.91 N,8.80 実測値(%) C,68.03 H,6.08 N,8.87。
【0103】1H−NMR(δppm、CDCl3 ):
7.398−7.236(15H,m),4.942
(1H,dd,J=7.54,52.74Hz),4.
890(1H,d,J=11.48Hz),4.697
(1H,d,J=11.63Hz),4.672(1
H,d,J=11.64Hz),4.562(1H,
d,J=11.48Hz),4.465(1H,d,J
=11.86Hz),4.422(1H,d,J=1
1.72Hz),3.939(1H,ddd,J=7.
52,10.31,13.18Hz),3.900(1
H,broad t,J=2.40Hz),3.613(3
H,m),3.373(1H,ddd,J=1.00,
2.74,10.34Hz)。
【0104】13C−NMR(δ、CDCl3 ) 10
8.223(d,J=214.5Hz;NOE JC-H
=172.7Hz) FabMass(m/z) 478(M+H)+,476,
450,430,384,342,289,210
【0105】
【参考例6】N−(ベンジルオキシカルボニル)−3−
O−(2−アジド−2−デオキシ−3,4,6−トリ−
O−ベンジル−α−D−ガラクトピラノシル)−L−ス
レオニンベンジルエステル(化合物18)及びN−(ベ
ンジルオキシカルボニル)−3−O−(2−アジド−2
−デオキシ−3,4,6−トリ−O−ベンジル−β−D
−ガラクトピラノシル)−L−スレオニンベンジルエス
テル(化合物19)の製造 予め乾燥させたモレキュラーシーブス4Aの1.4g、
トリフルオロメタンスルホン酸銀363mg及びジルコ
ノセン ジクロライド(zirconocene dichloride)20
6mgをフラスコに入れ、アルゴン気流下、−23℃に
冷却し、乾燥ジエチルエーテル4mlを加えて攪拌し
た。これに、化合物13αの337mg及びN−ベンジ
ルオキシカルボニル−L−スレオニン ベンジルエステ
ル267mgを乾燥ジエチルエーテル10mlに溶かし
た溶液を加え、−23℃で1.5時間、次いで−10℃
で1.5時間、更に10℃で2時間攪拌した。得られた
反応混合物にトリエチルアミン0.5ml及び水5ml
を0℃下に加えた後、濾過し、濾液を酢酸エチルで希釈
し、食塩水で洗浄し、乾燥(Na2 SO4 )後、減圧濃
縮してシロップ状物を得た。このものをカラムクロマト
グラフィー(片山社シリカゲル50g使用、溶出液;ト
ルエン/酢酸エチル=12/1〜8/1)で精製して、
標記目的化合物(化合物18及び化合物19)をそれぞ
れ293mg(収率51.9%)及び177mg(収率
31.4%)得た。
【0106】化合物18(α−ガラクトサイド): Rf=0.45(トルエン/酢酸エチル=9/1) 〔α〕25 D +54.7°(c=1.0,CHCl3 ) 元素分析値(C46484 9 として): 計算値(%) C,68.98 H,6.04 N,7.00 実測値(%) C,68.94 H,6.00 N,7.22。
【0107】1H−NMR(δppm、CDCl3 ):
7.387−7.224(25H),5.623(N
H,d,J=9.6Hz),5.211(1H,d,J
=12.2Hz),5.166(1H,d,J=12.
2Hz),5.143(2H,s),4.841(1
H,d,J=11.3Hz),4.788(1H,d,
J=3.4Hz),4.695(1H,d,J=11.
3Hz),4.659(1H,d,J=11.1H
z),4.490(1H,d,J=11.3Hz),
4.469(1H,d,J=11.8Hz),4.40
6(1H,d,J=12.0Hz),3.982(1
H,broad ),3.916(1H,broad t,J=6.
4,6.8Hz),3.823(1H,dd,J=2.
4,10.7Hz),3.754(1H,dd,J=
3.4,10.7Hz),3.538(1H,dd,J
=7.3,9.2Hz),3.484(1H,dd,J
=6.2,9.2Hz),1.276(3H,d,J=
6.2Hz)。
【0108】13C−NMR(δ、CDCl3 ) 99.
458(JC-H =170.7Hz) FabMass(m/z) 801(M+H)+,773,
667。
【0109】化合物19(β−ガラクトサイド): Rf=0.35(トルエン/酢酸エチル=9/1) 〔α〕25 D −16.0°(c=1.0,CHCl3 ) 元素分析値(C46484 9 として): 計算値(%) C,68.98 H,6.04 N,7.00 実測値(%) C,68.89 H,5.91 N,6.94。
【0110】1H−NMR(δppm、CDCl3 ):
7.378−7.208(25H),5.715(N
H,d,J=8.8Hz),5.116(2H,s),
5.095(2H,s),4.859(1H,d,J=
11.3Hz),4.658(1H,d,J=12.0
Hz),4.645(1H,d,J=12.0Hz),
4.519(1H,d,J=11.5Hz),4.46
2(1H,dq,J=2.8,6.4Hz),4.38
4(1H,dd,J=2.8,8.8Hz),4.32
3(1H,d,J=11.8Hz),4.300(1
H,d,J=12.0Hz),4.290(1H,d,
J=7.9Hz),3.831(1H,broad d,J=
2.8Hz),3.720(1H,dd,J=7.9,
10.3Hz),3.551(1H,t,J=8.6H
z),3.429(1H,dd,J=5.4,8.8H
z),3.318(1H,dd,J=5.6,7.9H
z),3.192(1H,dd,J=2.8,10.3
Hz),1.277(3H,d,J=6.4Hz)。
【0111】13C−NMR(δ、CDCl3 ) 10
0.461(JC-H =158.9Hz) FabMass(m/z) 801(M+H)+,773
【0112】
【参考例7】参考例6に従って、乾燥モレキュラーシー
ブス4Aの4.2g、トリフルオロメタンスルホン酸銀
1.13g及びジルコノセン ジクロライド643mg
をフラスコに入れ、乾燥ジエチルエーテル10mlを加
えた後、アルゴン気流下、−23℃に冷却し、攪拌し
た。これに、化合物13βの1.0g及びN−ベンジル
オキシカルボニル−L−スレオニン ベンジルエステル
791mgを乾燥ジエチルエーテル32mlに溶かした
溶液を加え、−23℃で1.5時間、次いで−10℃で
2時間、更に室温で2時間攪拌後、トリエチルアミン
0.5ml及び水10mlを0℃下に加え、濾過し、濾
液を酢酸エチルで希釈し、食塩水で洗浄し、乾燥(Na
2 SO4 )後、減圧濃縮してシロップ状物を得た。この
ものをカラムクロマトグラフィー(片山社シリカゲル2
00g使用、溶出液;トルエン/酢酸エチル=12/1
〜8/1)で精製して、化合物18及び化合物19をそ
れぞれ1.054g(収率62.8%)及び519mg
(収率30.9%)得た。
【0113】之等化合物18(α−ガラクトース)及び
化合物19(β−ガラクトース)の1H−NMRスペク
トル分析結果は、それぞれ前記参考例6に示す各化合物
H−NMRスペクトル分析結果と完全に一致し
た。
【0114】
【参考例8】N−(ベンジルオキシカルボニル)−3−
O−(2−アセトアミド−2−デオキシ−3,4,6−
トリ−O−ベンジル−α−D−ガラクトピラノシル)−
L−スレオニンベンジルエステル(化合物20)の製造 化合物18(アジド)290mg及びトリフェニルホス
フィン190mgをベンゼン18mlに溶かし、アルゴ
ン気流下、室温で攪拌しながらこれに水65μlを加え
た。混合物を40℃に加温し、8時間攪拌した。反応混
合物を減圧濃縮後、トルエンを加えて濃縮を更に2回繰
返した。残留物を乾燥メタノール6mlに溶かし、アル
ゴン気流下、0℃に冷却し、攪拌しながら無水酢酸0.
5mlを加え、室温で5時間攪拌し、更に無水酢酸0.
5mlを加え、一夜攪拌後、減圧下に濃縮した。残留物
をカラムクロマトグラフィー(片山社シリカゲル40g
使用、溶出液;トルエン/酢酸エチル=3/1)で精製
して、標記目的化合物(化合物20)を156mg(収
率52.6%)得た。
【0115】 Rf=0.23(トルエン/酢酸エチル=3/1) 〔α〕22 +63.9°(c=1.5,CHCl
3 ) 元素分析値(C48522 10として): 計算値(%) C,70.57 H,6.42 N,3.43 実測値(%) C,70.52 H,6.68 N,3.33。
【0116】1H−NMR(δppm、CDCl3 ):
7.392−7.183(25H),5.345(N
H,d,J=8.6Hz),5.319(NH,d,J
=9.2Hz),5.127(1H,d,J=11.7
Hz),5.143(2H,s),5.041(1H,
d,J=11.9Hz),4.940(1H,d,J=
11.5Hz),4.763(1H,d,J=3.7H
z),4.704(1H,d,J=12.2Hz),
4.542(1H,d,J=11.7Hz),4.36
0(1H,dd,J=2.0,9.3Hz),4.15
2(1H,dq,J=2.0,6.4Hz),3.95
2(1H,broad ),3.878(1H,broad t,J
=6.4Hz),1.958(3H,s),1.263
(3H,d,J=6.4Hz)。
【0117】13 C−NMR(δ、CDCl3 ) 100.353 FabMass(m/z) 817(M+H)+,709,
474
【0118】
【参考例9】3−O−(2−アセトアミド−2−デオキ
シ−α−D−ガラクトピラノシル)−L−スレオニン
(化合物21)の製造 化合物20の154mg及び10%パラジウム−炭素9
0mgをフラスコに入れ、メタノール5ml及び酢酸5
mlに溶かし、水素ガス雰囲気下、室温にて一夜攪拌し
た。反応混合物を濾過後、濾液を減圧下に濃縮してシロ
ップ状物を得た。このものをカラムクロマトグラフィー
(セファデックスLH−20(ファルマシア社)、60
ml、溶出液;水/メタノール=4/1)で精製して、
標記目的化合物(化合物21)を59mg(収率97.
3%)得た。
【0119】Rf=0.18(n−ブタノール/酢酸/
水=2/1/1)1 H−NMR(δppm、D2 O):4.974(1
H,d,J=3.7Hz),4.445(1H,broad
q,J=6.4Hz),4.145(1H,dd,J=
3.4,11.0Hz),4.048(1H,broad
t,J=5.8,6.4Hz),3.989(1H,
d,J=2.8Hz),3.877(1H,dd,J=
2.3,11.0Hz),3.807−3.743(3
H),2.067(3H,s),1.419(3H,d
d,J=6.4Hz)。
【0120】FabMass(m/z) 345(M+N
a)+,329,323(M+H)+,307,289
【0121】
【参考例10】3−クロロプロピル 3,4,6−トリ
−O−アセチル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β
−D−グルコピラノシド(化合物25)の製造 化合物24(1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−
2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラ
ノース)の47g及びトリブチル 3−クロロプロピル
オキシ錫45.4gを乾燥ジクロロエタン500mlに
溶かし、攪拌しながら、アルゴン気流下、0℃に冷却
し、塩化錫(IV)13.8mlを加えた。混合物を室
温で一夜攪拌し、反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム
水500ml及び飽和フッ化カリウム水溶液500ml
を加え、よく攪拌した後、セライト上で濾過し、酢酸エ
チルで洗浄した。濾液を飽和炭酸水素ナトリウム水及び
食塩水で順次洗浄後、乾燥(Na2 SO4 )し、減圧下
に濃縮して油状物を得た。このものをカラムクロマトグ
ラフィー(シリカゲル600g、溶出液;トルエン/ア
セトン=8/1、次にトルエン/酢酸エチル=6/1)
で精製して、標記目的化合物(化合物25)40.06
g(収率79.5%)を得た。
【0122】 Rf=0.58(トルエン/酢酸エチル=3/2) 〔α〕26 D +34.5°(c=1.0,CHCl3 ) 元素分析値(C2326ClNO10として): 計算値(%) C,53.96 H,5.12 N,2.74 実測値(%) C,53.89 H,5.16 N,2.81。
【0123】1H−NMR(δppm、CDCl3 ):
7.887−7.725(4H,m),5.810(1
H,dd,J=9.1,10.7Hz),5.381
(1H,d,J=8.5Hz),5.175(1H,d
d,J=9.2,10.0Hz),4.344(1H,
dd,J=4.7,12.4Hz),4.315(1
H,dd,J=8.5,10.7Hz),4.181
(1H,dd,J=2.3,12.3Hz),3.95
9(1H,dt,J=5.1,10.0Hz),3.8
89(1H,ddd,J=2.4,4.6,10.2H
z),3.643(1H,ddd,J=4.8,8.
0,9.9Hz),3.48−3.29(2H,m),
2.121(3H,s),2.039(3H,s),
1.871(3H,s)。
【0124】13C−NMR(δ、CDCl3 ) 98.
351(JC-H =164.6Hz) FabMass(m/z) 534(M−H+Na),53
6,512,510,452,418,358,29
9,298,256
【0125】
【参考例11】3−クロロプロピル 2−アセトアミド
−4,6−O−ベンジリデン−2−デオキシ−β−D−
グルコピラノシド(化合物26)の製造 化合物25の39.83gを乾燥メタノール390ml
に溶かし、0℃に冷却後、攪拌しながら、これに5.2
Mナトリウムメトキシドのメタノール溶液2.2mlを
加え、室温で2時間攪拌し、0℃に冷却し、アンバーリ
スト70gを加えて中和し、濾過した。濾液を減圧濃縮
してシロップ状物を得た。このものをエタノールに溶か
し、ヒドラジン水和物7.55mlを加え、3時間還流
した。反応混合物を減圧濃縮し、乾燥メタノールとトル
エンで数回減圧濃縮して乾燥物を得、これを乾燥メタノ
ール780mlに溶かし、次いで無水酢酸44mlを加
えて室温で2時間攪拌した。更に無水酢酸44mlを加
えて3時間攪拌した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧
濃縮した。残留する酢酸をトルエンを加えて更に濃縮し
てシロップ状物を得た。残留物をカラムクロマトグラフ
ィー(シリカゲル600g、溶出液;CHCl3 /メタ
ノール=4/1)で精製した。
【0126】得られ精製物を更に精製することなく乾燥
DMF85mlに溶かし、これに触媒量のp−トルエン
スルホン酸を加え、0℃に冷却し、アルゴン気流下、更
にベンズアルデヒド ジメチルアセタール17.5ml
を加え、室温で一夜攪拌した。濾過して得られる白色結
晶を酢酸エチルで洗浄した。濾液にトリエチルアミン1
0mlを加え、クロロホルムで希釈し、水洗し、乾燥
(Na2 SO4 )、濃縮して、目的化合物を得た。この
ものをメタノールより再結晶して、標記目的化合物(化
合物25)合計18.65g(収率62.1%)を得
た。
【0127】融点=239〜241℃(分解) Rf=0.30(トルエン/アセトン=3/2) 〔α〕23 D −63.1°(c=1.0,メタノール) 元素分析値(C1824ClNO6 ・1/4H2 Oとして): 計算値(%) C,55.38 H,6.33 N,3.61 実測値(%) C,55.59 H,6.27 N,3.76。
【0128】1H−NMR(δppm、DMSO−
6 ):7.830(1H,d,J=8.5Hz),
7.457−7.348(5H,m),5.588(1
H,s),5.273(1H,d,J=5.1Hz),
4.459(1H,d,J=7.8Hz),4.201
(1H,dd,J=4.3Hz),3.813(1H,
dt,J=5.1,7.7Hz),3.76−3.32
(8H,m),1.901(2H,m),1.829
(3H,s)。
【0129】FabMass(m/z) 408(M+N
a)+,386(M+H)+,307,292
【0130】
【参考例12】3−クロロプロピル O−(2,3,4
−トリ−O−アセチル−6−O−ベンジル−β−D−ガ
ラクトピラノシル)−(1→3)−2−アセトアミド−
4,6−O−ベンジリデン−2−デオキシ−β−D−グ
ルコピラノシド(化合物27)の製造 予め乾燥したモレキュラーシーブス4Aの5.0g、化
合物26の500mg、トリフルオロメタンスルホン酸
銀533mg及び塩化錫(IV)393mgをフラスコ
に入れ、乾燥ジクロロメタン100mlを加え、室温、
アルゴン気流下に1時間攪拌した。混合物を0℃に冷却
後、これに2,3,4−トリ−O−アセチル−6−O−
ベンジル−D−ガラクトピラノシル フロライド1.2
9gを乾燥ジクロロメタンに溶かした溶液を加え、室温
で一夜攪拌した。反応混合物にトリエチルアミン1ml
及び水20mlを加えて反応を停止させ、濾過した。濾
液を水洗し乾燥(Na2 SO4 )後、濃縮して、シロッ
プ状物を得た。このものをカラムクロマトグラフィー
(シリカゲル60g、溶出液;トルエン/酢酸エチル=
2/3)で精製して、標記目的化合物(化合物27)8
32mg(収率84%)を得た。
【0131】 Rf=0.30(トルエン/酢酸エチル=1/2) 〔α〕25 D −15.4°(c=1.0,CHCl3 ) 元素分析値(C3746ClNO14として): 計算値(%) C,58.15 H,6.07 N,1.83 実測値(%) C,57.80 H,6.06 N,1.88。
【0132】1H−NMR(δppm、CDCl3 ):
7.442−7.418(2H,m),7.356−
7.152(8H,m),5.768(NH,d,J=
7.3Hz),5.449(1H,s),5.343
(1H,dd,J=0.9,3.5Hz),5.122
(1H,dd,J=8.1,10.4Hz),5.08
4(1H,d,J=8.1Hz),4.917(1H,
dd,J=3.5,10.4Hz),4.746(1
H,d,J=8.1Hz),4.542(1H,broad
t,J=9.3Hz),4.410(1H,d,J=1
1.9Hz),4.293(1H,dd,J=4.9,
10.3Hz),4.248(1H,d,J=11.7
Hz),3.957(1H,dt,J=5.5,9.9
Hz),3.739−3.557(6H,m),3.5
13(1H,dt,J=4.8,9.7Hz),3.3
94(1H,dd,J=6.8,9.4Hz),3.3
40(1H,dd,J=6.4,9.4Hz),3.1
80(1H,ddd,J=7.7,7.9,9.7H
z),2.029,1.999,1.986,1.94
6(4×3H,各s)。
【0133】13C−NMR(δ、CDCl3 ) 10
1.222,100.191,100.045 FabMass(m/z) 786(M+Na−H)+,7
64(M+),670,476,379
【0134】
【参考例13】3−クロロプロピル O−(2,3,
4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−ガラクトピラ
ノシル)−(1→3)−2−アセトアミド−4,6−ジ
−O−アセチル−2−デオキシ−β−D−グルコピラノ
シド(化合物28)の製造 化合物27の806mgをメタノール10mlに溶か
し、これに酢酸10mlを加え、冷却して更に10%パ
ラジウム−炭素200mgを加えた後、水素雰囲気下で
水素添加反応(室温で一夜攪拌)を行なった後、濾過
し、濾液を減圧濃縮し、更にトルエンを加えて濃縮して
酢酸を除いた後、残留物を乾燥ピリジン10mlに溶か
し、4−ジメチルアミノピリジン15mg及び無水酢酸
3mlを加え、アルゴン気流下、室温で3時間攪拌し
た。反応混合物を減圧濃縮し、酢酸エチルで希釈し、水
及び食塩水で順次洗浄後、乾燥(Na2 SO4 )し、濃
縮して、シロップ状物を得た。このものをカラムクロマ
トグラフィー(シリカゲル60g、溶出液;トルエン/
酢酸エチル=3/7)で精製して、標記目的化合物(化
合物28)722mg(収率96.1%)を得た。
【0135】 Rf=0.30(トルエン/酢酸エチル=1/4) 〔α〕25 D −0.34°(c=1.0,CHCl3 ) 元素分析値(C2942ClNO17・1/2H2 Oとして): 計算値(%) C,48.30 H,6.01 N,1.94 実測値(%) C,48.21 H,6.04 N,1.97。
【0136】1H−NMR(δppm、CDCl3 ):
5.727(NH,d,J=7.7Hz),5.346
(1H,dd,J=0.9,3.3Hz),5.059
(1H,dd,J=7.7,10.4Hz),4.97
3(1H,dd,J=3.3,10.4Hz),4.9
29(1H,t,J=9.4Hz),4.883(1
H,d,J=8.1Hz),4.587(1H,d,J
=7.7Hz),4.409(1H,dd,J=9.
2,9.5Hz),4.229(1H,dd,J=5.
3,12.1Hz),4.158−4.114(2H,
m),4.083(1H,dd,J=6.8,11.2
Hz),3.966(1H,dt,J=5.3,10.
1Hz),3.881(1H,broad t,J=6.8H
z),3.722−3.594(4H,m),3.33
2(1H,dt,J=7.9,9.9Hz),2.14
6,2.079,2.066,2.048,2.02
9,1.968(7×3H,各s)。
【0137】13C−NMR(δ、CDCl3 ) 10
0.711(JC-H =160.8Hz),99.823
(JC-H =163.1Hz) FabMass(m/z) 736,734(M+Na−
H)+,714,712(M)+,618,364,33
【0138】
【参考例14】3−(2−カルボメトキシエチルチオ)
プロピル O−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチ
ル−β−D−ガラクトピラノシル)−(1→3)−2−
アセトアミド−4,6−ジ−O−アセチル−2−デオキ
シ−β−D−グルコピラノシド(化合物29)の製造 フラスコに化合物28の200mg、セシウムカーボネ
ート458mg及び90%含水トリ−n−オクチルメチ
ルアンモニウムクロライド120mgを入れ、水8ml
及びトルエン8mlを加え、アルゴン気流下、室温で攪
拌して溶解させた後、メチル メルカプトプロピオネー
ト156μlを加え、室温で激しく6時間攪拌した。有
機層を分離後、水層を酢酸エチルで3回抽出し、有機層
を合わせて乾燥(Na2 SO4 )し、減圧濃縮して、シ
ロップ状物を得た。このものを乾燥ピリジン7mlに溶
かし、4−ジメチルアミノピリジン10mgを加え、ア
ルゴン気流下、攪拌しながら無水酢酸2mlを加えて室
温で4時間攪拌した。反応混合物を減圧濃縮し、酢酸エ
チルて希釈し、水及び食塩水で順次洗浄し、乾燥(Na
2 SO4 )し、濃縮して、シロップ状物を得た。このも
のをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル25g、溶
出液;トルエン/酢酸エチル=1/5)で精製して、標
記目的化合物(化合物29)140mg(収率62.4
%)を得た。
【0139】 Rf=0.26(トルエン/酢酸エチル=1/5) 〔α〕25 D −3.78°(c=1.0,CHCl3 ) 元素分析値(C3349NO19Sとして): 計算値(%) C,49.80 H,6.21 N,1.76 実測値(%) C,49.60 H,6.17 N,1.73。
【0140】1H−NMR(δppm、CDCl3 ):
6.050(NH,d,J=7.7Hz),5.344
(1H,dd,J=1.1,3.3Hz),5.065
(1H,dd,J=8.1,10.3Hz),4.97
1(1H,dd,J=3.3,10.3Hz),4.9
20(1H,t,J=9.2Hz),4.892(1
H,d,J=8.1Hz),4.578(1H,d,J
=7.7Hz),4.474(1H,dd,J=9.
2,10.5Hz),4.231(1H,dd,J=
5.1,12.1Hz),4.152−4.061(3
H,m),3.926(1H,dt,J=5.5,9.
9Hz),3.882(1H,broad t,J=6.6H
z),3.707(3H,s),3.690(1H,d
dd,J=2.6,5.1,9.9Hz),3.586
(1H,ddd,J=4.8,7.7,9.9Hz),
3.259(1H,dt,J=7.7,9.9Hz),
2.784(2H,t,J=7.2Hz),2.625
(2H,t,J=7.2Hz),2.608(2H,
t,J=7.2Hz),2.14(3H,s),2.0
77(6H,s),2.064,2.044,2.02
4,1.967(4×3H,各s),1.892(1
H,m),1.807(1H,m)。
【0141】FabMass(m/z) 796(M+H)
+,736,618,448
【0142】
【参考例15】3−(2−カルボメトキシエチルチオ)
プロピル O−(β−D−ガラクトピラノシル)−(1
→3)−2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グ
ルコピラノシド(化合物30)の製造 化合物29の286mgをフラスコに入れ、乾燥メタノ
ール8mlを加え、アルゴン気流下に攪拌して溶解させ
た後、0.5Mナトリウムメトキサイドのメタノール溶
液216μlを加え、室温で1時間攪拌した。反応混合
物にアンバーリスト620mgを加えて更に5分間攪拌
し、濾過した。固形物を水−メタノール(1:1)で洗
浄し、濾液を減圧濃縮し、残留物をセファデックスLH
−20(180ml、溶出液;メタノール/水=4/
1)を用いたカラムクロマトグラフィーで精製し、更
に、ダイヤイオンCHP−20P(三菱化成社製、40
ml、溶出液;水/メタノール=90/10,85/1
5,80/20)を用いたカラムクロマトグラフィーに
より精製して、標記目的化合物(化合物30)168m
g(収率86.0%)を得た。
【0143】Rf=0.61(クロロホルム/メタノー
ル/水=6/4/0.8) 〔α〕25 D −13.6°(c=1.0,H2 O) 元素分析値(C2137NO13S・3/4H2 Oとして): 計算値(%) C,45.27 H,6.97 N,2.51 実測値(%) C,45.58 H,7.30 N,2.54。
【0144】1H−NMR(δppm、D2 O):4.
553(1H,d,J=7.7Hz),4.435(1
H,d,J=7.7Hz),3.976(1H,dt,
J=5.3,10.4Hz),3.730(3H,
s),3.646(1H,dd,J=3.3,9.9H
z),2.824(2H,t,J=6.6Hz),2.
721(2H,t,J=6.8Hz),2.618(2
H,m,J=6.4Hz),2.040(3H,s),
1.852(2H,m,J=6.1Hz) FabMass(m/z) 566(M+Na)+,544
(M+H)+,382,366,307,289
【0145】
【参考例16】3−(2−ヒドラジノカルボニルエチル
チオ)プロピル O−(β−D−ガラクトピラノシル)
−(1→3)−2−アセトアミド−2−デオキシ−β−
D−グルコピラノシド(化合物22)の製造 化合物30の21.1mgをフラスコに入れ、ヒドラジ
ン水和物2mlを加え、1.5時間室温で攪拌した。反
応混合物を減圧濃縮し、残留物をセファデックスG−2
5(60ml、溶出液;水)を用いたカラムクロマトグ
ラフィーで精製し、更に、セファデックスLH−20
(20ml、溶出液;水/メタノール=5/1)を用い
たカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記目的
化合物(化合物22)15.4mg(収率73.0%)
を得た。
【0146】Rf=0.18(クロロホルム/メタノー
ル/水=6/4/1) 〔α〕26 D −15.1°(c=1.0,H2 O) 元素分析値(C20373 12S・3/4H2 Oとして): 計算値(%) C,43.12 H,6.97 N,7.54 実測値(%) C,43.15 H,7.20 N,7.43。
【0147】1H−NMR(δppm、D2 O):4.
527(1H,broad d,J=8.3Hz),4.41
4(1H,d,J=7.5Hz),3.895(1H,
d,J=3.2Hz),3.627(1H,dd,J=
3.2,10.0Hz),2.792(2H,t,J=
6.7Hz),2.583(2H,broad t,J=7.
2Hz),2.492(2H,t,J=6.7Hz),
2.018(3H,s),1.826(2H,m)Fa
bMass(m/z) 584(M−H+2Na)+,56
6(M+Na)+,544(M+H)+,460,366
【0148】
【参考例17】3−クロロプロピル O−(2,3,4
−トリ−O−アセチル−6−O−ベンジル−β−D−ガ
ラクトピラノシル)−(1→3)−2−アセトアミド−
2−デオキシ−β−D−グルコピラノシド(化合物3
2)の製造 化合物27の21.8gに80%含水酢酸25mlを加
え、80℃に加熱し、30分間攪拌した後、室温に戻
し、反応混合物を減圧濃縮し、残留物を酢酸エチルで希
釈後、食塩水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び食塩
水で順次洗浄し、乾燥(Na2 SO4 )し、減圧濃縮し
て固形物を得た。このものをカラムクロマトグラフィー
(片山シリカゲル220g、溶出液;トルエン/アセト
ン=3/2)により精製して、標記目的化合物(化合物
32)1.77g(収率91.9%)を得た。
【0149】 Rf=0.39(トルエン/アセトン=1/1) 〔α〕25 D +2.06°(c=0.6,CHCl3 ) 元素分析値(C3042ClNO14として): 計算値(%) C,53.29 H,6.26 N,2.07 実測値(%) C,53.24 H,6.41 N,1.98。
【0150】1H−NMR(δppm、CDCl3 ):
7.378−7.287(5H,m),5.614(N
H,d,J=6.6Hz),5.363(1H,d,J
=3.2Hz),5.156(1H,dd,J=7.
9,10.2Hz),5.014(1H,dd,J=
3.5,10.4Hz),4.794(1H,d,J=
8.1Hz),4.653(1H,d,J=7.9H
z),4.521(1H,d,J=11.6Hz),
4.395(1H,d,J=11.6Hz),4.17
9(1H,dd,J=8.4,10.1Hz),3.9
76(1H,dt,J=5.5,9.8Hz),3.7
54(1H,dd,J=5.3,11.8Hz),3.
530(2H,broad q,J=9.8Hz),2.09
1,2.079,2.047,1.973(4×3H,
各s)FabMass(m/z) 698(M+),67
6,582,379
【0151】
【参考例18】3−クロロプロピル O−(2,3,4
−トリ−O−アセチル−6−O−ベンジル−β−D−ガ
ラクトピラノシル)−(1→3)−2−アセトアミド−
2−デオキシ−6−O−メチル−β−D−グルコピラノ
シド(化合物33)の製造 フラスコに化合物32の110mg、トリメチルオキソ
ニウム テトラフルオロボーレート50.5mg及び
2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルピリジン83.5
mgを入れ、アルゴン気流下、0℃に冷却し、乾燥ジク
ロロメタン10mlを加えた。混合物を0℃で3時間攪
拌した後、水を加えて反応を停止させ、酢酸エチルで希
釈し、水及び食塩水で順次洗浄後、乾燥(Na2
4 )し、減圧濃縮して半固形物を得た。このものをカ
ラムクロマトグラフィー(片山シリカゲル20g、溶出
液;トルエン/アセトン=1/1)により精製して、標
記目的化合物(化合物33)86.5mg(収率77.
0%)を得た。
【0152】 Rf=0.21(トルエン/アセトン=3/2) 〔α〕25 D ±0°(c=0.96,CHCl3 ) 元素分析値(C3144ClNO14として): 計算値(%) C,53.95 H,6.43 N,2.03 実測値(%) C,53.85 H,6.72 N,2.00。
【0153】1H−NMR(δppm、CDCl3 ):
7.346−7.277(5H,m),5.957(N
H,broad d,J=7.4Hz),5.345(1H,
d,J=3.2Hz),5.189(1H,dd,J=
7.8,10.3Hz),5.004(1H,dd,J
=3.4,10.4Hz),4.810(1H,d,J
=8.3Hz),4.609(1H,d,J=7.8H
z),4.542(1H,d,J=11.9Hz),
4.415(1H,d,J=11.9Hz),4.22
4(1H,dd,J=7.4,10.3Hz),3.3
87(3H,s),3.206(1H,dt,J=7.
9,10.0Hz),2.068(3H×2,各s),
1.994,1.973(3H×2,各s) FabMass(m/z) 714(M+Na)+,712
(M+Na)+,692(M+H)+,690(M+H)
+,596
【0154】
【参考例19】3−クロロプロピル O−(2,3,
4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−ガラクトピラ
ノシル)−(1→3)−2−アセトアミド−4−O−ア
セチル−2−デオキシ−6−O−メチル−β−D−グル
コピラノシド(化合物34)の製造 化合物33の334mg及び10%パラジウム−炭素1
00mgをフラスコに入れ、0℃に冷却した後、メタノ
ール10mlと酢酸2mlとを加え室温で10分間攪拌
した後、混合物を水素ガス雰囲気(1気圧)下に室温で
一夜攪拌した。反応混合物を濾過した後、濾液を減圧濃
縮し、トルエンで共沸乾燥した。残留物に4−ジメチル
アミノビリジン10mgを加え、乾燥ピリジン20ml
に溶かし、アルゴン気流下、0℃に冷却した後、無水酢
酸5mlを加え4時間室温で攪拌した。反応混合物を減
圧濃縮し、酢酸エチルで希釈し、水及び食塩水で順次洗
浄後、乾燥(Na2 SO4 )し、濃縮して油状物を得
た。このものをカラムクロマトグラフィー(片山シリカ
ゲル40g、溶出液;酢酸エチル/トルエン=5/1)
により精製して、標記目的化合物(化合物34)309
mg(収率93.5%)を得た。
【0155】 Rf=0.54(トルエン/アセトン=1/1) 〔α〕25 D +1.96°(c=1.0,CHCl3 ) 元素分析値(C2842ClNO16として): 計算値(%) C,49.16 H,6.19 N,2.05 実測値(%) C,49.07 H,6.42 N,2.03。
【0156】1H−NMR(δppm、CDCl3 ):
5.868(NH,d,J=6.2Hz),5.347
(1H,dd,J=0.9,3.3Hz),5.065
(1H,dd,J=7.7,10.4Hz),4.97
6(1H,dd,J=3.3,10.4Hz),4.8
74(1H,t,J=9.3Hz),4.861(1
H,d,J=8.6Hz),4.617(1H,d,J
=7.7Hz),4.384(1H,t,J=9.3H
z),4.147(1H,dd,J=6.6,11.2
Hz),4.084(1H,dd,J=6.8,11.
2Hz),3.983(1H,dt,J=5.3,9.
9Hz),3.891(1H,broad t,J=6.7H
z),3.501(1H,dd,J=3.0,10.7
Hz),3.433(1H,dd,J=5.8,10.
7Hz),3.353(3H,s),2.148,2.
056,2.031,1.967(3H×4,各s),
2.066(3H×2,各s)。
【0157】FabMass(m/z) 706(M+N
a)+,684(M+H)+,624,590
【0158】
【参考例20】3−(2−カルボメトキシエチルチオ)
プロピル O−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチ
ル−β−D−ガラクトピラノシル)−(1→3)−2−
アセトアミド−4−O−アセチル−2−デオキシ−6−
O−メチル−β−D−グルコピラノシド(化合物35)
の製造 化合物34の187mg、セシウムカーボネート445
mg、90%含水トリオクチルメチルアンモニウム ク
ロライド113mg、トルエン7.5ml及び水7.5
mlをフラスコに入れ、アルゴンで置換した後、室温で
攪拌しながら、これにメチル メルカプトプロピオネー
ト151μlを加え、一夜激しく攪拌した。有機層を分
離し、水層を酢酸エチルで5回抽出し、抽出液を乾燥
(Na2 SO4 )し、減圧濃縮して油状物を得た。この
ものを乾燥ピリジン8mlに溶かし、ジメチルアミノピ
リジン10mgを加え、アルゴン気流下、攪拌しながら
0℃に冷却し、無水酢酸2mlを加えた。混合物を室温
で5時間攪拌し、減圧濃縮した。残留物を酢酸エチルに
溶かし、水及び食塩水で順次洗浄後、乾燥(Na2 SO
4 )し、減圧濃縮してシロップ状物を得た。このものを
カラムクロマトグラフィー(片山シリカゲル20g、溶
出液;酢酸エチル/トルエン=10/1)により精製し
て、標記目的化合物(化合物35)133mg(収率6
3.4%)を得た。
【0159】 Rf=0.24(酢酸エチル/トルエン=10/1) 〔α〕25 D −1.02°(c=0.90,CHC
3 ) 元素分析値(C3249NO18Sとして): 計算値(%) C,50.06 H,6.43 N,1.82 実測値(%) C,50.21 H,6.66 N,1.76。
【0160】1H−NMR(δppm、CDCl3 ):
6.147(1H,broad ),5.345(1H,d
d,J=1.1,3.4Hz),5.071(1H,d
d,J=7.9,10.5Hz),4.971(1H,
dd,J=3.4,10.5Hz),4.883(1
H,d,J=8.1Hz),4.859(1H,dd,
J=9.2,9.4Hz),4.607(1H,d,J
=7.7Hz),4.458(1H,dd,J=9.
2,9.6Hz),4.137(1H,dd,J=6.
6,11.1Hz),4.087(1H,dd,J=
6.8,11.1Hz),3.940(1H,dt,J
=5.6,10.0Hz),3.884(1H,broad
t,J=6.8Hz),3.705(3H,s),3.
622(1H,ddd,J=3.0,5.8,9.6H
z),3.579(1H,m),3.492(1H,d
d,J=3.0,10.9Hz),3.425(1H,
dd,J=5.8,10.9Hz),3.349(3H
s),3.258(1H,dt,J=9.8,7.8H
z),2.785(2H,broad ),2.621(2
H,t,J=7.2Hz),2.146,2.071,
2.061,2.052,2.033,1.965(6
×3H,各s),1.841(2H,m)。
【0161】FabMass(m/z) 790(M+N
a)+,768(M+H)+,708,590
【0162】
【参考例21】3−(2−カルボメトキシエチルチオ)
プロピル O−(β−D−ガラクトピラノシル)−(1
→3)−2−アセトアミド−2−デオキシ−6−O−メ
チル−β−D−グルコピラノシド(化合物36)の製造 化合物35の512mgを乾燥メタノール26mlに溶
かし、アルゴン気流下、0℃に冷却し、攪拌した後、こ
れに0.5Mナトリウムメトキサイドのメタノール溶液
667μlを加え、0℃で3時間攪拌し、室温で一夜攪
拌を続けた。反応混合物にアンバーリスト(Amberlyst
)1.92gを加え、10分間攪拌後、濾過し、濾液
を減圧下で濃縮し、得られたシロップ状物をカラムクロ
マトグラフィー(セファデックスLH−20、溶出液;
水/メタノール=5/1)により精製して、標記目的化
合物(化合物36)343mg(収率92.4%)を得
た。
【0163】Rf=0.52(クロロホルム/メタノー
ル/水=6/3/0.6) 〔α〕25 D −10.1°(c=1.0,H2 O) 元素分析値(C2239NO13S・H2 Oとして): 計算値(%) C,45.90 H,7.18 N,2.43 実測値(%) C,45.93 H,7.24 N,2.41。
【0164】1H−NMR(δppm、D2 O):4.
545(1H,d,J=8.1Hz),4.434(1
H,d,J=7.7Hz),3.963(1H,dt,
J=5.5,10.3Hz),3.921(1H,d,
J=3.1Hz),3.731(3H,s),3.42
2(3H,s),2.824(2H,broad t,J=
6.5Hz),2.723(2H,broad t,J=6.
6Hz),2.616(2H,m),2.039(3
H,s),1.850(2H,m)。
【0165】FabMass(m/z) 580(M+N
a)+,558(M+H)+,460,396,380
【0166】
【参考例22】3−(2−ヒドラジノカルボニルエチル
チオ)プロピル O−(β−D−ガラクトピラノシル)
−(1→3)−2−アセトアミド−2−デオキシ−6−
O−メチル−β−D−グルコピラノシド(化合物23)
の製造 化合物36の323mgをフラスコに入れ、ヒドラジン
水和物12mlを加え、6時間室温で攪拌した。反応混
合物を減圧濃縮し、セファデックスG−25(230m
l、H2 O)で精製し、更にセファデックスLH−20
(300ml、H2 O/メタノール=6/1)で精製し
て、標記目的化合物(化合物23)279mg(収率8
6.4%)を得た。
【0167】Rf=0.18(CHCl3 /メタノール
/水=6/3/0.6) 〔α〕26 D −10.8°(c=1.0,H2 O) 元素分析値(C21393 12S・5/4H2 Oとして): 計算値(%) C,43.47 H,7.21 N,7.24 実測値(%) C,43.27 H,7.05 N,7.16。
【0168】1H−NMR(δppm、D2 O):4.
524(1H,broad d,J=8.3Hz),4.41
8(1H,d,J=7.4Hz),3.965(1H,
dd,J=5.1,10.3Hz),3.900(1
H,d,J=3.0Hz),3.631(1H,dd,
J=3.4,9.9Hz),3.503(1H,dd,
J=7.5,10.0Hz),3.403(3H,
s),2.798(2H,t,J=7.2Hz),2.
586(2H,broad t,J=6.7Hz),2.49
8(2H,t,J=6.7Hz),2.022(3H,
s),1.829(2H,m)。
【0169】FabMass(m/z) 580(M+N
a)+,558(M+H)+,460,380
【0170】
【参考例23】8−ベンゾイルオキシカルボニルオクチ
ル O−(2,3,4−トリ−O−アセチル−6−O−
ベンジル−β−D−ガラクトピラノシル)−(1→4)
−3−O−アセチル−6−O−ベンジル−2−デオキシ
−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシド(化合
物50)の製造 減圧下、乾燥済のモレキュラーシーブス4A粉末200
mg、トリフルオロメタンスルホン酸銀34.5mg及
び塩化錫(II)25.2mgの混合物に、−25℃下
で、O−(2,3,4−トリ−O−アセチル−6−O−
ベンジル−β−D−ガラクトピラノシル)−(1→4)
−3−O−アセチル−6−O−ベンジル−2−デオキシ
−2−フタルイミド−β−D−ガラクトピラノシル フ
ロライド(化合物39)100mg及びベンジル 9−
ヒドロキシノナノエート(化合物40)36mgのジク
ロロエタン溶液2mlを徐々に加え、−20℃で1時
間、ついで室温で2時間半攪拌しトリエチルアミン0.
3mlを加えて反応を停止させ、セライト濾過した。濾
液を飽和食塩水で洗浄(2回)し、乾燥(MgSO
後、減圧濃縮して、粗生成物を得た。このものをシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;n−ヘキサン
/アセトン=3/1)により精製して、標記目的化合物
(化合物50)115mg(収率89%)を得た。
【0171】 Rf=0.35(n−ヘキサン/アセトン=3/2) 〔α〕24 −5.22°(c=0.81,CHC
3 ) High Resolution −MS(C5867NO18(Na+)と
して): 計算値 1088.4325 実測値 1088.4290。
【0172】 FabMass(m/z) 1064(M-−1)1 H−NMR(200MHz,δppm、CDC
3 ):7.62−7.80(4H,フタル基),7.
20−7.48(15H,ベンジル基),5.69(1
H,dd,J=9.0,10.7Hz,3−H),5.
38(1H,broad d,J=3.2Hz,4′−H),
5.30(1H,d,J=8.5Hz,1−H),5.
11(2H,s,ベンジルエステルのCH2 ),5.0
0(1H,dd,J=7.7,10.3Hz,2′−
H),4.83(1H,dd,J=3.4,10.3H
z,3′−H),4.25−4.74(5H,1′−
H,ベンジルエステルのC 2 ×2),4.21(1
H,dd,J=8.4,10.7Hz,2−H),4.
01(1H,dd,J=9.0,9.6Hz,4−
H),3.31−3.86(6H,5−H,5′−H,
6−H2 ,6′−H2 ),2.26(2H,t,−C
2 −CO−),1.81,1.95,1.95,2.0
0(4×3H,各s,C 3 CO−),0.84−1.
60(12H,−CH2 −)。
【0173】13C−NMR(50MHz,CDCl3
δ):173.4(−COO),168.9,169.
8,169.9,170.0(CH 3 O−×4),1
67.8(フタル基の4級−C),98.1,100.
4(1−C,1′−C),55.0,66.0,66.
9,67.2,67.4,69.4,69.7,71.
2,71.3,71.6,73,4.73.7,74.
6,75.5,24.8,25.7,28.8,28.
9,29.0,29.2,34.2(脂肪酸部分),2
0.5,20.7(3 CO−×4)
【0174】
【参考例24】8−カルボキシオクチル O−(2,
3,4−トリ−O−アセチル−β−D−ガラクトピラノ
シル)−(1→4)−3−O−アセチル−2−デオキシ
−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシド(化合
物51)の製造 化合物50の650mgをメタノール/酢酸(=3/
1)混液に溶かした溶液20mlに乾燥10%パラジウ
ム−炭素130mgを加え、水素添加しながら室温で1
5時間攪拌した。反応液をセライト濾過し、減圧濃縮し
て粗生成物を得た。該粗生成物をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(溶出液;ジクロロメタン/メタノール
=20/1)により精製して、標記目的化合物(化合物
51)431mg(収率89%)を得た。
【0175】Rf=0.43(CH2 Cl2 /メタノー
ル=10/1) 〔α〕24 D +13.0°(c=1.04,CHC
3 ) 元素分析値(C3749NO18として): 計算値(%) C,55.84,H,6.21,N,1.76 実測値(%) C,55.86,H,6.37,N,1.71。
【0176】1H−NMR(200MHz,δppm、
CDCl3 ):7.69−7.94(フタル基),5.
78(1H,dd,J=8.8,10.6Hz,3−
H),5.37(1H,d,J=8.6Hz,1−
H),5.36(1H,broad d,J=2.7Hz,
4′−H),5.16(1H,dd,J=7.4,1
0.4Hz,2′−H),5.04(1H,dd,J=
3.2,10.4Hz,3′−H),4.74(1H,
d,J=7.4Hz,1′−H),4.04−4.23
(2H,2−H,4−H),2.27(2H,t,J=
7.2Hz,−C 2 CO−),1.92,1.98,
2.09,2.15(C 3 CO−×4),0.88−
1.65(12H,−CH2 −)。
【0177】13C−NMR(50MHz,CDCl3
δ):178.7(−COO),169.6,170.
2,170.5,171.0(CH 3 O×4),16
8.0(フタル基の4級−C),123.6,131.
4,134.3(フタル基の芳香族−C),98.1,
100.8(1−C,1′−C),55.0,60.
6,60.9,67.8,69.7,70.2,71.
1,72.0,74.0,74.9,75.3,24.
6,25.7,28.7,28.8,28.9,33.
9(脂肪酸部分),20.6,20.7,20.7(
3 CO−×4)
【0178】
【参考例25】8−カルボメトキシオクチル O−(β
−D−ガラクトピラノシル)−(1→4)−2−アセト
アミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシド(化
合物53)の製造 化合物51の430mgを2%H2 NNH2 /エタノー
ルに溶かし、8時間還流した。反応液を減圧濃縮し、粗
生成物を乾燥メタノール15mlに溶かし、無水酢酸2
mlを0℃で加え、以後室温で15時間攪拌した。反応
液を減圧濃縮後、粗生成物をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(溶出液;CH2 Cl2 /メタノール/H2
O=65/35/10)(下層)により精製して、中間
体化合物(化合物52)(精製1)247mg(収率8
5%)を得た。
【0179】上記中間体化合物52(精製1)をゲル濾
過(セファデックスLH−20、H2 O/メタノール=
3/1)して、化合物52(精製2)160mg(収率
65%)を得た。
【0180】中間体化合物52(精製2)160mgの
メタノール溶液20mlにCH2 2 /ジエチルエーテ
ル溶液20ml(大過剰)を加えて、室温で3時間放置
し、反応液を減圧濃縮し、粗生成物をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(溶出液;CHCl3 /メタノール
/H2 O=7/3/1)(下層)により精製して、目的
化合物(化合物53)(精製1)146mg(収率89
%)を得た。
【0181】該化合物53(精製1)をゲル濾過(セフ
ァデックスLH−20、メタノール/CHCl3 =9/
1)して、化合物53(精製2)120mg(収率82
%)を得た。
【0182】Rf=0.49(CH2 Cl2 /メタノー
ル/水=65/35/10)(下層) 元素分析値(C2443NO13・1/2H2 Oとして): 計算値(%) C,51.24,H,7.88,N,2.49 実測値(%) C,50.94,H,7.83,N,2.68。
【0183】FabMass(m/z) 554(M+
1)1 H−NMR(200MHz,δppm、ピリジン−d
5 +D2 O):5.01−5.12(2H,1−H,
1′−H),3.67(3H,s,−COOC 3 ),
2.32(2H,t,−C 2 CO−),2.18(3
H,s,C 3 CO),1.48−1.70(4H,脂
肪酸部分),1.07−1.40(8H,脂肪酸部分)
【0184】
【参考例26】 (1)8−ヒドラジノカルボニルオクチル O−(β−
D−ガラクトピラノシル)−(1→4)−2−アセトア
ミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシド(化合
物37)の製造 化合物53の540mgをヒドラジンモノ水和物40m
lに溶かし、室温で1時間攪拌した。反応液を減圧留去
後、エタノールで3回共沸した。反応混合物をセファデ
ックスLH−20(600ml、H2 O/メタノール=
4/1)で精製して、標記目的化合物(化合物37)4
30mg(収率80%)を得た。
【0185】Rf=0.26(CH2 Cl2 /メタノー
ル/水=65/35/10)(下層) 〔α〕24 D −12.7°(c=0.99,H2 O) 元素分析値(C23433 12・1/2H2 Oとして): 計算値(%) C,49.10,H,7.88,N,7.47 実測値(%) C,49.11,H,7.82,N,7.56 FabMass(m/z) 554(M+) ビス−O−1,2,3,4−イソプロピリデン−6−O
−メチル−α−D−ガラクトピラノシド(化合物54)
の製造 水素化ナトリウム(60%、油中)9.26gを乾燥D
MF250mlに懸濁させた後、これにビス−O−1,
2,3,4−イソプロピリデン−α−D−ガラクトピラ
ノシド54.7gの乾燥DMF溶液100mlを−10
℃で徐々に加えた。室温で1時間攪拌後、ヨードメタン
14.4mlを−10℃で徐々に加え、室温で8時間攪
拌後、過剰の水素化ナトリウムをつぶした。水にあけて
酢酸エチルで抽出後、飽和食塩水で2回洗浄後、K2
3 で乾燥し、減圧濃縮して粗生成物を得た。該粗生成
物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(600g、
ヘキサン/酢酸エチル=9/2)で精製して、化合物5
4を43.55g(収率84%)得た。尚、原料も5.
5g回収した。
【0186】 Rf=0.52(n−ヘキサン/酢酸エチル=2/1) High Resolution −MS(C13236 )として: 計算値 275.1539 実測値 275.1517 〔α〕23 D −69.3°(c=1.30,CHC
3 1 H−NMR(200MHz,δppm、CDC
3 ):5.50(1H,d,J=5.2Hz,1−
H),4.61(1H,dd,J=2.4,8.0H
z,3−H),4.32(1H,dd,J=2.4,
5.2Hz,2−H),4.24(1H,dd,J=
2.0,8.0Hz,4−H),3.97(1H,m,
5−H),3.49−3.65(2H,6−H2 ),
3.40(3H,s,−OCH3 ),1.33,1.3
5,1.46,1.55(各3H,s,CH3 C=)。
【0187】13C−NMR(50MHz,CDCl3
δ):108.3,109.1(CH 3 =),96.
2(1−C),70.4,70.5,71.1,71.
2(2,3,4,5−C),66.5(6−C),5
9.0(3 O−),24.3,24.8,25.
8,25.9(3 C=)
【0188】
【参考例27】1,2,3,4−テトラ−O−アセチル
−6−O−メチル−D−ガラクトース(化合物55)の
製造 化合物54の43.55gを80%酢酸水溶液に溶か
し、80℃で12時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し
て、粗生成物を得た。該粗生成物を乾燥ピリジン200
mlに溶解後、無水酢酸100mlとDMAP(4−ジ
メチルアミノピリジン)100mgとを加え、室温で一
晩攪拌した。反応液を減圧留去し、酢酸エチルと水に分
配し、有機層を5%HCl水溶液、飽和重曹水及び飽和
食塩水で順次洗浄した。MgSO4 乾燥後、減圧濃縮し
て粗生成物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィ(シリカゲル560g、n−ヘキサン/酢酸エチ
ル=3/2)で精製して、標記目的化合物(化合物5
5)53.0g(収率92.1%)を得た。
【0189】 Rf=0.45(n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1) 元素分析値(C152210として): 計算値(%) C,49.72,H,6.12 実測値(%) C,49.29,H,6.29。
【0190】1H−NMR(200MHz,δppm、
CDCl3 ):3.32(1H,s,−OC 3 ),
3.33(1H,s,−OC 3 ),2.17,2.1
1,2.04,2.00(各3H,s,C 3 CO
−),2.16,2.15,2.02,2.01(各3
H,s,C 3 CO−)。
【0191】
【参考例28】2,3,4−トリ−O−アセチル−6−
O−メチル−D−ガラクトース(化合物56)の製造 化合物55の33.72gを乾燥DMFに溶かした溶液
70mlに、0℃下で酢酸ヒドラジン12.87gを加
え、約10℃で4時間攪拌した。反応液を水にあけて、
酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和重曹水及び飽和食塩
水で順次洗浄した。MgSO4 乾燥後、減圧留去して粗
生成物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィ(SiO2 380g、ヘキサン/酢酸エチル=1/
1)で精製して、標記目的化合物(化合物56)13.
15g(収率44%)を得た。
【0192】 Rf=0.23(ヘキサン/酢酸エチル=1/1) 元素分析値(C18309 ・3/4H2 Oとして): 計算値(%) C,46.78,H,6.49 実測値(%) C,46.81,H,6.30
【0193】
【参考例29】2,3,4−トリ−O−アセチル−6−
O−メチル−β−D−ガラクトピラノシル フルオライ
ド(化合物57β)及び2,3,4−トリ−O−アセチ
ル−6−O−メチル−α−D−ガラクトピラノシル フ
ルオライド(化合物57α)の製造 化合物56の13.0gをジクロロエタンに溶かした溶
液80mlに、−20℃下でDAST6.98mlを加
え、−20℃→0℃で1時間半攪拌した。反応液を冷飽
和重曹水に注ぎ、有機層を飽和食塩水で洗浄した。Mg
SO4 乾燥後、減圧留去して粗生成物を得た。これをシ
リカゲルカラムクロマトグラフィ(SiO2 230g、
ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製して、標記目的
化合物(化合物57β)を92%含有するフラクション
を6.31g及び標記目的化合物(化合物57α)を5
0%含有するフラクションを3.45g得た。
【0194】化合物57β: 〔α〕25 D +11.0°(c=1.01,CHC
3 ) Rf=0.56(ヘキサン/酢酸エチル=1/1) 元素分析値(C1319FO8 として): 計算値(%) C,48.45,H,5.94 実測値(%) C,48.10,H,6.171 H−NMR(200MHz,δppm、CDC
3 ):5.44(1H,m,4−H),5.04(1
H,dd,J=2.4,10.4Hz,3−H),3.
96(1H,m,5−H),3.40−3.62(2
H,6−H3 ),3.35(3H,s,−OCH3 ),
2.00,2.10,2.18(各3H,s,CH3
O−)。
【0195】化合物57α: 〔α〕25 D +93.4°(c=0.95,CHC
3 ) Rf=0.61(ヘキサン/酢酸エチル=1/1) 元素分析値(C1319FO8 として): 計算値(%) C,48.45,H,5.94 実測値(%) C,48.25,H,6.00
【0196】
【参考例30】アリール O−(2,3,4−トリ−O
−アセチル−6−O−メチル−β−D−ガラクトピラノ
シル)−(1→4)−6−O−ベンジル−2−デオキシ
−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシド(化合
物59)及びアリール O−(2,3,4−トリ−O−
アセチル−6−O−メチル−β−D−ガラクトピラノシ
ル)−(1→3)−6−O−ベンジル−2−デオキシ−
2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシド(化合物
60)の製造 減圧下、加熱乾燥したモレキュラーシーブス4A粉末
6.5g、トリフルオロメタンスルホン酸銀1.57g
及び塩化錫(II)1.16gの混合物に、−25℃下
で化合物57βの1.66g及びアリール 6−O−ベ
ンジル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グ
ルコピラノシド(化合物58)2.03gのジクロロエ
タン−トルエン(4/1)混合溶液35mlを徐々に加
え、−25℃で1時間、ついで室温で2時間攪拌した
後、トリエチルアミン0.5mlを加えて反応を停止さ
せ、セライト濾過した。濾液を飽和食塩水で洗浄し、乾
燥(MgSO4 )後、減圧濃縮して、粗生成物を得た。
このものをカラムクロマトグラフィー(溶出液;トルエ
ン/酢酸エチル=4/1→3/1)により精製して、標
記目的化合物(化合物59)1.90g(収率56%)
及び標記目的化合物(化合物60)450mg(収率1
3%)をそれぞれ得た。
【0197】化合物59: Rf=0.62(n−ヘキサン/酢酸エチル=2/3) 〔α〕22 D +9.0°(c=1.04,CHCl3 ) Fabmass(m/z)=748(M+Li)+ 元素分析値(C3743NO15・1/2H2 Oとして): 計算値(%) C,59.19 H,5.91 N,1.87 実測値(%) C,59.32 H,5.97 N,1.98。
【0198】1H−NMR(200MHz,δppm、
CDCl3 ):7.65−7.90(4H,フタル
基),7.30−7.45(5H,ベンジル基),5.
71(1H,m,=CH−),5.34(1H,d,J
=3.4Hz,4′−H),5.20(1H,d,J=
8.8Hz,1−H),5.17(1H,dd,J=
5.2,10.4Hz,2′−H),5.00−5.1
0(2H,CH2 =),4.93(1H,dd,J=
3.4,10.4Hz,3′−H),4.75,4.5
3(各1H,d,J=12.2Hz,ベンジルエーテル
のC 2 ),4.49(1H,d,J=7.8Hz),
4.21(1H,dd,J=8.6,10.8Hz,2
−H),3.21(3H,s,−OCH3 ),1.9
8,2.00,2.12(各3H,s,C 3 CO
−)。
【0199】13C−NMR(50MHz,CDCl3
δ):169.3,170.0,170.2(CH 3
O),168.2(フタルのカルボニル),133.7
(CH2 H−),117.4(2 =CH−),
101.3(1′−C,JCH=162.1Hz),9
7.4(1−C,JCH=166.4Hz),81.7,
74.3,73.7,72.1,71.0,70.0,
69.8,69.7,69.1,68.1,67.3,
59.2(OCH3),56.0,51.7,20.
6,20.6,20.8(3 CO−)。
【0200】化合物60: Rf=0.43(n−ヘキサン/酢酸エチル=2/3) 〔α〕24 D −1.31°(c=0.76,CHC
3 ) 元素分析値(C3743NO15・1/2H2 Oとして): 計算値(%) C,59.19 H,5.91 N,1.87 実測値(%) C,59.32 H,5.82 N,1.96。
【0201】1H−NMR(200MHz,δppm、
CDCl3 ):3.32(1H,s,−OCH3 ),
1.39,1.88,2.12(各3H,s,C 3
O−)。
【0202】13C−NMR(50MHz,CDCl3
δ):133.5(CH2 H−),117.3(
2 =CH−),100.9,97.1(1−C又は
1′−C),82.1,73.5,72.2,71.
0,70.3,70.0,69.7,69.6,68.
8,67.3,54.8,59.3(OCH3 ),2
0.6,20.4,19.7(3 CO−)
【0203】
【参考例31】アリール O−(2,3,4−トリ−O
−アセチル−6−O−メチル−β−D−ガラクトピラノ
シル)−(1→4)−3−O−アセチル−6−O−ベン
ジル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グル
コピラノシド(化合物61)の製造 化合物59の4.19gを乾燥ピリジンに溶解した溶液
30mlに、無水酢酸15ml及びDMAP80mgを
加え、室温で1時間半攪拌した。反応液を減圧留去し、
酢酸エチルで希釈し、飽和重曹水、5%塩酸水溶液及び
飽和食塩水で順次洗浄し、MgSO4 で乾燥し、溶媒を
留去して、粗生成物を得た。このものをシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(SiO2 100g、溶出液;n
−ヘキサン/酢酸エチル=1/1)により精製して、標
記目的化合物(化合物61)4.00g(収率90.3
%)を得た。
【0204】 Rf=0.33(n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1) 〔α〕22 D +17.8°(c=1.16,CHC
3 ) 元素分析値(C3945NO16として): 計算値(%) C,59.77 H,5.79 N,1.79 実測値(%) C,59.59 H,6.05 N,1.78。
【0205】1H−NMR(200MHz,δppm、
CDCl3 ):7.67−7.92(4H,フタル
基),7.30−7.50(5H,ベンジル基),5.
70(1H,dd,J=8.8,10.7Hz,3−
H),5.72(1H,m,CH2 =C−),5.3
7(1H,d,J=8.4Hz,1−H),5.32
(1H,dd,J=1.0,3.4Hz,4′−H),
5.02(1H,dd,J=7.8,10.4Hz,
2′−H),4.83(1H,dd,J=3.4,1
0.4Hz,3′−H),4.80,4.52(各1
H,d,J=12.2Hz),4.47(1H,d,J
=7.8Hz,1′−H),4.26(1H,dd,J
=8.4,10.7Hz,2−H),4.04(1H,
dd,J=8.8,10.2Hz,4−H),3.28
(3H,s,−OCH3 ),1.88,1.96,1.
97,2.11(各3H,s,C 3 CO−)。
【0206】
【参考例32】参考例31と同様にして、適当な出発原
料を用いて以下の化合物を得た。
【0207】アリール O−(2,3,4−トリ−O−
アセチル−6−O−メチル−β−D−ガラクトピラノシ
ル)−(1→3)−4−O−アセチル−6−O−ベンジ
ル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコ
ピラノシド(化合物62) Rf=0.47(n−ヘキサン/酢酸エチル=2/3) 〔α〕24 D +3.24°(c=0.64,CHC
3 ) 元素分析値(C3945NO16として): 計算値(%) C,59.77 H,5.79 N,1.79 実測値(%) C,59.37 H,5.79 N,1.76。
【0208】1H−NMR(200MHz,δppm、
CDCl3 ):5.26(1H,d,J=3.0Hz,
4′−H),5.09(1H,d,J=8.6Hz,1
−H),4.70(1H,dd,J=9.2,10.4
Hz,3−H),4.57(2H,s,ベンジル基のC
2 ),4.30(1H,dd,J=8.6,10.4
Hz,2−H),4.19(1H,d,J=7.8H
z,1′−H),4.57(3H,s,−OCH3 ),
1.84,1.86,1.98,2.11(各3H,
s,C 3 CO−)。
【0209】
【参考例33】O−(2,3,4−トリ−O−アセチル
−6−O−メチル−β−D−ガラクトピラノシル)−
(1→4)−3−O−アセチル−6−O−ベンジル−2
−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノ
シド(化合物63)の製造 イリジウムコンプレックス(〔ビス−(チルジフェニル
ホスフィン)〕(1,5−シクロオクタジエン)イリジ
ウム(I)ヘキサフルオロホスフェート)21.6mg
の乾燥THF溶液5mlを水素で置換して15分間攪拌
し、アルゴンで置換後、これに化合物61の1.009
gを乾燥THFに溶解した溶液15mlを加えて、50
℃で5時間攪拌した。同様に処理したイリジウムコンプ
レックス21.6mgの乾燥THF溶液に反応液を加
え、50℃で4時間攪拌し、更にイリジウムコンプレッ
クス21.6mgを追加して、50℃で4時間攪拌し
た。反応液を減圧留去後、−10℃でヨウ素648mg
を含んだ含水THF25mlを加えて、−10℃→0℃
で30分間攪拌した。反応液に0℃下、飽和チオ硫酸ナ
トリウム水溶液を加えて反応を停止させ、酢酸エチルで
希釈後、飽和重曹水及び飽和食塩水で順次洗浄し、Na
2 SO4 で乾燥後、溶媒を減圧留去して、粗生成物を得
た。このものをシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(SiO2 33g、溶出液;n−ヘキサン/酢酸エチル
=1/1)により精製して、標記目的化合物(化合物6
3)820mg(収率85.6%)を得た。
【0210】 Rf=0.26(n−ヘキサン/酢酸エチル=2/3) 〔α〕22 D +23.3°(c=0.99,CHC
3 ) 元素分析値(C3641NO16・1/2H2 Oとして): 計算値(%) C,57.44 H,5.62 N,1.86 実測値(%) C,57.42 H,5.49 N,1.95。
【0211】1H−NMR(200MHz,δppm、
CDCl3 ):7.65−7.92(フタル基),7.
28−7.48(ベンジル基),5.74(1H,d
d,J=9.0,10.8Hz,3−H),5.57
(1H,d,J=8.6Hz,1−H),5.31(1
H,d,J=3.4Hz,4′−H),5.00(1
H,dd,J=7.8,10.2Hz,2′−H),
4.81(1H,dd,J=3.4,10.2Hz,
3′−H),4.47,4.76(各1H,d,J=1
1.8Hz,ベンジル基のCH2 ),4.42(1H,
d,J=7.8Hz,1′−H),4.18(1H,d
d,J=8.6,10.8Hz,2−H),4.03
(1H,t,J=9.0Hz,4−H),3.28(3
H,s,−OCH3 ),1.88,1.95,1.9
5,2.11(4×3H,各s,C 3 CO−)。
【0212】13C−NMR(50MHz,CDCl3
δ):169.0,170.0,170.1,170.
2(CH 3 O−×4),167.9(フタロイルのカ
ルボニル),123.5,128.2,128.6,1
31.5,134.2,137.6,92.6,10
0.4(1−C,1′−C),56.4,67.5,6
7.6,69.4,70.1,71.1,71.2,7
1.7,73.7,74.5,75.6,59.2(
3 CO−),20.6,20.6,20.6,20.
7(3 CO−×4)
【0213】
【参考例34】O−(2,3,4−トリ−O−アセチル
−6−O−メチル−β−D−ガラクトピラノシル)−
(1→4)−3−O−アセチル−6−O−ベンジル−2
−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノ
シル フロライド(化合物64)の製造 化合物63の3.13gを乾燥EDC(1,2−ジクロ
ロエタン)に溶解した溶液50mlに、−30℃でDA
ST0.724mlを徐々に加え、以後−30℃→−1
0℃で1時間攪拌した。反応液を冷飽和重曹水にあけ
て、CH2 Cl2抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄
後、Na2 SO4 で乾燥し、減圧留去して、粗生成物を
得た。このものをシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(SiO2 65g、溶出液;n−ヘキサン/酢酸エチル
=5/4)により精製して、標記目的化合物(化合物6
4)2.84g(収率90.5%)を得た。
【0214】 Rf=0.51(n−ヘキサン/酢酸エチル=1/2) 〔α〕24 D +24.2°(c=0.57,CHC
3 ) 元素分析値(C3340FNO15として): 計算値(%) C,57.98 H,5.41 N,1.88 実測値(%) C,57.41 H,5.36 N,1.83。
【0215】1H−NMR(200MHz,δppm、
CDCl3 ):7.78−7.92(4H,フタル
基),7.28−7.49(5H,ベンジル基),6.
07(1H,dd,J=7.8,53.0Hz,1−
H),5.73(1H,dd,J=9.0,10.6H
z,3−H),5.32(1H,d,J=3.4Hz,
4′−H),5.01(1H,dd,J=7.8,1
0.2Hz,2′−H),4.82(1H,dd,J=
3.4,10.2Hz,3′−H),4.51,4.8
0(各1H,d,J=11.8Hz,ベンジル基のCH
2 ),4.47(1H,d,J=7.8Hz,1′−
H),4.35(1H,m,2−H),4.13(1
H,dd,J=9.0,9.6Hz,4−H),3.2
8(3H,s,−OCH3 ),1.90,1.96,
1.96,2.11(4×3H,各s,C 3 CO−×
4)。
【0216】13C−NMR(50MHz,CDCl3
δ):169.0,169.88,170.02,17
0.17(CH 3 O−×4),167.6(フタロイ
ルのカルボニル),123.7,128.2,128.
7,131.5,134.4,137.6,104.4
(J=213.75Hz,1−C),100.5(1′
−C),55.0(J=23.25Hz),67.0,
67.5,69.4,70.1,70.4(J=10.
6Hz),71.2,71.8,73.9,74.6
(J=4.95Hz),74.8,59.2(3
−),20.49,20.59,20.67,20.7
7(3 CO−×4)
【0217】
【参考例35】8−ベンジルオキシカルボニルオクチル
O−(2,3,4−トリ−O−アセチル−6−O−メ
チル−β−D−ガラクトピラノシル)−(1→4)−3
−O−アセチル−6−O−ベンジル−2−デオキシ−2
−フタルイミド−β−D−グルコピラノシド(化合物6
5)の製造 乾燥済(160℃、減圧、4時間)のモレキュラーシー
ブス4A粉末7.1gに、トリフルオロメタンスルホン
酸銀(AgOTf)1.053g及び塩化錫(Sn(I
I)Cl2 )778mgを加えた後、−30℃でベンジ
ル 9−ヒドロキシノナノエート(化合物40)1.1
8g及び化合物64の4.10mMの乾燥EDC溶液7
0mlを加えた。以後、−30℃→−10℃で30分
間、室温で3時間攪拌した。化合物64が完全に消失し
ないために、化合物40の0.18gの乾燥EDC溶液
2mlとAgOTf0.16gを−10℃で追加し、更
に室温で1時間攪拌した。一夜放置後、0℃でトリエチ
ルアミン5mlを加え、セライト濾過した。濾液をCH
2 Cl2 で希釈後、飽和食塩水で2回洗浄し、乾燥(M
gSO4 )後、減圧留去して、粗生成物を得た。このも
のをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO2
00g、溶出液;n−ヘキサン/酢酸エチル=4/3)
により精製して、標記目的化合物(化合物65)3.1
5g(収率85.4%)を得た。
【0218】 Rf=0.46(n−ヘキサン/酢酸エチル=4/5) 〔α〕22 D +2.77°(c=0.82,CHC
3 ) High Resolution −MS(C5263NO18(Na)+
して): 計算値 1012.4079 実測値 1012.4010。
【0219】1H−NMR(200MHz,δppm、
CDCl3 ):7.62−7.91(4H,フタル
基),7.25−7.49(10H,ベンジル基×
2),5.70(1H,dd,J=8.8,10.8H
z,3−H),5.30(1H,d,J=8.5Hz,
1−H),5.32(1H,d,J=3.4Hz,4′
−H),5.10(2H,s,ベンジルエステル),
5.02(1H,dd,J=7.8,10.4Hz,
2′−H),4.82(1H,dd,J=3.4,1
0.4Hz,3′−H),4.50,4.80(各1
H,d,J=12.0Hz,ベンジル基のCH2 ),
4.47(1H,d,J=7.8Hz,1′−H),
4.22(1H,dd,J=8.5,10.8Hz,2
−H),4.03(1H,dd,J=8.8,9.3H
z,4−H),3.27(3H,s,−OCH3 ),
2.28(2H,t,−CH2 COO−),0.88−
1.72(12H)。
【0220】13C−NMR(50MHz,CDCl3
δ):169.0,170.04,170.08,17
0.2(CH 3 O−×5),168.0(フタロイル
のカルボニル),123.5,128.1,128.
2,128.6,134.2,136.2,138.
0,100.6(1−C),98.2(1′−C),5
5.1,66.1,67.5,69.5,69.9,7
0.0,71.3,71.4,71.8,73.8,7
4.8,75.8,59.3(3 O−),24.
9,25.8,29.0,29.1,29.3,34.
29,34.34,20.6,20.6,20.7,2
0.8(C 3 CO−×4)
【0221】
【参考例36】8−カルボキシオクチル O−(2,
3,4−トリ−O−アセチル−6−O−メチル−β−D
−ガラクトピラノシル)−(1→4)−3−O−アセチ
ル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコ
ピラノシド(化合物66)の製造 化合物65の3.0gのメタノール51ml−酢酸17
ml混合溶液に乾燥10%パラジウム−炭素600mg
を加えて、水素を添加しながら室温で5時間攪拌した。
反応液をセライト濾過し、更に乾燥10%パラジウム−
炭素150mgを加えて、水素添加しながら室温で一夜
間攪拌し、反応液をセライト濾過し、濾液を減圧留去し
て、粗生成物を得た。このものをシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(SiO2 100g(1回目)及び60
g(2回目)、溶出液;CH2 Cl2 /メタノール=3
0/1(1回目)及びトルエン/アセトン=3/1(2
回目))により精製して、標記目的化合物(化合物6
6)2.35g(収率95.8%)を得た。
【0222】 Rf=0.46(トルエン/アセトン=3/2) 〔α〕24 D +4.35°(c=0.76,CHC
3 ) 元素分析値(C3851NO18として): 計算値(%) C,56.36 H,6.35 N,1.73 実測値(%) C,56.38 H,6.79 N,1.74。
【0223】1H−NMR(200MHz,δppm、
CDCl3 ):7.68−7.95(4H,フタル
基),5.76(1H,dd,J=9.2,10.6H
z,3−H),5.37(1H,d,J=7.2Hz,
1−H),5.36(1H,d,J=3.4Hz,4′
−H),5.13(1H,dd,J=7.6,10.4
Hz,2′−H),5.00(1H,dd,J=3.
4,10.4Hz,3′−H),4.67(1H,d,
J=7.6Hz,1′−H),4.16(1H,dd,
J=8.6,10.6Hz,2−H),3.27(3
H,s,−OCH3 ),2.67(2H,t,J=7.
6Hz,−CH2 COO−),1.91,1.97,
2.09,2.14(CH3 CO−×4),0.88−
1.70(12H)。
【0224】13C−NMR(50MHz,CDCl3
δ):169.4,170.0,170.1,170.
3(O−×5),167.8(フタロイルのカルボニ
ル),123.6,134.2,98.1(1′−
C),101.1(1−C),55.1,60.7,6
7.6,69.6,70.2,71.2,71.7,7
2.0,74.9,75.8,59.3(3
−),24.6,25.7,28.8,28.87,2
8.98,29.2,33.9,20.6,20.6,
20.7,20.8(C 3 CO−×4)
【0225】
【参考例37】8−カルボメトキシオクチル O−(6
−O−メチル−β−D−ガラクトピラノシル)−(1→
4)−2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グル
コピラノシド(化合物67)の製造 化合物66の1.75gを2%ヒドラジン−エタノール
溶液100mlに溶解して6時間加熱還流し、反応液を
減圧留去した後、反応混合物を乾燥メタノール40ml
に溶解させて、0℃下無水酢酸4mlを加えた。室温で
一昼夜攪拌後、反応液を減圧留去して、粗生成物を得
た。このものをシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(SiO2 60g、溶出液;CH2 Cl2 /メタノール
/H2 O=7/3/1(下層))により精製した後、メ
タノール40mlに溶解させ、CH22 /ジエチルエ
ーテル35mlを加えて2時間放置し、反応液を減圧留
去して、粗生成物を得た。このものをセファデックスL
H−20(300ml、溶出液;メタノール/H2 O=
1/6)で精製して、標記目的化合物(化合物67)7
03mg(収率57.3%)を得た。
【0226】Rf=0.32(CH2 Cl2 /メタノー
ル/H2 O=7/3/1(下層) 〔α〕24 D −12.6°(c=0.52,H2 O) 元素分析値(C2545NO13・H2 Oとして): 計算値(%) C,51.27 H,8.09 N,2.39 実測値(%) C,51.37 H,7.69 N,2.58。
【0227】1H−NMR(200MHz,δppm、
DMSO−d6 ):7.78(1H,d,J=8.2H
z,−NOCCH3 ),4.30(1H,d,J=
7.2Hz,1又は1′−H),4.23(1H,d,
J=6.0Hz,1又は1′−H),3.57(3H,
s,−COCH3 ),3.23(3H,s,−OC
3 ),2.28(2H,t,J=7.2Hz,−CH
2 COO−),1.78(3H,s,CH3 CO−),
1.12−1.62(12H)。
【0228】13C−NMR(50MHz,DMSO−d
6 ,δ):169.1,173.7(−OOH,−N
OCH3 ),101.1,104.1(1−C,
1′−C),55.0,60.6,68.6,68.
7,70.6,71.9,72.3,73.1,73.
4,75.2,81.5,58.6(CH3 O−),5
1.5,23.2,24.7,25.6,28.7,2
8.9,29.0,29.2,33.5
【0229】
【参考例38】8−ヒドラジノカルボオクチル O−
(6−O−メチル−β−D−ガラクトピラノシル)−
(1→4)−2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D
−グルコピラノシド(化合物38)の製造 化合物67の955mgにヒドラジンモノ水和物30m
lを加えて完全に溶解させた後、室温で2時間攪拌し
た。反応液を減圧留去した後、エタノールで4回共沸さ
せて、粗生成物を得た。このものをセファデックスLH
−20(600ml、溶出液;メタノール/H2 O=1
/4)により精製して、標記目的化合物(化合物38)
868mg(収率90.9%)を得た。
【0230】Rf=0.48(CH2 Cl2 /メタノー
ル/H2 O=65/35/10) 〔α〕24 D −13.5°(c=1.10,H2 O) 元素分析値(C24453 12として): 計算値(%) C,49.22 H,8.09 N,7.17 実測値(%) C,49.34 H,8.45 N,7.20。
【0231】1H−NMR(200MHz,δppm、
DMSO−d6 ):8.94(1H),7.77(1
H,d,J=8.2Hz,−NCOCH3 ),4.3
0(1H,d,J=7.8Hz,1−H又は1′−
H),4.23(1H,1−H又は1′−H),3.2
4(3H,s,−OCH3 ),2.00(2H,t,J
=7.2Hz,−CH2 COO−),1.79(3H,
s,CH3 CO−),1.10−1.60(12H)。
【0232】13C−NMR(50MHz,DMSO−d
6 ,δ):171.8,169.0(−NHNH2
−CH 3 O−),104.0,101.1(1−C,
1′−C),55.0,60.6,68.7,70.
7,71.8,72.3,73.2,73.3,75.
1,81.5,58.5(CH3 O−),23.2,2
5.4,25.5,28.81,28.86,29.0
0,29.20,33.7
【0233】
【参考例39】アリール O−(2,3,4−トリ−O
−アセチル−6−O−ベンジル−β−D−ガラクトピラ
ノシル)−(1→4)−3−O−〔2−(トリメチルシ
リル)エトキシメチル〕−6−O−ベンジル−2−デオ
キシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシド
(化合物69)の製造 アリール O−(2,3,4−トリ−O−アセチル−6
−O−ベンジル−β−D−ガラクトピラノシル)−(1
→4)−6−O−ベンジル−2−デオキシ−2−フタル
イミド−β−D−グルコピラノシド(化合物68)の
1.0gを乾燥EDCに溶解した溶液20mlに、N,
N−ジイソプロピルエチルアミン1.2ml及び2−
(トリメチルシリル)エトキシメチルクロライド650
μlを加えて、24時間加熱還流し、途中でN,N−ジ
イソプロピルエチルアミン0.6ml及び2−(トリメ
チルシリル)エトキシメチルクロライド320μlを追
加した。反応液を水にあけて、CH2 Cl2 抽出し、飽
和食塩水で洗浄後、MgSO4で乾燥し、減圧留去し
て、粗生成物を得た。このものをシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(SiO2 35g、溶出液;ヘキサン/
酢酸エチル=5/2)により精製して、標記目的化合物
(化合物69)1.10g(収率94.9%)を得た。
【0234】 Rf=0.44(n−ヘキサン/酢酸メチル=2/3) 〔α〕23 D +19.7°(c=1.00,CHC
3 ) 元素分析値(C4961NO16Siとして): 計算値(%) C,62.08 H,6.48 N,1.48 実測値(%) C,61.82 H,6.39 N,1.46。
【0235】1H−NMR(200MHz,δppm、
CDCl3 ):7.67−8.92(4H,フタル
基),7.21−7.43(10H,ベンジル×2),
5.71(1H,m,CH2 =CCH2 −),5.4
0(1H,dd,J=0.8,3.4Hz,4′−
H),5.16(1H,d,J=8.4Hz,1−
H),5.04(1H,dd,J=7.8,10.4H
z,2′−H),4.84(1H,dd,J=3.4,
10.4Hz,3′−H),4.78,4.50(1H
×2,各d,J=12.0Hz,ベンジル基のC
2 ),4.55,4.40(1H×2,各d,J=1
2.0Hz,ベンジル基のCH2 ),4.74,4.5
2(1H×2,各d,J=7.3Hz,−OCH2
−),4.53(1H,d,J=7.8Hz,1′−
H),4.42(1H,dd,J=8.4,10.8H
z,3−H),4.21(1H,dd,J=8.4,1
0.8Hz,2−H),3.92(1H,dd,J=
8.3,9.8Hz,4−H),3.35−3.79
(6H,5−H,5′−H,6−H2 ,6′−H2 ),
3.04(2H,m,−CH2 2 O−),1.9
6,1.97,2.01(3H,各s,CH3 CO×
3),−0.02,0.34(1H,各m,SiC 2
CH2 O−),−0.26(9H,s,(CH3 3
i)。
【0236】
【参考例40】アリール O−(6−O−ベンジル−β
−D−ガラクトピラノシル)−(1→4)−3−O−
〔2−(トリメチルシリル)エトキシメチル〕−6−O
−ベンジル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D
−グルコピラノシド(化合物70)の製造 化合物69の1.10gにメタノール20ml及び0.
5M ナトリウムメトキシド/メタノール465μlを
加えて室温で1時間攪拌した。アンバーリスト15で中
和後、濾過し、減圧留去して、粗生成物を得た。このも
のをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(27g、溶
出液;CH2 Cl2 /メタノール=30/1)により精
製して、標記目的化合物(化合物70)907mg(収
率95.1%)を得た。
【0237】Rf=0.24(CH2 Cl2 /メタノー
ル=30/1) 〔α〕23 D +57.8°(c=1.02,CHC
3 ) 元素分析値(C4355NO13Si・H2 Oとして): 計算値(%) C,62.15 H,6.79 N,1.69 実測値(%) C,61.96 H,6.73 N,1.63。
【0238】1H−NMR(200MHz,δppm、
CDCl3 ):7.64−7.93(4H,フタル
基),7.20−7.42(10H,ベンジル×2),
5.72(1H,m,CH2 =CCH2 −),5.1
9(1H,d,J=8.4Hz,1−H),4.80,
4.62(1H×2,各d,J=7.8Hz,−OCH
2 O−),4.74,4.60(1H×2,各d,J=
12.2Hz,ベンジル基のCH2 ),4.53(2
H,s,ベンジル基のCH2 ),4.51(1H,d
d,J=8.5,10.4Hz,3−H),4.46
(1H,d,J=7.4Hz,1′−H),4.23
(1H,dd,J=8.4,10.4Hz,2−H),
3.03(2H,m,−CH2 2 OCH2 −),−
0.06,0.33(1H×2,各m,SiCH
2 −),−0.27(9H,s,(CH3 3 Si
−)。
【0239】
【参考例41】アリール O−(3,4−O−シクロペ
ンチリデン−6−O−ベンジル−β−D−ガラクトピラ
ノシル)−(1→4)−3−O−〔2−(トリメチルシ
リル)エトキシメチル〕−6−O−ベンジル−2−デオ
キシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシド
(化合物71)の製造 化合物70の777mg及び1,1−ジメトキシシクロ
ペンタン616mgを乾燥DMF15mlに溶かし、p
−トルエンスルホン酸1水和物(p−TsOH・H
2 O)約40mgを加えて室温で15時間攪拌した。反
応液を飽和重曹水にあけて、酢酸エチル値で抽出し、飽
和食塩水で洗浄(2回)し、Na2 SO4 で乾燥し、減
圧留去して、粗生成物を得た。このものをシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(30g、溶出液;n−ヘキサ
ン/酢酸エチル=2/1)により精製して、標記目的化
合物(化合物71)821mg(収率97.8%)を得
た。
【0240】 Rf=0.33(n−ヘキサン/酢酸エチル=3/2) 〔α〕23 D +56.1°(c=0.90,CHC
3 ) 元素分析値(C4861NO13Siとして): 計算値(%) C,64.92 H,6.92 N,1.58 実測値(%) C,64.84 H,7.08 N,1.581 H−NMR(200MHz,δppm、CDC
3 ):7.67−7.93(4H,フタル基),7.
21−7.44(10H,ベンジル×2),5.71
(1H,m,CH2 =CCH2 −),5.14(1
H,d,J=8.4Hz,1−H),4.76,4.6
6(1H×2,各d,J=7.6Hz,−OCH2
−),4.74,4.61(1H×2,各d,J=1
2.2Hz,ベンジル基のCH2 ),4.62,4.4
8(1H×2,各d,J=12.0Hz,ベンジル基の
CH2 ),4.50(1H,dd,J=8.7,10.
4Hz,3−H),4.41(1H,d,J=8.2H
z,1′−H),4.22(1H,dd,J=8.4,
10.4Hz,2−H),3.03(2H,m,SiC
2 2 O−),1.49−2.99(8H,シクロ
ペンチル環H),−0.07,0.32(1H×2,各
m,SiC 2 CH2 O−),−0.26(9H,s,
(CH3 3 Si−)。
【0241】
【参考例42】アリール O−(2,3,4−トリ−O
−ベンジル−α−L−フコピラノシル)−(1→2)−
O−(3,4−O−シクロペンチリデン−6−O−ベン
ジル−β−D−ガラクトピラノシル)−(1→4)−3
−O−〔2−(トリメチルシリル)エトキシメチル〕−
6−O−ベンジル−2−デオキシ−2−フタルイミド−
β−D−グルコピラノシド(化合物73)の製造 乾燥済(0.1mmHg、160℃、3時間)のモレキ
ュラーシーブス4A粉末6.5g及びメチル 2,3,
4−トリ−O−ベンジル−1−チオ−β−L−フコピラ
ノシド(化合物72)の1.06gに化合物71の81
4mgの乾燥ジエチルエーテル溶液30mlを加えて室
温で30分間攪拌した。−10℃で反応液にメチルトリ
フルオロメタンスルホネート519μlを加え、以後0
℃で3時間攪拌し、途中で化合物72の0.25g及び
メチルトリフルオロメタンスルホネート260μlを追
加した。0℃で反応液にトリエチルアミン5.0mlを
加えて反応を停止させ、セライト濾過し、酢酸エチルで
抽出し、飽和食塩水で洗浄し、Na2 SO4 で乾燥し、
減圧留去して、粗生成物を得た。このものをシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(100g、溶出液;トルエ
ン/酢酸エチル=15/1)により精製して、標記目的
化合物(化合物73)909mg(収率76.0%)を
得た。
【0242】 Rf=0.54(トルエン/酢酸エチル=6/1) 〔α〕24 D −14.4°(c=1.11,CHC
3 ) 元素分析値(C7589NO17Siとして): 計算値(%) C,69.05 H,6.88 N,1.07 実測値(%) C,68.99 H,6.71 N,1.17。
【0243】1H−NMR(200MHz,δppm、
CDCl3 ):7.61−7.89(4H,フタル
基),7.11−7.46(25H,ベンジル×5),
5.68(1H,m,CH2 =CCH2 −),5.5
0(1H,d,J=3.7Hz,1″−H),5.11
(1H,d,J=8.0Hz,1−H),2.98(2
H,m,−CH2 2 −OCH2 ),1.43−1.
97((8H,シクロペンチル環H),1.14(3
H,d,J=6.4Hz,5″−CH3 ),−0.0
6,0.33(1H×2,各m,SiCH2 −),−
0.35(9H,s,(CH3 3 Si−)。
【0244】13C−NMR(50MHZ、CDCl3
δppm):95.4(JCH=172.2Hz),9
7.5(JCH=156,4Hz)、100.7(JCH
153.4Hz)。
【0245】
【参考例43】アリール O−(2,3,4−トリ−O
−ベンジル−α−L−フコピラノシル)−(1→2)−
O−(6−O−ベンジル−β−D−ガラクトピラノシ
ル)−(1→4)−6−O−ベンジル−2−デオキシ−
2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシド(化合物
74)の製造 化合物73の854mgをTHFに溶かした溶液12m
lに、0℃で60%トリフルオロ酢酸水溶液6mlを加
えて、以後40℃で4時間攪拌した。反応液を飽和重曹
水にあけて、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄
し、MgSO4 で乾燥し、減圧留去して、粗生成物を得
た。このものをシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(25g、溶出液;ヘキサン/酢酸エチル=1/1)に
より精製して、標記目的化合物(化合物74)645m
g(収率88.9%)を得た。
【0246】 Rf=0.43(ヘキサン/酢酸エチル=2/3) 〔α〕25 D −37.3°(c=1.15,CHC
3 ) 元素分析値(C6469NO16・1/2H2 Oとして): 計算値(%) C,68.80 H,6.32 N,1.25 実測値(%) C,68.76 H,6.19 N,1.22。
【0247】1H−NMR(200MHz,δppm、
CDCl3 ):7.61−7.90(4H,フタル
基),7.12−7.48(25H,ベンジル×5),
5.73(1H,m,CH2 =CCH2 −),1.1
0(3H,d,J=6.4Hz,5″−CH3 )。
【0248】
【参考例44】アリール O−(2,3,4−トリ−O
−ベンジル−α−L−フコピラノシル)−(1→2)−
O−(3,4−ジ−O−アセチル−6−O−ベンジル−
β−D−ガラクトピラノシル)−(1→4)−3−O−
アセチル−6−O−ベンジル−2−デオキシ−2−フタ
ルイミド−β−D−グルコピラノシド(化合物75)の
製造 化合物74の654mgをピリジンに溶かした溶液12
mlに、無水酢酸6ml及びDMAP30mgを加え
て、室温で2時間攪拌した。反応液を減圧留去後、水に
あけて酢酸エチルで抽出し、次いで飽和重曹水及び飽和
食塩水で順次洗浄し、Na2 SO4 で乾燥し、減圧留去
して、粗生成物を得た。このものをシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(25g、溶出液;n−ヘキサン/酢
酸エチル=2/1→3/2)により精製して、標記目的
化合物(化合物75)674mg(収率92.5%)を
得た。
【0249】 Rf=0.44(n−ヘキサン/酢酸エチル=3/2) 〔α〕25 D −41.1°(c=1.22,CHC
3 ) 元素分析値(C7075NO19として): 計算値(%) C,68.11 H,6.12 N,1.13 実測値(%) C,67.61 H,5.84 N,1.15。
【0250】1H−NMR(200MHz,δppm、
CDCl3 ):7.65−7.91(4H,フタル
基),7.18−7.46(25H,ベンジル×5),
5.70(1H,m,CH2 =CCH2 −),5.6
6(1H,dd,J=9.2,10.8Hz,3−
H),5.31(1H,d,J=7.8Hz,1−
H),5.32(1H,d,J=4.0Hz,4′−
H),5.24(1H,d,J=3.6Hz,1″−
H),4.88(1H,dd,J=3.5,10.0H
z,3′−H),4.29(1H,dd,J=8.4,
10.8Hz,2−H),1.80,1.82,1.9
1(3H×3,各s,CH3 CO−),1.25(3
H,d,J=6.4Hz,5″−CH3 )。
【0251】13C−NMR(50MHz、CDCl3 ) 169.7,170.0,170.0(CH 3 O−×
3),97.2,97.4,100.4(1,1′,
1″−C),54.7,67.0,67.2,67.
6,67.8,69.9,70.6,71.4,72.
2,72.6,73.0,73.3,73.5,73.
6,73.7,74.8,75.0,77.9,79.
0,20.5,20.8(3 CO−×3),16.
4(5″−CH3 )
【0252】
【参考例45】O−(2,3,4−トリ−O−ベンジル
−α−L−フコピラノシル)−(1→2)−O−(3,
4−ジ−O−アセチル−6−O−ベンジル−β−D−ガ
ラクトピラノシル)−(1→4)−3−O−アセチル−
6−O−ベンジル−2−デオキシ−2−フタルイミド−
β−D−グルコピラノース(化合物76)の製造 イリジウムコンプレックス23mgの乾燥THF溶液5
mlをH2 で置換して10分間攪拌した。溶液の色は赤
から無色透明に変わった。アルゴンで置換後、化合物7
5の674mgを乾燥THFに溶かした溶液13mlを
加えて、室温で3時間攪拌し、反応液を減圧留去後、−
10℃でヨウ素277mgを含む含水THF20ml
(水4ml−THF16ml)を加えて、−10〜0℃
で1時間攪拌した。反応液を0℃下、飽和チオ硫酸ナト
リウム水溶液を加え、酢酸エチルで希釈後、飽和重曹水
及び飽和食塩水で順次洗浄し、Na2 SO4 で乾燥し、
減圧留去して、粗生成物を得た。このものをシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(35g、溶出液;n−ヘキ
サン/酢酸エチル=2/1)により精製して、標記目的
化合物(化合物76)578mg(収率88.6%)を
得た。
【0253】 Rf=0.41(n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1) 〔α〕25 D −29.7°(c=1.10,CHC
3 ) 元素分析値(C6771NO19・1/2H2 Oとして): 計算値(%) C,66.88 H,6.03 N,1.16 実測値(%) C,66.92 H,5.88 N,1.20。
【0254】1H−NMR(200MHz,δppm、
CDCl3 ):7.62−7.92(4H,フタル
基),7.16−7.44(25H,ベンジル×5),
5.72(1H,dd,J=9.2,10.8Hz,3
−H),5.49(1H,dd,J=8.2,8.2H
z,1−H),5.31(1H,d,J=3.4Hz,
4′−H),5.23(1H,d,J=3.6Hz,
1″−H),4.84(1H,dd,J=3.4,1
0.0Hz,3′−H),1.80,1.82,1.9
1(3H×3,各s,CH3 CO−),1.23(3
H,d,J=6.4Hz,5″−CH3 )。
【0255】13C−NMR(50MHz、CDCl3 ) 169.7,169.9,170.0(CH 3 O−×
3),167.9(フタル基),92.8,97.2,
100.3(1,1′,1″−C),67.0,67.
3,67.6,67.8,70.4,71.3,72.
2,72.5,73.0,73.3,73.4,73.
5,74.8,74.9,78.9,56.3,20.
48,20.53,20.7(3 CO−×3),1
6.4(5″−CH3
【0256】
【参考例46】O−(2,3,4−トリ−O−ベンジル
−α−L−フコピラノシル)−(1→2)−O−(3,
4−ジ−O−アセチル−6−O−ベンジル−β−D−ガ
ラクトピラノシル)−(1→4)−3−O−アセチル−
6−O−ベンジル−2−デオキシ−2−フタルイミド−
β−D−グルコピラノシル フロライド(化合物77)
の製造 化合物76の631mgを乾燥EDCに溶解した溶液8
mlに、−30℃でDAST91μlを加え、以後−1
0℃で1時間攪拌した。反応液を冷飽和重曹水にあけ
て、CH2 Cl2 で抽出し、飽和食塩水で洗浄し、Na
2 SO4 で乾燥し、減圧留去して、粗生成物を得た。こ
のものをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(33
g、溶出液;n−ヘキサン/酢酸エチル=2/1)によ
り精製して、標記目的化合物(化合物77)585mg
(収率92.6%)を得た。
【0257】 Rf=0.54(n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1) 〔α〕24 D −30.5°(c=1.00,CHC
3 ) High Resolution −MS(C6770FNO18(Li)+
として): 計算値 1202.4750 実測値 1202.4740。
【0258】1H−NMR(200MHz,δppm、
CDCl3 ):7.65−7.93(4H,フタル
基),7.18−7.48(25H,ベンジル×5),
6.00(1H,dd,J=7.8,52.8Hz,1
−H),5.68(1H,dd,J=9.3,10.7
Hz,3−H),5.32(1H,d,J=3.4H
z,4′−H),5.23(1H,d,J=3.6H
z,1″−H),4.87(1H,dd,J=3.4,
10.0Hz,3′−H),1.81,1.83,1.
91(3H×3,各s,CH3 CO−),1.22(3
H,d,J=6.4Hz,5″−CH3 )。
【0259】
【参考例47】8−ベンジルオキシカルボオクチル O
−(2,3,4−トリ−O−ベンジル−α−L−フコピ
ラノシル)−(1→2)−O−(3,4−ジ−O−アセ
チル−6−O−ベンジル−β−D−ガラクトピラノシ
ル)−(1→4)−3−O−アセチル−6−O−ベンジ
ル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコ
ピラノシド(化合物78)の製造 乾燥済(0.1mmHg、160℃、3時間)のモレキ
ュラーシーブス4A粉末2.0gにAgOTf149m
g及びSnCl2 110mgを加えた後、−15℃で化
合物77の578mg及び化合物40の166mgを乾
燥EDCに溶かした溶液15mlを加えた。以後−15
〜−10℃で30分間、室温で3時間攪拌した。途中で
化合物40の28mgを追加した。0℃下トリエチルア
ミン1mlを反応液に加え、セライト濾過した。濾液を
CH2 Cl2 で希釈後、飽和食塩水で2回洗浄し、Na
2 SO4 で乾燥し、減圧留去して、粗生成物を得た。こ
のものをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(42
g、溶出液;n−ヘキサン/酢酸エチル=7:3→2:
1)により精製して、標記目的化合物(化合物78)6
26mg(収率89.9%)を得た。
【0260】 Rf=0.45(n−ヘキサン/酢酸エチル=2/1) 〔α〕24 D −40.7°(c=1.15,CHC
3 ) High Resolution −MS(C8393NO21(Li)+
して): 計算値 1446.6542 実測値 1446.6470。
【0261】1H−NMR(200MHz,δppm、
CDCl3 ):7.62−7.90(4H,フタル
基),7.18−7.45(30H,ベンジル),5.
66(1H,dd,J=9.4,10.6Hz,3−
H),5.33(1H,d,J=3.4Hz,4′−
H),5.26(1H,d,J=8.8Hz,1−
H),5.25(1H,d,J=2.9Hz,1″−
H),5.11(2H,s,CO2 2 −),4.8
8(1H,dd,J=3.4,10.0Hz,3′−
H),2.27(2H,t,J=7.5Hz,−C 2
−CO2 −),1.80,1.83,1.92(3H×
3,各s,CH3 CO−),1.26(3H,d,J=
6.6Hz,5″−CH3 ),0.88−1.68(1
2H,−CH2 −×6)。
【0262】13C−NMR(50MHz、CDCl3 ) 173.5(−OOBn),169.7,170.
0,170.0(CH 3 O−×3),167.8(フ
タロイルのカルボニル),97.2,98.3,10
0.4(1,1′,1″−C),54.7,66.0,
67.0,67.2,67.8,69.8,70.7,
71.4,72.1,72.6,73.0,73.3,
73.5,73.7,73.8,74.8,75.1,
77.9,79.0,24.8,25.8,28.8
7,28.92,29.0,29.2,34.2,3
4.3,20.5,20.6,20.8(3 CO−
×3),16.5(5″−CH3
【0263】
【参考例48】8−カルボキシオクチル O−(α−L
−フコピラノシル)−(1→2)−O−(3,4−ジ−
O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシル)−(1→
4)−3−O−アセチル−2−デオキシ−2−フタルイ
ミド−β−D−グルコピラノシド(化合物79)の製造 化合物78の625mgをメタノール10ml−酢酸5
ml混合溶媒に溶かし、これに10%パラジウム−炭素
125mgをメタノール5mlにまぶして加えた。水素
を添加しながら一昼夜室温で攪拌し、反応液をセライト
濾過後、減圧留去して、粗生成物を得た。このものをシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(30g、溶出液;
クロロホルム/メタノール/H2 O=10/3/1)に
より精製して、標記目的化合物(化合物79)284m
g(収率72.7%)を得た。
【0264】Rf=0.49(ジクロロメタン/メタノ
ール/H2 O=7/3/1(下層) 〔α〕24 D −49.3°(c=0.97,メタノー
ル) 元素分析値(C4157NO21・H2 Oとして): 計算値(%) C,53.65 H,6.48 N,1.53 実測値(%) C,53.46 H,6.49 N,1.55。
【0265】1H−NMR(200MHz,δppm、
DMSO−d6 ):7.83−8.02(4H,フタル
基),5.58(1H,dd,J=9.2,10.6H
z,3′−H),5.24(1H,d,J=3.2H
z,4′−H),5.17(1H,d,J=8.2H
z,1−H),4.96(1H,dd,J=3.2,1
0.2Hz,3′−H),4.77(1H,d,J=
3.2Hz,1″−H),4.58(1H,d,J=
7.6Hz,1′−H),2.10(2H,t,J=
7.4Hz,−C 2 COOH),1.84,1.9
2,2.04(3H×3,各s,CH3 CO−×3),
1.21−1.42(4H,−CH2−×2),1.1
4(3H,d,J=6.4Hz,5″−CH3 ),0.
63−1.07(8H,−CH2 −×4)。
【0266】
【参考例49】8−カルボメトキシオクチル O−(α
−L−フコピラノシル)−(1→2)−O−(β−D−
ガラクトピラノシル)−(1→4)−2−アセトアミド
−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシド(化合物8
0)の製造 化合物79の251mgを2%ヒドラジン−エタノール
溶液20mlに溶かし、3時間加熱還流した。反応液を
減圧留去して、粗生成物を得た。このものを乾燥メタノ
ール16mlに溶かし、0℃下、無水酢酸0.8mlを
加えて、室温で5時間攪拌した。反応液を減圧留去し
て、粗生成物を得た。このものをセファデックスLH−
20(300ml、溶出液;メタノール/H2 O=4/
1)により精製した後、メタノール30mlに溶解さ
せ、CH2 2 /ジエチルエーテル35mlを加えて1
時間放置し、次いで反応液を減圧留去して、粗生成物を
得た。このものをシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(25g、CH2 Cl2 /メタノール/H2 O=10/
3/1(下層))によって精製して、標記目的化合物
(化合物80)156mg(収率79.9%)を得た。
【0267】Rf=0.44(CH2 Cl2 /メタノー
ル/H2 O=65/35/10(下層)) 元素分析値(C3053NO17・5/2H2 Oとして): 計算値(%) C48.38 H7.85 N1.88 実測値(%) C48.24 H7.65 N1.8
8。
【0268】1H−NMR(200MHz,δppm、
DMSO−d6 +D2 O):7.85(1H,d,J=
8.2Hz,−NCOCH3 ),5.05(1H,b
r.s,1″−H),4.34(1H,d,J=7.0
Hz,1−H又は1′−H),4.27(1H,d,J
=7.8Hz,1−H又は1′−H),4.01(1
H,5″−CH3 ),3.58(3H,s,−CO2
3 ),2.29(2H,t,J=7.2Hz,−C
2 COOCH3 ),1.80(3H,s,CH3 CO
−),1.14−1.60(12H,−CH2 −×
6),1.07(3H,d,J=6.4Hz)。
【0269】
【参考例50】8−ヒドラジノカルボオクチル O−
(α−L−フコピラノシル)−(1→2)−O−(β−
D−ガラクトピラノシル)−(1→4)−2−アセトア
ミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシド(化合
物81)の製造 化合物80の155mgをH2 NNH2 ・H2 O2.8
mlに溶かし、室温で1時間攪拌した。反応液を減圧留
去後、エタノールで共沸させた(5回)。粗生成物をセ
ファデックスLH−20(100ml、溶出液;メタノ
ール/H2 O=1/4)により精製した後、シリカゲル
カラムクロマトグラフィー(10g、CH2 Cl2 /メ
タノール/H2 O=65/35/10(下層))によっ
て精製して、標記目的化合物(化合物81)142mg
(収率91.6%)を得た。
【0270】Rf=0.39(CH2 Cl2 /メタノー
ル/H2 O=6/4/1) 〔α〕24 D −73.7°(c=1.02,H2 O) 元素分析値(C29533 16・7/2H2 Oとして): 計算値(%) C,45.66 H,7.93 N,5.51 実測値(%) C,45.51 H,7.68 N,5.49。
【0271】1H−NMR(200MHz,δppm、
DMSO−d6 +D2 O):7.83(1H,d,J=
8.2Hz,−NCOCH3 ),5.04(1H,b
r.s,1″−H),4.34(1H,d,J=7.2
Hz,1−H又は1′−H),4.27(1H,d,J
=7.6Hz,1−H又は1′−H),4.01(1
H,dd,J=6.0,12.2Hz,5″−H),
3.17(2H,br.s,−CO2 NHNH2 ),
2.01(2H,t,J=7.2Hz,−C 2 CO
−),1.80(3H,s,CH3 CO−),1.22
−1.60(12H,−CH2 −×6),1.06(3
H,d,J=6.6Hz,5″−CH3 )。
【0272】
【参考例51】 化合物38とBSAとの結合体(結合
体5)の製造 化合物38の16.4mgの乾燥DMF溶液0.4ml
に、−50℃〜−40℃下で、0.41M N2 4
EDC溶液の140μlを加えて、−20℃〜−10℃
下で30分間攪拌した。BSA 50.3mgを緩衝液
(0.35MKHCO3 /0.08M Na2 4 7
(pH=9.0))5mlに溶かし、0℃で上記の反応
液に加えて、4℃で一夜攪拌した。このものをカラムク
ロマトグラフィーにより精製して、目的化合物(結合体
5)を得た。
【0273】
【参考例52】 化合物23とBSAとの結合体(結合
体3)の製造 化合物23の39mgをジメチルスルホキシド(DMS
O)1mlに溶かし、4M塩酸のジオキサン溶液205
μlとtert−ブチルニトライト18μlのDMSO溶液
100μlを加え、混合物を室温で30分間攪拌した。
出発物質がなくなったことをTLCで確認した後、スル
ファミックアシッド10mgのDMSO溶液100μl
を加え、15分間室温で攪拌した。
【0274】予めBSAの32mgを含むバッファ溶液
(0.08M Na2 4 7 と0.35M KHCO
3 より調整したもの;2ml)を用意し、これに上記反
応混合物を30分間を要して加えた。上記添加期間中、
反応液のpHは1N水酸化ナトリウム水溶液を加えて
9.0〜9.3に調節した。反応混合物を室温で一夜攪
拌した後、ゲル濾過クロマトグラフィーにより精製し
て、塩交換を行なった。
【0275】
【参考例53〜55】糖受容体−BSA結合体の製造 参考例51及び参考例52と同様にして、適当な出発原
料を用いて、以下の化合物を得た。
【0276】参考例53…化合物22とBSAとの結合
体(結合体2) 参考例54…化合物37とBSAとの結合体(結合体
4) 参考例55…化合物81とBSAとの結合体(結合体
6)
【0277】
【参考例56】シアリルLec抗体の製造 (1)免疫原の調製 大腸癌細胞株LS174Tを0.1Mトリス緩衝液(p
H7.5)、2%トリトンX−100中で超音波破砕
後、4000rpm、30分間遠心分離を行ない、その
上清を回収した。この上清と6−0−Me Lec−B
SA(参考例52で得た結合体3)及びCMP−Neu
Acを混和後、37℃、15時間インキュベートし、抗
BSA抗体固相化カラム(ファルマシア社製、CNBr
活性化セファロース4Bを用いて作製)に添加した。P
BSでカラムを洗浄した後、1MNaClでカラムに結
合したBSA−糖結合体を溶出させ、これを免疫原とし
た。
【0278】(2)免疫方法及び抗体産生ハイブリドー
マの作製 上記(1)で得たBSA−糖結合体を不完全アジュバン
トと共に懸濁させた後、懸濁液をBalb/cマウスの
皮下に注射(約2μgBSA−糖結合体/100μl/
body)し、該注射を2週間おきに計3回実施し、そ
の後ポリエチレングリコールを用いた方法により、ミエ
ローマ細胞P3U1と融合させて、ハイブリドーマを得
た。
【0279】上記(1)で示した免疫原に反応し、結合
体3に反応しない抗体を得るために、両者を固相化した
イムノプレート(ヌンク社製)に、上記ハイブリドーマ
培養上清を反応させ、洗浄後、パーオキシダーゼ標識抗
マウスIgG+A+M(Zumed社製)を反応させて
発色させた。
【0280】ここで得られたクローンから限界希釈法に
より、目的とする抗体を産生するクローンを選んだ。
尚、該抗体産生クローンの産生する目的抗体の最終的な
反応性は、α−(2→3)シアリルLec−BSA(C
hembiomed社製)固相化プレートを用いて調べ
た。
【0281】(3)抗体の反応性 上記(2)で得られた抗α−(2→3)シアリルLec
抗体(AST02:IgG、AST03:IgM)の反
応性を図1に示す。
【0282】図1において、横軸は抗体濃度(μl/m
l)を、縦軸は492nmでの吸光度を示し、曲線
(1)はAST02(α−(2→3)シアリル−Lec
との反応)を、曲線(2)はAST03(α−(2→
3)シアリル−Lecとの反応)を、曲線(3)はAS
T02(結合体3との反応)を、曲線(4)はAST0
3(結合体3との反応)を、それぞれ示す。
【0283】該図より、両抗体ともα−(2→3)シア
リルLecに強く反応するが、結合体3には、交叉しな
い抗体であることが判る。尚、α−(2→3)STの分
析には、AST03を用いた。
【0284】
【参考例57】シアリルLec抗体の 125I標識法 ボルトンハンター試薬( 125I、NEN社製)17.5
MBqをガラス試験管(12×75mm)に移し、溶媒
であるベンゼンを窒素ガスを吹き付けることにより揮発
させた。
【0285】AST03抗体の70μg/70μl
(0.1M ナトリウムボーレート緩衝液(pH8.
5)溶液)を、先の試験管に加えて混和後、室温で90
分間静置反応させた。
【0286】反応終了後、100μg/100μl(水
中)のグリシン溶液を加え、室温で20分間静置反応さ
せた。
【0287】上記反応液をG25カラム(1×40c
m)に移し、 125I標識画分を回収した。溶出液として
はPBS(0.1%チキンエッグアルブミン:OVA含
有)を用いた。
【0288】溶出パターンを図2に示す。
【0289】図2において、横軸はフラクションNo.
を、縦軸は標識活性(cpm,20μl/0.1分、左
軸)及び結合率(B/T(%)、右軸)を、それぞれ示
す。
【0290】
【実施例1】 (1) 参考例で得た糖受容体としての結合体3の10
μl(0.5μg/チューブ)、CMP−NeuAc
(シグマ社製)10μl(30ナノモル/チューブ)、
検体10μl及び緩衝液(25mM ナトリウムカコデ
ィレート(pH6.5)、0.8%トリトンX−10
0、0.45mM GDP、17%グリセロール、1%
OVa)200μlを試験管中で、25℃下に18時間
インキュベートした。これに抗BSA抗体固相化ポリス
チレンビーズ(イムノケミカル社製)を1ケ入れ、室温
で2時間更にインキュベートした後、蒸留水5mlで3
回洗浄した。参考例で得た 125I標識抗シアリルLec
抗体AST03の希釈緩衝液溶液200μl(約100
000cpm;D−PBS(-) 、1%正常マウス血清、
0.1%Tween20、1M NaCl、0.05%
NaN3 )を加え、室温で2時間インキュベートした
後、ビーズを上記と同様にして洗浄し、ビーズに結合し
た抗体の放射活性をガンマーカウンターで測定した。
【0291】尚、検体としては、大腸癌手術症例8例の
摘出標本より癌組織(cancer)及び非癌部大腸粘
膜(normal)を採取し、これを2%トリトンX−
100を含むPBSで可溶化し、4000rpm、20
分間遠心分離した後の遠心上清を組織抽出液として使用
した。
【0292】得られた結果を図3に示す。
【0293】図3中、(A)は、上記により測定された
α−(2→3)ST活性の結果を、(B)及び(C)
は、同一検体につき、特開平3−15761号公報の記
載に準じて測定されたα−(1→3)フコシルトランス
フェラーゼ(α−(1→3)FT)活性及びα−(1→
4)フコシルトランスフェラーゼ(α−(1→4)F
T)活性の順次結果を、(D)は同一検体につき、セン
トコア社製CA19−9RIAキットに従い測定された
シアリルLea抗原の結果を、それぞれ示す。
【0294】また図中、縦軸は大腸癌組織抽出液を標準
酵素として任意に単位を設定し、抽出液蛋白量当りに換
算した値(ユニット/mg蛋白)により表示された活性
を示す。
【0295】上記測定結果につき、癌部及び非癌部での
比較によれば、α−(2→3)ST活性にのみ有意差
(p<0.01)が認められた。また同一患者の癌部、
非癌部の比較では、α−(2→3)ST活性は、全例に
おいて癌部で高値を示したが、シアリルLea抗原では
1例、α−(1→3)FT及びα−(1→4)FTでは
いずれも3例において非癌部の方が高値を示した。
【0296】之等のことより、大腸組織においては、一
般にα−(1→4)FT活性が強く認められるが、癌化
によるシアリルLea抗原量の増加は、α−(2→3)
ST活性の上昇によるものであることが示唆される。ま
たこの酵素活性の上昇は癌化に強く関連するものである
ことも示された。
【0297】尚、α−(2→3)ST活性によって生成
される、1型糖鎖に属する糖鎖抗原であるシアリルLe
a抗原(シアリルα−(2→3)Lea抗原)は、癌の診
断分野における有用性が報告されている〔CANCER RESEA
RCH, 48, 3856-3863, July 1, 1988等〕。
【0298】(2) 上記大腸癌組織抽出液のα−(2
→3)ST活性を、特開平3−15761号公報に記載
の方法に従って、糖受容体としてLecを用いて測定し
た。その結果(比較例)を下記表1に示す。
【0299】尚、表1には、蛋白換算で同量となるよう
に設定した糖受容体を使用した、上記(1)に従う本発
明測定法での結果を併記する。
【0300】
【表1】
【0301】上記表より、本発明方法においては、標準
品の各濃度においていずれも高い測定値(カウント)を
示すことが判る。
【0302】一般に、RIA測定系においては、ブラン
ク値の最低2倍以上の測定値を示す点を最低感度とする
ことから、比較例においては、25ユニット/mlが最
低感度となり、これは本発明方法の最低感度(3.13
ユニット/ml)と比較して約8倍の差が認められた。
【0303】尚、上記の結果を基にして作成した標準曲
線を図4に示す。
【0304】図4中、縦軸は測定値(cpm)、横軸は
標準品の濃度(ユニット/ml)を示し、曲線(1)は
本発明方法を、曲線(2)は比較例をそれぞれ示す。
【0305】また、上記両方法によって、大腸癌組織抽
出液中のα−(2→3)ST活性を測定し、上記標準曲
線より算出した結果を下記表2に示す。
【0306】
【表2】
【0307】表2より、比較例の場合、ほとんどが測定
限界以下(N.D.:25ユニット/ml以下)となっ
たのに対して、本発明方法の場合のそれはわずか2例で
あることが判る。
【0308】また、検体番号1及び検体番号2の癌部
は、本発明方法により60ユニット/ml以上のα−
(2→3)ST活性を有しており、従って、比較例の測
定感度内に入っているにもかかわらず、実際に比較例の
方法では測定限界以下となり測定不能であった。このこ
とは、比較例では、α−(2→6)ST活性の阻害を受
けて、α−(2→3)ST活性が検出不能となるかもし
くは測定値が低くでてしまうためであると考えられた。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例56で調製したシアリルLec抗体の反
応性を調べたグラフである。
【図2】参考例57で調製したシアリルLec抗体の
125I標識パターンを示すグラフである。
【図3】実施例1に従い本発明方法に従い測定されたα
−(2→3)STの活性の結果を示すグラフである。
【図4】実施例1に従い作成された標準曲線を示す。
フロントページの続き (72)発明者 矢澤 伸 群馬県前橋市天川大島1407 東前橋住宅R C2−106 (72)発明者 赤松 優 徳島県板野郡松茂町中喜来字群恵252−8 (72)発明者 立川 哲也 徳島県板野郡北島町高房字東野神ノ本13− 6

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】糖供与体と糖受容体とを用いる糖転移酵素
    の活性測定法において、糖供与体としてCMP−N−ア
    セチルノイラミン酸を用い且つ糖受容体としてN−アセ
    チルグルコサミン残基の6位が不活性化された1型糖鎖
    を用いて、1型糖鎖のガラクトース非還元末端にシアル
    酸をα−(2→3)位で結合するα−(2→3)シアル
    酸転移酵素に特異的な活性を測定することを特徴とする
    糖転移酵素の活性測定法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010285446A (ja) * 2002-07-08 2010-12-24 Corixa Corp 免疫エフェクターのアミノアルキルグルコサミニドホスフェートおよびジサッカライドの製造方法、ならびにその中間体
US20210085770A1 (en) * 2019-09-23 2021-03-25 Koranex Capital Neoglycoconjugates as vaccines and therapeutic tools

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