JP2000143686A - 硫酸化オリゴ糖化合物 - Google Patents

硫酸化オリゴ糖化合物

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JP2000143686A
JP2000143686A JP35394899A JP35394899A JP2000143686A JP 2000143686 A JP2000143686 A JP 2000143686A JP 35394899 A JP35394899 A JP 35394899A JP 35394899 A JP35394899 A JP 35394899A JP 2000143686 A JP2000143686 A JP 2000143686A
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compound
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acyl
acid
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JP35394899A
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English (en)
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Hirotaka Uzawa
浩隆 鵜沢
Yasuichi Usui
泰市 碓氷
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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Agency of Industrial Science and Technology
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Abstract

(57)【要約】 【課題】生物系界面活性剤、生物系界面活性剤の合成中
間体などとして利用される、特定の位置(6’位)に選
択的に硫酸エステル基を導入した新規な硫酸化オリゴ糖
化合物を提供する。 【解決手段】次式(III)で表される硫酸化オリゴ糖化
合物。 【化1】 (式中、nは1〜3の整数を表わし、R 、R 、R
及びR は水素原子、アシル基又はシリル基を表わ
す。R 〜R は互いに同一でも異なってもよい。ま
た、R とR は互いに結合してアセタールを形成し
てもよい。Yはベンジルオキシ基、ニトロフェノキシ
基、低級アルキルオキシ基、低級アルキルチオ基、アリ
ルオキシ基、水酸基、ハロゲン原子又はイミデート基を
表わし、Mは水素原子又はアルカリ金属原子を表わ
す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、両親媒性を有する
新規な硫酸化オリゴ糖化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】洗剤、香料、可塑剤、潤滑油など、さま
ざまな分野で広く利用されている界面活性剤は、近年、
地球環境への影響が問題にされるようになり、微生物に
より容易に分解される生物系界面活性剤が注目されるよ
うになった。このような生物系界面活性剤は、分子内に
親水性部位と疎水性部位とを持つ生物系物質であり、代
表的なものとしてリン脂質や、親水性の糖と疎水性の脂
肪酸が結合しているグリコリピドがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、生物系界面
活性剤、生物系界面活性剤の合成中間体などとして利用
される、特定の位置(6’位)に選択的に硫酸エステル
基を導入したラクトース化合物などの新規な硫酸化オリ
ゴ糖化合物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、以下の発
明により達成された。 (1)次式(III) で表わされる硫酸化オリゴ糖化合物。
【0005】
【化2】
【0006】(式中、nは1〜3の整数を表わし、R
、R 、R 及びR は水素原子、アシル基又はシ
リル基を表わす。R 〜R は互いに同一でも異なっ
てもよい。また、R とR は互いに結合してアセタ
ールを形成してもよい。Yはベンジルオキシ基、ニトロ
フェノキシ基、低級アルキルオキシ基、低級アルキルチ
オ基、アリルオキシ基、水酸基、ハロゲン原子又はイミ
デート基を表わし、Mは水素原子又はアルカリ金属原子
を表わす。)
【0007】(2)前記式(III) においてnが1である
(1)項記載の硫酸化オリゴ糖化合物。
【0008】
【発明の実施の形態】下記式(I)で表わされるラクト
ース誘導体は、下記式(II)で表わされる本発明に関連
する硫酸化オリゴ糖化合物の合成中間体である。
【化3】
【0009】(式中、R はアセチル基と同等もしく
はそれ以上に脱アシル化しにくいアシル基を表わし、R
及びR はアセチル基と同等もしくはそれ以上に脱
アシル化しにくいアシル基又はアセチル基と同等もしく
はそれ以上に脱離しにくいシリル基を表わし、R
水素原子又はアセチル基より脱アシル化しやすいアシル
基を表わし、R は水素原子又はアセチル基と同等も
しくはそれ以上に脱アシル化しにくいアシル基を表わ
す。R とR 、R とR は、互いに結合してア
セタール又はヘミアセタールを形成してもよい。Yはベ
ンジルオキシ基、ニトロフェノキシ基、低級アルキルオ
キシ基、低級アルキルチオ基、アリルオキシ基、水酸
基、ハロゲン原子又はイミデート基を表わす。)
【0010】
【化4】
【0011】(式中、nは1〜3の整数を表わし、R
、R 、R 及びR は水素原子、アシル基又はシ
リル基を表わす。R 〜R は互いに同一でも異なっ
てもよい。また、R とR は互いに結合してアセタ
ールを形成してもよい。Yはベンジルオキシ基、ニトロ
フェノキシ基、低級アルキルオキシ基、低級アルキルチ
オ基、アリルオキシ基、水酸基、ハロゲン原子又はイミ
デート基を表わし、Mは水素原子又はアルカリ金属原子
を表わす。)
【0012】上記式(I)におけるR〜Rについて
更に説明すると、R はアシル基を表わし、このアシ
ル基は、通常の反応条件(pH9〜11程度の塩基性溶
媒、例えばメタノール−ナトリウムメチラートなど)で
脱離可能で、アセチル基と同等もしくはそれ以上に脱離
しにくい基であり、例えばアセチル基、ベンゾイル基
(置換されていてもよい。例えばベンゾイル基、4−メ
トキシベンゾイル基、4−クロロベンゾイル基など)、
ピバロイル基などが挙げられ、好ましくはベンゾイル基
又はピバロイル基である。R 及びR はR と同
様のアシル基、又はアセチル基と同等もしくはそれ以上
に脱離しにくいシリル基(置換されていてもよい。例え
ばシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、t−ブチル
ジフェニルシリル基など)を表わし、Rと同じ基であ
ることが好ましく、ベンゾイル基がさらに好ましい。R
は水素原子又はアセチル基のような通常の脂肪族ア
シル基より穏和な条件(R より中性に近い条件)で
脱離可能なアシル基を表わし、このようなアシル基とし
ては、例えばレヴリノイル基、モノクロロ酢酸エステル
基などが挙げられ、好ましくは水素原子である。R
は水素原子又はR で挙げたと同様のアシル基であ
り、好ましくは水素原子である。
【0013】R とR は互いに結合してアセタール
又はヘミアセタール構造を形成してもよい。このアセタ
ール又はヘミアセタール構造としては、例えばイソプロ
ピリデン基などが挙げられ、また、有機スズによるスタ
ニレンアセタール(例えばジブチルスタニレンアセター
ル)なども含まれる。R とR も互いに結合してア
セタール構造(例えばベンジリデン基、メトキシベンジ
リデン基など)を形成してもよい。Yはベンジルオキシ
基(置換されていてもよい。例えばベンジルオキシ基、
4−メトキシベンジルオキシ基、4−クロロベンジルオ
キシ基など)、ニトロフェノキシ基、低級アルキルオキ
シ基(炭素数1〜4のもの、例えばメトキシ基、エトキ
シ基など)、低級アルキルチオ基(例えばメチルチオ
基、エチルチオ基など)、アリルオキシ基、水酸基、ハ
ロゲン原子(例えば臭素原子、フッ素原子、塩素原子な
ど)又はトリクロロアセトイミデート基などのイミデー
ト基を表わし、好ましくはベンジルオキシ基である。
【0014】式(I)で表わされる化合物のうち、R
、R 及びR がベンゾイル基のものが好ましく、
かつ、R 及びR が水素原子のもの又はR とR
が結合してアセタールもしくはスタニレンアセター
ルを形成しているものがさらに好ましい。
【0015】式(II)で表される化合物又は式(III) で
表わされる本発明の硫酸化オリゴ糖化合物については、
式中のR 、R 、R 及びR は水素原子、又は
保護基としてのアシル基もしくはシリル基を表わし、ア
シル基としては互いに同一でも異なってもよく、シリル
基を有する場合はそれはR とR が好ましい。アシ
ル基及びシリル基の例としては、特に制限はないが、好
ましくは前記R 〜R で挙げたものが挙げられる。
とR は、前記式(I)のR とRで挙げた
と同様のアセタール又はヘミアセタールを形成してもよ
い。Yは式(I)のものと同義である。Mは水素原子又
はアルカリ金属イオン(例えばナトリウム原子、カリウ
ム原子、リチウム原子など)を表わし、好ましくは水素
原子又はナトリウム原子である。また、nは1から3の
整数を表わし、好ましくは1である。式(II)又は式(I
II) で表わされる本発明の化合物のうち、R 〜R
が全てベンゾイル基又は全て水素原子のものが好まし
く、R 〜R が全て水素原子のものが特に好まし
い。
【0016】前記式(II)でnが1の化合物について、
その合成ルートを次のスキーム1に示す。
【0017】
【化5】
【0018】(式中、R 〜R 、Y及びMは式
(I)及び(II)で定義したものと同義である。) この合成方法について説明すると、まず公知の化合物1
(Carbohydr. Res. 137, 39 (1985) ) のヒドロキシル基
をアシル化又はシリル化して化合物2を得る。この反応
はまず、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロ
ピルカルボジイミドなどのカルボジイミド化合物の存在
下、例えば安息香酸や酢酸などとの反応で脱離可能なア
シル基を導入し得るカルボン酸と反応させるか、必要に
応じてピリジン、ジメチルアミノピリジン、トリエチル
アミンなどの塩基の存在下で、前記カルボン酸の無水物
または対応する酸塩化物と反応させることにより行うこ
とができる。溶媒としては、通常、ピリジン、塩化メチ
レン、ジクロロエタン、クロロフォルム又はこれらの混
液などが用いられ、反応温度は通常、0〜50℃、反応
時間は通常、5分間〜5日間程度である。R 及び/
又はR がシリル基の場合は、例えばハロゲン化シラ
ン化合物をアミン等とともに加え反応させる。溶媒とし
ては、通常ピリジン、塩化メチレン、クロロホルムなど
が用いられ、反応温度は−20℃〜50℃、反応時間は
5分〜7日間である。
【0019】こうして得た化合物2を酸処理して化合物
3を得る。この酸処理には、カンファースルホン酸(C
SA)、p−トルエンスルホン酸、ピリジニウムp−ト
ルエンスルホン酸(PPTS)、酢酸、硫酸、塩酸、イ
オン交換樹脂(Hプラス型)、トリフルオロ酢酸(TF
A)などを用いることができる。溶媒としては、通常メ
タノール、エタノール、メタノール−塩化メチレン、水
などが用いられ、反応温度は通常、−20℃〜80℃、
反応時間は通常、5分〜3日程度である。
【0020】この化合物3をエステル化して化合物6を
得る。この反応は、ジシクロヘキシルカルボジイミド、
ジイソプロピルカルボジイミドなどのカルボジイミド化
合物の存在下、必要に応じてピリジン、ジメチルアミノ
ピリジン、トリエチルアミンなどの塩基の存在下で、レ
ブリン酸、モノクロル酢酸などのカルボン酸、または、
それらの酸無水物と反応させて行うことができる。溶媒
としては、通常ピリジン、塩化メチレン、ジクロロエタ
ン、クロロフォルムおよびこれらの混液などが用いら
れ、反応温度は通常、0〜50℃、反応時間は通常、5
分間〜5日間程度である。
【0021】ついで化合物6をさらにエステル化して化
合物7を得る。この反応は、ジシクロヘキシルカルボジ
イミド、ジイソプロピルカルボジイミドなどのカルボジ
イミド化合物の存在下、脱離可能なアシル基を導入し得
るカルボン酸と反応させるか、必要に応じてピリジン、
ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミンなどの塩基
の存在下で、前記カルボン酸の無水物または、対応する
酸塩化物と反応させることにより行うことができる。溶
媒としては、通常ピリジン、塩化メチレン、ジクロロエ
タン、クロロフォルムおよびこれらの混液などが用いら
れ、反応温度は通常、0〜50℃、反応時間は通常、5
分間〜5日間程度である。
【0022】このようにして得られた化合物7の選択的
脱保護を行い、化合物8を得る。この反応は、ヒドラジ
ン酢酸、ヒドラジン−ピペリジン、水酸化リチウム−過
酸化水素などで処理することにより行うことができる。
溶媒としては、通常メタノール、エタノール、イソプロ
パノール、トルエン、ピリジン、THFなどが用いら
れ、反応温度は通常−78℃〜50℃、反応時間は通常
5分間〜3日間である。
【0023】ついで化合物8を硫酸化し硫酸エステル基
を導入して化合物9を得る。この反応は、トリメチルア
ミン三酸化硫黄錯体、トリエチルアミン三酸化硫黄錯
体、ジメチルホルムアミド三酸化硫黄錯体、ピリジン三
酸化硫黄錯体、クロロスルホン酸などの硫酸化試薬と反
応させることにより行うことができる。硫酸化試薬の使
用量は、化合物8 1モルに対し1〜5モル、好ましく
は1.2〜2モルである。溶媒としては、通常、ジメチ
ルホルムアミド、ピリジン、ヘキサメチルフォスフォア
ミド(HMPA、あるいは、ヘキサメチルフォスフォラ
ストリアミド(HMPT)ともいう)、ジメチルスルフ
ォキシド(DMSO)などが用いられ、反応温度は通常
0〜80℃、反応時間は通常5分〜1週間である。つい
で化合物9を、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエト
キシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リ
チウムなどの塩基で処理して脱アシル化すると、本発明
の式(II)においてR 、R 、R 及びR が全
て水素原子である化合物5を得ることができる。溶媒と
しては、通常、メタノール、エタノール、テトラヒドロ
フラン(THF)、メタノール−THF、エタノール−
THFなどが用いられ、反応温度は通常−30℃〜80
℃、反応時間は、通常5分間〜5日程度である。また、
この脱アシル化は、CSA、PPTS、p−トルエンス
ルホン酸などで処理することによっても行うことができ
る。この場合の溶媒としては、DMF、ジオキサン、T
HF、アセトニトリル、塩化メチレンなどが用いられ、
反応温度は通常0〜80℃、反応時間は5分〜7日間で
ある。
【0024】この化合物5は、次のスキーム2に従って
合成することもできる。
【0025】
【化6】
【0026】(式中、R30はアセチル基と同等もしく
はそれ以上に脱アシル化しにくいアシル基を表わし、互
いに同一でも異なってもよい。Y及びMは式(I)及び
(II)で定義したものと同義である。) この方法においても、化合物3を得るところまでは先の
スキーム1に示した方法と同様に行うことができる。つ
いで、化合物3を、前述した化合物8から9への変換と
同様に化合物4に変換するか、または、予め酸化ジブチ
ルスズで化合物3を処理(トルエン、ベンゼン、メタノ
ールなどのアルコールなどとともに還流、脱水)した
後、前記硫酸化試薬で処理して化合物4を得、これを化
合物9から5への変換と同様にして変換し、化合物5を
得ることができる。
【0027】スキーム1又は2の方法で合成した化合物
5の水酸基は、常法によりR 〜R の基に置換、修
飾することができる。アシル化、シリル化については、
スキーム1についての説明で挙げたと同様の方法で行う
ことができる。
【0028】なお、式(II) においてnが2又は3の化
合物については、式(I)で表わされる化合物を2量体
化又は3量体化した後に硫酸化及び脱保護を行うことに
より合成することができる。なお、糖同士の結合は、ア
クセプター(糖同士を結合させるときの受容体側)とし
て、式(I)においてYがアルキルチオ基(例えば、メ
チルチオ基や、エチルチオ基など)、臭素原子、フッ素
原子、塩素原子、トリクロロアセトイミデート基(-C(=
NH)CCl)である糖化合物と、ドナー(糖同士を結合さ
せるときの供与体側)として、式(I)においてR
が水素原子であるオリゴ糖を用い、プロモーター(酸触
媒)として、トリメチルシリルトリフラート(TMSO
Tf)、t−ブチルジメチルシリルトリフラート(TB
DMSOTf)メチルトリフラート(MeOTf)、三
フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体、二塩化ジルコノセ
ン−過塩素酸銀、臭化水銀、シアン化水銀、トリフルオ
ロメタンスルホン酸銀、銀トリフラート−塩化第一ス
ズ、炭酸銀、酸化銀、N−イオドこはく酸イミド(NI
S)−トリフルオロメタンスルホン酸などの存在下で行
うことができる。溶媒としては、塩化メチレン、ジクロ
ロエタン、アセトニトリル、トルエン、ベンゼン、ジエ
チルエーテルなどが用いられ、反応温度は通常、−78
℃〜50℃である。R 〜R が全て水素である化合
物を得る工程、及びこれを再び置換、修飾する工程につ
いては、先のnが1の化合物の場合と同様に行うことが
できる。
【0029】本発明の対象となる式(III) で表わされる
化合物は、上記スキーム1において化合物3から化合物
6を合成する際、3’位ではなく6’位にR を導入
し、3’位の置換基はR 又は水素原子として、化合
物7から化合物8を合成する際の選択的脱保護の位置を
3’位でなく6’位とする以外は、式(II)の化合物と
同様にして得ることができる。また、式(III) の化合物
は、下記のスキーム3に従って化合物13を合成し、こ
れをスキーム1の化合物6からの変換と同様の手順で変
換して合成することもできる。
【0030】
【化7】
【0031】(式中、R 、R 、R 及びYは式
(I)で定義したものと同義である。)
【0032】このようにして得られた式(II)又は式(I
II) で表わされる本発明の化合物は、常法により、遊離
の酸又は他の塩に変換することができる。塩としては、
例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩などの
アルカリ金属塩が挙げられる。
【0033】
【実施例】以下に実施例に基づき本発明をさらに詳細に
説明する。なお、以下の合成例及び実施例は、前記スキ
ーム2においてR30がベンゾイル基、Mがナトリウム
原子、Yがベンジルオキシ基の場合について行ったもの
であり、各化合物の番号はスキーム2中のものに対応す
る。
【0034】(合成例1)化合物1→化合物2 化合物1(186.9mg 、0.396mmol )、ジメチルアミノピ
リジン(5mg )をピリジン(5ml )に溶かし、塩化ベン
ゾイル(0.28ml、2.41mmol)を加え、室温で撹拌した。
18時間後、反応液に氷片、飽和炭酸水素ナトリウム水
溶液を加え、クロロホルム50mlで3回抽出した。抽出
した有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水で順次
洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥して減圧留去した。残
留物をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク 60F
254 、50ml、トルエン−酢酸エチル 4:1)で
精製後、塩化メチレン−エーテルより再結晶して化合物
2(278.7mg 、71% )を得た。
【0035】 [ α] +31. 2 (C=1. 5、クロロホルム) FABMS 1015[M+Na-1], (ポジティブモード、グリセリン) 1031[M+K-1] 元素分析 計算値(C575216) C:68.94 H:5.28 実測値 C:68.45 H:5.29 H-NMR (300MHz, CDCl, TMS is an internal standa
rd)5.663(3 ,bt,J=9.6Hz),5.503(2 ,dd,J=7.9 and 9.
6Hz),5.123(2 ,bt,J=7.8Hz),4.821 and 4.564 (CH
CH -,2d,J=12.6Hz),4.678 and 4.583 (1 and 1 ,2
d,J=7.8 and 7.9Hz)
【0036】(合成例2)化合物2→化合物3 化合物2(260mg 、0.262mmol )、塩化メチレン−メタ
ノール溶液(1:2、15ml)、カンファースルホン酸
(CSA)(119mg 、0.512mmol )を加え、室温で撹拌
した。24時間後、5mlのトリエチルアミンを加え減圧
留去した。残留物を直ちにシリカゲルクロマトグラフィ
ー(メルク 60F254 、15ml、トルエン−酢酸
エチル 2:1)で精製して化合物3(229.9mg 、89%
)を得た。
【0037】 [ α] +22. 8(C=1. 6、クロロホルム) FABMS 975[M+Na-1], (ポジティブモード、グリセリン) 991[M+K-1] 元素分析 計算値(C544816) C:68.06 H:5.08 実測値 C:66.78 H:5.01 H-NMR (300MHz, CDCl, TMS is an internal standa
rd)5.57-5.37(1 ,1 ,2 ,m)、4.804 (one of CH
CH -,d,J=12.9Hz),4.65-4.45(1 ,1 , one of CH
CH -,m)
【0038】(合成例3)化合物3→化合物4 化合物3(77.4mg、0.081mmol )をベンゼン(30ml)
にとかし、酸化ジブチルスズ(21.2mg、0.085mmol )を
加え、3時間環流しながら生成する水をのぞいた。残り
のベンゼンを減圧留去し、ジメチルホルムアミド(DM
F)(10ml)に溶かし、三酸化硫黄トリメチルアミン錯
体(113mg 、0.81mmol)を加え、40℃で撹拌した。1
5時間後、反応液を減圧留去し、残留物をシリカゲルク
ロマトグラフィー(メルク 60F254、20ml、塩
化メチレン−メタノール 10:1)で精製し、ナトリ
ウム型のイオン交換樹脂で処理して化合物4(47.5mg、
55% )を得た。
【0039】 [ α] +20. 0 (C=2. 8、THF) FABMS 1077[M+Na-1], (ポジティブモード、
グリセリン) 元素分析 計算値(C544719SNa) C:61.48 H:4.45 S:3.04 実測値 C:62.35 H:5.29 S:2.44 H-NMR (300MHz, CDCN, CHDCN=1.960ppm)5.680(3
,bt,J=9.8Hz),5.352 (2 ,dd,J=8.0 and 9.8Hz),5.20
7(2 ,dd,J=8.0 and 10.0Hz),4.689(1 ,d,J=8.0Hz),4.
842(1 ,d,J=8.0Hz), 4.734 and 4.538(CH CH -,2
d,J=12.2Hz),4.464 (3 ,dd,J=3.3 and 10.0Hz)
【0040】(合成例4)化合物4→化合物5 化合物(4)(20.3mg、0.019mmol )をメタノール(1.
5ml )及びTHF(1ml )に溶かし、28%ナトリウム
メトキシド(20マイクロリットル)を加え、室温で撹拌
した。18時間後、Dowex(商品名、ダウケミカル
社製)Hプラス型で中和し濾過後、減圧留去した。残留
物をゲルろ過(LH−20、メタノール−水 1:1)
後、シリカゲルクロマトグラフィー(メルク 60 R
P−18、メタノール- 水 1:1)で精製して化合物
5(10.3mg、99. 9% )を得た。
【0041】 [ α] −1. 3 (C=2. 3、水) FABMS 557[M+Na-1], (ポジティブモード、グリセリン) 573[M+K-1] 579[M+2Na-1] H-NMR (300MHz, DO, CHCOCH (acetone)=2.07pp
m)4.788 and 4.605 (CH CH -, 2d, J=11.5Hz),4.41
0(1 ,d,J=7.8Hz),4.400(1 ,d,J=7.9Hz),4.188((3 ,b
d,J=3.0 and 9.9Hz), 4.139((4 ,bd,J=3.0Hz).
【0042】
【発明の効果】本発明の式(III)で表わされる硫酸化オ
リゴ糖化合物は6’位に選択的に硫酸エステル基を有す
る新規な糖鎖化合物で、両親媒性を有し、それ自体の生
分解性界面活性剤としての利用のほか、糖脂質系バイオ
サーフアクタントの合成中間体として用いることができ
る。また、本発明のオリゴ糖化合物は、L−セレクチン
と呼ばれるタンパク質と特異的に結合し、この性質によ
り抗炎症薬としての利用が可能と考えられる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式(III) で表わされる硫酸化オリゴ糖
    化合物。 【化1】 (式中、nは1〜3の整数を表わし、R 、R 、R
    及びR は水素原子、アシル基又はシリル基を表わ
    す。R 〜R は互いに同一でも異なってもよい。ま
    た、R とR は互いに結合してアセタールを形成し
    てもよい。Yはベンジルオキシ基、ニトロフェノキシ
    基、低級アルキルオキシ基、低級アルキルチオ基、アリ
    ルオキシ基、水酸基、ハロゲン原子又はイミデート基を
    表わし、Mは水素原子又はアルカリ金属原子を表わ
    す。)
  2. 【請求項2】 前記式(III) においてnが1である請求
    項1記載の硫酸化オリゴ糖化合物。
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