JP2004099575A - 新規d−ガラクトサミン誘導体,およびそれを用いるムチンコア2クラスの合成法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の課題は糖供与体および糖受容体として機能する糖誘導体を開発することにある。また,開発した糖誘導体を用いてムチンコア2クラスを簡便に合成することにある。
【解決手段】上記課題解決のため,1位にアリールチオあるいはアルキルチオ基を導入し,温和な条件下で糖供与体として機能を持たせ,6位の水酸基はトリメチルシリルオキシ基に変換し,3位の水酸基は遊離のD−ガラクトサミン誘導体を合成した。このD−ガラクトサミン誘導体は糖供与体としての機能と糖受容体としての機能を持っている。フルオロ糖との反応では糖受容体として機能し,活性化剤を選択することで,位置選択的なグリコシル化が行える。また,N−保護セリンエステルあるいはN−保護トレオニンエステルの水酸基を反応では糖供与体として機能するD−ガラクトサミン誘導体を開発した。また,このD−ガラクトサミン誘導体を用いるムチンコア2クラス誘導体の新規合成法を開発した。
【選択図】
なし。
【解決手段】上記課題解決のため,1位にアリールチオあるいはアルキルチオ基を導入し,温和な条件下で糖供与体として機能を持たせ,6位の水酸基はトリメチルシリルオキシ基に変換し,3位の水酸基は遊離のD−ガラクトサミン誘導体を合成した。このD−ガラクトサミン誘導体は糖供与体としての機能と糖受容体としての機能を持っている。フルオロ糖との反応では糖受容体として機能し,活性化剤を選択することで,位置選択的なグリコシル化が行える。また,N−保護セリンエステルあるいはN−保護トレオニンエステルの水酸基を反応では糖供与体として機能するD−ガラクトサミン誘導体を開発した。また,このD−ガラクトサミン誘導体を用いるムチンコア2クラス誘導体の新規合成法を開発した。
【選択図】
なし。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は新規D−ガラクトサミン誘導体,およびそれを用いるムチンコア2クラスの合成法に関するもので,医薬,薬学の属する分野において求められている生理活性物質の合成法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
糖は動植物の生命維持に極めて重要な役割を演じており,生体内で種々の形で存在する。近年,糖鎖がタンパクあるいは脂質と結合した糖タンパク,糖脂質の機能が注目されている。ことに,糖タンパクは生体の基本的な生理現象である造血機能を担っており,多方面で研究されつつある。この糖タンパクの糖鎖は多種多用であるが,糖と結合しているタンパクのアミノ酸はL−アスパラギン,L−セリン,L−トレオニンに限られている。L−アスパラギンが結合した糖鎖はアスパラギン型糖鎖と呼ばれており,L−アスパラギンのペプチド結合にあずかっていないγ位のアミノ基と糖鎖の還元末端にあるグルコサミンの1位との間でβ−グリコシド結合を形成している。そのため,N−グリコシド結合型糖鎖とも呼ばれている。L−セリンあるいはL−トレオニンが結合した糖鎖はムチン型糖鎖と呼ばれ,L−セリン,L−トレオニンの水酸基とガラクトサミンの1位との間でα−グリコシド結合を形成しており,O−グリコシド結合型糖鎖とも呼ばれている。アスパラギン型糖鎖は細胞表層に存在し,細胞の癌化や転移,造血機能などに深く関わっている。ムチン型糖鎖は粘膜上細胞によって生産,分泌される糖タンパクであるムチンに多く存在し,ウイルスによる赤血球凝集を阻害する。近年,硫酸基やシアル酸を有するムチン型糖鎖がこの活性発現に重要な役割を果たしていることが明らかになりつつある。このムチン型糖鎖にはL−セリン,L−トレオニンとガラクトサミンのグリコシド結合から成るコア構造が有り,このコア構造のガラクトサミンの3位,6位の水酸基にガラクトース,N−アセチル−D−グルコサミン,シアル酸などが結合し,数多くのムチン型糖鎖を形成する。以下に代表例を示す。
【0003】
【化6】
【0004】
(式中,Acはアセチル基,Ser/ThrはL−セリン,L−トレオニンであってその水酸基が糖部分とグリコシド結合を形成している)これらムチン型糖鎖はN−アセチル−D−ガラクトサミンの3位,6位に結合する糖の種類により,それぞれ異なった生理活性を示す。
以上のように糖タンパクは興味深い生理活性と多様性を有しており,創薬の対象として期待が持たれている。ことにムチン型糖鎖は糖の化学で一般的なO−グリコシド結合を有すること,およびその特異な生理活性から注目されており,化学合成法が盛んに研究されている。
【0005】
例えば,KunzらおよびPaulsenらは,グリコシル化反応にKoenigs−Knorr法を用いるムチンコアクラス1の合成法を報告している。反応は下記反応式に従って進行する。
【0006】
【化7】
【0007】
この反応はトリクロロイミデート糖と糖受容体とのグリコシル化反応により二糖を得た後,この二糖を反応性の高い臭化糖に変換し,糖受容体であるL−セリン,L−トレオニン誘導体と反応させ,目的とするコア構造を合成している。
Danishefkyらはトリクロロアセトイミデート法を用いる保護2,6ST抗原の合成法を報告している。反応は下記反応式に従って進行する。
【0008】
【化8】
【0009】
この方法はガラクタールを糖供与体としてグリコシル化反応を繰り返し,最後にトリクロロアセトイミデート糖に誘導し,L−セリン,L−トレオニン誘導体とのグリコシル化反応で高いα−選択性を持って2,6ST抗原保護体を得ている。
一方,あらかじめアミノ酸とα−グリコシド結合を有する糖を糖受容体として用いる手法も報告されている。
【0010】
【化9】
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
以上のようにムチン型糖鎖のコアの合成法が報告されている。しかしながら,いずれの方法も複雑な工程が必要で,簡便な方法とは言い難い。また,ムチン型糖鎖の生理活性解明やムチン型糖鎖類縁体医薬品開発などのため,ムチン型糖鎖のライブラリーを簡便に作成することが望まれている。そのため,アミノ酸と反応結合する糖供与体の機能と,3位,6位が種々のグリコシル基と反応結合する糖受容体の機能を有するD−ガラクトサミン誘導体が強く求められている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
そこで,発明者らは鋭意研究を重ね,本発明を完成するに至った。すなわち,本発明は下記構造1
【0013】
【化10】
【0014】
(式中,TMSはトリメチルシリル基,R1はフェニル基,4−メチルフェニル基,2−メチルフェニル基から選ばれ,R2はベンジル基,4−メトキシベンジル基,3,4−ジメトキシベンジル基,2−ニトロベンジル基,4−ニトロベンジル基,4−フェニルベンジル基,ジフェニルメチル基,トリフェニルメチル基,4−メトキシフェニルジフェニルメチル基,ビス(4−メトキシフェニル)フェニルメチル基,アセチル基,ベンゾイル基から選ばれる)で示される新規D−ガラクトサミン誘導体,およびこの新規D−ガラクトサミン誘導体を用いるムチンコア2クラスの合成法に関するものである。
【0015】
本発明に係る新規D−ガラクトサミン誘導体の代表例として下記構造式2
【0016】
【化11】
【0017】
(式中,Bnはベンジル基,TMSはトリメチルシリル基,Phはフェニル基である)で示されるD−ガラクトサミン誘導体を取り上げ,本発明の有用性を明らかにする。構造式2で示されるD−ガラクトサミン誘導体は文献未記の新規化合物で,その製造法としては,例えば,下記反応式に従って合成することができる。
【0018】
【化12】
【0019】
この反応式で第I工程はフェニル3,4,6−トリ−O−アセチル−2−アジド−2−デオキシ−1−チオ−β−D−ガラクトピラノシドからフェニル2−アジド−4,6−ベンジリデン−3−O−tert−ブチルジメチルシリル−2−デオキシ−1−チオ−β−D−ガラクトピラノシドを合成する工程である。この工程はアセチル基を脱保護し,次いで4−位と6−位の水酸基をアセタール交換で同時に保護し,最後に3−位の水酸基をtert−ブチルジメチルシリル化することから成る。アセチル基の脱保護はメタノール,エタノール,イソプロパノールのごときアルコールに金属ナトリウムあるいはカリウムを加えた金属アルコラートにフェニル3,4,6−トリ−O−アセチル−2−アジド−2−デオキシ−1−チオ−β−D−ガラクトピラノシドを溶解し,攪拌することにより行われる。反応温度は−20℃から還流温度の間で選ばれるが,好ましくは室温付近である。4−位と6−位の水酸基の保護はCSAの存在下,アセチル基の脱保護で得られたフェニル2−アジド−2−デオキシ−1−チオ−β−D−ガラクトピラノシドとベンズアルデヒドジアルキルアセタールを反応させることにより行われる。ここで使用しうる溶媒としてはDMFなどの非プロトン性極性溶媒が挙げられる。反応温度は室温から溶媒の還流温度の間で選ばれるが,好ましくは80℃付近である。3−位水酸基のtert−ブチルジメチルシリル化は4−位と6−位の水酸基の環状アセタール化したフェニル2−アジド−4,6−ベンジリデン−2−デオキシ−1−チオ−β−D−ガラクトピラノシドとtert−ブチルジメチルシリルクロリド,tert−ブチルジメチルシリルイミダゾール,tert−ブチルジメチルシリルトリフラートのごときtert−ブチルジメチルシリル化剤を反応させることにより得られる。ここで使用しうる溶媒はDMFなどの非プロトン性極性溶媒が挙げられる。反応温度は0℃から溶媒の還流温度の間で選ばれるが,好ましくは室温付近である。いずれの反応時間も使用する溶媒,反応混合物の濃度により異なるが10分から24時間の間で適宜選択される。
【0020】
第II工程はフェニル2−アジド−4,6−O−ベンジリデン−3−O−tert−ブチルジメチルシリル−2−デオキシ−1−チオ−β−D−ガラクトピラノシドからフェニルチオ2−アジド−4−O−ベンジル−2−デオキシ−β−D−ガラクトピラノシドを得る工程である。フェニル2−アジド−4,6−O−ベンジリデン−3−O−tert−ブチルジメチルシリル−2−デオキシ−1−チオ−β−D−ガラクトピラノシドの環状アセタールを還元的に開環し,次いでフッ素アニオンでtert−ブチルジメチルシリル基を脱保護することでフェニル2−アジド−4−O−ベンジル−2−デオキシ−1−チオ−β−D−ガラクトピラノシドが得られる。環状アセタールの還元的開環反応はボランTHFコンプレックス,ボランピリジンコンプレックス,ボランジメチルスルフィドコンプレックスなどから選ばれる還元剤とジブチルボラントリフラートを共存させて行う。tert−ブチルジメチルシリル基の脱保護はフッ化水素水溶液,テトラアルキルアンモニウムフルオリドなどにより行うことができる。
【0021】
第III工程はフェニル2−アジド−4−O−ベンジル−2−デオキシ−1−チオ−β−D−ガラクトピラノシドからフェニル2−アジド−4−O−ベンジル−6−O−トリメチルシリル−2−デオキシ−1−チオ−β−D−ガラクトピラノシドを得る工程である。この工程で使用するトリメチルシリル化剤としてはトリメチルシリルクロリド,トリメチルシリルイミダゾール,トリメチルシリルトリフラート,ヘキサメチルジシラザンなどが挙げられる。
【0022】
以上のように本発明化合物は容易に合成することができる。以下に本発明の有用性を明らかにするため,本発明の代表的な例として構造式2のD−ガラクトサミン誘導体を取り上げ,ムチンコア2クラスの合成に極めて有用である旨を例示する。
【0023】
【化13】
【0024】
上記反応式を用いて本発明化合物の有用性を明らかにする。本発明化合物であるD−ガルクトサミン誘導体2は,トリフルオロボランエチルエーテルコンプレックスの存在下,グルコサミンのフッ化糖と反応してβ−1,6−グリコシド結合を形成し,良好な収率で二糖が得られる。次いで,この二糖とガラクトピラノシルフルオリド誘導体をジルコノセンジトリフラートの存在下で反応させ,二糖におけるガラクトサミン部分の3位の水酸基とガラクトピラノシルフルオリド誘導体のアノマー炭素からβ−1,3−グリコシド結合を形成せしめ,良好な収率で三糖が得られる。最後に,この三糖とN−保護L−セリンエステルあるいはN−保護L−トレオニンエステルをN−ヨードコハク酸イミド−トリフルオロメタンスルホン酸の存在下で反応させ,三糖におけるガラクトサミン部分のフェニルチオ基で活性化したアノマー炭素とセリンあるいはトレオニンの水酸基からグリコシド結合を形成せしめ,良好な収率と選択性でムチンコア2クラス保護体を得ることができる。この一連の反応はワンポットで行える。そのため,極めて有用なムチンコア2クラスの合成法と言える。
【0025】
以上のように本発明化合物を用いることで位置選択的なグリコシル化を連続してワンポットで行うことができる。本発明化合物の代表例である構造式2のD−ガラクトサミン誘導体は6位の水酸基にトリメチルシリル基を導入して活性化し,3位の水酸基は遊離のままで存在する。従って,6位と3位が反応点となり,糖受容体として機能する。そして,グリコシル化反応において,糖供与体であるフッ化糖の活性化条件を選択することで,本発明化合物の6位と3位の反応性は大きく異なる。そのため,位置選択的なグリコシル化が可能である。また,1位はフェニルチオ基を有しており,糖供与体として機能する。従って,本発明化合物の代表例である構造式2のD−ガラクトサミン誘導体はコアクラス2保護体を合成するため極めて有用な糖受容体であり,糖供与体である。
【0026】
【実施例】
以下に本発明の好ましい実施例を記載するが,これは例示の目的であり,本発明を制限するものではない。本発明の範囲内では変形が可能なことは当業者には明らかであろう。
【0027】
実施例1フェニル2−アジド−4−O−ベンジル−2−デオキシ−6−O−トリメチルシリル−1−チオ−β−D−ガラクトピラノシドの合成
メタノール20mlにフェニル3,4,6−トリ−O−アセチル−2−アジド−2−デオキシ−1−チオ−β−D−ガラクトピラノシド4.09gを溶かし,この溶液に金属ナトリウム50mgを加え,室温で2時間攪拌した。この反応混合物をアセチルクロリド0.20mlで中和し,減圧下濃縮し,トルエンを加えて共沸し,残渣としてフェニル2−アジド−2−デオキシ−1−チオ−β−D−ガラクトピラノシドを得た。この残渣にN,N−ジメチルホルムアミド10ml加え,溶解させ,次いで,ベンズアルデヒドジメチルアセタール1.52ml,10−カンファースルホン酸112mgを加え,80℃で2.5時間攪拌した。この反応混合物を減圧下,濃縮し,残渣としてフェニル2−アジド−4,6−O−ベンジリデン−2−デオキシ−1−チオ−β−D−ガラクトピラノシドを得た。この残渣にN,N−ジメチルホルムアミド15mlを加え,溶解させ,次いで,tert−ブチルジメチルシリルクロリド1.6g,イミダゾール1.97gを加え,室温で12時間攪拌した。反応混合物に飽和塩化アンムニウム水溶液,酢酸エチルを加え,有機相を分離した。再度水相を酢酸エチルで抽出し,有機相を合わせた。この有機相を水,飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し,硫酸マグネシウムを加えて脱水後,ろ過した。ろ液を減圧下,濃縮した。残渣をカラム精製し,フェニル2−アジド−4,6−O−ベンジリデン−3−O−tert−ブチルジメチルシリル−2−デオキシ−1−チオ−β−D−ガラクトピラノシド4.13gを得た。この時の収率は86%であった。
【0028】
以下に1H−NMRの値を示す。
1H−NMR(270MHz,CDCl3):δ0.07,0.11(2s,6H),δ0.82(s,9H),δ3.42(s,1H),δ3.62(m,1H),δ3.64(dd,1H,J=9.9Hz,J=9.9Hz),δ3.94(dd,1H,J=2.6Hz,J=10.2Hz),δ4.02(dd,1H,J=7.3Hz,J=3.3Hz)
【0029】
以上のようにして得たフェニル2−アジド−4,6−O−ベンジリデン−3−O−tert−ブチルジメチルシリル−2−デオキシ−1−チオ−β−D−ガラクトピラノシド3.42gをテトラヒドロフラン10mlに溶解させ,この溶液に1Mボランテトラヒドロフランコンプレックステトラヒドロフラン溶液10ml,1Mジブチルボラントリフラートテトラヒドロフラン溶液6.85mlを加え,0℃で30分間攪拌した。この反応混合物にトリエチルアミン0.95ml,メタノール12mlを加え,減圧下,濃縮した。この濃縮残渣にアセトニトリル30mlを加え,溶解させ,40%HF水溶液1mlを加え,室温で18時間攪拌した。この反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。この水溶液を酢酸エチルで2回抽出し,有機相を合わせた。この有機相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液,飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し,硫酸マグネシウムを加えて脱水後,ろ過した。ろ液を減圧下,濃縮した。残渣をエチルエーテルで再結晶し,フェニル2−アジド−4−O−ベンジル−2−デオキシ−1−チオ−β−D−ガラクトピラノシドの白色結晶1.63gを得た。この時の収率は62%であった。
【0030】
以下に1H−NMRの値を示す。
1H−NMR(270MHz,CDCl3):δ1.78(dd,1H,J=5.0Hz,J=7.3Hz),δ2.35(d,1H,J=7.3Hz),δ3.53(ddd,1H,J=3.4Hz,J=9.6Hz),δ3.57(dd,1H,J=9.3Hz,J=9.6Hz),δ3.62(dd,1H,J=1.7Hz,J=9.3Hz)
【0031】
以上のようにして得たフェニル2−アジド−4−O−ベンジル−2−デオキシ−1−チオ−β−D−ガラクトピラノシド150mgをジクロロメタン6.0mlに溶解させ,この溶液にトリメチルシリルクロリド52μl,トリエチルアミン0.15mlを加え,0℃で10分間攪拌した。この反応混合物に冷水を加え,酢酸エチルで2回抽出した。有機相を合わせ,飽和炭酸水素ナトリウム水溶液,飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。この有機相に硫酸マグネシウムを加え,脱水,ろ過した。ろ液を減圧下,濃縮した。残渣をカラム精製し,フェニル2−アジド−4−O−ベンジル−2−デオキシ−6−O−トリメチルシリル−1−チオ−β−D−ガラクトピラノシド169mgを得た。この時の収率は95%であった。
【0032】
以下に1H−NMRの値を示す。
1H−NMR(270MHz,CDCl3):δ0.10(s,9H),δ2.45(br−s,1H),δ3.49(ddd,1H,J=6.7Hz,J=6.9Hz),δ3.53(dd,1H,J=9.6Hz,J=9.6Hz),δ3.57(m,1H),δ3.68−3.77(m,2H),δ3.87(s,1H),δ4.37(d,1H,J=9.6Hz)
【0033】
実施例23−O−{2−アジド−4−O−ベンジル−2−デオキシ−3−O−(2−O−ベンゾイル−3,4,6−トリ−O−ベンジル−β−D−ガラクトピラノシル)−6−O−[3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−(2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルアミノ)−β−D−グルコピラノシル]−D−ガラクトピラノシル}−N−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−L−セリンベンジルエステルのワンポット合成
フェニル2−アジド−4−O−ベンジル−2−デオキシ−6−O−トリメチルシリル−1−チオ−β−D−ガラクトピラノシド0.0522mmol,3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−(2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルアミノ)−β−D−グルコピラノシルフルオリド0.0731mmol,MS−4Aをジクロロメタン1.0mlに加え,室温で10分間攪拌した後に−78℃に冷却し,次いで,トリフルオロボランエチルエーテルコンプレックス0.0117mmolを加え,30分間攪拌した。この反応混合物に2−O−ベンゾイル−3,4,6−トリ−O−ベンジル−β−D−ガラクトピラノシルフルオリド0.0757mmolを含むジクロロメタン溶液1.0mlを0℃にて加え,10分間攪拌した。この反応混合物にジルコノセンジトリフラート0.151mmolを含むジクロロメタン溶液を加え,−50℃にて1時間攪拌した。次いで,この反応混合物にN−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−L−セリンベンジルエステル0.0783mmolを含むジクロロメタン溶液1.0ml,トルエン3.0mlを加え,10分間攪拌し,N−ヨードスクシンイミド0.104mmol,触媒量のトリフルオロメタンスルホン酸を加え,−50℃で1.5時間攪拌した。この反応混合物をトリエチルアミンで中和した後,ろ過した。ろ液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液の混合溶液を加え,酢酸エチルで2回抽出した。この有機相を合わせ,飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液の混合溶液で洗浄し,さらに飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。この有機相を硫酸マグネシウムで脱水し,ろ過後,減圧下,濃縮し,カラム精製を行い,収率75%でガラクトースとセリンのグリコシド結合がαとβの混合物である3−O−{2−アジド−4−O−ベンジル−2−デオキシ−3−O−(2−O−ベンゾイル−3,4,6−トリ−O−ベンジル−β−D−ガラクトピラノシル)−6−O−[3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−(2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルアミノ)−β−D−グルコピラノシル]−D−ガラクトピラノシル}−N−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−L−セリンベンジルエステル0.0391mmolを得た。α,βの混合比はHPLCより求め,α:β=63:37であった。TLC精製によりα体のムチンコア2クラス誘導体を得た。
【0034】
以下にα体の1H−NMRの値を示す。
1H−NMR(270MHz,CDCl3):δ1.84,1.87,1.91(3s,9H),δ3.13−5.00(m,35H),δ5.05(d,1H,J=12.5Hz),δ5.14(d,1H,J=12.5Hz),δ5.49(dd,1H,J=9.9Hz),δ5.67(dd,1H,J=7.9Hz,J=9.9Hz),δ5.96(d,1H,J=7.6Hz),δ6.03(d,1H,J=7.3Hz),δ7.02−8.01(m,38H)
【0035】
実施例33−O−{2−アジド−4−O−ベンジル−2−デオキシ−3−O−(2−O−ベンゾイル−3,4,6−トリ−O−ベンジル−β−D−ガラクトピラノシル)−6−O−[3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−(2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルアミノ)−β−D−グルコピラノシル]−D−ガラクトピラノシル}−N−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−L−トレオニンベンジルエステルのワンポット合成
フェニル2−アジド−4−O−ベンジル−2−デオキシ−6−O−トリメチルシリル−1−チオ−β−D−ガラクトピラノシド0.0430mmol,3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−(2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルアミノ)−β−D−グルコピラノシルフルオリド0.0603mmol,MS−4Aをジクロロメタン1.0mlに加え,室温で10分間攪拌した後に−78℃に冷却し,次いで,トリフルオロボランエチルエーテルコンプレックス0.0968mmolを加え,30分間攪拌した。この反応混合物に2−O−ベンゾイル−3,4,6−トリ−O−ベンジル−β−D−ガラクトピラノシルフルオリド0.0624mmolを含むジクロロメタン溶液1.0mlを0℃にて加え,10分間攪拌した。この反応混合物にジルコノセンジトリフラート0.135mmolを含むジクロロメタン溶液を加え,−50℃にて1時間攪拌した。次いで,この反応混合物にN−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−L−トレオニンベンジルエステル0.0648mmolを含むジクロロメタン溶液1.0ml,トルエン3.0mlを加え,10分間攪拌し,N−ヨードスクシンイミド0.0860mmol,触媒量のトリフルオロメタンスルホン酸を加え,−50℃で1.5時間攪拌した。この反応混合物をトリエチルアミンで中和した後,ろ過した。ろ液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液の混合溶液を加え,酢酸エチルで2回抽出した。この有機相を合わせ,飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液の混合溶液で洗浄し,さらに飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。この有機相を硫酸マグネシウムで脱水し,ろ過後,減圧下,濃縮し,カラム精製を行い,収率68%でガラクトースとトレオニンのグリコシド結合がαとβの混合物である3−O−{2−アジド−4−O−ベンジル−2−デオキシ−3−O−(2−O−ベンゾイル−3,4,6−トリ−O−ベンジルーβ−D−ガラクトピラノシル)−6−O−[3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−(2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルアミノ)−β−D−グルコピラノシル]−D−ガラクトピラノシル}−N−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−L−トレオニンベンジルエステル0.0291mmolを得た。α,βの混合比はHPLCより求め,α:β=60:40であった。TLC精製によりα体のムチンコア2クラス誘導体を得た。
【0036】
以下にα体の1H−NMRの値を示す。
1H−NMR(270MHz,CDCl3):δ1.18(br−s,3H)δ1.87,1.92,1.95(3s,9H),δ3.32−5.02(m,36H),δ5.19(d,1H,J=9.3Hz,J=10.2Hz),δ5.14(d,1H,J=7.6Hz),δ5.62(d,1H,J=7.9Hz,J=9.9Hz),δ5.69(dd,1H,J=7.9Hz,J=9.9Hz),δ7.05−8.02(m,38H)
【0037】
【発明の効果】
以上のように本発明化合物は容易に合成でき,糖供与体として,あるいは糖受容体として機能し,それを用いてムチンコア2クラス誘導体を簡便に合成することができた。しかもこの一連の反応はワンポットで行うことができる。従って,本発明は糖タンパクの合成や創薬において用いられる糖誘導体であり,グリコシル化法である。本発明を用いることで一群の糖タンパクライブラリーを簡便に合成することができ,極めて有用な糖誘導体と言える。
【発明の属する技術分野】
本発明は新規D−ガラクトサミン誘導体,およびそれを用いるムチンコア2クラスの合成法に関するもので,医薬,薬学の属する分野において求められている生理活性物質の合成法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
糖は動植物の生命維持に極めて重要な役割を演じており,生体内で種々の形で存在する。近年,糖鎖がタンパクあるいは脂質と結合した糖タンパク,糖脂質の機能が注目されている。ことに,糖タンパクは生体の基本的な生理現象である造血機能を担っており,多方面で研究されつつある。この糖タンパクの糖鎖は多種多用であるが,糖と結合しているタンパクのアミノ酸はL−アスパラギン,L−セリン,L−トレオニンに限られている。L−アスパラギンが結合した糖鎖はアスパラギン型糖鎖と呼ばれており,L−アスパラギンのペプチド結合にあずかっていないγ位のアミノ基と糖鎖の還元末端にあるグルコサミンの1位との間でβ−グリコシド結合を形成している。そのため,N−グリコシド結合型糖鎖とも呼ばれている。L−セリンあるいはL−トレオニンが結合した糖鎖はムチン型糖鎖と呼ばれ,L−セリン,L−トレオニンの水酸基とガラクトサミンの1位との間でα−グリコシド結合を形成しており,O−グリコシド結合型糖鎖とも呼ばれている。アスパラギン型糖鎖は細胞表層に存在し,細胞の癌化や転移,造血機能などに深く関わっている。ムチン型糖鎖は粘膜上細胞によって生産,分泌される糖タンパクであるムチンに多く存在し,ウイルスによる赤血球凝集を阻害する。近年,硫酸基やシアル酸を有するムチン型糖鎖がこの活性発現に重要な役割を果たしていることが明らかになりつつある。このムチン型糖鎖にはL−セリン,L−トレオニンとガラクトサミンのグリコシド結合から成るコア構造が有り,このコア構造のガラクトサミンの3位,6位の水酸基にガラクトース,N−アセチル−D−グルコサミン,シアル酸などが結合し,数多くのムチン型糖鎖を形成する。以下に代表例を示す。
【0003】
【化6】
【0004】
(式中,Acはアセチル基,Ser/ThrはL−セリン,L−トレオニンであってその水酸基が糖部分とグリコシド結合を形成している)これらムチン型糖鎖はN−アセチル−D−ガラクトサミンの3位,6位に結合する糖の種類により,それぞれ異なった生理活性を示す。
以上のように糖タンパクは興味深い生理活性と多様性を有しており,創薬の対象として期待が持たれている。ことにムチン型糖鎖は糖の化学で一般的なO−グリコシド結合を有すること,およびその特異な生理活性から注目されており,化学合成法が盛んに研究されている。
【0005】
例えば,KunzらおよびPaulsenらは,グリコシル化反応にKoenigs−Knorr法を用いるムチンコアクラス1の合成法を報告している。反応は下記反応式に従って進行する。
【0006】
【化7】
【0007】
この反応はトリクロロイミデート糖と糖受容体とのグリコシル化反応により二糖を得た後,この二糖を反応性の高い臭化糖に変換し,糖受容体であるL−セリン,L−トレオニン誘導体と反応させ,目的とするコア構造を合成している。
Danishefkyらはトリクロロアセトイミデート法を用いる保護2,6ST抗原の合成法を報告している。反応は下記反応式に従って進行する。
【0008】
【化8】
【0009】
この方法はガラクタールを糖供与体としてグリコシル化反応を繰り返し,最後にトリクロロアセトイミデート糖に誘導し,L−セリン,L−トレオニン誘導体とのグリコシル化反応で高いα−選択性を持って2,6ST抗原保護体を得ている。
一方,あらかじめアミノ酸とα−グリコシド結合を有する糖を糖受容体として用いる手法も報告されている。
【0010】
【化9】
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
以上のようにムチン型糖鎖のコアの合成法が報告されている。しかしながら,いずれの方法も複雑な工程が必要で,簡便な方法とは言い難い。また,ムチン型糖鎖の生理活性解明やムチン型糖鎖類縁体医薬品開発などのため,ムチン型糖鎖のライブラリーを簡便に作成することが望まれている。そのため,アミノ酸と反応結合する糖供与体の機能と,3位,6位が種々のグリコシル基と反応結合する糖受容体の機能を有するD−ガラクトサミン誘導体が強く求められている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
そこで,発明者らは鋭意研究を重ね,本発明を完成するに至った。すなわち,本発明は下記構造1
【0013】
【化10】
【0014】
(式中,TMSはトリメチルシリル基,R1はフェニル基,4−メチルフェニル基,2−メチルフェニル基から選ばれ,R2はベンジル基,4−メトキシベンジル基,3,4−ジメトキシベンジル基,2−ニトロベンジル基,4−ニトロベンジル基,4−フェニルベンジル基,ジフェニルメチル基,トリフェニルメチル基,4−メトキシフェニルジフェニルメチル基,ビス(4−メトキシフェニル)フェニルメチル基,アセチル基,ベンゾイル基から選ばれる)で示される新規D−ガラクトサミン誘導体,およびこの新規D−ガラクトサミン誘導体を用いるムチンコア2クラスの合成法に関するものである。
【0015】
本発明に係る新規D−ガラクトサミン誘導体の代表例として下記構造式2
【0016】
【化11】
【0017】
(式中,Bnはベンジル基,TMSはトリメチルシリル基,Phはフェニル基である)で示されるD−ガラクトサミン誘導体を取り上げ,本発明の有用性を明らかにする。構造式2で示されるD−ガラクトサミン誘導体は文献未記の新規化合物で,その製造法としては,例えば,下記反応式に従って合成することができる。
【0018】
【化12】
【0019】
この反応式で第I工程はフェニル3,4,6−トリ−O−アセチル−2−アジド−2−デオキシ−1−チオ−β−D−ガラクトピラノシドからフェニル2−アジド−4,6−ベンジリデン−3−O−tert−ブチルジメチルシリル−2−デオキシ−1−チオ−β−D−ガラクトピラノシドを合成する工程である。この工程はアセチル基を脱保護し,次いで4−位と6−位の水酸基をアセタール交換で同時に保護し,最後に3−位の水酸基をtert−ブチルジメチルシリル化することから成る。アセチル基の脱保護はメタノール,エタノール,イソプロパノールのごときアルコールに金属ナトリウムあるいはカリウムを加えた金属アルコラートにフェニル3,4,6−トリ−O−アセチル−2−アジド−2−デオキシ−1−チオ−β−D−ガラクトピラノシドを溶解し,攪拌することにより行われる。反応温度は−20℃から還流温度の間で選ばれるが,好ましくは室温付近である。4−位と6−位の水酸基の保護はCSAの存在下,アセチル基の脱保護で得られたフェニル2−アジド−2−デオキシ−1−チオ−β−D−ガラクトピラノシドとベンズアルデヒドジアルキルアセタールを反応させることにより行われる。ここで使用しうる溶媒としてはDMFなどの非プロトン性極性溶媒が挙げられる。反応温度は室温から溶媒の還流温度の間で選ばれるが,好ましくは80℃付近である。3−位水酸基のtert−ブチルジメチルシリル化は4−位と6−位の水酸基の環状アセタール化したフェニル2−アジド−4,6−ベンジリデン−2−デオキシ−1−チオ−β−D−ガラクトピラノシドとtert−ブチルジメチルシリルクロリド,tert−ブチルジメチルシリルイミダゾール,tert−ブチルジメチルシリルトリフラートのごときtert−ブチルジメチルシリル化剤を反応させることにより得られる。ここで使用しうる溶媒はDMFなどの非プロトン性極性溶媒が挙げられる。反応温度は0℃から溶媒の還流温度の間で選ばれるが,好ましくは室温付近である。いずれの反応時間も使用する溶媒,反応混合物の濃度により異なるが10分から24時間の間で適宜選択される。
【0020】
第II工程はフェニル2−アジド−4,6−O−ベンジリデン−3−O−tert−ブチルジメチルシリル−2−デオキシ−1−チオ−β−D−ガラクトピラノシドからフェニルチオ2−アジド−4−O−ベンジル−2−デオキシ−β−D−ガラクトピラノシドを得る工程である。フェニル2−アジド−4,6−O−ベンジリデン−3−O−tert−ブチルジメチルシリル−2−デオキシ−1−チオ−β−D−ガラクトピラノシドの環状アセタールを還元的に開環し,次いでフッ素アニオンでtert−ブチルジメチルシリル基を脱保護することでフェニル2−アジド−4−O−ベンジル−2−デオキシ−1−チオ−β−D−ガラクトピラノシドが得られる。環状アセタールの還元的開環反応はボランTHFコンプレックス,ボランピリジンコンプレックス,ボランジメチルスルフィドコンプレックスなどから選ばれる還元剤とジブチルボラントリフラートを共存させて行う。tert−ブチルジメチルシリル基の脱保護はフッ化水素水溶液,テトラアルキルアンモニウムフルオリドなどにより行うことができる。
【0021】
第III工程はフェニル2−アジド−4−O−ベンジル−2−デオキシ−1−チオ−β−D−ガラクトピラノシドからフェニル2−アジド−4−O−ベンジル−6−O−トリメチルシリル−2−デオキシ−1−チオ−β−D−ガラクトピラノシドを得る工程である。この工程で使用するトリメチルシリル化剤としてはトリメチルシリルクロリド,トリメチルシリルイミダゾール,トリメチルシリルトリフラート,ヘキサメチルジシラザンなどが挙げられる。
【0022】
以上のように本発明化合物は容易に合成することができる。以下に本発明の有用性を明らかにするため,本発明の代表的な例として構造式2のD−ガラクトサミン誘導体を取り上げ,ムチンコア2クラスの合成に極めて有用である旨を例示する。
【0023】
【化13】
【0024】
上記反応式を用いて本発明化合物の有用性を明らかにする。本発明化合物であるD−ガルクトサミン誘導体2は,トリフルオロボランエチルエーテルコンプレックスの存在下,グルコサミンのフッ化糖と反応してβ−1,6−グリコシド結合を形成し,良好な収率で二糖が得られる。次いで,この二糖とガラクトピラノシルフルオリド誘導体をジルコノセンジトリフラートの存在下で反応させ,二糖におけるガラクトサミン部分の3位の水酸基とガラクトピラノシルフルオリド誘導体のアノマー炭素からβ−1,3−グリコシド結合を形成せしめ,良好な収率で三糖が得られる。最後に,この三糖とN−保護L−セリンエステルあるいはN−保護L−トレオニンエステルをN−ヨードコハク酸イミド−トリフルオロメタンスルホン酸の存在下で反応させ,三糖におけるガラクトサミン部分のフェニルチオ基で活性化したアノマー炭素とセリンあるいはトレオニンの水酸基からグリコシド結合を形成せしめ,良好な収率と選択性でムチンコア2クラス保護体を得ることができる。この一連の反応はワンポットで行える。そのため,極めて有用なムチンコア2クラスの合成法と言える。
【0025】
以上のように本発明化合物を用いることで位置選択的なグリコシル化を連続してワンポットで行うことができる。本発明化合物の代表例である構造式2のD−ガラクトサミン誘導体は6位の水酸基にトリメチルシリル基を導入して活性化し,3位の水酸基は遊離のままで存在する。従って,6位と3位が反応点となり,糖受容体として機能する。そして,グリコシル化反応において,糖供与体であるフッ化糖の活性化条件を選択することで,本発明化合物の6位と3位の反応性は大きく異なる。そのため,位置選択的なグリコシル化が可能である。また,1位はフェニルチオ基を有しており,糖供与体として機能する。従って,本発明化合物の代表例である構造式2のD−ガラクトサミン誘導体はコアクラス2保護体を合成するため極めて有用な糖受容体であり,糖供与体である。
【0026】
【実施例】
以下に本発明の好ましい実施例を記載するが,これは例示の目的であり,本発明を制限するものではない。本発明の範囲内では変形が可能なことは当業者には明らかであろう。
【0027】
実施例1フェニル2−アジド−4−O−ベンジル−2−デオキシ−6−O−トリメチルシリル−1−チオ−β−D−ガラクトピラノシドの合成
メタノール20mlにフェニル3,4,6−トリ−O−アセチル−2−アジド−2−デオキシ−1−チオ−β−D−ガラクトピラノシド4.09gを溶かし,この溶液に金属ナトリウム50mgを加え,室温で2時間攪拌した。この反応混合物をアセチルクロリド0.20mlで中和し,減圧下濃縮し,トルエンを加えて共沸し,残渣としてフェニル2−アジド−2−デオキシ−1−チオ−β−D−ガラクトピラノシドを得た。この残渣にN,N−ジメチルホルムアミド10ml加え,溶解させ,次いで,ベンズアルデヒドジメチルアセタール1.52ml,10−カンファースルホン酸112mgを加え,80℃で2.5時間攪拌した。この反応混合物を減圧下,濃縮し,残渣としてフェニル2−アジド−4,6−O−ベンジリデン−2−デオキシ−1−チオ−β−D−ガラクトピラノシドを得た。この残渣にN,N−ジメチルホルムアミド15mlを加え,溶解させ,次いで,tert−ブチルジメチルシリルクロリド1.6g,イミダゾール1.97gを加え,室温で12時間攪拌した。反応混合物に飽和塩化アンムニウム水溶液,酢酸エチルを加え,有機相を分離した。再度水相を酢酸エチルで抽出し,有機相を合わせた。この有機相を水,飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し,硫酸マグネシウムを加えて脱水後,ろ過した。ろ液を減圧下,濃縮した。残渣をカラム精製し,フェニル2−アジド−4,6−O−ベンジリデン−3−O−tert−ブチルジメチルシリル−2−デオキシ−1−チオ−β−D−ガラクトピラノシド4.13gを得た。この時の収率は86%であった。
【0028】
以下に1H−NMRの値を示す。
1H−NMR(270MHz,CDCl3):δ0.07,0.11(2s,6H),δ0.82(s,9H),δ3.42(s,1H),δ3.62(m,1H),δ3.64(dd,1H,J=9.9Hz,J=9.9Hz),δ3.94(dd,1H,J=2.6Hz,J=10.2Hz),δ4.02(dd,1H,J=7.3Hz,J=3.3Hz)
【0029】
以上のようにして得たフェニル2−アジド−4,6−O−ベンジリデン−3−O−tert−ブチルジメチルシリル−2−デオキシ−1−チオ−β−D−ガラクトピラノシド3.42gをテトラヒドロフラン10mlに溶解させ,この溶液に1Mボランテトラヒドロフランコンプレックステトラヒドロフラン溶液10ml,1Mジブチルボラントリフラートテトラヒドロフラン溶液6.85mlを加え,0℃で30分間攪拌した。この反応混合物にトリエチルアミン0.95ml,メタノール12mlを加え,減圧下,濃縮した。この濃縮残渣にアセトニトリル30mlを加え,溶解させ,40%HF水溶液1mlを加え,室温で18時間攪拌した。この反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。この水溶液を酢酸エチルで2回抽出し,有機相を合わせた。この有機相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液,飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し,硫酸マグネシウムを加えて脱水後,ろ過した。ろ液を減圧下,濃縮した。残渣をエチルエーテルで再結晶し,フェニル2−アジド−4−O−ベンジル−2−デオキシ−1−チオ−β−D−ガラクトピラノシドの白色結晶1.63gを得た。この時の収率は62%であった。
【0030】
以下に1H−NMRの値を示す。
1H−NMR(270MHz,CDCl3):δ1.78(dd,1H,J=5.0Hz,J=7.3Hz),δ2.35(d,1H,J=7.3Hz),δ3.53(ddd,1H,J=3.4Hz,J=9.6Hz),δ3.57(dd,1H,J=9.3Hz,J=9.6Hz),δ3.62(dd,1H,J=1.7Hz,J=9.3Hz)
【0031】
以上のようにして得たフェニル2−アジド−4−O−ベンジル−2−デオキシ−1−チオ−β−D−ガラクトピラノシド150mgをジクロロメタン6.0mlに溶解させ,この溶液にトリメチルシリルクロリド52μl,トリエチルアミン0.15mlを加え,0℃で10分間攪拌した。この反応混合物に冷水を加え,酢酸エチルで2回抽出した。有機相を合わせ,飽和炭酸水素ナトリウム水溶液,飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。この有機相に硫酸マグネシウムを加え,脱水,ろ過した。ろ液を減圧下,濃縮した。残渣をカラム精製し,フェニル2−アジド−4−O−ベンジル−2−デオキシ−6−O−トリメチルシリル−1−チオ−β−D−ガラクトピラノシド169mgを得た。この時の収率は95%であった。
【0032】
以下に1H−NMRの値を示す。
1H−NMR(270MHz,CDCl3):δ0.10(s,9H),δ2.45(br−s,1H),δ3.49(ddd,1H,J=6.7Hz,J=6.9Hz),δ3.53(dd,1H,J=9.6Hz,J=9.6Hz),δ3.57(m,1H),δ3.68−3.77(m,2H),δ3.87(s,1H),δ4.37(d,1H,J=9.6Hz)
【0033】
実施例23−O−{2−アジド−4−O−ベンジル−2−デオキシ−3−O−(2−O−ベンゾイル−3,4,6−トリ−O−ベンジル−β−D−ガラクトピラノシル)−6−O−[3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−(2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルアミノ)−β−D−グルコピラノシル]−D−ガラクトピラノシル}−N−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−L−セリンベンジルエステルのワンポット合成
フェニル2−アジド−4−O−ベンジル−2−デオキシ−6−O−トリメチルシリル−1−チオ−β−D−ガラクトピラノシド0.0522mmol,3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−(2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルアミノ)−β−D−グルコピラノシルフルオリド0.0731mmol,MS−4Aをジクロロメタン1.0mlに加え,室温で10分間攪拌した後に−78℃に冷却し,次いで,トリフルオロボランエチルエーテルコンプレックス0.0117mmolを加え,30分間攪拌した。この反応混合物に2−O−ベンゾイル−3,4,6−トリ−O−ベンジル−β−D−ガラクトピラノシルフルオリド0.0757mmolを含むジクロロメタン溶液1.0mlを0℃にて加え,10分間攪拌した。この反応混合物にジルコノセンジトリフラート0.151mmolを含むジクロロメタン溶液を加え,−50℃にて1時間攪拌した。次いで,この反応混合物にN−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−L−セリンベンジルエステル0.0783mmolを含むジクロロメタン溶液1.0ml,トルエン3.0mlを加え,10分間攪拌し,N−ヨードスクシンイミド0.104mmol,触媒量のトリフルオロメタンスルホン酸を加え,−50℃で1.5時間攪拌した。この反応混合物をトリエチルアミンで中和した後,ろ過した。ろ液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液の混合溶液を加え,酢酸エチルで2回抽出した。この有機相を合わせ,飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液の混合溶液で洗浄し,さらに飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。この有機相を硫酸マグネシウムで脱水し,ろ過後,減圧下,濃縮し,カラム精製を行い,収率75%でガラクトースとセリンのグリコシド結合がαとβの混合物である3−O−{2−アジド−4−O−ベンジル−2−デオキシ−3−O−(2−O−ベンゾイル−3,4,6−トリ−O−ベンジル−β−D−ガラクトピラノシル)−6−O−[3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−(2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルアミノ)−β−D−グルコピラノシル]−D−ガラクトピラノシル}−N−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−L−セリンベンジルエステル0.0391mmolを得た。α,βの混合比はHPLCより求め,α:β=63:37であった。TLC精製によりα体のムチンコア2クラス誘導体を得た。
【0034】
以下にα体の1H−NMRの値を示す。
1H−NMR(270MHz,CDCl3):δ1.84,1.87,1.91(3s,9H),δ3.13−5.00(m,35H),δ5.05(d,1H,J=12.5Hz),δ5.14(d,1H,J=12.5Hz),δ5.49(dd,1H,J=9.9Hz),δ5.67(dd,1H,J=7.9Hz,J=9.9Hz),δ5.96(d,1H,J=7.6Hz),δ6.03(d,1H,J=7.3Hz),δ7.02−8.01(m,38H)
【0035】
実施例33−O−{2−アジド−4−O−ベンジル−2−デオキシ−3−O−(2−O−ベンゾイル−3,4,6−トリ−O−ベンジル−β−D−ガラクトピラノシル)−6−O−[3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−(2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルアミノ)−β−D−グルコピラノシル]−D−ガラクトピラノシル}−N−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−L−トレオニンベンジルエステルのワンポット合成
フェニル2−アジド−4−O−ベンジル−2−デオキシ−6−O−トリメチルシリル−1−チオ−β−D−ガラクトピラノシド0.0430mmol,3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−(2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルアミノ)−β−D−グルコピラノシルフルオリド0.0603mmol,MS−4Aをジクロロメタン1.0mlに加え,室温で10分間攪拌した後に−78℃に冷却し,次いで,トリフルオロボランエチルエーテルコンプレックス0.0968mmolを加え,30分間攪拌した。この反応混合物に2−O−ベンゾイル−3,4,6−トリ−O−ベンジル−β−D−ガラクトピラノシルフルオリド0.0624mmolを含むジクロロメタン溶液1.0mlを0℃にて加え,10分間攪拌した。この反応混合物にジルコノセンジトリフラート0.135mmolを含むジクロロメタン溶液を加え,−50℃にて1時間攪拌した。次いで,この反応混合物にN−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−L−トレオニンベンジルエステル0.0648mmolを含むジクロロメタン溶液1.0ml,トルエン3.0mlを加え,10分間攪拌し,N−ヨードスクシンイミド0.0860mmol,触媒量のトリフルオロメタンスルホン酸を加え,−50℃で1.5時間攪拌した。この反応混合物をトリエチルアミンで中和した後,ろ過した。ろ液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液の混合溶液を加え,酢酸エチルで2回抽出した。この有機相を合わせ,飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液の混合溶液で洗浄し,さらに飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。この有機相を硫酸マグネシウムで脱水し,ろ過後,減圧下,濃縮し,カラム精製を行い,収率68%でガラクトースとトレオニンのグリコシド結合がαとβの混合物である3−O−{2−アジド−4−O−ベンジル−2−デオキシ−3−O−(2−O−ベンゾイル−3,4,6−トリ−O−ベンジルーβ−D−ガラクトピラノシル)−6−O−[3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−(2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルアミノ)−β−D−グルコピラノシル]−D−ガラクトピラノシル}−N−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−L−トレオニンベンジルエステル0.0291mmolを得た。α,βの混合比はHPLCより求め,α:β=60:40であった。TLC精製によりα体のムチンコア2クラス誘導体を得た。
【0036】
以下にα体の1H−NMRの値を示す。
1H−NMR(270MHz,CDCl3):δ1.18(br−s,3H)δ1.87,1.92,1.95(3s,9H),δ3.32−5.02(m,36H),δ5.19(d,1H,J=9.3Hz,J=10.2Hz),δ5.14(d,1H,J=7.6Hz),δ5.62(d,1H,J=7.9Hz,J=9.9Hz),δ5.69(dd,1H,J=7.9Hz,J=9.9Hz),δ7.05−8.02(m,38H)
【0037】
【発明の効果】
以上のように本発明化合物は容易に合成でき,糖供与体として,あるいは糖受容体として機能し,それを用いてムチンコア2クラス誘導体を簡便に合成することができた。しかもこの一連の反応はワンポットで行うことができる。従って,本発明は糖タンパクの合成や創薬において用いられる糖誘導体であり,グリコシル化法である。本発明を用いることで一群の糖タンパクライブラリーを簡便に合成することができ,極めて有用な糖誘導体と言える。
Claims (4)
- R1がフェニル基,R2がベンジル基である請求項1記載の新規D−ガラクトサミン誘導体。
- ボロントリフルオリドエチルエーテルコンプレックスの存在下,下記構造式
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JP2002298018A JP2004099575A (ja) | 2002-09-05 | 2002-09-05 | 新規d−ガラクトサミン誘導体,およびそれを用いるムチンコア2クラスの合成法 |
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-
2002
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CN110776544A (zh) * | 2019-11-11 | 2020-02-11 | 三峡大学 | 一类2,3-不饱和半乳糖硫苷类化合物及其合成方法 |
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