JPH085147B2 - 合成皮革靴の製造方法 - Google Patents
合成皮革靴の製造方法Info
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- JPH085147B2 JPH085147B2 JP61203050A JP20305086A JPH085147B2 JP H085147 B2 JPH085147 B2 JP H085147B2 JP 61203050 A JP61203050 A JP 61203050A JP 20305086 A JP20305086 A JP 20305086A JP H085147 B2 JPH085147 B2 JP H085147B2
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- skin layer
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は合成皮革靴の製造方法に関する。
合成皮革よりなる胛被の底部にポリ塩化ビニルを主成
分とする靴底材を射出成型して一体化された靴底を形成
し、合成皮革靴を製造するに際して、合成皮革製胛被と
して従来より、ポリイソシアネートとしてジフェニルメ
タンジイソシアネート(MDI)を用いた熱軟化点190〜20
0℃程度のポリウレタン表皮層を有する合成皮革よりな
るものが用いられているが、ポリ塩化ビニルを主成分と
する靴底材の射出温度が190〜200℃程度であるため射出
された靴底材が胛被の表皮層に接触した時には温度低下
によって胛被の表皮層を確実に溶融し得るだけの温度に
なく、靴底と胛被との接着が不充分となる。このため従
来は胛被と靴底との接合部(胛被下端部外周)に、靴底
との接着性向上のためのプライマーを予め塗布した後、
射出成型を行なっていた。しかしながら、このプライマ
ーの塗布は刷毛等による手作業で行なわれており、生産
能率が低く、品質の安定性にも欠けるとう問題があると
ともに、胛被と靴底とを確実に接着するために、胛被下
端部外周の実際に靴底と接合する部分より広い部分にプ
ライマー塗布を行っており、このため胛被表面にプライ
マーが現れて外観上好ましくないという問題があった。
分とする靴底材を射出成型して一体化された靴底を形成
し、合成皮革靴を製造するに際して、合成皮革製胛被と
して従来より、ポリイソシアネートとしてジフェニルメ
タンジイソシアネート(MDI)を用いた熱軟化点190〜20
0℃程度のポリウレタン表皮層を有する合成皮革よりな
るものが用いられているが、ポリ塩化ビニルを主成分と
する靴底材の射出温度が190〜200℃程度であるため射出
された靴底材が胛被の表皮層に接触した時には温度低下
によって胛被の表皮層を確実に溶融し得るだけの温度に
なく、靴底と胛被との接着が不充分となる。このため従
来は胛被と靴底との接合部(胛被下端部外周)に、靴底
との接着性向上のためのプライマーを予め塗布した後、
射出成型を行なっていた。しかしながら、このプライマ
ーの塗布は刷毛等による手作業で行なわれており、生産
能率が低く、品質の安定性にも欠けるとう問題があると
ともに、胛被と靴底とを確実に接着するために、胛被下
端部外周の実際に靴底と接合する部分より広い部分にプ
ライマー塗布を行っており、このため胛被表面にプライ
マーが現れて外観上好ましくないという問題があった。
本発明者は上記の点に鑑み鋭意研究した結果、表皮層
をポリカプロラクトングリコール及び/又はポリブチレ
ンアジペートをポリエステル成分とする無黄変型ポリウ
レタンエラストマーにより形成することにより、プライ
マーなしでも胛被と靴底とを充分接着することができる
ことを見出したが、上記無黄変型ポリウレタンエラスト
マーより表皮層を形成する場合、表皮層と合成皮革基材
とを接着する接着剤として従来より用いられているエチ
レングリコール及び/又はブタンジオールとアジピン酸
とのポリエステルと、トリレンジイソシアネート(TD
I)とからなるポリウレタン系2液型接着剤を用いると
表皮層の屈曲性が低下せしめられて柔軟性に乏しいもの
となり、しかもこの合成皮革より得た胛被を用いて靴底
材を射出成型すると、一担接着した表皮層が合成皮革基
材から剥離しやすくなるという欠点があった。
をポリカプロラクトングリコール及び/又はポリブチレ
ンアジペートをポリエステル成分とする無黄変型ポリウ
レタンエラストマーにより形成することにより、プライ
マーなしでも胛被と靴底とを充分接着することができる
ことを見出したが、上記無黄変型ポリウレタンエラスト
マーより表皮層を形成する場合、表皮層と合成皮革基材
とを接着する接着剤として従来より用いられているエチ
レングリコール及び/又はブタンジオールとアジピン酸
とのポリエステルと、トリレンジイソシアネート(TD
I)とからなるポリウレタン系2液型接着剤を用いると
表皮層の屈曲性が低下せしめられて柔軟性に乏しいもの
となり、しかもこの合成皮革より得た胛被を用いて靴底
材を射出成型すると、一担接着した表皮層が合成皮革基
材から剥離しやすくなるという欠点があった。
本発明は上記の点に鑑みなされたもので、プライマー
塗布を行なわずとも胛被と靴底とを確実に接合一体化で
き、しかも胛被の天然皮革様の柔軟性低下や、靴底材を
射出成型した後に胛被の表皮層と基材との剥離を生じる
ことなく、優れた合成皮革靴を効率よく製造し得る合成
皮革靴の製造方法を提供することを目的とする。
塗布を行なわずとも胛被と靴底とを確実に接合一体化で
き、しかも胛被の天然皮革様の柔軟性低下や、靴底材を
射出成型した後に胛被の表皮層と基材との剥離を生じる
ことなく、優れた合成皮革靴を効率よく製造し得る合成
皮革靴の製造方法を提供することを目的とする。
即ち本発明はポリエチレンアジペート、ポリエチレン
ブチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリブ
チレンヘキシレンアジペート、ポリカプロラクトングリ
コールの少なくとも1種と、低分子量グリコール及び芳
香族ジイソシアネートとを構成成分とするポリウレタン
エラストマーよりなる1液型接着剤により合成皮革基材
に接着された、ポリカプロラクトングリコール及び/又
はポリブチレンアジペートをポリエステル成分とする無
黄変型ポリウレタンエラストマーよりなる表皮層を有す
る合成皮革より胛被を形成し、次いで該胛被の底部に、
ポリ塩化ビニルを主成分とする靴底材を射出成型して一
体化された靴底を形成することを特徴とする合成皮革靴
の製造方法を要旨とするものである。
ブチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリブ
チレンヘキシレンアジペート、ポリカプロラクトングリ
コールの少なくとも1種と、低分子量グリコール及び芳
香族ジイソシアネートとを構成成分とするポリウレタン
エラストマーよりなる1液型接着剤により合成皮革基材
に接着された、ポリカプロラクトングリコール及び/又
はポリブチレンアジペートをポリエステル成分とする無
黄変型ポリウレタンエラストマーよりなる表皮層を有す
る合成皮革より胛被を形成し、次いで該胛被の底部に、
ポリ塩化ビニルを主成分とする靴底材を射出成型して一
体化された靴底を形成することを特徴とする合成皮革靴
の製造方法を要旨とするものである。
本発明において用いる胛被を形成する合成皮革の表皮
層はポリカプロラクトングリコール及び/又はポリブチ
レンアジペートをポリエステル成分とする無黄変型ポリ
ウレタンエラストマーよりなり、該無黄変型ポリウレタ
ンエラストマーは、イソシアネート成分としてイソホロ
ンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタン
ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等
の脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネー
トの単独又は2種以上の混合物が用いられる。また鎖伸
長剤としてはエチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、
ブタンジオール等のグリコール類;エチレンジアミン、
プロピレンジアミン、ジプロピレンジアミン、ブチレン
ジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミ
ン;イソホロンジアミン、4,4′−ジアミノジシクロヘ
キシルメタン等の脂環式ジアミン等が単独又は2種以上
混合して用いられる。上記無黄変型ポリウレタンエラス
トマーには射出成型時の熱による表皮層のブロッキング
防止のためにシリカを添加することが好ましく、ブロッ
キングが防止されることによってより射出成型後の靴の
取扱いが容易となる他、表面の粘着性が軽減され、汚れ
防止に好都合となる。シリカの添加量はポリウレタンエ
ラストマー100重量部当り1.5〜6.0重量部が好ましい。
層はポリカプロラクトングリコール及び/又はポリブチ
レンアジペートをポリエステル成分とする無黄変型ポリ
ウレタンエラストマーよりなり、該無黄変型ポリウレタ
ンエラストマーは、イソシアネート成分としてイソホロ
ンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタン
ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等
の脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネー
トの単独又は2種以上の混合物が用いられる。また鎖伸
長剤としてはエチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、
ブタンジオール等のグリコール類;エチレンジアミン、
プロピレンジアミン、ジプロピレンジアミン、ブチレン
ジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミ
ン;イソホロンジアミン、4,4′−ジアミノジシクロヘ
キシルメタン等の脂環式ジアミン等が単独又は2種以上
混合して用いられる。上記無黄変型ポリウレタンエラス
トマーには射出成型時の熱による表皮層のブロッキング
防止のためにシリカを添加することが好ましく、ブロッ
キングが防止されることによってより射出成型後の靴の
取扱いが容易となる他、表面の粘着性が軽減され、汚れ
防止に好都合となる。シリカの添加量はポリウレタンエ
ラストマー100重量部当り1.5〜6.0重量部が好ましい。
合成皮革基材としては、ポリウレタンエラストマーを
含浸させた織布、不織布、編布等が挙げられ、具体的な
合成皮革基材の例としては、ポリエステル、レーヨン混
紡の片面又は両面起毛布上にポリウレタンエラストマー
のジメチルフォルムアミド溶液を塗布した後、水中に浸
漬してポリウレタンエラストマーを凝固させて得られた
ものが挙げられる。この合成皮革基材としてはポリウレ
タンエラストマーよりなる緻密な気泡構造のミクロポー
ラス層を有するものが好ましい。
含浸させた織布、不織布、編布等が挙げられ、具体的な
合成皮革基材の例としては、ポリエステル、レーヨン混
紡の片面又は両面起毛布上にポリウレタンエラストマー
のジメチルフォルムアミド溶液を塗布した後、水中に浸
漬してポリウレタンエラストマーを凝固させて得られた
ものが挙げられる。この合成皮革基材としてはポリウレ
タンエラストマーよりなる緻密な気泡構造のミクロポー
ラス層を有するものが好ましい。
上記合成皮革基材と表皮層とを接着する接着剤として
はポリエチレンアジペート、ポリエチレンブチレンアジ
ペート、ポリブチレンアジペート、ポリブチレンヘキシ
レンアジペート、ポリカプロラクトングリコールの少な
くとも1種と、低分子量グリコール及び芳香族ジイソシ
アネートとを構成成分とするポリウレタンエラストマー
よりなる1液型接着剤が用いられるが、このエラストマ
ーを構成する低分子量グリコールとしては例えばエチレ
ングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオ
ール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール
等が挙げられ、芳香族ジイソシアネートとしては例えば
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリ
レンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネー
ト等が挙げられるが、接着性の上から特に4,4′−ジフ
ェニルメタンジイソシアネートが好ましく、これに一部
2,4−トリレンジイソシアネート及び/又は2,6−トリレ
ンジイソシアネートを併用してもよい。
はポリエチレンアジペート、ポリエチレンブチレンアジ
ペート、ポリブチレンアジペート、ポリブチレンヘキシ
レンアジペート、ポリカプロラクトングリコールの少な
くとも1種と、低分子量グリコール及び芳香族ジイソシ
アネートとを構成成分とするポリウレタンエラストマー
よりなる1液型接着剤が用いられるが、このエラストマ
ーを構成する低分子量グリコールとしては例えばエチレ
ングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオ
ール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール
等が挙げられ、芳香族ジイソシアネートとしては例えば
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリ
レンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネー
ト等が挙げられるが、接着性の上から特に4,4′−ジフ
ェニルメタンジイソシアネートが好ましく、これに一部
2,4−トリレンジイソシアネート及び/又は2,6−トリレ
ンジイソシアネートを併用してもよい。
合成皮革基材に上記接着剤を介して表皮層を形成する
方法としては、離型紙上に、必要により顔料を添加して
着色した表皮層形成用のポリウレタンエラストマーの有
機溶媒溶液を塗布して乾燥させ、次いでこの上に接着剤
用のポリウレタンエラストマーの有機溶媒溶液を塗布し
て乾燥させた後、合成皮革基材と重ね合わせて加熱圧着
し、離型紙を剥離して表皮層を合成皮革基材に転写する
方法が挙げられる。
方法としては、離型紙上に、必要により顔料を添加して
着色した表皮層形成用のポリウレタンエラストマーの有
機溶媒溶液を塗布して乾燥させ、次いでこの上に接着剤
用のポリウレタンエラストマーの有機溶媒溶液を塗布し
て乾燥させた後、合成皮革基材と重ね合わせて加熱圧着
し、離型紙を剥離して表皮層を合成皮革基材に転写する
方法が挙げられる。
本発明方法においては上記合成皮革よりなる胛被の底
部に、ポリ塩化ビニルを主成分とする靴底材を射出成型
して一体化された靴底を形成するが、胛被の表皮層がポ
リカプロラクトングリコール及び/又はポリブチレンア
ジペートをポリエステル成分とする無黄変型ポリウレタ
ンエラストマーよりなるために、靴底との接合部に予め
プライマー塗布を行なっておかずとも胛被と靴底とを確
実に接合することができる。靴底材の射出温度は通常18
5〜200℃程度である。
部に、ポリ塩化ビニルを主成分とする靴底材を射出成型
して一体化された靴底を形成するが、胛被の表皮層がポ
リカプロラクトングリコール及び/又はポリブチレンア
ジペートをポリエステル成分とする無黄変型ポリウレタ
ンエラストマーよりなるために、靴底との接合部に予め
プライマー塗布を行なっておかずとも胛被と靴底とを確
実に接合することができる。靴底材の射出温度は通常18
5〜200℃程度である。
本発明方法では胛被表皮層を構成する無黄変型ポリウ
レタンエラストマーのポリエステル成分がポリカプロラ
クトングリコールのみからなる場合でも胛被と靴底との
接着性に優れた靴を提供できるが、ポリカプロラクトン
グリコールとポリブチレンアジペートとを併用した場
合、ポリカプロラクトングリコール単独の場合に比べて
より大きい接着強度が得られるとともに、ポリブチレン
アジペート単独の場合に比べて胛被の耐加水分解性が向
上し、雨水等にさらされても胛被が侵され難くなり耐久
性に優れた靴を提供できる。ポリカプロラクトングリコ
ールとポリブチレンアジペートとを併用する場合、両者
の混合比は、ポリカプロラクトングリコール80〜95重量
%、ポリブチレンアジペート5〜20重量%が好ましく、
特に前者のポリエステル85〜92重量%、後者のポリエス
テル8〜15重量%であることが好ましい。
レタンエラストマーのポリエステル成分がポリカプロラ
クトングリコールのみからなる場合でも胛被と靴底との
接着性に優れた靴を提供できるが、ポリカプロラクトン
グリコールとポリブチレンアジペートとを併用した場
合、ポリカプロラクトングリコール単独の場合に比べて
より大きい接着強度が得られるとともに、ポリブチレン
アジペート単独の場合に比べて胛被の耐加水分解性が向
上し、雨水等にさらされても胛被が侵され難くなり耐久
性に優れた靴を提供できる。ポリカプロラクトングリコ
ールとポリブチレンアジペートとを併用する場合、両者
の混合比は、ポリカプロラクトングリコール80〜95重量
%、ポリブチレンアジペート5〜20重量%が好ましく、
特に前者のポリエステル85〜92重量%、後者のポリエス
テル8〜15重量%であることが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
尚、以下重量%を単に%で示す。
尚、以下重量%を単に%で示す。
実施例1〜4 ポリエステル65%、レーヨン35%の混紡比よりなる厚
さ1.3mmの両面起毛布にポリウレタンエラストマー(熱
硬化点210℃、100%モジュラス60kg/cm2)のジメチルフ
ォルムアミド溶液(固型分9.5%)を含浸させ、次いで
共に駆動機構を供えた上下一対のロール間をクリアラン
ス1.0mmで通過させ、余剰液を絞液した後、25℃の水中
に浸漬してポリウレタンエラストマーを凝固させ、更に
この片面にポリウレタンエラストマー(熱硬化点195
℃、100%モジュラス42kg/cm2)のジメチルフォルムア
ミド溶液(固形分18%)を固形分の塗布量が150g/m2と
なるように塗布した後、25℃の水中に浸漬し、緻密なミ
クロポーラス層を有する合成皮革基材を得た。
さ1.3mmの両面起毛布にポリウレタンエラストマー(熱
硬化点210℃、100%モジュラス60kg/cm2)のジメチルフ
ォルムアミド溶液(固型分9.5%)を含浸させ、次いで
共に駆動機構を供えた上下一対のロール間をクリアラン
ス1.0mmで通過させ、余剰液を絞液した後、25℃の水中
に浸漬してポリウレタンエラストマーを凝固させ、更に
この片面にポリウレタンエラストマー(熱硬化点195
℃、100%モジュラス42kg/cm2)のジメチルフォルムア
ミド溶液(固形分18%)を固形分の塗布量が150g/m2と
なるように塗布した後、25℃の水中に浸漬し、緻密なミ
クロポーラス層を有する合成皮革基材を得た。
次いで天然皮革様の絞を有する離型紙上に、表皮層形
成用ポリウレタンエラストマーとして第1表に示すポリ
エステルと4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシア
ネート、1,3−ブタンジオール、4,4′−ジアミノジシク
ロヘキシルメタンよりなるポリウレタンエラストマー
(熱硬化点及び100%モジュラスの値を第1表に示
す。)を25%含む、ジメチルフォルムアミド、イソプロ
ピルアルコール、トルエン、シクロヘキサノン混合溶媒
溶液を100g/m2の目付量で塗布し、80℃にて乾燥した
後、この上に接着剤として第1表に示すポリエステルと
ジエチレングリコール及び4,4′−ジフェニルメタンジ
イソシアネートとからなるポリウレタエラストマー(熱
硬化点及び100%モジュラスの値を第1表に示す。)を2
0%、顔料3%を含有するジメチルフォルムアミド、メ
チルエチルケトン混合溶媒溶液を120g/m2の目付量で塗
布し、80℃で2分、120℃で2分乾燥した後、合成皮革
基材と重ね合わせて離型紙側より150℃の表面温度を有
する熱ロールで加熱加圧し、冷却後離型紙を剥離して転
写された表皮層を有する合成皮革を得た。
成用ポリウレタンエラストマーとして第1表に示すポリ
エステルと4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシア
ネート、1,3−ブタンジオール、4,4′−ジアミノジシク
ロヘキシルメタンよりなるポリウレタンエラストマー
(熱硬化点及び100%モジュラスの値を第1表に示
す。)を25%含む、ジメチルフォルムアミド、イソプロ
ピルアルコール、トルエン、シクロヘキサノン混合溶媒
溶液を100g/m2の目付量で塗布し、80℃にて乾燥した
後、この上に接着剤として第1表に示すポリエステルと
ジエチレングリコール及び4,4′−ジフェニルメタンジ
イソシアネートとからなるポリウレタエラストマー(熱
硬化点及び100%モジュラスの値を第1表に示す。)を2
0%、顔料3%を含有するジメチルフォルムアミド、メ
チルエチルケトン混合溶媒溶液を120g/m2の目付量で塗
布し、80℃で2分、120℃で2分乾燥した後、合成皮革
基材と重ね合わせて離型紙側より150℃の表面温度を有
する熱ロールで加熱加圧し、冷却後離型紙を剥離して転
写された表皮層を有する合成皮革を得た。
次にこの合成皮革を裁断、縫製して胛被を製造し、こ
の胛被を靴底射出成型用金型にセットしてポリ塩化ビニ
ル靴底材を194℃で射出して胛被と一体化された靴底を
形成した。この胛被と靴底との接着強度を、胛被と靴底
との接合部分を幅8mm、長さ100mmに切り取ったサンプル
を記録計付き引張り試験機で剥離速度50mm/minにて測定
した。結果を第1表に示す。
の胛被を靴底射出成型用金型にセットしてポリ塩化ビニ
ル靴底材を194℃で射出して胛被と一体化された靴底を
形成した。この胛被と靴底との接着強度を、胛被と靴底
との接合部分を幅8mm、長さ100mmに切り取ったサンプル
を記録計付き引張り試験機で剥離速度50mm/minにて測定
した。結果を第1表に示す。
比較例1 ポリカプロラクトングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートよりな
る黄変型ポリウレタンエラストマー(熱硬化点160℃、1
00%モジュラス 45kg/cm2)を25%、カーボンブラック
(顔料)を3%含むジメチルフォルムアミド、メチルエ
チルケトン混合溶媒溶液を120g/m2の目付量で塗布して
表皮層を形成した以外は実施例1と同様にして靴を製造
した。この靴の胛被と靴底との接着強度は1.8kg/cmしか
なく靴底と胛被とが剥離しやすかった。
ル、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートよりな
る黄変型ポリウレタンエラストマー(熱硬化点160℃、1
00%モジュラス 45kg/cm2)を25%、カーボンブラック
(顔料)を3%含むジメチルフォルムアミド、メチルエ
チルケトン混合溶媒溶液を120g/m2の目付量で塗布して
表皮層を形成した以外は実施例1と同様にして靴を製造
した。この靴の胛被と靴底との接着強度は1.8kg/cmしか
なく靴底と胛被とが剥離しやすかった。
比較例2 胛被における接着剤としてトリレンジイソシアネート
をイソシアネート成分とするウレタン系2液型接着剤
(クリスボン4070:大日本インキ化学工業製)を用いた
他は実施例2と同様にして靴を製造した。この靴は胛被
が皮革様の柔軟性に欠けており、また胛被と靴底とはプ
ライマーなしに接着することができたが、靴底を射出成
型した後に、靴底との接合部付近において胛被の表皮層
が基材より剥離してしまった。
をイソシアネート成分とするウレタン系2液型接着剤
(クリスボン4070:大日本インキ化学工業製)を用いた
他は実施例2と同様にして靴を製造した。この靴は胛被
が皮革様の柔軟性に欠けており、また胛被と靴底とはプ
ライマーなしに接着することができたが、靴底を射出成
型した後に、靴底との接合部付近において胛被の表皮層
が基材より剥離してしまった。
実施例5〜8 天然皮革様の絞を有する離型紙上に、表皮層形成用ポ
リウレタンエラストマーとして第2表に示すポリエステ
ルとヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレン
ジアミン、1,3−ブタンジオールとからなるポリウレタ
ンエラストマー(熱軟化点及び100%モジュラスの値を
第2表に示す。)を25%とシリカ1.2%を含むジメチル
フォルムアミド、イソプロピルアルコール、トルエン、
シクロヘキサノン混合溶媒溶液を100g/m2の目付量で塗
布し、80℃で乾燥した後、更にこの上に接着剤として第
2表に示すポリエステルと1,4−ブタンジオール及び4,
4′−ジフェニルメタンジイソシアネートとからなるポ
リウレタンエラストマー(熱軟化点及び100%モジュラ
スの値を第2表に示す。)を20%、顔料3%を含有する
ジメチルフォルムアミド、メチルエチルケトン混合溶媒
溶液を120g/m2の目的量で塗布し、80℃で2分、120℃で
2分乾燥した後、実施例1〜4と同様の合成皮革基材と
重ね合せて加熱加圧して表皮層を転写し、合成皮革とし
た。この合成皮革から作成した胛被を用いて実施例1〜
4と同様にして射出成形を行い、一体化された靴底を形
成した。
リウレタンエラストマーとして第2表に示すポリエステ
ルとヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレン
ジアミン、1,3−ブタンジオールとからなるポリウレタ
ンエラストマー(熱軟化点及び100%モジュラスの値を
第2表に示す。)を25%とシリカ1.2%を含むジメチル
フォルムアミド、イソプロピルアルコール、トルエン、
シクロヘキサノン混合溶媒溶液を100g/m2の目付量で塗
布し、80℃で乾燥した後、更にこの上に接着剤として第
2表に示すポリエステルと1,4−ブタンジオール及び4,
4′−ジフェニルメタンジイソシアネートとからなるポ
リウレタンエラストマー(熱軟化点及び100%モジュラ
スの値を第2表に示す。)を20%、顔料3%を含有する
ジメチルフォルムアミド、メチルエチルケトン混合溶媒
溶液を120g/m2の目的量で塗布し、80℃で2分、120℃で
2分乾燥した後、実施例1〜4と同様の合成皮革基材と
重ね合せて加熱加圧して表皮層を転写し、合成皮革とし
た。この合成皮革から作成した胛被を用いて実施例1〜
4と同様にして射出成形を行い、一体化された靴底を形
成した。
得られた靴は、胛被表面が滑性に富み、柔軟で汚れも
付着しにくく、きわめて屈曲性に優れた天然皮革様外
観、風合を有していた。この靴の胛被と靴底との接着強
度を第2表に示す。
付着しにくく、きわめて屈曲性に優れた天然皮革様外
観、風合を有していた。この靴の胛被と靴底との接着強
度を第2表に示す。
〔発明の効果〕 以上説明したように本発明は表皮層がポリカプロラク
トングリコール及び/又はポリブチレンアジペートをポ
リエステル成分とする無黄変型ポリウレタンエラストマ
ーよりなる合成皮革胛被に、ポリ塩化ビニルを主成分と
する靴底材を射出成型して胛被と一体化された靴底を有
する合成皮革靴を得る方法を採用したことにより、従来
法のように予め胛被にプライマー塗布を行なわずとも胛
被と靴底とを確実に接着することができ、しかも胛被表
面にプライマーが現われて外観低下をきたす等の問題が
なく、外観の優れた合成皮革靴を安定して効率よく製造
することができる。また本発明において用いる胛被は上
記ポリウレタンエラストマーよりなる表皮層を特定のポ
リウレタンエラストマーよりなる1液型接着剤により接
着した構成を有するため、表皮層の屈曲性を低下せしめ
る慮れがなく、天然皮革様の柔軟な風合を有する靴が得
られるとともに、靴底材を射出した後に胛被の表皮層が
剥離する慮れがなく、外観、風合等に優れた合成皮革靴
を製造できる等の効果を有する。
トングリコール及び/又はポリブチレンアジペートをポ
リエステル成分とする無黄変型ポリウレタンエラストマ
ーよりなる合成皮革胛被に、ポリ塩化ビニルを主成分と
する靴底材を射出成型して胛被と一体化された靴底を有
する合成皮革靴を得る方法を採用したことにより、従来
法のように予め胛被にプライマー塗布を行なわずとも胛
被と靴底とを確実に接着することができ、しかも胛被表
面にプライマーが現われて外観低下をきたす等の問題が
なく、外観の優れた合成皮革靴を安定して効率よく製造
することができる。また本発明において用いる胛被は上
記ポリウレタンエラストマーよりなる表皮層を特定のポ
リウレタンエラストマーよりなる1液型接着剤により接
着した構成を有するため、表皮層の屈曲性を低下せしめ
る慮れがなく、天然皮革様の柔軟な風合を有する靴が得
られるとともに、靴底材を射出した後に胛被の表皮層が
剥離する慮れがなく、外観、風合等に優れた合成皮革靴
を製造できる等の効果を有する。
Claims (3)
- 【請求項1】ポリエチレンアジペート、ポリエチレンブ
チレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリブチ
レンヘキシレンアジペート、ポリカプロラクトングリコ
ールの少なくとも1種と、低分子量グリコール及び芳香
族ジイソシアネートとを構成成分とするポリウレタンエ
ラストマーよりなる1液型接着剤により合成皮革基材に
接着された、ポリカプロラクトングリコール及び/又は
ポリブチレンアジペートをポリエステル成分とする無黄
変型ポリウレタンエラストマーよりなる表皮層を有する
合成皮革より胛被を形成し、次いで該胛被の底部に、ポ
リ塩化ビニルを主成分とする靴底材を射出成型して一体
化された靴底を形成することを特徴とする合成皮革靴の
製造方法。 - 【請求項2】合成皮革基材がミクロポーラス層を有する
特許請求の範囲第1項記載の合成皮革靴の製造方法。 - 【請求項3】合成皮革の表皮層が、離型紙上に表皮層を
形成した後、該表皮層をミクロポーラス層を有する合成
皮革基材に転写して形成されたものである特許請求の範
囲第1項記載の合成皮革靴の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61203050A JPH085147B2 (ja) | 1986-08-29 | 1986-08-29 | 合成皮革靴の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61203050A JPH085147B2 (ja) | 1986-08-29 | 1986-08-29 | 合成皮革靴の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6357002A JPS6357002A (ja) | 1988-03-11 |
JPH085147B2 true JPH085147B2 (ja) | 1996-01-24 |
Family
ID=16467511
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61203050A Expired - Fee Related JPH085147B2 (ja) | 1986-08-29 | 1986-08-29 | 合成皮革靴の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH085147B2 (ja) |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS57154470A (en) * | 1981-03-16 | 1982-09-24 | Kohkoku Chem Ind | Synthetic leather excellent in durability and high frequency fusibility |
JPS6057844B2 (ja) * | 1982-01-07 | 1985-12-17 | 株式会社クラレ | 人工皮革靴の製造方法 |
JPS6154929A (ja) * | 1984-08-28 | 1986-03-19 | 株式会社クラレ | エナメル調皮革様シ−ト物 |
-
1986
- 1986-08-29 JP JP61203050A patent/JPH085147B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6357002A (ja) | 1988-03-11 |
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