JPH0851232A - 光検出器 - Google Patents

光検出器

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JPH0851232A
JPH0851232A JP6204224A JP20422494A JPH0851232A JP H0851232 A JPH0851232 A JP H0851232A JP 6204224 A JP6204224 A JP 6204224A JP 20422494 A JP20422494 A JP 20422494A JP H0851232 A JPH0851232 A JP H0851232A
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photodiode
photodetector
electrode
photodetector according
electron transistor
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Kazumasa Nomoto
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光検出の高速化、低雑音化、低消費電力化お
よび高感度化が可能な光検出器を実現する。 【構成】 フォトダイオードPDと微小トンネル接合に
より構成された単一電子トランジスタSETとにより光
検出器を構成し、フォトダイオードPDの出力を単一電
子トランジスタSETを用いて増幅する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、光検出器に関し、例
えば、高速光検出を行うのに用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来、フォトダイオードを用いた光検出
器として、図18に示すようなものがある。図18に示
すように、この光検出器は、フォトダイオードPD´
と、このフォトダイオードPD´の出力を増幅するため
の通常のトランジスタT´(この例ではバイポーラトラ
ンジスタ)とにより構成されている。ここで、フォトダ
イオードPD´のアノードは負荷抵抗RL ´を介して接
地されており、そのカソードはフォトダイオードPD´
を逆バイアスするための正電圧VPDを供給する正極電源
に接続されている。また、トランジスタT´のエミッタ
は接地されており、そのコレクタは出力抵抗RO ´を介
して正電圧VCCを供給する正極電源に接続されている。
そして、フォトダイオードPD´のアノードとトランジ
スタT´のベースとが互いに接続されている。この光検
出器においては、トランジスタT´のコレクタから出力
電圧Vout が得られる。
【0003】上述のフォトダイオードPD´としては、
pn接合ダイオード、pinダイオード、金属/半導体
/金属(MSM)ダイオード、ヘテロ接合ダイオードな
どが用いられる。これらのpn接合ダイオード、pin
ダイオード、MSMダイオードおよびヘテロ接合ダイオ
ードの一例をそれぞれ図19、図20、図21および図
22に示す。
【0004】図19に示すpn接合ダイオードにおいて
は、n+ 型半導体基板101上にn型半導体層102が
積層されており、このn型半導体層102中にp+ 型半
導体層103が選択的に設けられている。符号104は
SiO2 膜を示す。このSiO2 膜104には、p+
半導体層103に対応する部分に開口104aが設けら
れている。そして、この開口104aの縁の近傍の部分
におけるp+ 型半導体層103にp側の電極105がオ
ーミック接触している。また、n+ 型半導体基板101
の裏面にはn側の電極106がオーミック接触してい
る。
【0005】図20に示すpinダイオードにおいて
は、n+ 型半導体基板201上にi型半導体層202が
積層されており、このi型半導体層202中にp+ 型半
導体層203が選択的に設けられている。符号204は
SiO2 膜を示す。このSiO2 膜204には、p+
半導体層203に対応する部分に開口204aが設けら
れている。そして、この開口204aの縁の近傍の部分
におけるp+ 型半導体層203にp側の電極205がオ
ーミック接触している。また、n+ 型半導体基板201
の裏面にはn側の電極206がオーミック接触してい
る。
【0006】図21に示すMSMダイオードにおいて
は、i型半導体基板301の両主面にそれぞれ電極30
2および303がショットキー接触している。
【0007】図22に示すヘテロ接合ダイオードにおい
ては、p型AlGaAs層401とp型GaAs層40
2とn型AlGaAs層403とが順次積層され、n型
AlGaAs層403およびp型AlGaAs層401
にそれぞれn側の電極404およびp側の電極405が
オーミック接触している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述の光検出器による
光検出の高速化を図るためには、そのフォトダイオード
PD´の電極間隔を短くする必要がある。すなわち、図
19に示すpn接合ダイオードにおいては電極105お
よび106間の間隔、図20に示すpinダイオードに
おいては電極205および206間の間隔、図21に示
すMSMダイオードにおいては電極302および303
間の間隔および図22に示すヘテロ接合ダイオードにお
いては電極404および405間の間隔を短くする必要
がある。しかし、このようにフォトダイオードPD´の
電極間隔を短くすると、このフォトダイオードPD´の
容量C´(図18)が大きくなってしまう。
【0009】ところで、図18に示すように、上述の光
検出器においては、フォトダイオードPD´に負荷抵抗
L ´が直列に接続されているが、この光検出器の増幅
回路は従来用いられている通常のトランジスタT´によ
り構成されたものであることから、その雑音特性や閾値
特性の限界により、この負荷抵抗RL ´を極端に小さく
することはできない。このため、たとえフォトダイオー
ドPD´の電極間隔を短くしても、有限のC´RL ´値
により光検出速度が律速されてしまう。また、この負荷
抵抗RL ´を小さくすることができない限り、出力電圧
out の熱揺らぎも小さくならず、雑音の低減を図るこ
とができない。
【0010】したがって、この発明の目的は、光検出の
高速化を図ることができる光検出器を提供することにあ
る。この発明の他の目的は、光検出の低雑音化を図るこ
とができる光検出器を提供することにある。この発明の
他の目的は、光検出の低消費電力化を図ることができる
光検出器を提供することにある。この発明の他の目的
は、光検出の高感度化を図ることができる光検出器を提
供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明による光検出器は、フォトダイオード(P
D)と、微小トンネル接合(J1 、J2 )により構成さ
れた単一電子トランジスタ(SET)とを有し、単一電
子トランジスタ(SET)を用いてフォトダイオード
(PD)の出力を増幅するように構成されていることを
特徴とするものである。
【0012】ここで、上記の微小トンネル接合により構
成された単一電子トランジスタについては、例えばIBM
J. RES. DEVELOP. VOL. 32 NO.1 JANUARY 1988 pp.144-
158において論じられている。
【0013】この発明による光検出器の一実施形態にお
いては、フォトダイオード(PD)のアノードは負荷抵
抗(RL )を介して接地されているとともに、フォトダ
イオード(PD)のカソードは第1の正極電源(VPD
に接続され、単一電子トランジスタ(SET)のドレイ
ンは接地されているとともに、単一電子トランジスタ
(SET)のソースは出力抵抗(Rout )を介して第2
の正極電源(VCC)に接続され、フォトダイオード(P
D)のアノードと単一電子トランジスタ(SET)のゲ
ートとは容量(Cg )または抵抗を介して結合される。
【0014】この発明による光検出器において、単一電
子トランジスタの微小トンネル接合は、例えば、金属と
絶縁体との接合または二次元電子ガスと空乏層との接合
である。また、フォトダイオードは、例えば、pn接合
ダイオード、pinダイオード、金属/半導体/金属ダ
イオード、ヘテロ接合ダイオードなどである。
【0015】
【作用】上述のように構成されたこの発明による光検出
器によれば、単一電子トランジスタは微小なゲート電圧
変化を測定することができるため、フォトダイオードと
直列に接続される出力用の負荷抵抗の値を小さくするこ
とができ、これによって光検出の高感度化および高速化
を図ることができる。また、単一電子トランジスタ側で
は帯電効果により熱雑音が抑制されるため、増幅回路側
で発生する雑音を低減することができる。さらに、単一
電子トランジスタはその基本動作において一個の電子の
トンネル効果しか用いないので、極めて低消費電力であ
る。
【0016】
【実施例】以下、この発明の実施例について図面を参照
しながら説明する。図1はこの発明の一実施例による光
検出器を示す回路図である。
【0017】図1に示すように、この実施例による光検
出器は、フォトダイオードPDと、このフォトダイオー
ドPDの出力を増幅するための単一電子トランジスタS
ETとにより構成されている。このフォトダイオードP
Dの容量をCで示す。単一電子トランジスタSETは、
ドレイン側の微小トンネル接合J1 とソース側の微小ト
ンネル接合J2 とにより構成されている。これらの微小
トンネル接合J1 およびJ2 の容量をそれぞれC1 およ
びC2 とする。
【0018】フォトダイオードPDのアノードは負荷抵
抗RL を介して接地されており、そのカソードはフォト
ダイオードPDを逆バイアスするための正電圧VPDを供
給する正極電源に接続されている。一方、単一電子トラ
ンジスタSETのソースは接地されており、そのドレイ
ンは出力抵抗Rout を介して正電圧VCCを供給する正極
電源に接続されている。そして、フォトダイオードPD
のアノードと単一電子トランジスタSETのゲートとが
容量Cg を介して互いに接続されている。
【0019】上述のように構成されたこの実施例による
光検出器においては、フォトダイオードPDに光が当た
って受光電流が流れたときに負荷抵抗RL の両端に発生
する電圧により容量Cg が充電され、この容量Cg を介
して単一電子トランジスタSETのゲートにゲート電圧
g が印加される。そして、この容量Cg に蓄積された
電荷量の変化ΔQ=Cg ΔVg を測定することによりゲ
ート電圧Vg の変化ΔVg を測定する。
【0020】ここで、フォトダイオードPDの出力を増
幅するために用いられている単一電子トランジスタSE
Tは、従来のトランジスタの100万倍もの感度で容量
gに蓄積された電荷量の変化ΔQ=Cg ΔVg を測定
することができることが実験的に確かめられている。す
なわち、単一電子トランジスタSETは微小なゲート電
圧Vg の変化ΔVg を測定することができるため、負荷
抵抗RL の値を小さくすることができる。これによっ
て、光検出器の高感度化および高速化を図ることができ
る。また、単一電子トランジスタSET側では帯電効果
により熱雑音が抑制されるので、増幅回路側で発生する
雑音を抑制することができる。さらに、単一電子トラン
ジスタSETはその基本動作において一個の電子のトン
ネル効果しか用いないので、極めて低消費電力である。
【0021】この実施例においては、上述のようにフォ
トダイオードPDと単一電子トランジスタSETとは容
量結合されている。このときの電圧利得はCg /C1
与えられるため、微小トンネル接合J1 の容量C1 を十
分に小さくしておくことにより、この光検出器の次段に
接続される素子を駆動するのに十分な大きさの出力電圧
out を得ることができる。
【0022】以上のように、この実施例による光検出器
によれば、単一電子トランジスタSETによりフォトダ
イオードPDの出力を増幅するように構成されているの
で、従来の通常のトランジスタによりフォトダイオード
の出力を増幅する上述の従来の光検出器に比べて、光検
出の高速化、高感度化、低雑音化および低消費電力化を
図ることができる。
【0023】なお、この実施例においては、フォトダイ
オードPDのアノードと単一電子トランジスタSETの
ゲートとを容量結合しているが、フォトダイオードPD
のアノードと単一電子トランジスタSETのゲートとを
抵抗結合してもよい。この場合には、Vg =e/2(C
1 +C2 )(ただし、eは電気素量)のときに、理想的
には無限大の電圧利得が得られる。
【0024】次に、この実施例による光検出器の具体的
な構造例について説明する。まず、単一電子トランジス
タSETが金属/絶縁体接合により構成されたものであ
り、フォトダイオードPDがpn接合ダイオードである
第1の構造例について説明する。
【0025】図2はこの第1の構造例による光検出器の
平面図である。また、図3はこの光検出器におけるフォ
トダイオードPDの部分の断面図、図4はこの光検出器
における単一電子トランジスタSETの部分の拡大断面
図である。
【0026】図2、図3および図4に示すように、この
第1の構造例による光検出器においては、n+ 型半導体
基板1上にn型半導体層2およびp+ 型半導体層3が順
次積層されている。p+ 型半導体層3上には、例えばS
iO2 膜、SiN膜、ポリイミド膜のような絶縁膜4が
設けられている。
【0027】フォトダイオードPDの部分における絶縁
膜4には、開口4aが設けられている。そして、この開
口4aの全体を覆うp側の電極5がp+ 型半導体層3と
オーミック接触している。この電極5は、例えばAl、
In、Nb、Au、Ptなどの金属から成る。また、こ
の場合、光はこの電極5を透過してフォトダイオードP
Dにより受光されるので、この電極5の厚さはこの電極
5が光に対して透明となるように十分に小さく選ばれ、
具体的には数10nm以下に選ばれる。また、n+ 型半
導体基板1の裏面にはn側の電極6がオーミック接触し
ている。
【0028】一方、単一電子トランジスタSETの部分
においては、絶縁膜4上にソース電極Sおよびドレイン
電極Dが互いに対向して設けられている。そして、これ
らのソース電極Sおよびドレイン電極Dのそれぞれの一
端部と部分的に重なるようにゲート電極Gが形成されて
いる。ここで、少なくともこのゲート電極Gが重なった
部分のソース電極Sおよびドレイン電極Dの表面には例
えば膜厚が0.数nm〜数nmの絶縁膜7が形成されて
おり、したがってゲート電極Gはこの絶縁膜7を介して
ソース電極Sおよびドレイン電極Dのそれぞれの一端部
と部分的に重なっている。この重なり部の大きさは、典
型的には、数100nm×数100nm以下である。こ
の場合、ゲート電極Gとソース電極Sとが絶縁膜7を介
して重なった部分およびゲート電極Gとドレイン電極D
とが絶縁膜7を介して重なった部分がそれぞれ図1にお
ける微小トンネル接合J1 およびJ2 に対応する。これ
らのゲート電極G、ソース電極Sおよびドレイン電極D
は、例えばAl、In、Nb、Au、Ptなどの金属か
ら成る。
【0029】図示は省略するが、必要に応じて、フォト
ダイオードPDおよび単一電子トランジスタSETを覆
うように全面にパッシベーション膜が設けられる。
【0030】この場合、フォトダイオードPDの電極5
の一端部は、単一電子トランジスタSETのゲート電極
Gと近接している。そして、パッシベーション膜が設け
られない場合には、電極5の一端部とゲート電極Gとの
間に空気層がはさまれた構造のキャパシタが形成され、
それによってこの電極5とゲート電極Gとが容量結合さ
れる。また、パッシベーション膜が設けられる場合に
は、電極5の一端部とゲート電極Gとの間にこのパッシ
ベーション膜がはさまれた構造のキャパシタが形成さ
れ、それによってこの電極5とゲート電極Gとが容量結
合される。
【0031】次に、この第1の構造例による光検出器の
製造方法について説明する。まず、図5に示すように、
+ 型半導体基板1上にn型半導体層2およびp+型半
導体層3を順次エピタキシャル成長させてpn接合ダイ
オード構造を形成する。このエピタキシャル成長には、
例えば分子線エピタキシー(MBE)法、有機金属化学
気相成長(MOCVD)法、有機金属分子線エピタキシ
ー(MOMBE)法、液相エピタキシー(LPE)法な
どが用いられる。
【0032】次に、図6に示すように、例えば化学気相
成長(CVD)法により全面に絶縁膜4を形成した後、
この絶縁膜4を例えばリソグラフィーおよびエッチング
によりパターニングしてフォトダイオードPDの受光部
に対応する部分に開口4aを形成する。このリソグラフ
ィーには、例えばフォトリソグラフィー法、電子線リソ
グラフィー法、X線リソグラフィー法などが用いられ
る。また、エッチングには、ウエットエッチングまたは
ドライエッチングが用いられる。
【0033】次に、電極5の形成部にこれに対応する形
状の開口を有するレジストパターン(図示せず)をリソ
グラフィー法により形成した後、Al、In、Nb、A
u、Ptなどの金属から成る極めて薄い(数10nm以
下)金属薄膜を例えば真空蒸着法により全面に形成す
る。この後、このレジストパターンをその上に形成され
た金属薄膜とともに除去する。これによって、図7に示
すように、開口4aを覆う電極5が形成される。
【0034】次に、ソース電極Sおよびドレイン電極D
の形成部にこれらに対応する形状の開口を有するレジス
トパターン(図示せず)をリソグラフィー法により形成
した後、Al、In、Nb、Au、Ptなどの金属から
成る金属薄膜を例えば真空蒸着法により全面に形成す
る。この後、このレジストパターンをその上に形成され
た金属薄膜とともに除去する。これによって、図8に示
すように、絶縁膜4上にソース電極Sおよびドレイン電
極Dが形成される。
【0035】次に、図9に示すように、ソース電極Sお
よびドレイン電極Dのそれぞれの一端部の近傍を除いた
部分の表面を例えばレジストから成るマスク8で覆った
後、このマスク8で覆われていないソース電極Sおよび
ドレイン電極Dのそれぞれの一端部の表面を酸化する。
これによって、図4に示すように、酸化膜から成る絶縁
膜7が形成される。この後、マスク8を除去する。な
お、この絶縁膜7は、このように酸化により形成するの
ではなく、例えば、マスク8を形成した後にCVD法な
どにより形成してもよい。この場合、この絶縁膜7とし
ては、例えばSiO2 膜やSiN膜が用いられる。
【0036】次に、ゲート電極Gの形成部にこれに対応
する形状の開口を有するレジストパターン(図示せず)
をリソグラフィー法により形成した後、Al、In、N
b、Au、Ptなどの金属から成る金属薄膜を例えば真
空蒸着法により全面に形成する。この後、このレジスト
パターンをその上に形成された金属薄膜とともに除去す
る。これによって、図2および図4に示すように、絶縁
膜7を介してソース電極Sおよびドレイン電極Dのそれ
ぞれの一端部と重なったゲート電極Gが形成される。
【0037】この後、フォトダイオードPDの部分にお
けるn+ 型半導体基板1の裏面にn側の電極6を形成す
る。以上により、目的とする光検出器が製造される。
【0038】次に、第2の構造例による光検出器につい
て説明する。この第2の構造例による光検出器は、フォ
トダイオードPDが図10に示すようなpinダイオー
ドであることを除いて、第1の構造例による光検出器と
同様な構造を有する。図10において、符号11はn+
型半導体基板、12はi型半導体層、13はp+ 型半導
体層、14は絶縁膜、14aは開口、15はp側の電
極、16はn側の電極を示す。ここで、電極15はp+
型半導体層13にオーミック接触しているとともに、電
極16はn+ 型半導体基板11にオーミック接触してい
る。
【0039】次に、第3の構造例による光検出器につい
て説明する。この第3の構造例による光検出器は、フォ
トダイオードPDが図11に示すようなMSMダイオー
ドであることを除いて、第1の構造例による光検出器と
同様な構造を有する。図11において、符号21はi型
半導体基板、22は絶縁膜、22aは開口、23および
24は電極を示す。ここで、電極23および24はi型
半導体基板21とショットキー接触している。
【0040】次に、第4の構造例による光検出器につい
て説明する。この第4の構造例による光検出器は、フォ
トダイオードPDが図12に示すようなヘテロ接合ダイ
オードであることを除いて、第1の構造例による光検出
器と同様な構造を有する。図12において、符号31は
p型AlGaAs層、32はp型GaAs層、33はn
型AlGaAs層、34は絶縁膜、34aは開口、35
はn側の電極、36はp側の電極を示す。ここで、電極
35はn型AlGaAs層33にオーミック接触してい
るとともに、電極36はp型AlGaAs層31にオー
ミック接触している。
【0041】次に、第5の構造例による光検出器につい
て説明する。上述の第1、第2、第3および第4の構造
例による光検出器におけるフォトダイオードPDは縦型
構造を有するのに対して、この第5の構造例による光検
出器におけるフォトダイオードPDは横型構造を有す
る。
【0042】図13に示すように、この第5の構造例に
よる光検出器においては、フォトダイオードPDの部分
における絶縁膜4が除去されており、それにより露出さ
れたp+ 型半導体層3上に一対の電極41および42が
互いに対向して設けられている。そして、これらの電極
41および42とp+ 型半導体層3とにより横型構造の
MSMダイオードから成るフォトダイオードPDが構成
されている。ここで、電極41には正電圧VPDが印加さ
れ、電極42は接地される。この第5の構造例による光
検出器のその他の構成は、第1の構造例による光検出器
と同様であるので、説明を省略する。ただし、この場
合、第1の構造例による光検出器におけるn側の電極6
は不要である。
【0043】この第5の構造例による光検出器を製造す
るには、例えば、図3に示すようにp+ 型半導体層3ま
でエピタキシャル成長させ、さらにこのp+ 型半導体層
3の全面に絶縁膜4を形成した後、この絶縁膜4のうち
フォトダイオードPDの形成部の部分を除去する。そし
て、第1の構造例による光検出器の製造方法において述
べたと同様な方法により絶縁膜4上に単一電子トランジ
スタSETを形成するとともに、p+ 型半導体層3上に
電極41および42を形成する。
【0044】なお、図10に示すようにn+ 型半導体基
板11上にi型半導体層12およびp+ 型半導体層13
を順次積層し、このp+ 型半導体層13上に電極41お
よび42を設けることによりpinダイオードから成る
フォトダイオードPDを構成してもよい。また、図11
に示すi型半導体基板21上に電極41および42を設
けることによりMSMダイオードから成るフォトダイオ
ードPDを構成してもよい。さらには、n型半導体層上
に電極41および42を設けることによりMSMダイオ
ードから成るフォトダイオードPDを構成してもよい。
【0045】次に、第6の構造例による光検出器につい
て説明する。この第6の構造例による光検出器において
は、単一電子トランジスタSETが2次元電子ガス/空
乏層接合により構成されたものであり、フォトダイオー
ドPDがMSMダイオードである。
【0046】図14はこの第6の構造例による光検出器
の平面図である。また、図15はこの光検出器における
単一電子トランジスタSETの部分の断面図、図16は
この光検出器におけるフォトダイオードPDの部分の断
面図を示す。
【0047】図14、図15および図16に示すよう
に、この第6の構造例による光検出器においては、単一
電子トランジスタSET部は、例えば半絶縁性GaAs
基板のような半絶縁性半導体基板51上に電子供給層と
しての例えばn型AlGaAs層のようなn型半導体層
52が積層されたヘテロ接合構造を有する。このn型半
導体層52と半絶縁性半導体基板51とのヘテロ接合界
面の近傍における半絶縁性半導体基板51中には二次元
電子ガス53が形成される。そして、このn型半導体層
52上にゲート電極G1 、G2 、G3 、ソース電極Sお
よびドレイン電極Dが設けられている。ゲート電極
1 、G2 およびG3 は、二次元電子ガス53と空乏層
との接合を、図14において一点鎖線で示すような平面
形状に形成するためのショットキー電極である。ここ
で、この一点鎖線で囲まれた部分が二次元電子ガス53
が形成されている部分に対応し、それらの外側の部分が
空乏層に対応する。ソース電極S側に形成された二次元
電子ガス/空乏層接合およびドレイン電極D側に形成さ
れた二次元電子ガス/空乏層接合がそれぞれ図1におけ
る微小トンネル接合J1 およびJ2 に対応する。
【0048】この場合、ゲート電極G1 とゲート電極G
2 とが最も近接した部分におけるそれらの間の間隔およ
びゲート電極G1 とゲート電極G3 とが最も近接した部
分におけるそれらの間の間隔は、好適には、いずれも例
えば数100nm以下に選ばれる。ショットキー電極と
してのこれらのゲート電極G1 、G2 およびG3 は、例
えばAu、Al、In、Ptなどの金属により形成され
る。また、ソース電極Sおよびドレイン電極Dは、二次
元電子ガス53とオーミック接触するオーミック電極で
ある。オーミック電極としてのこれらのソース電極Sお
よびドレイン電極Dは、例えばAu/Ge/Ni、Ti
/Pt/Auなどにより形成される。
【0049】一方、この第6の構造例による光検出器に
おけるフォトダイオードPD部においては、半絶縁性半
導体基板51の両主面にそれぞれ電極54および55が
設けられており、これによってMSMダイオードから成
るフォトダイオードPDが構成されている。これらの電
極54および55はショットキー電極である。ショット
キー電極としてのこれらの電極54および55は、例え
ばAu、Al、In、Ptなどの金属により形成され
る。
【0050】この第6の構造例による光検出器において
は、MSMダイオードから成るフォトダイオードPDに
光が当たることにより生じる電極54の電位変化は、ゲ
ート電極G1 、G2 およびG3 により囲まれた部分に対
応する部分の二次元電子ガス53の電位を変化させる。
そして、この電位変化が単一電子トランジスタSETに
より増幅され、出力電圧Vout が得られる。
【0051】次に、この第6の構造例による光検出器の
製造方法について説明する。まず、半絶縁性半導体基板
51上にMBE法、MOCVD法、MOMBE法、LP
E法などによりn型半導体層52をエピタキシャル成長
させる。
【0052】次に、図17に示すように、フォトダイオ
ードPDの形成部の表面を、レジスト、SiO2 、Si
Nなどから成るマスク56で覆った後、このマスク56
を用いてウエットエッチング法またはドライエッチング
法により、半絶縁性半導体基板51に達するまでエッチ
ングを行う。これによって、フォトダイオードPDの形
成部以外の部分のn型半導体層52が除去される。この
後、マスク56を除去する。
【0053】次に、ソース電極Sおよびドレイン電極D
の形成部にこれらに対応する形状の開口を有するレジス
トパターン(図示せず)をリソグラフィー法により形成
した後、Au/Ge/NiやTi/Pt/Auなどから
成る金属薄膜を例えば真空蒸着法により全面に形成す
る。この後、このレジストパターンをその上に形成され
た金属薄膜とともに除去する。これによって、ソース電
極Sおよびドレイン電極Dが形成される。この後、アニ
ールによるアロイ処理を行うことにより、これらのソー
ス電極Sおよびドレイン電極Dを二次元電子ガス53と
オーミック接触させる。
【0054】次に、ゲート電極G1 、G2 、G3 および
電極54の形成部にこれらに対応する形状の開口を有す
るレジストパターン(図示せず)をリソグラフィー法に
より形成した後、Au、Al、In、Ptなどから成る
金属薄膜を例えば真空蒸着法により全面に形成する。こ
の後、このレジストパターンをその上に形成された金属
薄膜とともに除去する。これによって、ゲート電極
1 、G2 、G3 および電極54が形成される。
【0055】この後、半絶縁性半導体基板51の裏面に
例えば真空蒸着法により金属薄膜を形成して電極55を
形成する。以上により、目的とする光検出器が製造され
る。
【0056】以上、この発明の一実施例について具体的
に説明したが、この発明は、上述の実施例に限定される
ものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変
形が可能である。
【0057】例えば、上述の第1の構造例による光検出
器においては、フォトダイオードPDとして図3に示す
ような構造のものを用いているが、このフォトダイオー
ドPDとして図19に示すような構造のものを用いても
よい。また、第2の構造例による光検出器においては、
フォトダイオードPDとして図10に示すような構造の
ものを用いているが、このフォトダイオードPDとして
図20に示すような構造のものを用いてもよい。また、
第3の構造例による光検出器においては、フォトダイオ
ードPDとして図11に示すような構造のものを用いて
いるが、このフォトダイオードPDとして図21に示す
ような構造のものを用いてもよい。さらに、第4の構造
例による光検出器においては、フォトダイオードPDと
して図12に示すような構造のものを用いているが、こ
のフォトダイオードPDとして図22に示すような構造
のものを用いてもよい。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、この発明による光
検出器によれば、光検出の高速化、低雑音化、低消費電
力化および高感度化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例による光検出器を示す回路
図である。
【図2】この発明の一実施例による光検出器の第1の構
造例を示す平面図である。
【図3】この発明の一実施例による光検出器の第1の構
造例におけるフォトダイオード部の断面図である。
【図4】この発明の一実施例による光検出器の第1の構
造例における単一電子トランジスタ部の拡大断面図であ
る。
【図5】この発明の一実施例による光検出器の第1の構
造例の製造方法を説明するための断面図である。
【図6】この発明の一実施例による光検出器の第1の構
造例の製造方法を説明するための平面図である。
【図7】この発明の一実施例による光検出器の第1の構
造例の製造方法を説明するための平面図である。
【図8】この発明の一実施例による光検出器の第1の構
造例の製造方法を説明するための平面図である。
【図9】この発明の一実施例による光検出器の第1の構
造例の製造方法を説明するための平面図である。
【図10】この発明の一実施例による光検出器の第2の
構造例を説明するための断面図である。
【図11】この発明の一実施例による光検出器の第3の
構造例を説明するための断面図である。
【図12】この発明の一実施例による光検出器の第4の
構造例を説明するための断面図である。
【図13】この発明の一実施例による光検出器の第5の
構造例を説明するための平面図である。
【図14】この発明の一実施例による光検出器の第6の
構造例を説明するための平面図である。
【図15】この発明の一実施例による光検出器の第6の
構造例における単一電子トランジスタ部の断面図であ
る。
【図16】この発明の一実施例による光検出器の第6の
構造例におけるフォトダイオード部の断面図である。
【図17】この発明の一実施例による光検出器の第6の
構造例の製造方法を説明するための斜視図である。
【図18】従来の光検出器を示す回路図である。
【図19】従来の光検出器の第1の例によるフォトダイ
オード部の断面図である。
【図20】従来の光検出器の第2の例によるフォトダイ
オード部の断面図である。
【図21】従来の光検出器の第3の例によるフォトダイ
オード部の断面図である。
【図22】従来の光検出器の第4の例によるフォトダイ
オード部の断面図である。
【符号の説明】
PD フォトダイオード SET 単一電子トランジスタ J1 、J2 微小トンネル接合 S ソース電極 D ドレイン電極 G、G1 、G2 、G3 ゲート電極

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フォトダイオードと、 微小トンネル接合により構成された単一電子トランジス
    タとを有し、 上記単一電子トランジスタを用いて上記フォトダイオー
    ドの出力を増幅するように構成されていることを特徴と
    する光検出器。
  2. 【請求項2】 上記フォトダイオードのアノードは負荷
    抵抗を介して接地されているとともに、上記フォトダイ
    オードのカソードは第1の正極電源に接続され、 上記単一電子トランジスタのドレインは接地されている
    とともに、上記単一電子トランジスタのソースは出力抵
    抗を介して第2の正極電源に接続され、 上記フォトダイオードの上記アノードと上記単一電子ト
    ランジスタのゲートとは容量または抵抗を介して結合さ
    れていることを特徴とする請求項1記載の光検出器。
  3. 【請求項3】 上記単一電子トランジスタの上記微小ト
    ンネル接合は金属と絶縁体との接合であることを特徴と
    する請求項1または2記載の光検出器。
  4. 【請求項4】 上記単一電子トランジスタの上記微小ト
    ンネル接合は二次元電子ガスと空乏層との接合であるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の光検出器。
  5. 【請求項5】 上記フォトダイオードはpn接合ダイオ
    ード、pinダイオード、金属/半導体/金属ダイオー
    ドまたはヘテロ接合ダイオードであることを特徴とする
    請求項1または2記載の光検出器。
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