JPH0851211A - 薄膜トランジスタの製造方法 - Google Patents

薄膜トランジスタの製造方法

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JPH0851211A
JPH0851211A JP18704094A JP18704094A JPH0851211A JP H0851211 A JPH0851211 A JP H0851211A JP 18704094 A JP18704094 A JP 18704094A JP 18704094 A JP18704094 A JP 18704094A JP H0851211 A JPH0851211 A JP H0851211A
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JP
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semiconductor active
silicon oxide
oxide film
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JP18704094A
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Shinichi Kawamura
真一 河村
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 燐含有シリコン酸化膜の吸着水分の影響をな
くすこと、およびXeClエキシマレーザ光により半導
体活性層をアニールすることを目的とする。 【構成】 基板1 上に半導体活性層4 、燐含有シリコン
酸化膜5 を積層形成し、基板側から半導体活性層の一部
にエキシマレーザ光20を照射してアニールすることによ
り結晶化させるとともに、シリコン酸化膜から不純物を
熱拡散させてオーミックコンタクト部7 を形成する薄膜
トランジスタの製造方法において、アニールする前に基
板を真空中または乾燥窒素または乾燥不活性ガス雰囲気
中にて加熱し、その後大気にさらすことなく同じ雰囲気
中にてエキシマレーザ光を照射するようにした。またエ
キシマレーザ光をXeClエキシマレーザ光とし、基板
をそのレーザ光に対して70%以上の透過率を有するガ
ラス基板とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ガラス基板上に形成
される半導体活性層がアモルファスシリコンまたは多結
晶シリコンからなる薄膜トランジスタの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】アクティブマトリックス型の液晶表示装
置の画素電極の駆動制御などに薄膜トランジスタ(TF
T)が多く用いられている。このTFTは、アモルファ
スシリコンまたは多結晶シリコンからなる半導体活性層
を挟んで、下層にゲート電極、上層にソース電極および
ドレイン電極を有する構造に形成されている。
【0003】このTFTの製造方法として、近年、アモ
ルファスシリコンからなる半導体活性層を形成し、この
半導体活性層上に不純物を含有するシリコン酸化膜を形
成したのち、その半導体活性層の一部にエキシマレーザ
光を照射してアニールすることにより、不純物を含有す
るシリコン酸化膜から半導体活性層のレーザ光照射部分
に不純物を熱拡散させて、オーミックコンタクト部を形
成する方法が開発され始めている。
【0004】図6(a)ないし(c)にこの方法による
TFTの製造方法の一例を示す。この製造方法は、まず
ガラス基板上にスパッタリング法によりモリブデン−タ
ンタル合金(Mo−Ta)膜を形成し、このMo−Ta
膜をフォトリソグラフィ法により加工して、(a)図に
示すように、ガラス基板1上に所定パターンのゲート電
極2を形成し、このゲート電極2の形成されたガラス基
板1上にプラズマCVD法により順次窒化シリコン(S
iNx )からなるゲート絶縁膜3、アモルファスシリコ
ン膜からなる半導体活性層4を成膜する。つぎに上記ア
モルファスシリコン層4上にスピンコート法により、不
純物として燐(P)を含有するシリコン酸化膜形成用塗
布液を塗布し、加熱乾燥してP含有シリコン酸化膜5を
形成する。
【0005】つぎに上記P含有シリコン酸化膜5の形成
されたガラス基板1を大気あるいは不活性ガスなどの雰
囲気中に保持し、ガラス基板1側からエキシマレーザ光
6を照射してアニールすることにより、(b)図に示す
ように、半導体活性層4の一部を結晶化させるととも
に、P含有シリコン酸化膜5から不純物として含有する
Pを熱拡散(レーザドーピング)させて、n型半導体か
らなるオーミックコンタクト部7を形成する。この場
合、半導体活性層4に対してゲート電極2がエキシマレ
ーザ光の遮光膜となり、ゲート電極2上の半導体活性層
4は、アニールされない。したがって結晶化も不純物
(P)の拡散もおこらず、そのままアモルファスシリコ
ンからなる半導体活性層4として残り、TFTのチャン
ネル部8となる。
【0006】つぎに(c)図に示すように、弗酸により
上記P含有シリコン酸化膜を除去する。その後、このP
含有シリコン酸化膜の除去により露出した半導体活性層
4およびオーミックコンタクト部7上にスパッターリン
グ法によりクロム(Cr)膜を成膜し、フォトリソグラ
フィ法により加工して、オーミックコンタクト部7上に
ソース電極9およびドレイン電極10を形成することに
より、TFTの主要部を形成している。
【0007】ところで、このTFTの製造方法のよう
に、ガラス基板1側からレーザ光6の照射して半導体活
性層4の一部をアニールする方法においては、レーザ光
6を効率よく半導体活性層4に吸収させることが重要で
ある。そのため、既知の方法では、ガラスに対して透過
率の高いXeFエキシマレーザが利用されている。実際
にガラス基板上に半導体活性層、P含有シリコン酸化膜
を積層形成して、ガラス基板から波長351nmのXeF
エキシマレーザ光をエネルギ密度220〜350mJ/c
m2 で10〜20回照射することにより、そのレーザ光
照射部分に10〜100Ω-1cm-1と、高い導電率を示す
n形のオーミックコンタクト部を形成することができる
という報告がある[清水和裕博士論文(東京工業大学1
993.1.)]。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、TFT
の製造方法として、ガラス基板上にアモルファスシリコ
ンからなる半導体活性層を形成し、この半導体活性層上
にP含有シリコン酸化膜を形成したのち、その半導体活
性層の一部にエキシマレーザ光を照射してアニールする
ことにより、不純物(P)を含有するシリコン酸化膜か
ら半導体活性層のレーザ光照射部分に不純物を拡散させ
て、オーミックコンタクト部を形成する方法がある。
【0009】しかしこの方法には、つぎの問題がある。
すなわち、この場合、半導体活性層への不純物の拡散源
として用いられるP含有シリコン酸化膜は、水分を吸着
しやすいPを多量に含むため、P含有シリコン酸化膜を
塗布形成した基板を大気中に放置すると、短時間でもP
含有シリコン酸化膜の表面に水分が吸着される。このよ
うにP含有シリコン酸化膜の表面に水分が吸着したまま
半導体活性層にレーザ光を照射してアニールすると、半
導体活性層に発生してP含有シリコン酸化膜に伝達する
熱は、吸着水分により奪われ、効果的にPの拡散に用い
られなくなる。また水分が水滴状に吸着されている場合
は、水滴付着部分と付着していない部分とで、Pの拡散
の程度が異なり、TFTのオーミックコンタクト部の導
電率が変化し、ひいてはTFTの特性にばらつきが生ず
る。
【0010】また水分の吸着とは別に、ガラス基板側か
らレーザ光を照射してアニールするため、ガラスに対し
て透過率の高いXeFエキシマレーザが用いられる。し
かしこのXeFエキシマレーザは、ガスの寿命が短く、
高出力で安定なレーザ発振を得ることが困難である。そ
のため、大面積にわたりTFTを量産することができな
い、などの問題がある。
【0011】この発明は、上記問題点を解決するために
なされたものであり、レーザ光の照射により半導体活性
層をアニールして、半導体活性層上に積層形成されたP
含有シリコン酸化膜からPを拡散させる際に、P含有シ
リコン酸化膜の吸着水分の影響をなくすことを第1の目
的とする。またガラス基板側から半導体活性層に照射す
るレーザ光を高出力、安定な発振が得られるXeClエ
キシマレーザとし、このXeClエキシマレーザから得
られる308nmの波長のレーザ光により、効率よく半導
体活性層をアニールすることを第2の目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】基板上にアモルファスシ
リコンまたは多結晶シリコンからなる半導体活性層を形
成し、この半導体活性層上に不純物として燐を含有する
シリコン酸化膜を積層形成したのち、基板側から半導体
活性層の一部にエキシマレーザ光を照射してアニールす
ることにより半導体活性層のレーザ光照射部を結晶化さ
せるとともに、このレーザ光照射部にシリコン酸化膜か
ら不純物を熱拡散させてオーミックコンタクト部を形成
する薄膜トランジスタの製造方法において、半導体活性
層をアニールする前にシリコン酸化膜の積層形成された
基板を真空中または乾燥窒素または乾燥不活性ガスの雰
囲気中にて加熱し、その後この基板を大気にさらすこと
なく真空中または乾燥窒素または乾燥不活性ガスの雰囲
気中にてエキシマレーザ光を照射するようにした。
【0013】また、基板上にアモルファスシリコンまた
は多結晶シリコンからなる半導体活性層を形成し、この
半導体活性層上に不純物を含有するシリコン酸化膜を積
層形成したのち、基板側から半導体活性層の一部にエキ
シマレーザ光を照射してアニールすることにより半導体
活性層のレーザ光照射部を結晶化させるとともに、この
レーザ光照射部にシリコン酸化膜から不純物を熱拡散さ
せてオーミックコンタクト部を形成する薄膜トランジス
タの製造方法において、エキシマレーザ光をXeClエ
キシマレーザ光とし、基板をこのXeClエキシマレー
ザ光に対して70%以上の透過率を有するガラス基板と
した。
【0014】
【作用】上記のように、半導体活性層上に不純物として
燐を含有するシリコン酸化膜を積層形成し、半導体活性
層をアニールする前に、そのシリコン酸化膜の積層形成
された基板を真空中または乾燥窒素または乾燥不活性ガ
スの雰囲気中にて加熱し、その後この基板を大気にさら
すことなく真空中または乾燥窒素または乾燥不活性ガス
の雰囲気中にてエキシマレーザ光を照射するようにする
と、シリコン酸化膜の水分の吸着の影響をなくすことが
できる。
【0015】また、基板側から半導体活性層に照射する
レーザ光をXeClエキシマレーザ光とし、基板をこの
XeClエキシマレーザ光に対して70%以上の透過率
を有するガラス基板とすると、高出力で安定なレーザ発
振が可能となり、かつXeFエキシマレーザ光とほぼ同
等のエネルギ密度で半導体活性層にレーザ光を照射して
アニールすることができる。
【0016】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明を実施例に基
づいて説明する。
【0017】まず、波長308nmの光に対する透過率が
約70%、直径5インチのガラス(たとえばHOYA社
NA45ガラス)基板上にスパッタリング法により膜厚
3000オングストロームのMo−Ta膜を形成し、こ
のMo−Ta膜をフォトリソグラフィ法により加工し
て、図1(a)に示すように、ガラス基板1上に所定パ
ターンのゲート電極2を形成する。つぎに同(b)に示
すように、上記ゲート電極2の形成されたガラス基板1
上にプラズマCVD法により順次膜厚2000オングス
トロームのSiNx からなるゲート絶縁膜3および膜厚
500オングストロームのアモルファスシリコン膜から
なる半導体活性層4を成膜する。つぎに上記半導体活性
層4上にスピンコート法により、シラノール、エタノー
ル、酢酸エチル、五酸化二燐からなるシリコン酸化膜形
成用塗布液を3000オングストロームの厚さに塗布
し、250℃で加熱乾燥して、同(c)に示すように、
不純物としてPを10〜20重量%含有したシリコン酸
化膜5を形成する。
【0018】その後、下記レーザアニール装置を用い
て、同(d)に示すように、、ガラス基板1側からXe
Clエキシマレーザ光20を照射して半導体活性層4を
アニールする。
【0019】上記レーザアニール装置は、図2に示すよ
うに、上記半導体活性層上にP含有シリコン酸化膜の形
成されたガラス基板1を設置するレーザアニール槽21
と、XeClエキシマレーザ光20を発振するレーザ発
振器22とからなる。そのレーザアニール槽21は、石
英ガラスからレーザ投射窓23を有し、かつ排気管24
を介して真空排気装置(図示せず)に、またガス導入管
25を介して乾燥窒素や乾燥不活性ガスなどのガス供給
装置(図示せず)に接続され、槽21内を真空または乾
燥窒素や乾燥不活性ガス雰囲気にすることができるよう
に構成されている。また槽21内には、設置されたガラ
ス基板1を加熱するランプヒータ26が設けられてい
る。なお、図2において、27は反射鏡、28は集光レ
ンズである。
【0020】この装置では、上記半導体活性層上にP含
有シリコン酸化膜の形成されたガラス基板1を、そのガ
ラス基板1をレーザ投射窓22側にしてレーザアニール
槽21に設置し、レーザアニール槽21内を約10-4
a 程度の真空に排気する。そして真空排気しながらラン
プヒータ26によりガラス基板1を約100℃で10分
間加熱するか、あるいは真空排気後ガス供給装置から乾
燥窒素や乾燥不活性ガスを導入したのち、ランプヒータ
26によりガラス基板1を約100℃で10分間加熱す
る。その後、レーザ発振器22からレーザ光20を発振
させて、ガラス基板1側からレーザ光20を照射するこ
とによりおこなわれる。
【0021】この場合、ゲート電極2は、半導体活性層
4に対するレーザ光20の遮光膜となり、ゲート電極2
上の半導体活性層4は、アニールされず、それ以外の部
分の半導体活性層4がアニールされ、図1(e)に示す
ように、そのアニールされた部分が結晶化するととも
に、P含有シリコン酸化膜5から不純物として含有する
Pが熱拡散して、n型半導体からなるオーミックコンタ
クト部7が形成される。
【0022】つぎに弗酸により上記P含有シリコン酸化
膜5を除去し、その後、このP含有シリコン酸化膜の除
去により露出した半導体活性層4およびオーミックコン
タクト部7上にスパッターリング法によりクロム(C
r)膜を成膜し、フォトリソグラフィ法により加工し
て、同(f)図に示すように、オーミックコンタクト部
7上にソース電極9およびドレイン電極10を形成す
る。
【0023】ところで、上記製造方法のようにガラス基
板1上に半導体活性層4、P含有シリコン酸化膜5を積
層形成し、その半導体活性層4にレーザ光20を照射し
てアニールする前に、その半導体活性層4、P含有シリ
コン酸化膜5の積層形成されたガラス基板1を真空中あ
るいは乾燥窒素や乾燥不活性ガス雰囲気中で加熱し、そ
の後、大気にさらすことなく真空中あるいは乾燥窒素や
乾燥不活性ガス雰囲気中でレーザ光20を照射すると、
P含有シリコン酸化膜の水分の吸着を防止し、吸着水分
によるレーザ光のエネルギ密度の損失をなくすことがで
き、低いエネルギ密度のレーザ光で効果的に不純物とし
てシリコン酸化膜5中に含まれるPを半導体活性層4に
熱拡散させて、所望のオーミックコンタクト部7を形成
することができる。またP含有シリコン酸化膜にたとえ
ば水分が水滴状に吸着されと、その水滴付着部と付着し
ない部分とでPの拡散の程度が異なり、そのためにオー
ミックコンタクト部の導電率が変化するが、このような
吸着水分によるオーミックコンタクト部の導電率の変化
をなくし、良好な特性をもつTFTを安定に製造するこ
とができる。
【0024】図3にその一例として、半導体活性層、P
含有シリコン酸化膜の積層形成された5インチガラス基
板1を約10-4Pa 度の真空中、窒素雰囲気およびヘリ
ウム雰囲気中で約100℃で10分間加熱したのち、同
じ雰囲気中でエネルギ密度300 mJ/cm2 のレーザ光
20を15回照射した場合のオーミックコンタクト部の
導電率を示す。(A)が真空中で加熱したのちレーザ光
を照射した場合、(B)が窒素雰囲気中で加熱したのち
レーザ光を照射した場合、(C)がヘリウム雰囲気中で
加熱したのちレーザ光を照射した場合である。なお、
(D)ないし(G)は比較データであり、(D)は大気
中で加熱することなくレーザ光を照射した場合、(E)
は真空中で加熱することなくレーザ光を照射した場合、
(F)は窒素雰囲気中で加熱することなくレーザ光を照
射した場合、(G)はヘリウム雰囲気中で加熱すること
なくレーザ光を照射した場合である。なお、導電率は、
図4に×印30で示した9か所で測定した値である。
【0025】この図3から、(E)ないし(G)のよう
に真空中あるいは窒素やヘリウム雰囲気中でレーザ光を
照射すると、同じく加熱することなく大気中でレーザ光
を照射する(D)の場合にくらべて、導電率を高くする
ことができ、真空中あるいは窒素やヘリウム雰囲気中で
レーザ光を照射することが有効であることが示されてい
る。また真空中あるいは窒素やヘリウム雰囲気中でレー
ザ光を照射する場合でも、(A)ないし(C)のように
加熱したのちレーザ光を照射すると、(E)ないし
(G)のように加熱することなくレーザ光を照射する場
合にくらべて、さらに導電率を高くすることができ、か
つそのばらつきを小さくすることができ、良好な特性を
もつTFTを安定に製造することができることが示され
ている。
【0026】また、上記製造方法のようにレーザ光をX
eClエキシマレーザ発振器から放出される波長308
nmのレーザ光20とし、ガラス基板をこのレーザ光20
に対する透過率が約70%のガラス基板1とすると、高
出力で安定なレーザ発振が可能となり、かつXeFエキ
シマレーザ光と同等のエネルギ密度でほぼ同一回数照射
することにより、所望のオーミックコンタクト部を形成
することができる。
【0027】図5にその一例として、XeClエキシマ
レーザ光のエネルギ密度を変えて10回照射した場合お
よび20回照射した場合のオーミックコンタクト部の導
電率をそれぞれ折線32a ,32b で示す。
【0028】この図からわかるように、XeClエキシ
マレーザ光のエネルギ密度を260〜380 mJ/cm2
とすると、10回ないし20回の照射で10〜80Ω-1
cm-1と、オーミックコンタクト部の導電率を良好にする
ことができる。
【0029】このことは、波長308nmのXeClエキ
シマレーザ光に対する透過率がさらに高い70%以上の
ガラス基板を用いれば、より低いエネルギ密度のXeC
lエキシマレーザ光でも、所望の導電率をもつオーミッ
クコンタクト部を形成し得ることを意味している。
【0030】なお、参考のため、波長308nmのXeC
lエキシマレーザ光に対する透過率が35%のガラス
(たとえばコーニング社7059ガラス)基板を用い
て、同様の試験をおこなったところ、このガラス基板で
は、レーザ光のエネルギ密度を390 mJ/cm2 未満で
は、半導体活性層が結晶化せず、またエネルギ密度を2
00〜450 mJ/cm2 、照射回数を10回、20回と
変化させても、導電率は、1Ω-1cm-1以下であり、所望
のオーミックコンタクト部を形成することができなかっ
た。また導電率を高めるために、エネルギ密度を500
J/cm2 以上に高くすると、半導体活性層の部分的な蒸
発が発生した。
【0031】なお、上記実施例では、半導体活性層にX
eClエキシマレーザ光を照射してアニールする前に、
ガラス基板を約100℃に加熱したが、このガラス基板
の加熱温度は、P含有シリコン酸化膜の吸着水分の除去
という目的から、100℃以上としてもよい。しかしア
モルファスシリコンからなる半導体活性層については、
その成膜温度以上に加熱すると、アモルファスシリコン
の膜質が変化するおそれがあるので、その成膜温度以下
にすることが望まれる。
【0032】また、上記実施例では、半導体活性層、P
含有シリコン酸化膜の積層形成されたガラス基板を加熱
したのち、その加熱を停止してXeClエキシマレーザ
光を照射したが、このレーザ光照射中も加熱を継続して
もよい。
【0033】なおまた、上記実施例では、半導体活性層
がアモルファスシリコンからなる場合について説明した
が、この発明は、半導体活性層が多結晶シリコンからな
る場合にも適用できる。
【0034】
【発明の効果】半導体活性層上に不純物としてPを含有
するシリコン酸化膜を積層形成し、半導体活性層をアニ
ールする前に、そのP含有シリコン酸化膜の積層形成さ
れた基板を真空中または乾燥窒素または乾燥不活性ガス
の雰囲気中にて加熱し、その後この基板を大気にさらす
ことなく真空中または乾燥窒素または乾燥不活性ガスの
雰囲気中にてエキシマレーザ光を照射するようにする
と、シリコン酸化膜の水分の吸着の影響をなくすことが
でき、低いエネルギ密度のレーザ光で効果的にシリコン
酸化膜中に不純物として含有するPを半導体活性層に拡
散させて、所望の導電特性をもつオーミックコンタクト
部を形成することができる。またオーミックコンタクト
部の導電率の分布を均一にすることができる。
【0035】また、基板側から半導体活性層に照射する
レーザ光をXeClエキシマレーザ光とし、基板をこの
XeClエキシマレーザ光に対して70%以上の透過率
を有するガラス基板とすると、高出力の安定なレーザ発
振が可能となり、かつXeFエキシマレーザ光とほぼ同
等のエネルギ密度で半導体活性層にレーザ光を照射し
て、所望の導電特性をもつオーミックコンタクト部を形
成することができる。したがってレーザ光をXeClエ
キシマレーザ光とし、このレーザ光に対して70%以上
の透過率をもつガラス基板を用いることにより、大面積
にわたりTFTを量産することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)ないし(f)はそれぞれこの発明の
一実施例である薄膜トランジスタの製造方法を説明する
ための図である。
【図2】そのレーザアニール装置の構成を示す図であ
る。
【図3】レーザ光を照射して半導体活性層をアニールす
る際のガラス基板の加熱および雰囲気と形成されるオー
ミックコンタクト部の導電率との関係を説明するための
図である。
【図4】その導電率の測定か所を示す図である。
【図5】XeClエキシマレーザ光のエネルギ密度と形
成されるオーミックコンタクト部の導電率との関係を示
す図である。
【図6】図6(a)ないし(c)はそれぞれXeFエキ
シマレーザ光を照射して半導体活性層をアニールする従
来の薄膜トランジスタの製造方法を説明するための図で
ある。
【符号の説明】
1…ガラス基板 2…ゲート電極 4…半導体活性層 5…P含有シリコン酸化膜 7…オーミックコンタクト部 20…XeClエキシマレーザ光 21…レーザアニール槽 24…排気管 25…ガス導入管 26…ランプヒータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/225 Q

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上にアモルファスシリコンまたは多
    結晶シリコンからなる半導体活性層を形成し、この半導
    体活性層上に不純物として燐を含有するシリコン酸化膜
    を積層形成したのち、上記基板側から上記半導体活性層
    の一部にエキシマレーザ光を照射してアニールすること
    により上記半導体活性層のレーザ光照射部を結晶化させ
    るとともに、このレーザ光照射部に上記シリコン酸化膜
    から不純物を熱拡散させてオーミックコンタクト部を形
    成する薄膜トランジスタの製造方法において、 上記半導体活性層をアニールする前に上記シリコン酸化
    膜の積層形成された基板を真空中または乾燥窒素または
    乾燥不活性ガスの雰囲気中にて加熱し、その後この基板
    を大気にさらすことなく真空中または乾燥窒素または乾
    燥不活性ガスの雰囲気中にて上記エキシマレーザ光を照
    射することを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  2. 【請求項2】 基板上にアモルファスシリコンまたは多
    結晶シリコンからなる半導体活性層を形成し、この半導
    体活性層上に不純物を含有するシリコン酸化膜を積層形
    成したのち、上記基板側から上記半導体活性層の一部に
    エキシマレーザ光を照射してアニールすることにより上
    記半導体活性層のレーザ光照射部を結晶化させるととも
    に、このレーザ光照射部に上記シリコン酸化膜から不純
    物を熱拡散させてオーミックコンタクト部を形成する薄
    膜トランジスタの製造方法において、 上記エキシマレーザ光をXeClエキシマレーザ光と
    し、上記基板をこのXeClエキシマレーザ光に対して
    70%以上の透過率を有するガラス基板としたことを特
    徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
JP18704094A 1994-08-09 1994-08-09 薄膜トランジスタの製造方法 Pending JPH0851211A (ja)

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KR20010094962A (ko) * 2000-03-31 2001-11-03 포만 제프리 엘 박막 트랜지스터용 자기 도핑 옴접촉부 형성 방법
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