JPH09289325A - 半導体装置およびその作製方法 - Google Patents

半導体装置およびその作製方法

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JPH09289325A
JPH09289325A JP12659296A JP12659296A JPH09289325A JP H09289325 A JPH09289325 A JP H09289325A JP 12659296 A JP12659296 A JP 12659296A JP 12659296 A JP12659296 A JP 12659296A JP H09289325 A JPH09289325 A JP H09289325A
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JP
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film
laser light
silicon oxide
oxide film
silicon
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JP12659296A
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Koichiro Tanaka
幸一郎 田中
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Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 レーザー光を利用することによって作製した
薄膜トランジスタの特性を向上させる。 【構成】 珪素膜101上に酸化珪素膜105が成膜さ
れた状態において、レーザー光100を照射し、珪素膜
101と酸化珪素膜105に対するアニールを行う。こ
の時、酸化珪素膜105の膜厚dを(N/4n)λ0
示される値に概略一致させる。ここで、Nは正の奇数、
nがレーザー光の波長に対する酸化珪素膜105の屈折
率、λ0 は真空中でのレーザー光の波長である。このよ
うな条件を満足させることにより、酸化珪素膜105中
においてレーザー光の定常波を生じさせることができ
る。そして、珪素膜101に対するアニールと同時に酸
化珪素膜105に対するアニールを同時に行うことがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本明細書で開示する発明は、
薄膜トランジスタの作製に際してレーザー光の照射を利
用する技術に関する。またこの技術を利用することによ
って得られた薄膜トランジスタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、非晶質珪素膜にレーザー光を
照射することにより、結晶性珪素膜に変成する技術が知
られている。また、不純物イオンの注入後に珪素膜に対
してレーザー光を照射し、不純物イオンの衝撃によって
損傷した領域のアニールと注入された不純物の活性化と
を行う技術が知られている。
【0003】珪素膜を利用する場合は、その吸収性の良
さから紫外領域以下の波長を有するレーザー光が利用さ
れる。また、その発振効率の高さからエキシマレーザー
光が利用されている。
【0004】図5に非晶質珪素膜に対して波長248n
mのKrFエキシマレーザー光を照射して、結晶性珪素
膜に変成する場合の状態を模式的に示す。
【0005】図において、10はガラス基板である。そ
してこのガラス基板10上に下地膜11として酸化珪素
膜が成膜されている。さらに下地膜11上に非晶質珪素
膜12が成膜されている。
【0006】13は照射されるレーザー光の光路であ
る。このような状態でレーザー光13を照射すると、1
5で示されるような非晶質珪素膜12の表面で反射され
る成分が観察される。15で示される成分は普通有効利
用されず散逸してしまう。なお、14は非晶質珪素膜1
2中に吸収される成分である。
【0007】非晶質珪素膜にレーザー光の照射を行い結
晶性珪素膜を得た場合、高い結晶性を得ることができ
る。しかし、その表面が荒れたものとなってしまうとい
う問題がある。この荒れは、膜厚程度以上の凹凸となっ
てしまう場合もある。
【0008】この珪素膜表面の荒れは、珪素膜を利用し
て薄膜トランジスタを作製しようとする際に大きな問題
となる。
【0009】即ち、ゲイト絶縁膜とチャネル形成領域と
の界面に珪素膜表面の荒れに起因する準位が高密度に形
成されてしまい、この準位が薄膜トランジスタの動作に
悪影響を与えることが問題となる。
【0010】この悪影響は、動作の不安定さ、特性のバ
ラツキ、特性の経時変化といった問題の要因となる。
【0011】
【発明が解決しようとしする課題】本明細書で開示する
発明は、レーザー光の照射を行った珪素膜を利用した薄
膜トランジスタにおいて、動作の不安定さ、特性のバラ
ツキ、特性の経時変化といった問題が生じないような技
術を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本明細書で開示する発明
の一つは、珪素膜と、該珪素膜上に形成された酸化珪素
膜と、を有した構造に対してレーザー光を照射するプロ
セスであって、Nを正の奇数、nを酸化珪素膜の屈折
率、λ0 を真空中でのレーザー光の波長として、酸化珪
素膜の厚さを概略d=(N/4n)λ0 で示される値に
することを特徴とする。
【0013】ここで、珪素膜としては非晶質珪素膜、さ
らに多結晶珪素膜や微結晶珪素膜で代表される結晶性珪
素膜を利用することができる。また珪素膜は真性でも、
P型でも、N型もよい。
【0014】酸化珪素膜中には、ハロゲン元素や水素、
さらにはリンやボロンといった不純物元素が添加されて
いてもよい。
【0015】レーザー光としては、珪素膜に吸収され易
い紫外領域を有したエキシマレーザー光を利用すること
が好ましい。具体的には、KrFエキシマレーザー(波
長248nm)やXeClエキシマレーザー(波長20
8nm)等を利用することができる。
【0016】なお、本明細書で開示する発明は、基本的
に酸化珪素膜を透過するレーザー光を用いる場合に成立
する。一般に、レーザー光の波長の下限は、150nm
程度とすることが適当である。具体的には、酸化珪素膜
のエネルギーバンドギャップに対応する波長が上記レー
ザー光の下限に相当する。この波長以下であるとレーザ
ー光が酸化珪素膜に吸収されるので、本明細書で開示す
る発明を利用することが困難となる。
【0017】他の発明の構成は、半導体薄膜と、該半導
体薄膜上に形成された絶縁膜と、を有した構造に対して
レーザー光を照射するプロセスであって、前記レーザー
光の波長に対しての前記絶縁膜の屈折率nは前記半導体
薄膜のそれよりも大きく、Nを正の奇数、λ0 を真空中
でのレーザー光の波長として、絶縁膜の厚さを概略d=
(N/4n)λ0 で示される値にすることを特徴とす
る。
【0018】半導体薄膜としては、珪素膜が一般的に利
用される。しかし、他にシリコンゲルマ等の化合物半導
体の薄膜を利用することもできる。また珪素膜の成膜方
法も特に限定されるものではない。
【0019】また、異なる結晶性や異なる組成でなる多
層構造を有する半導体薄膜を利用することもできる。
【0020】絶縁膜としては、酸化珪素膜に代表される
所要するレーザー光の波長に対しての屈折率が下地の半
導体薄膜のそれに比較して小さいものを利用することが
重要である。
【0021】また、レーザー光の波長は、絶縁膜を透過
するものである必要がある。一般には、絶縁膜のエネル
ギーバンドギャップ(Eg)がレーザー光の光子エネル
ギー(hν)よりも大きいことが必要となる。逆にいえ
ば、レーザー光の光子エネルギー(hν)は絶縁膜のエ
ネルギーバンドギャップ(Eg)よりも小さいことが必
要となる。
【0022】他の発明の構成は、活性層となるべき領域
に対してレーザー光の照射が行われた薄膜トランジスタ
であって、レーザー光の波長に対してのゲイト絶縁膜の
屈折率nは活性層を構成する半導体薄膜のそれよりも大
きく、Nを正の奇数、λ0 を真空中でのレーザー光の波
長として、ゲイト絶縁膜の厚さが概略d=(N/4n)
λ0 で示される値であることを特徴とする。
【0023】レーザー光の照射が行われたか否かは、活
性層の表面状態を観察すれば判別することができる。こ
れは、レーザー光の照射によって結晶化やアニールが行
われた珪素膜の表面は、加熱処理による結晶化やアニー
ルが施された珪素膜に比較して、確実に異なる表面状態
を有しているからである。
【0024】
【作用】可視光線に対する珪素膜の屈折率は、n=3.5
〜3.7 である。この値は非晶質珪素膜と結晶性珪素膜と
で異なる。また成膜方法や成膜条件によっても異なる。
しかし、一般的には上記範囲内に納まる。
【0025】一方、可視光線に対する酸化珪素膜の屈折
率は、n=1.45〜1.50程度である。この値も成膜方法や
成膜条件によって異なる。
【0026】上記の屈折率は、波長依存性があり、波長
によって異なる。しかし、同じ波長に対しては、珪素膜
の屈折率が酸化珪素膜の屈折率に対して大きいという関
係は変わらない。このような関係は、紫外領域から赤外
領域まで成り立つ。
【0027】従って、図1に示すように、珪素膜101
上に酸化珪素膜105を積層した構造にレーザー光10
0を照射した場合、レーザー光は酸化珪素膜を透過し、
珪素膜101との界面で一部が104に示されるように
反射される。
【0028】このような場合、レーザー光の反射端(酸
化珪素膜105と珪素膜101との界面)は固定端と考
えることができる。従って、酸化珪素膜105と珪素膜
101との界面で反射されるレーザー光は、位相がπだ
け変化したものとなる。
【0029】この位相がπだけ変化したレーザー光の反
射波104は、珪素膜101に向かって進行するレーザ
ー光と干渉する。
【0030】この時、ある条件が満たされるとこの干渉
に起因して定常波が形成される。この条件とは、酸化珪
素膜105の表面及び裏面(珪素膜101との界面)が
定常波の腹または節となる場合である。
【0031】ここで、珪素膜101との界面で反射した
レーザー光104が酸化珪素膜105から膜外に出よう
とする状態を考える。
【0032】この状態においては、屈折率のより高い酸
化珪素膜105中から屈折率がより低い雰囲気中(適当
なガス雰囲気または減圧雰囲気)中へとレーザー光が進
行することになる。
【0033】即ち、光学的に密な物質中から光学的に疎
な物質へとレーザー光が進行する状態となる。よって、
定常波が形成される状態においては、酸化珪素膜105
の表面は、定常波の腹となる。
【0034】従って、図2に示すようなモードでもって
定常波が形成されることになる。即ち、酸化珪素膜10
5の光学膜厚ndが入射レーザー光の波長λ0 (真空中
での波長)の1/4の奇数倍となった場合に定常波が形
成されることになる。
【0035】図2には、1/4波長に定常波(a)と3
/4波長に定常波(b)とが示されている。
【0036】この定常波は形成された状態では、酸化珪
素膜105中にレーザー光のエネルギーが閉じ込められ
た状態となる。このエネルギーは酸化珪素膜105中の
不純物や準位に吸収される。こうして、酸化珪素膜10
5のアニールが効果的に行われる。
【0037】なお、珪素膜101との界面で反射されず
に珪素膜101中に入射するレーザー光103(図1参
照)は、珪素膜101のアニールに寄与する。
【0038】本明細書で開示する発明を利用すること
で、ゲイト絶縁膜として機能する酸化珪素膜のアニール
を効果的に行うことができる。このアニールは非常に効
果的であり、作製工程間における酸化珪素膜の物性のバ
ラツキや界面特性のバラツキを抑制するたに大きな寄与
をする。従って、薄膜トランジスタのロット毎の特性の
バラツキや劣化特性のバラツキを抑制することができ
る。
【0039】
【発明の実施例の形態】珪素膜101に対してレーザー
光の照射によるアニールを行うに際し、珪素膜101上
に形成された酸化珪素膜105の厚さをd、酸化珪素膜
中でのレーザー光101の波長をλとして、d=(N/
4)λを満たす状態とする。
【0040】なお、酸化珪素膜の屈折率(当該レーザー
光の波長に対する屈折率)をnとした場合、上式はd=
(N/4n)λ0 と変形される。ただし、Nは1,3,
5,7で示される正の奇数である。またλ0 は真空中で
のレーザー光の波長(一般には空気中での波長を利用し
て差し支えない)である。
【0041】このような構成とすることにより、図1に
示すように酸化珪素膜105と珪素膜101との界面で
反射される反射光104と、珪素膜101に向かう入射
光100と、が酸化珪素膜105中において干渉して共
鳴状態を生じる。
【0042】図2にN=1とN=3の場合における定常
波のモードを模式的に示す。図2は、珪素膜101界面
で反射されるレーザー光と珪素膜101に入射するレー
ザー光とが酸化珪素膜105中において干渉することに
よって得られる共鳴状態を示している。図のおける共鳴
状態は、気柱の共鳴状態からの類推により表現したもの
である。
【0043】この状態においては、レーザー光のエネル
ギーが酸化珪素膜中の不純物やトラップ準位に高い効率
で吸収される。そしてその結果として、酸化珪素膜10
5のアニールが行われる。
【0044】このアニールは、酸化珪素膜105中の準
位を減少させるのと同時に珪素膜101と酸化珪素膜1
05との界面近傍の準位を減少させるのに効果がある。
【0045】即ち、酸化珪素膜105の膜厚dを照射さ
れるレーザー光の波長λ(λは酸化珪素膜中でのレーザ
ー光の波長)に対応させて所定の値に限定することによ
り、珪素膜101に対するアニールと同時に酸化珪素膜
105のアニールをも同時に行うことができる。
【0046】また、酸化珪素膜105が存在すること
で、レーザー光の照射に従う珪素膜表面の荒れを抑制す
ることができる。
【0047】
【実施例】
〔実施例1〕本実施例は、本明細書に開示する発明を利
用して薄膜トランジスタを作製する工程を示す。
【0048】図3に本実施例の薄膜トランジスタの作製
工程を示す。まず、ガラス基板301上に下地膜302
を成膜する。ここでは、下地膜302として、スパッタ
法によって3000Åの厚さに酸化珪素膜を成膜する。
【0049】この下地膜は、後の工程においてガラス基
板301からの不純物の拡散を防ぐ機能を有している。
また、ガラス基板301と後に形成される珪素膜との間
に発生する応力を緩和させる機能を有している。
【0050】次に下地膜302上に非晶質珪素膜303
を500Åの厚さにプラズマCVD法で成膜する。本実
施例で利用する非晶質珪素膜は、後に利用するレーザー
光(KrFエキシマレーザー)の波長248nmに対し
て約2.10の屈折率を有している。(図3(A))
【0051】非晶質珪素膜の成膜方法としては、減圧熱
CVD法を利用するのでもよい。減圧熱CVD法は、装
置にメンテナンスや大面積への成膜に難があるが、得ら
れる膜質はプラズマCVD法によるものよりも高いもの
が得られる。
【0052】非晶質珪素膜を得たら、パターニングを行
うことにより、後に薄膜トランジスタの活性層を構成す
る島状の領域304を形成する。
【0053】次にプラズマCVD法により、1208Å
厚の酸化珪素膜305を成膜する。この酸化珪素膜30
5は、248nmの波長に対して約1.54の屈折率を有し
ている。(図3(B))
【0054】この酸化珪素膜の膜厚は、酸化珪素膜30
5中において、KrFエキシマレーザー光の共鳴条件が
成立する厚さとする。即ち、珪素膜との界面から反射さ
れるレーザー光と珪素膜との界面に向かうレーザー光と
が干渉して定常波が形成される条件を満足する厚さとす
る。
【0055】具体的には、d=λ0 N/4nで示される
計算式より求められる。ここでは、λ0 =2480Å、
N=3、n=1.54を上式に代入し、d=1208Åを得
る。
【0056】こうして図3(B)に示す状態を得る。こ
の状態でKrFエキシマレーザー光を照射する。レーザ
ー光は、光学系によって幅が数mm、長さは数十cmの
線状のビームに成形したものを走査して照射する。この
ようにすることで、大面積に対するレーザー光の照射を
効率的に行うことができる。
【0057】この工程で入射されたレーザー光は一部が
非晶質珪素膜304と酸化珪素膜305との界面で反射
される。
【0058】非晶質珪素膜304に入射するレーザー光
は、非晶質珪素膜中でほとんど吸収され、そのエネルギ
ーは非晶質珪素膜304の結晶化に寄与することにな
る。
【0059】一方、非晶質珪素膜304の界面で反射
し、酸化珪素膜305中を照射したレーザー光と反対方
向(基板から遠ざかる向き)に進行するレーザー光は、
図2(b)に示すようなモードで共鳴状態が生じる。即
ち、非晶質珪素膜に入射するレーザー光と非晶質珪素膜
から反射するレーザー光とが干渉することにより、定常
波が形成される。
【0060】この結果、酸化珪素膜305中にレーザー
光のエネルギーが閉じ込められた状態となる。そして酸
化珪素膜に効果的にレーザー光のエネルギーが吸収され
る。
【0061】こうして、非晶質珪素膜304の結晶化が
行われ、結晶性珪素膜でなる活性層306が得られる。
また同時にゲイト絶縁膜として機能する酸化珪素膜30
5のアニール行われる。特に活性層となる珪素膜のゲイ
ト絶縁膜との界面付近のアニールが効果的に行われる。
【0062】次に図3(C)に示すゲイト電極307を
形成する。まず、ゲイト電極の基となるアルミニウム膜
をスパッタ法によって4000Åの厚さに成膜する。
【0063】このアルミニウム膜中には、スカンジウム
またはイットリウムを0.1 重量%含有させる。これは、
後の工程においてヒロックやウィスカーが発生してしま
うことを抑制するためである。
【0064】ヒロックやウィスカーというのは、アルミ
ニウムに異常成長によって生じる刺状あるいは針状の突
起物のことである。
【0065】上記アルミニウム膜を成膜したら、その表
面に100Å厚の極薄い陽極酸化膜(図示せず)を形成
する。
【0066】ここでは、3%の酒石酸を含んだエチレン
グルコール溶液をアンモニウム膜を陽極、白金を電極と
して陽極酸化電流を流し、アルミニウム膜の表面に陽極
酸化膜を形成する。また、膜厚の制御は印加電圧によっ
て行うことができる。
【0067】この工程で形成される陽極酸化膜は、緻密
な膜質を有している。
【0068】さらに図示しないレジストマスクを配置
し、パターニングを行う。この工程により、ゲイト電極
307の基となるパターンを形成する。
【0069】次に再度の陽極酸化を行う。ここでは、3
%のシュウ酸水溶液を電解溶液として用いる。この工程
では308で示される部分に多孔質状の陽極酸化膜が形
成される。
【0070】この多孔質状の陽極酸化膜は、2μm程度
まで成長させることが可能である。ここでは、5000
Åの厚さにこの多孔質状の陽極酸化膜308を成長させ
る。
【0071】次に図示しないレジストマスクを除去し、
再度緻密な膜質を有する陽極酸化膜を形成する。この工
程では、309で示される緻密な膜質を有する陽極酸化
膜を1000Åの厚さに成膜する。
【0072】この工程でゲイト電極307が画定する。
ゲイト電極307は、緻密な膜質を有する陽極酸化膜3
09によって保護された状態となる。
【0073】こうして図3(C)に示す状態を得る。次
に不純物イオンの注入を行う。ここでは、Nチャネル型
の薄膜トランジスタを作製するためにP(リン)イオン
の注入を行う。
【0074】この工程で310と311の領域にPイオ
ンの注入を行う。(図3(D))
【0075】次に陽極酸化膜308を除去し、再度のP
イオンの注入を行う。この工程では、最初のPイオンの
注入時よりもドーズ量を下げてPイオンの注入を行う。
【0076】この工程では312と313で示される領
域が低濃度不純物領域として形成される。
【0077】不純物イオンの注入が終了したら、レーザ
ー光の照射を行い、Pイオンの注入された領域のアニー
ルを行う。この工程で用いるレーザー光は、図3(B)
の工程において利用したKrFエキシマレーザーを用い
ればよい。
【0078】次に層間絶縁膜317として酸化珪素膜ま
たは窒化珪素膜を成膜する。そしてコンタクトホールの
形成を行う。さらにソース電極318とドレイン電極3
19を形成する。これらの電極は、チタン膜とアルミニ
ウム膜とチタン膜との積層膜でもって構成する。
【0079】最後に350℃の水素雰囲気中において、
1時間の加熱処理を施す。こうして、図3(E)に示す
薄膜トランジスタを完成させる。
【0080】本実施例に示す薄膜トランジスタは、ゲイ
ト絶縁膜305中の欠陥が少なく、またゲイト絶縁膜3
05と活性層304との界面特性が良好であるという特
徴がある。
【0081】これは、活性層306の結晶化と同時に効
果的にゲイト絶縁膜305のアニールが行われるからで
ある。
【0082】〔実施例2〕本実施例は、加熱処理による
結晶化とレーザー光の照射によるアニールとを併用した
構成に関する。
【0083】図4に本実施例に示す作製工程を示す。ま
ず、ガラス基板401上に下地膜402として、酸化珪
素膜をスパッタ法によって3000Åの厚さに成膜す
る。本実施例では、ガラス基板として歪点が667℃で
あるコーニング1737ガラス基板を利用する。
【0084】次にプラズマCVD法または減圧熱CVD
法により、非晶質珪素膜403を500Åの厚さに成膜
する。
【0085】この状態で非晶質珪素膜403の表面に珪
素の結晶化を助長する金属元素の導入を行う。ここで
は、珪素の結晶化を助長する金属元素としてNiを利用
する。
【0086】この珪素の結晶化を助長する金属元素とし
ては、Fe、Co、Ni、Cu、Ru、Rh、Pd、O
s、Ir、Pt、Auから選ばれた一種または複数種類
のものを用いることができる。
【0087】本実施例においては、Ni元素をニッケル
酢酸塩溶液を用いて非晶質珪素膜の表面に導入する。
【0088】この溶液を利用した方法は、当該元素の導
入量を制御し易いという技術上の有意性がある。
【0089】図4(A)には、非晶質珪素膜403上に
重量換算で5ppmのニッケル元素を含んだニッケル酢
酸塩溶液を滴下し、水膜400が形成された状態が示さ
れている。
【0090】水膜400を形成したら、図示しないスピ
ンコーターによって、余分な溶液を吹き飛ばす。こうし
て、ニッケル元素が非晶質珪素膜403の表面に接して
保持された状態を得る。
【0091】ニッケル元素の導入量は、上記の溶液の濃
度やスピンコータを利用したスピンドライ工程の条件を
調整することにより制御することができる。
【0092】次に加熱処理を行い、非晶質珪素膜403
を結晶化させる。ここでは、640℃の温度で4時間の
加熱処理を行い非晶質珪素膜403を結晶化させる。
【0093】こうして図4(B)に示すように結晶性珪
素膜404を得る。図4(B)に示す状態を得たら、パ
ターニングを行うことにより、後の薄膜トランジスタの
活性層となる島状の領域405を形成する。(図4
(C))
【0094】さらにゲイト絶縁膜406として機能する
酸化珪素膜をプラズマCVD法により1208Åの厚さ
に成膜する。
【0095】そして実施例1の場合と同様にKrFエキ
シマレーザーの照射を行う。この工程では、定常波の形
成による酸化珪素膜でなるゲイト絶縁膜406のアニー
ルと、結晶性珪素膜でなる活性層406の結晶化の助長
とが同時に行われる。
【0096】この後、図3に示す工程と同様にして薄膜
トランジスタを完成させる。
【0097】〔実施例3〕本実施例は、実施例1に示す
構成において、レーザー光としてXeClエキシマレー
ザーを用いる場合を示す。この場合、レーザー光の波長
は、308nmである。従ってゲイト絶縁膜を構成する
酸化珪素膜の膜厚は、実施例1の場合と異なるものとな
る。
【0098】ここでは、酸化珪素膜の膜厚を決定するd
=λ0 N/4nで示される数式に、λ0 =3080Å、
N=3、n=1.54(ここでは波長248nmの場合と同
じ値を用いる)を代入して、d=1500Åを得る。
【0099】そこて、本実施例では、図3(B)に示す
ゲイト絶縁膜305を構成する酸化珪素膜の膜厚を15
00Åとする。
【0100】他の工程は、実施例1に示すものと同じで
ある。また、本実施例に示す構成を他の実施例に利用し
てもよい。
【0101】本実施例では、酸化珪素膜の屈折率とし
て、波長248nmに対する値を利用する。しかし、利
用する酸化珪素膜の屈折率を実測し、その値を利用する
ことがより好ましい。
【0102】〔実施例4〕本実施例は、実施例1に示し
た方法とは異なる方法で薄膜トランジスタを作製する例
を示す。
【0103】本実施例では、結晶性珪素膜を得るために
レーザー光の照射を行い。さらに酸化珪素膜でなるゲイ
ト絶縁膜のアニールを行うために再度のレーザー光の照
射を行う。即ち、本実施例においては、実施例1では一
回のレーザー光の照射で済ましていたものを2回に分け
て行う。
【0104】図6に本実施例の作製工程を示す。まず図
6(A)に示すようにガラス基板301上に下地膜とし
て酸化珪素膜302を成膜する。
【0105】次に図示しない非晶質珪素膜(後に結晶性
珪素膜601の出発膜となる)をプラズマCVD法また
は減圧熱CVD法で成膜する。
【0106】そして、KrFエキシマレーザーの照射を
行うことにより、図示しない非晶質珪素膜の結晶化を行
う。ここでのレーザー光の照射は、線状にビーム加工し
たレーザー光を走査して照射することによって行う。
【0107】こうして結晶性珪素膜601を得る。次に
結晶性珪素膜601をパターニングして、図6(B)に
示す薄膜トランジスタの活性層602を形成する。
【0108】そして実施例1の場合と同じようにゲイト
絶縁膜305として、厚さ1208nmの酸化珪素膜を
成膜し、再度KrFエキシマレーザーの照射を行う。こ
の工程は実施例1に示すものと同じである。
【0109】以下、実施例1に示す工程に従って、薄膜
トランジスタを完成させる。
【0110】〔実施例5〕本実施例は、図6に示す実施
例4の作製工程において、加熱処理による結晶化の工程
を加えたものである。
【0111】図6を用いて本実施例の作製工程を説明す
る。まず、ガラス基板301上に下地膜302として酸
化珪素膜を成膜する。さらに図示しない非晶質珪素膜を
成膜し、実施例2に示したニッケルの導入による加熱処
理による結晶化を行う。
【0112】こうして加熱処理による得られた結晶性珪
素膜601を得る。基板の耐熱性が高い場合には、単な
る加熱処理のみにより結晶性珪素膜を得てもよい。
【0113】そして結晶性珪素膜の結晶性をさらに高め
るために図6(A)に示すようにKrFエキシマレーザ
ー光の照射を行う。
【0114】後は結晶性珪素膜を薄膜トランジスタの活
性層の形状にパターニングし、図6に示す工程に従って
薄膜トランジスタを作製する。
【0115】
【発明の効果】本明細書で開示する発明を利用すること
により、レーザー光の照射を行った珪素膜を利用した薄
膜トランジスタにおいて、動作の不安定さ、特性のバラ
ツキ、特性の経時変化といった問題を抑制することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 珪素膜に対するレーザー光の照射の状態を示
す図。
【図2】 レーザー光による共鳴状態のモードを示す模
式図。
【図3】 薄膜トランジスタの作製工程を示す図。
【図4】 薄膜トランジスタの作製工程を示す図。
【図5】 珪素膜に対するレーザー光の照射の状態を示
す図。
【図6】 薄膜トランジスタの作製工程を示す図。
【符号の説明】
101 珪素膜 100 照射されたレーザー光 103 珪素膜に入射するレーザー光の成分 104 珪素膜の表面で反射されたレーザー
光の成分 105 酸化珪素膜 301 ガラス基板 302 下地膜(酸化珪素膜) 303 非晶質珪素膜 304 活性層を構成することとなる島状の
領域 305 ゲイト絶縁膜(酸化珪素膜) 306 結晶性珪素膜でなる活性層 307 ゲイト電極 308 多孔質状の陽極酸化膜 309 緻密な膜質を有する陽極酸化膜 310 ソース領域 311 ドレイン領域 312、313 低濃度不純物領域が形成される領域 314 チャネル形成領域 315、316 低濃度不純物領域 317 層間絶縁膜 318 ソース電極 319 ドレイン電極 10 ガラス電極 11 下地膜 12 非晶質珪素膜 13 照射されるレーザー光 14 非晶質珪素膜に入射するレーザー光 15 非晶質珪素膜の表面で反射されるレー
ザー光
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 29/78 627G

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】珪素膜と、 該珪素膜上に形成された酸化珪素膜と、 を有した構造に対してレーザー光を照射するプロセスで
    あって、 Nを正の奇数、nを酸化珪素膜の屈折率、λ0 を真空中
    でのレーザー光の波長として、 酸化珪素膜の厚さを概略d=(N/4n)λ0 で示され
    る値にすることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、 酸化珪素膜をゲイト絶縁膜として薄膜トランジスタを作
    製することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  3. 【請求項3】半導体薄膜と、 該半導体薄膜上に形成された絶縁膜と、 を有した構造に対してレーザー光を照射するプロセスで
    あって、 前記レーザー光の波長に対しての前記絶縁膜の屈折率n
    は前記半導体薄膜のそれよりも大きく、 Nを正の奇数、λ0 を真空中でのレーザー光の波長とし
    て、 絶縁膜の厚さを概略d=(N/4n)λ0 で示される値
    にすることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  4. 【請求項4】請求項3において、 酸化珪素膜をゲイト絶縁膜として薄膜トランジスタを作
    製することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  5. 【請求項5】活性層となるべき領域に対してレーザー光
    の照射が行われた薄膜トランジスタであって、 レーザー光の波長に対してのゲイト絶縁膜の屈折率nは
    活性層を構成する半導体薄膜のそれよりも大きく、 Nを正の奇数、λ0 を真空中でのレーザー光の波長とし
    て、 ゲイト絶縁膜の厚さが概略d=(N/4n)λ0 で示さ
    れる値であることを特徴とする半導体装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005191510A (ja) * 2003-06-30 2005-07-14 Advanced Lcd Technologies Development Center Co Ltd 結晶化方法、結晶化装置、被処理基板、薄膜トランジスタおよび表示装置
JP2014041901A (ja) * 2012-08-22 2014-03-06 Mitsubishi Electric Corp 炭化珪素半導体装置の製造方法

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