JPH08512116A - 脈動する量の検出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 脈動する量を検出するセンサの出力信号がフィルタ装置において、脈動並びに脈動量のダイナミックな変化が減衰されないが、障害が最適に除去されるように制御される、脈動する量、例えば内燃機関に供給される空気質量を検出するための装置が提案される。このために、一方において回転数に依存して変化可能な中心周波数を有する帯域通過特性および他方において低域通過特性を有するフィルタが使用される。中心周波数のシフトは制御装置によって実施される。

Description

【発明の詳細な説明】 脈動する量の検出装置 従来の技術 本発明は、請求項１の上位概念に記載の、脈動する量、例えば内燃機関に供給 される空気質量（エアマス）の検出装置から出発する。 内燃機関において、通例検出すべき作動パラメータ、例えば吸気管圧または吸 入空気質量が内燃機関の働き行程において変動することは周知である。付加的に 空気質量測定器を用いた吸入空気質量の測定の際に、数多くの原因を有する雑音 が発生する。１つには、空気流に、変動する擾乱運動が原因で生じる雑音である 。この雑音は例えば、時間的および／または空間的な平均化によって抑圧するこ とができる。しかしこの平均化では、殊に加速の際の空気質量の跳躍的変化並び に吸入管脈動現象によって所定の作動条件下で発生するダイナミックな過程は考 慮されない。 出力信号に不都合に作用する第２の雑音源は、電磁障害が原因で生じる、電子 装置の雑音である。この雑音も、信頼できる信号評価が可能であるように、適当 な手段を以て低減しなければならない。 空気質量測定器の信号の評価の際の雑音およびその他の障害の影響を低減する ために、ヨーロッパ特許出 願公開第０４２９８１９号公報において、内燃機関の行程において周期的に変動 する、吸気管圧力センサまたは空気質量測定器の出力信号を、引き続き処理する 前にフィルタリングすることが提案される。その際周期的に変動する量のフィル タリングのために、帯域阻止フィルタが使用される。それは、その出力側に、周 期的に変動する量の平均値をダイナミックに出来るだけ良好に再現する信号が生 じるように設計される。このために、帯域阻止フィルタの整合可能な中心周波数 によって動作し、その場合帯域阻止フィルタの中心周波数はその前に求められた 回転数値に依存して変化する。全体として、信号の周期的な変動の申し分ない減 衰が得られ、その結果直接平均値に相応する出力信号が帯域阻止フィルタの出力 側に現れるように、中心周波数が調整されることが提案される。 しかしこの公知の信号フィルタリングは、著しく変動する信号の平均化の際に 平均値エラーが生じるという欠点を有する。このことは殊に、湾曲した特性曲線 を有する空気質量測定器において、すなわち例えば熱的な空気質量測定の場合、 無視することができない。すなわち、熱的に高速な空気質量測定器では、周期的 に変動する信号成分はフィルタにより取り出されるべきではない。 発明の利点 これに対して、脈動する量、例えば内燃機関に供給 される空気質量を検出するための本発明の装置は、著しく変動する信号において も、平均化に基因する重大なエラーが生じることなく、信号に重畳される障害の 信頼できる減衰が実現されるという利点を有する。したがって、湾曲した特性曲 線を有するセンサ、殊に熱的な空気質量測定器を使用しかつその出力信号を、そ れが測定すべき量の経過を障害なしに再現するようにフィルタリングすることも 可能である。 これらの利点は次のようにして実現される。すなわち、センサ、例えば空気質 量測定器の出力信号を次のようなフィルタに供給するのである。すなわち、一方 において作動パラメータ、例えば回転数に依存して変化しかつ信号の周期的な変 動ができるだけ僅かしかフィルタリングされないように調整される中心周波数を 有する帯域フィルタとして作用し、一方その他の信号成分、特に雑音成分がフィ ルタリングされかつ付加的にフィルタの低域通過作用が得られ、その結果低い周 波数を有する信号成分が同様にフィルタリングされないもしくは僅かしかフィル タリングされず、これにより急速な信号変化はフィルタリングにより取り出され ないフィルタである。 信号フィルタリングを、信号のフーリエ変換、フィルタ機能並びに逆フーリエ 変換を実施しかつ単純に直列接続することができる僅かな要素を用いて実施する ことができることは特別有利である。本発明の別の利 点は、その他の請求項に記載されている構成によって得られる。 図面 第１図には、本発明の実施例がブロック図にて示されており、 第２図は、空気質量測定器の特性曲線を示し、 第３図には、フィルタ作用の実現すべき経過が周波数に関して示されており、 第４図ａ，ｂおよびｃには、低域フィルタ並びに２つの異なった帯域通過フィ ルタに対する公知のフィルタ機能が周波数に関して示されている。 実施例の説明 図１には、本発明の実施例がブロック図にて示されている。ここにおいて１０ は、その出力信号を評価すべきであるセンサである。このセンサは例えば、空気 質量測定器であるが、吸気管圧力センサであっても構わない。 センサの出力信号Ｓ１は、フーリエ解析のための段１１に供給され、段１１に は、フィルタ１２、例えば可変の中心周波数並びに低域通過特性を有する帯域通 過フィルタが続き、フィルタ１２に、フーリエ合成のための段１３が続き、この 段の出力側に信号Ｓ２が生じる。この信号は、信号Ｓ１がまだ持っている障害を もはや含んでおらすかつ理想的には検出すべき量の明確な像を表している信号Ｓ ２が生じる。この量は例え ば、所定の条件下では脈動する、内燃機関によって吸入される空気量である。 段１１、１３並びにフィルタ１２は例として示されており、これらを唯一のフ ィルタ装置１７にまとめることも可能だし、もしくはこの種のフィルタ装置１７ によって置換することもできる。重要なのは、このフィルタ装置１７が、第３図 に示されているようなフィルタ作用を実現することである。 障害のない信号Ｓ２は、信号経過Ｓ２から、通例通り平均値を決定する計算装 置１４、例えば、内燃機関の制御装置において引き続き評価される。 計算装置１４には別の信号Ｓ３、例えば回転数センサ１５の信号が供給される 。これらの信号に依存して、フィルタ１２は例えば制御装置１４から接続線１６ を介して、中心周波数が適当な仕方でシフトされるように、制御される。 内燃機関において、吸入された空気量の脈動周波数は通例、式ｆ_p＝ｎ／１２ ０・Ｚに従って計算することができ、その際ｎは毎分当たりの回転数でありかつ Ｚはシリンダ数であるので、その都度回転数に依存して、期待される脈動周波数 が求められる。さらに脈動は通例、毎分７００および３０００回転の間の回転数 において発生するので、４シリンダ機関の場合、２３ないし１００Hertzの脈動 周波数が生じる。したがってこの周波数領域内で、帯域通過フィルタの中心周波 数がくるようにし、その場合該周波数は回転数に依存してシフトされるべきであ る。 第２図には、第１図の本発明の装置によって評価すべきである、空気質量測定 器の特性曲線が図示されている。その際電圧Ｕ（Ｖ）が時間当たりのキログラム において量ｍ（ｍ［ｋｇ／ｈ］）に関して示されている。特性曲線は著しく非線 形であることが認められる。脈動領域Ｐは、１．２Ｖないし約３Ｖの電圧におい て時間当たり２５および１７５Kgの間に空気質量平均値として存在する。Ｍは時 間当たり１００Kgの値であり、空気質量平均化の際の指示エラーはｄｍによって 示されており、対応する電圧はそれぞれＵ１ないしＵ４によって示されている。 第３図には、フィルタ作用の経過が周波数に関して図示されている。その際、 フィルタ１２は、低い周波数においてフィルタ作用は生じないかもしくは全く生 じないように調整され、その結果例えば空気量の急激な変化は取り出されないこ とがわかる。 それに続く周波数領域においてフィルタ作用は１に等しくあるべきであり、す なわちできるだけ完全なフィルタ作用が生じるべきである。回転数に依存する吸 気管周波数に相応する周波数ｆｓの領域において、フィルタ作用は出来るだけ僅 かに抑えられ、それに続く領域においてフィルタ作用は再びほぼ１に等しくある べきである。 帯域通過フィルタの中心周波数に相応する周波数ｆｓは、回転数に依存して制 御装置によってシフトされ、その際整合は既述のように、吸気管周波数を有する 脈動が出来るだけ僅かしか減衰されないかもしくは減衰されないように行われる 。 第４図のａないしｃには、異なったフィルタに対するＱが周波数に関して図示 されている。これらの関係は周知であり、単に分かり易くするために用いるもの である。 その際ａには低域通過フィルタが示されており、ｂには１つの中心周波数を有 する帯域通過フィルタが示されており、ｃにはｆｐ並びに２ｆｐである２つの中 心周波数を有する帯域通過フィルタが示されている。このフィルタの作用はそれ ぞれ、１ｆｐ１／１０の領域にわたって延在しているべきである。 低域通過フィルタでは、２０±１０Ｈｚの領域におけるＧ（ｆ）の経過は、ｆ ｐの領域におけるシフトされた正弦波状関数である。第４図のａないしｃに示さ れているようなＱ経過を有するフィルタの組み合わせによって、本発明のフィル タ装置を構成することができる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．例えば内燃機関に供給される空気質量における脈動する量をセンサによっ て検出するための装置であって、センサの出力信号は、回転数に依存して変化可 能な中心周波数を有する帯域通過特性を有するフィルタ装置に供給される形式の ものにおいて、 前記中心周波数は、脈動がほんの僅かしか減衰されないように調整可能でありか つ前記フィルタ装置は付加的に、低域通過特性を実現するための手段を有してい る ことを特徴とする装置。 ２．フィルタリングされた信号が供給される計算装置が設けられており、かつ 該計算装置には、別の信号、例えば内燃機関の回転数が供給されかつ該計算装置 は、帯域通過フィルタの中心周波数を回転数に依存して変化する 請求項１記載の装置。 ３．前記計算装置は内燃機関の制御装置である請求項２記載の装置。 ４．前記帯域通過フィルタの中心周波数は、期待すべき脈動が減衰されないか またはほんの僅かしか減衰されないように変化されかつ中心周波数の上側にある 領域並びに中心周波数と前以て決められた低い周波数との間にある領域における 信号成分ができるだけ完全 に減衰される 請求項１から３までのいずれか１項記載の装置。 ５．相互に対応付けられている少なくとも１つの、フーリエ解析段、フィルタ 機能を有する段およびフーリエ合成段を有する信号制御手段がが設けられている 請求項１から３までのいずれか１項記載の装置。