JPH08511675A - 受容体への結合特異性を変更した神経栄養因子 - Google Patents

受容体への結合特異性を変更した神経栄養因子

Info

Publication number
JPH08511675A
JPH08511675A JP5515594A JP51559493A JPH08511675A JP H08511675 A JPH08511675 A JP H08511675A JP 5515594 A JP5515594 A JP 5515594A JP 51559493 A JP51559493 A JP 51559493A JP H08511675 A JPH08511675 A JP H08511675A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
neurotrophic factor
ngf
mutant
binding
substitution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP5515594A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3694523B2 (ja
Inventor
ベント ペルッソン,ハーカン
フェルナンド イバネッツ モリナー,カルロス
Original Assignee
マックインタイアー,キャサリン ロウ
フェルナンド イバネッツ モリナー,カルロス
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by マックインタイアー,キャサリン ロウ, フェルナンド イバネッツ モリナー,カルロス filed Critical マックインタイアー,キャサリン ロウ
Publication of JPH08511675A publication Critical patent/JPH08511675A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3694523B2 publication Critical patent/JP3694523B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/475Growth factors; Growth regulators
    • C07K14/48Nerve growth factor [NGF]
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/475Growth factors; Growth regulators
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S930/00Peptide or protein sequence
    • Y10S930/01Peptide or protein sequence
    • Y10S930/12Growth hormone, growth factor other than t-cell or b-cell growth factor, and growth hormone releasing factor; related peptides

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)
  • Prostheses (AREA)
  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)
  • Diaphragms For Electromechanical Transducers (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 神経栄養因子の受容体結合性および安定性を変更する方法を開示する。変更された受容体結合特異性を有する変異型の神経栄養因子を記載する。特定の態様には、trk受容体には結合するが、低親和性NGF受容体には結合しない神経栄養因子を含む。

Description

【発明の詳細な説明】 受容体への結合特異性を変更した神経栄養因子序文 本発明は、受容体への結合親和性および生物学的特異性を変更した神経成長因 子ファミリーの変異型神経栄養因子を提供する。本発明は、部分的には、神経栄 養因子の類似体およびキメラの合理的な設計に有用であるモデル系を開発したこ とに基づくものである。発明の背景 細胞の成長および分化を制御するには、応答細胞の表面にある受容体との相互 作用を介してその効果を発揮する特異的な因子が必要である。多くの成長因子お よび分化因子が発見され、その特性付けがなされてきているにもかかわらず、結 合活性や生物活性に関与する正確な構造、並びに多数の受容体の活性化の根底に ある結果的または原因的な分子挙動は不明である。 神経成長因子(NGF)は交感神経系並びに一部の感覚および中枢神経系の生 存、発達、分化をコントロールする118個のアミノ酸からなるポリペプチドで ある(Levi-Montalcini and Angeletti,1968;Thoenen and Barde,1980;Whit temore and Seiger,1987;Thoenenら,1987)。NGFの生理活性形態は同一の サブユニットの二量体からなり、各サブユニットは前駆体分子から産生される( Angeletti and Bradshaw,1971;Angeletti ら,1973)。NGFのcDNAクローンは最初にマウスから単離された(scott ら,1983)。その後、数種の哺乳類、鳥類、爬虫類、魚類などを含む多くの他の 動物種においてNGF遺伝子の特性決定が行われた(Schwarzら,1989;Hallboo kら,1991)。 NGFは、集合的には神経成長因子ファミリーのニューロトロフィンとして知 られている、構造的にも機能的にも関連した分子のファミリーに属しており、こ のファミリーには他に少なくとも3種のメンバー、すなわち脳由来の神経栄養因 子(BDNF)(Bardeら,1982;Leibrockら,1989)、ニューロトロフィン− 3(NT−3)(Hohnら,1990;Maisonpierreら,1990;Rosenthalら,1990;E rnforsら,1990)、そしてニューロトロフィン−4(NT−4)(Hallbookら, 1991;Ipら,1992)が含まれる。 NGFは、ニューロンと非ニューロンの両方に由来する各種の細胞型に発現さ れる低親和性受容体と相互作用する(Ernforsら,1988;Yan and Johnson,1988 ;Heuerら,1990;Hallbookら,1990)。神経成長因子ファミリーの他の3種の ニューロトロフィン類もNGFの低親和性受容体に結合することができる(Rodr iguez-Tebarら,1990;Ernforsら,1990;Squintoら,1991;Hallbookら,1991 )。この受容体は約75,000ダルトンの膜貫通糖タンパク質(p75NGFR)に相当 し、10-9MのKdでもってNGFと結合する(Johnsonら,1986;Radekeら,1 987)。ところが、NGFの生物学的作用を仲介するにあたっては、p75NGFR 陽性細胞のサブ集団に限られる高親和結合(Kd=10-11M)が必要となる(B anerjeeら,1973;Herrup and Shooter, 1973;Sutterら,1979;Richardsonら,1986)。2つの受容体の分子状態の関係 は完全には解明されていないが、他の受容体においてシグナル変換を仲介するこ とが知られている構造的特徴を欠いているp75NGFRの細胞質ドメインが高親和 結合並びにシグナル変換には必要である、という一部の報告がある(Hempstead ら,1989;Yanら,1991;Bergら,1991)。 最近、がん原遺伝子のtrkがNGFの機能的受容体をコードしていることが 明らかになった(Kaplanら,1991a;Kleinら,1991)。trkがん原遺伝子の産 物は、膜貫通受容体のチロシンキナーゼファミリーに属する140,000ダルトンの タンパク質(p140trk)である(Martin-Zancaら,1991)。このタンパク質 は当然のことながらNGFの一次シグナル変換機構に関与するとされてきたが、 NGFに対するp140trkの平衡結合定数に関しては相当の不一致が存在する 。クライン(Klein)ら(1991)は、p140trkが低親和性と高親和性の両方で もってNGFと結合すると報じており、一方、カプラン(Kaplan)ら(1991)お よびヘンプステッド(Hempstead)ら(1991)は、p140trkがp75NGFRの親 和性と同程度の親和性でもってNGFと結合し、高親和結合が起こるためには両 方の受容体の同時発現が必要であると報じている。近年になって、trkがん原 遺伝子の産物はNGFの機能的受容体を構成していることが明らかになった(Ka planら,1991a;Kleinら,1991)。NGFがp140trkに結合すると、この分 子の急速なリン酸化が生じ、そのチロシンキナーゼ活性が促進される (Kaplan ら,1991a;Kaplanら,1991b;Kleinら,1991)。 これに対して、p75NGFRがシグナル変換に果たす役割は依然として解明され ないままである。最近、この受容体の細胞質ドメインがニューロンの分化(Yan ら,1991)並びにPC12細胞におけるNGF誘導性のチロシンのリン酸化(Be rgら,1991)を仲介すると報じられた。ところが、最近の他の研究によれば、p 75NGFRに対するポリクローナル抗体はこの分子へのNGFの結合および一部の 高親和結合を阻止するが、NGFに対する生物学的応答を阻止しないことが明ら かにされた(Weskamp and Reichardt,1991)。p140trkを発現する細胞系を 使った最近の報告からは、NGFの存在下で、この受容体分子がp75NGFRの不 在下に繊維芽細胞の生存と有糸分裂増殖を仲介し得ることが実証されている(Co rdon-Cardoら,1991)。これらの研究は、ニューロンおよびニューロン様細胞系 において、p75NGFRへの結合がNGF応答を仲介する上で重要であるとする説 を除外するものではない。また、trkがん原遺伝子は変異型のNGF非応答性 PC12細胞系においてNGF応答性を救済し得ることが最近明らかにされた( Loebら,1991)。しかし、これらの細胞はなお実質的レベルのp75NGFRを発現 しており、それ故、観察された機能的成果にとってこの分子の存在が必要であっ たのか否かを判断することは難しいだろう。 NGFがその生物学的作用を発揮する分子機構をより良く理解するには、構造 と機能の関係を研究し、さらに改変された性質を有するNGF変異体を作製する ことが必要となる。この線に沿った初期のころの研究から、ニワトリNGFの高 度に保存されたアミノ酸残基が機能的に重要であることが判明した(Ibanezら, 1990)。より最近になって、NGFとBDNFとのキメラ分子の解析により、こ れら2つの因子の生物学的特異性の決定に関与している領域がはっきりしてきた (Ibanezら,1991a)。さまざまな種から得られたNGF遺伝子を比較したとこ ろ、各種の脊椎動物を通して高度に保存されているアミノ酸残基のかたまり(ク ラスター)が存在することがわかった(図1を参照のこと;異なる種に由来する NGF並びに異なるニューロトロフィンの相同領域におけるアミノ酸残基25− 36(一文字表記)の保存状態を示す)。 図1Aは、ラット(Whittemoreら,1988)、マウス(Scottら,1983)、ヒト (Ullrichら,1983)、ウシ(Meierら,1986)、モルモット(Schwarzら,1989 )、ニワトリ(Ebendalら,1986;Meierら,1986)、ツメガエル(文献)および ヘビ(Selbyら,1987)のNGFに由来する残基25−36の整合(上下合わせ )を示す。 図1Bは、ラットNGF由来の残基25−36と、ラットBDNF(Maisonpi erreら,1990)、ラットNT−3(Maisonpierreら,1990;Ernforsら,1990) およびツメガエルNT−4(Hallbookら,1991)の相同領域との整合を示す。 これらの保存された部分の中でも、残基25から残基36にわたる領域は最も 親水性であり、そのためNGF分子の表面に存在するようだ(Meierら,1986;E bendalら,1989)。この配列から設計された合成ペプチドはin vitroでNGFの 生物活性を阻害することが示された(Longoら,1990)。発明の概要 本発明は、その親分子と比べて、受容体への新規な結合親和性並びに特異性を 有する神経成長因子の変異型の神経栄養分子を提供する。本発明は、部分的には 、p75NGFRとp140trkの両受容体にNGF分子が結合するにあたって特定 のアミノ酸が果たす役割を調べるためのモデル系としてNGFを使用したことに 基づくものである。本発明は、さらに、かかるモデル系を用いて、NGF分子の p140trkへの結合能を保持させて野生型分子に匹敵する生物活性を維持しつ つ、該分子のp75NGFRへの結合能を失わせるようにNGFを修飾することがで きるという知見に基づくものである。さまざまな実施態様において、NGF並び に神経成長因子ファミリーの他のメンバーの対応領域に修飾を施すと、trkシ グナル変換受容体に対して高度な特異性を有する神経栄養因子が得られる。図面の説明 図1.さまざまな動物種に由来するNGFのアミノ酸残基25−36(一文字 表記)の比較。 図2.COS細胞における親および変異型のNGFの安定性。 図3.E35A変異がNGFプロペプチドのプロセシングに及ぼす影響。 図4.親(野生型)および変異型のNGFの競合的受容体結合並びに生物活性 。 図5.親NGFおよび低親和性受容体への結合を欠損している変異型NGFの PC12細胞における生物活性。 図6.親NGFおよび変異型NGFの競合的受容体結合。 図7.K95A変異が異なる細胞型の受容体へのNGFの結合に及ぼす影響。 図8.親NGFおよびp75NGFRへの結合能を欠損している変異型NGFの交 感神経ニューロンにおける生物活性。 図9.p75NGFR受容体へのNGFの結合部位の機能的解体図。発明の詳細な説明 神経成長因子(NGF)は、その他の多くの成長因子並びにホルモンと同様に 、応答細胞の膜に存在する2つの異なる受容体分子に結合する。がん原遺伝子t rkの産物であるp140trkは、最近NGFのシグナル変換受容体として同定 されたチロシンキナーゼ受容体である。NGFの低親和性受容体であるp75NG FR がシグナル変換において果たす役割はあまり解明されていない。最近になって 、NGFの結晶構造が決定されたところであり、受容体への結合および生物活性 に関与する構造は依然として不明のままである。 結合アッセイおよびバイオアッセイと組み合わせた部位特異的突然変異誘発法 は、神経栄養分子の結合に関連したアミノ酸残基の機能的な重要性を検討する上 で非常に役立つ方法である。かかる研究は、NGFの三次元結晶構造の解析(Mc Donaldら,1991)と合わせて、受容体への結合特性を変更した神経栄養分子の合 理的な設計を可能にする。 従って、本発明は、神経成長因子ファミリーの親つまり野生型の神経栄養因子 の1個またはそれ以上のアミノ酸を修飾すること によって作製される新規な変異型の神経栄養因子に関するものである。かかる修 飾は、該因子のtrk受容体への結合能を保持しつつ、該因子の低親和性NGF 受容体への結合を抑制するように選ばれる。 本明細書において、特定のアミノ酸残基の修飾とはNGFの特異性を変更する ことである。NGFの三次元構造に基づいて、これらの変更はNGF二量体の外 側のアームに露出されたβ−ヘアピンループのアミノ酸残基にあることが実証さ れた(McDonaldら,1991)。ここに記載するように、この領域内の正に荷電した 側鎖を有する残基はNGFとp75NGFRとの主な接触に関係しているようだ。 本発明者らの知見によると、これらの位置で突然変異を起こしたNGF分子は p75NGFRに結合しないが、trkがん原遺伝子の産物への結合性と生物活性を 保持している。これらの結果から、神経細胞においてNGFの生物活性を仲介す るには、少なくとも培養下ではp140trkだけで十分であることが示唆される 。変異型のNGFを用いて行った実験からは、p75NGFRへの結合はc−fos のような初期の遺伝子発現の誘導には必要でなく、また、PC12細胞のニュー ロンの分化にも必要でないことがわかる。さらに、p75NGFRのmRNAおよび タンパク質(Ernforsら,1988;Yan and Johnson,1988)とtrk mRNA( G.Barbany,未発表)の両方を発現する培養下の交感神経ニューロンの神経突起 の成長およびニューロンの生存率も、p75NGFRへの結合性が失われたことによ って影響を受けなかった。これらの結果は、培養下の神経細胞においてNGFに 対する応答を仲介す るにはtrkがん原遺伝子の産物だけで十分であることを初めて実証するもので あり、かくして、NGFの生物活性を仲介する際のp75NGFRとp140trkの 両方の役割を解明し、かつ結合特異性の向上した神経栄養分子を作製する可能性 が開かれたことになる。 ここに記載する変異体では、NGFがp75NGFRとp140trkのヘテロ二量 体によって作られた新たなポケットに異なる結合部位を介して結合したり(Hemp steadら,1991)、あるいは遊離のp75NGFRがまだNGF−p140trk複合体 と接触でき、このような方法でシグナル変換に協力することがあるかもしれない が、p75NGFRまたはp140trkのホモ二量体の検出が可能な条件下でPC1 2細胞あるいは感覚ニューロンを用いて行った架橋実験では、p75NGFR−p1 40trk複合体は検出されなかった(Meakin and Shooter,1991)。本発明の変 異体分子がp140trkへの結合性を強く保持するという事実は、観察された生 物活性がこの受容体分子単独によって仲介されるという事実を裏付けるものであ る。 限定するつもりはないが、ここでは当然のこととして、神経成長因子ファミリ ーのある種のニューロトロフィン、すなわちNGF、NT−3およびNT−4で は、β−ヘアピンループの正に荷電したアミノ酸30−34が該分子のp75NG FR への結合において重要な役割を果たすとみなされる。従って、本発明の一つの 実施態様によると、1個または数個のこれらアミノ酸に、この領域の全体的な電 荷が変わるような変更を導入して、該分子の対応するtrk受容体への結合能を 保持しつつ該分子のp75NGFRへの 結合能を低下させるようにする。ここで用いるとき、アミノ酸残基1は成熟タン パク質の最初のアミノ酸を指す。 かかる実施態様では、Lys32の正に荷電した側鎖が、例えばAlaのメチ ル基で置換される。このような置換は、該分子のp75NGFRへの結合を、親NG Fのときに見られる結合の5%に減少させる(表2および図6)。別の実施態様 において、Lys34をAlaに変えると、A875細胞への結合が親のレベル の55%に減少する。さらに別の実施態様において、Lys32、Lys34お よびGlu35をアラニンで同時に置換すると、該変異体分子のp75NGFRへの 結合が完全に消失する。これらの変異体はそれぞれ、p75NGFRへの結合が低下 したり消失したりするにもかかわらず、該分子は交感神経節の移植片に対して野 生型の生物活性を保持している。 更なる実施態様では、第二のβ−ヘアピンループのアミノ酸95の近傍にある 正に荷電したアミノ酸がLys32およびLys34と相互に作用してp75NG FR への結合に関与する正に荷電したインターフェイス(界面)を形成するという 知見に基づいて、変異型の神経栄養因子が設計される。Lys32と他の2つの リシン(Lys34またはLys95)のいずれか一方を同時に修飾するとp7 5NGFRへの結合が消失する。p75NGFRへの結合の消失にもかかわらず、これら の変異体はp140trkに結合し、しかも、PC12細胞のニューロンの分化並 びに培養下の交感神経ニューロンの生存により測定したとき、その生物活性を保 持している。 他の3種の既知ニューロトロフィンもNGFの低親和性受容体 に結合し得る(Rodriguez-Tebarら,1990;Ernforsら,1990;Squintoら,1991 ;Hallbookら,1991)ので、対応するアミノ酸の同様の変化は、これらの分子の それぞれのシグナル変換trk受容体への結合能に影響を及ぼすことなく、結合 特異性の匹敵する変更をもたらすことが予測されよう。Lys95はこれまでに 開示された4種すべてのタンパク質に保存されている(ツメガエルのNT−4で は、位置95のアミノ酸がLysであり、一方、ヒトNT−4では、位置94お よび96が正に荷電したアミノ酸のグルタミンとアルギニンである)。さらに、 NT−3とNT−4では、Lys32がArgで置き換えられる。NT−4では Lys34も保存されている。従って、これら正に荷電したアミノ酸のどれかを 変えて(例えば、正に荷電したアミノ酸を中性アミノ酸または負に荷電したアミ ノ酸で置換して)、p75NGFRへの結合性を低下させることも本発明の意図する ところである。 また、本発明は、Lys95の近傍のβ−ループ領域に別の修飾を施した改変 分子も意図している。例えば、BDNFでは、Lys32とLys34がそれぞ れSerおよびGlyで置換される。興味深いことに、BDNFの残基93−9 6の空間的に近接したループがLys32とLys34の消失を補い得る3個の 保存的な正に荷電した残基(2個のリシンと1個のアルギニン)をもっている。 残基23−35(可変領域I)をBDNFの対応する残基で置換したキメラなN GF分子(Ibanezら,1991a)は、PC12細胞への低親和結合が10倍減少し た。可変領域IとBDNF由来の残基94−98(可変領域V)の両方を含む別 のキメラ分子では低親和結合が回復し、このことはBDNFの位置95、 96および97の3個の正に荷電した残基がLys32とLys34の不在を補 い得ることを示すものである。NGFとBDNFはともにp75NGFRへの結合に ついて同等に競合するようだが、この受容体は2つのリガンド間の差異をも認識 しており、これがBDNFの場合には、ポジティブな協同性と遅い解離速度とな って現れる(Rodriguez-Tebarら,1990)。こうして、BDNFとNGFは同一 ではないが類似した構造としてp75NGFRによって認識されるらしい。ここに記 載した結果から、NGFとBDNFとの観察された差異についての構造的説明が 可能であり、また、他のニューロトロフィンも同じ領域を介してp75NGFRと相 互作用し得ることが示唆される。 さらに、親の神経栄養因子をその安定性を高めるように修飾することも本明細 書中に具体化される。ここに記載するように、神経成長因子ファミリーの神経栄 養因子のアミノ酸25−36間に存在する1個またはそれ以上のアミノ酸残基を 選択的に修飾すると、該因子の安定性が変化するようだ。従って、本発明は、こ のようなアミノ酸を改変し、次に改変分子の安定性並びに生物活性を測定して、 その生物活性を保持するが親分子と比較して安定性が向上している該因子を選択 することを意図している。 本発明はNGF、BDNF、NT−3およびNT−4のような神経栄養因子か ら誘導される第二世代の因子に関するものであり、親因子と本質的に同じように して病気の治療に利用される。例えば、それらは、神経栄養因子の発現パターン の変化と関係していたり、あるいは神経栄養因子との接触により利益を受ける神 経系の病気および障害の治療に利用し得る。 本発明により調製されるp75NGFRに結合しない因子に関して、かかる分子は 標的細胞に対する特異性が増強されていて、より少ない投与量で有効であるかも しれない。さらに、この種の分子は、より広い範囲に分布している神経細胞に結 合する親分子よりも副作用が少ないかもしれない。p75NGFRによって仲介され ると考えられる逆行性輸送が変異型のニューロトロフィンの使用によって防止で き、かくして高親和性受容体を発現する脳の特定領域(例えば、脳傷害後の海馬 )における変異型ニューロトロフィンの局所作用が可能になるだろう。材料および方法 ここに記載するすべての実験に以下の実験手順を使用した。 DNAクローニングおよび部位特異的突然変異誘発: ラットのNGF遺伝子(Whittemoreら,1988)から得られたプレプロNGFコ ード配列を含む770塩基対のEcoRI断片をpBS KS+(Stratagene社 )にクローニングした。このプラスミドから得られた一本鎖DNAを、Kunkelら (1985)に記載されかつIbanezら(1990)に詳述されるようなオリゴヌクレオチ ドを用いた部位特異的突然変異誘発法の鋳型として用いた。置換はチェーンター ミネーション法によるヌクレオチド配列の解析により確認した(Sangerら,1977 )。タンパク質を発現させるために、その後所望の置換を含むDNA挿入物をp XM(Yangら,1986)にサブクローニングした。 組換えタンパク質の生産並びに定量: 約70%の集密度にまで増殖させたCOS細胞を、DEAEデ キストランークロロキン法(Luthman and Magnusson,1983)を用いて100m mの培養皿あたり25μgのプラスミドDNAでトランスフェクトした。異なる 構築物によって生産された組換えタンパク質の量の差を補正するために、並行し てトランスフェクトした35mmの培養皿を100μCi/mlの35S−システ イン(Amersham社)の存在下で増殖させた。その後、馴化培地のアリコートをS DS/PAGEで分析し、Ibanezら(1991b)に記載されるように、対応するオ ートラジオグラムのデンシトメーター走査の後に個々の試料中の組換えタンパク 質の量を平衡化した。親NGFタンパク質の絶対量は馴化培地の定量的イムノブ ロッティングと、精製したマウスNGFの標準品を用いた培養下の交感神経節に おける生物活性の測定により評価した(Ibanezら,1990;Ibanezら,1991b)。 次に、これらの分析から得られたデータを使って、変異型タンパク質を含有する 試料中のタンパク質濃度を求めた。 パルスチェイスおよび免疫沈降: トランスフェクションの48時間後、細胞をシステイン不含培地で4時間イン キュベートした。次に、細胞を1mCi/mlの35S−システインで15分間パ ルス標識した。標識用培地を2mg/mlの未標識システインを補充した完全培 地で置き換えてチェイスを実施した。並行して行ったウェルを異なる時点で回収 し、マウスNGFに対するポリクローナルウサギ抗血清(ウサギno.30)を 用いて細胞抽出液と馴化培地を免疫沈降させ(Ebendalら,1989)、以前に記載 された(Ibanezら,1990;Ibanezら,1991b)ようにして還元条件下でSDS/ PAGEにより分析した。 結合アッセイ マウスNGFをクロラミン−T法により125Iで標識して平均の比活性を3× 107cpm/μgとした。ラットのPC12細胞(Greene and Tischler,1976 )、ヒトのA875細胞(Buxserら,1983)、そしてマウスのrtrk−3T3 細胞(Kaplanら,1991a)は2〜10×106細胞/mlで使用した。定常状態の 結合は1.5×10-9Mの125I−NGFおよび等量の親または変異型のNGF タンパク質を含有する馴化培地の連続希釈物を用いて37℃で実施した競合アッ セイにより測定した。全成分を同時点で加え、平衡に達した(1〜2時間のイン キュベーション)後細胞を遠心分離により回収した。偽トランスフェクトしたC OS細胞から得られた培地を用いて対照実験を行ったところ、馴化培地に含まれ る他のタンパク質は125I−NGFの細胞への結合に何の影響も与えないことが わかった。非特異的結合は、少なくとも1000倍過剰モル量の未標識NGFを 加えて並行インキュベーションを行うことにより測定した。すべての結果につい てこの非特異的結合を補正したが、これは常に総結合の10%未満であった。5 0%の結合をもたらした変異型および野生型NGFの濃度(IC50)をそれぞれ 測定し、次の式: (変異型IC50/野生型IC50)×100 を用いて相対的結合を算出した。 バイオアッセイ 以前に記載された(Ebendal,1984;Ebendal,1989)とおりに移植した9日齢 のニワトリ胚の交感神経節を用いて、等量(0.2〜20ng/mlの範囲)の 組換えタンパク質を含有する馴化 培地の連続希釈物についてその生物活性を調べた。繊維の成長を、精製したマウ スNGFにより得られた基準(この場合の1BU(生物学的単位)は約5ng/ mlに等しい)と比べて、半定量的スケールのBUで評価した。このスケールで 0.5BUを示したそれぞれのNGFタンパク質の濃度を測定し、この濃度を用 いて親NGFにより得られた濃度と比べて相対的活性を算出した。 ポリ−D−リシンを被覆した35mmのウェルにまいたPC12細胞を、等量 の組換えタンパク質を含有する馴化培地の連続希釈物とともにインキュベートし た。さまざまな時間経過後に、2個分の細胞の直径より長い繊維を有する細胞の パーセントを顕微鏡で調べて測定した。 c−fosのmRNAの誘導は、等量の組換え体の親および変異型NGFを含 有する馴化培地の希釈物で処理したPC12細胞からの全mRNAの定量的ノー ザンブロット分析により測定した。全RNAを以前に記載された(Ibanezら,19 90)とおりに抽出した。10μgの全RNAを0.7%のホルムアルデヒドを含 む1%アガロースゲルで電気泳動にかけ、ニトロセルロース膜に移した。次に、 フィルターをα−32P−dCTPで放射性標識したラットc−fos遺伝子断片 (Curranら,1987)とハイブリダイズさせ、高ストリンジェンシーで洗浄した。 c−fosのmRNAの量をオートラジオグラムのデンシトメーター走査により 測定した。 生後1日目のラットから得た上頚神経節の解離したニューロンを、ポリ−D− リシンを被覆した35mmのウェルにて30,0 00細胞/ウェルの密度で培養した。プレートした時点で等量の組換えタンパク 質を含有する馴化培地の連続希釈物を加え、72時間後にニューロンの生存を位 相差顕微鏡で調べた。実施例1 PC12細胞への受容体結合に関与するβ−ヘアピンループ30−34のアミノ 酸残基 実験および結果 等量の変異型NGFタンパク質を含有する馴化培地を用いて、NGF応答性の 褐色細胞腫PC12細胞系に存在するその受容体から125I−NGFを移動させ た。細胞に結合している放射性標識リガンドの80%が低親和性NGF受容体に 結合するような濃度(約1.5nM)の125I−NGFを用いて競合的結合アッ セイを行った(Sutterら,1979)。PC12細胞から125I−NGFの50%を 移動させるのに要する親および変異型のタンパク質の濃度(IC50)を計算した (表1)。Lys25のArgによる保存的置換、あるいは3個の残基(26、 27および29)のいずれか1個のAlaによる置換は、PC12細胞上の受容 体へのタンパク質の親和性に何の影響も与えなかった(表1)。しかし、Asp 30またはIle31を修飾したときには、結合親和性の3〜4倍の低下が観察 された(実施例2、表1、および図4Aを参照のこと)。Ile31をMet( BDNFではこの位置にMetが存在する)(Leibrockら,1989)で、またはV alで置換してIle31の重要性をさらに試験した。興味深いことに、最も保 存的な変化(I31V)だけが親のNGFと同様の結合親 和性を示した(表1)。顕著な受容体への結合の低下がLys32をAlaで置 換したときに見られ、この場合には親和性が親NGFと比べて約6倍低下した( 表1および図4A)。Lys34のAlaによる置換およびVal36のLeu による置換は、それぞれ野生型の50%および45%に結合を低下させた(表1 および図4A)。驚いたことに、不完全にプロセシングされたE35A変異体は 親に近い結合親和性を示した(表1および図4A)。このことは、NGF生合成 の中間体が成熟タンパク質と同程度にNGF受容体に結合し得ることを示してい る。 考察 NGF二量体の結晶構造の解析(McDonaldら,1991)から、−鎖の3つのアン チパラレルな対と、異なるNGF関連分子間に観察されたほとんど全ての可変残 基を含む4つのループ領域からなる新規な構造が明らかになった。これらのルー プの1つが本研究で解析された残基に相当し、β−ヘアピンターン(残基30− 34)を含む。我々の結果からは、領域25−36の残基がNGF分子の安定性 、受容体への結合性、それに生物活性にとって重要であることがわかる(図9A )。 Lys25は構造上重要な役割を果たしていることが明らかになった。という のは、近縁のArgだけがこの位置のLysと置き換わって安定したタンパク質 を形成できるが、AlaやGlnは安定したタンパク質を形成できなかったから である。これに合致して、Lys25はNGFタンパク質の正確な折りたたみに 重要な残基であるGlu55と側鎖で水素結合していることがその結晶構造から 明らかになった(McDonaldら,1991)。Ala28 を欠失させると馴化培地中へのNGFタンパク質の蓄積が妨げられ、このことは この位置の構造的役割を示すものである。 Glu35のAlaによる置換は23〜34Kの範囲の不完全にプロセシング されたポリペプチドの生産をもたらしたが、これらの変異体は完全なプロセシン グを受けた親分子と類似した受容体への結合親和性並びに生物活性を有すること がわかった。in vitroで合成された35Kの全長NGFはきわめて低レベルの生 物活性しかもたないという知見が以前に示されたことからして、NGF前駆体の 活性化には若干のアミノ末端配列の除去が重要でありうることが示唆される(Ed wardsら,1988)。我々の結果からは、さらに、NGFプロペプチドの保存され たドメイン(Suterら,1991)のほかに、成熟分子の残基も完全にプロセシング された成熟NGFの生合成においてある役割を担っていることがわかる。 Val36の非極性側鎖をLeuで置換することも、PC12細胞への受容体 結合に影響を及ぼすことが判明した。Ile31と対照的に、Val36はNG F単量体の中に深く埋め込まれており、NGFサブユニットの疎水性コアの形成 に係わっているようだ(McDonaldら,1991)。AlaではなくLeuがこの位置 のValを置換し得るという知見は、該分子のコアにVal36の疎水性が大い に貢献していることを示し、おそらくこの位置に比較的大きいLeuの側鎖を埋 め込むのに必要とされる構造上の再構成によりV36L変異体の結合性の低下が 生じたと考えられる。実施例2 Asp30およびIle31の修飾 実験および結果 変異型NGFタンパク質の生物活性は、最初、E9ニワトリ交感神経節からの 神経突起の成長を刺激するその能力を検定することにより調べられた(Levi-Mon talcini and Angeletti,1968;Ebendal,1984;Ebendal,1989)。PC12細 胞から125I−NGFを移動させるその能力と合致して、変異型のK25R、T 26A、T27AおよびT29Aの生物活性はどれも親NGFの活性と類似して いた(表1)。Thr残基が、個々に変化させたときに、その修飾を補い得ると する説を検討するために、3個のThr残基が同時にAlaで置換された三重変 異体を作製した。ところが、この変異体はトランスフェクトした細胞の培地中に 検出可能なレベルで蓄積しなかった(表1)。 D30NおよびI31Aの変異体の場合には生物活性が4倍低下し(表1およ び図4B)、それぞれの受容体への結合親和性と相関していた(表1)。活性の 低下がこれら変異体分子の安定性の低下によるものであるとする説を排除するた めに(図2C)、c−fosのmRNAの誘導をPC12細胞において試験した 。かかる細胞でのc−fosmRNAの最大誘導はNGFへの暴露後30〜45 分以内に起こることが知られており(Milbrandt,1986;Gizang-Ginsberg and Z iff,1990)、この期間はこれらの分子の概算半減期より20〜30倍短い。P C12細胞を親NGFに暴露してから30分後にc−fosmRNAのピークが 検出された(図4C)。D30NおよびI31Aの両変異体は30分後にc−f osmRNAの最大レベルを誘導したが、親NGFの 場合に得られた最大レベルより3〜4倍低かった(図4C)。 興味深いことに、PC12細胞への結合親和性が低下した4つの変異体(I3 1M、K32A、K34AおよびV36L)は親NGFと同レベルの生物活性を 示した(表1および図4B)。こうして、K32A変異体の場合には、結合の6 倍低下が交感神経節におけるその生物活性に影響を及ぼさなかった(図4のAと Bを比較のこと)。受容体への結合データと合致して、E35A変異体は、正確 にプロセシングされた成熟タンパク質を5%ほどしか含んでいなかったが、親レ ベルの生物活性を示した(表1および図4B)。 考察 NGFサブユニットには、Asp30を含めて数個の重要な水素結合性の側鎖 が埋め込まれている(McDonaldら,1991)。これらの結果からは、Asp30を Ala(Asp30の側鎖からLys34の主鎖への想定上の水素結合を妨げる 残基)で置換すると、NGF分子の半減期が約20倍短縮されることが判明した 。D30N変異体の低減した回収率並びに半減期は、Asnが効率は低くともこ の位置で機能し得ることを示すものである。一方、Gly33の除去またはGl y33のアラニンによる置換はNGFタンパク質の回収不能をもたらしたが、お そらくこの分子の安定性が低下したことによるものだろう。この位置のグリシン は、側鎖をもつアミノ酸の許容範囲の外側に主鎖の回転角をもってくることによ りターンの形成を可能にする(Sibandaら,1989)。Asp30およびGly3 3の変異体に関する結果を合わせて考えると、これらの残基はβ−ヘアピンルー プ30−34の安定化 において構造的役割を果たしていること、そしてそれらの修飾はループのコンホ メーションの変化を介して機能的効果を及ぼし得ることが示唆される(図9A) 。NGFファミリーの他のメンバーでもこれらの位置が高度に保存されているこ とから、これらの残基は他の3種のニューロトロフィンでも同様の役割を担って いると考えられる。 30−34のターンの結果として、疎水性のIle31はNGF分子の表面に 露出するようになる。この残基をAlaで置換すると、PC12細胞での受容体 結合と生物活性の両方が低下した。興味深いことに、Metに置換した後では生 物活性だけが救済されて、受容体への結合は低下したままだった。一方、Val に変えた後では野生型の結合と生物活性が見られた。さらに、予備的な結果とし て、I31A変異体ではp140trkへの結合が5倍低下するが、I31Mでは 親レベルであることがわかった。これらの結果を合わせて考えると、p140tr k への結合に相関する生物活性と低親和結合の両方においてIle31の非極性 側鎖がある役割を担っていることが示唆される(図9A)。実施例3 AlaによるLys32、Lys34およびGlu35の同時置換 個々の突然変異が生物活性に何も影響を及ぼさなかった3つの荷電残基Lys 32、Lys34およびGlu35をAlaで同時に置換し、これによって3つ の位置で荷電側鎖を排除した。興味深いことに、この変異型タンパク質は、これ がE35A変異を含んでいたという事実にもかかわらず、十分にプロセシングさ れたタンパク質として完全に回収された(図3A)。この三重突然変異によりこ のタンパク質のPC12細胞への結合は親分子に見られた結合の1%以下に低減 した(表1および図4A)。125I−NGFを加える前に細胞を変異型タンパク 質とともに2時間プレインキュベーションした場合にも同じ結果が得られた(結 果示さず)。しかしながら、交感神経節における三重変異体の生物活性は親NG F活性に近かった(表1および図4B)。 結合の消失がこれらの細胞における生物活性と関連するのか試験するために、 PC12細胞中での神経突起の成長を検定した(図5A)。Lys32、Lys 34およびGlu35をAlaに個々に変更すると、これらの細胞上のNGF受 容体への親和性は異なっていたにもかかわらず、タンパク質の神経突起成長を刺 激する能力には有意な変化がなかった。さらに、三重変異体(K32A+K34 A+E35A)も、PC12細胞への低親和結合がおおいに低減したにもかかわ らず、親の活性を引き出した(図5A)。 結合と生物活性との間に見られる見かけ上の矛盾が、遅い受容 体媒介性の分解によるものであるという可能性も検討した。受容体媒介性のエン ドサイトーシスを受ける他のペプチドホルモン(すなわちインスリン)に見られ るように、長期間試験すると、結合親和性の低減が必ずしも生物活性の低減に結 びつかないことがある。結合性が低減する結果、変異体分子は受容体媒介性の分 解速度が低くなり、その結果遅いけれども持続する生物活性となり、長期間にわ たって総和すると親の濃度に達することができる。この可能性を検討するために 、PC12細胞中の初期(c−fos mRNA誘導)および遅い(神経突起成 長の刺激)応答の速度論を研究した。結合親和性が低減したにもかかわらず、K 32Aおよび三重変異体はいずれも、親分子と同じ時間経過と強度でc−fos mRNAと神経突起成長を誘導した(図5BおよびC)。実施例4 NGF結合に対するLys32およびLys34突然変異の効果 観察される結合のほとんどが低親和性型となる高濃度の125I−NGF(Sutte rら,1979)を用いて、PC12細胞に対する受容体結合検定を実施した。しか しながら、PC12細胞はp75NGFRおよびp140trk受容体の両方を発現す るので(Herrup and Thoenen,1979;Hosang and Shooter,1985;Kaplanら,19 91b)、これらの結果からは、変異型NGFがこれら2つの分子のいずれと結合 するのかをはっきりと区別することはできない。したがって、変異体K32A、 K34A、E35Aおよび三重変異体K32A+K34A+E35Aの、p75NGFR のみを高濃度で発現するヒトメラノーマ細胞系であるA875細胞(Buxser ら, 1983)、およびラットp140trkのみを発現する繊維芽細胞系であるrtrk −3T3細胞(Kaplanら,1991a)への結合親和性を比較した。 Lys32の正に荷電した側鎖をAlaのメチル基で置換すると、この分子の p75NGFRへの結合が親NGFに見られる結合の5%に低減した(表2および図 6)。Lys34をAlaに変えると、A875細胞への結合が親のレベルの5 5%に低減した。しかしながら、Lys32、Lys34およびGlu35を同 時置換すると、p75NGFRへの変異型分子の結合が完全に無くなった(表2およ び図6)。Glu35をAlaに個別変更してもA875細胞への結合親和性に 影響はなく(表2および図6)、三重変異体に見られる結合性の消失は、正に荷 電したLys32およびLys34残基の修飾によるものであることが示唆され る。 p75NGFRへの結合の20倍低減にもかかわらず、K32A変異体はrtrk −3T3細胞上に発現したp140trkへの結合において親NGFと区別できな かった(表2および図6)。同様に、K34AおよびE35A変異体はp140trk への親の親和性を示した(表2および図6)。興味深いことに、p75NGFR から125I−NGFを置き換えることができない三重変異体はp140trkへの結 合性を有意に保持しており、親NGFに見られるレベルの約55%であった(表 2および図6)。さらに、NGF分子を含む別の態様において、Lys32、L ys34およびLys95はp75NGFRとの結合に関与する正に荷電した界面を 形成する。Lys32を他の2つのリシンのいずれかとともに同時修飾するとp 75NGFRへの結合性を消失する。p75NGFRへの結 合性はないが、これらの変異体は、PC12細胞のニューロン分化と培養下の交 感神経ニューロンの生存によって測定したところ、生物活性とともにp140tr k への結合性を保持している。実施例5 25−36領域中の残基の修飾はNGF分子の安定性を変更する ラットNGFのアミノ酸残基25−36の領域中の構造的かつ機能的に重要な 残基を特定するために、アラニン−スキャニング突然変異誘発(Cunninghamand Wells,1989)を用いた。この領域は各種脊椎動物間で高度に保存されており( 図1A)、NGFファミリーの他のメンバーとの間に50−60%の保存を示す (図1B)。変異型タンパク質をCOS細胞中で一過性に発現させた。受容体結 合およびバイオアッセイに用いられた変異型タンパク質の量を標準化するために 、変異型タンパク質の生産収率を、トランスフェクションした細胞の馴化培地中 における代謝標識ポリペプチドのSDS−PAGEによって評価した。表1に示 すように、変異型NGFタンパク質のレベルは10倍の範囲で変化した。変異型 NGFタンパク質のうちの5つ(K25A、A28△,D30A、G33△およ びV36A)は検出しうるレベルで培地中に蓄積しなかった。興味深いことに、 これらの残基は、NGFファミリーの各種異なるメンバーの間で厳密に保存され ている領域からの5つの残基に対応する(図1B)。Lys25またはGly3 3のいずれかをより類似のアミノ酸であるGlnおよびAlaにそれぞれ変える とタンパク質は全く検出されなかった(表1)。これとは対照的に、D30Aお よびV36A変異体は、野生型(wt)タンパク質に見られるよりも低レベルで はあったが、 それぞれAsnおよびLeuで置換することによって救われた(表1)。Lys 25をこの位置における最も保存された置換であると考えられるArgにも変え てみた。この変異体では親タンパク質のレベルの約50%のレベルでNGFタン パク質を検出できた(表1)。 変異体タンパク質の量のバラツキはCOS細胞中におけるタンパク合成、個々 のポリペプチドの安定性または分泌の差異によるものかも知れない。これらの可 能性を区別するために、パルスチェイス実験を行い、続いて免疫沈降とSDS− PAGEを行った。15分パルスをした後、主要な23Kの親NGF前駆体タン パク質が細胞抽出物から免疫沈降された(図2A)。十分にプロセシングされた 成熟13KのNGFは30分のチェイス後に検出され、またほとんどすべての細 胞内NGFが3時間後に消失した。細胞内NGFの消失は培地中のNGFの出現 と関連し、これはチェイスの6時間後に最高となり、さらに少なくとも14時間 このレベルを保持した(図2B)。親NGFよりも3〜4倍低く生産されたI3 1A変異体(表1)は、親タンパク質とほぼ同量でトランスフェクションした細 胞中に蓄積した(図2A)。しかしながら、低レベルのI31A変異体が培地中 に検出され、チェイス後の最後の17時間に50%低下が観察され(図2B)、 これはI31Aタンパク質の安定性が低下したことを示唆する。同様に、親NG Fよりも10倍低レベルで生産された(表1)D30N変異体タンパク質の量は 、3時間のチェイス後に有意に減少した(図2C)。さらに、非常に低レベルの D30A変異体タンパク質が3時間のチェイス後に観察されたが、続く12時間 で検出できない レベルに減少した(図2C)。I31A、D30NおよびD30A変異体タンパ ク質の減少した半減期はそれぞれ18、12および3時間であると推定され、こ れはこれらの変異体の低い収率が馴化培地中におけるこれらのタンパク質の安定 性が低いためであることを示唆する。D30NおよびD30A変異体において3 時間のチェイス後に見られる非常に低下したピークレベルは、この場合にはタン パク質合成も影響を受けたことを示唆する(図2C)。実施例6 Glu35のAlaによる置換 十分にプロセシングされた成熟E35A変異体タンパク質が、親NGFの5% に対応するレベルで馴化培地中に検出された(表1)。しかしながら、免疫沈降 後、親NGF試料中には非常に弱くしか検出されなかったより高分子量のポリペ プチド(23−34Kの範囲)がいくつか観察された(図3A)。免疫沈降前に 、1%SDSおよび1.5M NaClの存在下に馴化培地を70℃で前処理し てもE35A変異体から免疫沈降されるポリペプチドパターンに影響を与えなか った(データ示さず)ので、これは高分子量ポリペプチドが、E35A変異体と 共沈する無関係なタンパク質を表すのではないことを示唆する。むしろ、これら のポリペプチドの大きさは、これらがE35Aタンパク質の生合成における不完 全にプロセシングされた中間体を表すことを示唆する。この変異体を用いるパル スチェイス実験によって、このタンパク質の不完全プロセシング形および成熟形 はいずれも馴化培地中で非常に安定であることが判明した(図2Cおよび3B) 。実施例7 p75NGFR結合に対するLys95変更の効果 実験および結果 Lys32、Lys34および三重変異体を用いる実験の結果は、これら2つ の正電荷残基がNGFとp75NGFR分子との間の接触点を形成することを示唆す る。NGFの結晶構造をコンピューターグラフィックスで調べたところ、別の正 電荷残基であるLys95が空間的にLys32およびLys34と近いことが 判明した。他の2つの残基と同様に、Lys95も十分に露出しており、二次相 互作用に関与していない。Lys95もp75NGFR分子との接触に関与している 可能性を試験するために、この残基をAlaで置換した。二重変異体K32A+ K95Aおよび四重変異体K32A+K34A+E35A+K95Aも作製した 。K95A変異体は親NGFに比べてPC12細胞への65%結合を示した(図 7)。しかしながら、K95AとK32Aとの組み合わせ、またはK95AとK 32A+K34A+E35Aとの組み合わせは、PC12細胞への結合性を、親 のレベルの0.7%へと劇的に低減した(図7)。PC12細胞への低親和性結 合の低減は、A875細胞上で発現するp75NGFRへの結合性の消失と関連する (表2および図7)。四重変異体の場合には、IC50が計算できなかった。しか しながら、p75NGFRとは結合できないにもかかわらず、これらの変異体は繊維 芽細胞上で発現するp140trkからの125I−NGFを置換する能力は保持して おり(表2および図7)、交感神経ニューロンからの神経突起成長を有意なレベ ルで促進した(図8A)。 三重変異体K32A+K34A+E35Aおよび二重変異体K32A+K95 Aはニューロン生存におけるp75NGFRの役割を検討する可能性を提供する。ラ ット上方頸部神経節からの解離交感神経ニューロンを用いて培養3日後の生存を 試験した。偽トランスフェクションした細胞から得た培地の存在下または普通の 培地中では、親NGFまたは精製マウスNGFと比較して、5%以下の細胞が生 存した(図8B)。しかしながら、変異型のNGFで処理した培養では、ニュー ロンの生存程度は、親タンパク質で観察されたのと同程度であった(図8B)。 考察 NGFの結晶構造により、β−ヘアピンループ30−34の近くまたはその周 囲に、露出された正に荷電した側鎖のかたまりがあることが判明した(図9Bお よびC)。(McDonaldら,1991)。p75NGFRで観察される全体としての高い負 電荷(pIが4.4と推定される)(Radekeら,1987)は、この領域における高 塩基性NGF二量体(pI 9.3)からの相補的イオン相互作用を必要とする のかも知れない。ここに提示する結果は、これらの正に荷電したアミノ酸残基が 、NGFとp75NGFRとの間の主要接触点として作用するという考えを強く支持 する。幾つかの証拠がこの仮説を支持する:第一に、結晶構造で判明したように 、Lys32、Lys34およびLys95は高度に露出されており(側鎖溶媒 接近性50−70%)、その側鎖は分子中で構造的役割をもっていない(McDona ldら,1991)。第二に、ここで示すように、Lys32をAlaで置換すると、 低親和性結合条件下におけるPC12細胞上の受容体に対する変異体の親和性が 6 倍低減した。第三に、Lys32、Lys34およびGlu35の同時置換は、 PC12細胞への低親和結合を親NGFで見られる結合の1%以下にさらに低減 した。Glu35をAlaで置換しても結合親和性に変化はなかったので、これ はE35A変異によるものではなかった。第四に、Lys95の置換はK32A と組み合わせると相乗効果を示し、PC12細胞への結合をほとんど検出できな いレベルにまで低減した。第五に、すべての場合において、PC12細胞への低 親和性結合の消失は、A875細胞上で発現するp75NGFRへの結合の消失と関 連する。三重変異体K32A+K34A+E35Aおよび二重変異体K32A+ K95Aの場合には、p75NGFRへの結合はそれぞれ完全に無くなったか、15 0倍低減した。第六に、p75NGFRへの結合の消失にもかかわらず、すべての変 異型NGFはp140trkへの結合性と生物活性を保持しており、これは低親和 性結合の消失が変異型タンパク質のコンホメーションの劇的変化によるものでは ないことをさらに示している。 多重リシン変異体で観察される相乗効果は、これら正のp75NGFR残基が協同 してp75NGFRへの結合の界面を形成することを示唆する(図9BおよびC)。 Lys32が最も強い接触を形成し、次いでLys34およびLys95が続き 、これらがおそらくはK32A変異体に見られる残余結合の原因である。以前に 検討されたArg100およびArg103(Ibanezら,1990)およびおそらく はLys88などの正電荷残基もさらに結合界面に寄与しているのかも知れない (図9BおよびC)。K32A+K34A+E35AおよびK32A+K95A 変異体におけるp 75NGFRへの結合の消失は、p75NGFRとの安定な接触を提供するためにはNG F分子の表面での最小数の正電荷が必要であることを示唆する。このモデルは、 他のタイプの接触、例えば疎水性残基Ile31がNGFとp75NGFRとの会合 の安定化に寄与する可能性を排除するものではない。 公知の別の3つのニューロトロフィンも低親和性NGF受容体と結合できる( Roderiguez-Tebarら,1990;Ernforsら,1990;Squintoら,1991;Hallbookら, 1991)。Lys95はこれまでに記載した4つのタンパク質すべてに保存されて おり、NT−3およびNT−4ではLys32がArgで置換されており、もう 1つの正電荷アミノ酸残基であるLys34もNT−4で保存されている。しか しながら、BDNFにおいては、Lys32およびLys34はそれぞれSer およびGlyで置換されている。興味深いことに、BDNFでは残基93−96 の空間的に近接したループが3つの連続した正電荷残基を有しており、これがL ys32およびLys34の不在を補償しているのかも知れない。この仮説を支 持するものとして、残基23−35(可変領域I)をBDNFの対応する残基( Ibanezら,1991a)で置換したキメラNGF分子はPC12細胞への低親和性結 合を10倍低減した。可変領域IおよびBDNFからの残基94−98(可変領 域V)の両方を含む別のキメラ分子では低親和性結合が回復したので、これはB DNF中の95、96および97の位置での3つの正電荷残基がLys32およ びLys34の不在を実際に補償しているということを示唆する。NGFとBD NFはいずれもp75NGFRとの結合において等しく競合しているように思われる が、この 受容体はまた2つのリガンドの差を認識してもいるのであり、これがBDNFの 場合には、正の協同性と遅い解離速度となって現れる(Rodriguez-Tebarら,199 0)。したがって、BDNFとNGFはp75NGFRによって類似の構造として認 識されても、同一の構造として認識されるのではない。これらの結果は、NGF とBDNFとの間で観察される差異の構造的説明を提供するし、また他のニュー ロトロフィンも同じ領域によってp75NGFRと相互作用することを示唆する。 本発明はここに記載する特定の態様によって限定されない。実際、これまでの 記載ならびに添付の図面に基づいて、ここに記載するものに加えて、本発明の各 種修飾が当業者には自明である。このような修飾は添付の請求の範囲に包含され る。 3つの独立した実験からのデータはここに報告する平均値の±10%で変動した 。 参考文献 Angeletti,R.H.and Bradshaw,R.A.(1971)マウス顎下腺からの神経成長因子 :アミノ酸配列、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 68,2417-20 Angeletti,R.H.,Hermodson,M.A.and Bradshaw,R.A.(1973)2.5S神経 成長因子のアミノ酸配列、II熱分解性および消化ペプチドの単離と性状決定なら びに完全共有結合構造、Biochemistry 12,100-15 Banerjee,S.P.,Snyder,S.H.,Cuatrecasas,P and Greene,L.A.(1973)上 方頸部神経節における神経成長因子の結合、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 79,2 519-2523 Barde,Y.A.,Edgar,D.and Thoenen,H.(1982)哺乳動物脳からの新規神経栄 養因子の精製、Embo J.l,549-553 Berg,M.,Sternberg,D.,Hempstead,B.and Chao,M.(1991)低親和性p7 5神経栄養因子(NGF)受容体がNGF−誘導チロシンリン酸化を媒介する、 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88,7106-7110 Buxser,S.E.,Watson,L.,Kelleher,D.J.and Johnson,G.L.(1983)アフィ ニティクロマトクラフィーによるA875メラノ ーマ細胞からの神経成長因子に対する受容体の精製、J.Biol.Chem.258,3370 -5 Cordon-Cardo,C.,Tapley,P.,Jing,S.,Nanduri,V.,O'Rourke,E.,Lambe lle,F.,Kovary,K.,Klein,R.,Jones,K.,Reichardt,L.and Barbacid,M .(1991)trkチロシンキナーゼが神経成長因子およびニューロトロフィン− 3細胞のマイトジェン性を媒介する、Cell 66,173-183 Cunningham,B.C.and Wells,J.A.(1989)アラニン-スキャニング突然変異誘 発によるhGH−受容体相互作用の高性能エピトープマッピング、Science 244 ,1081-1085 Curran,T.,Gordon,M.B.,Rubino,K.L.and Sambucetti,L.C.(1987)c− fos(ラット)cDNAの単離および性状決定ならびにインビトロでの翻訳後 修飾、Oncogene 2,79-84 Ebendal,T.(1984)ニューロン成長の総括原理、S.Sharma,編集(New York:P lenum Press)pp.93-107 Ebendal,T.(1989)神経成長因子活性の生物検定へのコラーゲンの使用、Nerve Growth Factors,R.A.Rush,編集(Chichester:John Willey & Sons)pp.81-2 4 Ebendal,T.,Larhammar,D.and Persson,H.(1986)ニワトリ 神経栄養因子の構造と発現、EMBO J.5,1483-7 Ebendal,T.,Persson,H.,Larhammar,D.,Lundstromer,K.and Olson,L.( 1989)合成神経栄養因子(NGF)およびプロNGFペプチドに対する抗体の性 状決定、J.Neurosci.Res.22,223-240 Edwards,R.H.,Selby,M.J.,Garcia,P.D.and Rutter,W.J.(1988)天然型 神経栄養因子前駆体のプロセシングによる生物活性神経栄養因子の形成、J.Bio l.Chem.263,6810-5 Ernfors,P.,Hallbook,F.,Ebendal,T.,Shooter,E.,Radeke,M.J.,Mis ko,T.P.and Persson,H.(1988)ニワトリおよびラットニューロンにおける神 経栄養因子受容体mRNAの発生と領域発現、Neuron 1,983-996 Ernfors,P.,Ibariez,C.F.,Ebendal,T.,Olson,L.and Persson,H.(1990 )神経成長因子と構造類似性をもつタンパク質の分子クローニングおよび神経栄 養活性:脳中での発生と発現分布、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87,5454-5458 Gizang-Ginsberg,E.and Ziff,E.(1990)神経成長因子は、c−fosを含む 核タンパク質複合体によってチロシンヒドロキシラーゼ遺伝子の転写を制御する 、Genes Dev 4,477-491 Greene,L.A.and Tischler,A.S.(1976)神経成長因子に応答するラット副腎 皮質好クローム性細胞腫細胞のノルアドレナリン性クローン系の樹立、Proc.Na tl.Acad.Sci.USA 73,2424-8 Hallbook,F.,Ayer.LeLievre,C.,Ebendal,T.and Persson,H.(1990)ニワ トリ胚の発生初期における神経成長因子受容体mRNAの発現:頭蓋神経節での 重要性、Development 10-,693-704 Hallbook,F.,Ibanez,C.F.andPersson,H.(1991)神経成長因子ファミリー の進化的研究がアフリカツメガエル卵巣で多量に発現する新規メンバーを判明さ せる、Neuron 6,845-858 Hempstead,B.,Martin-ZAnca,D.,Kaplan,D.,Parada,L.and Chao,M.(19 91)高親和性NGF結合はtrkがん原遺伝子an−1低親和性NGF受容体の 共発現を必要とする、Nature 350,678-683 Hempstead,B.L.,Schleifer,L.S.and Chao,M.V.(1989)遺伝子導入後の機 能性神経成長因子受容体の発現、Science 243,373-375 Herrup,K.and Shooter,E.M.(1973)鳥類後根神経節のβ-神経成長因子の性 質、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 70,3884-88 Herrup,K.and Thoenen,H.(1979)ラット好クローム性細胞腫(PC12)細 胞のクローン系の神経成長因子受容体の性質、Exp.Cell Res.121,71-8 Heuer,J.G.,S.,F.-N.,Wheeler,E.F.and Bothwell,M.(1990)ニワトリN GF受容体の構造と発生的発現、Dev.Biol.137,287-304 Hohn,A.,Leibrock,J.,Bailey,K.and BArde,Y.-A.(1990)神経成長因子 /脳由来神経栄養因子ファミリーの新規メンバーの同定ならびに性状決定、Natu re 344,339-341 Hosang,M.and Shooter,E.M.(1985)PC12細胞上の神経成長因子受容体の 分子性状、J.Biol.Chem.260,655-62 Ibanez,C.F.,Hallbook,F.,Ebendal,T.and Persson,H.(1990)神経成長 因子の構造と機能研究:高度に保存されたアミノ酸残基の機能的重要性、EMBO J .9,1477-1483 Ibanez,C.F.,Ebendal,T.and Persson,H.(1991a)複数の神経栄養活性をも つキメラ分子がNGFおよびBDNFの特異性を決定する構造的要素を明らかに する、EMBO J.10,2105-2110 Ibanez,C.F.,Hallbook,F.,Sonderstrom,S.,Ebendal,T.and Persson,H. (1991b)組換えヒト、ラットおよびニワトリ 神経成長因子の生物的ならびに免疫的性質:比較研究、J.Neurochem.57,1033 -1041 Ip,N.Y.,Ibanez,C.F.,Nye,S.H.,McClain,J.,Jones,P.F.,Gies,D.R. ,Belluscio,L.,Le Beau,M.M.,Espinosa III,R.,Squinto,S.P.,Persson ,H.and Yancopoulos,G.(1992)哺乳動物ニューロトロフィン−4:構造、染 色体上の配置、組織分布および受容体特異性、Proc.Natl.Acad.Sci.USA印刷 中 Johnson,D.,Lanahan,A.,Buck,C.R.,Sehgal,A.,Morgan,C.,Mercer,E. ,Bothwell,M.and Chao,M.(1986)ヒトNGF受容体の発現と構造、Cell 47 ,545-554 Kaplan,D.,Hempstead,B.,Martin-Zanca,D.,Chao,M.and Parada,L.(19 91a)trkがん原遺伝子産物:神経成長因子のシグナル誘導受容体、Science 2 52,554-558 Kaplan,D.,Martin-Zanca,D.and Parada,L.(1991b)NGFによって誘導さ れるtrkがん原遺伝子産物のチロシンリン酸化およびチロシンキナーゼ活性、 Nature 350,158-160 Klein,R.,Jing,S.,Nanduri,V.,O'Rourke,E.and Barbacid,M.(1991) trkがん原遺伝子が神経成長因子の受容体をコードする、Cell 65,189-197 Leibrock,J.,Lottspeich,A.H.,Hofer,M.,Hengerer,B.,Masiakowski,P. ,Thoenen,H.and Barde,Y.-A.(1989)脳由来神経栄養因子の分子クローニン グおよび発現、Nature 341,149-52 Levi-Montalcini,R.and Angeletti,P.(1968)神経成長因子、Physiol.Rev .48,534-569 Loeb,D.,Maragos,J.,Martin-Zanca,D.,Chao,M.,Parada,L.and Greene ,L.(1991)PC12細胞系に非応答性の突然変異NGFにおいてtrkがん原 遺伝子がNGF応答性を回復させる、Cell 66,961-966 Longo,F.,Vu,T.-K.H.and Mobley,W.(1990)神経成長因子のインビトロ生 物作用が合成ペプチドにより阻害される、Cell Reg.1,189-195 Luthman,H.and Magnusson,G.(1983)クロロキン処理細胞における高効率な ポリオーマDNAトランスフェクション、Nucl.Acids Res.11,1295-1305 Maisonpierre,P.C.,Belluscio,L.,S,S.,Ip,N.Y.,Furth,M.E.,Lindsay, R.M.and Yancopoulos,G.D.(1990)ニューロトロフィン−3:NGFおよびB DNFに関連する神経栄養因子、Science 247,1446-1451 Martin-Zance,D.,Oskam,R.,Mitra,G.,Copeland,T.and Barbacid,M.(1 991)ヒトtrkがん原遺伝子の分子的および生化学的性状、Mol.Cell Biol.9 ,24-33 McDonald,N.Q.,Lapatto,R.,Murray-Rust,J.,Gunning,J.,Wlodawer,A. and Blundell,T.L.(1991)神経成長因子の2.3−A分解能結晶構造により判 明した新規タンパク質の折り畳み、Nature 354,411-414 Meakin,S.and Shooter,E.(1991)高親和性神経成長因子受容体の分子研究、 Neuron 6,153-163 Meier,R.,Becker-Andre,M.,Gotz,R.,Heumann,R.,Shaw,A.and Thoenen ,H.(1986)ウシおよびニワトリ神経成長因子(NGF)の分子クロ−ニング: 保存および非保存ドメインの脱設計化ならびにその生物活性とNGFに対する抗 原性との関連:EMBO J.5,1489-93 Milbrandt,J.(1986)神経成長因子はPC12ラット好クローム性細胞腫中の c−fos mRNAを急速に誘導する、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 83,478 9-93 Radeke,M.J.,Misko,T.P.,Hsu,C.,Herzenberg,L.A.and Shooter,E.M.( 1987)ラット神経成長因子受容体の遺伝子導入 および分子クローニング、Nature 325,593-597 Richardson,P.M.,Verge Issa,V.M.K.and Riopelle,R.J.(1986)ラットに おける神経成長因子に対するニューロン受容体の分布、Neurosci.6,2312-2321 Rodriguez-Tebar,A.,Dechant,G.and Barde,Y.-A.(1990)脳由来神経栄養 因子の神経成長因子受容体への結合、Neuron 4,487492 Rosenthal,A.,Goeddel,D.V.,Nguyen,T.,Lewis,M.,Shin,A.,Laramee, G.R.,Nikolics,K.and Winslow,J.W.(1990)新規ヒト神経栄養因子の一次構 造と生物活性、Neuron 4,767-773 Sanger,F.,Nicklen,S.and Coulson,A.R.(1977)鎖末端化阻害剤によるD NA配列決定、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 74,5463-7 Sauve,K.,Nachman,M.,Spence,C.,Bailon,P.,Campbell,E.,Tsien,W.- H.,Kondas,J.,Hakimi,J.and Ju,G.(1991)インターロイキン2受容体の x鎖(p55)への結合部位のヒトインターロイキン2中における分布、Proc. Natl.Acad.Sci.USA 88,4636-4640 Schwarz,M.A.Fisher,D.,Brandshaw,R.A.and Isackson,P.J.(1989)モル モット前立腺由来のβ−神経成長因子のcDNAクローンの単離および配列、J .Neurochem.52,1203-9 Scott,J.,Selby,M.,Urdea,M.,Quiroga,M.,Bell,G.I.and Rutter,W. (1983)マウス神経成長因子の前駆体をコードするcDNAの単離およびヌクレ オチド配列、Nature 302,538-40 Selby,M.J.,Edwards,R.H.and Rutter,W.J.(1987)コブラ神経成長因子: 構造と進化の比較、J.Neurosci.Res.18,293-8 Sibanda,L.,Blundell,T.and Thornton,J.(1989)タンパク質構造における β-ヘアピンのコンホメーション、J.Mol.Biol.206,759-777 Squinto,S.P.,Stitt,T.N.,Aldrich,T.H.,Davis,S.,Bianco,S.M.,Radz iejewski,C.,Glass,D.J.,Masaialwski,P.,Furth,M.E.,Valenzuela,D .M.,DiStefano,P.S.,Yancopoulos,G.D.(1991)trkBは脳由来神経栄養 因子の機能的受容体とニューロトロフィン−3をコードするが、神経成長因子を コードしない、Cell 65,885-993 Suter,U.,HeymachJr,J.and Shooter,E.(1991)NGFプ ロペプチド中の2つの保存ドメインが、正しくプロセシングされかつ生物活性な NGFの生合成にとって必要かつ十分である、EMBO J.10,2395-2400 Sutter,A.,Riopelle,R.J.,Harris-Warrick,R.M.and Shooter,E.M.(1979 )神経成長因子受容体:ヒナ胚感覚神経節細胞上における結合部位の2つの異な るクラスの性状決定、J.Biol.Chem.254,5972-82 Thoenen,H.,Bandtlow,C.and Heumann,R.(1987)中枢神経系における神経 成長因子の生理学的機能:末梢との比較、Rev.Physiol.Biochem.Pharmacol. 109,145-78 Thoenen,H.and Barde,Y.A.(1980)神経成長因子の生理学、Physiol.Rev.6 0,1284-1325 Ullrich,A.,Gray,A.,Berman,C.and Dull,T.J.(1983)マウスのものに高 度に相同なヒトβ-神経成長因子遺伝子、Nature 303,821-25 Weskamp,G.and Reichardt,L.(1991)NGFの生物活性が新規サブクラスの 高親和性受容体によって媒介されていることの証拠、Neuron 6,649-663 Whittemore,S.R.,Friedman,P.L.,Larhammar,D.,Persson, H.,Gonzalez,C.M.and Holets,V.R.(1988)ラットβ-神経成長因子配列およ び成人海馬における合成部位、J.Neurosci.Res.20,403-10 Whittemore,S.R.and Seiger,A.(1987)中枢神経系におけるβ-神経成長因子 の発現、局在化および機能的重要性、Brain Res.434,439-64 Yan,H.,Schlessinger,J.and Chao,M.(1991)キメラNGF−EGF受容体 がニューロン分化を司るドメインを規定する、Science 252,561-564 Yan,Q.and Johnson,E.(1988)発生期ラットにおける神経成長因子受容体の 免疫組織学的研究、J.Neurosci.8,3481-98 Yang,Y.C.,Ciarlette,A.B.,Temple,P.A.,Chung,M.P.,Kovacis,S.,Wit ekGianotti,J.S.,Leary,A.C.,Kritz,R.,Donahue,R.E.,Wong,G.G.and Clark,S.C.(1986)ヒトIL−3(多機能CSF):ネズミIL−3に関連す る新規造血系成長因子の発現クローニングによる同定、Cell 47,3-10
【手続補正書】特許法第184条の7第1項 【提出日】1993年8月9日 【補正内容】 19条補正 [原請求の範囲を以下の新請求の範囲に全文差替え] 請求の範囲 1.神経栄養因子の配列中における唯一の修飾がアミノ酸30〜34にある1ま たは2以上の正電荷アミノ酸を非電荷または負電荷アミノ酸で置換することから なり、かつ該修飾が野生型の神経栄養因子と比較して、変異型の神経栄養因子の p75NGFRへの結合能を低減させるような野生型の神経栄養因子からなる変異型 の神経栄養因子。 2.野生型の神経栄養因子が、神経成長因子、脳由来成長因子、NT−3および NT−4からなる群より選択される請求の範囲1項記載の変異型の神経栄養因子 。 3.修飾がLys32の置換である請求の範囲2項記載の変異型の神経栄養因子 。 4.修飾がLys34の置換である請求の範囲2項記載の変異型の神経栄養因子 。 5.野生型の神経栄養因子がNT−3またはNT−4であり、修飾がArg32 の置換である請求の範囲2項記載の変異型の神経栄養因子。 6.アミノ酸93〜98にある1または2以上の正電荷アミノ酸が非電荷または 負電荷アミノ酸で置換されており、かつ該置換が野生型の神経栄養因子と比較し て、変異型の神経栄養因子のp75NGFRへの結合能を低減させるような野生型の 神経栄養因子からなる変異型の神経栄養因子。 7.野生型の神経栄養因子が、神経成長因子、脳由来成長因子、NT−3および NT−4からなる群より選択される請求の範囲6項記載の変異型の神経栄養因子 。 8.修飾がLys95の置換である請求の範囲7項記載の変異型の神経栄養因子 。 9.Lys95をAlaで置換する請求の範囲8項記載の変異型の神経栄養因子 。 10.野生型の神経栄養因子がNT−3であり、かつ該置換がArg32、Hi s34、Asn93およびAsn94からなる群より選択される1または2以上 のアミノ酸の置換である請求の範囲7項記載の変異型の神経栄養因子。 11.野生型の神経栄養因子がBDNFであり、該置換がLys95、Lys9 6およびArg97からなる群より選択される1または2以上のアミノ酸の置換 である請求の範囲7項記載の変異型の神経栄養因子。 12.野生型の神経栄養因子がNT−4であり、該置換がGlu94またはAr g96の置換である請求の範囲7項記載の変異型の神経栄養因子。 13.a)野生型の神経栄養因子のアミノ酸30〜34またはアミノ酸93〜9 8にある少なくとも1つの正電荷アミノ酸を非電荷または負電荷アミノ酸で置換 し;そして b)野生型の神経栄養因子と実質的に同じ生物活性を示す因子を選択する ことからなる、p75NGFRへの結合能が低減した神経栄養因子を選択する方法 。 14.a)野生型の神経栄養因子のアミノ酸25〜36にある1または2以上の アミノ酸残基を置換し、 b)変更分子の安定性および生物活性を野生型因子と比較して測定し、そし て c)野生型因子と実質的に同じ生物活性と、野生型因子と比較して変更され た半減期を示す因子を選択する ことからなる、野生型の神経栄養因子の半減期を変更する方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,SN,TD, TG),AU,BB,BG,BR,CA,CZ,FI, HU,JP,KP,KR,KZ,LK,MG,MN,M W,NO,NZ,PL,RO,RU,SD,SK,UA (72)発明者 モリナー,カルロス フェルナンド イバ ネッツ スウェーデン国 11343 ストックホルム, ヴァストマンナガタン 95

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.得られる変異型の神経栄養因子がtrk受容体との結合能を維持しているが 、低親和性NGF受容体との結合能は低減するように、1または2以上のアミノ 酸が修飾されている親の神経栄養因子からなる変異型の神経栄養因子。 2.親の神経栄養因子が、神経成長因子、脳由来神経栄養因子、NT−3および NT−4からなる群より選択される請求の範囲1項記載の変異型の神経栄養因子 。 3.修飾が、アミノ酸30〜34またはアミノ酸93〜98にある少なくとも1 つの正電荷アミノ酸を、非電荷または負電荷アミノ酸で置換することからなる請 求の範囲2項記載の変異型の神経栄養因子。 4.修飾がLys95の置換である請求の範囲3項記載の変異型の神経栄養因子 。 5.Lys95をAlaで置換する請求の範囲4項記載の変異型の神経栄養因子 。 6.親の神経栄養因子が神経成長因子である請求の範囲3項記載の変異型の神経 栄養因子。 7.修飾がLys32の置換である請求の範囲6項記載の変異型の神経栄養因子 。 8.修飾がLys34の置換である請求の範囲6項記載の変異型の神経栄養因子 。 9.修飾がLys34の置換をさらに含む請求の範囲7項記載の変異型の神経栄 養因子。 10.修飾がLys95の置換をさらに含む請求の範囲7項記載の変異型の神経 栄養因子。 11.親の神経栄養因子がNT−3であり、かつ修飾がArg32、His34 、Asn93およびAsn94からなる群より選択される1または2以上のアミ ノ酸の置換である請求の範囲3項記載の変異型の神経栄養因子。 12.親の神経栄養因子がBDNFであり、修飾がLys95、Lys96およ びArg97からなる群より選択される1または2以上のアミノ酸の置換である 請求の範囲3項記載の変異型の神経栄養因子。 13.親の神経栄養因子がNT−3またはNT−4であり、修飾がArg32の 置換である請求の範囲3項記載の変異型の神経栄養因子。 14.親の神経栄養因子がNT−4であり、修飾がGlu94またはArg96 の置換である請求の範囲3項記載の変異型の神経栄養因子。 15.神経栄養因子の低親和性NGF受容体への結合能を低減させるように該因 子を修飾することからなる、神経栄養因子の受容体結合特異性を変更する方法。 16.修飾が、正電荷アミノ酸を相対的に非電荷のアミノ酸で置換することから なる請求の範囲15項記載の方法。 17.修飾が、アミノ酸30〜34またはアミノ酸93〜98にある少なくとも 1つの正電荷アミノ酸を、非電荷または負電荷アミノ酸で置換することからなる 請求の範囲15項記載の方法。 18.神経栄養因子のアミノ酸25〜36にある1または2以上 のアミノ酸を変更し、 変更分子の安定性および生物活性を親分子と比較して測定し、そして 親分子と実質的に同じ生物活性と、親分子と比較して増強された安定性を示す 因子を選択する ことからなる、神経栄養因子の安定性を増強する方法。
JP51559493A 1992-03-06 1993-03-08 受容体への結合特異性を変更した神経栄養因子 Expired - Fee Related JP3694523B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US07/847,369 1992-03-06
US07/847,369 US5349055A (en) 1992-03-06 1992-03-06 Nerve growth factor having altered receptor binding specificities
PCT/SE1993/000201 WO1993018066A1 (en) 1992-03-06 1993-03-08 Neurotrophic factors having altered receptor binding specificities

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08511675A true JPH08511675A (ja) 1996-12-10
JP3694523B2 JP3694523B2 (ja) 2005-09-14

Family

ID=25300448

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP51559493A Expired - Fee Related JP3694523B2 (ja) 1992-03-06 1993-03-08 受容体への結合特異性を変更した神経栄養因子

Country Status (13)

Country Link
US (2) US5349055A (ja)
EP (1) EP0632817B1 (ja)
JP (1) JP3694523B2 (ja)
CN (1) CN1041831C (ja)
AT (1) ATE219500T1 (ja)
AU (1) AU674305B2 (ja)
CA (1) CA2131552A1 (ja)
DE (1) DE69332047T2 (ja)
DK (1) DK0632817T3 (ja)
ES (1) ES2178641T3 (ja)
IL (1) IL104958A0 (ja)
WO (1) WO1993018066A1 (ja)
ZA (1) ZA931597B (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE69415990T2 (de) * 1993-10-18 1999-09-16 Regeneron Pharma Heterodimere der wachstumsfaktoren
US5753225A (en) * 1993-12-03 1998-05-19 The Regents Of The University Of California Antibodies that mimic actions of neurotrophins
US7144983B1 (en) 1997-02-03 2006-12-05 Genentech, Inc. Pantropic neurotrophic factors
US5728803A (en) 1994-06-03 1998-03-17 Genentech, Inc. Pantropic neurotrophic factors
US5958875A (en) * 1996-03-29 1999-09-28 The Regents Of The University Of California Synthetic peptides derivatives with nerve growth factor-like neurotrophic activity
GB9608335D0 (en) * 1996-04-23 1996-06-26 Univ Kingston Method of enhancing ngf-mediated neurite growth with low molecular weight analoues of p.75 ngfr 367-379
ZA976326B (en) * 1996-07-19 1998-02-03 Amgen Inc Analogs of cationic proteins.
CZ300296B6 (cs) * 1996-11-15 2009-04-15 Genentech, Inc. Zpusob izolace rekombinantního lidského neurotrofinu, neurotrofinový prostredek a zpusob cištení neurotrofinu
CN101260398B (zh) 2007-03-07 2013-06-05 舒泰神(北京)生物制药股份有限公司 神经生长因子基因定位改造动物及其制备方法和应用
CN102898514B (zh) * 2011-07-28 2015-04-29 中国人民解放军军事医学科学院生物工程研究所 重组人神经生长因子缺失突变体及其制备方法和用途
CN103880944B (zh) * 2014-01-20 2017-03-29 未名生物医药有限公司 一种野生型rhNGF的制备方法
WO2017157326A1 (zh) 2016-03-18 2017-09-21 舒泰神(北京)生物制药股份有限公司 神经生长因子突变体

Also Published As

Publication number Publication date
DE69332047T2 (de) 2003-01-23
US5705617A (en) 1998-01-06
ES2178641T3 (es) 2003-01-01
AU674305B2 (en) 1996-12-19
DK0632817T3 (da) 2002-12-23
CN1079992A (zh) 1993-12-29
ZA931597B (en) 1993-09-27
CN1041831C (zh) 1999-01-27
US5349055A (en) 1994-09-20
IL104958A0 (en) 1993-07-08
ATE219500T1 (de) 2002-07-15
DE69332047D1 (de) 2002-07-25
WO1993018066A1 (en) 1993-09-16
EP0632817A1 (en) 1995-01-11
JP3694523B2 (ja) 2005-09-14
EP0632817B1 (en) 2002-06-19
CA2131552A1 (en) 1993-09-16
AU3655093A (en) 1993-10-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Ibáñez et al. Disruption of the low affinity receptor-binding site in NGF allows neuronal survival and differentiation by binding to the trk gene product
US5229500A (en) Brain derived neurotrophic factor
Urfer et al. The binding epitopes of neurotrophin‐3 to its receptors trkC and gp75 and the design of a multifunctional human neurotrophin.
Ebendal NGF in CNS: experimental data and clinical implications
AU643705B2 (en) Neurotrophin-3, a novel neurotrophic factor related to nerve growth factor and brain derived neurotrophic factor
AU695144B2 (en) Pantropic neurotrophic factors
US6365373B2 (en) Nucleic acids encoding NGF variants
JPH08511675A (ja) 受容体への結合特異性を変更した神経栄養因子
Escandon et al. Characterization of neurotrophin receptors by affinity crosslinking
MacDonald et al. Deletions in the extracellular domain of rat trkA lead to an altered differentiative phenotype in neurotrophin responsive cells
AU677979B2 (en) Multifunctional neurotrophic factors
US7144983B1 (en) Pantropic neurotrophic factors
AU7154698A (en) Ngf variants
Guo et al. Mutational studies of conserved residues in the dimer interface of nerve growth factor
US6933276B1 (en) Methods of treating peripheral neuropathies using neurotrophin-3
Eva Nerve growth factor: Influence on cholinergic neurons in the CNS
AU674659B2 (en) Therapeutic and diagnostic methods based on neurotrophin-4 expression
WO1993019088A1 (en) Neurotrophic peptides
Rosenberg Trophic Factors and their Receptors in the CNS
Cuello Neurotrophins and neurodegenerative diseases
PERSSON et al. Expression, Regulation and Receptor Distribution of Neurotrophins in the Mammalian Central Nervous System
NZ270485A (en) Diagnosis of motor neuron disease using neurotrophin-4 (nt-4) and methods for measuring its activity

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050125

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050524

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20050609

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050621

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050627

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees