JP3694523B2 - 受容体への結合特異性を変更した神経栄養因子 - Google Patents

受容体への結合特異性を変更した神経栄養因子 Download PDF

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Description

序文
本発明は、受容体への結合親和性および生物学的特異性を変更した神経成長因子ファミリーの変異型神経栄養因子を提供する。本発明は、部分的には、神経栄養因子の類似体およびキメラの合理的な設計に有用であるモデル系を開発したことに基づくものである。
発明の背景
細胞の成長および分化を制御するには、応答細胞の表面にある受容体との相互作用を介してその効果を発揮する特異的な因子が必要である。多くの成長因子および分化因子が発見され、その特性付けがなされてきているにもかかわらず、結合活性や生物活性に関与する正確な構造、並びに多数の受容体の活性化の根底にある結果的または原因的な分子挙動は不明である。
神経成長因子(NGF)は交感神経系並びに一部の感覚および中枢神経系の生存、発達、分化をコントロールする118個のアミノ酸からなるポリペプチドである(Levi-Montalcini and Angeletti, 1968; Thoenen and Barde, 1980; Whittemore and Seiger, 1987; Thoenenら, 1987)。NGFの生理活性形態は同一のサブユニットの二量体からなり、各サブユニットは前駆体分子から産生される(Angeletti and Bradshaw, 1971; Angelettiら, 1973)。NGFのcDNAクローンは最初にマウスから単離された(Scottら, 1983)。その後、数種の哺乳類、鳥類、爬虫類、魚類などを含む多くの他の動物種においてNGF遺伝子の特性決定が行われた(Schwarzら, 1989; Hallbookら, 1991)。
NGFは、集合的には神経成長因子ファミリーのニューロトロフィンとして知られている、構造的にも機能的にも関連した分子のファミリーに属しており、このファミリーには他に少なくとも3種のメンバー、すなわち脳由来の神経栄養因子(BDNF)(Bardeら, 1982; Leibrockら, 1989)、ニューロトロフィン−3(NT−3)(Hohnら, 1990; Maisonpierreら, 1990; Rosenthalら, 1990; Ernforsら, 1990)、そしてニューロトロフィン−4(NT−4)(Hallbookら, 1991; Ipら, 1992)が含まれる。
NGFは、ニューロンと非ニューロンの両方に由来する各種の細胞型に発現される低親和性受容体と相互作用する(Ernforsら, 1988; Yan and Johnson, 1988; Heuerら, 1990; Hallbookら, 1990)。神経成長因子ファミリーの他の3種のニューロトロフィン類もNGFの低親和性受容体に結合することができる(Rodriguez-Tebarら, 1990; Ernforsら, 1990; Squintoら, 1991; Hallbookら, 1991)。この受容体は約75,000ダルトンの膜貫通糖タンパク質(p75NGFR)に相当し、10-9MのKdでもってNGFと結合する(Johnsonら, 1986; Radekeら, 1987)。ところが、NGFの生物学的作用を仲介するにあたっては、p75NGFR陽性細胞のサブ集団に限られる高親和結合(Kd=10-11M)が必要となる(Banerjeeら, 1973; Herrup and Shooter, 1973; Sutterら, 1979; Richardsonら, 1986)。2つの受容体の分子状態の関係は完全には解明されていないが、他の受容体においてシグナル変換を仲介することが知られている構造的特徴を欠いているp75NGFRの細胞質ドメインが高親和結合並びにシグナル変換には必要である、という一部の報告がある(Hempsteadら, 1989; Yanら, 1991; Bergら, 1991)。
最近、がん原遺伝子のtrkがNGFの機能的受容体をコードしていることが明らかになった(Kaplanら, 1991a; Kleinら, 1991)。trkがん原遺伝子の産物は、膜貫通受容体のチロシンキナーゼファミリーに属する140,000ダルトンのタンパク質(p140trk)である(Martin-Zancaら, 1991)。このタンパク質は当然のことながらNGFの一次シグナル変換機構に関与するとされてきたが、NGFに対するp140trkの平衡結合定数に関しては相当の不一致が存在する。クライン(Klein)ら(1991)は、p140trkが低親和性と高親和性の両方でもってNGFと結合すると報じており、一方、カプラン(Kaplan)ら(1991)およびヘンプステッド(Hempstead)ら(1991)は、p140trkがp75NGFRの親和性と同程度の親和性でもってNGFと結合し、高親和結合が起こるためには両方の受容体の同時発現が必要であると報じている。近年になって、trkがん原遺伝子の産物はNGFの機能的受容体を構成していることが明らかになった(Kaplanら, 1991a; Kleinら, 1991)。NGFがp140trkに結合すると、この分子の急速なリン酸化が生じ、そのチロシンキナーゼ活性が促進される(Kaplanら, 1991a; Kaplanら, 1991b; Kleinら, 1991)。
これに対して、p75NGFRがシグナル変換に果たす役割は依然として解明されないままである。最近、この受容体の細胞質ドメインがニューロンの分化(Yanら, 1991)並びにPC12細胞におけるNGF誘導性のチロシンのリン酸化(Bergら, 1991)を仲介すると報じられた。ところが、最近の他の研究によれば、p75NGFRに対するポリクローナル抗体はこの分子へのNGFの結合および一部の高親和結合を阻止するが、NGFに対する生物学的応答を阻止しないことが明らかにされた(Weskamp and Reichardt, 1991)。p140trkを発現する細胞系を使った最近の報告からは、NGFの存在下で、この受容体分子がp75NGFRの不在下に繊維芽細胞の生存と有糸分裂増殖を仲介し得ることが実証されている(Cordon-Cardoら, 1991)。これらの研究は、ニューロンおよびニューロン様細胞系において、p75NGFRへの結合がNGF応答を仲介する上で重要であるとする説を除外するものではない。また、trkがん原遺伝子は変異型のNGF非応答性PC12細胞系においてNGF応答性を救済し得ることが最近明らかにされた(Loebら, 1991)。しかし、これらの細胞はなお実質的レベルのp75NGFRを発現しており、それ故、観察された機能的成果にとってこの分子の存在が必要であったのか否かを判断することは難しいだろう。
NGFがその生物学的作用を発揮する分子機構をより良く理解するには、構造と機能の関係を研究し、さらに改変された性質を有するNGF変異体を作製することが必要となる。この線に沿った初期のころの研究から、ニワトリNGFの高度に保存されたアミノ酸残基が機能的に重要であることが判明した(Ibanezら, 1990)。より最近になって、NGFとBDNFとのキメラ分子の解析により、これら2つの因子の生物学的特異性の決定に関与している領域がはっきりしてきた(Ibanezら, 1991a)。さまざまな種から得られたNGF遺伝子を比較したところ、各種の脊椎動物を通して高度に保存されているアミノ酸残基のかたまり(クラスター)が存在することがわかった(図1を参照のこと;異なる種に由来するNGF並びに異なるニューロトロフィンの相同領域におけるアミノ酸残基25−36(一文字表記)の保存状態を示す)。
図1Aは、ラット(Whittemoreら, 1988)、マウス(Scottら, 1983)、ヒト(Ullrichら, 1983)、ウシ(Meierら, 1986)、モルモット(Schwarzら, 1989)、ニワトリ(Ebendalら, 1986; Meireら, 1986)、ツメガエル(文献)およびヘビ(Selbyら, 1987)のNGFに由来する残基25−36の整合(上下合わせ)を示す。
図1Bは、ラットNGF由来の残基25−36と、ラットBDNF(Maisonpierreら, 1990)、ラットNT−3(Maisonpierreら, 1990; Ernforsら, 1990)およびツメガエルNT−4(Hallbookら, 1991)の相同領域との整合を示す。
これらの保存された部分の中でも、残基25から残基36にわたる領域は最も親水性であり、そのためNGF分子の表面に存在するようだ(Meierら, 1986; Ebendalら, 1989)。この配列から設計された合成ペプチドはin vitroでNGFの生物活性を阻害することが示された(Longoら, 1990)。
発明の概要
本発明は、その親分子と比べて、受容体への新規な結合親和性並びに特異性を有する神経成長因子の変異型の神経栄養分子を提供する。本発明は、部分的には、p75NGFRとp140trkの両受容体にNGF分子が結合するにあたって特定のアミノ酸が果たす役割を調べるためのモデル系としてNGFを使用したことに基づくものである。本発明は、さらに、かかるモデル系を用いて、NGF分子のp140trkへの結合能を保持させて野生型分子に匹敵する生物活性を維持しつつ、該分子のp75NGFRへの結合能を失わせるようにNGFを修飾することができるという知見に基づくものである。さまざまな実施態様において、NGF並びに神経成長因子ファミリーの他のメンバーの対応領域に修飾を施すと、trkシグナル変換受容体に対して高度な特異性を有する神経栄養因子が得られる。
図面の説明
図1.さまざまな動物種に由来するNGFのアミノ酸残基25−36(一文字表記)の比較。
図2.COS細胞における親および変異型のNGFの安定性。
図3.E35A変異がNGFプロペプチドのプロセシングに及ぼす影響。
図4.親(野生型)および変異型のNGFの競合的受容体結合並びに生物活性。
図5.親NGFおよび低親和性受容体への結合を欠損している変異型NGFのPC12細胞における生物活性。
図6.親NGFおよび変異型NGFの競合的受容体結合。
図7.K95A変異が異なる細胞型の受容体へのNGFの結合に及ぼす影響。
図8.親NGFおよびp75NGFRへの結合能を欠損している変異型NGFの交感神経ニューロンにおける生物活性。
図9.p75NGFR受容体へのNGFの結合部位の機能的解体図。
発明の詳細な説明
神経成長因子(NGF)は、その他の多くの成長因子並びにホルモンと同様に、応答細胞の膜に存在する2つの異なる受容体分子に結合する。がん原遺伝子trkの産物であるp140trkは、最近NGFのシグナル変換受容体として同定されたチロシンキナーゼ受容体である。NGFの低親和性受容体であるp75NGFRがシグナル変換において果たす役割はあまり解明されていない。最近になって、NGFの結晶構造が決定されたところであり、受容体への結合および生物活性に関与する構造は依然として不明のままである。
結合アッセイおよびバイオアッセイと組み合わせた部位特異的突然変異誘発法は、神経栄養分子の結合に関連したアミノ酸残基の機能的な重要性を検討する上で非常に役立つ方法である。かかる研究は、NGFの三次元結晶構造の解析(McDonaldら, 1991)と合わせて、受容体への結合特性を変更した神経栄養分子の合理的な設計を可能にする。
従って、本発明は、神経成長因子ファミリーの親つまり野生型の神経栄養因子の1個またはそれ以上のアミノ酸を修飾することによって作製される新規な変異型の神経栄養因子に関するものである。かかる修飾は、該因子のtrk受容体への結合脳を保持しつつ、該因子の低親和性NGF受容体への結合を抑制するように選ばれる。
本明細書において、特定のアミノ酸残基の修飾とはNGFの特異性を変更することである。NGFの三次元構造に基づいて、これらの変更はNGF二量体の外側のアームに露出されたβ−ヘアピンループのアミノ酸残基にあることが実証された(McDonaldら, 1991)。ここに記載するように、この領域内の正に荷電した側鎖を有する残基はNGFとp75NGFRとの主な接触に関係しているようだ。
本発明者らの知見によると、これらの位置で突然変異を起こしたNGF分子はp75NGFRに結合しないが、trkがん原遺伝子の産物への結合性と生物活性を保持している。これらの結果から、神経細胞においてNGFの生物活性を仲介するには、少なくとも培養下ではp140trkだけで十分であることが示唆される。変異型のNGFを用いて行った実験からは、p75NGFRへの結合はc−fosのような初期の遺伝子発現の誘導には必要でなく、また、PC12細胞のニューロンの分化にも必要でないことがわかる。さらに、p75NGFRのmRNAおよびタンパク質(Ernforsら, 1988; Yan and Johnson, 1988)とtrk mRNA(G. Barbany, 未発表)の両方を発現する培養下の交感神経ニューロンの神経突起の成長およびニューロンの生存率も、p75NGFRへの結合性が失われたことによって影響を受けなかった。これらの結果は、培養下の神経細胞においてNGFに対する応答を仲介するにはtrkがん原遺伝子の産物だけで十分であることを初めて実証するものであり、かくして、NGFの生物活性を仲介する際のp75NGFRとp140trkの両方の役割を解明し、かつ結合特異性の向上した神経栄養分子を作製する可能性が開かれたことになる。
ここに記載する変異体では、NGFがp75NGFRとp140trkのヘテロ二量体によって作られた新たなポケットに異なる結合部位を介して結合したり(Hempsteadら, 1991)、あるいは遊離のp75NGFRがまだNGF−p140trk複合体と接触でき、このような方法でシグナル変換に協力することがあるかもしれないが、p75NGFRまたはp140trkのホモ二量体の検出が可能な条件下でPC12細胞あるいは感覚ニューロンを用いて行った架橋実験では、p75NGFR−p140trk複合体は検出されなかった(Meakin and Shooter, 1991)。本発明の変異体分子がp140trkへの結合性を強く保持するという事実は、観察された生物活性がこの受容体分子単独によって仲介されるという事実を裏付けるものである。
限定するつもりはないが、ここでは当然のこととして、神経成長因子ファミリーのある種のニューロトロフィン、すなわちNGF、NT−3およびNT−4では、β−ヘアピンループの正に荷電したアミノ酸30−34が該分子のp75NGFRへの結合において重要な役割を果たすとみなされる。従って、本発明の一つの実施態様によると、1個または数個のこれらアミノ酸に、この領域の全体的な電荷が変わるような変更を導入して、該分子の対応するtrk受容体への結合能を保持しつつ該分子のp75NGFRへの結合能を低下させるようにする。ここで用いるとき、アミノ酸残基1は成熟タンパク質の最初のアミノ酸を指す。
かかる実施態様では、Lys32の正に荷電した側鎖が、例えばAlaのメチル基で置換される。このような置換は、該分子のp75NGFRへの結合を、親NGFのときに見られる結合の5%に減少させる(表2および図6)。別の実施態様において、Lys34をAlaに変えると、A875細胞への結合が親のレベルの55%に減少する。さらに別の実施態様において、Lys32、Lys34およびGlu35をアラニンで同時に置換すると、該変異体分子のp75NGFRへの結合が完全に消失する。これらの変異体はそれぞれ、p75NGFRへの結合が低下したり消失したりするにもかかわらず、該分子は交感神経節の移植片に対して野生型の生物活性を保持している。
更なる実施態様では、第二のβ−ヘアピンループのアミノ酸95の近傍にある正に荷電したアミノ酸がLys32およびLys34と相互に作用してp75NGFRへの結合に関与する正に荷電したインターフェイス(界面)を形成するという知見に基づいて、変異型の神経栄養因子が設計される。Lys32と他の2つのリシン(Lys34またはLys95)のいずれか一方を同時に修飾するとp75NGFRへの結合が消失する。p75NGFRへの結合の消失にもかかわらず、これらの変異体はp140trkに結合し、しかも、PC12細胞のニューロンの分化並びに培養下の交感神経ニューロンの生存により測定したとき、その生物活性を保持している。
他の3種の既知ニューロトロフィンもNGFの低親和性受容体に結合し得る(Rodriguez-Tebarら, 1990; Ernforsら, 1990; Squintoら, 1991; Hallbookら, 1991)ので、対応するアミノ酸の同様の変化は、これらの分子のそれぞれのシグナル変換trk受容体への結合能に影響を及ぼすことなく、結合特異性の匹敵する変更をもたらすことが予測されよう。Lys95はこれまでに開示された4種すべてのタンパク質に保存されている(ツメガエルのNT−4では、位置95のアミノ酸がLysであり、一方、ヒトNT−4では、位置94および96が正に荷電したアミノ酸のグルタミンとアルギニンである)。さらに、NT−3とNT−4では、Lys32がArgで置き換えられる。NT−4ではLys34も保存されている。従って、これら正に荷電したアミノ酸のどれかを変えて(例えば、正に荷電したアミノ酸を中性アミノ酸または負に荷電したアミノ酸で置換して)、p75NGFRへの結合性を低下させることも本発明の意図するところである。
また、本発明は、Lys95の近傍のβ−ループ領域に別の修飾を施した改変分子も意図している。例えば、BDNFでは、Lys32とLys34がそれぞれSerおよびGlyで置換される。興味深いことに、BDNFの残基93−96の空間的に近接したループがLys32とLys34の消失を補い得る3個の保存的な正に荷電した残基(2個のリシンと1個のアルギニン)をもっている。残基23−35(可変領域I)をBDNFの対応する残基で置換したキメラなNGF分子(Ibanezら, 1991a)は、PC12細胞への低親和結合が10倍減少した。可変領域IとBDNF由来の残基94−98(可変領域V)の両方を含む別のキメラ分子では低親和結合が回復し、このことはBDNFの位置95、96および97の3個の正に荷電した残基がLys32とLys34の不在を補い得ることを示すものである。NGFとBDNFはともにp75NGFRへの結合について同等に競合するようだが、この受容体は2つのリガンド間の差異をも認識しており、これがBDNFの場合には、ポジティブな協同性と遅い解離速度となって現れる(Rodriguez-Tebarら, 1990)。こうして、BDNFとNGFは同一ではないが類似した構造としてp75NGFRによって認識されるらしい。ここに記載した結果から、NGFとBDNFとの観察された差異についての構造的説明が可能であり、また、他のニューロトロフィンも同じ領域を介してp75NGFRと相互作用し得ることが示唆される。
さらに、親の神経栄養因子をその安定性を高めるように修飾することも本明細書中に具体化される。ここに記載するように、神経成長因子ファミリーの神経栄養因子のアミノ酸25−36間に存在する1個またはそれ以上のアミノ酸残基を選択的に修飾すると、該因子の安定性が変化するようだ。従って、本発明は、このようなアミノ酸を改変し、次に改変分子の安定性並びに生物活性を測定して、その生物活性を保持するが親分子と比較して安定性が向上している該因子を選択することを意図している。
本発明はNGF、BDNF、NT−3およびNT−4のような神経栄養因子から誘導される第二世代の因子に関するものであり、親因子と本質的に同じようにして病気の治療に利用される。例えば、それらは、神経栄養因子の発現パターンの変化と関係していたり、あるいは神経栄養因子との接触により利益を受ける神経系の病気および障害の治療に利用し得る。
本発明により調製されるp75NGFRに結合しない因子に関して、かかる分子は標的細胞に対する特異性が増強されていて、より少ない投与量で有効であるかもしれない。さらに、この種の分子は、より広い範囲に分布している神経細胞に結合する親分子よりも副作用が少ないかもしれない。p75NGFRによって仲介されると考えられる逆行性輸送が変異型のニューロトロフィンの使用によって防止でき、かくして高親和性受容体を発現する脳の特定領域(例えば、脳傷害後の海馬)における変異型ニューロトロフィンの局所作用が可能になるだろう。
材料および方法
ここに記載するすべての実験に以下の実験手順を使用した。
DNAクローニングおよび部位特異的突然変異誘発
ラットのNGF遺伝子(Whittemoreら, 1988)から得られたプレプロNGFコード配列を含む770塩基対のEcoRI断片をpBS KS+(Stratagene社)にクローニングした。このプラスミドから得られた一本鎖DNAを、Kunkelら(1985)に記載されかつIbanezら(1990)に詳述されるようなオリゴヌクレオチドを用いた部位特異的突然変異誘発法の鋳型として用いた。置換はチェーンターミネーション法によるヌクレオチド配列の解析により確認した(Sangerら, 1977)。タンパク質を発現させるために、その後所望の置換を含むDNA挿入物をpXM(Yangら, 1986)にサブクローニングした。
組換えタンパク質の生産並びに定量
約70%の集密度にまで増殖させたCOS細胞を、DEAEデキストラン−クロロキン法(Luthman and Magnusson, 1983)を用いて100mmの培養皿あたり25μgのプラスミドDNAでトランスフェクトした。異なる構築物によって生産された組換えタンパク質の量の差を補正するために、並行してトランスフェクトした35mmの培養皿を100μCi/mlの35S−システイン(Amersham社)の存在下で増殖させた。その後、馴化培地のアリコートをSDS/PAGEで分析し、Ibanezら(1991b)に記載されるように、対応するオートラジオグラムのデンシトメーター走査の後に個々の試料中の組換えタンパク質の量を平衡化した。親NGFタンパク質の絶対量は馴化培地の定量的イムノブロッティングと、精製したマウスNGFの標準品を用いた培養下の交感神経節における生物活性の測定により評価した(Ibanezら, 1990; Ibanezら, 1991b)。次に、これらの分析から得られたデータを使って、変異型タンパク質を含有する試料中のタンパク質濃度を求めた。
パルスチェイスおよび免疫沈降
トランスフェクションの48時間後、細胞をシステイン不含培地で4時間インキュベートした。次に、細胞を1mCi/mlの35S−システインで15分間パルス標識した。標識用培地を2mg/mlの未標識システインを補充した完全培地で置き換えてチェイスを実施した。並行して行ったウェルを異なる時点で回収し、マウスNGFに対するポリクローナルウサギ抗血清(ウサギno.30)を用いて細胞抽出液と馴化培地を免疫沈降させ(Ebendalら, 1989)、以前に記載された(Ibanezら, 1990; Ibanezら, 1991b)ようにして還元条件下でSDS/PAGEにより分析した。
結合アッセイ
マウスNGFをクロラミン−T法により125Iで標識して平均の比活性を3×107cpm/μgとした。ラットのPC12細胞(Greene and Tischler, 1976)、ヒトのA875細胞(Buxserら, 1983)、そしてマウスのrtrk−3T3細胞(Kaplanら, 1991a)は2〜10×106細胞/mlで使用した。定常状態の結合は1.5×10-9Mの125I−NGFおよび等量の親または変異型のNGFタンパク質を含有する馴化培地の連続希釈物を用いて37℃で実施した競合アッセイにより測定した。全成分を同時点で加え、平衡に達した(1〜2時間のインキュベーション)後細胞を遠心分離により回収した。偽トランスフェクトしたCOS細胞から得られた培地を用いて対照実験を行ったところ、馴化培地に含まれる他のタンパク質は125I−NGFの細胞への結合に何の影響も与えないことがわかった。非特異的結合は、少なくとも1000倍過剰モル量の未標識NGFを加えて並行インキュベーションを行うことにより測定した。すべての結果についてこの非特異的結合を補正したが、これは常に総結合の10%未満であった。50%の結合をもたらした変異型および野生型NGFの濃度(IC50)をそれぞれ測定し、次の式:
(変異型IC50/野生型IC50)×100
を用いて相対的結合を算出した。
バイオアッセイ
以前に記載された(Ebendal, 1984; Ebendal, 1989)とおりに移植した9日齢のニワトリ胚の交感神経節を用いて、等量(0.2〜20ng/mlの範囲)の組換えタンパク質を含有する馴化培地の連続希釈物についてその生物活性を調べた。繊維の成長を、精製したマウスNGFにより得られた基準(この場合の1BU(生物学的単位)は約5ng/mlに等しい)と比べて、半定量的スケールのBUで評価した。このスケールで0.5BUを示したそれぞれのNGFタンパク質の濃度を測定し、この濃度を用いて親NGFにより得られた濃度と比べて相対的活性を算出した。
ポリ−D−リシンを被覆した35mmのウェルにまいたPC12細胞を、等量の組換えタンパク質を含有する馴化培地の連続希釈物とともにインキュベートした。さまざまな時間経過後に、2個分の細胞の直径より長い繊維を有する細胞のパーセントを顕微鏡で調べて測定した。
c−fosのmRNAの誘導は、等量の組換え体の親および変異型NGFを含有する馴化培地の希釈物で処理したPC12細胞からの全mRNAの定量的ノーザンブロット分析により測定した。全RNAを以前に記載された(Ibanezら, 1990)とおりに抽出した。10μgの全RNAを0.7%のホルムアルデヒドを含む1%アガロースゲルで電気泳動にかけ、ニトロセルロース膜に移した。次に、フィルターをα−32P−dCTPで放射性標識したラットc−fos遺伝子断片(Curranら, 1987)とハイブリダイズさせ、高ストリンジェンシーで洗浄した。c−fosのmRNAの量をオートラジオグラムのデンシトメーター走査により測定した。
生後1日目のラットから得た上頸神経節の解離したニューロンを、ポリ−D−リシンを被覆した35mmのウェルにて30,000細胞/ウェルの密度で培養した。プレートした時点で等量の組換えタンパク質を含有する馴化培地の連続希釈物を加え、72時間後にニューロンの生存を位相差顕微鏡で調べた。
実施例1
PC12細胞への受容体結合に関与するβ−ヘアピンループ30−34のアミノ酸残基
実験および結果
等量の変異型NGFタンパク質を含有する馴化培地を用いて、NGF応答性の褐色細胞腫PC12細胞系に存在するその受容体から125I−NGFを移動させた。細胞に結合している放射性標識リガンドの80%が低親和性NGF受容体に結合するような濃度(約1.5nM)の125I−NGFを用いて競合的結合アッセイを行った(Sutterら, 1979)。PC12細胞から125I−NGFの50%を移動させるのに要する親および変異型のタンパク質の濃度(IC50)を計算した(表1)。Lys25のArgによる保存的置換、あるいは3個の残基(26、27および29)のいずれか1個のAlaによる置換は、PC12細胞上の受容体へのタンパク質の親和性に何の影響も与えなかった(表1)。しかし、Asp30またはIle31を修飾したときには、結合親和性の3〜4倍の低下が観察された(実施例2、表1、および図4Aを参照のこと)。Ile31をMet(BDNFではこの位置にMetが存在する)(Leibrockら, 1989)で、またはValで置換してIle31の重要性をさらに試験した。興味深いことに、最も保存的な変化(I31V)だけが親のNGFと同様の結合親和性を示した(表1)。顕著な受容体への結合の低下がLys32をAlaで置換したときに見られ、この場合には親和性が親NGFと比べて約6倍低下した(表1および図4A)。Lys34のAlaによる置換およびVal36のLeuによる置換は、それぞれ野生型の50%および45%に結合を低下させた(表1および図4A)。驚いたことに、不完全にプロセシングされたE35A変異体は親に近い結合親和性を示した(表1および図4A)。このことは、NGF生合成の中間体が成熟タンパク質と同程度にNGF受容体に結合し得ることを示している。
考察
NGF二量体の結晶構造の解析(McDonaldら, 1991)から、−鎖の3つのアンチパラレルな対と、異なるNGF関連分子間に観察されたほとんど全ての可変残基を含む4つのループ領域からなる新規な構造が明らかになった。これらのループの1つが本研究で解析された残基に相当し、β−ヘアピンターン(残基30−34)を含む。我々の結果からは、領域25−36の残基がNGF分子の安定性、受容体への結合性、それに生物活性にとって重要であることがわかる(図9A)。
Lys25は構造上重要な役割を果たしていることが明らかになった。というのは、近縁のArgだけがこの位置のLysと置き換わって安定したタンパク質を形成できるが、AlaやGlnは安定したタンパク質を形成できなかったからである。これに合致して、Lys25はNGFタンパク質の正確な折りたたみに重要な残基であるGlu55と側鎖で水素結合していることがその結晶構造から明らかになった(McDonaldら, 1991)。Ala28を欠失させると馴化培地中へのNGFタンパク質の蓄積が妨げられ、このことはこの位置の構造的役割を示すものである。
Glu35のAlaによる置換は23〜34Kの範囲の不完全にプロセシングされたポリペプチドの生産をもたらしたが、これらの変異体は完全なプロセシングを受けた親分子と類似した受容体への結合親和性並びに生物活性を有することがわかった。in vitroで合成された35Kの全長NGFはきわめて低レベルの生物活性しかもたないという知見が以前に示されたことからして、NGF前駆体の活性化には若干のアミノ末端配列の除去が重要でありうることが示唆される(Edwardsら, 1988)。我々の結果からは、さらに、NGFプロペプチドの保存されたドメイン(Suterら, 1991)のほかに、成熟分子の残基も完全にプロセシングされた成熟NGFの生合成においてある役割を担っていることがわかる。
Val36の非極性側鎖をLeuで置換することも、PC12細胞への受容体結合に影響を及ぼすことが判明した。Ile31と対照的に、Val36はNGF単量体の中に深く埋め込まれており、NGFサブユニットの疎水性コアの形成に係わっているようだ(McDonaldら, 1991)。AlaではなくLeuがこの位置のValを置換し得るという知見は、該分子のコアにVal36の疎水性が大いに貢献していることを示し、おそらくこの位置に比較的大きいLeuの側鎖を埋め込むのに必要とされる構造上の再構成によりV36L変異体の結合性の低下が生じたと考えられる。
実施例2
Asp30およびIle31の修飾
実験および結果
変異型NGFタンパク質の生物活性は、最初、E9ニワトリ交感神経節からの神経突起の成長を刺激するその能力を検定することにより調べられた(Levi-Montalcini and Angeletti, 1968; Ebendal, 1984; Ebendal, 1989)。PC12細胞から125I−NGFを移動させるその能力と合致して、変異型のK25R、T26A、T27AおよびT29Aの生物活性はどれも親NGFの活性と類似していた(表1)。Thr残基が、個々に変化させたときに、その修飾を補い得るとする説を検討するために、3個のThr残基が同時にAlaで置換された三重変異体を作製した。ところが、この変異体はトランスフェクトした細胞の培地中に検出可能なレベルで蓄積しなかった(表1)。
D30NおよびI31Aの変異体の場合には生物活性が4倍低下し(表1および図4B)、それぞれの受容体への結合親和性と相関していた(表1)。活性の低下がこれら変異体分子の安定性の低下によるものであるとする説を排除するために(図2C)、c−fosのmRNAの誘導をPC12細胞において試験した。かかる細胞でのc−fosmRNAの最大誘導はNGFへの暴露後30〜45分以内に起こることが知られており(Milbrandt, 1986; Gizang-Ginsberg and Ziff, 1990)、この期間はこれらの分子の概算半減期より20〜30倍短い。PC12細胞を親NGFに暴露してから30分後にc−fosmRNAのピークが検出された(図4C)。D30NおよびI31Aの両変異体は30分後にc−fosmRNAの最大レベルを誘導したが、親NGFの場合に得られた最大レベルより3〜4倍低かった(図4C)。
興味深いことに、PC12細胞への結合親和性が低下した4つの変異体(I31M、K32A、K34A及びV36L)は親NGFと同レベルの生物活性を示した(表1および図4B)。こうして、K32A変異体の場合には、結合の6倍低下が交感神経節におけるその生物活性に影響を及ぼさなかった(図4のAとBを比較のこと)。受容体への結合データと合致して、E35A変異体は、正確にプロセシングされた成熟タンパク質を5%ほどしか含んでいなかったが、親レベルの生物活性を示した(表1および図4B)。
考察
NGFサブユニットには、Asp30を含めて数個の重要な水素結合性の側鎖が埋め込まれている(McDonaldら, 1991)。これらの結果からは、Asp30をAla(Asp30の側鎖からLys34の主鎖への想定上の水素結合を妨げる残基)で置換すると、NGF分子の半減期が約20倍短縮されることが判明した。D30N変異体の低減した回収率並びに半減期は、Asnが効率は低くともこの位置で機能し得ることを示すものである。一方、Gly33の除去またはGly33のアラニンによる置換はNGFタンパク質の回収不能をもたらしたが、おそらくこの分子の安定性が低下したことによるものだろう。この位置のグリシンは、側鎖をもつアミノ酸の許容範囲の外側に主鎖の回転角をもってくることによりターンの形成を可能にする(Sibandaら, 1989)。Asp30およびGly33の変異体に関する結果を合わせて考えると、これらの残基はβ−ヘアピンループ30−34の安定化において構造的役割を果たしていること、そしてそれらの修飾はループのコンホメーションの変化を介して機能的効果を及ぼし得ることが示唆される(図9A)。NGFファミリーの他のメンバーでもこれらの位置が高度に保存されていることから、これらの残基は他の3種のニューロトロフィンでも同様の役割を担っていると考えられる。
30−34のターンの結果として、疎水性のIle31はNGF分子の表面に露出するようになる。この残基をAlaで置換すると、PC12細胞での受容体結合と生物活性の両方が低下した。興味深いことに、Metに置換した後では生物活性だけが救済されて、受容体への結合は低下したままだった。一方、Valに変えた後では野生型の結合と生物活性が見られた。さらに、予備的な結果として、I31A変異体ではp140trkへの結合が5倍低下するが、I31Mでは親レベルであることがわかった。これらの結果を合わせて考えると、p140trkへの結合に相関する生物活性と低親和結合の両方においてIle31の非極性側鎖がある役割を担っていることが示唆される(図9A)。
実施例3
AlaによるLys32、Lys34およびGlu35の同時置換
個々の突然変異が生物活性に何も影響を及ぼさなかった3つの荷電残基Lys32、Lys34およびGlu35をAlaで同時に置換し、これによって3つの位置で荷電側鎖を排除した。興味深いことに、この変異型タンパク質は、これがE35A変異を含んでいたという事実にもかかわらず、十分にプロセシングされたタンパク質として完全に回収された(図3A)。この三重突然変異によりこのタンパク質のPC12細胞への結合は親分子に見られた結合の1%以下に低減した(表1および図4A)。125I−NGFを加える前に細胞を変異型タンパク質とともに2時間プレインキュベーションした場合にも同じ結果が得られた(結果示さず)。しかしながら、交感神経節における三重変異体の生物活性は親NGF活性に近かった(表1および図4B)。
結合の消失がこれらの細胞における生物活性と関連するのか試験するために、PC12細胞中での神経突起の成長を検定した(図5A)。Lys32、Lys34およびGlu35をAlaに個々に変更すると、これらの細胞上のNGF受容体への親和性は異なっていたにもかかわらず、タンパク質の神経突起成長を刺激する能力には有意な変化がなかった。さらに、三重変異体(K32A+K34A+E35A)も、PC12細胞への低親和結合がおおいに低減したにもかかわらず、親の活性を引き出した(図5A)。
結合と生物活性との間に見られる見かけ上の矛盾が、遅い受容体媒介性の分解によるものであるという可能性も検討した。受容体媒介性のエンドサイトーシスを受ける他のペプチドホルモン(すなわちインスリン)に見られるように、長期間試験すると、結合親和性の低減が必ずしも生物活性の低減に結びつかないことがある。結合性が低減する結果、変異体分子は受容体媒介性の分解速度が低くなり、その結果遅いけれども持続する生物活性となり、長期間にわたって総和すると親の濃度に達することができる。この可能性を検討するために、PC12細胞中の初期(c−fos mRNA誘導)および遅い(神経突起成長の刺激)応答の速度論を研究した。結合親和性が低減したにもかかわらず、K32Aおよび三重変異体はいずれも、親分子と同じ時間経過と強度でc−fos mRNAと神経突起成長を誘導した(図5BおよびC)。
実施例4
NGF結合に対するLys32およびLys34突然変異の効果
観察される結合のほとんどが低親和性型となる高濃度の125I−NGF(Sutterら, 1979)を用いて、PC12細胞に対する受容体結合検定を実施した。しかしながら、PC12細胞はp75NGFRおよびp140trk受容体の両方を発現するので(Herrup and Thoenen, 1979; Hosang and Shooter, 1985; Kaplanら, 1991b)、これらの結果からは、変異型NGFがこれら2つの分子のいずれと結合するのかをはっきりと区別することはできない。したがって、変異体K32A、K34A、E35Aおよび三重変異体K32A+K34A+E35Aの、p75NGFRのみを高濃度で発現するヒトメラノーマ細胞系であるA875細胞(Buxserら, 1983)、およびラットp140trkのみを発現する繊維芽細胞系であるrtrk−3T3細胞(Kaplanら, 1991a)への結合親和性を比較した。
Lys32の正に荷電した側鎖をAlaのメチル基で置換すると、この分子のp75NGFRへの結合が親NGFに見られる結合の5%に低減した(表2および図6)。Lys34をAlaに変えると、A875細胞への結合が親のレベルの55%に低減した。しかしながら、Lys32、Lys34およびGlu35を同時置換すると、p75NGFRへの変異型分子の結合が完全に無くなった(表2および図6)。Glu35をAlaに個別変更してもA875細胞への結合親和性に影響はなく(表2および図6)、三重変異体に見られる結合性の消失は、正に荷電したLys32およびLys34残基の修飾によるものであることが示唆される。
p75NGFRへの結合の20倍低減にもかかわらず、K32A変異体はrtrk−3T3細胞上に発現したp140trkへの結合において親NGFと区別できなかった(表2および図6)。同様に、K34AおよびE35A変異体はp140trkへの親の親和性を示した(表2および図6)。興味深いことに、p75NGFRから125I−NGFを置き換えることができない三重変異体はp140trkへの結合性を有意に保持しており、親NGFに見られるレベルの約55%であった(表2および図6)。さらに、NGF分子を含む別の態様において、Lys32、Lys34およびLys95はp75NGFRとの結合に関与する正に荷電した界面を形成する。Lys32を他の2つのリシンのいずれかとともに同時修飾するとp75NGFRへの結合性を消失する。p75NGFRへの結合性はないが、これらの変異体は、PC12細胞のニューロン分化と培養下の交感神経ニューロンの生存によって測定したところ、生物活性とともにp140trkへの結合性を保持している。
実施例5
25−36領域中の残基の修飾はNGF分子の安定性を変更する
ラットNGFのアミノ酸残基25−36の領域中の構造的かつ機能的に重要な残基を特定するために、アラニン−スキャニング突然変異誘発(Cunningham and Wells, 1989)を用いた。この領域は各種脊椎動物間で高度に保存されており(図1A)、NGFファミリーの他のメンバーとの間に50−60%の保存を示す(図1B)。変異型タンパク質をCOS細胞中で一過性に発現させた。受容体結合およびバイオアッセイに用いられた変異型タンパク質の量を標準化するために、変異型タンパク質の生産収率を、トランスフェクションした細胞の馴化培地中における代謝標識ポリペプチドのSDS−PAGEによって評価した。表1に示すように、変異型NGFタンパク質のレベルは10倍の範囲で変化した。変異型NGFタンパク質のうちの5つ(K25A、A28△,D30A、G33△およびV36A)は検出しうるレベルで培地中に蓄積しなかった。興味深いことに、これらの残基は、NGFファミリーの各種異なるメンバーの間で厳密に保存されている領域からの5つの残基に対応する(図1B)。Lys25またはGly33のいずれかをより類似のアミノ酸であるGlnおよびAlaにそれぞれ変えるとタンパク質は全く検出されなかった(表1)。これとは対照的に、D30AおよびV36A変異体は、野生型(wt)タンパク質に見られるよりも低レベルではあったが、それぞれAsnおよびLeuで置換することによって救われた(表1)。Lys25をこの位置における最も保存された置換であると考えられるArgにも変えてみた。この変異体では親タンパク質のレベルの約50%のレベルでNGFタンパク質を検出できた(表1)。
変異体タンパク質の量のバラツキはCOS細胞中におけるタンパク合成、個々のポリペプチドの安定性または分泌の差異によるものかも知れない。これらの可能性を区別するために、パルスチェイス実験を行い、続いて免疫沈降とSDS−PAGEを行った。15分パルスをした後、主要な23Kの親NGF前駆体タンパク質が細胞抽出物から免疫沈降された(図2A)。十分にプロセシングされた成熟13KのNGFは30分のチェイス後に検出され、またほとんどすべての細胞内NGFが3時間後に消失した。細胞内NGFの消失は培地中のNGFの出現と関連し、これはチェイスの6時間後に最高となり、さらに少なくとも14時間このレベルを保持した(図2B)。親NGFよりも3〜4倍低く生産されたI31A変異体(表1)は、親タンパク質とほぼ同量でトランスフェクションした細胞中に蓄積した(図2A)。しかしながら、低レベルのI31A変異体が培地中に検出され、チェイス後の最後の17時間に50%低下が観察され(図2B)、これはI31Aタンパク質の安定性が低下したことを示唆する。同様に、親NGFよりも10倍低レベルで生産された(表1)D30N変異体タンパク質の量は、3時間のチェイス後に有意に減少した(図2C)。さらに、非常に低レベルのD30A変異体タンパク質が3時間のチェイス後に観察されたが、続く12時間で検出できないレベルに減少した(図2C)。I31A、D30NおよびD30A変異体タンパク質の減少した半減期はそれぞれ18、12および3時間であると推定され、これはこれらの変異体の低い収率が馴化培地中におけるこれらのタンパク質の安定性が低いためであることを示唆する。D30NおよびD30A変異体において3時間のチェイス後に見られる非常に低下したピークレベルは、この場合にはタンパク質合成も影響を受けたことを示唆する(図2C)。
実施例6
Glu35のAlaによる置換
十分にプロセシングされた成熟E35A変異体タンパク質が、親NGFの5%に対応するレベルで馴化培地中に検出された(表1)。しかしながら、免疫沈降後、親NGF試料中には非常に弱くしか検出されなかったより高分子量のポリペプチド(23−34Kの範囲)がいくつか観察された(図3A)。免疫沈降前に、1%SDSおよび1.5M NaClの存在下に馴化培地を70℃で前処理してもE35A変異体から免疫沈降されるポリペプチドパターンに影響を与えなかった(データ示さず)ので、これは高分子量ポリペプチドが、E35A変異体と共沈する無関係なタンパク質を表すのではないことを示唆する。むしろ、これらのポリペプチドの大きさは、これらがE35Aタンパク質の生合成における不完全にプロセシングされた中間体を表すことを示唆する。この変異体を用いるパルスチェイス実験によって、このタンパク質の不完全プロセシング形および成熟形はいずれも馴化培地中で非常に安定であることが判明した(図2Cおよび3B)。
実施例7
p75 NGFR 結合に対するLys95変更の効果
実験および結果
Lys32、Lys34および三重変異体を用いる実験の結果は、これら2つの正電荷残基がNGFとp75NGFR分子との間の接触点を形成することを示唆する。NGFの結晶構造をコンピューターグラフィックスで調べたところ、別の正電荷残基であるLys95が空間的にLys32およびLys34と近いことが判明した。他の2つの残基と同様に、Lys95も十分に露出しており、二次相互作用に関与していない。Lys95もp75NGFR分子との接触に関与している可能性を試験するために、この残基をAlaで置換した。二重変異体K32A+K95Aおよび四重変異体K32A+K34A+E35A+K95Aも作製した。K95A変異体は親NGFに比べてPC12細胞への65%結合を示した(図7)。しかしながら、K95AとK32Aとの組み合わせ、またはK95AとK32A+K34A+E35Aとの組み合わせは、PC12細胞への結合性を、親のレベルの0.7%へと劇的に低減した(図7)。PC12細胞への低親和性結合の低減は、A875細胞上で発現するp75NGFRへの結合性の消失と関連する(表2および図7)。四重変異体の場合には、IC50が計算できなかった。しかしながら、p75NGFRとは結合できないにもかかわらず、これらの変異体は繊維芽細胞上で発現するp140trkからの125I−NGFを置換する能力は保持しており(表2および図7)、交感神経ニューロンからの神経突起成長を有意なレベルで促進した(図8A)。
三重変異体K32A+K34A+E35Aおよび二重変異体K32A+K95Aはニューロン生存におけるp75NGFRの役割を検討する可能性を提供する。ラット上方頸部神経節からの解離交感神経ニューロンを用いて培養3日後の生存を試験した。偽トランスフェクションした細胞から得た培地の存在下または普通の培地中では、親NGFまたは精製マウスNGFと比較して、5%以下の細胞が生存した(図8B)。しかしながら、変異型のNGFで処理した培養では、ニューロンの生存程度は、親タンパク質で観察されたのと同程度であった(図8B)。
考察
NGFの結晶構造により、β−ヘアピンループ30−34の近くまたはその周囲に、露出された正に荷電した側鎖のかたまりがあることが判明した(図9BおよびC)。(McDonaldら, 1991)。p75NGFRで観察される全体としての高い負電荷(pIが4.4と推定される)(Radekeら, 1987)は、この領域における高塩基性NGF二量体(pI 9.3)からの相補的イオン相互作用を必要とするのかも知れない。ここに提示する結果は、これらの正に荷電したアミノ酸残基が、NGFとp75NGFRとの間の主要接触点として作用するという考えを強く支持する。幾つかの証拠がこの仮説を支持する:第一に、結晶構造で判明したように、Lys32、Lys34およびLys95は高度に露出されており(側鎖溶媒接近性50−70%)、その側鎖は分子中で構造的役割をもっていない(McDonaldら, 1991)。第二に、ここで示すように、Lys32をAlaで置換すると、低親和性結合条件下におけるPC12細胞上の受容体に対する変異体の親和性が6倍低減した。第三に、Lys32、Lys34およびGlu35の同時置換は、PC12細胞への低親和結合を親NGFで見られる結合の1%以下にさらに低減した。Glu35をAlaで置換しても結合親和性に変化はなかったので、これはE35A変異によるものではなかった。第四に、Lys95の置換はK32Aと組み合わせると相乗効果を示し、PC12細胞への結合をほとんど検出できないレベルにまで低減した。第五に、すべての場合において、PC12細胞への低親和性結合の消失は、A875細胞上で発現するp75NGFRへの結合の消失と関連する。三重変異体K32A+K34A+E35Aおよび二重変異体K32A+K95Aの場合には、p75NGFRへの結合はそれぞれ完全に無くなったか、150倍低減した。第六に、p75NGFRへの結合の消失にもかかわらず、すべての変異型NGFはp140trkへの結合性と生物活性を保持しており、これは低親和性結合の消失が変異型タンパク質のコンホメーションの劇的変化によるものではないことをさらに示している。
多重リシン変異体で観察される相乗効果は、これら正のp75NGFR残基が協同してp75NGFRへの結合の界面を形成することを示唆する(図9BおよびC)。Lys32が最も強い接触を形成し、次いでLys34およびLys95が続き、これらがおそらくはK32A変異体に見られる残余結合の原因である。以前に検討されたArg100およびArg103(Ibanezら, 1990)およびおそらくはLys88などの正電荷残基もさらに結合界面に寄与しているのかも知れない(図9BおよびC)。K32A+K34A+E35AおよびK32A+K95A変異体におけるp75NGFRへの結合の消失は、p75NGFRとの安定な接触を提供するためにはNGF分子の表面での最小数の正電荷が必要であることを示唆する。このモデルは、他のタイプの接触、例えば疎水性残基Ile31がNGFとp75NGFRとの会合の安定化に寄与する可能性を排除するものではない。
公知の別の3つのニューロトロフィンも低親和性NGF受容体と結合できる(Roderiguez-Tebarら, 1990; Ernforsら, 1990; Squintoら, 1991; Hallbookら, 1991)。Lys95はこれまでに記載した4つのタンパク質すべてに保存されており、NT−3およびNT−4ではLys32がArgで置換されており、もう1つの正電荷アミノ酸残基であるLys34もNT−4で保存されている。しかしながら、BDNFにおいては、Lys32およびLys34はそれぞれSerおよびGlyで置換されている。興味深いことに、BDNFでは残基93−96の空間的に近接したループが3つの連続した正電荷残基を有しており、これがLys32およびLys34の不在を補償しているのかも知れない。この仮説を支持するものとして、残基23−35(可変領域I)をBDNFの対応する残基(Ibanezら, 1991a)で置換したキメラNGF分子はPC12細胞への低親和性結合を10倍低減した。可変領域IおよびBDNFからの残基94−98(可変領域V)の両方を含む別のキメラ分子では低親和性結合が回復したので、これはBDNF中の95、96および97の位置での3つの正電荷残基がLys32およびLys34の不在を実際に補償しているということを示唆する。NGFとBDNFはいずれもp75NGFRとの結合において等しく競合しているように思われるが、この受容体はまた2つのリガンドの差を認識してもいるのであり、これがBDNFの場合には、正の協同性と遅い解離速度となって現れる(Rodriguez-Tebarら, 1990)。したがって、BDNFとNGFはp75NGFRによって類似の構造として認識されても、同一の構造として認識されるのではない。これらの結果は、NGFとBDNFとの間で観察される差異の構造的説明を提供するし、また他のニューロトロフィンも同じ領域によってp75NGFRと相互作用することを示唆する。
本発明はここに記載する特定の態様によって限定されない。実際、これまでの記載ならびに添付の図面に基づいて、ここに記載するものに加えて、本発明の各種修飾が当業者には自明である。このような修飾は添付の請求の範囲に包含される。
Figure 0003694523
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配列表
(2)配列番号1に関する情報
(i)配列の特徴
(A)長さ:12アミノ酸
(B)型:アミノ酸
(C)鎖の型:1本鎖
(D)トポロジー:未知
(ii)分子の型:ペプチド
(xi)配列の記載:配列番号1
Figure 0003694523
(2)配列番号2に関する情報
(i)配列の特徴
(A)長さ:12アミノ酸
(B)型:アミノ酸
(C)鎖の型:1本鎖
(D)トポロジー:未知
(ii)分子の型:ペプチド
(xi)配列の記載:配列番号2
Figure 0003694523
(2)配列番号3に関する情報
(i)配列の特徴
(A)長さ:12アミノ酸
(B)型:アミノ酸
(C)鎖の型:1本鎖
(D)トポロジー:未知
(ii)分子の型:ペプチド
(xi)配列の記載:配列番号3
Figure 0003694523
(2)配列番号4に関する情報
(i)配列の特徴
(A)長さ:12アミノ酸
(B)型:アミノ酸
(C)鎖の型:1本鎖
(D)トポロジー:未知
(ii)分子の型:ペプチド
(xi)配列の記載:配列番号4
Figure 0003694523
(2)配列番号5に関する情報
(i)配列の特徴
(A)長さ:12アミノ酸
(B)型:アミノ酸
(C)鎖の型:1本鎖
(D)トポロジー:未知
(ii)分子の型:ペプチド
(xi)配列の記載:配列番号5
Figure 0003694523
(2)配列番号6に関する情報
(i)配列の特徴
(A)長さ:12アミノ酸
(B)型:アミノ酸
(C)鎖の型:1本鎖
(D)トポロジー:未知
(ii)分子の型:ペプチド
(xi)配列の記載:配列番号6
Figure 0003694523

Claims (8)

  1. 変異型の神経栄養因子であって、野生型の神経成長因子(NGF)を含み、そのアミノ酸32、34および95の少なくとも1つのアミノ酸がアラニンで置換されており、該置換が、野生型の神経栄養因子と比較して上記変異型の神経栄養因子のp75NGFRへの結合能を低減させるものであるが、上記変異型の神経栄養因子はp140 trk 受容体との結合能は維持している、上記変異型の神経栄養因子。
  2. 置換がLys32の置換である請求の範囲1項記載の変異型の神経栄養因子。
  3. 置換がLys34の置換である請求の範囲1項記載の変異型の神経栄養因子。
  4. 置換がLys95の置換である請求の範囲1項記載の変異型の神経栄養因子。
  5. 置換がLys32およびLys34の置換である請求の範囲1項記載の変異型の神経栄養因子
  6. 置換がLys95およびLys32の置換である請求の範囲1項記載の変異型の神経栄養因子
  7. 置換がLys32、Lys34およびLys95の置換である請求の範囲1項記載の変異型の神経栄養因子
  8. a)野生型の神経成長因子(NGF)のアミノ酸32、34および95にある少なくとも1つのアミノ酸をアラニンで置換し;そして
    b)野生型の神経成長因子と実質的に同じ生物活性を示す因子を選択することからなる、p75NGFRへの結合能が低減した神経成長因子を選択する方法。
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