JPH08509762A - 水銀の除去方法 - Google Patents

水銀の除去方法

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JPH08509762A JP6524121A JP52412194A JPH08509762A JP H08509762 A JPH08509762 A JP H08509762A JP 6524121 A JP6524121 A JP 6524121A JP 52412194 A JP52412194 A JP 52412194A JP H08509762 A JPH08509762 A JP H08509762A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、吸着剤を利用してクラッキング装置への供給材料から水銀および/または他の重金属を除去する方法に関する。この方法は、供給材料を磁気濾過にも供することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】 水銀の除去方法 本発明は、吸着剤を利用してクラッキング装置への供給材料から水銀および/ または他の重金属を除去する方法に関する。 このような方法は、US-A-4,950,408に開示されている。それは硫黄 含有吸着剤を利用して非極性の有機媒体および特にガス凝縮液などのクラッキン グ装置への供給材料から水銀を如何にして除去するかについて記載している。こ れは、クラッキング工程および分解製品の改良の際に水銀から発生する問題を緩 和、または、好ましくは回避するために行われる。水銀は、金属(分解製品をさ らに改良するような部門に存在するアルミニウム含有設備など)の腐食を起こし 、触媒を被毒させ、この工程をさらに低下させることが知られている。加えて、 水銀は極めて毒性であり、このことは人々および/または環境と直接的な接触を できる限り回避すべきであるという理由である。 水銀の他に、このようなクラッキング装置への供給材料は、他の重金属をも含 有している。このような供給材料が不純物として多数の重金属を含有しうること は、例えば、US-A-4,911,825から知られている。そして、これら金属 は、一般的に、有機金属錯体の形で存在する。重金属としては、ここでは、ニッ ケル、バナジウム、ヒ素、クロム、鉛、コバルト、銅および亜鉛が挙げられる。 上記文献には、すでに、クラッキング装置への供給材料中に、しばしば低濃度 (例えば、10〜10,000ppb(百万分率)のオーダーの濃度)で生じる これら金属の1種またはそれ以上を除去する多くの試みが記載されている。例え ば、上記の特許出願およびそれらに含まれている引用文献の両方を参照されたい 。 出願人は、吸着剤を利用してクラッキング装置への供給材料から水銀および/ または他の重金属を除去する方法が、いかなる場合にも、満足な結果を与えず、 処理されたフィードが依然として非常に高い含量の水銀および/または他の重金 属を有することを見い出した。 本発明による方法は、この解決手段を与える。それは、クラッキング装置への 供給材料を磁気濾過にも供することを特徴とする。 科学的に正しい説明を明らかにするものではないが、出願人は、その発明の結 果がクラッキング装置への供給材料中における固休の磁性不純物および/または 磁化可能な不純物を捕捉することによるものと推定している。これまでに遭遇し た場合では、除去すべき水銀または他の重金属は、少なくとも部分的には、この ような固体不純物に付着していると思われ、それゆえ、もはや吸着剤によって効 果的に除去することはできない。 磁気濾過の適用は、このような磁性不純物および/または磁化可能な不純物の 除去をもたらし、かくして、より高い捕捉効率をもたらす。 付加的な結果として、本発明による方法は、炭素質の付着物の生成減少によっ てクラッキングエ程における設備の汚染減少をもたらす。 水性の流れから磁化可能な不純物を除去することは知られている。この点に関 しては、フィルトレイション・アンド・セパレイション・ジャーナル(Filtrati on and Separation journal)、7/8月1976年、363-377頁中のアール・アール・ オーダー(R.R.Oder)およびビー・アイ・ホルスト(B.I.Horst)による論文 「ウェイスト・ウォータープロセッシング・ウィズ・エイチ・ジー・エム・エス (Waste waterprocessing with HGMS)(ハイ・グラディエント・マグネティッ ク・セパレイターズ(High Gradient Magnetic Separators))」を参照すれば よい。 しかしながら、関連の文献は、吸着剤を用いたクラッキング装置への供給材料 からの水銀および/または他の重金属の低い捕捉効率は、このような供給材料中 における固体の磁性不純物および/または磁化可能な不純物の存在が原因である という事実について、いかなる指摘も与えない。 この方法は、好ましくは、適用される吸着処理の前に、供給材料をまず磁気濾 過に供するように適用される。 磁気濾過の考え得る具体例は、磁化可能な、または、好ましくは強磁性の充填 材料(スチールウール、スポンジ状の鉄など)を充填したカラムからなる。この カラムは、その外側に磁石、好ましくは電磁石が設けられる。上記文献に記載の ように、このような具体例では、0.01〜10テスラの磁場強度において、極 めて高い磁場勾配(10〜100百万ガウス/cm)を適用することができる。 小さい分散した固体不純物(このような固体不純物の粒子サイズは0.1〜1 00μm(それ以上の場合さえある)のオーダーである)の捕捉効率を向上させ るためには、磁気濾過の他に、さらに精密濾過を適用することが好ましい。後者 は、当業者に知られた技術であるが、通常、メンブレン濾過として実施される。 その主要な目的は、小さいサイズ(0.1〜10μ)ゆえに、磁気濾過では部分 的にしか捕捉されない小さい粒子を除去することである。従って、精密濾過は、 磁気濾過の後に実施するのが好ましい。精密濾過だけを用いても、高い除去効率 が可能であるが、それは次のような問題点を有する。 −比較的大きい濃縮液の流れを維持する; −メンブレンを境として高い圧力の低下を適用しなければならない; −大きいフィルター面積を必要とする。 固体不純物を除去する別の可能性、すなわち沈殿法は、類似の問題点を有する 。このような方法には、デカンター遠心分離機が採用されるが、これは連続的に 操作してもよい(その場合、沈殿は、アルキメデス型スクリューによってドラム からかき出される)。しかしながら、これらの機械は、エネルギー消費量が高く 、維持するのに経費がかさむ。上記の問題点は、精密濾過の後に磁気濾過を適用 することによって、充分に解消される。 磁性フィルターは、好ましくは、磁場を切り、ガスまたは液体で洗い流すこと によって、定期的に再生される(すなわち、フィルター上に捕捉された固体物質 が除去される)。磁場を消失させること(磁石を移動させるか、あるいは好まし くは、適用した電磁石のスイッチを切ることによって達成すればよい)によって 、捕捉された固体物質を磁性フィルターから容易に除去し、さらに別の処理のた めに採取することができる。 この方法は、厄介な上記の重金属を含有するいかなる種類のクラッキング装置 への供給材料に適用してもよい。その例としては、ガス凝縮液、ナフサ、LNG (液体天然ガス)が挙げられる。 供給材料の種類(この場合、揮発性および粘度が役割を果たす)に応じて、こ の方法を実施する温度は、−50〜+150℃、より好ましくは−30〜+12 0℃、さらにより好ましくは0〜60℃の間で変化しうる。 この方法は、主として水銀および/またはたの重金属をクラッキング装置への 供給材料から除去するいかなる方法にも適している。特に、メルカプト基または ポリスルフィド基の形で、あるいは、金属硫化物の形で硫黄を含有する吸着剤を 用いる方法に適している。 メルカプト基を採用する吸着法は、US-A-4,950,408に広範囲に記載 されている。ポリスルフィド基を有する吸着剤は、例えば、強塩基性イオン交換 体を硫化(水素)アルカリ金属および元素硫黄の混合物で処理することによって 得ればよい(例えば、US-A-4,843,102を参照)。金属硫化物を吸着剤 として用いることに関しては、例えば、担体上の硫化銅を用いるUS-A-4,0 94,777を参照されたい。他の硫黄含有吸着剤は、特に、NL-A-7,613 ,998およびUS-A-4,911,825に記載されている。このような作用剤 は、通常、担体物質を有するが、それは高分子類(例えば、ジビニルベンゼンで 架橋したポリスチレン)または無機質(例えば、アルミナ、シリカ、ゼオライト 、活性炭)のいずれであってもよい。(室温での)高い粘度ゆえに、高温で処理 するのが好ましいクラッキング装置への供給材料の場合、一般に高分子担体より 温度感受性が低い無機の担体物質を適用するのが有利である。 クラッキング装置への供給材料が磁化可能でない固体を含有していれば、磁化 可能な成分または磁性成分を化学凝固剤(FeCl3など)と組み合わせてクラ ッキング装置への供給材料に添加することによって、水銀および/または他の重 金属の除去効率が増大することがある。 そうすることにより、結局、磁気濾過によって不純物を捕捉することができる 。磁化可能な成分または磁性成分としては、例えば、コバルトフェライト、バリ ウムフェライト、マグネタイト、ニッケルフェライト、フェライト磁石を用いれ ばよい。好ましくは、マグネタイトが磁化可能な成分または磁性成分として用い られる。さらに詳しいことについては、「フィルトレイション・アンド・セパレ イション(Filtration and Separation)」中における上記の文献を参照された い。 以下、本発明方法を実施例および比較実験に基づいて説明するが、これらは本 発明を例示するためのものであって、決して限定するものであると見なしてはな らないことを強調しておく。 実施例1 実験用の装置は、以下の要素から構成されていた。 a)約10%の充填度でスチールウール(直径20〜40μm)を充填した長 さ30cm、直径1cmのカラムからなる磁性フィルター。0.2テスラの外部 磁場を印加した。 b)ローム・アンド・ハース(Rohm & Haas)から供給されるメルカプト基含 有吸着剤のIMAC SM 1Rを充填した長さ16cm、直径2cmの吸着カラ ム。 平均約350ppbの水銀および約10,000ppbの鉄を含有するガス凝 縮液を、室温、0.2l/hの流量で上記装置に通過させた。実験を通じて(5 0日間)、平均の水銀排出濃度は、常に10ppbまたはそれ以下であった。比較実験A 実施例1と同様の供給材料を同様の条件下で吸着カラムにだけ通過させた。水 銀の捕捉効率は約65%であった。 実施例2 上記装置に、メッシュ幅0.5μm、濾過面積28cm2のメンブレンセルから なるマイクロフィルターを追加し、磁気濾過と吸着カラムとの間に挿入した。実 施例1を繰り返した。75日間にわたる平均の水銀排出濃度は、5ppbまたは それ以下であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AU,BB,BG,BR,BY,CA, CN,CZ,FI,GE,HU,JP,KG,KP,K R,KZ,LK,LV,MD,MG,MN,MW,NO ,NZ,PL,RO,RU,SD,SI,SK,TJ, TT,UA,US,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.吸着剤を利用してクラッキング装置への供給材料から水銀および/または 他の重金属を除去する方法であって、供給材料を磁気濾過にも供することを特徴 とする方法。 2.さらに精密濾過を適用することを特徴とする請求項1記載の方法。 3.磁性フィルターとしての強磁性材料を充填したカラムを磁気濾過に適用す ることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の方法。 4.磁場を切り、ガスまたは液体で洗い流すことによって、磁気濾過に適用さ れる磁性フィルターを定期的に再生することを特徴とする請求項1〜3のいずれ か1項記載の方法。 5.−30℃〜120℃の温度を適用することを特徴とする請求項1〜4のい ずれか1項記載の方法。 6.吸着剤が、メルカプト基、ポリスリフィド基または金属硫化物の形で硫黄 を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。 7.磁性成分または磁化可能な成分を化学凝固剤と組み合わせてクラッキング 装置への供給材料に添加することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載 の方法。 8.磁性成分または磁化可能な成分としてマグネタイトを用いることを特徴と する請求項7記載の方法。
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