JPH08508875A - 蛋白分泌細胞の流加回分培養法 - Google Patents

蛋白分泌細胞の流加回分培養法

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JPH08508875A JP5519133A JP51913393A JPH08508875A JP H08508875 A JPH08508875 A JP H08508875A JP 5519133 A JP5519133 A JP 5519133A JP 51913393 A JP51913393 A JP 51913393A JP H08508875 A JPH08508875 A JP H08508875A
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Abstract

(57)【要約】 有用蛋白発現遺伝子を導入したヒト胎児腎細胞由来293株を培養して有用蛋白を産生する方法において、培養の或る特定の段階において、糖または糖およびカルシウム塩を添加する流加回分培養方法によって、有用蛋白を高い濃度で含有する培養液を得ることができ、また有用蛋白当り極めて少ない培地の使用量で有用蛋白を得ることが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】 蛋白分泌細胞の流加回分培養法 産業上の利用分野 本発明は、有用蛋白を細胞に分泌させることによる有用蛋白の産生方法に関す る。更に詳しくは、本発明は、有用蛋白を発現するように形質転換したヒト胎児 腎由来293細胞を培養し、目的とする有用蛋白を高い濃度で含有する培養液を 得て、その培養液から有用蛋白を回収する方法に関する。 従来の技術 動物細胞の培養による有用蛋白、特に生理活性蛋白の産生は広く行なわれてい る。殊に或る有用蛋白を分泌するように形質転換した動物細胞を培養して有用蛋 白を産生する方法は、或る種の有用蛋白の生産のためには不可欠の技術である。 動物細胞は、バクテリアや酵母と比較して翻訳し修飾する能力は優れている。 しかし動物細胞を培養した場合、得られる培養液中の蛋白濃度は低く、培地およ び精製のコストは相対的に高くならざるを得ない。従って動物細胞の培養による 有用蛋白の産生において培養液中への有用蛋白の分泌濃度の向上は、工業的に重 要である。 単純回分培養方法においては、主に栄養分の枯渇により細胞の増殖がある時点 で停止し、蛋白の分泌も停止するに至る。この単純回分培養方法を改善するため に、枯渇栄養素、例えば糖、アミノ酸或いは新しい培地を、培養の途中から連続 的または間欠的に追加的に添加する所謂流加回分培養方法が実施されている。 本明細書において、単純回分培養方法とは培養槽中に細胞および培地を導入し て培養を開始し、培養が終了するまで栄養素の一部または全部、或いは新しい培 地を実質的に加えないで培養する方法を意味し、また“流加回分培養方法”とは 、培養槽中に細胞および培 地を導入して培養を開始し、培養が終了までの途中の段階で培養槽中へ栄養素の 一部または全部或いは新しい培地を連続的或いは間欠的に添加するが培養槽から は培養液を実質的に取り出さないで培養する方法を意味する。 流加回分培養方法は単純回分培養方法に比較して培養期間が延長され、高い細 胞密度と生産物(蛋白)濃度が得られることは知られてる(J.B.Griffith,An imal Cell Culture and Production of Biologicals,pp.401-410,Kluwer Aca demic Publishers,R.Sasaki and K.Ikura(eds.)(1991),S.Reuveny et al,J.Immunol.Methods,86,53(1986),S.Reuveny et al,J.Immunol. Methods,86,61(1986))。J.B.Griffithは典型例として上記文献で下記表 1のような比較を示している。 前記 S.Reuveny et alは、前記した文献の後者において単純回分培養と流加 回分培養とを比較している。この比較実験は下記条件で行われている。(1)ハ イブリドーマ細胞を100mlの培地中3×105cells/mlの密度で播種し8 日間培養する単純回分培養と、(2)60mlの培地に3×105cells/mlの 密度でハイブリドーマ細胞を播種し2日後の約1×106cells/mlになった後 、6mlの新しい培地を加え、その後毎日1回6mlの新しい 培地を追加して8日間培養する流加回分培養の結果が示されている。抗体の産生 量は、単純回分培養では15mg/l/日であるのに対し、流加回分培養では2 7mg/l/日であることが示されている。このようにS.Reuveny et alは、流 加回分培養により、単純回分培養により約1.8倍の生産性(antibody)の増加 を教示している。 このように流加回分培養方法は単純回分培養方法に比較して細胞密度及び蛋白 濃度を増加させることができる、しかし培地コストの観点からは細胞増殖は或る 段階ではむしろ抑制されて高い蛋白生産性が長く維持された方が好ましい。流加 回分培養方法ではエネルギーが細胞増殖に多く消費される傾向にある。それ故充 分に細胞が生育した後に細胞増殖を抑制してエネルギーを物質蛋白生産の方向に 向けることができれば培養液中への蛋白濃度はさらに高くなると期待される。し かし安価で効果的な方法は報告されていない。 一方、ヒト胎児腎細胞由来の293細胞、ハムスター由来のBHK細胞、ハム スター由来のCHO細胞或いはこれらの形質転換細胞の如き動物性接着性細胞を 無血清培地中でサスペンション状態で連続的に培養する方法において、培養液中 のカルシウムイオン濃度を0.002mM〜0.3mMの低濃度に維持する方法は 、ヨーロッパ特許公開第0343635A2により公知である。この方法はカル シウムイオン濃度を前記低いレベルに維持することにより、前記動物性接着細胞 をサスペンション状態に維持し連続的に培養する方法であり、この方法では培養 器への新しい培地の供給および培養器からの古い培地の取りだしを連続的或いは 間歇的に行なう所謂潅流−サスペンション培養法である。従ってこの方法では接 着性細胞を高密度状態で且つサスペンション状態で極めて長期間培養することが できるが、細胞が分泌する有用蛋白を蓄積させ高い濃度で得ることは困難であり 、また有用蛋白に対する培地のコストは可成り高くなる傾向がある。 発明が解決しようとする課題 本発明の第1の目的は、所望の有用蛋白を分泌するように形質転換された29 3株をサスペンション状態で流加回分培養法により培養する改良法を提供するこ とにある。 本発明の第2の目的は、流加回分培養法において、初期の段階では前記細胞株 の増殖を行なわせ、細胞密度が或るレベルに達した段階からは細胞の増殖を実質 的に抑制し、その後長期間培養を維持しつつ有用蛋白の分泌を継続させる方法を 提供することにある。 本発明の第3の目的は、前記細胞株を流加回分培養法において培養する場合、 得られる有用蛋白当り、少ない培地の使用量で培養する方法、つまり培地コスト の低減化された方法を提供することにある。 本発明の第4の目的は、前記細胞株を流加回分培養法において、サスペンショ ン状態で培養し、しかも長期間安定して培養し、高濃度で蓄積された有用蛋白含 有培養液を得る方法を提供することにある。 本発明の他の目的は、目的とする有用蛋白を効果的に有利に分離しうる程度に 、高濃度で有用蛋白を含有する培養液を得る工業的プロセスを提供することにあ る。 本発明のさらに他の目的は、プロティンC、活性化プロティンC、またはそれ らと同様の生理活性を有する蛋白を高濃度で得る培養プロセスを提供することに ある。 本発明のさらに他の目的は、以下の説明から一層明らかとなるであろう。 課題を解決するための手段 本発明者らの研究によれば、前記本発明の目的および利益は、有用蛋白発現遺 伝子を導入したヒト胎児腎細胞由来293株をサスペンション状態で培養して有 用蛋白を産生する方法において、 (a)該培養は、5×104〜5×105cells/mlの細胞密度で開始し、 (b)培養器中の細胞密度が播種した細胞密度よりも3倍以上であり且つ5× 105〜5×106cells/mlの範囲に細胞密度が到達した任意の時期に、培養 器中に糖を1〜7g/lの濃度となる量添加し、 (c)培養液中のpHの実質的低下を抑制しながら培養器中の有用蛋白の濃度 の実質的上昇が認められなくなるまで培養を継続し、しかる後培養を停止し、そ して (d)培養器から培養液を取り出し、培養液から有用蛋白を回収する、 ことを特徴とする前記293株からの流加回分培養方法による有用蛋白の産生方 法によって達成されることが見出された。 前記本発明方法によれば、流加回分培養法に従って蛋白生産を行うに当り29 3株を選択し、且つ培養の或る段階において、一定量の糖を添加するという簡単 な手段によって、糖を途中で添加しなかった場合に比べて少なくとも6〜7倍の 高い濃度で有用蛋白を含む培養液が得られる。また流加回分培養方法において通 常実施されているように、培養の途中で新しい培地を追加的に添加する方法と比 較しても、本発明方法は数倍の量の有用蛋白を得ることができる。 この理由は、明確ではないが、この現象は培養の途中で添加される糖に対する 293株の固有の特性に起因しているものと推察される。 また、本発明者の別の知見によれば、293株の培養を低い濃度のカルシウム イオンを含む培地中で開始し、培養の或る段階において糖の添加と共にカルシウ ムを添加することにより、一層多量に有用蛋白を分泌させることが可能となるこ とが見出された。この別の知見では、カルシウムの添加によって細胞の増殖が実 質的に抑制され、有用蛋白の分泌がさらに促進されるので、有用蛋白をより多量 に得ることが可能となる。 かくして本発明の別の態様よれば、有用蛋白発現遺伝子を導入したヒト胎児腎 細胞由来293株をサスペンション状態で培養して有用蛋白を産生する方法が提 供される。すなわち、 (i)該培養は、カルシウムイオン濃度が0.002〜0.25mMの培養液中で 、5×104〜5×105cells/mlの細胞密度で開始し、 (ii)培養器中の細胞密度が播種細胞の密度よりも3倍以上であり且つ5×105 〜5×106cells/mlの範囲に到達するまで細胞増殖を行なわせ、 (iii)次いで、培養液中において細胞密度の増加が実質的に抑制され且つ有用 蛋白の産生が維持されるように培養液中に糖およびカルシウムを添加し、 (iv)培養器中における有用蛋白の濃度の実質的上昇が認められなくなるまで培 養を継続し、しかる後培養を停止し、そして (v)培養器から培養液を取り出し、培養液から有用蛋白を回収する、 ことを特徴とする前記293株からの流加回分培養方法による有用蛋白の産生方 法が提供される。 以下本発明方法についてさらに詳細に説明する。 本発明方法において培養の対象となる細胞株は、ヒト胎児腎細胞由来293株 の形質転換体である。このヒト胎児腎細胞由来293株はそれ自体公知であり、 例えばATCCに寄記番号CRL1573として寄記されており入手容易な細胞 株である。本発明方法においてはこの293株中に有用蛋白発現遺伝子を導入し た形質転換体を培養する。この293株の形質転換体は目的とする有用蛋白が分 泌されるように遺伝子を組込まれた細胞株である。有用蛋白としては種々の生理 活性を有する蛋白であることができる。有用蛋白としては、Gla蛋白であるこ とができる。かかるGla蛋白とはGl a−ドメイン(domain)を有する蛋白であり、その例としては例えばプロティン C、活性化プロティンC、第7因子(Factor VII)、第9因子(Factor IX) 、第10因子(Factor X)、プロトロンビン(Prothrombin)、オステオカル シン(Osteocalcin)、プロティンSおよびプロティンZなどが挙げられる。 特に本発明方法は、目的有用蛋白としてはヒトプロテインC、活性化ヒトプロ テインC、それらと同様の生理活性を有する蛋白またはそれらの前駆体蛋白を産 生させる場合に適している。ここで前駆体蛋白とは、蛋白の部分的変換、開裂、 或いは削除などの操作(processing)によりヒトプロテインC、活性化ヒトプロ テインCまたはそれらと同様の生理活性を有する蛋白に転換されるものと云う。 ヒトプロテインCまたは活性化ヒトプロテインCを発現する293株は、それ 自体知られており、その公知の293株形質転換体は、本発明方法に適用できる 細胞株として適している(例えば米国特許第4,968,626号およびEP31 9944A2号明細書参照)。 本発明方法は前記293株の形質転換体をサスペンション状態で流加回分方法 によって培養する。その際、使用される培養器は、通常回分培養において使用さ れる容器、例えばタンク型容器であればよい。293株の形質転換体は接着性細 胞株であるので、培養器内において細胞をサスペンション状態に維持するために 、培養は攪拌下に行なわれる。そのため培養は通常の攪拌培養(stirred cultur e)方式によって実施される。 培養器中には攪拌手段と共に酸素供給手段が備え付けられている。酸素は、酸 素ガスまたは空気の吹き込みによってまたはガス透過性の多孔性チューブを使用 して供給することができる。多孔性チューブとしてはテフロンRチューブまたは シリコンチューブが推奨される。培養液中に、約2〜5ppm、望ましくは約3 ppmの溶存酸素量が維持されるように酸素が供給される。 本発明方法に使用される培地(culture medium)としては、種々の培地である ことができる。現在よく知られ且つ広く使用されている合成培地を基礎培地とし て使用することができる。かかる基礎培地としてはRPMI−1640(RPM I−1640medium)、MEM(Eagle's minimum essential medium)、DME (Dulbecco'smodification of Eag1e's medium)、Isocove(Isocove's modific ation of Dulbecco's medium)、199(199medium)、F10(Ham's F1 0medium)およびF12(Ham's F12medium)などが挙げられる。これら基礎 培地はいずれも市販されており入手容易である。 これら培地の一種または二種以上を適宜組合せて使用され、また各種アミノ酸 、ビタミン類、無機塩およびグルコースを追加的に添加して変性させて使用する ことができる。 本発明方法は無血清培地を使用することができその方が培地コストの低減のた めに望ましい。血清を加えた培地を使用することもできるが、培地コストが一般 的に高くなるので血清を加えることによる利点は少ない。もし血清を加える場合 でもその量は、高々5容量%、好ましくは高々3容量%に止めることが望ましい 。 本発明方法は無血清培地を使用して実施するのが工業的に有利である。その場 合基礎培地として“eRDF”培地を使用することができる。このeRDF培地 は前記PRM1−1640medium、Ham's F12mediumおよび Dulbecco's modi fication of Eagle's mediumを2:1:1の割合で混合しさらにブドウ糖、アミ ノ酸などを加えた培地であり、それ自体よく知られた培地である(Monoclonal A ntibodies:Production and App1ication,pp.107-141 Alan R.Liss,Inc.198 9 and Hiroki Murakami“Serum-Free Media Used for Cultivation of Hybridom as”参照)。 前記基礎培地やeRDF培地は、通常カルシウムイオンを約0.3mM以上、 特に約0.5mM〜約2mM含有している。 本発明方法で、前記基礎培地に、さらに増殖因子、例えばITES(インスリ ン、トランスフェリン、エタノールアミンおよび亜セレン酸ナトリウムの混合物 )を加えることは望ましいことである。 前述したように、本発明方法を低い濃度のカルシウムイオンを含む培地を使用 して培養を開始することは好ましい実施態様の1つである。このような低い濃度 のカルシウムイオンを含む培地(以下“低Ca培地”略称することがある)とは 、カルシウムイオンを0.0025〜0.25mM、好ましくは0.05〜0.2m M含有する培地を意味する。 前記した基礎培地は、多くの場合前記低Ca培地よりも高い濃度のカルシウム イオンを含有しているので、低Ca培地は、カルシウム塩を含有していないか、 或いは含有量が極めて少ない培地を特別に調製して使用するべきである。かくし て、eRDF組成を基礎培地として低カルシウム濃度に調製したものを使用する ことは望ましいことである。 本発明の流加回分培養方法は、培養器中の培地に293株形質転換体を播種し て培養を開始する。その際5×104〜5×105cells/mlの範囲の密度、好 ましくは8×104〜3×105cells/mlの範囲の密度で細胞を播種すること が有利である。前記範囲よりも播種密度が低いと、所望の密度に達するまでに時 間を要し、まだその密度に達しないまでに栄養分が可成り消費されるので、目的 とする有用蛋白を効率的に得ることが困難となる。一方前記範囲よりも高い播種 密度の場合は、培養の前に多量の細胞を培養しておくことが必要であり経済的に 不利である。 かくして培養を開始し培養を継続すると、次第に細胞密度が高くなり、それに 従って有用蛋白の濃度も増加するが、さらに培養を継続すると、やがて細胞密度 は最大値となる。その後細胞は死亡し、培養は停止するに至る。 本発明方法は培養を開始し細胞密度が播種時の密度の3倍以上で あり且つ5×105〜5×106cells/mlの範囲の任意の時期に到達した時点 において、培養器中に糖を添加する。この糖は、播種時の細胞密度の4倍以上で あり且つ8×105〜3×106cells/mlの範囲の細胞密度になった任意の時 点で添加するのが特に好ましい。 さらに糖の添加時期は、上記のように細胞密度の変化を調べて決めると共に、 培養器中の糖濃度の変化を調べて決めるのが望ましい。すなわち、培養器中の糖 濃度が、開始時の濃度の70%以下、好ましくは50%以下になった時期から、 0.2g/l好ましくは0.3g/lになるまでの間に糖を添加するのが有利であ る。 本発明方法において、培養の途中における糖の添加は、細胞密度および糖濃度 の変化を調べて前記範囲の間に行えばよい。添加すべき糖の量は、添加すべき時 期の培養液中の細胞密度および糖濃度、培養期間およびカルシウムイオン濃度な どにより左右される。しかし一般には培養液中の糖濃度が、培養液1l当り1〜 7g、好ましくは2〜5gの範囲となるように糖が添加される。 添加される糖としては、グルコース、マンノース或いはフルクトースなどが挙 げられるが、グルコースまたはマンノースが好ましく、とりわけグルコースが最 も好ましい。 前述した糖の添加は、前記添加時期の範囲であれば、1回でもよく2回以上で あってもよい。しかし何回も糖を添加する有利は少なく、1回の添加で充分に目 的が達成される。 本発明方法の好ましい実施態様は前記低いカルシウムイオン濃度の培地を使用 して培養を開始し、前述したように培養の途中で特定量の糖を培養液に添加する と共に、さらにカルシウム塩も添加することである。 その場合培養液中における糖およびカルシウムの添加は、培養液中において細 胞密度が基準最高細胞密度の±50%(−50%〜+50%)の範囲、好ましく は±30%(−30%〜+30%)の範囲に抑制されるように実施することが有 利である。かかる添加によ り、細胞の密度の増加が実質的に抑制され、有用蛋白の分泌が減少することなく 培養期間が著しく延長される。ここで“基準最高細胞密度”とは、全く同じ培養 条件下で回分培養し、途中で糖およびカルシウム塩を全く添加しなかった場合に その培養液中で到達する最高細胞密度の値を意味し、予め実験することにより容 易に決定することができる。 カルシウム塩の添加時期は糖の添加時期の範囲とほぼ同じ範囲であるが同じ時 点で同時に添加する必要はない。好ましくは、培養液中における糖濃度が培養開 始時の糖濃度の50%以下になった時期から、糖の添加後2日までの時期に、カ ルシウム塩を培養液のカルシウムイオン濃度が0.3〜3mMの範囲となる量添 加する。 このように、低いカルシウムイオン濃度の培地を使用して培養を開始し、前記 した培養の途中で糖およびカルシウムを添加すると、細胞密度の増加が実質的に 抑制され、しかも有用蛋白の産生が長期間維持されるので、有用蛋白を高い濃度 で含有する培養液を得ることができる。 カルシウム塩の添加は、培養液中における糖濃度が培養開始時の糖濃度の70 %以下になった時期から、糖の添加時期までに実施するのが有利であり、糖の添 加と一緒に行ってもよい。カルシウムの添加量は、培養液中のカルシウムイオン 濃度が0.5〜2.5mMの範囲となる量であることがより好ましい。 添加されるカルシウム塩は、水に可溶性のものであればよいが、例えば塩化カ ルシウム(CaCl2)または硝酸カルシウム(Ca(NO32)が挙げられる 。 カルシウム塩の添加により、細胞は凝集し、塊となる傾向が認められるが、細 胞密度の増加は実質的に抑制されているので、凝集塊の大きさは、有用蛋白の分 泌の維持には、実質的に支障を与えない程である。 かくして本発明方法における培養は培養液中のpHが6.5〜7. 8の範囲、好ましくは6.6〜7.5の範囲に維持される。 培養は、培養器中の有用蛋白の濃度をモニターしながら継続し、有用蛋白の濃 度の上昇が実質的に認められなくなれば、培養を停止するのが望ましい。 培養終了後、培養器から培養液を取出し、細胞を分離除去する。細胞の分離は 、ロ過または遠心分離などの手段が採用される。細胞を除去した培養液から有用 蛋白の回収は、有用蛋白の種類に依存して適当な方法が選ばれる。例えば免疫学 的吸着、イオン交換樹脂吸着などがある。 有用蛋白がヒトプロテインC、活性化ヒトプロテインC、それらと同様の生理 活性を有する蛋白またはそれらの前駆体蛋白である場合には、例えば米国特許第 4,902,614号明細書に記載されたモノクローナル抗体を使用する分離法、 または米国特許第4,981,952号明細書に記載されたイオン交換樹脂を使用 する分離法により有用蛋白を回収することができる。 発明の効果 本発明方法によれば、293株の形質転換体の培養により有用蛋白を高い濃度 で含有する培養液を得ることができ、しかも得られた有用蛋白当りの消費された 培地の量を極めて少なくすることができる。このように高価な培地の消費量を低 減し、且つ培養の途中で添加される糖およびカルシウム塩は極めて安価であるの で有用蛋白の生産コストは大巾に引下げることができる。 本発明者らが、潅流連続培養方法、単純回分培養方法、通常の流加回分培養方 法および本発明による流加回分培養方法について、有用蛋白単位量(mg)当り の消費された培地の量を試算した結果を以下に示す。 培養方式: (A)潅流連続培養方法(ヨーロッパ特許公開第0434363 5A2の方法) (B)単純回分培養方法(培養の途中、新しい培地、糖およびカルシウム塩は 全く追加しない) (C)通常の流加回分培養方法(培養の途中、新しい培地を追加) (D)流加回分培養方法(培養の途中、糖およびカルシウム塩を追加)・・・ 本発明 試算の前提条件: (1)細胞株:後記の実施例1で使用するヒトプロティンC産生293株 (2)有用蛋白:ヒトプロティンC(PC) (3)培地:0.1mMカルシウムイオン含有ITESeRDF (4)培養液の容積:350ml (5)潅流連続培養方法:最大PC濃度に到達後、その濃度で連続的に培養が 維持されるものとする(perfusion rateは300ml/day) (6)培養期間:6ケ月(回分培養方法の場合は最大PC濃度に到達するまで 培養し、その培養に要した日数の1バッチとしてそのバッチを繰返すものとする ) (7)培養液中の最大PC濃度および培養日数:下記表2のとおり (8)使用培地量およびPC生産量:下記表3のとおり 前記表から明らかなように本発明方法によれば、極めて少ない培地使用量で蛋 白を産生することができることは明白である。通常の流加回分培養方法(C)で は、一般に新しい培地を追加する方法であるが、その方法に比べても、本発明の 方法は培地使用量を極めて低減することができる。 図面の簡単な説明 図1は実施例1の培養結果を示す図である。 図2は比較例1の培養結果を示す図である。 図3は比較例2の培養結果を示す図である。 図4は実施例2の培養結果を示す図である。 図5は実施例3の培養結果を示す図である。 図6は比較例3の培養結果を示す図である。 図7は比較例4の培養結果を示す図である。 図8は比較例5の培養結果を示す図である。 図9は比較例6の培養結果を示す図である。 図10はBHK/J3−26を得るための概略図を示す。 実施例 以下実施例を示して本発明方法を具体的に説明する。 実施例1 1)培地 PRMI1640培地、ハムF12培地及びダルベッコ変法イーグル培地を2 :1:1で混合したものにさらにブドウ糖、アミノ酸等を加えたもの(以下eR DFと称する)からパントテン酸カルシウム以外のカルシウム塩(塩化カルシウ ム、硝酸カルシウム)を除いた組成のもの(以下low Ca eRDFと称する) を基礎培地として用い、増殖因子としてインスリン、トランスフェリン、エタノ ールアミン、亜セレン酸ナトリウム(ITES)を加えた。添加濃 度はそれぞれ9μg/ml、10μg/ml、10μM、20nMである。 2)培養方法及び結果 あらかじめオートクレーブ滅菌した容量350mlの培養槽に正味培養容積が 約300mlになるように培養液を送入し、これにATCCから入手したヒト胎 児腎細胞由来の293株にヒトプロティンCのアミノ酸配列をコードする遺伝子 をWO92/13079記載の方法を用いて導入したプロティンC産生株293 /21−26を播種した。 培養槽には溶存酸素濃度が3ppmとなるように酸素ガスを培養液上面の気相 に導入した。 培養槽中の培養液は37℃に保持した。培養槽中にはマリン型攪拌翼が取付け られており攪拌速度は40rpmとした。 培養8日目にD−グルコース1.0g及び塩化カルシウム2水塩32.6mgを 3mlの混合水溶液として添加した(培養液中の添加濃度はグルコース19mM 、塩化カルシウム0.74mMとなる)。 培養結果を図1に示す。図1中PCはヒトプロティンCを表わす(以下の実施 例および比較例においても同じである。)。実施例1において使用した細胞ライ ン、培地、途中添加物は以下のとおりである。 細胞:293/21−26 培地:0.1mM CaCl2+low Ca eRDF+ITES 途中添加物:グルコース1g+塩化カルシウム2水塩32.6mg(3ml 混合水溶液) 比較例1 培養途中での添加をしなかった以外は実施例1と同様に行なった。培養結果を 図2に示す。比較例1において使用した細胞ライン、培地、途中添加物は以下の とおりである。 細胞:293/21−26 培地:0.1mM CaCl2+low Ca eRDF+ITES 途中添加物:なし 比較例2 基礎培地にeRDF(カルシウムイオン濃度0.74mM)を用いた以外は比 較例1と同様に行なった。培養結果を図3に示す。本比較例において使用した細 胞ライン、培地、途中添加物は以下のとおりである。 細胞:293/21−26 培地:eRDF+ITES 途中添加物:なし 実施例2 途中添加物をグルコースのみとした以外は実施例1と同様に行なった。培養結 果を図4に示す。本実施例において使用した細胞ライン、培地、途中添加物は以 下のとおりである。 細胞:293/21−26 培地:0.1mM CaCl2+low Ca eRDF+ITES 途中添加物:グルコース1g(3ml水溶液) 実施例3 基礎培地にeRDFを用いた以外は比較例3と同様に行なった。培養結果を図 5に示す。本実施例において使用した細胞ライン、培地、途中添加物は以下のと おりである。 細胞:293/21−26 培地:eRDF+ITES 途中添加物:グルコース1g(3ml水溶液) 比較例3 途中添加物を塩化カルシウムのみとした以外は実施例1と同様に行なった。培 養結果を図6に示す。本比較例において使用した細胞ライン、培地、途中添加物 は以下のとおりである。 細胞:293/21−26 培地:0.1mM CaCl2+low Ca eRDF+ITES 途中添加物:塩化カルシウム2水塩32.6mg(3ml水溶液) 比較例4 初期培養容積を150mlとし、培養4日目から5日目にかけて一定速度(6 .25ml/hr)で新鮮培地を流加して300mlとした以外は比較例1と同 様に行なった。その結果を図7に示した。 以上実施例1〜3および比較例1〜4の結果をまとめて下記表4に示した。 比較例5 細胞として293/21−26の代りにヒトプロティンC産生細胞ラインBH K/J3−26細胞ラインを用いた以外は比較例1と同様に培養を行なった。 このBHK/J3−26はBHK株に米国特許第4,968,626号の方法で ヒトプロティンCのアミノ酸配列をコードする遺伝子を導入して得られた細胞ラ インである。 その結果を図8に示した。 比較例6 細胞に293/21−26の代りに比較例5のBHK/J3−26細胞ライン を、途中添加物に下記のものを用いた以外は実施例1と同様に行なった。その結 果を図9に示した。 グルコース0.5g+CaCl2・2H2O 32.6mg(3ml混合水溶液) 前記実施例および比較例において、293/21−26およびBHK/J3− 26はそれぞれ以下の方法によって調製された。 (A)293/21−26の調製 WO92/13079、25頁に記載のヒトプロテインCのアミノ酸配列をコ ードするDNA配列を有するプラスミドTZm5−PC9002を用いて、同じ くWO92/13079記載の方法に従って293を形質転換したヒトプロテイ ンC産生細胞ライン293/21−26を得た。 (B)BHK/J3−26の調製 BHK株に下記に説明するヒトプロテインCアミノ酸配列をコードするDNA 配列を有するプラスミドTZm1D−9002を導入し、さらにKEX2のアミ ノ酸配列をコードするDNA配列を有するプラスミドZmB4 KEX2(後に その調製法を説明する)および上記TZm5−PC9002を共感染することに よりBHK/J3−26を得た。 TZm1D−9002およびZmB4 KEX2の作成法 ZmB3 KEX2およびZmB4 1058(これらの調製については後に 説明する)を用いて、下記手順により作成した。その手順の概略図を図10に示 した。 ZmB3 KEX2をSfiIとNdeIで消化し、KEX2遺伝子を含む4 .31KbpのDNAフラグメントを分離した(これを“K−フラグメント”と する)。一方ZmB4 1058をApaI、SfiIとNdeIで消化してD HFR遺伝子を含む3.46KbpのDNAフラグメントを分離した(これを“ D−フラグメント”とする)。K−フラグメントおよびD−フラグメントを結合 して、ZmB4 KEX2を得た。 また前記TZmI−9002をSfiIとNdeIで消化し、ヒトプロテイン C遺伝子を含む5.98KbpのDNAフラグメントを分離し(これを“P−フ ラグメント”とする)、このP−フラグメントとD−フラグメントを連結してT ZmID−9002を得た。 ZmB3 KEX2の作成法 EP0319944A2記載のプラスミドKEX/Zem229をBamHI で消化し、KEX2遺伝子を含むDNAフラグメントを分離した(これを“D’ −フラグメント”とする)。一方W091/09960記載のフラグメントZM B3をBamHIで消化し、得られたフラグメントをD’−フラグメントと連結 してZmB3KEX2を得た。 ZmB4 1058の作成法 EP0266190記載のpDX/PC1058をEcoRIで消化し、ヒト プロテインC遺伝子を含むDNAフラグメントを分離した(これを“P’−フラ グメント”とする)。一方WO91/09960記載のプラスミドPC962/ ZMB−4をEcoRIで消化し、ヒトプロテインC遺伝子を含まないDNAフ ラグメントを分離した(これを“Z−フラグメント”とする)。P’−フラグメ ントとZ−フラグメントを連結してZmB4 1058を得た。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.サスペンジョン状態で哺乳動物細胞を培養して有用蛋白を産生する方法にお いて、その哺乳動物細胞は有用蛋白発現遺伝子を導入したヒト胎児腎細胞由来2 93株であり、その方法は (a)該培養は、5×104〜5×105cells/mlの細胞密度で開始し、 (b)培養器中の細胞密度が培養開始の密度よりも3倍以上であり且つ5×1 05〜5×106cells/mlの範囲に到達した任意の時期に、培養器中に糖を1 〜7g/lの濃度となる量添加し、 (c)培養液中のpHの実質的低下を抑制しながら培養器中の有用蛋白の濃度 の実質的上昇が認められなくなるまで培養を継続し、しかる後培養を停止し、そ して (d)培養器から培養液を取り出し、培養液から有用蛋白を回収する、 であることを特徴とする前記293株からの有用蛋白の産生方法。 2.該培養は、カルシウムイオン濃度が0.002〜0.25mMの培養液中で開 始する請求の範囲第1項による方法。 3.該培養は、培養器中のpHを6.5〜7.8の範囲に維持する請求の範囲第1 項による方法。 4.糖を2〜5g/lの濃度となる量添加する請求の範囲第1項による方法。 5.培養液中における糖濃度が培養開始時の糖濃度の50%以下になった時期か ら培養器中の糖濃度が0.2g/lになるまでの任意の時期に糖を添加する請求 の範囲第1項による方法。 6.培養液中における糖濃度が培養開始時の糖濃度の50%以下になった時期か ら、糖の添加後2日までの時期に、カルシウム塩を培養液のカルシウムイオン濃 度が0.3〜3mMの範囲となる量 添加する請求の範囲第2項による方法。 7.糖はグルコース、マンノースおよびフルクトースからなる群から選ばれた少 なくとも1種である請求の範囲第1項による方法。 8.該培養は無血清培地中で実施する請求の範囲第1項による方法。 9.該無血清培地は、基礎培地としてeRDF(enriched RDF)培地を使用 して調製されたものである請求の範囲第8項による方法。 10.該有用蛋白がGla蛋白である請求の範囲第1項による方法。 11.該有用蛋白がヒトプロテインC、活性化ヒトプロテインC、それらと同様 の生理活性を有する蛋白またはそれらの前駆体蛋白である請求の範囲第1項によ る方法。 12.培養中、新しい培地を追加的に培養器中に添加しない請求の範囲第1項に よる方法。 13.サスペンジョン状態で哺乳動物細胞を培養して有用蛋白を産生する方法に おいて、その哺乳動物細胞は有用蛋白発現遺伝子を導入したヒト胎児腎細胞由来 293株であり、その方法は (i)該培養は、カルシウムイオン濃度が0.002〜0.25mMの培養液中 で、5×104〜5×105cells/mlの細胞密度で開始し、 (ii)培養器中の細胞密度が培養開始の密度よりも3倍以上であり且つ5×1 05〜5×106cells/mlの範囲の任意の時期に到達するまでの細胞増殖を行 なわせ、 (iii)次いで、細胞密度の増加が実質的に抑制され且つ有用蛋白の産生が維 持されるように培養器中に糖およびカルシウム塩を添加し、 (iv)培養器中における有用蛋白の濃度の実質的上昇が認められ なくなるまで培養を継続し、しかる後培養を停止し、そして (v)培養器から培養液を取り出し、培養液から有用蛋白を回収する、 ことを特徴とする前記293株からの有用蛋白の産生方法。 14.前記培養器中における糖およびカルシウムの添加は、培養器中において細 胞密度が基準最高到達密度の±50%の範囲に抑制されるように実施する請求の 範囲第13項による方法。 15.該培養は培養器中のpHを6.5〜7.8の範囲に維持する請求の範囲第1 3項による方法。 16.糖を1〜7g/l、好ましくは2〜5g/lの濃度となる量添加する請求 の範囲第13項による方法。 17.培養液中における糖濃度が培養開始時の糖濃度の50%以下になった時期 から培養液中の糖濃度が0.2g/lになるまでの任意の時期に糖を添加する請 求の範囲第13項による方法。 18.培養器中における糖濃度が培養開始時の糖濃度の50%以下になった時期 から、糖の添加後2日までの時期に、カルシウムを培養器のカルシウムイオン濃 度が0.3〜3mMの範囲となる量添加する請求の範囲第13項による方法。 19.糖はグルコース、マンノースおよびフルクトースからなる群から選ばれた 少なくとも1種である請求の範囲第13項による方法。 20.該培養は、無血清培地中で実施する請求の範囲第13項による方法。 21.該無血清培地は、基礎培地としてeRDF(enriched RDF)培地を使 用して調製されたものである請求の範囲第20項による方法。 22.該有用蛋白がGla蛋白である請求の範囲第13項による方法。 23.該有用蛋白がヒトプロテインC、活性化ヒトプロテインC、 それらと同様の生理活性を有する蛋白またはそれらの前駆体蛋白である請求の 範囲第13項による方法。 24.培養中、新しい培地を追加的に培養器中に添加しない請求の範囲第13項 による方法。
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