JPH08507460A - 骨折部位の外部固定方法および装置 - Google Patents

骨折部位の外部固定方法および装置

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JPH08507460A
JPH08507460A JP6520565A JP52056594A JPH08507460A JP H08507460 A JPH08507460 A JP H08507460A JP 6520565 A JP6520565 A JP 6520565A JP 52056594 A JP52056594 A JP 52056594A JP H08507460 A JPH08507460 A JP H08507460A
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JP6520565A
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ファッシオリ・ギオヴァンニー
ヴェンツリニー・ダニエレ
Original Assignee
オルソフィックス エス.アール.エル.
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Abstract

(57)【要約】 破損した骨片への埋め込みに適した骨用ボルトを固定すべく球形ジョイントを備えたボルト保持クランプを有し、とくに軸線方向の外部添木との併用に適した構成であって、軸線方向に伸長し得る中間体(2)と、外部添木(43)に組み合わせられ、その延長上に位置している対応したボルト保持クランプ(44,44′)へ係脱自在に連結が可能な端部(3、3′)とを備えている装置において、これら端部(3、3′)が前記中間体(2)へ、軸(20,20′)を有した対応ヒンジ(12,12′)を介して取付けられ、これら軸は互いに平行であり且つ中間体に対し垂直であって、これらヒンジ(12,12′)が有する軸(20,20′)の角度位置を選択するための固定手段(39,39′)が設けてあり、これによって前記ボルト保持クランプ(44,44′)が所定位置をとったときに単一平面内での回動が可能となることを特徴とする骨折部外部整復用の装置。

Description

【発明の詳細な説明】 骨折部位の外部固定方法および装置 技術分野 本発明は、骨折部位に対し外部整復を行う方法と装置であって、特に整骨外科 における添木と組み合わせて実施ないし使用するに適した方法と装置、に関する 。 折れた骨片を固定するための、整形外科用の石膏を用いない公知の方法は添木 を利用するものである。そのための装置は、普通は2組からなる1式の骨用ボル トを備えていて、それらボルトは、それぞれ端部が患者の外皮から突出する状態 に骨折部位の骨片へ挿入され、該端部は位置調整自在なジョイントを有したクラ ンプを用いて外部の剛体へ係止される。 骨折部位を整復しようとする外科医は、折れた骨片の要部をドリルで穿孔した のちボルトを挿入し、添木上の対応クランプへボルトを固定し、ついでX線装置 を利用して骨折部端縁どうしの位置を整合させる。骨折部の骨片位置を整合させ たのち、外科医は前記クランプの位置調整自在なジョイントに不測のずれを生じ ないよう固定し、各骨片が所要の位置を保つようにセットするが、その際、骨組 織が正しく成長することにより骨折部位が治癒し得るようにする。 そのような骨折部整復手術には問題点が2つある。 第1の問題点は、前記ジョイントが「かさ高」で構造も複雑なため、ボルト保 持用クランプへ添木を当てる操作が難しい、という点である。この問題を克服す べく、添木の中央部を取り外し、その後へ適宜装置を挿入するという措置が講じ られる。できるだけ正確に骨折部を整復したのち、前もって定 めておいた添木上の位置へ前記クランプを取り付け、更にそのあと前記の適宜装 置から該クランプを切離すことにより、当該装置を他の骨折部で使用できるよう にする。 しかし、その操作は複雑で手間がかかり手術時間が長くなるほか、骨用ボルト が対応したシート部において緩んでしまう恐れがある。そして、後に骨折部治癒 の過程で骨片位置に不整合が見つかった場合の再整合操作などといった術後処置 の際には、そのような欠点を再び招来することになる。 第2の問題点は、長い骨の場合、互いに直交する少なくとも2つの主平面で、 すなわち骨の前端と前後方向の(複数の)面の何れにおいても骨折部位置整復の 操作が必要なことである。X線像は2次元の像であるから、骨折部を両平面にお いて同時に整復することは不可能である。さらに、1つの平面における整復は、 既に他の面で整合させてある骨片相互間の位置を変えてしまう恐れがある。 背景技術 アメリカ特許第4,628,922号明細書(ロンドン、ユニバーシティ・カ レッジ)には、骨折部位の外部固定用装置として、2つのクランプないし骨用ボ ルトを備えたものが開示されており、これらクランプないしボルトは、破損した 骨片へ埋め込みできるよう、伸長可能な棒材の端部に配置されていて、各クラン プには、これを、骨内部に位置した1つの点で互いに直交し合う3軸線のまわり で該棒材に対し相体回動させるための手段を設けてあり、対応したクランプの2 つの交点が骨の長手軸線の方向において離隔するよう構成されている。実地使用 に際しては、整復装置をクランプに装首してセッティングを行い、必ず添木を固 定したのちに該装置を取り外す。 アメリカ特許第4,488,542号明細書(ヘランド)には、骨折部位 の外部固定用装置として、多角形断面の伸長可能な棒材へ支持片を介して装着さ れた端部クランプを備えたものが開示されており、それら支持片は互いに直交す る2平面の中で位置調整が可能である。各支持片は前記棒材と一体をなす第1部 分と、前記クランプと一体をなす第2部分とからなる。第1部分は、クランプと 骨軸線との間の距離にほぼ相当した曲率半径の曲面状ガイドを有し、このガイド の外側面には歯部が形成されている。第2部分は、第1部分の歯部に噛み合うエ ンドレス状のネジ部を有するとともに、前記ガイドが属している平面に対してほ ぼ垂直な軸線のまわりで回転可能である。一方のクランプは対応した支持片に対 して相対的に数度(°)だけ回動できるが、この回動の中心をなす長手方向軸線 は、前記棒材の軸線と平行であり、骨折部位における僅かな異常捻れを補償する よう構成されている。 この装置は、互いに直交する3平面の中でそれぞれ正確に位置調整を行えるが 、その構造は相当に複雑かつ高価なものであって、その使用は必ずしも容易でな い。さらに、位置調整可能な支持片のサイズが過大であるため、軸線方向の小さ な添木へ該装置を取付けることは難しく、とくに、例えばアメリカ特許第RE 31 809号、またはイタリア特許出願第VR 92A000070号に記されている如きタイプの 、球状ジョイントないしはユニバーサルジョイントを備えた外部添木に対して使 用するには適していない。しかしジョイントがかなりコンパクトで位置調整も可 能であるから、骨折部位を整復しているあいだ中、添木をクランプへ固定したま まとでき、施術中の外科医に対し妨げとなる恐れが少ないことは事実であり、こ の特徴は、術後のアクシデントによる骨折部位置整合の乱れを修正する際には特 に有利である。 しかし、このタイプの添木を用いての骨折部位整復には以下のごとき問題があ る。X線装置を利用しつつ破損骨部分を第1平面のなかで位置整合させたのち、 添木のクランプは動かないよう固定され、X線源に対し約90°だ け手足を回動させ、つづいてクランプを緩めてから関連各部を第1平面に直交し た第2平面内で位置整合させる。しかし、クランプを緩めるため、既に位置整合 ずみの各部間の位置に乱れを来すことが頻繁に起こり、各部に最適位置をとらせ るべく両平面内での位置整合操作を何回も繰り返さねばならない。その結果、外 科手術に要する時間が長くなり、患者と医療従事者の双方に対してX線暴露時間 ないし回数を増大させることになり、しかも整復の精度は必ずしも満足できるも のではない。 したがって、球形ジョイントを有した添木にあっては、最初の位置決め状態を 「記憶」することはできず、現在市販されているセッティング装置と組み合わせ ての使用に該添木は適していない。 発明の開示 本発明の主たる目的は、手術施設における初期処置のみならず、術後において 初期処置での位置決めエラーを修正すべく、或はアクシデントにより生じた位置 の狂いを修正すべく、再度処置が行われる際にも、軸線方向の外部添木との併用 に適した構成となされている骨折部外部整復用の装置を提供することにより、上 述の諸欠点を解消することにある。 本発明の具体的な目的は、ユニバーサル型ないしは球形のジョイントを備えた 軸線方向の添木との併用に特に適していて、互いに直交した2平面での骨折部位 整復を一度に1平面ごとに行うに際し、各平面で決められた位置を記憶しておく ことができ、したがって手術時間の短縮とX線被爆の軽減とが可能な装置を提供 することにある。 他の具体的な目的は、構造が簡潔でコンパクトであり、使用容易で融通がきく 骨折部位外部整復のための装置を提供することである。 これらの目的は、破損した骨片への埋め込みに適した骨用ボルトを固定す べく球形ジョイントを備えたボルト保持クランプを有し、とくに軸線方向の外部 添木との併用に適した構成であり、軸線方向に伸長し得る中間体を備え、この中 間体は、外部添木に組み合わせられ、その延長上に位置している対応したボルト 保持クランプへの係脱自在な連結を可能とすべくカプリング部を有した端部を備 えている装置において、これらカプリング部が前記中間体の長手方向両端へ、軸 を有した1対のヒンジを介して取付けられ、これら軸は互いに平行であり且つ中 間体の軸線に対し垂直であって、これらヒンジが有する軸の角度位置を選択する ための固定手段が設けてあり、これによって前記ボルト保持クランプが所定位置 をとったときに一平面内での回動が可能となることを特徴とする骨折部外部整復 用の装置、の提供により達成される。 位置ないし姿勢調整の可能なヒンジを備えているため、本発明の装置は、球形 ジョイントを有した軸線方向の添木との併用が容易であり、「記憶ずみ」の位置 を変える恐れなく一度に1平面ずつ、骨折部位の整復を行うことができるが、そ れは最初にヒンジ位置ないし姿勢の調整を行なった平面とは全く異なる別の平面 内で後続の部材回動が行われるからである。 前記の各ヒンジは、中間体の軸線に垂直なピンによって連結体へ枢着されたフ ォークを有していることが望ましい。 前記の各フォークは、中間体の軸線方向全長を可変とする長手方向のガイドに よって、該中間体の一端へ引出し押込み自在に取付けることが可能である。 前記カプリングは、あぶみ形の部材を備えたものとし、不動化手段を有した球 形ジョイントを用い該部材を対応ヒンジへ取付けてあってもよい。 前記のあぶみ形部材に固定ボルドを設けることにより、併用している外部添木 の対応したボルト保持クランプへ係合可能な顎状端部を有した1対の操作ハンド ル、の引き延ばしと不動化とを可能としてあってもよい。 球形ジョイントを有した前記軸線方向添木の中央部から前記クランプを外すこ となく骨折部の整複を行うことができる。 本発明の一実施態様にあっては、前記の各ヒンジが、中間体の軸線に垂直なピ ンによって連結体へ枢着されたフォークを有している。 各ジョイントが球形頭部を有したものであり、前記連結体へ取り付けた継ぎ手 に穿設形成された対応形凹部へ該頭部が収納されていてもよい。 前記連結体はバヨネット型ジョイントを介し前記継ぎ手へ連結され、該ジョイ ントを不動化する手段を備えたものであってもよい。 各あぶみ形部材は、対応した手動部材への着脱を可能とするための開口部と固 定用ネジとを備えたものとでき、該手動部材としては、本発明装置と併用される 軸線方向の外部添木が有するボルト保持クランプへの取付が可能とされていても よい。 かくして整骨外科医としては、外部の軸線方向添木を、それが有する骨用ボル トのためのクランプから分離することなく操作でき、したがって骨折部整復を簡 単に、かつX線被爆を軽減して実施することができる。 図面の簡単な説明 本発明理解のための一助として、骨折部の外部整復のための好適な、ただし非 限定的実施態様を、図示の実施例に則して以下に説明する。図面中: 第1図は、本発明に係る装置を、その軸線を含んだ平面で一部断面として示す 正面図であり; 第2図は、第1図の装置の平面図であり、第1図中の断面方向に直交した他の 平面に含まれる断面として一部部材を示してあり; 第3図は、第1図の装置の一端部を分解して示した正面図であり; 第4図は、破損した骨片にボルトが差し込まれていて、軸線方向添木へ取 り付けられた状態の、第1〜3図示の装置の平面図であり; 第5図は、第4図示のごとく構成された本発明装置の、手術における第1ステ ップの状態を示した斜視図であり; 第6図は、第4図示のごとく構成された本発明に係る各手段の、同じく手術に おける第2ステップの状態を示した斜視図である。 発明を実施するための最良の形態 添付図面に見られるように、全体を番号(1)で示した本発明の装置は、鏡像 の関係にある同形の端部(3、3′)を有した中間体(2)を備えている。この 中間体(2)は剛体、好ましくは金属たとえばアルミニウム合金の筒状体、であ って、長手方向のガイド手段により端部(3、3′)へ押込み引出し自在に連結 され、装置全長の調節を可能としている。 前記の長手方向ガイド手段は、2つを1組とした同形の2組、したがって計4 つの貫孔からなり、各孔は全長にわたり一定の精密な直径を有しており、中間体 の軸線から半径方向において同距離にあって互いに平行であり、相互間では90 °ずつ角度がずらされた位置関係にある。 中間体(2)の左端においては、直径方向の対角線位置にある第1組の穴(4 )には該穴の中心へ向い内方へ突出した環状段部(5)を形成してある。また中 間体(2)の左端(右端)においては、前記穴(4)とは位相を90°ずらした 直径方向対角線の位置にある第2組の穴(6)にも同様に環状段部(7)を形成 してある。 ステンレス鋼からなる円柱形の2組のロッド(8、9)は、前記の環状段部( 5、7)よりも僅かに小さな径の最小径を有し、蝕線方向の穴(4、6)にスラ イド自在に挿入されていて、中間体(2)から左右へ突出している。ロッド(8 )の右端には、穴(4)が有する最大径よりも僅かに小径の膨出 頭部(10)を形成してあり、この頭部が前記の環状段部(5)へ衝当するように なっている。ロッド(9)の左端は、膨出頭部(10)と同径の膨出頭部(11)と してあり、この頭部が前記穴(6)の環状段部(7)へ衝当するようになってい る。したがって、各ロッドはそれぞれの穴の中で誘導されるが、それら穴の反対 側の端部から抜け出る恐れはない。 中間体(2)から突出したロッド(8、9)の端は、ヒンジ(12,12′)を介 して前記端部(3、3′)へ連結され、これらヒンジの軸線は互いに平行である が中間体の長手方向軸線とは直交している。 端部(3、3′)と対応したヒンジ(12,12′)は、それぞれ鏡像の関係にあ る同一構造のものであるから、第1〜3図に示した装置の左半部のみについて以 下に説明する。図上では見えず又は図示されてなくても右半部については対応し た同じ番号にダッシュを付し、両半部の各部材を順次大きくなっていく番号を用 いて説明する。 すなわち、ヒンジ(12)は、両腕状部分(14,15)を有したフォーク(13)を 備えており、これら部分(14,15)はロッド(8)の端へピン(16)で係止され 、他方ピン(20)により基体(17)へ枢着されているが、該ピン(20)は中間体 (2)の軸線に直交している。 基体(17)は、その右端に向かって延びた1対の平行面(18,19)を有し、こ れら平行面はフォーク(13)の両腕状部分(14,15)の間へ挿入されているとと もに、その左端に向かって延びた1対の対角線位置にある平坦面部(22,23)を 有したカラー(21)を備えている。 ヒンジ(13)は球形ジョイント(24)を介して左端部(3)へ連結されている 。このジョイントを内蔵した継ぎ手(25)の内径はブロック(19)のカラー(1 )の直径よりも小であり、該継ぎ手が有する1対の半径方向の内部突起(26,27 )は、互いに対角線上にあり、カラー(21)の前記平坦面部(22,23)に対応 した平坦な端縁を有しているので、一種の差込みソケット(バヨネット)の構造 を形成している。従って、平坦面部(22,23)を内部突起(26,27)に位置整合 させれば、カラー(21)は継ぎ手(25)の中へ挿入でき、つづいて約90°回す ことにより部材(19)を継ぎ手(27)へ係止することができる。 継ぎ手(25)には軸線に交差する方向の底壁(28)があり、その中央には球形 頭部(30)を受容する形の穴(29)が穿たれている。この球形頭部(30)は端の 、あぶみ形部材(31)へ固着され、概略U字形をなした該部材(31)はセットね じ(32)を備えており、該ねじは、操作ハンドル(33)の対応形状部分へ当該あ ぶみ形部材を固定して不動化するためのものである。同じハンドル(33′)が、 やはりセットねじ(32′)付きの「あぶみ」形部材(31′)を介して本装置の他 端部(3′)へ取付けられていることは第4〜6図に見られるとおりである。 基体(17)に形成した軸線方向の内腔(34)には、実質的に平坦な端面と、横 向の実質的に部分筒形の凹溝部(36)と、反対側端部に開口した空洞(37)とを 有したブッシュ(35)が収容され、この空洞は前記の球形頭部(30)に対応して 半球形を呈している。 基体(17)には横断方向の筒形孔(38)も形成してあり、この穴に挿入された 偏心ピン(39)は、ブッシュ(35)の凹溝部(36)に係合するとともに、その端 部には6角形治具用の6角形の窪み(40)を形成してある。偏心ピン(39)を回 すと、ブッシュ(35)は軸線方向に動き球形頭部(30)へ押し付けられ、該頭部 は継ぎ手(27)の穴(29)表面へ押し付けられることになり、かくして該継ぎ手 は球形ジョイント(24)の内部に摩擦力によってロックされる。 継ぎ手(25)の外面には、本装置の組立完了時におけるヒンジ(12)の軸線位 置を示すべぐ目印(41)を付してある。同様の目印(41′)が、他のヒンジ(12 ′)の軸線角度位置を示すべくジョイント(24′)の継ぎ手(25′)にも付して ある。基体(17)が継ぎ手(25,25′)から離脱しないよう、該継ぎ手に設けた ネジ(42, 42′)の先端を、基体(17,17′)のカラー(23,23′)の平坦面(21,21′) へ押し付けてある。 第4〜6図は、上述の装置(1)が、イタリア特許出願第VR 92000070号に図 示説明されている外部添木と併用される状態を示し、該添木は全体を番号(43) で指し示してある。この添木(43)が基本的に備えている1対のクランプ(44, 44′)は、破損した骨片(46,47)への差込みが可能な骨用ボルト(45,45′) のための部材であり、端部ジョイント(49,49′)によって中央部(48)へ連結 されている。中央部(48)に設けた固定用のネジ(50)は、該添木の全長を調整 するものであり、偏心ピン(51,51′)は球形の端部ジョイントを不動化するも のである。 ハンドル(33,33′)の端の顎状部(52,52′)は、添木(43)のクランプ( 44,44′)へ固定されることにより、装置(1)の端部(3、3′)を破損骨片 (46,47)と一体化させるものである。 使用に際しては、ボルト(45,45′)を骨片(46,47)へ差し込んだのち、外 科医は該ボルトを添木(43)のクランプ(44,44′)へ固定する。これにより、 骨折部位は当該添木のあらゆる可動性を利用しつつ、また本発明の装置を利用し つつ整復することができる。 すなわち、中間部(48)を伸長させるには、ネジ(50,50′)を緩め、図外の 適宜治具を用い偏心ピン(51,51′)を回すことにより、クランプ(44,44′) はジョイント(49,49′)の周りに自由に回動させることができる。 顎状部(52,52′)でクランプ(44,44′)へ固定されているハンドル(33, 33′)は、本発明装置(1)を添木へ固定すべく手で操作するに適したものであ る。つまり本装置(1)は、あぶみ形部材(31,31′)を介してハンドル(33, 33′)へ取付けられるのである。 こうすることにより外科医は、第1の平面、例えば第4図が描かれている 「水平方向」の平面の中で骨の整復を行うことができる。具体的には、6角形の 窪(40,40′)へ6角形のキー(治具)をさしこみんで装置(1)の偏心ピン( 39,39′)を回すと、ブッシュ(35,35′)と球形頭部(30,30′)との圧接状 態が解除され、各ヒンジ(12,12′)は自由に回動できるようになる。ピン(20 ,20′)の軸線と目印(41,41′)とが第4〜5図における鉛直の姿勢をとるま でヒンジ(12,12′)を回すと、偏心ピン(39,39′)は再び不動化させられる 。これ以降は、あぶみ形部材とハンドルと添木の骨保持クランプとは矢印(F1, F2)で示した水平面内での回動のみが可能である。外科医は、X線装置を利用し て、骨片(46,47)の当該平面内での位置整合と両者間の間隔とを最も望ましい 状態にセットすることができ、そののち、ネジ(50)と偏心ピン(51,51′)を それらの角度位置に固定して不動化することにより、この第1平面でセットされ た位置関係を「記憶」させる。 第1の平面に直交する第2の平面で外科医が骨片位置の整復を行うには、ピン (39,39′)を緩めてヒンジを90°回すことにより、第6図のように該ヒンジ の軸(20,20′)に水平姿勢をとらせる。ついで、ピン(39,39′)を固く締め 付け、ネジ(50)とピン(51,51′)を緩めることにより添木(43)の部分を可 動化する。こうすることにより、外科医は、あぶみ形部材とハンドルとボルト保 持クランプとを第6図に矢印(G1,G2)で示す如く鉛直方向にのみ回動させるこ とができる。やはりX線装置を利用しつつ骨折部位の骨片位置整復を第2平面内 で行なったのち、先の第1平面での整復状態に狂いを生じていないか否かを最終 的にチェックしたのち、添木の姿勢を固定する。 最後に、添木のクランプから本発明装置を取り外し、他の患者に使用、または 今整復した部位を後日再整復すべく使用、できるようにする。 以上の説明により明らかなように、本発明の装置は前述の目的を達成、とくに 、添木を骨折部位へ取り付けた状態のままで整復を容易かつ迅速に遂行 できる、という利点がある。何れの平面において整合させられた位置関係も次の 平面での整復作業の間じゅう記憶されており該関係が保持されているので、整復 時間の短縮とX線暴露量の軽減にとって有利である。さらに、整復ずみの骨折部 位に対し再度処置が必要なときでも、取付ずみの添木の位置を変える必要は毛頭 なく、既往の整復に不正確さがあった場合や、術後のアクシデントにより骨片が ずれた場合の、再処置も簡単に行える。 添付の請求の範囲に記された本発明の範囲内において、上述の装置はいかよう にも改変できる。本発明装置の各細部は、均等物による置換が可能であり、それ ら均等物に対しても本発明の効力が及ぶものである。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1995年3月7日 【補正内容】 補正された請求の範囲 1. 破損した骨片への埋め込みに適した骨用ボルトを固定すべく球形ジョイン トを備えたボルト保持クランプを有し、軸線方向の外部添木との併用に適した構 成であり、軸線を有し該軸線に沿い伸長し得る中間体(2)を備え、この中間体 が、外部添木(43)に組み合わせられ、その延長上に位置している対応したボル ト保持クランプ(44,44′)へ係脱自在に連結が可能な端部(3、3′)を有し 、これら端部(3、3′)が前記中間体(2)へ、軸(20,20′)を有した対応 ヒンジ(12,12′)を介して取付けられ、これら軸が互いに平行かつ中間体に対 し垂直とされた構成の装置において、これらヒンジ(12,12′)が有する軸(20 ,20′)の角度位置を選択するための固定手段(39,39′)が設けてあり、これ によって前記端部(3、3′)が所定位置をとったときに単一の同平面内で回動 が可能となる構成であることを特徴とする骨折部外部整復用の装置。 11. ユニバーサル型の球形ジョイントを備え且つ伸縮自在な軸線方向の添木が 有するボルト保持クランプの位置を整合させる方法であって、次の各工程:すな わち − 軸線を有し、該軸線の方向に伸長し得るとともに、両端部を備えた中間 体を有した装置を準備する工程; − 前記中間体の端部に、軸線方向の前記添木へ固着状態に連結するための 手段を設けることにより、手動部材を用いて当該装置を添木に対し実質的に平行 の位置に配置する工程; − 角度位置が可変で、互いに平行、かつ前記中間体の軸線にも平行な 1対のヒンジを設けることにより、該中間体の端部を前記の連結手段へ係合させ る工程; − 前記ヒンジの軸を選択的かつ第1の方向に位置決めし、そこに固定する ことにより、前記のボルト保持クランプを第1の所定平面内で回動可能とする工 程; − 前記手動部材を操作することにより、前記連結手段を前記第1平面内で 回動させ、光学的手段を利用しつつ前記クランプの位置を整合させる工程; − 前記ヒンジの軸を選択的かつ、前記第1方向に対し垂直の第2の方向に 位置決めし、そこに固定することにより、前記のボルト保持クランプを、前記第 1平面に対し垂直な第2の平面内で回動可能とする工程; − 前記手動部材を操作することにより、前記連結手段を前記第2平面内で 回動させ、光学的手段を利用しつつ前記クランプの位置整合を完結する工程;な らびに − 整複位置に軸線方向添木を最終的に固定したのち、前記中間体の端部に 配置されているカプリング手段を解放する工程、 からなる添木のボルト保持クランプのための位置整合方法。
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Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 破損した骨片への埋め込みに適した骨用ボルトを固定すべく球形ジョイン トを備えたボルト保持クランプを有し、とくに軸線方向の外部添木との併用に適 した構成であり、軸線方向に伸長し得る中間体(2)と、外部添木(43)に組み 合わせられ、その延長上に位置している対応したボルト保持クランプ(44,44′ )へ係脱自在に連結が可能な端部(3、3′)とを備えている装置において、こ れら端部(3、3′)が前記中間体(2)へ、軸(20,20′)を有した対応ヒン ジ(12,12′)を介して取付けられ、これら軸は互いに平行であり且つ中間体に 対し垂直であって、これらヒンジ(12,12′)が有する軸(20,20′)の角度位 置を選択するための固定手段(39,39′)が設けてあり、これによって前記ボル ト保持クランプ(44,44′)が所定位置をとったときに単一平面内での回動が可 能となる構成であることを特徴とする骨折部外部整復用の装置。 2. 前記の各ヒンジ(12,12′)が、中間体(2)の軸線に垂直なピン(20) によって連結体(17)へ枢着されたフォーク(13,13′)を有している請求項1 に記載の装置。 3. 前記の各フォーク(13,13′)が、中間体の軸線方向全長を可変とする長 手方向のガイド(4〜11)によって、該中間体の一端へ引出し押込み自在に取付 けられている請求項2に記載の装置。 4. 前記ガイドが、前記中間体(2)の軸線方向の穴(4、6)にスライ ド自在に収納された少なくとも1対の長杆(8、9)を備えている請求項3に記 載の装置。 5. 前記ヒンジのための連結体(17)が、不動化手段を備えた球形ジョイント (24,24′)によって、あぶみ形カプリング(31,31′)へそれぞれ連結されて いる請求項2に記載の装置。 6. 前記のあぶみ形カプリング(31,31′)が実質的にU字形であり、それぞ れ手動部材(33,33′)への着脱を自在とするための固定ネジ(32,32′)を備 えており、該手動部材が、連係状態にある軸線方向の外部添木(43)の対応した ボルト保持クランプ(44,44′)に連結されている請求項5に記載の装置。 7. 前記の各球形ジョイント(24,24′)は、対応したあぶみ形カプリング( 31,31′)に止着されている球形頭部(30,30′)を有し、該頭部に対応した形 の、近接連結体(17,17′)に連結されている継ぎ手(25,25′)に穿設形成さ れている中央穴(29,29′)へ該頭部が挿入されている請求項5に記載の装置。 8. 前記ジョイント(24,24′)の頭部(30,30′)に接当した姿勢にある半 球形の凹部(37,37′)を有したブッシュ(35,35′)が、それぞれ連結体(17 ,17′)と継ぎ手(25,25′)との間へ挿入されている請求項5に記載の装置。 9. 前記各ジョイントのための不動化手段が、対応した連結体(17)に穿設形 成されている横穴(38)へ挿入された偏心ピン(39,39′)からなり、対応 したジョイントの頭部(30)へ前記ブッシュ(35)を押圧付勢し得る姿勢に保持 されている請求項7に記載の装置。 10. 前記ヒンジ(12,12′)には、その外面に、前記軸(20,20′)の角度位 置を示し且つ該軸の回転平面を表すべく、標識(41,41′)が施されている請求 項6に記載の装置。 11. ユニバーサル型の球形ジョイントを備え且つ伸縮自在な軸線方向の外部添 木の骨保持用クランプが既に骨片へ止着されている場合における、該骨保持用ク ランプの位置を整合させる方法であって、次の各工程:すなわち − 軸線方向に伸長し得る中間体と、両端部とを有した装置を準備する工程 ; − 前記装置における端部を、軸線方向の前記外部添木へ固着状態に連結す るための手段を設けることにより、手動部材を用いて当該装置を外部添木に対し 実質的に平行の位置に配置する工程; − 角度位置が可変で、互いに平行、かつ前記中間体の軸線に直交する1対 のヒンジを設けることにより、該中間体の端部を前記の連結手段へ係合させる工 程; − 前記ヒンジの軸を選択的かつ第1の方向に位置決めし、そこに固定する ことにより、前記のボルト保持クランプを第1の所定平面内で回動可能とする工 程; − 前記手動部材を操作することにより、前記連結手段を前記第1平面内で 回動させ、X線装置を利用しつつ前記クランプと骨片の位置を整合させる工程; − 前記ヒンジの軸を選択的かつ、前記第1方向に対し垂直の第2の方向に 位置決めし、そこに固定することにより、前記のボルト保持クランプを、前記第 1平面に対し垂直な第2の平面内で回動可能とする工程; − 前記手動部材を操作することにより、前記連結手段を前記第2平面内で 回動させ、X線装置を利用しつつ前記クランプと骨片の位置整合を完結する工程 ;ならびに − 最後に、整複位置に外部添木を固定したのち、前記装置の端部に配置さ れているカプリング手段を解放することにより当該装置を他の患者に対しての再 使用を可能とする工程、 からなる骨折部位整復方法。
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