【発明の詳細な説明】
特にねじ回しビットを仕上げ加工するための工作機械の供給装置
本発明は、請求の範囲第1項の上位概念記載の、主軸の自由端部に設けた工作
物チャックを備えた工作機械の供給装置に関する。
このような装置は米国特許第4794831号明細書によって知られている。
主軸の後側でばらばらに分離された工作物は、吹きつけノズルによって後側から
主軸の内部に吹き込まれる。工作物チャックのヘッドの前に、第2の吹きつけノ
ズルが設けられている。この吹きつけノズルは主軸の軸方向に移動可能である。
この吹きつけノズルのヘッドはゴムストッパーとして形成されている。工作物を
後側から押し込む際に、このゴムストッパーが工作物チャックの前へ移動するの
で、押された個々の工作物はこのストッパーに当接することによって停止する。
工作物を加工した後で、主軸と第2の圧縮空気吹きつけノズルは、主軸を通って
工作物を工具チャックから吹きつけて戻す。
本発明の対象物の根底をなす課題は、製造技術的に簡単に、出力を増大させる
よう、当該種類の供給装置を改良することである。
この課題は請求の範囲第1項記載の本発明により解決される。
この構成により、装置の出力が増大する。入口端部とチャックの間に制動機構
が設けられている。主軸の軸中空部の入口端部に挿入される個々の工作物は、ス
トッパーに達する前に制動機構によって制動される。これにより、工作物は低下
した速度でチャックに入る。それによって、ストッパーに当接する際の工作物の
衝撃が小さくなる。従って、押し込み速度が速いにもかかわらず、ストッパーに
当接するときの、例えば射出成形された工作物の損傷を防止できるので有利であ
る。更に、工作物がストッパーにぶつかって跳ね返たり、チャックによって掴む
までにストッパーにぶつかった後初めて停止する傾向が小さくなる。本発明では
、工作物が空気圧縮付勢によって主軸の軸中空部の入口に押し込まれる。常時圧
縮空気で付勢することにより、工作物は軸中空部内で加速される。チャックに達
する前に、速度が制動機構によって低下するので、工作物は低下した速度で制動
機
構を出る。制動機構は好ましくは軸中空部の横断面変更部によって形成されてい
る。その際、入口端部と制動機構の間の軸中空部は先す最初に、丸い突出部を有
し、制動機構の後で丸くない横断面を有する。従って、制動機構は横断面変更部
によって形成される。工作物の軸方向運動の制動は同時に、主軸の回転数まで工
作物を回転加速することによって行われる。制動機構は好ましくはチャックのす
ぐ手前に配置されている。制動機構が弾性的に逃げることができる突出部として
形成されていると有利である。この突出部は軸中空部の横断面内に達する。軸中
空部によって形成された供給通路を通って押し込まれた工作物は、制動機構の移
動によって制動される。制動機構は摩擦面によって形成してもよい。この摩擦面
は同様に、軸中空部の横断面内に弾性的に突出することができる。軸中空部は好
ましくは制動機構の範囲内で回転する。これにより、工作物と主軸の回転数が同
期する。工作物を装着および取り出すために、吹きつけノズルを1個だけ使用す
ると有利である。圧縮空気は工作物チャックの後側に設けられた圧縮空気吹きつ
けノズルによって、加工のために二重タクトで同じ方向に供給される。第1の空
気衝撃によって、工作物はチャック内に押し込まれる。ストッパーに衝突した後
で、工作物の運動を停止する。後から流入する圧縮空気により、場合によって発
生する工作物の跳ね返りは損傷を生じない。工作物が圧縮空気によって常に再び
ストッパーの方へ移動するので、短時間でストッパーに接触する。ストッパーが
後退し、工作物の加工が行われた後で、工作物チャックが開放し、第2の圧縮空
気衝撃が工作物をチャックから外へ押出し、しかも後退したストッパーのそばを
通過させて押し出す。工作物は例えば主軸の下方に設けられた工作物収容装置内
に達する。本装置の改良により、経済性が高まる。冒頭に述べた、特に他の公知
の実施形と比べて、1個の加工時間が大幅に短縮される。工作物は普通のように
、後側から主軸を通って順々に押し込まれないで、それぞれ個々の工作物として
、工作物チャックの開放時に圧縮空気によって主軸を通って押し込まれる。加工
タクト的に工作物チャックのヘッドの前に出るストッパーにより、個々の工作物
がチャックから落下することが防止される。ストッパーにより、常に、工作物チ
ャックを越えて工作物が突出する。それと関連して、工作物の正確な加工が可能
である。工作物がストッパーによって制限されたその規定通りの位置に達するや
否
や、工作物チャックが閉じ、ストッパーが後退し、そして工作物の加工が工具ス
テーションで開始される。圧縮空気による個々の工作物の押し込みは、主軸が回
転しているときに行うことができるので、停止および始動時間が加工時の損失時
間として発生しない。加工すべき工作物として好ましくは、ねじ回しインサート
ブランクが考えられる。このブランクは横断面が六角形の締めつけ区間と、円筒
状の前側区間を有する。この前側区間に、フライス工具によって成形部が切り込
まれる。工作物が当接するストッパーは好ましくは、主軸中心軸方向に対して横
方向に移動する。その際、スピンドル中心軸線方向に対して垂直方向に直線移動
させてもよいし、旋回移動させてもよい。旋回移動させる場合には、ストッパー
の旋回軸は好ましくは主軸中心軸線に対して平行である。この構造により、工作
物チャックに対するストッパーの離隔は再現可能に繰り返すことができる。
有利な実施形では、圧縮空気は工作物加工のために二重タクト的に供給される
。最初のタクトは、工作物を供給するために役立ち、次のタクトは後退したスト
ッパーのそばを通り過ぎて工作物を押し出すために役立つ。以前は、工作物の加
工の間、ストッパーが後退するよう形成された。ストッパーは先ず最初はこの位
置に止まる。工作物の加工が終了すると、工作物チャックが開放するので、圧縮
空気によって、工作物をチャックから外へ押し出すことができる。その後、スト
ッパーはその当接位置へ移動する。そして、次のタクトのときに、工作物は主軸
を通って工作物チャックへ挿入され、しかも前方へ移動したストッパーに当接す
るまで挿入される。
本発明による解決策では更に、丸くない、例えば多角形の横断面を有する工作
物、例えばビットを供給するために、圧縮空気が、連続回転し制動機構を形成す
る、工作物の横断面に適合した丸くない横断面形状部とそれを包み込む主軸の軸
中空部の横断面形状部の間の移行段部に対して、工作物を押しつけ、回転連行す
るために丸くない範囲に送る。その際、穴の形に形成された軸中空部は、包み込
む横断面の形をしている。この横断面には丸くない範囲が接続している。この丸
くない範囲は多角形のビットの横断面に適合している。圧縮空気によって付勢さ
れるビットは軸中空部を通って移動し、段部によって止められる。なぜなら、通
常は、丸くない範囲の横断面とビットとが合致しておらず、同時に回転数が同期
しているからである。ビットの慣性に基づいて、ビットと丸くない範囲との間に
相対運動が生じ、それによってビットが丸くない範囲に対して合致する位置に達
する。従って、圧縮空気は良好な回転連行を行う。更に、ビットを収容できるよ
うにするためには、工作物チャックを少しだけ開放するだけでよい。その結果、
チャックの締めつけおよび開放時に、時間が節約される。
工作物を個別的に軸中空部に挿入するために、個々の工作物を縦列に収容する
シュートと、このシュートと主軸の軸中空部の入口端部の間に設けられた、入口
端部の前の押し込み位置へ工作物を1個ずつ分離するための装置とを備え、この
分離装置の背後に圧縮空気吹きつけノズルが設けられている。その際、シュート
は工作物が通過する管の形に形成することができる。個々の工作物はシュートか
ら入口端部の前の押し込み位置に達する。
分離装置は詳しくは、タクト的に往復制御されるスライダからなっている。こ
のスライダ上には、シュートを出た後の個々の工作物が達し、そしてスライダ移
動によって押し込み位置にもたらされる。
そして、本発明に従って、個々の工作物を停止させるためのストッパーが、加
工タクト的に往復移動するフィンガーによって形成されている。それによって、
圧縮空気による工作物の押出しが阻止される。個々の工作物が押し込まれる間、
フィンガーは専らその前進位置を占める。
本発明では、包み込む横断面から丸くない横断面への移行段部が工作物チャッ
クの範囲に設けられている。
工具ステーションが舞い刃型フライスヘッドとして形成され、このフライスヘ
ッドの工具軸が工作物チャックのヘッドの前に主軸に対してずれており、かつ主
軸に対して一定の回転数比で回転し、この回転数比が個々の工作物の自由端部に
取付けられる成形面の数に依存していることにより、工作物のいろいろな加工が
可能である。主軸に対して横方向に向いて延びる工具軸が設けられると、縦溝を
工作物に形成することができる。主軸に対して工具軸を軸線平行に配向すると、
工作物の多角形面を形成することができる。
ストッパーと工具軸が互いに不利な影響を与えないようにするために、工具軸
はストッパーを形成するフィンガーに対して対向させて配置されている。
更に、本発明に従い、分離スライダがシュートの下方に移動する、個々の工作
物を入れるための溝を備え、スライダが主軸の入口端部の前のその位置へ移動し
た後で、この溝が装置の蓋によって閉鎖されると有利である。それによって、シ
ュートからスライダへの個々の工作物の受け渡しを問題なく行うことができる。
その後、スライダが受け渡しステーションに移動すると、溝は上方が閉じている
ので、圧縮空気は規定に従って個々の工作物を工作物チャックの方へ押す。
多角形のビットの制動と組み合わせて丸くない範囲に正しい回転角度的に配向
することは、回転する移行段部に付設された、工作物の多角形面に当たる角度位
置調節体によって改善される。この角度位置調節体は丸くない範囲に設けられ、
かつ半径方向内側へ弾性的に付勢されている。角度位置調節体は多角形の工作物
を強制的に回転配向し、工作物の横断面と丸くない範囲の横断面を一致するよう
に配向する。この配向は、丸くない範囲に対して工作物が最大回転位置に達した
ときに既に、非常に短い時間生じる。他方では、角度位置調節体は、場合によっ
て多角形の工作物が丸くない範囲に対して一致するように配向されているときに
、工作物の搬送を妨害しないように位置決めされる。
角度位置調節体が軸方向に位置する湾曲外周面を備えたころがり体として形成
され、この湾曲外周面が工作物搬送方向に向いていると有利であることが判った
。その際、ころがり体の湾曲外周面は、工作物の通過時に短時間蓄積されること
を避けながら、遠心力を発生する。
工具が六角形のねじ回しビットして形成されているときには、丸くない範囲の
横断面が六角形であり、3個のころがり体が均一な角度分布で設けられているこ
とが推奨される。
その代わりに、ころがり体を多角形部の寸法まで突出する球として形成するこ
とができる。この構造はコスト的に非常に簡単であり、信頼性が高いという利点
がある。そのために、球は工作物の通過範囲内へ大きく突出する必要がない。
冒頭に述べた米国特許第4794831号明細書の装置の場合と異なり、圧縮
空気供給は、個々の圧力吹きつけノズルによって行われる。このノズルは圧縮空
気を常に同じ方向に主軸を通って押し出す。
弾性付勢された、球としてのころがり体として形成された制動機構は、工作物
の横断面形状に依存しないで使用可能である。制動機構が横断面を縮小するよう
に供給通路内に突出することが重要である。工作物の最大横断面が制動体によっ
て縮小した供給通路の横断面輪郭よりも大きいときに、回転対称の工作物が制動
される。
次に、本発明の二つの実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、第1の実施の形態による装置と主軸の縦断面図である。この主軸の工
作物チャックに工具軸が付設されている。
図2は、図1の矢印II方向に見た図である。
図3は、図2の矢印III方向に見た、部分的に破断して示す図である。
図4は工作物を挿入した位置にあるスライダを備えた装置の平面図である。
図5は、スライダが押し込み位置へ移動している状態を示す図4と同様な図で
ある。
図6は、ストッパーが後退し、スライダが工作物を挿入した状態を示す概略図
である。
図7は、ストッパーが支持位置に達し、スライダが工作物の押し込み位置に移
動している次の状態を示す図である。
図8は、ストッパーが後退し、工具軸が加工位置に達し、スライダが工作物挿
入位置を占めている次の状態を示す図である。
図9は、加工された工作物が圧縮空気吹きつけノズルによって押し出されてい
る次の状態を示す図である。
図10は、装置の第2の実施の形態による、チャック寄りの主軸の端部の縦断
面図であり、移行段部の範囲に角度位置調節体が設けられている。
図11は、図10のXI−XI線に沿った断面図である。
図12は、角度位置調節体の範囲の主軸の詳細横断面図であり、工作物の六角
部が角度位置に対して不所望な回転方向を占めている。
図13は、球として形成された角度位置調節体が多角形の寸法まで突出し、チ
ャックの丸くない範囲が一点鎖線で示してある、図12と同様な図である。
第1の実施の形態において、舞い刃(フライカッター)型フライス盤の回転駆
動される主軸が数字1で示してある。この主軸はその自由端に、自動開閉可能な
チャック2を支持している。掴みジョー3の内面は六角形の中空部のような丸く
ない範囲4を形成している。工具ステーション6の工具軸5は、工作物チャック
2のヘッドの前で、主軸1に対して横方向に延びている。工具軸5は舞い刃7を
備え、主軸1に対して一定の回転数比で回転する。この回転数比は個々の工作物
8の自由端に加工すべき縦溝9の数に依存する。本実施の形態の場合、個々の工
作物8はねじ回しビットBである。このねじ回しビットの一端は六角部10とし
て形成されている。仕上げ旋削された、ねじ回しのビットの他端は、ねじに形状
補完的に係合するために、縦溝9を備えている。図1に示すように、六角部10
は、工作物チャック2の丸くない範囲4に挿入され、そこで締めつけ固定されて
いる。
工作物チャック2は更に、主軸1に固定連結されている。従って、工作物チャ
ックと主軸は一緒に回転する。主軸1の中央には、貫通する軸中空部11が設け
られている。この軸中空部は円形横断面を有する。軸中空部の直径は六角部10
の角の寸法に一致している。従って、ねじ回しビットBを軸中空部11に嵌め込
むことができる。この場合、軸中空部は六角部10を包み込む横断面の形をして
いる。
工作物チャックと反対側の主軸1の入口端部12の前に、工作物8を供給する
ための供給装置13が延設されている。供給装置は個々の工作物を縦列に収容す
るシュート14を備えている。このシュートは管の形に形成されている。シュー
トは上方へ傾斜している。シュート14の下端は、主軸1に対して垂直な側壁1
5に係合している。この側壁は底板16を介して、この側壁に対して平行な側壁
17に連結されている。側壁17は、主軸1を取り囲む、一点鎖線で示したケー
シング18に定置固定されている。側壁15,17の間を、分離装置を形成する
スライダ19が案内されている。このスライダはタクト的に往復制御可能である
。スライダ19の駆動装置は図示していないが、本実施の形態では圧縮空気によ
って行われる。
分離スライダ19が後退する際に、個々の工作物8のそれぞれ一つを収容する
ための、分離スライダ19に形成された、上方へ開放した溝20が、シュート1
4の出口の下方に延設される。溝20と平行に、貫通する吹きつけ穴21がスラ
イダ19内で延びている。溝と吹きつけ穴21の中心間隔は、スライダ19のス
トロークに等しい。スライダ19を後退させると、吹きつけ穴21が軸中空部1
1と一直線上に並び、入口端部12のすぐ手前まで達する。この位置では更に、
吹きつけ穴21が圧縮空気吹きつけノズル22と一直線上に並ぶ。この吹きつけ
ノズルは側壁15に固定され、吹きつけ穴21に接続している。圧縮空気吹きつ
けノズル22は図示していない圧縮空気発生器に接続している。
工作機械は更に、工作物チャック2のヘッドの前に設けられた、ストッパー2
4を収容するためのガイド23を備えている。このストッパーは加工タクトで往
復するフィンガーとして形成されている。ストッパー24は軸中空部の高さ位置
まで移動し、工作物チャックによって収容された個々の工作物8を制限する。
作用は次の通りである。
主軸1は個々の工作物8を加工する間常に回転している。工作物チャック2が
開閉する間も回転している。図4,6は出発位置を示している。この出発位置で
は、スライダ19は後退している。同じことがストッパー24にも当てはまる。
スライダ19の後退位置では、溝20がシュート14の出口と一直線上に並んで
いるので、個々の工作物8が溝20に入ることができる。更に、スライダ19と
ストッパー24を移動させるためにパルスが発生させられる。ストッパーは図7
に示す位置へ移動し、それによってその前方範囲が軸中空部11を通る中心線と
交差する。同様に、スライダ19が前進する。それによって、溝20は主軸1お
よび圧縮空気吹きつけノズル22に対して一直線上に並ぶ位置に達する。スライ
ダ19のこの前進位置では、溝20は側壁15,17の間で延びる蓋25によっ
て閉鎖されている。タクト的に圧縮空気を放出する圧縮空気吹きつけノズル22
に圧縮空気が供給され、それによって個々の工作物8が軸中空部11内に押し込
まれ、しかも主軸1が回転しているときに押し込まれる。個々の工作物8の円形
の横断面は、丸くない範囲4内に入る。そのとき、六角部10と丸くない範囲4
が一直線上に並んでいないと、六角部10は、包み込む横断面形状部と形状的に
適合した横断面形状部との間の移行段26で支持されることがあり得る。しかし
ながら、個々の工作物8は、その慣性に基づいて、その六角部が工作物チャック
2の丸くない範囲4と一直線上に並び、そして圧縮空気が個々の工作物を更に前
進させる。前進運動はストッパー24によって制限される(図7参照)。ストッ
パー24上にあるパルス発生器27は個々の工作物の指示に従った位置を記録し
、それに基づいてチャック2を閉じ、六角部10の一部または全長を締めつけ固
定する。これと同時に、ストッパー24が後退し、このストッパーに対向する舞
い刃型フライスヘッドの工具軸5が加工位置へ移動し、縦溝9が個々の工作物の
円形の端区間に加工される。これと同期して、スライダ19も後退するので、そ
の溝20はシュート14の出口と一直線上に並ぶ。そして、新しい個々の工作物
8が溝20内に入る。この後退位置では、スライダ19の吹きつけ穴21が主軸
11の軸中空部11および圧縮空気吹きつけノズル22と一直線上に並ぶ。個々
の工作物8の加工が達成されるや否や、工具軸5はその出発位置に戻る。工作物
チャック2が開放し、圧縮空気吹きつけノズル22の次のタクトによって、圧縮
空気が吹きつけ穴22を通って軸中空部11内に案内され、それによって加工さ
れた個々の工作物8が押し出される(図9参照)。そして、前述の工程が繰り返
される。
軸中空部11を丸くない横断面に形成し、その横断面を六角部10の横断面に
合わせることができる。この場合、主軸の入口端部に、移行段部が発生する。図
示した実施の形態の場合、移行段部26は工作物チャック2の範囲に設けられて
いる。
更に、2個の圧縮空気吹きつけノズルを分離装置に付設することができる。こ
の吹きつけノズルの一方は、仕上げ加工された個々の工作物を押し出す働きをし
、他方の吹きつけノズルは個々の工作物を押し込む働きをする。
図10〜13に示した第2の実施の形態の場合、同じ部品には同じ参照番号が
付けてある。チャック2を支持する主軸1は同様に、横断面が円形の軸中空部1
1を有する。主軸1はチャック2と共に常に回転し、しかもチャックにねじ回し
ビットBを挿入しているときと、チャック2からねじ回しビットを取り出すとき
にも回転する。更に、チャック2の掴みジョー3の内面は六角中空部の形をした
中央の丸くない範囲4を形成している。この六角中空部は個々の工作物8の六角
部10に形が適合している。
個々の工作物8の搬送方向が図10においてxで示してある。軸中空部と丸く
ない範囲4の間の移行段部28の近接して、図示していない方法で主軸1に相対
回転しないように連結されたブッシュ29が、等しい角度分布で設けられた3個
の角度位置調節体Kを備えている。本実施の形態の場合、この角度位置調節体は
ころがり体として形成され、しかも半径方向内側へばねで付勢された球30とし
て形成されている。前記のブッシュ29は中央の穴31が軸中空部11の延長部
を形成している。軸中空部11と穴31の直径は等しい大きさである。
球30を収容するために、ブッシュ29には穴32が穿設され、この穴32の
直径は穴31よりも小さくなっている。従って、球30は所定の寸法だけ半径方
向内側へ移動可能であり、しかも穴32に収納された圧縮ばね33によって移動
可能である。穴32を通る中心線Mは、丸くない範囲4の六角部の面に対して垂
直になるように延びている。
タクト的な圧縮空気供給により、個々の工作物8が軸中空部11を通ってチャ
ック2の方へ吹きつけられると、個々の工作物は移行段部28に隣接する、球3
0を備えた領域を通過する。この球30は個々の工作物8の配向を行うので、六
角部10の面がチャック2の丸くない範囲4の面に合致する。図10には、球3
0の間にある個々の工作物8が一点鎖線で示してある。縦溝9を備えた加工範囲
は移行段部28を部分的に通過し、既にチャック2内にまたはチャックの丸くな
い範囲4内に達している。六角部10が丸くない範囲4に対応するよう配向され
ているので、個々の工作物8は当接位置までスムースに搬送される。
図12に示すように、個々の工作物8の回転向きが不所望であるときには、球
30が六角部10の角によってばねの作用に抗して半径方向外側へ移動する。し
かしながら、工作物8が通過するときに、球30が六角部10の六角面を支持し
ようとし、それによって図11から判るように工作物を回転させることにより、
球は個々の工作物8の強制的な回転配向を行う。
球30の代わりに、配向方向に位置する湾曲外周面を有するころがり体を使用
することができる。この湾曲外周面は工作物搬送方向側に設けられている。同様
に、このころがり体に適当な弾性付勢力を加えることができる。
球30または移行段部26,28によって形成された制動機構は、供給通路1
1の入口端部12内に挿入された工作物の速度を低下させる。供給通路11を通
過するときに工作物を工作物が連続して圧縮空気で付勢されることにより、工作
物は制動機構すなわち移行段部26,28またはころがり体(K)に達するまで
加速される。横断面縮小部に達すると、工作物は制動される。この制動は速度が
零になるまで行うことができる。そして、工作物は、軸中空部の丸くない範囲に
横断面が適合するまで、軸方向の速度なしに、軸中空部11の丸くない範囲内で
その回転によって転がる。そして、空気圧力付勢が強まることにより、工作物は
ストッパー24まで更に搬送される。制動機構が供給通路11内に弾性的に突出
する物体Kによって形成されている場合には、工作物の姿勢の回転角度適合は締
めつけ作用によって行うことができる。この場合更に、ショックの少ない制動が
行われる。
上記の記載、図面および特許請求の範囲に開示された本発明の特徴は、個別的
にも任意に組み合わせても、本発明の実施にとって重要である。開示されたすべ
ての特徴は本発明にとって重要である。これに関連して、本願の開示には、所属
/添付の優先権書類(先行出願のコピー)の開示内容も有利に取り込まれる。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1995年2月15日
【補正内容】
請求の範囲
1.主軸の自由端に工作物チャックが設けられ、圧縮空気吹きつけノズル(22
)によって連続回転する主軸(1)を通って工作物チャック(2)の方へ圧縮空
気を後側から吹きつけることにより、工作物が主軸の内部を通って軸方向に工作
物チャックに供給され、工作物チャックのヘッドの前に工具ステーションが設け
られ、加工タクト的に工作物チャック(2)のヘッドの前へ移動するストッパー
(24)が設けられ、入口端部(12)とチャック(2)の間において主軸(1
)の軸中空部(11)内に制動機構が設けられ、この制動機構が第1の主軸区間
(11)と第2の主軸区間(4)の移行段部(26,28)の形をし、圧縮空気
が工作物(8)を停止のために制動機構に押しつける、工作機械の供給装置にお
いて、丸くない、例えば多角形の横断面を有する工作物(8)、例えはビット(
B)を供給するために、第2の主軸区間が工作物横断面に適合した横断面形状を
有し、第1の主軸区間が工作物を包み込む横断面形状を有し、工作物が遅くなっ
た速度で制動機構を出てストッパー(24)に当たるように、移行段部(28)
がチャックの手前に配置されていることを特徴とする供給装置。
2.丸くない範囲(4)に設けられ、かつ半径方向内側へ弾性的に付勢された角
度位置調節体(K)が、移行段部(28)に付設されていることを特徴とする、
請求の範囲第1記載の供給装置。
3.制動機構が弾性的に逃げることができる突起として、軸中空部(11)によ
って形成された回転する供給通路の横断面内に突出していることを特徴とする、
請求の範囲第2項記載の供給装置。
4.制動機構がチャックのすぐ手前に設けられていることを特徴とする、請求の
範囲第1項、第2項または第3項に記載の供給装置。
5.個々の工作物(8)を縦列に収容するシュート(14)と、このシュートと
主軸(1)の軸中空部(11)の入口端部(12)の間に設けられた、入口端部
(12)の前の押し込み位置へ工作物(8)を1個ずつ分離するための装置(1
3)とを備え、この分離装置の背後に圧縮空気吹きつけノズル(22)が
設けられていることを特徴とする、請求の範囲第1〜4項のいずれか一つに記載
の供給装置。
6.分離装置かタクト的に往復制御されるスライダ(19)からなっていること
を特徴とする、請求の範囲第5項記載の供給装置。
7.個々の工作物(8)を停止させるためのストッパーが、加工タクト的に往復
移動するフィンガーによって形成されていることを特徴とする、請求の範囲第1
〜6項のいずれか一つに記載の供給装置。
8.包み込む横断面から丸くない横断面への移行段部(26)が工作物チャック
(2)の範囲に設けられていることを特徴とする、請求の範囲第1〜7項のいず
れか一つに記載の供給装置。
9.工具ステーション(6)が舞い刃型フライスヘッドとして形成され、このフ
ライスヘッドの工具軸(5)が工作物チャック(2)のヘッドの前に主軸(1)
に対してずれており、かつ主軸(1)に対して一定の回転数比で回転し、この回
転数比が個々の工作物(8)の自由端部に取付けられる成形面(縦溝9)の数に
依存していることを特徴とする、請求の範囲第1〜8項のいずれか一つに記載の
供給装置。
10.工具軸(5)がストッパー(24)を形成するフィンガーに対して対向させ
て配置されていることを特徴とする、請求の範囲第8項または第9項に記載の供
給装置。
11.分離スライダ(19)がシュート(14)の下方に移動する、個々の工作物
(8)を入れるための溝(20)を備え、スライダ(19)が主軸(1)の入口
端部(12)の前のその位置へ移動した後で、この溝(20)が装置の蓋(25
)によって閉鎖されることを特徴とする、請求の範囲第6〜10項のいずれか一
つに記載の供給装置。
12.角度位置調節体(K)が軸方向に位置する湾曲外周面を備えたころがり体と
して形成され、この湾曲外周面が工作物搬送方向(x)に向いていることを特徴
とする、請求の範囲第1〜12項のいずれか一つに記載の供給装置。
13.丸くない範囲(4)の横断面が六角形であり、3個のころがり体が均一な角
度分布で設けられていることを特徴とする、請求の範囲第12項記載の供給装
置。
14.ころがり体が多角形部(10)の寸法まで突出する球(30)として形成さ
れていることを特徴とする、請求の範囲第13項記載の供給装置。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AT,AU,BB,BG,BR,BY,
CA,CH,CN,CZ,DE,DK,ES,FI,G
B,GE,HU,JP,KG,KP,KR,KZ,LK
,LU,LV,MD,MG,MN,MW,NL,NO,
NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SK,T
J,UA,US,UZ,VN