JP4428954B2 - パーツ姿勢安定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、自動車のエンジンに使用する点火プラグ等の円柱状のパーツを2本の傾斜ローラにより搬送して、パーツの箱詰めに必要なパーツの姿勢を確保できるパーツ姿勢安定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のエンジンに使用する点火プラグの生産ラインにおいては、点火プラグの完成品の箱詰めを行なう。点火プラグは長さ方向の中央部が少し大きい断面に形成され、概略円柱状に形成されている。加工された多数の点火プラグは、通い箱と称するケースに入っており、箱詰めする前に、パーツ整列装置により個々の点火プラグの挿入方向( 箱詰め方向) を揃える必要がある。
パーツ整列装置は、2本の対向して回転する傾斜ローラと、傾斜ローラの区間を開閉動作して点火プラグを把持するクランプ爪及び出戻動作を行なうストッパーの組み合わせにより点火プラグを1個ずつ切り出すようにするための切り出し機構とを備えている。
パーツ整列装置において、各点火プラグは対となる2本の傾斜ローラ間から落下しないで傾斜ローラの傾斜に沿って滑走し、傾斜ローラの搬送方向の中間位置に設けられた切り出し機構により点火プラグを1個ずつ切り出して、傾斜ローラの終端に設けられたストッパーまで搬送され、把持されて傾斜ローラから取り出され、所定の搬送手段に移動されるように構成されている。
なお、点火プラグと比較して形状が単純なボルト等のパーツを、対となる2本の傾斜ローラ間に吊り下げて整列供給する装置が知られている。(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−326149号公報(図5)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来のパーツ整列装置においては、未だ解決すべき以下のような問題があった。
傾斜ローラにより点火プラグ同士が接触して連続して搬送されてきた点火プラグが、切り出し機構により1個ずつに分離されて傾斜ローラで搬送される場合には、切り出された点火プラグが不規則な姿勢、例えば、2 本の傾斜ローラの上端を繋ぐ水平面に対して垂直方向より少し傾斜したり、また、2 本の傾斜ローラの軸と軸方向が一致して2 本の傾斜ローラの上側の外円面の間に挟まれたりしていたとしても、点火プラグの重心バランスにより搬送中に点火プラグの上下方向が前記水平面に対して垂直方向に揃えられるので、チャッキングにおいて何ら問題は生じない。
しかし、切り出し機構により点火プラグが1個ずつに分離されずに傾斜ローラで搬送される場合には、搬送中の隣り合う点火プラグ同士が干渉して、点火プラグの重心バランスが崩れるため点火プラグの姿勢が安定せず(点火プラグが横方向に向いたり、点火プラグが垂直方向から傾く)、これによりチャッキングにおいて点火プラグを確実に把持することができなかった。
また、チャッキングにおいて点火プラグを1個ずつ把持して傾斜ローラから取り出すことができたとしても、チャッキングは点火プラグの上下の向き(挿入方向)を揃える機能を備えていないので、点火プラグの方向が揃わない(即ち、点火プラグの上下方向が逆になる)まま箱詰めする所まで搬送されるため、人手により点火プラグの上下の向きを揃える必要があった。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、例えば、自動車エンジンの点火プラグのように複雑な形状をした棒状のパーツを連続的に搬送しながら、パーツの姿勢を安定にすることができ、また、パーツの向きを揃えることができるパーツ姿勢安定装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う第1の発明に係るパーツ姿勢安定装置は、棒状に形成され長手方向の中間部又は一端部に円柱状又は多角形状の突出部を有するパーツを、搬送方向に沿って下方に傾斜して、かつ、所定の間隙を保持して平行に配置され、対向して回転する対となる傾斜ローラの前記間隙から落下させることなく搬送し、しかも、前記パーツの上側部又は下側部を前記傾斜ローラの間隙に挿通し、該パーツの長手方向を前記対となる傾斜ローラの搬送方向に対して実質的に垂直にして該パーツの姿勢を安定化する装置であって、
前記対となる傾斜ローラの搬送方向の中間位置には、該対となる傾斜ローラの搬送方向に実質的に直交する方向に開閉して、前記パーツを把持可能な対となる第1の把持部材と、前記対となる第1の把持部材の下流側に、先端部に形成された鉤部が位置するように該第1の把持部材にそれぞれ設けられ、前記鉤部が平面視して前記対となる傾斜ローラの搬送方向に位置がずれた状態で、内側に対向して配置されたガイド部材とを備えたパーツ切り離し手段を設け、
前記対となる第1の把持部材及び前記ガイド部材を間欠的に開閉操作することにより、該対となる傾斜ローラにより連なって搬送されている前記パーツ同士を切り離すように構成されている。
これによって、対となる傾斜ローラの搬送方向に実質的に直交する方向に開閉して、パーツを把持可能な対となる第1の把持部材と、鉤部が先端部に形成され、しかも、平面視して対となる傾斜ローラの搬送方向に位置をずらせて内側に対向して配置されたガイド部材とを間欠的に開閉操作することによって、対となる傾斜ローラにより連なって搬送されてくるパーツを一本ずつ切り離して搬送することができる。
【0007】
また、第1の発明に係るパーツ姿勢安定装置は、前記パーツ切り離し手段の下流側で、該パーツ切り離し手段により切り離なされた不安定な姿勢の前記パーツが該パーツの重心のバランスにより安定な姿勢となるのに必要な搬送距離が確保された位置に、前記対となる傾斜ローラの搬送方向に実質的に直交する方向に開閉して、前記パーツを把持可能な対となる第2の把持部材と、該第2の把持部材の下流側直近に設けられ、前記パーツの停止及び停止解除可能な切り出し用ストッパー機構とを備えたパーツ切り出し手段を設け、
前記パーツ切り出し手段により、該パーツ切り出し手段の上流側にある前記パーツを1個ずつ切り出している。
これによって、パーツ切り離し手段により切り離なされた不安定な姿勢のパーツが、パーツの重心のバランスにより安定な姿勢となり、しかも、パーツ切り出し手段によりパーツを1個ずつ切り出すことができる。
【0008】
第2の発明に係るパーツ姿勢安定装置は、第1の発明に係るパーツ姿勢安定装置において、前記パーツ切り出し手段により切り出された不安定な姿勢の前記パーツが、該パーツの重心のバランスにより安定な姿勢となるのに必要な搬送距離が確保された位置に、前記パーツを取り出す位置を決める取り出し用ストッパーを設けている。これによって、パーツ切り出し手段により切り出されたパーツがたとえ、不安定な姿勢で搬送されたとしても搬送中に安定な姿勢となり、しかも、パーツが1個ずつ搬送される。
また、第2の発明に係るパーツ姿勢安定装置は、前記取り出し用ストッパー位置にある前記パーツの上側を、前記対となる傾斜ローラの搬送方向に実質的に直交する方向に開閉して把持するパーツ把持手段と、該パーツ把持手段で把持した前記パーツの上下方向を逆方向にできるパーツ方向転換手段と、前記取り出し用ストッパー位置にある前記パーツの向きを判定する光電センサーとを備えている。これによって、パーツ把持手段により把持したパーツの上下方向をパーツ方向転換手段により一定方向にすることができる。
【0009】
第3の発明に係るパーツ姿勢安定装置は、第1及び第2の発明に係るパーツ姿勢安定装置において、前記対となる傾斜ローラが2セット以上設けられ、ガイド機構により前記傾斜ローラの搬送方向と直交する方向に進退可能な移動傾斜板に、前記対となる傾斜ローラの各対の一方側の両端部が第1の取付ブラケットを介して取付けられると共に、前記移動傾斜板の直上に設けられた固定傾斜板に、前記対となる傾斜ローラの各対の他方側の両端部が第2の取付ブラケットを介して取付けられ、手動式の進退機構により、前記対となる傾斜ローラの一方側を一体的に移動させることにより、前記対となる傾斜ローラの間隙を調整可能に構成している。これによって、取り扱うパーツの形状や処理量等の条件に最適な間隙に調整することができる。また、取り扱うパーツの処理時間を短縮することができることに加え、傾斜ローラの一方側を移動する構成が簡略化されると共に、移動の制御が簡単になる。
第4の発明に係るパーツ姿勢安定装置は、第1〜第3の発明に係るパーツ姿勢安定装置において、前記対となる傾斜ローラの傾斜角度を調整可能に構成している。これによって、取り扱うパーツの処理量等の条件に最適な傾斜角度に調整できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1は本発明の一実施の形態に係るパーツ姿勢安定装置を用いたパーツ搬送設備の模式図、図2は同パーツ姿勢安定装置を用いたパーツ搬送設備の正面図、図3は同パーツ姿勢安定装置を用いたパーツ搬送設備の要部斜視図、図4は同パーツ姿勢安定装置の要部斜視図、図5は同パーツ姿勢安定装置の要部平面図、図6は同パーツ姿勢安定装置の要部正面図、図7は同パーツ姿勢安定装置の傾斜ローラの斜視図、図8は同パーツ姿勢安定装置を用いたパーツ搬送設備で取り扱うパーツの姿勢安定性の説明図、図9は同パーツ姿勢安定装置の方向揃え部及び箱詰め用コンベア供給部の正断面図、図10は同パーツ姿勢安定装置の方向揃え部の側面図、図11は同パーツ姿勢安定装置の方向揃え部の平面図、図12(A)、(B)はそれぞれ、図11の矢視A−A断面図、矢視B−B断面図、図13は方向揃え部及び箱詰め用コンベア供給部におけるパーツの搬送状態を示す説明図、図14はパーツ搬送設備で取り扱う別のパーツの姿勢安定性の説明図である。
【0012】
図1〜図3に示すように、本発明の一実施の形態に係るパーツ姿勢安定装置10を用いたパーツ搬送設備11は、パーツ姿勢安定装置10の上流側にあって、多数のパーツP(図8参照、棒状に形成され長手方向の中間部に6角形状の突出部tを有する)が不規則な状態で入った通い箱12を一箱ずつ供給する通い箱供給部13と、通い箱供給部13から供給された一箱の通い箱12のパーツPを払い出す払出搬送部14と、また、パーツ姿勢安定装置10の下流側にあって、パーツ姿勢安定装置10により、払出搬送部14から払い出されたパーツPの姿勢及び方向(向き)が揃えられた複数(実施の形態では、5個)のパーツPの端面を揃えて、箱詰め用コンベア15へ供給する箱詰め用コンベア供給部16とを備えている。
【0013】
さらに、パーツ姿勢安定装置10は、払出搬送部14から払い出された多数のパーツPを5列の搬送路に分けて搬送し、各搬送路毎に不規則な姿勢のパーツPを規則正しい姿勢(実施の形態では、縦方向)に揃え、しかも、連なって搬送されているパーツPを一個ずつ切り出す姿勢揃え部17と、姿勢揃え部17にて規則正しい姿勢に揃えられて一個ずつ切り出されたパーツPの向きを箱詰めにふさわしい方向に揃える方向揃え部18とを有している。
以下、これらについて詳しく説明する。なお、パーツ姿勢安定装置10を含め、パーツ搬送設備11を構成する各部は、床面Fに設けられ、鋼板及び形鋼等から構成された共通フレーム11aに取付けられている。また、パーツ姿勢安定装置10におけるパーツPの水平な搬送方向をX方向、平面視してX方向に直交する方向をY方向、X方向及びY方向に直交する方向をZ方向と定義する。
【0014】
図1及び図2に示すように、通い箱供給部13は、自動車のエンジンに使用する点火プラグであるパーツPが約200本入った通い箱12が複数段(実施の形態では、5段)人手により投入され、また、空となった通い箱12の払い出しが行なわれるフリーローラコンベア19と、フリーローラコンベア19に一度に5段積みされた通い箱12を一箱ずつ下流側の上方に配置された払出搬送部14に持ち上げ、一方、払出搬送部14において空となった5箱の通い箱12をフリーローラコンベア19に下ろすことができる、エアシリンダを駆動源とするリフター20と、空となった通い箱12を一箱ずつリフター20に段積みして5段とする段積み手段(図示せず)とを備えている。
【0015】
かかる構成によって、人手によりパーツPが入った通い箱12をフリーローラコンベア19に5段積みしてリフター20の位置まで搬送し、通い箱12はリフター20により一箱ずつ払出搬送部14に搬送される。払出搬送部14で空になった通い箱12はリフター20に戻され、前記段積み手段により一箱ずつ段積みされて5段とされた後、リフター20によりフリーローラコンベア19に下ろされる。
【0016】
図1及び図2に示すように、払出搬送部14は、リフター20との間でパーツPが充填又は空の通い箱12を受け渡しする通い箱受け渡し手段21と、通い箱受け渡し手段21から受け取った通い箱12を傾けてパーツPを下方に払い出す通い箱傾倒手段22と、通い箱傾倒手段22により払い出されたパーツPを搬送する上下2段に配置された上段ベルトコンベア23及び下段ベルトコンベア24を備えたパーツ搬送手段とを有している。通い箱受け渡し手段21には、リフター20により搬送された一箱の通い箱12を通い箱傾倒手段22に水平方向に搬送し、通い箱傾倒手段22により空となった通い箱12をリフター20に戻す進退機構(図示せず)が設けられている。
【0017】
上段ベルトコンベア23の上流端には上段シュート25が設けられ、上段ベルトコンベア23の下流端には上段サブシュート26が設けられている。下段ベルトコンベア24の上流端には、上段サブシュート26に対応して下段シュート27が設けられ、下段ベルトコンベア24の下流端には排出シュート28が設けられている。なお、下段ベルトコンベア24及び排出シュート28には、パーツ姿勢安定装置10へパーツPを5列の搬送路に分割して供給できるように5列のガイド(図示せず)が設けられている。
【0018】
上段シュート25、上段サブシュート26及び下段シュート27のパーツPが接触する部分には、パーツPが傷つかないように衝撃吸収性に優れた無反発ゴム(ウレタンゴム)が使用されている。なお、通い箱傾倒手段22により通い箱12を傾けて払い出されたパーツP同士が通い箱12内で激しく接触して傷付け合わないように、また、通い箱12からパーツPが多量に払い出されて傷付かないように、上段シュート25の直前には開閉式の蓋が取付けられており、蓋が徐々に開くように構成されている。上段ベルトコンベア23及び下段ベルトコンベア24のコンベアベルトは、ラフトップベルトを使用している。
【0019】
かかる構成によって、通い箱受け渡し手段21から通い箱傾倒手段22に受け取られた通い箱12はゆっくりと傾けられて、パーツPが上段シュート25へ払い出され、上段ベルトコンベア23、上段サブシュート26、下段シュート27、下段ベルトコンベア24及び排出シュート28を経由して、パーツ姿勢安定装置10に供給される。一方、パーツPが払い出された通い箱12は通い箱受け渡し手段21によりリフター20に戻される。
【0020】
図3〜図6に示すように、パーツ姿勢安定装置10は、下段ベルトコンベア24及び排出シュート28に設けられた5列のガイド(図示せず)により5列に分割して供給されるパーツPをそれぞれ、搬送方向に沿って下方に傾斜し、かつ、所定の間隙Gを保持して平行に配置された対となって回転する外径Dの傾斜ローラ29、30の間隙G(図8に示すように、パーツPの6角形状の突出部tの外形寸法dより小さく設定されている)から落下させることなく搬送している。しかも、パーツ姿勢安定装置10は、図8に示すように、パーツPの上側部又は下側部を傾斜ローラ29、30の間隙Gに挿通し、パーツPの長手(上下)方向を対となる傾斜ローラ29、30の搬送方向に対して実質的に垂直にしてパーツPの姿勢を安定化し、さらに、パーツPの長手方向の向きも揃えることができる装置である。以下、これらについて詳しく説明する。
【0021】
図3〜図6に示すように、姿勢揃え部17の上流側には、排出シュート28を介して供給されるパーツPを5組の対となる傾斜ローラ29、30へそれぞれ導くためにスライドさせる傾斜ガイド板32を備えたガイド手段33が設けられている。矩形状の傾斜ガイド板32上の上流側には、パーツPを分流するための三角錐状の小さいガイドブロック34〜38がY方向に所定の間隔をあけて配置されている。傾斜ガイド板32上の下流側には、隣り合うガイドブロック34〜38の中間位置に尖がった先端部を備え、パーツPを傾斜ローラ29、30へガイドする大きなガイドブロック39 〜42 が設けられ、さらに、ガイドブロック39 、42のY方向の外側には、ガイドブロック39、42に対向してガイドブロック43、43aが設けられている。かかる構成によって、ガイド手段33の上流端に供給されたパーツPはガイドブロック39 〜43、43aにガイドされて傾斜ガイド板32上を滑って傾斜ローラ29、30の上流端に搬送される。
【0022】
図2及び図4〜図6に示すように、ガイド手段33及び5組の傾斜ローラ29、30は、共通フレーム11aのX方向の中間位置に、高さ調整可能な4本の支持部材44により略水平状態に取付けられた厚肉の固定板45を介して設けられている。平面視して矩形状の固定板45の前側(下流側)には、Y方向に所定の間隔をあけて2本の支持部材46が配置されており、支持部材46の上側部46aは高さ方向の中間位置にて回動可能な構造となっている。一方、固定板45の後側(上流側)にはY方向に所定の間隔をあけて伸縮可能な2本の支持部材47が配置されている。
【0023】
固定板45の上方には、2本の支持部材46の上側部46a及び2本の支持部材47の上側部47aが取付けられ、X方向に沿って下側に傾斜した傾斜取付板48 が設けられている。なお、支持部材47は高さ方向の中間位置に設けられたねじ機構47bにより高さの調整ができ、これにより、平面視して矩形状の傾斜取付板48 の傾斜角度α(例えば、α=3〜7°)を調整して傾斜ローラ29、30の搬送速度を適切な大きさとしている。
【0024】
傾斜取付板48 の直上には、傾斜取付板48 と平行間隔Hを保持して移動傾斜板49が取付けられており、平面視して矩形状の移動傾斜板49はX方向の両端部にY方向に沿って設けられたガイド機構50、51によりY方向に進退可能に設けられている。移動傾斜板49には、取付ブラケット52(テール部を表しており、ヘッド部は図示されていない)を介して5本の傾斜ローラ30の両端部が取付けられている。移動傾斜板49の直上には移動傾斜板49と平行に、平面視して矩形状の固定傾斜板53が設けられており、固定傾斜板53の後側にはガイド手段33がY方向両端部にそれぞれ間隔をあけて配置された固定ブラケット54、55により取付けられている。
【0025】
固定傾斜板53上には取付ブラケット56、56aを介して5本の傾斜ローラ29の両端部が取付けられている(図7参照)。5本の傾斜ローラ30が設けられた移動傾斜板49は、傾斜取付板48に設けられ、スクリューネジを利用した手動式の進退機構48a及びガイド機構50、51により、Y方向に沿って約2〜5mm進退でき、これにより、5組の傾斜ローラ29、30間の間隙Gを一度に調整することができる。
【0026】
図7に示すように、傾斜ローラ29は、中心部に設けられた金属製のローラシャフト(図示せず)と、該ローラシャフトの長手方向に取り替え可能にパイプ状に形成された4つのローラ分割体57〜60を有している。ローラ分割体57〜60はゴム等の柔軟材からなっており、ローラ分割体57側が取付ブラケット56に取付けられ、ローラ分割体60側がカップリング60aの一端部に連結されている。カップリング60aの他端部には取付ブラケット56aを挟んでタイミングプーリー61が取付けられている。なお、傾斜ローラ29、30の実質的な搬送路の長さLは、ローラ分割体57〜60の長さを合計した長さとなっており、パーツPはガイド手段33からローラ分割体60の上流側端部に供給される。
【0027】
傾斜ローラ30も図7に示す傾斜ローラ29と同じ構成となっている。5組の傾斜ローラ29、30に取付けられたタイミングプーリー61には、無端のタイミングベルト(図示せず)が順次、たすき掛けで取付けられており、しかも、Y方向の端部に配置された傾斜ローラ29は、減速機付き電動機(図示せず)によりタイミングプーリー61側のローラシャフトが回転駆動可能になっている。しかも、図8に示すように、各傾斜ローラ29、30の回転方向は逆方向となっており、下流側から見て、右側の傾斜ローラ29は時計方向に、左側の傾斜ローラ30は反時計方向に、回転速度N(一例として、35〜650rpm)で回転する。
【0028】
図3〜図6に示すように、対となる傾斜ローラ29、30の搬送方向の中間位置には、姿勢揃え部17のパーツ切り離し手段17aが設けられている。図4の拡大図に示すように、パーツ切り離し手段17aには、対となる傾斜ローラ29、30の搬送方向に実質的に直交する方向(Y方向)に開閉して、平行な対となる対向面によりパーツPを把持可能な対となる第1の把持部材62、62aが設けられている。第1の把持部材62、62aはそれぞれ、エアチャック63の一対の開閉するエスケープハンドに取付けられた切り出し爪64、64aを有している。なお、切り出し爪64、64aがパーツPの上側部を把持する把持代Wは約10〜20mmとしている(図8参照)。
【0029】
エアチャック63にエアを供給することにより、Y方向に所定の間隔K(例えば、K=20〜30mm)で切り出し爪64、64aを開閉することができ、これにより、傾斜ローラ29、30により搬送される種々の姿勢のパーツPを把持することができる。エアチャック63は固定傾斜板53に固定ブラケット54、55を介して取付けられた水平板材53aにX方向及びZ方向の位置を調整可能にするため、取付ブラケット65、66を介して設けられている。
【0030】
図3〜図6に示すように、切り出し爪64、64aの下流側にはそれぞれ、平面視して内側に対向して対となって傾斜ローラ29、30の搬送方向に位置をずらせて(ずらし量Tは約20〜30mm)、先端部が内側に90度曲がった鉤部67、67aが形成され、薄板材から加工されたガイド部材68、68aが取付けられている。なお、第1の把持部材62、62a及びガイド部材68、68aを有してパーツ切り離し手段17aが構成されている。かかる構成によって、対となる切り出し爪64、64a及びガイド部材68、68aを間欠的に開閉操作する(例えば、1秒間隔で開閉を繰り返す)ことにより、対となる傾斜ローラ29、30により連なって搬送されているパーツP同士を一個ずつ切り離すことができ、これにより、以降のパーツPが互いに干渉することなく傾斜ローラ29、30で搬送されることになる。
【0031】
パーツ切り離し手段17aの下流側にはパーツ切り出し手段17bが設けられており、パーツ切り出し手段17bもパーツ切り離し手段17aと同様、対となる傾斜ローラ29、30の搬送方向に実質的に直交する方向(Y方向)に開閉して、平行な対となる対向面によりパーツPを把持可能な対となる第2の把持部材69、69aが設けられている。第2の把持部材69、69aも第1の把持部材62、62aと同様、それぞれ対となる切り出し爪が設けられ、エアチャック70により駆動されている。5個のエアチャック70は、傾斜取付板48 のY方向の両端部に設けられた垂直部材71、72の先端部に水平に取付けられた水平部材73に取付けられている。
【0032】
なお、パーツ切り出し手段17bのパーツ切り離し手段17aからの距離Sは、以下のように決定されている。パーツ切り離し手段17aにより一個ずつ切り離なされた不安定な姿勢(図8(e)又は(f)に示すように、基本的には、パーツPの傾斜ローラ29、30に対する姿勢が垂直方向でない状態であって、例えば、パーツPの長さ方向が垂直に対して斜めに傾いていたり、パーツPの長さ方向が傾斜ローラ29、30の長さ(軸)方向と一致している状態)のパーツPが、重心のバランスにより安定な姿勢(図8(a)〜(d)に示すように、基本的には、パーツPの傾斜ローラ29、30に対する姿勢が垂直方向である状態で、(a)から(d)になるに従って安定性は低下する)となるのに必要な搬送距離となっている。
【0033】
図4〜図6に示すように、パーツ切り出し手段17bの第2の把持部材69、69aの下流側直近には、傾斜ローラ29、30で搬送されて安定な姿勢となったパーツPを、ストッパーの開閉操作によって停止したり、また、停止している1個のパーツPを切り出すことができる切り出し用ストッパー機構74が設けられている。かかる構成によって、切り出し用ストッパー機構74の前記ストッパーを閉にして上流側の複数のパーツPを停止させ、停止させた最下流のパーツPの一個上流側のパーツPを第2の把持部材69、69aにより把持し、その後、切り出し用ストッパー機構74の前記ストッパーを開にして最下流のパーツPだけ方向揃え部18へ切り出すことができる。
【0034】
なお、5列にそれぞれ設けられた第2の把持部材69、69a及び切り出し用ストッパー機構74は、機械的又は電気的な機構を介して、同時に運転されるように構成されている。また、各列毎に切り出し用ストッパー機構74で貯留する複数のパーツPの数を制御するために、各列毎に設けられたセンサー(図示せず)により、切り出し用ストッパー機構74に貯留されているパーツPの数又は量(実際には、傾斜ローラ29、30に搬送されている複数のパーツPの長さ)を検出し、この検出結果に応じて、各列毎に、各パーツ切り離し手段17aの運転及び停止をコントロールしている。
【0035】
図4及び図5に示すように、傾斜ローラ29、30の下流端には、パーツ切り出し手段17bにより切り出された不安定な姿勢のパーツPが、重心のバランスにより安定な姿勢となるのに必要な搬送距離Uを保持した位置に、取り出し用ストッパー75が設けられている。取り出し用ストッパー75によりパーツPを停止させて、方向揃え部18によりパーツPを取り出すことができる。
【0036】
安定な姿勢となって取り出し用ストッパー75により位置決めされた各列のパーツPはそれぞれ、図13(a)から(d)に示すように、方向揃え部18に設けられたロータリチャックシリンダ76より把持され、5個のロータリチャックシリンダ76が一体的に移動されて5個のパーツPが傾斜ローラ29、30から取り出され、パーツPの長さ方向の向きが異なる(逆)場合には、ロータリチャックシリンダ76によりパーツPが180°回動されて上下(長さ)方向を同じ方向に揃えた状態で、5個のパーツPが一度に箱詰め用コンベア供給部16へ供給されるようになっている。
【0037】
なお、図7及び図8に示すように、取り出し用ストッパー75位置でのパーツPの長さ(上下)方向の向きを判定するために、傾斜ローラ29のローラ分割体57直下には、パーツPの下端位置sを検出するための光電センサー57aがブラケット57bを介して取付けられている。ここで、5個のロータリチャックシリンダ76を一体的に構成して5個のパーツPを同時にハンドリングしているので、パーツP1個当たりの処理時間を短縮することができる。
【0038】
図9〜図12に示すように、方向揃え部18は、5組の傾斜ローラ29、30に対応した5個のロータリチャックシリンダ76と、5個のロータリチャックシリンダ76を一体的に固定する固定板77と、固定板77をX方向に進退可能な進退機構78と、進退機構78をX−Z面内で旋回可能な旋回手段79とを備えている。
【0039】
旋回手段79は、共通フレーム11aの一部を構成する取付フレーム11bに設けられたサーボモータ80と、サーボモータ80の出力軸に取付けられたカップリング(図示せず)と、該カップリングに連結され、両端部を軸受81により回動自在に支持された回動軸82と、回動軸82に固定され、しかも、進退機構78が取付けられた旋回ブラケット83とを備えている。なお、前記カップリングは安全のためカップリングカバー80aに覆われている。また、図12(A)、(B)に示すように、旋回ブラケット83の旋回角度を検出し、停止するためのセンサー、センサー取付ベース、ストライカー等が設けられている。
【0040】
図9及び図10に示すように、旋回ブラケット83に取付けられた進退機構78は、Y方向に所定の平行間隔をあけて配置された対となる棒状の固定ガイド84と、対となる固定ガイド84に係合してX方向に摺動し、しかも、固定板77に取付けられた対となる移動ガイド85と、移動ガイド85を進退駆動するエアシリンダ86とを備えている。
【0041】
図9〜図12に示すように、ロータリチャックシリンダ76の先端部には、対向して配置されエアを介して開閉操作することにより、傾斜ローラ29、30の搬送方向に実質的に直交する方向(Y方向)に開閉して、平行な対となる対向面によりパーツP(取り出し用ストッパー75位置にある)の上端部を把持可能な一対のチャック爪87、87aが設けられており、しかも、ロータリチャックシリンダ76は一対のチャック爪87、87aを開閉面内で180°回動できるように構成されている。従って、ロータリチャックシリンダ76には、取り出し用ストッパー75位置にあるパーツPの上側を、対となる傾斜ローラ29、30の搬送方向に直交する方向に開閉して把持する一対のチャック爪87、87aを有するパーツ把持手段が設けられており、しかも、パーツPを把持したまま一対のチャック爪87、87aを180°回動して把持したパーツPの上下方向を逆方向にできるパーツ方向転換手段を備えていることになる。
【0042】
かかる構成によって、方向揃え部18においては、図13に示すように、先ず(a)において、ロータリチャックシリンダ76の一対のチャック爪87、87aの閉操作によりパーツPの上端部を把持し、旋回手段79によりロータリチャックシリンダ76を回動軸82回りに時計方向に回動させ、ロータリチャックシリンダ76の軸心mを角度β移動させてパーツPを傾斜ローラ29、30から取り出し、(b)において、進退機構78の作動によりロータリチャックシリンダ76をストロークR後退させて傾斜ローラ29、30の取付ブラケット56と干渉しない位置に移動する。
【0043】
次いで、(c)において、パーツPの向きを揃える必要がある場合には、ロータリチャックシリンダ76により一対のチャック爪87、87aを180°回転させた後に、また、パーツPの向きを揃える必要が無い場合にはそのまま、旋回手段79によりロータリチャックシリンダ76を回動軸82回りに反時計方向に回動させて、ロータリチャックシリンダ76の軸心mを角度γ移動させ、パーツPの長さ方向が水平となるようにした後、(d)において、一対のチャック爪87、87aを開としてパーツPの把持を解除し、箱詰め用コンベア供給部16の端面揃え手段88にパーツPを供給し、その後、旋回手段79によりロータリチャックシリンダ76を回動軸82回りに時計方向に回動させて、ロータリチャックシリンダ76の軸心mを角度θ移動させる。最後に、(e)において、進退機構78によりロータリチャックシリンダ76をストロークR前進させて、(a)の初期状態とする。
【0044】
図9及び図13に示すように、箱詰め用コンベア供給部16は、方向揃え部18により供給されて長手方向の向きが揃えられた5個のパーツPの端面を揃える端面揃え手段88と、端面揃え手段88により端面が揃った5個のパーツPを一度に下方に配置された箱詰め用コンベア15へ供給するシャッター手段89とを備えている。
【0045】
端面揃え手段88は、前進位置(方向揃え部18によりパーツPが供給される位置)で先端が揃わないで供給された5個のパーツPの先端が当接する揃え面90を備えており、図13(d)から(e)に示すように、駆動源であるエアシリンダ(図示せず)により揃え面90をX方向にストロークr後退することによって5個のパーツPの先端を一度に揃えることができ、しかも、先端が揃った5個のパーツPをシャッター手段89のスライドシャッター(図示せず)の位置に移動するようになっている。前記スライドシャッターを駆動源であるエアシリンダにより開操作することにより、5個のパーツPを同時に箱詰め用コンベア15へ落下させて供給することができる。なお、エアシリンダにより前記スライドシャッターを開操作するタイミングは、箱詰め用コンベア15に設けられたセンサーにて決定している。
【0046】
次いで、本発明の一実施の形態に係るパーツ姿勢安定装置10を用いたパーツ搬送設備11の作用(又は動作)及び使用方法について、図を参照しながら説明する。
(1)図1及び図2に示すように、多数のパーツPが不規則な姿勢で入った通い箱12をフリーローラコンベア19に人手により5段積みして、リフター20の作用する位置まで人手により搬送する。
(2)通い箱12はリフター20により一箱ずつ、フリーローラコンベア19の上方に配置された払出搬送部14に搬送される。一方、払出搬送部14で空になった通い箱12はリフター20に戻され、段積み手段により一箱ずつ段積みされて5段とされた後、リフター20によりフリーローラコンベア19に降ろされ、人手によりフリーローラコンベア19から排出される。
【0047】
(3)図1及び図2に示すように、リフター20により搬送された一箱の通い箱12は、払出搬送部14の通い箱受け渡し手段21により受け取られ、通い箱傾倒手段22に搬送される。
(4)通い箱傾倒手段22に受け取られた通い箱12はゆっくりと傾けられて、パーツPが上段シュート25へ払い出され、上段ベルトコンベア23、上段サブシュート26、下段シュート27、下段ベルトコンベア24及び排出シュート28を経由して、パーツ姿勢安定装置10に供給される。一方、通い箱傾倒手段22によりパーツPが払い出された通い箱12は、通い箱受け渡し手段21を経由して、前述のようにリフター20に戻される。
【0048】
(5)払出搬送部14から払い出されたパーツPはパーツ姿勢安定装置10において、以下に説明する通り、姿勢揃え部17により5つの搬送路に分けて搬送され、各搬送路毎に不規則な姿勢のパーツPは安定した姿勢に揃えられた後、方向揃え部18によりパーツPの向きが箱詰めにふさわしい方向に揃えられる。
(5−1)図3〜図6に示すように、パーツPは姿勢揃え部17のガイド手段33により、5列の傾斜ローラ29、30へ略均等に振り分けられて各パーツ切り離し手段17aに搬送される。
(5−2)姿勢揃え部17のパーツ切り離し手段17aにより、対となる切り出し爪64、64a及びガイド部材68、68aが間欠的に開閉操作され、対となる傾斜ローラ29、30により連なって搬送されているパーツP同士が切り離され、パーツPが互いに干渉することなく傾斜ローラ29、30で搬送される。
【0049】
(5−3)パーツ切り離し手段17aにより一個ずつ切り離なされて傾斜ローラ29、30で搬送されるパーツPは、下流に設けられたパーツ切り出し手段17bに搬送される間に、図8(a)〜(d)に示すように、長さ方向が重心のバランスにより安定な姿勢とされる。
(5−4)安定な姿勢とされ、複数貯留されたパーツPは、パーツ切り出し手段17bの第2の把持部材69、69a及び切り出し用ストッパー機構74により、各列一個ずつ同時に5個切り出され、5個のパーツPは傾斜ローラ29、30で搬送され取り出し用ストッパー75により停止される。なお、切り出し用ストッパー機構74により切り出されたパーツPが何らかの理由で不安定な姿勢となっても、搬送される距離Sの間に重心のバランスにより安定な姿勢とされる。
【0050】
(5−5)方向揃え部18において、図13の(a)から(e)に示すように、5組のロータリチャックシリンダ76によりパーツPの上端部を把持し、旋回手段79によりロータリチャックシリンダ76を回動軸82回りに時計方向に旋回させて、進退機構78によりロータリチャックシリンダ76をストロークR後退させる。次いで、パーツPの向きを揃える必要がある場合には、ロータリチャックシリンダ76により一対のチャック爪87、87aを180°回動させた後、旋回手段79によりロータリチャックシリンダ76を回動軸82回りに反時計方向に回動させてパーツPを水平にし、一対のチャック爪87、87aを開としてパーツPの把持を解除し、端面揃え手段88に5個のパーツPを供給する。
【0051】
最後に、旋回手段79によりロータリチャックシリンダ76を回動軸82回りに時計方向に回動させて、ロータリチャックシリンダ76を水平にした後、進退機構78によりロータリチャックシリンダ76をストロークR前進させて、初期状態とする。
(5−6)以降、前記(5−5)を所定回数繰り返す。
(6)先端が揃っていない状態で端面揃え手段88に供給された5個のパーツPは、揃え面90をX方向にストロークr後退することによって先端が一度に揃えられる。
(7)シャッター手段89のスライドシャッターを開操作することにより5個のパーツPを同時に箱詰め用コンベア15へ落下させて供給する。
【0052】
図14において、パーツ搬送設備10で取り扱う別のパーツpの姿勢安定性について説明している。パーツPの場合には、傾斜ローラ29、30間の間隙G(一例として、19.5mm)としているが、パーツpの場合には、進退機構48a及びガイド機構50、51により、傾斜ローラ29、30間の間隙g(一例として、16mm)に調整している。なお、パーツpの方がパーツPと比較して、パーツpの下端位置sの検出が容易にできる。
【0053】
本発明は前記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能であり、例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組み合わせて本発明のパーツ姿勢安定装置を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
前記実施の形態においては、パーツPとして、図8に示すように、棒状に形成され長手方向の中間部に6角形状の突出部tを有する点火プラグや、図14に示すように、棒状に形成され長手方向の中間部に円柱形状の突出部kを有する点火プラグを用いたが、これに限定されず、必要に応じて、その他の形状のパーツをハンドリングすることもできる。また、突出部t及び突出部kは長手方向の中間部に形成されているが、これに限定されず、例えば、6角ボルトのように、6角形状の突出部が端部に形成されたパーツでもよい。このようなパーツの場合には、方向揃え部は省略することができる。また、パーツの一端部に突出部を設けてもよい。
【0054】
対となる傾斜ローラ29、30を5組設けたが、これに限定されず、必要に応じて、1組〜4組又は6組以上設けることもできる。また、対となる傾斜ローラ29、30の間隙G、gを調整可能に構成したが、これに限定されず、状況に応じて、傾斜ローラの間隙を一定に固定することもできる。さらに、対となる傾斜ローラ29、30の傾斜角度αを調整可能に構成したが、これに限定されず、必要に応じて、傾斜ローラの傾斜角度を一定に固定することもできる。
5組の傾斜ローラ29、30の一方側(傾斜ローラ30)を移動傾斜板49を介して一体的に移動可能に構成したが、これに限定されず、必要に応じて、5個の傾斜ローラ30を個別に移動することもできる。
【0055】
パーツ切り離し手段17aの下流側に搬送距離Sを確保してパーツ切り出し手段17bを設け、さらに、パーツ切り出し手段17bの下流側に搬送距離Uを確保して取り出し用ストッパー75を設けたが、これに限定されず、状況に応じて、パーツ切り出し手段を省略し、かつ、取り出し用ストッパーをパーツ切り離し手段の下流側に搬送距離Sを確保しない位置に設けることもできる。
方向揃え部18において、5個のロータリチャックシリンダ76を一体的に移動するように構成したが、これに限定されず、必要に応じて、個別に駆動して移動することもできる。
【0056】
対となる第1の把持部材62、62aの下流側にそれぞれガイド部材68、68aを取付けて一体的に、開閉操作できるようにしたが、これに限定されず、必要に応じて、対となる第1の把持部材とガイド部材とに別々に駆動機構を設けて、かつ、対となる第1の把持部材とガイド部材とを同時に開閉可能に構成することもできる。また、対となる第1の把持部材62、62a及びガイド部材68、68aを同時にかつ間欠的に開閉したが、これに限定されず、状況に応じて、タイミングをずらせて間欠的に開閉することもできる。
【0057】
【発明の効果】
請求項1〜4記載のパーツ姿勢安定装置においては、対となる傾斜ローラの搬送方向に実質的に直交する方向に開閉して、パーツを把持可能な対となる第1の把持部材と、鉤部が先端部に形成され、しかも、平面視して対となる傾斜ローラの搬送方向に位置をずらせて内側に対向して配置されたガイド部材とを間欠的に開閉操作することによって、対となる傾斜ローラにより連なって搬送されてくるパーツを一本ずつ切り離して搬送することができるので、この結果、パーツの不安定な姿勢を搬送中に安定させることができる。
また、パーツ切り離し手段により切り離なされた不安定な姿勢のパーツが、パーツの重心のバランスにより安定な姿勢となり、しかも、パーツ切り出し手段によりパーツを1個ずつ切り出すことができるので、安定な姿勢のパーツを短い時間間隔で1個ずつ切り出すことができる。
【0058】
特に、請求項2記載のパーツ姿勢安定装置においては、パーツ切り出し手段により切り出されたパーツがたとえ、不安定な姿勢で搬送されたとしても搬送中に安定な姿勢となり、しかも、パーツが1個ずつ搬送されるので、パーツの安定な姿勢が確実に確保できる。
また、パーツ把持手段により把持したパーツをパーツ方向転換手段により一定方向にすることができるので、例えば、パーツの箱詰めのために方向が揃っている必要がある場合には、方向を揃えるための工程が省略できる。
【0059】
請求項3記載のパーツ姿勢安定装置においては、取り扱うパーツの形状や処理量等の条件に最適な間隙に調整することができるので、取り扱うパーツの種類が増え、しかも、効率良く処理することができる。また、取り扱うパーツの処理時間を短縮することができるので、作業性が向上する。加えて、傾斜ローラの一方側を移動する構成が簡略化されると共に、移動の制御が簡単になるので、コンパクトで安価な装置になる。
請求項4記載のパーツ姿勢安定装置においては、取り扱うパーツの処理量等の条件に最適な傾斜角度に調整できるので、取り扱うパーツを効率良く処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るパーツ姿勢安定装置を用いたパーツ搬送設備の模式図である。
【図2】同パーツ姿勢安定装置を用いたパーツ搬送設備の正面図である。
【図3】同パーツ姿勢安定装置を用いたパーツ搬送設備の要部斜視図である。
【図4】同パーツ姿勢安定装置の要部斜視図である。
【図5】同パーツ姿勢安定装置の要部平面図である。
【図6】同パーツ姿勢安定装置の要部正面図である。
【図7】同パーツ姿勢安定装置の傾斜ローラの斜視図である。
【図8】同パーツ姿勢安定装置を用いたパーツ搬送設備で取り扱うパーツの姿勢安定性の説明図である。
【図9】同パーツ姿勢安定装置の方向揃え部及び箱詰め用コンベア供給部の正断面図である。
【図10】同パーツ姿勢安定装置の方向揃え部の側面図である。
【図11】同パーツ姿勢安定装置の方向揃え部の平面図である。
【図12】(A)、(B)はそれぞれ、図11の矢視A−A断面図、矢視B−B断面図である。
【図13】方向揃え部及び箱詰め用コンベア供給部におけるパーツの搬送状態を示す説明図である。
【図14】パーツ搬送設備で取り扱う別のパーツの姿勢安定性の説明図である。
【符号の説明】
10:パーツ姿勢安定装置、11:パーツ搬送設備、11a:共通フレーム、11b:取付フレーム、12:通い箱、13:通い箱供給部、14:払出搬送部、15:箱詰め用コンベア、16:箱詰め用コンベア供給部、17:姿勢揃え部、17a:パーツ切り離し手段、17b:パーツ切り出し手段、18:方向揃え部、19:フリーローラコンベア、20:リフター、21:通い箱受け渡し手段、22:通い箱傾倒手段、23:上段ベルトコンベア、24:下段ベルトコンベア、25:上段シュート、26:上段サブシュート、27:下段シュート、28:排出シュート、29、30:傾斜ローラ、32:傾斜ガイド板、33:ガイド手段、34〜38:ガイドブロック、39〜43、43a:ガイドブロック、44:支持部材、45:固定板、46:支持部材、46a:上側部、47:支持部材、47a:上側部、47b:ねじ機構、48:傾斜取付板、48a:進退機構、49:移動傾斜板、50、51:ガイド機構、52:取付ブラケット、53:固定傾斜板、53a:水平板材、54、55:固定ブラケット、56、56a:取付ブラケット、57:ローラ分割体、57a:光電センサー、57b:ブラケット、58〜60:ローラ分割体、60a:カップリング、61:タイミングプーリー、62、62a:第1の把持部材、63:エアチャック、64、64a:切り出し爪、65、66:取付ブラケット、67、67a:鉤部、68、68a:ガイド部材、69、69a:第2の把持部材、70:エアチャック、71、72:垂直部材、73:水平部材、74:切り出し用ストッパー機構、75:取り出し用ストッパー、76:ロータリチャックシリンダ、77:固定板、78:進退機構、79:旋回手段、80:サーボモータ、80a:カップリングカバー、81:軸受、82:回動軸、83:旋回ブラケット、84:固定ガイド、85:移動ガイド、86:エアシリンダ、87、87a:チャック爪、88:端面揃え手段、89:シャッター手段、90:揃え面
Claims (4)
- 棒状に形成され長手方向の中間部又は一端部に円柱状又は多角形状の突出部を有するパーツを、搬送方向に沿って下方に傾斜して、かつ、所定の間隙を保持して平行に配置され、対向して回転する対となる傾斜ローラの前記間隙から落下させることなく搬送し、しかも、前記パーツの上側部又は下側部を前記傾斜ローラの間隙に挿通し、該パーツの長手方向を前記対となる傾斜ローラの搬送方向に対して実質的に垂直にして該パーツの姿勢を安定化する装置であって、
前記対となる傾斜ローラの搬送方向の中間位置には、該対となる傾斜ローラの搬送方向に実質的に直交する方向に開閉して、前記パーツを把持可能な対となる第1の把持部材と、前記対となる第1の把持部材の下流側に、先端部に形成された鉤部が位置するように該第1の把持部材にそれぞれ設けられ、前記鉤部が平面視して前記対となる傾斜ローラの搬送方向に位置がずれた状態で、内側に対向して配置されたガイド部材とを備えたパーツ切り離し手段を設けると共に、
前記パーツ切り離し手段の下流側で、該パーツ切り離し手段により切り離なされた不安定な姿勢の前記パーツが該パーツの重心のバランスにより安定な姿勢となるのに必要な搬送距離が確保された位置に、前記対となる傾斜ローラの搬送方向に実質的に直交する方向に開閉して、前記パーツを把持可能な対となる第2の把持部材と、該第2の把持部材の下流側直近に設けられ、前記パーツの停止及び停止解除可能な切り出し用ストッパー機構とを備えたパーツ切り出し手段を設け、
前記対となる第1の把持部材及び前記ガイド部材を間欠的に開閉操作することにより、該対となる傾斜ローラにより連なって搬送されている前記パーツ同士を切り離すと共に、前記パーツ切り出し手段により、該パーツ切り出し手段の上流側にある前記パーツを1個ずつ切り出すことを特徴とするパーツ姿勢安定装置。 - 請求項1記載のパーツ姿勢安定装置において、前記パーツ切り出し手段により切り出された不安定な姿勢の前記パーツが、該パーツの重心のバランスにより安定な姿勢となるのに必要な搬送距離が確保された位置に、前記パーツを取り出す位置を決める取り出し用ストッパーを設け、
前記取り出し用ストッパー位置にある前記パーツの上側を、前記対となる傾斜ローラの搬送方向に実質的に直交する方向に開閉して把持するパーツ把持手段と、該パーツ把持手段で把持した前記パーツの上下方向を逆方向にできるパーツ方向転換手段と、前記取り出し用ストッパー位置にある前記パーツの向きを判定する光電センサーとを備えたことを特徴とするパーツ姿勢安定装置。 - 請求項1又は2記載のパーツ姿勢安定装置において、前記対となる傾斜ローラが2セット以上設けられ、ガイド機構により前記傾斜ローラの搬送方向と直交する方向に進退可能な移動傾斜板に、前記対となる傾斜ローラの各対の一方側の両端部が第1の取付ブラケットを介して取付けられると共に、前記移動傾斜板の直上に設けられた固定傾斜板に、前記対となる傾斜ローラの各対の他方側の両端部が第2の取付ブラケットを介して取付けられ、手動式の進退機構により、前記対となる傾斜ローラの一方側を一体的に移動させることにより、前記対となる傾斜ローラの間隙を調整可能に構成したことを特徴とするパーツ姿勢安定装置。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のパーツ姿勢安定装置において、前記対となる傾斜ローラの傾斜角度を調整可能に構成したことを特徴とするパーツ姿勢安定装置。
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