JPH08506409A - 特に自動車用の、締結スタッドを内蔵したクラッチモジュール - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、クラッチ機構（１１）と、クラッチ４擦ホイール（１２）と、フライホイール（１３）と、例えばアセンブリを駆動シャフト（２６）に嵌合できるように、フライホイール（１３）の孔（２８）に整合した待機位置にある少なくとも１つの締結スタッド（２９）とを備えるタイプのクラッチモジュールに関する。本発明によれば、前記締結スタッド（２９）は、軸方向に外すことができるように、クラッチ摩擦ホイール（１２）に固定され、そのヘッド（３０）がシーティング（３１）内に嵌合される。シーティング（３１）は、前記クラッチ摩擦ホイール（１２）の一部である部材（３４）内に嵌合のために設けられている。本発明は特に、自動車用のクラッチモジュールに適用できる。

Description

【発明の詳細な説明】 特に自動車用の、締結スタッドを内蔵したクラッチモジュール 本発明は、特に自動車用のクラッチモジュールに関する。 公知のように、クラッチモジュールは、カバープレートと、ダイヤフラムと、 少なくとも１つの圧力プレートと、クラッチ摩擦ホイールと、反作用プレートす なわちフライホイールとを備え、一般にクラッチと称されるクラッチ機構をユニ ットとして含んでいる。 本発明は、かかるクラッチモジュールが、アセンブリを駆動シャフトに嵌合で きるように、フライホイール内の孔に整合した待機位置にて、フライホイール上 に配列された１つ以上の、実際には２つ以上の締結スタッドを含む場合に関する 。 本発明の課題は、第１に、取り扱い中、締結スタッドが不意にずれたり（この ようなずれが生じると、必ずノイズが発生したり、機能しなくなったり、正しく 働かなくなったり、特にスタッドのネジが損傷したりする）しないようにし、第 ２に、その後の嵌合作業を容易にするよう、これら締結スタッドの軸方向の適当 な係止を、確実にすることにある。 一般に、ダブルダンパーフライホイールと称される分割形フライホイール、す なわちトーションダンパーを間に挟持する２つの部品を含むフライホイールに関 するフランス国特許出願2662767号明細書記載の発明では、ダイヤフラムと弾性 環状部材との間にヘッドを挿入することにより、締結スタッドの係止を保証して おり、環状部材は、この目的のため、クラッチ摩擦ホイール上に保持されている 。 従って、締結スタッドのヘッドは、フライホイールに対して摩擦ホイールより も軸方向に延びていること、更にヘッドをダイヤフラムに係合しなければならな いことにより、締結スタッドの長さは、常にかなり長くなっている。 この締結スタッドを短くするためには、待機位置において、ヘッドがフライホ イールとクラッチ摩擦ホイールとの間を延びるように、作動手順を検討するか、 またはフライホイールが分割タイプのものである場合には、かかるフライホイー ルの最も内側の部品の上に結合リングを設けることがある。 しかし、いずれの場合においても、締結スタッドの軸方向の係止の問題はその まま残る。 本発明の目的は、比較的長い締結スタッドを用いることにより、特に簡単かつ 有効な態様で、この問題を解決したクラッチモジュールを提供することにある。 上記タイプのクラッチモジュールは、軸方向にはずれるように、クラッチ摩擦 ホイールに締結スタッドを固定することを特徴としている。 フライホイールが分割されているケースと同じように、フライホイールが一体 形のフライホイールである状況に適すという利点も有するこのような構造により 、全長を適切なものにしたまま、締結スタッドの軸方向の係止を正しく保証でき る。 更に締結スタッドは、好ましくはフリーな状態のままにされるが、これらのネ ジ部は、損傷を受ける危険性がない。 実際には締結スタッドのヘッドは、クラッチ摩擦ホイールの１つ以上の部品に 嵌合のために設けられたシーティング（座）内に嵌合される。 例えば、締結スタッドのすべてに対して１つの部材が設けられる。このような 、好ましくは合成材料、より正確にはプラスチック材料から構成された単一部材 は、クラッチ摩擦ホイールに対するベアリングを構成する。 従来、かかるクラッチ摩擦ホイールが装備されているベアリングにより、別の 利点を得ることができる。 変形例として、個々の部品のそれぞれに各締結スタッドを対応させ、この部品 を、クラッチ摩擦ホイールのダンパープレートに固定することもある。 いずれの場合にせよ、締結スタッドの軸方向の係止は、簡単な摩擦により保証 され、締結スタッドを締結すべき際には、ヘッドが嵌合されているシーティング から締結スタッドを解放するように、締結スタッドを押すだけでよい。 添付した略図を参照して、実施例について行なう次の説明から、本発明の特徴 および利点がより明らかとなると思う。 図１は、本発明のクラッチモジュールの軸方向の断面図である。 図２は、図１におけるボックスIIで示される、図１内の細部を、拡大して示す 図である。 図３は、図２に示された締結ネジを取り除いた後の、図２と同様の軸方向断面 図の一部である。 図４は、締結ネジのすべてを軸方向に係止する部品の斜視図である。 図５は、図２と類似しているが、変形実施例の軸方向部分断面図である。 図１に示すように、本発明のクラッチモジュール１０は、それ自体公知の態様 で、軸方向に順次、クラッチ機構１１と、クラッチ摩擦ホイール１２と、反作用 プレートすなわちフライホイール１３とを含んでいる。 クラッチ機構１１自体は、本例では、ネジ１５によりフライホイール１３に固 定されたカバープレート１４と、カバープレート１４に係合されたダイヤフラム １６と、ダイヤフラムと共に回転できるようカバープレート１４に固定された圧 力プレート１８を、軸方向に有している。圧力カプレート１８は、クラッチ摩擦 ホイール１２の一部を形成するクラッチディスク２０の摩擦ライナー１９を、ダ イヤフラム１６の押圧作用によりフライホイール１３に対してクランプするよう になっている。 本例では、クラッチ摩擦ホイール１２は、ダンパーハブを備えた摩擦ホイール となっている。 クラッチ摩擦ホイールを被動シャフト２２（この場合、ギアボックスの出力シ ャフトなっている）に回転自在に取り付けるようになっているハブ２１、および 本例ではシーミングによりハブ２１に固定されたハブプレート２３の他に、クラ ッチ摩擦ホイールは２つのガイドリング２４を含んでいる。 これら各リング２４は、ハブプレート２３の各側で延び、周方向に作用する弾 性手段（本例では、コイルスプリングタイプのスプリング２５）が、ハブプレー ト２３とこれらガイドリング２４との間に介在された状態で、クラッチディスク ２０がこれらガイドリング２４に固定されている。 各スプリング２５は、一部がハブプレート２３のウィンドーに嵌合され、更に 一部がガイドリング２４のウィンドーに嵌合されている。 本例では、クラッチディスク２０は、ガイドリング２４の一方と係合し、２つ のガイドリング２４を連結するバーにより、ガイドリング２４に接続されている 。 駆動シャフト２６（本例では内燃機関のクランクシャフト）にクラッチモジュ ール１０が支持されるよう、クラッチモジュール１０は、フライホイール１３の 孔２８に整合して位置する締結スタッド２９も含んでいる。 本例では、複数の締結スタッド２９が設けられている。これらスタッドは、ア センブリの軸線を中心とする円に沿って離間されており、フライホイール１３は 、スタッド２９と同じ数の孔２８を有する。 本例では、締結スタッド２９は軸方向のリセス、例えば六角形のソケットを有 するを有する円筒形のヘッドを備えるスタッドとなっている。 変形例では、これらスタッドは、径方向の表面溝を備えたヘッドを有するネジ とされる。 本例ではフライホイール１３は、一体型の部品である。 しかし、フライホイールは、例えばフランス国特許出願2662767号明細書に記 載のような、分割されたフライホイール状のものでもよい。 本発明によれば、締結スタッド２９は、クラッチ摩擦ホイール１２から軸方向 に外すことができるようにして固定されている。 本例では、これら各スタッドのヘッド３０は、個々にリセス３１内に密に嵌合 されており、リセス３１は、クラッチ摩擦ホイール１２の一部である部品３４内 に、この嵌合の目的のために配置されているが、スタッドのねじ切りされたシャ ンク３５は、少なくとも一部がフライホイール１３の対応する孔２８内に軸方向 に係合している。 図１〜図４において、部材３４は、締結スタッド２９のすべてに対して共通な 環状の部品であり、この環状部品は、アセンブリの軸線を中心とする円内で延び ると共に、フライホイール１３側を向いた面が、クラッチ摩擦ホイール１２に対 するベアリングとなっている。 本例では、部材３４は、２つの径方向に互い違いにされた部分３４Ａ、３４Ｂ を有し、これら各部分は、アセンブリの軸線に対してほぼ横方向に延びると共に 、互いに軸方向にずれており、円筒形の中間接続部分３４Ｃにより、互いに一体 的に接合されている。 前記部材が、クラッチ摩擦ホイール１２に対するベアリングを構成するのは、 径方向に最も内側の部材３４の部分３４Ａであり、この部分３４Ａは、第１の、 対応するガイドリング２４の内周部のエッジと、第２の、ハブ２１の外周部との 間で連続して延びている。 部材３４は、径方向外側部分３４Ｂにより、クラッチ摩擦ホイール１２に対す る摩擦リングをこれに対応して形成しており、この部分３４Ｂは、一方の対応す るガイドリング２４と、他方のハブプレート２３との間にて、軸方向に挿入され ている。 本例では、摩擦を制限するため、前記部分３４Ｂは、ハブプレート２３と同じ 側にて切り込み３６を有し、この切り込み３６は、アセンブリの軸線に対して径 方向に最も近い、周辺エッジのうちの１つから延びている。 クラッチ摩擦ホイール１２は、従来通りダンパープレート２３と他方のガイド リング２４との間にて、フライホイール１３と反対側に別の摩擦リング３８を有 しており、本例ではこの摩擦リング３８は、ベルビーユリング３９の作用を受け る。ベルビーユリング３９は、ガイドリング２４に当接し、これをハブプレート ２３に常時係合するように押圧している。 本例において、締結スタッド２９のヘッド３０に対する部材３４内に設けられ ているシーティング３１は、ブッシュ４０からなり、このブッシュは、部材３４ のフライホイール１３側に向いた側にて、この部材３４から軸方向に突出してい る。 シーティング３１の一部は、径方向の最も内側の部分である部材３４の部材３ ４Ａ上を延びており、更に一部は、径方向に最も外側の部材３４Ｂ上を延び、こ れら２つの部分３４Ａおよび３４Ｂをまたいでいる。 本例では、シーティングのベース４２は、その中心部分の開口部４３を通して 開放されている。 ハブプレート２３のルート部におけるハブ２１に形成されたシームビード４４ のためのスペースを設けるため、部材２４は、アセンブリの軸線に対して径方向 に最も近いその周辺エッジに沿って、かつハブプレート２３と同じ側にリベート ４５を有し、その結果、シーティング３１は、それらベース４２とそれらの側壁 ４７との間の接合部に、局部的な開口部４６を有している。 本例ではシーティング３１は、締結スタッド２９の軸方向の係止を保証するよ うに摩擦を大きくするための、少なくとも１つの内部突起４８を、それらの側壁 ４７に有している。 例えばこの突起は、図示のように、横方向の断面が対称的な三角形となる簡単 なビードとして構成できる。 しかし、変形例では、例えば軸方向に互い違いになり、横方向断面が非対称の 三角形となる１つ以上のパッドとして構成することもできる。 本例では、突起４８は、シーティング３１の軸線を中心に、完全に連続して延 びる環状体となっている。 しかし、変形例として、突起４８を不連続体とすることもできる。 シーティング３１を構成するブッシュ４０は、本例では円筒形である。 しかし、変形例としてこのブッシュを、例えば切頭円錐形にすることもできる 。 ブッシュ４０は本例では、その全深さにわたって周方向に連続している。 しかし、このブッシュは、変形例では、例えばその深さの少なくとも一部に、 １つ以上の開口部を含むものとすることができる。 いずれの場合においても、部材３４は、合成材料、例えばプラスチック材料か ら構成することが好ましく、アセンブリの軸線に径方向に最も近い、その周辺エ ッジの１つに沿って、対応するガイドリングには、ブッシュ４０と相補的なアパ ーチャが形成されている。 従って、このガイドリング２４は、部材３４のブッシュ４０の間に、この部材 ３４の回転を防止するタング４１を構成している。部材３４が合成材料から構成 されているという一つの理由から、スタッドのヘッド３０によるシーティング３ １への締結スイタッド２９の嵌合が促進され、その結果、部材３４はある程度の 可撓性を有するものとなっている。 最後に、他のクラッチ摩擦ホイール１２のハブプレート２３は、部材３４のシ ーティング３１と整合した、円形に配列されたアパーチャ４９を含み、このアパ ーチャ４９は、シーティング３１のベース４２に設けられたアパーチャ４３と同 じ輪郭を有する。 嵌合中、すなわち駆動シャフト２６にクラッチモジュール１０を締結中、締結 スタッド２９は、対応するアパーチャ４９、４３へ通した工具を用いて、簡単な 軸方向の押し込み作用により、シーティング３１から外される。 次に前記締結スタッド２９は、待機位置（この位置は図１では、スタッドのう ちの１つが実線で示されている。）から締結位置へシフトする。この締結位置で は、図１において破線で示すように、スタッドは、駆動シャフト２６内のねじ切 りされた孔５９に係合している。 図１において細い線で略示するように、クラッチモジュール１０を駆動シャフ ト２６に固定した後に、アセンブリの軸線の回りにケーシング５１を嵌合する。 ケーシング５１は、スリーブ５２を支持しており、スリーブ５２には、ダイヤ フラム１６のフィンガー５４の両端に作用するようになっているクラッチ解放ベ アリング５３が、スライド移動できるように取り付けられている。 図５に示すように、各締結スタッド２９に対し、個々の部材３４’が設けられ ている。 図５では、複数の部材３４’のうちの１つしか見ることができない。 本例では、部材３４’は、ハブ２１に近いハブプレート２３内の、部材３４’ の固定のために設けられたアパーチャ３６にて、クラッチ摩擦ホイール１２のハ ブプレート２３内に固定されている。これら部材は、両端が軸方向に開放された リングからなっている。 これら部材３４’は、従来と同じように、合成材料から構成することが好まし い。 所望により、この合成材料を、より大きな、またはより小さな弾性度を有する ものとしてもよい。 図５において破線で略示するように、締結スタッド２９のヘッド３０は、突出 したノーズ５８を有し、このノーズによりヘッドを回転できる。このノーズ５８ は、例えば外側の六角形の表面を有する。 この変形された構造は、ハブプレート２３の部材３４および４９内のアパーチ ャ４３により、図１〜図４の実施例に適用することもできる。 本発明は、図示し、説明した実施例のみに限定されるものでなく、すべての実 施例を含むものである。 特にハブフルート２３は、ハブ２１と一体的にでき、これにより、２分割形部 品の場合、通常接合部に生じる継ぎ目ビード４４に対し、部材上で切り込みが不 要となるよう、部材３４を簡略化できる。 同様に、１つの共通クラッチ摩擦ホイールに対し、２つの圧力プレートを設け てもよく、この場合、例えばフランス国特許出願2628492号明細書に記載されて いるような２つの摩擦ディスクを設ける。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．クラッチ機構（１１）と、クラッチ摩擦ホイール（１２）と、フライホイ ール（１３）と、例えばアセンブリを駆動シャフト（２６）に嵌合できるように 、フライホイール（１３）の孔（２８）に整合した待機位置にある少なくとも１ つの締結スタッド（２９）とを備えたタイプのクラッチモジュールにおいて、 軸方向に外すことができるように、クラッチ摩擦ホイール（１２）に締結スタ ッド（２９）が固定されたことを特徴とするクラッチモジュール。 ２．クラッチ摩擦ホイール（１２）の一部である部材（３４、３４’）内に嵌 合するために設けられたシーティング（３１）内に、締結スタッド（２９）のヘ ッド（３０）が嵌合されていることを特徴とする、請求項１記載のクラッチモジ ュール。 ３．前記部材（３４）は、アセンブリの軸線を中心として延び、かつクラッチ 摩擦ホイール（１２）に対するベアリングを構成する環状部材であることを特徴 とする、請求項２記載のクラッチモジュール。 ４．前記部材（３４）の径方向の最も内側の部分（３４Ａ）がベアリングを構 成し、径方向の最も外側の部分（３４Ｂ）が摩擦リングを構成していることを特 徴とする、請求項３記載のクラッチモジュール。 ５．締結スタッド（２９）のヘッド（３０）を嵌合するために、前記部材（３ ４）内に構成されたシーティング（３１）が、前記部材（３４）から軸方向に突 出するブッシュ（４０）により構成されていることを特徴とする、請求項４記載 のクラッチモジュール。 ６．前記シーティング（３１）は、一部が前記部材（３４）の径方向の最も内 側の部分（３４Ａ）上を延び、一部が径方向の最も外側の部分（３４Ｂ）上を延 びていることを特徴とする、請求項５記載のクラッチモジュール。 ７．前記シーティング（３１）のベース（４２）は、中心部分におけるアパー チャ（４３）を介して開放されていることを特徴とする、請求項６記載のクラッ チモジュール。 ８．前記部材（３４’）は、クラッチ摩擦ホイール（１２）のハブプレート（ ２３）内に固定されていることを特徴とする、請求項２記載のクラッチモジュ ール。 ９．前記部材（３４’）は、リングを構成していることを特徴とする、請求項 ８記載のクラッチモジュール。 １０．前記シーティング（３１）は、内部に少なくとも１つの突起（４８）を 有していることを特徴とする、請求項２記載のクラッチモジュール。 １１．前記部材（３４、３４’）は、合成材料から構成されていることを特徴 とする、請求項２記載のクラッチモジュール。 １２．アセンブリの軸線を中心とする円に沿って、複数の締結スタッド（２９ ）が配置されていることを特徴とする、請求項３記載のクラッチモジュール。 １３．部材（３４）は、締結スタッド（２９）のすべてに対して共通であるこ とを特徴とする、請求項１２記載のクラッチモジュール。 １４．各締結スタッド（２９）に対して、個々の部材（３４’）が設けられて いることを特徴とする、請求項８記載のクラッチモジュール。