JPH08506187A - 低い光学損失を有する非線形光学側鎖ポリマー - Google Patents
低い光学損失を有する非線形光学側鎖ポリマーInfo
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Abstract
(57)【要約】
本発明は、低い光学減衰を示し、かつ供与体−π−受容体基を含む二官能性化合物の形のNLOモノマーと、NLOモノマーに対して反応性でありかつ有機基を含む二官能性化合物の形の少なくとも一つの第一のコモノマーを反応させることによって得られうるNLO側鎖ポリマー(ここで、第一コモノマーの一部であるところの有機基中の水素原子は、より重い元素、例えば重水素又はハロゲン、特にフッ素及び/又は塩素によって置換されている)に関する。コモノマーは、全置換されることができ、或いは、異なった置換基の2以上のコモノマーを用いることもできる。特に、本発明は、DπA基含有ジヒドロキシ化合物、及び重水素置換された又はハロゲン化されたジヒドロキシ化合物、例えばそれ自身公知のビスクロロホルメート又はジイソシアネートから作られるNLOポリエステル、ポリカーボネート及びポリウレタンに関する。該ポリマーは、導波路、例えば、電気光学デバイス例えば光学スイッチとして用いられる。
Description
【発明の詳細な説明】
低い光学損失を有する非線形光学側鎖ポリマー
本発明は、有機ポリマーの主鎖及びそれに共有結合した超分極性基を含み、主
鎖中の水素がより重い元素によって置換されているNLO側鎖ポリマーに関する
。
非線形光学(NLO)ポリマー(これはまた、光学的非線形ポリマーと呼ばれ
る)は公知である。このようなポリマーは、活性(超分極性)基を含み、該活性
基は、NLO活性重合物質を得るために分極されなければならない。NLO活性
物質中には、外部の力場(例えば、電場)の影響下で、非線形分極が存在しても
よい。非線形電気分極は、多くの非線形現象、例えば周波数の二倍化及びポッケ
ルス効果を起こしうる。或いは、NLO効果は、例えば、光−光学的に又は音響
−光学的に引き起こされうる。NLOポリマーは、デバイス、例えば電気光学ス
イッチ、電気光学マッハゼンダー(Mach−Zehnder)干渉計等におい
て導波路として用いられる。一般に、NLOポリマーは、ゲスト−ホスト(gu
est−host)系(NLO化合物は、慣用の光学ポリマー中にドーパントと
して存在する)又は側鎖ポリマー(ペンダントにより、NLO基はポリマーの主
鎖に共有結合している)の形態をとる。
このように、第一パラグラフで記載したタイプのNLOポリマーは、特開昭6
3−228135号公報から公知で
ある。これは、ゲスト−ホスト系及び側鎖ポリマーの組み合わせである。慣用の
タイプの光学ポリマー、例えば、ポリアルキル(メタ)アクリレート、ポリスチ
レン又はポリカーボネートが用いられる。このポリマーに対して、超分極性基を
含むNLO化合物(供与体−π−受容体系)が付着させられる。この慣用のタイ
プの光学ポリマーは、少なくとも一つのモノマーの少なくとも一つのH原子が重
水素で置換されているという程度まで改質されている。このような“固溶体”N
LOポリマーの欠点は、長期間でのその限られた安定性及び比較的低いNLO基
の密度である。
水素原子をもっと重い元素で置換することの一つの利点は、それが、光の透過
の間にポリマー導波路中に起こる減衰を減少させることである。近赤外領域(近
−IR)においては、光学減衰は、主として、水素原子含有結合、特にO−H、
N−H、C−Hの振動周波数の上音による光の吸収によって起こる。ポリマー状
光導波路においは、水素原子のもっと重い元素による置換は、その領域内におい
て最少吸収が見いだされるべきところの周波数範囲の好都合な広がりを引き起こ
す。それは、それ自体知られている光学減衰を減少させる方法である。例えば、
Boutevinら、Jouranal of Polymer Scienc e:Part A:Polymer Chemistry
、第30巻、1992
年、第1279〜1286頁、参照。
特開昭63−228135号公報は、NLOポリマー導波路中の光学減衰を減
少させる比較的単純な方法を提供し
ているけれども、それは、NLO側鎖ポリマーの有利な特性が、かなりの程度ま
で、失われているという欠点を有する。その理由故に、水素含有結合を欠いてお
り、そして従って低い光学減衰を有する、NLO側鎖ポリマーに基づいた導波路
を提供することが望まれている。
ヨーロッパ特許第378185号公報は、主鎖中にC−F結合を含みうるNL
O側鎖ポリマーを開示しているということを述べねばならない。これは、NLO
基含有アクリレートとビニルモノマー、例えばフッ化或いはシアン化ビニリデン
とのコポリマーである。明らかに、F又はCN置換基は、超分極性に寄与すべく
導入されている。明らかにならないことは、この場合に、フッ素が光学減衰を減
少するかどうか、そしてどの程度までかということである。なぜなら、可能性の
ある副作用については、記載されていない。NLOポリアクリレートは、多くの
用途においては満足いくものではないということに気づくべきである。何故なら
、一般に、これらのポリマーの熱安定性はあまりにも低く、かつそれらのNLO
活性(ポッケルス係数)もまたしばしば満足のいくものではないからである。こ
のことのために、ポリアクリレートの超分極性を改善する方法を見つけだすこと
が試みられてきた、例えばヨーロッパ特許第378185号公報。
ヨーロッパ特許第445864号公報は、NLO熱硬化性樹脂を記載している
。これらの熱硬化性樹脂の成分としての使用に適したジイソシアネートの一覧表
に、テトラク
ロロフェニレンジイソシアネートが挙げられている。この場合においては、光損
失の減少については何等言及されていない。事実、熱硬化性のNLO組成物の記
載は、NLO側鎖ポリマーを何等教えていない。
米国特許第4867540号明細書は、NLO基含有ジヒドロキシ化合物と2
価基Rを含むジカルボン酸(誘導体)から作られるNLO側鎖ポリエステルに関
する。適した2価基の一覧表に、2−クロロフェニレンが挙げられている。光学
減衰の問題は、議論されておらず、ましてや、それについての解決は記載されて
いない。
本発明は、低い光学減衰を示すが、NLO側鎖ポリマーの有利な特性、例えば
優れた分極性(これは、比較的高い電気光学係数を与える)、容易な加工性及び
十分な熱安定性を保持しているNLOポリマーを提供することを目的とする。更
に、NLOポリマーは、十分に高いNLO基密度を有している。低い固有光学損
失を有するポリマー、並びに低い光損失導波路を作るための主成分となるポリマ
ーが意図される。
この目的のために、本発明は、上記タイプのNLOポリマーによって構成され
、該NLOポリマーは、NLO活性基を有する2官能性の化合物の形態のNLO
モノマーを、NLOモノマーに対して反応性でありかつ有機基を含む2官能性の
化合物の形態の少なくとも一つの第一のコモノマー(水素置換元素が、コモノマ
ーの一部であるところの有機基中に存在する)と反応させることによって得られ
うる。
但し、2−クロロフェニレン含有カルボキシル化合物は、唯一のコモノマーとし
て用いられない。
好ましくは、このように得られるポリマーは、実際に、上記モノマーの反応に
よって得られる。しかしながら、本発明に従ったNLOポリマーを提供する別の
方法がある。例えば、第一段階としてポリマー主鎖を調製して、第二段階でNL
O基をそれに付けることが可能である。本発明に従って、その場合のポリマー主
鎖は、コモノマー(水素置換元素が少なくとも一つのコモノマー中に存在し、そ
して、少なくとも一つの第二コモノマーが、NLO基がそこに結合されうるとこ
ろの反応部位を含む)からなる。或いは、本発明に従ったNLOポリマーは、水
素原子の置換が既に生じていること無しに、2官能性のNLOモノマーとコモノ
マーからNLOポリマーを作り、その後、主鎖中に存在するN−H及びO−H結
合を、これらの水素原子の交換をもたらすような処理、例えば重水素含有化合物
を用いた処理又はテトラフルオロ酢酸無水物或いはテトラクロロ酢酸無水物との
反応にさらすことによって提供されうる。
NLOモノマー及びコモノマーに付着した官能基のタイプに依存して、このよ
うなO−H及びN−H結合中の水素原子は、厳密にいえば、コモノマーの一部よ
りは、(例えば、もしNLOジオールが用いられれば)NLOモノマーの一部で
ありうる。本発明に従って、コモノマー及びNLOモノマー間の結合は、コモノ
マーの一部であると考えられる。
本発明に従ったNLOポリマーの重要な追加の利点は、これがNLO活性基の
修飾を要求せずに、低い光学減衰を示すNLOポリマーを提供できることである
。NLOポリマーの調製において、NLO活性基は、非常に重要な役割を行うの
で、このことは特に好都合である。NLO活性基中の水素原子の置換は、該基及
びそれに基づいて製造されたポリマーのNLO活性に影響し得る。更に、低い光
学減衰をもつNLOポリマーを製造する本発明の方法は、単純な、従って経済的
に有利なアプローチと、有利な結果を兼ね備える。
それ故、本発明に従って、それ自身公知である、多種類のNLO活性2官能性
の化合物を用いることが可能である。好ましくは、低い光学減衰のNLOポリマ
ーは、公知のNLOポリマーを調製するための方法と類似の方法により調製され
る。但し、水素は、上記した指示に従って置換される。本発明に従って用いられ
得る、NLOポリマーの公知の調製方法は、なかんずく、ヨーロッパ特許第35
0112号公報、ヨーロッパ特許第350113号公報、ヨーロッパ特許第35
8476号公報、ヨーロッパ特許第359648号公報、米国特許第48675
40号明細書、米国特許第4795664号明細書及び国際公開 WO91/0
3001号公報に記載されている。
一般的に、NLO活性基は、供与体−π−受容体(DπA)化合物である。本
質的には、このような化合物は、電子供与基及び電子吸引基を含み、それらは共
に、同一の非
局在化したπ−電子系に付着している。
電子供与基は、共鳴効果のために、“+M”基、即ち電子供与性の官能基とし
て知られている(J.March、Advanced Organic Che mistry
、第3版、(New York:John Wiley&Sons
、1985年)第237〜238頁参照)。“+M”基の具体例としては、−O
、−S 、アミノ基例えば−NR2、NHR及びNH2、もしπ系に窒素を介し
て付いていればアミド基(−NHCOR)、アルコキシ基、ヒドロキシル基、も
しπ系にアルコール性酸素を介して付いていればエステル基(−OCOR)、チ
オールエーテル(−SR)、メルカプト基(−SH)、ハロゲン(Br、I、C
l、F)、アルキル基及びアリール基がある。略号Rは、一般的には、アルキル
、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル及び更に長い
基(これらは、全ての異性体を含む)を表すために用いた。これらの基は、アル
キル鎖中のいずれかの炭素原子を介してπ系に付着されうる。
類似的に、電子吸引基は、“−M”基として表現されうる。いくつかの具体例
は、窒素、シアノ、カルボン酸、もしカルボキシル炭素を介してπ系に付いてい
ればカルボキシルエステル(−COOR)、もしカルボキシル炭素を介してπ系
に付いていればアミド(−CONH2、−CONHR、CONR2)、アルデヒド
(−CHO)、ケト(−COR)、スルホニル(−SO2R)、スルホネート(
−
SO2OR)、ニトロソ及びアリール(フッ素と同様に共鳴効果の両タイプが可
能である)である。
本発明の可能な実施態様を、以下に説明する。
好ましく用いられる水素置換元素は、重水素、フッ素、塩素、臭素又はそれら
の混合物である。これらの置換基はすべて、実用において重要である波長領域の
全ての範囲(630〜680nm、770〜840nm、950〜1050nm
及び1.2〜1.6μmを含む)にわたって、光損失の著しい減少を生じる。驚
くべきことに、800nm付近において、固有光損失及び導波路光損失(外部因
子、例えば散乱)が最少であると判った。強力な効果が、特に、遠隔通信におい
て極めて重要な1.2〜1.6μmの波長領域内で達成される。より詳しくは、
キーとなる波長は、約1.3μm〜1.55μmである。ハロゲンは、いずれの
波長に関する使用にも適しているが、一方、重水素の使用は、特に1.3μm付
近での光損失の減少を可能とする。それ故、ハロゲンを用いることが好ましく、
特にはフッ素及び/又は塩素を用いるのが好ましい。
光損失に関する最適の結果は、有機基中の全ての水素原子が置換された場合(
全置換)において達成される。この実施態様は、ある種の用途に好ましい。
全置換は、NLOポリマーが十分な柔軟性及び強度を有する薄層に加工される
べきところの適用における使用のために、少し適しているかもしれない。この点
に関して有利である本発明の実施態様は、少なくとも一つの第二のコモ
ノマー(全てのコモノマー中の水素は、完全には置換されていない、例えば最大
50%)を用いることにある。
全置換された第一コモノマー及び置換されていない第二コモノマーを用いるの
が更に好ましい。置換されていないコモノマーは、比較的安価であり、経済的に
有利な方法で光損失の実質的な減少を達成できる。
特性、例えば屈折率、加工性及び光学減衰の最適な組み合わせを所望のように
設定することを許すようにモノマーの選択を用いることができる。この機会は、
二種の異なるコモノマー(NLOモノマーに加えて、それによって、かなりの程
度まで、ポリマーのNLO特性が決定される)を用いることによって提供される
。もし、少なくとも2種類の異なるコモノマーが用いられた場合に、フッ素置換
が一つのコモノマーにおいて用いられかつ塩素置換がその他において用いられれ
ば、該ポリマーをもっと厳密に、特定の要求に合わせることが可能である。この
ことは、特に、F及びClの個々の効果のためである。即ち、フッ素は、屈曲率
の急激な低下を起こしうるけれども、これに対して塩素は増加を起こしうる。
更に、本発明は、光の損失を減少するための、いくつかの追加の工程を提供す
る。例えば、NLOポリマー(例えば、上記したもの)のポリマー主鎖中に存在
する末端モノマー単位は、一般的に、まだ官能基を含む。これらの末端基(通常
は、ヒドロキシル基又はアミノ基である)は、光学減衰を引き起こす光の吸収の
幾分かに寄与しうる。それ
故、このような末端基中の水素を、置換或いは除去するのが有利である。これを
行うのに好ましい方法は、公知の手段で、基を末端−封鎖(end−cappi
ng)することにより、例えば、ヒドロキシル末端基の場合には、エーテル基、
例えばメトキシを形成するか、又は末端水素を重水素で置換することによる。更
に追加の工程は、水分を除くこと、例えば、NLOポリマーを高められた温度で
不活性雰囲気(例えば、乾燥窒素、ないしはさもなくば空気を除いたもの)にさ
らすことに関する。
一般的に言って、本発明は、上記処置によって得られうるNLOポリマーに関
する。特には、本発明は、NLOポリウレタン、NLOポリカーボネート及びN
LOポリエステル例えば以下に記すものに関する。本発明に従ったNLOポリウ
レタン、ポリカーボネート及びNLOポリエステルは好ましくは、供与体−π−
受容体基を含むヒドロキシモノマーの形のNLOモノマーに基づいている。広範
囲のジヒドロキシ置換NLOモノマーが、この目的のために用いられ得る。たと
えば、それらは、上記特許公報、ヨーロッパ特許第350112号公報、ヨーロ
ッパ特許第350113号公報、ヨーロッパ特許第358476号公報、ヨーロ
ッパ特許第359648号公報、米国特許第4867540号明細書、米国特許
第4795664号明細書、米国特許第4997977号明細書から公知である
。
好ましくは、DπA基の基の吸収バンド内の波長の照射により、屈折率パター
ンをポリマー物質中に誘導すること
を可能とするDπA基が用いられる。このような基は、ヨーロッパ特許第358
476号公報に記載されており、以下の式を満たす:
-R1-(ψi)k-(R2=R3)m-(ψj)1-(R4=R5)n-R6
ここで、
ψi=環状の共役単位(例えば、フェニル)、
k=1〜4、
アルキル)を有するN、
m=0〜6、
ψj=環状の共役単位(例えば、フェニル)、
l=0〜4、
n=0〜6、
R7=アルキル、
R8=−CNのH、
R9=−CNのH、
R10=−CNのH、
このような基の重要な例は、4−ニトロ又は4−シアノ置換された4’−オキ
シスチルベン又は4’−アミノスチルベンを含む。
このような基を含む物質には、約230〜650nmの範囲内での導波路照射
によって、チャネルのパターンが備えられうる。従って、該物質は、受動導波路
デバイスの製造において使用するのに適している。電場において、DπA基を配
列することにより、二次非線形光学活性が物質中に誘起される。その場合には、
活性導波路の問題がある。即ち、(第二)電場の使用は、透過光の方向、色又は
強度に影響しうる。
本発明に従ったNLOポリカーボネートは、供与体−π
−受容体基含有ジヒドロキシ化合物(例えば上記したもの)の形の少なくとも一
つのNLOモノマーを、以下の式1:
(ここで、
Pは、−Cl又は−O−Phを表す、
Qは、−Cl又は−O−Phを表す、
Phは、フェニルを表す、
Aは、−Ph−、−Ph−C(CH3)2−Ph−、−Ph−C(SO2)2−P
h−、1〜24の炭素原子を有する(ビ)シクロアルキレン基、1〜24の炭素
原子を有する(ビ)ヘテロシクロアルキレン基、1〜24の炭素原子を有するア
リ−レン基、1〜24の炭素原子を有するナフタレン基を表す、
mは、0〜50の整数を表す、ここでA基は互いに独立して選ばれうる)
に従った少なくとも一つの第一コモノマー(コモノマーの一部であるところの有
機基中の水素は、以下の元素、即ち重水素、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素の1
以上によって置換されている)
と反応することによって作られうる。
式1に従ったコモノマーは、本発明に従ったNLOポリカーボネートに必須で
ある。適したコモノマーの例として
は、以下の化合物のビスクロロホルメートを挙げうる:
2,4−ジクロロ1,3−ベンゼンジオール、
2,4,6−トリクロロ1,3−ベンゼンジオール、
2,4,5−トリクロロ1,3−ベンゼンジオール、
2,5−ジクロロ1,3−ベンゼンジオール、
4,5−ジクロロ1,3−ベンゼンジオール、
4,5,6−トリクロロ1,3−ベンゼンジオール、
2,4,5,6−テトラクロロ1,3−ベンゼンジオール、
2,4,5,6−テトラフルオロ1,3−ベンゼンジオール、
2,4,5−トリフルオロ1,3−ベンゼンジオール、
4,6−ジブロモ1,3−ベンゼンジオール、
2,4,6−トリブロモ1,3−ベンゼンジオール、
2,4−ジブロモ1,3−ベンゼンジオール、
2−ブロモ−4−クロロ1,3−ベンゼンジオール、
4−ブロモ−6−クロロ1,3−ベンゼンジオール、
2−ブロモ−4,6−ジクロロ1,3−ベンゼンジオール、
2,4−ブロモ−6−クロロ1,3−ベンゼンジオール、
2,3−ジクロロ1,4−ベンゼンジオール、
2,6−ジクロロ1,4−ベンゼンジオール、
3,6−ジクロロ1,4−ベンゼンジオール、
2,5−ジクロロ1,4−ベンゼンジオール、
2,3,5,6−テトラクロロ1,4−ベンゼンジオール、
2,3,5−トリクロロ1,4−ベンゼンジオール、
2,3−ジフルオロ1,4−ベンゼンジオール、
2,6−ジフルオロ1,4−ベンゼンジオール、
3,6−ジフルオロ1,4−ベンゼンジオール、
2,5−ジフルオロ1,4−ベンゼンジオール、
2,3,5,6−テトラフルオロ1,4−ベンゼンジオール、
2,3,5−トリフルオロ1,4−ベンゼンジオール、
2,3−ジブロモ1,4−ベンゼンジオール、
2,6−ジブロモ1,4−ベンゼンジオール、
3,6−ジブロモ1,4−ベンゼンジオール、
2,5−ジブロモ1,4−ベンゼンジオール、
2,3,5,6−テトラブロモ1,4−ベンゼンジオール、
2,3,5−トリブロモ1,4−ベンゼンジオール、
2,3,5−トリブロモ−6−クロロ1,4−ベンゼンジオール、
2,3,5,6−テトラフルオロ−α,α,α,α’−テトラキス(トリフルオ
ロメチル)−1,4−ベンゼンジメタノール、
3,6−ジブロモ−1,8−ジクロロ2,7−ナフタレンジオール、
1,3,6,8−テトラブロモ2,7−ナフタレンジオール、
1,3,6−トリブロモ−8−クロロ2,7−ナフタレンジオール、
1,3,5,7−テトラブロモ2,6−ナフタレンジオール、
2,4,6,8−テトラクロロ1,5−ナフタレンジオール、
2,4,5,6,7,8−ヘキサフルオロ1,3−ナフタレンジオール、
2,3,5,6,7,8−ヘキサフルオロ1,4−ナフタレンジオール、
3,3’,5,5’−テトラクロロ[1,1’−ビフェニル]−4,4’ジオー
ル、
2,2’,3,3’,5,5’,6,6’−オクタクロロ[1,1’−ビフェニ
ル]−4,4’ジオール、
2,2’,3,3’,5,5’,6,6’−オクタフルオロ[1,1’−ビフェ
ニル]−4,4’ジオール、
2,2’,3,3’,5,5’,6,6’−オクタブロモ[1,1’−ビフェニ
ル]−4,4’ジオール、
2,2’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロ−4,4’−ビス(トリフルオ
ロメチル)[1,1’−ビフェニル]−3,3’ジオール、
2’,3,3’,4,4’,5’,6,6’−オクタフルオロ2,5−ビフェニ
ルジオール、
3,3’,4,4’,6,6’−ヘキサクロロ2,2’チオビスフェノール、
2,2’,3,3’,5,5’,6,6’−オクタブロモ4,4’チオビスフェ
ノール、
3,3’,4,4’,6,6’−ヘキサクロロ2,2’スルフィニルビスフェノ
ール、
3,3’,4,4’,6,6’−ヘキサフルオロ2,2’−スルフィニルビスフ
ェノール、
3,3’,4,4’,6,6’−ヘキサブロモ2,2’−スルフィニルビスフェ
ノール、
2,2’,3,3’,5,5’,6,6’−オクタフルオロ、クロロ、ブロモヘ
キサフルオロビスフェノールA、
2,3,3’,5,5’,6−ヘキサフルオロ、クロロ、ブロモヘキサフルオロ
ビスフェノールA、
3,3’,5,5’−テトラフルオロ、クロロ、ブロモヘキサフルオロビスフェ
ノールA、
2,2’,3,3’,5,5’,6,6’−オクタフルオロ4,4’−メチレン
ビスフェノールA、
2,2’,3,3’,5,5’,6,6’−オクタクロロ4,4’−メチレンビ
スフェノールA、
2,2’,3,3’,5,5’,6,6’−オクタブロモ4,4’−メチレンビ
スフェノールA、
2,3,3’,5,5’,6−ヘキサフルオロ、クロロ、ブロモ4,4’−メチ
レンビスフェノールA、
3,3’,5,5’−テトラフルオロ、クロロ、ブロモ4,4’−メチレンビス
フェノールA、
6−クロロ2,4−ピリミジンジオール、
6−ブロモ2,4−ピリミジンジオール、
6−フルオロ2,4−ピリミジンジオール、
5,6−ジクロロ2,4−ピリミジンジオール、
5,6−ジブロモ2,4−ピリミジンジオール、
5,6−ジフルオロ2,4−ピリミジンジオール、
2,3−ジクロロ5,8−キノンジオール、
2,3−ジフルオロ5,8−キノンジオール、
2,3−ジブロモ5,8−キノンジオール、
2,3,6,7−テトラクロロ5,8−キノンジオール、
2,3,6,7−テトラフルオロ5,8−キノンジオール、
2,3,6,7−テトラブロモ5,8−キノンジオール、
3,4,6,7−テトラクロロ−2,3−ジヒドロ2,5−ベンゾフランジオー
ル、
3,4,6,7−テトラフルオロ−2,3−ジヒドロ2,5−ベンゾフランジオ
ール、
3,4,6,7−テトラブロモ−2,3−ジヒドロ2,5−ベンゾフランジオー
ル、
2,4,5,7−テトラクロロ3,6−ジヒドロキシ−キサンテン−9−オン、
2,4,5,7−テトラフルオロ3,6−ジヒドロキシ−キサンテン−9−オン
、
2,4,5,7−テトラブロモ3,6−ジヒドロキシ−キサンテン−9−オン、
2,4−ジクロロ1,3−ベンゼンジオール、
2,4,6−トリクロロ1,3−ベンゼンジオール、
2,4,5−トリクロロ1,3−ベンゼンジオール、
2,5−ジクロロ1,3−ベンゼンジオール、及び
4,5−ジクロロ1,3−ベンゼンジオール。
本発明に従ったNLOポリウレタンは、供与体−π−受
容体基含有ジヒドロキシ化合物(例えば、上記したもの)の形の少なくとも一つ
のNLOモノマーを、有機基を含むジイソシアネートモノマーの形の少なくとも
一つの第一コモノマーと反応させることにより得られうる。ここで、該ジイソシ
アネートモノマーの一部であるところの有機基中の水素は、以下の元素、即ち重
水素、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素の1以上により置換されている。
ジオール及びジイソシアネートの付加重合によりポリウレタンを形成すること
は、それ自身公知であり、当業者に対する更なる説明は、ここでは必要ない。上
記した、ヨーロッパ特許第350112号公報及びヨーロッパ特許第35964
8号公報が再び参照される。
ジイソシアネートは、本発明に従ったNLOポリウレタンに必須である。適し
たジイソシアネートの例として以下のものを挙げることができる:
1,2,4−トリクロロ−3,5−ジイソシアナトベンゼン、
1,2,3,5−テトラフルオロ−4,6−ジイソシアナトベンゼン、
1,1,2,2,−テトラフルオロ−1,2−ジイソシアナトエタン、
デカフルオロ−1,5−ジイソシアナトペンタン、
2,5−ジフルオロ−3,6−ジイソシアナト−1,4−ベンゼンジカーボニト
リル、
ヘキサフルオロ−1,3−ジイソシアナトプロパン、
ヘキサデカフルオロ−1,2−ジイソシアナトオクタン、
1−クロロ−2,3,5−トリフルオロ−4,6−ジイソシアナトベンゼン、
1,1,2−トリクロロ−1,2−ジイソシアナトエタン、2,2’,5,5’
−テトラクロロ−4,4’−ジイソシアナト−1,1’−ジフェニル、
1,5−ジイソシアナト−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、
1,5−ジイソシアナト−2,4−ビス(トリクロロメチル)ベンゼン、
1,3,5−トリクロロ−2,4−ジイソシアナトベンゼン、
1,2,3,5−テトラクロロ−4,6−ジイソシアナトベンゼン、
1,5−ジクロロ−2,4−ジイソシアナトベンゼン、イソシアン酸のエステル
、例えばテトラクロロ−p−フェニレンジメチルエステル、メチレンジ(テトラ
クロロ−p−フェニレン)エステル、オキシジ(ジクロロ−m−フェニレン)エ
ステル、2,4,5−トリクロロ−6−(クロロメチル)−m−フェニレンエス
テル及びオキシジ(2,2,2,2−トリクロロエチリデン)エステル。
ポリウレタンの場合には、N−H結合が、主鎖中に導入される。この結合は、
近−IR光損失に大きく寄与する。従って、本発明に従ったNLOポリウレタン
からこれらの水素原子を除くのが好ましい。このことは、例えば、重水
素を用いた交換反応、又はトリフルオロ或いはトリクロロ無水酢酸を用いた反応
によりN−COF3又はN−COCl3結合を形成することによって行われうる。
特にポリウレタンの場合には、重水素置換の問題がある場合に特に、水分の存
在を減少させるのが好ましい。水分が除かれた又はないNLOポリウレタンの調
製は、光学減衰において、著しく有利な効果を有する。
本発明に従ったNLOポリエステルは、供与体−π−受容体基含有ジヒドロキ
シ化合物(例えば、上記したもの)の形の少なくとも一つのNLOモノマーを、
ジカルボン酸又はジカルボン酸誘導体、例えばジカルボン酸ハライド、ジカルボ
ン酸ジエステル又はジカルボン酸二無水物、及び好ましくはジカルボン酸塩化物
の形の、有機基を含む少なくとも一つの第一コモノマーと反応させることにより
得られうる。ここで、該ジカルボン酸(誘導体)の一部であるところの有機基中
の水素は、以下の元素、即ち重水素、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素の1以上に
より置換されている。
ジオールとジカルボン酸(誘導体)からポリエステルを形成する重縮合反応は
、同様に、それ自身公知であり、当業者に対する更なる説明は、ここでは必要な
い。上記した、ヨーロッパ特許第350113号公報、米国特許第486754
0号明細書及び米国特許第4795664号明細書が再び参照される。
例えば、1550nmにおいては、本発明に従ったポリ
マーは、1.0dB/cm未満の光学減衰を示すと判った。だが一方、本発明に
従わない類似のポリマーは、1〜2dB/cmの、また更に、ポリウレタン(強
力な吸収性のN−H基を有する)の場合には、2〜3dB/cmの減衰を示した
。本発明に従って、1320nmにおいて、0.5dB/cm未満の減衰が得ら
れることが証明された。
ジカルボン酸(誘導体)は、本発明に従ったNLOポリエステルに必須である
。適したジカルボン酸(誘導体)の例として、以下の化合物を挙げうる:
2,3−ジクロロブタンジオイルジクロライド、
2,2,3,3,4,5,5−ヘプタフルオロヘキサンジオイルクロライド、
2,2,3,4,5,5−ヘキサクロロヘキサンジオイルクロライド、
オクタフルオロ−5,6,7,8−テトラハイドロ−1,4−ナフタレンジカル
ボニルクロライド、
2,6−ジクロロ−1,4−ベンゼンジカルボニルクロライド、
2,5−ジクロロテレフタロイルクロライド、
テトラフルオロテレフタロイルクロライド、
2,4−ジクロロ−1,3−ベンゼンジカルボニルクロライド、
4,5,6−トリクロロ−1,3−ベンゼンジカルボニルジクロライド、
4,4’,6,6’−テトラクロロジフェノイルクロライ
ド、
1,4,5,6,7,7−ヘキサクロロ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボ
ニルクロライド。
過−F及び/又は過−Cl置換されたテレフタロイルクロライド及び、過−F
及び/又は過−Cl置換されたアジポイルクロライド、及びそれらの混合物が好
ましい。
本発明は、非常に低い固有光損失を示すNLOポリマーの提供を可能とする。
例えば、1550nmにおいて、本発明に従ったポリマーは、1.0dB/cm
未満の光学減衰を示すと判った。だが一方、本発明に従わない類似のポリマーは
、2〜3dB/cmの減衰を示した。本発明に従って、1320nmにおいて、
0.5dB/cm未満の減衰が得られると証明された。
本発明はまた、少なくとも一方の側が、本発明に従ったNLOポリマーから作
られたフィルムで覆われた支持体を含む集積光学部品に関する。このようなプレ
ーナー形導波路は、能動的(例えば、光学スイッチ)又は受動的(例えば、光学
分配器)のいずれかでありうる。
受動プレーナー光伝導部品は、上記照射感受性タイプのNLOボリマー中に照
射によって、チャネル形の屈折率パターンが誘起された場合に形成される。この
ような部品の一つの可能な用途は、通信ネットワークに用いるための、パワース
プリッター又はパワーコレクターへと加工されることである。
一般的に、能動プレーナー形導波路は、配列されたNL
O物質の薄いコア層、及びそれを覆う、コア物質より低い屈折率を有する物質の
薄い緩衝層からなる。緩衝層はまた、配列されたNLO基を含んでも良く、それ
によって、NLO物質から専ら作られた導波路が形成される。活性緩衝層を使用
することにより、NLO効果の有効性は増加され、従って、光及びNLO活性物
質間の完全な相互作用が存在する。
以下、本発明を以下の限定されない実施例を参照して更に説明する。
実施例1
二官能性NLOモノマーと、有機基を含む二官能性コモノマー(ここで、有機
基は水素置換元素を含む)とを反応させることにより得ることができる、低い光
損失を示すNLOポリマーは、以下のようにして調製した。
30mlのTHF中の3gのヘキサフルオロビスフェノールAの溶液に、2.
2gのホスゲンを、−10℃〜0℃の温度にて加えた。1時間の間に、1.41
gのピリジンを滴下して加えた。室温にて1時間撹拌後、過剰のホスゲンを、窒
素ガス流によって除いた。その後、反応混合物を、還流温度まで加熱した。後に
、80mlのTHF中の3.93gの4−ジ(2−ヒドロキシエチル)アミノ−
4’−ニトロスチルベンを1時間で加えた。その後、1時間で1.41gのピリ
ジンを加えた。2時間の撹拌後、0.70gのピリジンを加え、そして反応混合
物を更に1時間撹拌した。反応製造物をメタノール中に沈殿させた。分子量:
5700、Tg:113℃〜122℃。
その中のC−H結合(これは、本発明に従ってコモノマーの有機基の一部と考
えられる)がC−F結合によって置換されたNLOポリカーボネートが得られた
。
比較例
比較のために、実施例1と同じ二官能性NLOポリマーと実施例1のコモノマ
ーと同じ二官能性コモノマー(但し、水素原子は置換されてない)とを反応させ
て、NLOポリマーを調製した。
100mlのTHF中の7.17gの4−ジ(2−ヒドロキシエチル)アミノ
−4’−ニトロスチルベンと7.72gのビスフェノールAビスクロロホルメー
トの混合物に、3.46gのピリジンを1時間の間に滴下して加えた。2時間の
撹拌後、1.73gのピリジンを加え、そして混合物を更に2時間撹拌した。反
応製造物をメタノール中に沈殿させた。分子量:12900、Tg:116℃〜
122℃。
いずれのC−H結合も置換されていないNLOポリカーボネートが得られた。実施例2
二官能性NLOモノマーと、有機基を含む二官能性コモノマー(ここで、有機
基は水素置換元素を含む)とを反応させることにより得ることができる、低い光
損失を示すNLOポリマーは、以下のようにして調製した。
40mlのTHF中の7.5gのテトラフロモビスフェ
ノールAの溶液に、2.2gのホスゲンを、−10℃〜0℃の温度にて加えた。
1時間の間に、2.18gのピリジンを滴下して加えた。室温にて1時間撹拌後
、過剰のホスゲンを、窒素ガス流によって除いた。その後、反応混合物を、還流
温度まで加熱した。後に、80mlのTHF中の4.40gの4−ジ(2−ヒド
ロキシエチル)アミノ−4’−ニトロスチルベンを1時間で加えた。その後、1
時間で2.18gのピリジンを加えた。2時間の撹拌後、1.09gのピリジン
を加え、そして反応混合物を更に1時間撹拌した。反応製造物をメタノール中に
沈殿させた。分子量:5800、Tg:141℃〜149℃。
その中のC−H結合(これは、本発明に従ってコモノマーの有機基の一部と考
えられる)がC−F結合によって置換されたNLOポリカーボネートが得られた
。実施例3
二官能性NLOモノマーと、有機基を含む二官能性コモノマー(ここで、有機
基は水素置換元素を含む)とを反応させることにより得ることができる、低い光
損失を示すNLOポリマーは、以下のようにして調製した。
100mlのTHF中の1.55gの4−ジ(2−ヒドロキシエチル)アミノ
−4’−ニトロスチルベン及び3.69gのヘキサフルオロテトラブロモビスフ
ェノールAの混合物に、3.46gのピリジンを、1時間の間に滴下して加えた
。2時間の撹拌後、0.38gのピリジンを加え、そして反応混合物を更に2時
間撹拌した。反応製造
物をメタノール中に沈殿させた。分子量:6000、Tg146℃〜159℃。
その中のC−H結合(これは、本発明に従ってコモノマーの有機基の一部と考
えられる)がC−F結合によって置換されたNLOポリカーボネートが得られた
。実施例4
二官能性NLOモノマーと、有機基を含む二官能性コモノマー(ここで、有機
基は水素置換元素を含む)とを反応させることにより得ることができる、低い光
損失を示すNLOポリマーは、以下のようにして調製した。
4−ジ(2−ヒドロキシエチル)アミノ−4’−ニトロスチルベン及びイソホ
ロンジイソシアネートからなるヨーロッパ特許第350112号公報に従ったN
LOポリウレタンを、テトラヒドロフラン中に溶解した。その溶液に、5倍量の
トリフルオロ無水酢酸(TFA−無水物)を添加した。その後、溶液を室温で1
晩撹拌した。次に、溶液を、n−ヘキサン中で沈殿させ、その後、形成された沈
殿物を、濾過して、真空炉中で乾燥させた。
その中のN−H結合(これは、本発明に従ってコモノマーの有機基の一部と考
えられる)がN−TFA結合によって置換された、粉末状のNLOポリウレタン
が得られた。存在するO−H結合も、同様に、O−TFA結合により置換された
。
該ポリマーによって示される固有光損失が低いまま維持されているということ
を保証するために、それを不活性雰
囲気(N2)中に保存した。実施例5
二官能性NLOモノマーと、有機基を含む二官能性コモノマー(ここで、有機
基は水素置換元素を含む)とを反応させることにより得ることができる、低い光
損失を示すNLOポリマーは、以下のようにして調製した。
4−ジ(2−ヒドロキシエチル)アミノ−4’−ニトロスチルベン及びイソホ
ロンジイソシアネートからなるヨーロッパ特許第350112号公報に従ったN
LOポリウレタンを、ジクロロメタン中に溶解した。その溶液に、D2Oを加え
、その後、溶液を室温で数時間撹拌した。次に、有機相及び水相を分離し、次い
で、水相を除いた。その後、D2Oを再び添加して、上記の手順を、重水素によ
る水素の置換が完全に達成されるまで繰り返した。最後に行った水相の分離後、
有機相を、硫酸マグネシウム上での乾燥、濾過及び濃縮によって処理した。
その中のN−H結合(これは、本発明に従ってコモノマーの有機基の一部と考
えられる)がN−D結合によって置換された、粉末状のNLOポリウレタンが得
られた。存在するO−H結合も、同様に、O−D結合により置換された。
該ポリマーによって示される固有光損失が低いまま維持されているということ
を保証するために、それを不活性雰囲気(N2)中に保存した。実施例6
二官能性NLOモノマーと、有機基を含む二官能性コモ
ノマー(ここで、少なくとも一つのコモノマーの有機基は水素置換元素を含む)
とを反応させることにより得ることができる、低い光損失を示すNLOポリマー
は、以下のようにして調製した。
ヨーロッパ特許第350113号公報に記載の重合方法を用いて、4−(2,
3−ジヒドロキシプロピルオキシ)−4’−シアノスチルベンを、1/2当量の
テトラフルオロテレフタロイルクロライド及び1/2当量のアジポイルクロライ
ドと反応させた。その結果、低い固有光損失及び許容できる他の特性を有したN
LOポリエステルが得られた。
酸化されたSiウェハー上にポリカーボネートをスピンコートすることにより
得られるポリカーボネートフィルム(実施例1〜3のポリカーボネート及び比較
例のポリカーボネート)上で、光損失を測定した。プリズムを用いて、白色光を
、カーボネートフィルム中で結合させた。第二のプリズムを、光を分離させるた
めに用い、そして、分離された光の吸収スペクトルを測定した。2つのプリズム
間の距離を種々変更することにより、種々の距離の後の光損失を測定した。実験
方法は、例えば、Hoekstraら、Optics Letters、第17
巻、1992年、第1506〜1508頁によって記載されている。空気は、こ
れらの導波路フィルムの上部被覆としての役目をするので、光損失の限界値が測
定された。更に、測定を、実施例及び比較例で記載したポリマーを種々の濃度で
含む溶液に
ついて行った。光損失データは、スペクトルの直線回帰分析により得た。
光損失の測定は、ポリウレタン中のN−H及びO−H結合の除去によって、光
学減衰が、重要な1550nm透過窓において非常に減少されうるということを
示している。未改質のポリマーでは、1550nmにおける減衰は2〜3dB/
cmであり、1490nmにおける減衰は8〜12dB/cmにさへ達した。そ
の変動は、ポリマー中の、種々の水含量とウレタン結合との間のH−架橋の形成
によって起こる。重水素置換による、又はトリフルオロ無水酢酸との反応による
N−H結合の除去後、1550nmにおける減衰は1dB/cm未満に減少し、
改質すると1490nmにおける減衰は1〜2dB/cmである。H−結合に関
しての効果は、吸収スペクトルにおいては本発明では存在しない。
実施例1〜3に記載したポリカーボネートの測定、及び比較例との比較は、用
いられたコモノマーに依存した光損失の減少を示している。比較例は、1305
nmにおいて0.5dB/cm、1380nmにおいて2.4dB/cm及び1
550nmにおいて1dB/cmの光損失を与える。その中のCH3基がCF3に
よって置換された実施例1のポリカーボネートは、1300〜1400nmの範
囲において減少した光損失を示す。即ち、光損失は、1305nmにおいて0.
3dB/cmであり、1380nmにおいて1.5dB/cm未満である。その
中において芳香
族性C−H基の数が減少された、実施例2のポリカーボネートは、1400〜1
500nmの範囲において減少した光損失を示す。1550nmにおける光損失
は、0.8dB/cmにまで減少している。実施例3に記載したポリマーは、比
較例と比べると、両波長領域において減少した光損失を有している。
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フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),CA,JP,KR,US
(72)発明者 ムールマン、グスタフ、ロナルド
オランダ国、6952 シーエル ディーレ
ン、エドゥアルド ファン ベイヌムラー
ン 129
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.有機ポリマー主鎖及びそれに共有結合したペンダント供与体−π−受容体側 基を含むNLOポリマー(ここで、主鎖中の水素原子がより重い元素によって置 換されている)において、 該ポリマーが、供与体−π−受容体基を含む二官能性モノマーの形のNLOモノ マーと、NLOモノマーに対して反応性でありかつ有機基を含む二官能性モノマ ーの形の少なくとも一つの第一のコモノマーを反応させることによって得られ、 ここで、水素置換元素が第一のコモノマーの一部であるところの有機基中に存在 し、但し、2−クロロフェニレン含有ジカルボキシル化合物が唯一のコモノマー としては用いられない、 ことを特徴とするNLOポリマー。 2.より重い元素として、重水素、フッ素、塩素、臭素又はそれらの混合物が用 いられることを特徴とする請求の範囲第1項記載のNLOポリマー。 3.有機基中のすべての水素が置換されている(全置換)ことを特徴とする請求 の範囲第1項又は第2項に記載のNLOポリマー。 4.少なくとも一つの第二のコモノマーが用いられており、 かつ、全てのコモノマー中の水素が最大で50%まで置換されていることを特徴 とする請求の範囲第1項又は第2項記載のNLOポリマー。 5.置換されていない炭素−水素結合を含有する有機基を含む少なくとも一つの 第二のコモノマーが用いられていることを特徴とする請求の範囲第3項記載のN LOポリマー。 6.全置換された第一のコモノマー及び置換されていない第二のコモノマーが用 いられていることを特徴とする請求の範囲第5項記載のNLOポリマー。 7.水素がフッ素及び塩素で置換されていることを特徴とする請求の範囲第1項 乃至第6項のいずれかひとつに記載のNLOポリマー。 8.少なくとも二種類の異なるコモノマーが用いられており、ここで、ひとつの コモノマーにおいてフッ素置換が用いられておりかつ他において塩素置換が用い られていることを特徴とする請求の範囲第7項に記載のNLOポリマー。 9.ポリマー主鎖の末端基中の水素が置換されているか又は除かれていることを 特徴とする請求の範囲第1項乃至第8項のいずれかひとつに記載のNLOポリマ ー。 10.水素が、末端封鎖によって除かれていることを特徴とする請求の範囲第9 項に記載のNLOポリマー。 11.供与体−π−受容体基を含むジヒドロキシモノマーの形の少なくとも一つ のNLOモノマーと、有機基を含むジイソシアネートモノマーの形の少なくとも 一つの第一のコモノマーを反応させることによって得られるNLOポリウレタン (ここで、ジイソシアネートモノマーの一部であるところの有機基中の水素は、 以下の元素、すなわち重水素、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素の1以上によって 置換されている)。 12.ポリウレタン主鎖の一部であるN−H基中において、水素が重水素によっ て置換されていることを特徴とする請求の範囲第11項記載のNLOポリウレタ ン。 13.供与体−π−受容体基を含むジヒドロキシモノマーの形の少なくとも一つ のNLOモノマーと、有機基を含むジカルボン酸又はジカルボン酸誘導体の形の 少なくとも一つの第一のコモノマーを反応させることによって得られるNLOポ リエステル(ここで、ジカルボン酸又はジカルボン酸誘導体の一部であるところ の有機基中の水素は、以下の元素、すなわち重水素、フッ素、塩素、臭素及びヨ ウ素の1以上によって置換されている)。 14.用いられるカルボン酸誘導体が、全F置換されたテレフタロイルクロライ ド、全Cl置換されたテレフタロイルクロライド、全F置換されたアジポイルク ロライド、全Cl置換されたアジポイルクロライド又はこれらの混合物であるこ とを特徴とする請求の範囲第13項記載のNLOポリマー。 15.より低い屈折率を有する緩衝層で覆われたコア層を含む光学導波路であっ て、コア層が請求の範囲第1項乃至第14項のいずれかひとつに記載のNLOポ リマーからなることを特徴とする光学導波路。 16.少なくとも一つの側が、少なくとも一つの層がNLOポリマーから作られ ているところの光伝導多層構造で覆われている支持体を含む集積光学部品であっ て、該NLOポリマーが請求の範囲第1項乃至第14項のいずれか一つに記載の NLOポリマーであることを特徴とする集積光学部品。
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
NL9201719 | 1992-10-05 | ||
NL9201719 | 1992-10-05 | ||
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