JPH08505127A - 成長ホルモンの結晶体を製造する方法およびそれにより得られる結晶体 - Google Patents

成長ホルモンの結晶体を製造する方法およびそれにより得られる結晶体

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JPH08505127A JP6510964A JP51096494A JPH08505127A JP H08505127 A JPH08505127 A JP H08505127A JP 6510964 A JP6510964 A JP 6510964A JP 51096494 A JP51096494 A JP 51096494A JP H08505127 A JPH08505127 A JP H08505127A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は成長ホルモン(GH)またはその機能的派生物の結晶体を製造するための新規な方法に関し、その方法はi)GHまたはその機能的派生物を緩衝剤および一般式(1)、Ar−〔−CR12−〕n〔−CR34−〕m−CR58−OH(1)を有する化学化合物とからなる水性溶液と混合し、式中、Arはフェニル、アルキル置換フェニル、ナフチル、アルキル置換ナフチル、R1〜R8はH,OHまたはアルキル、nおよびmは0または1であり、ii)定温放置しiii)公知の方法により結晶体を単離する工程からなるものである。本発明はまた緩衝剤溶液からのGHの結晶体に関するもので、更に少なくとも20ミクロンの長さを有する針、三角形形状、立方体または平行六面体の形状において成長ホルモンまたはその機能的類似物の結晶体の製造において一般式(1)を有する化学化合物の使用、結晶体からなる注入用懸濁液、沈澱調合および乾燥調合に関するものである。

Description

【発明の詳細な説明】 発明の名称 成長ホルモンの結晶体を製造する方法およびそれにより得られる結晶体 技術分野 本発明は成長ホルモン(GH)の結晶体またはその機能的派生物を製造する方 法に関する。本発明はまた成長ホルモンの結晶体およびそれらを含有する組成物 に関する。 成長ホルモンはヒト成長ホルモン(hGH)、牛成長ホルモン(bGH)、魚 および豚成長ホルモン(pGH)のごとき人間および動物両方に存在し得る。 hGHは191個のアミノ酸の単一鎖からなる蛋白質である。分子は2つの二 硫化物ブリッジにより架橋されかつ単量体形状は22kDaの分子量を有する。 しかしながら、下垂体ヒト成長ホルモンは同質ではない。例えば、同一遺伝子か ら製造された小さい20kDahGH変異体もまた知られている。妊娠中胎盤に より発現される「基本hGH」変異体(hGH−V)は別個の遺伝子の生成物で あるところの他の類似物である。22kDahGHと同様に191個のアミノ酸 からなるが、しかし種々の位置においてそれらの13個が異なる。例えば、ビュ ーリー・ティーエー氏等著、1975年、酵素学の進歩、第42巻、第73頁乃 至166頁およびフランケン・エフ氏等著、臨床内分泌および新陳代謝ジャーナ ル、 1988年、第66巻、第1171頁乃至第1180頁参照。 組換えhGH(22kDa)は数年来市場で入手可能である。これは人間の組 織から製造された製品がクロイツフェルトーヤコブ病の病原体のごとき感染性病 原体を含有するため下垂体派生製品より好適である。2種類の治療に有用な組換 えhGH製品が市場に存在しており、そのうちの1つは、例えばカビ・ファーマ シア・アクチボラーグ社製のジエノトロピン(商標)およびN終端で追加のメチ オニン残留物を有する類似物、例えばソマトノーム(商標)である。 hGHは下垂体低下の矯小発育症またはターナー症候群の患者における直線成 長を剌激するのに使用されているが、しかし他の適応症も示唆されている。 蛋白質の安定性は一般に製薬産業における問題である。 この問題は冷凍乾燥のごとき種々の乾燥方法において蛋白質を乾燥することに よりしばしば解決された。蛋白質はその後乾燥された形状において分配されかつ 貯蔵された。患者は使用前に溶媒中で乾燥された蛋白質を元に戻さねばならず、 使用前に蛋白質を元に戻すことは不利点でありかつ患者にとって不便である。 凍結乾燥方法はコストがかかりかつ時間を消費する工程であり、そして蛋白質 の製品を大量生産するとき、この工程が回避され得るならば大きな利点である。 成長ホルモン例えばhGHの毎日の注入を必要とする 患者に関して、とくに患者が子供であるとき、製品が扱い易いこと、投与し易い こと、および注入し易いことが重要である。凍結乾燥hGHの復元は用心と慎重 さを必要とし、好ましくは回避させねばならないが、しかし今日利用し得るただ 1つの方法である。 この問題の種々の解決策が開示されているが、いままでこのような製品は市場 に出現していない。 ジェネテック社の国際特許出願公開第WO89/09614号公報において、 グリシン、マニトールおよび緩衝剤からなるhGHの安定化した調合が開示され ており、好適な実施例においてボリソルベート80のごとき非イオン表面活性剤 が添加されている。燐酸ナトリウムが緩衝物質として示唆されている。その調合 は凍結乾燥調合においてかつ復元時において増加した安定性を有する。 溶液中で成長ホルモンを投与する他の可能性はインターナシヨナル・ミネラル ズ・アンド・ケミカル・コーポレーション社のヨーロッパ特許第211601号 明細書によればポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンを含有するブロック 共重合体を添加することにある。この解決策は動物に投与した時にその放出を長 時間延長させることができる。 GHの安定性および製造の問題を迂回するための異なる方法が本明細書に開示 されている。 結晶化により成長ホルモンを製造する新たな方法が達成され得る。 成長ホルモンの結晶体はまた、例えば種々の型の注入可能な懸濁液、インプラ ントおよび局所用調合のごときホルモンの種々の新規な調合に使用され得る。 成長ホルモンの結晶化は以前には工業的方法において実施することができなか った。 クラークソン氏等は分子生物学ジャーナル、1989年、第208巻、第71 9頁乃至第721頁において、前述したものと異なる、3つの異なる結晶化方法 について報告している。 以下の方法が使用れた、すなわち、 1)緩衝液中にエタノールまたはメタノールを使用し、懸滴で、1年後に10-3 mm3の大きさおよび134オングストローム(0.0134ミクロン)の細 胞寸法を有する四角形両錐体が得られた。 2)緩衝液中にアセトンを使用し、懸滴で、3〜14日後に2×10-3mm3 の大きさを有する三角形プリズムが得られた。 3)パラアルデヒドを使用し、バッチ方法で、数週間後に2×10-3mm3の 大きさを有する斜方晶系平行六面体が得られた。著者は彼らが大きな単結晶を得 ることに成功しなかったと解説した。 ノヴオ・ノルディスカ・アクテセレスカベット社の国際特許出願公開第WO9 2/00998号公報において、化学的に安定で生物学的活性の成長ホルモンカ チオン結晶体を製造する方法が開示されている。この方法は、5 〜8の間のpHでGHの溶液にカチオンを添加し、0〜30℃の温度で結晶体を 生成させその結晶体を分離する工程からなっている。 得られた結晶体はカチオンGH結晶体である。 好適なカチオンはZn2+でありそして好ましくは有機溶媒がカチオンとともに 添加される。 得られた結晶体は常にカチオンを包含しそして小さい。例において亜鉛含有結 晶体の長さは3〜12ミクロンの間で変化する。 サイエンス、第253巻、第545頁乃至第548頁、1991年のビー・シ ー・カニンガム氏等著の論文中に、亜鉛によるhGHの二量重合が開示されてい る。 hGHを投与するための良好な方法について市場で要望がある。この要望に合 う幾つかの方法は注入溶液を使用するか、または例えば懸濁されたhGHの結晶 体として注入可能な沈澱調合を備えることにある。 hGHの結晶体と緩衝液とともにかつ保存料とともにまたは保存料なしで懸濁 液においてまたは水性の注入可能な溶液において使用され得る。 それらはまた例えば油性または水性懸濁液としてまたはインプラントとして沈 澱調合において使用させることができ、従ってゆっくりした薬剤放出を付与する 。 結晶体が十分に大きい場合に、それらは粉末として使用することができ、表面 、例えば傷上に分散させることができる。非常に小さい粒子はそれらが埃を形成 するの で適切でなく、直接使用に用いることができない。 薬学的観点から容認できないカチオンまたはメタノール、エタノール、アセト ンまたはパラアルデヒドのごとき溶媒の添加なしに純粋な活性GH結晶体を製造 するための新規な方法を発見した。 この新規な方法により結晶体は非常に短時間に形成され得る。有名な化合物の 幾つか(例えば例22参照)を使用するとき、結晶体は瞬時に形成され、他のも のに関しては1時間以内で形成された。これは数週間後のみ結晶体を製造するカ ールソン等により示された方法と比較させることができる。GHの水性溶液に一 般構造(1)を有する化学化合物を添加することにより、GHの結晶体は容易に かつ迅速に形成され得る。添加は好ましくは化合物を含有する溶液による透析ま たはクロマトグラフィによる最後の純化工程において実施され得る。 この方法によれば条件および時間に依存して結晶体の大きさを変化させること ができ、それはhGHの投与のために異なる調合を製造するときに大きな利点で ある。 結晶体中で得られたGHは80%以上の単量体GHを通常含有する材料である 。 カチオンの回避により結晶体を製造するための迅速な方法があることは、hG Hの製造において大きな利点である。この方法は純化および製造のための技術的 な過程において使用することができる。 発明の開示 成長ホルモン(GH)またはその機能的派生物の結晶体を製造するための新規 な方法は、 i)GHまたはその機能的派生物を緩衝剤と一般式(1)、 Ar−〔−CR12−〕n〔−CR34−〕m−CR56−OH (1) を有する化学化合物とからなる水性溶液と混合し、式中、Arはフェニル、アル キル置換フェニル、ナフチル、アルキル置換ナフチル、R1〜R6はH,OHまた はアルキル、nおよびmは0または1であり、 ii)定温放置し、 iii)公知の方法により結晶体を単離する構成を包含する。 定温放置は当業者に公知の種々のすべての型式の結晶化方法を意味する。 実験室規模において懸滴方法が好適であるが、工業規模において最も容易な方 法は溶液をそのままにすることによる。化学物は好ましくは、ベンジルアルコー ル、2−メチルベンジルアルコール、1−(1−ナフチル)エタノール、フェニ ルエタノール、1−フェニル−1−プロパノール、2−フェニル−2−プロパノ ール、3−フェニル−1−プロパノール中から選ばれる。 本発明はまた緩衝剤の溶液からGHの結晶体を製造するために一般式(1)を 有する化学化合物の使用に関する。 ベンジルアルコールが使用されるとき好適な量は少なくとも1%である。緩衝 剤は例えば2ないし50mM、好ましくは5ないし20mMかつとくに5mMま たは10mMの濃度のクエン酸塩にすることができる。緩衝剤はまたクエン酸ナ トリウムおよび燐酸ナトリウムの混合物にすることができる。水溶液はグリシン 、リシン、マニトール、および/またはグリセロールから構成することができる 。 5.8ないし6.3かつ好ましくは6.2の初期pHが良好な結果を付与した。 結晶体の調合は時間、pHおよび温度に依存している。20℃ないし30℃の間 の温度で結晶体は通常迅速に、時には瞬時にかつ多くは1時間以内に形成される 。 本発明の成長ホルモンまたはその機能的な類似物の結晶体は少なくとも20ミ クロンの長さを有する針、三角形形状、立方体または平行六面体の形状である。 幾つかの場合において得られた結晶体は同様に1mm以上であった。好ましくは 長さは少なくとも50〜2000ミクロンかつより好ましくは100〜300ミ クロンである。本発明の結晶体はかくして以前に得られた結晶体より大きい。 本発明による結晶体は種々の投与形態、例えば局所、鼻、肺、経口、直腸およ びおよび非経口の人間および家畜用途において有用である。 本発明は本発明による結晶体からなる注入用懸濁液、 沈澱調合および乾燥調合にある。本発明はまた本発明の調合を投与することによ り成長ホルモンまたはその機能的類似物を必要とする患者の治療方法および成長 ホルモンまたはその機能的類似物を必要とする患者の治療用薬剤の製造のための GH結晶体の使用に関する。 本発明の方法はGHの純化方法において使用され得る。本発明の結晶体は生物 学的に活性である。 成長ホルモンはヒト成長ホルモン(hGH)、牛成長ホルモン(bGH)、魚 および豚成長ホルモン(pGH)のごとく人間および動物の両方に存在し得る。 成長ホルモン(GH)は自然発生および組換えGH(rGH)の両方を意味す る。機能的類似物は動物中の成長ホルモンと同一の治療効果を有する化合物を意 味する。組換えGH(rGH)が好ましい。 GHの結晶体を使用することにより調合は容積当たりのGHの量に制限を付与 する使用担体/緩衝剤中のその溶解度に依存しない。これは本発明の結晶体の明 らかな利点である。 乾燥組成物、懸濁液または沈澱調合において薬剤供給系におけるGHの容積当 たりの量は非常に高くなる。 図面の簡単な説明 第1図は形成された結晶体を示す顕微鏡検査の拡大図である。 発明を実施するための最良の形態 例1〜20 調合研究用材料はジエノトロピン(商標)方法における薬剤物質であった。純 化過程後得られた溶出液は約36IU/mlを有する。 調合は前の純化工程において使用された塩を除去しかつ最終調合の成分を添加 する目的に役立つゲル濾過により実験室規模において実施された。コラムセファ デックスG−25(ファーマシア製)は調合緩衝剤で平衡させられた。クロマト グラフィは+7℃で実施された。 所望の蛋白質濃度が調合緩衝剤で希釈することにより達成された。溶液は殺菌 濾過されかつガラスカートリッジ内に分配された。 種々の溶液における針の形成は例1〜20および22に追随された。得られた hGH結晶体は特性を付与した。 方法 分離 結晶体は遠心分離されかつ懸濁液がピペットにより取り去られた。残留物は水 で6回、その後アセトンで3回そして最後にジエチルエーテルで2回遠心分離さ れた。結晶体が乾燥された。 ポリペプチド大きさ分布(SDS−PAGE) ソマトロピン、hGHの製造において蛋白質はSDS−蛋白質の負に帯電され た分子錯体を発生するためにナトリウムドデシル燐酸塩(SDS)により変性さ れた。単離は次いでSDSの存在においてポリアクリルアミドゲル(PAGE) 中の電気泳動により分子の大きさにし たがって得られた。hGHの関連のポリペプチド大きさ分布は銀焼き付けポリペ プチド帯の濃度計走査により定量された。 薄層クロマトグラフィ(TLC) 薄層クロマトグラフィはシリカゲル板(メルクwt5715)上で実施されか つn−ブタノール:酢酸:水:エチルアセテート、1:1:1:1において展開 された。 評価は全般的なスクリーニングに関して254nmでのUV光、主要アミノ基 および過マンガン酸カリウム試薬に関してのニンヒドリン反応からなる3つの異 なる目視技術に基礎を置いた。 ELISA、免疫吸着剤分析評価 hGHに対して向けられた免疫吸着剤純化ラビット抗体で被覆されたマイクメ タイター板(デンマーク国所在のヌンク・アクチェセレスカベット社製)血清サ ンプル、基準(標準)および対照標準により定温放置された。洗浄後ファブアン チhGH−ビオチン共役が添加されかつ固体相抗原に結合させた。固体相につい てのHRPの量が次いで、基板H22および3,3′,5,5′,−テトラーメ チルベンジジン(TMBZ)および過ホウ酸塩を使用して決定される。最終酸化 生成物は450nmでその吸収より測定される。検出し得る最小濃度は0.4m U/Lである。0.72mU/Lで分析評価間および分析評価内の変化率はそれ ぞれ2.3および9.0%でありそして4.07mU/Lにおいて変化はそれぞ れ2. 2および11%である。 HPLC AshaiPac−OD550、逆相/TRIS(pH8.5)−n−ブタノ ール、イソクラティック 検出:210および280nm ゲル濾過 スーパーデックス75/0.05M燐酸塩緩衝剤pH7.4 検出:280nm 目視検査 溶液の出現がPh.Eur.第二Edにより目で検査された。 pH pHはガラスおよびカロメル電極により測定された。 討論 通常ベンジルアルコールからなる調合は6.1ないし6.3のpH範囲におい て結晶体を付与しかつベンジルアルコールなしの溶液はこのpH範囲内で結晶体 を付与しなかった。調合1および2はベンジルアルコール中の結晶体の形成のた めの臨界値であると思われるpH6.3でベンジルアルコールの添加にも拘わら ず静澄であった。 結果および個性 顕微鏡検査 結晶体は異なる長さの針の形であった。最大の結晶体は約0.3×0.03m mであった。第1図参照。 溶融点決定 溶融点はライツ−ヴエツラー顕微鏡で行われた。結晶体は、それらが不当に色 付けされ始めたとき、230℃まで完全であった。約290℃で結晶体は黒くな ったが溶融しなかった(熱分解)。 溶解度 結晶体はジクロロメタン、アセトニトリル、エタノー ル、ジメチルフオルムアミド、ジエチルエーテルのごとき有機溶媒中に不溶であ った。結晶体は水および水中の70%エタノールに溶解し難いが1%酢酸、6M HClのごとき0.1M燐酸緩衝剤、pH8のごとき塩基に溶解可能であった。 薄装クロマトグラフィ(TLC) 10%酢酸中に溶解された結晶体および緩衝剤成分、すなわち、クエン酸、マ ニトール、グリシンおよびベンジルアルコールが研究された。 結晶サンプルはUV光を吸収しかつ芳香族基、アミノ基および酸化基を示す、 ニンヒドリンおよび過マンガン酸試薬により正の反応を示した。 加水分解 結晶サンプルおよびhGH基準の6MHC11,110℃、20時間の加水分 解。TLCを使用することにより分析は同一点を示した。 HPLG,ゲル濾過、SDS−PAGE,IEF 結晶サンプルはhGH基準とほぼ同一であった。 アミノ酸分析 結晶体について得られた実験データは理論値ならびにhGH基準サンプルと良 好に一致した。以下の表を参照。 0.22mgの量に基づいて、結晶サンプルの蛋白質含量は84%であった。 基準材料(0.45mg)中の含量は91%であった。 例21 結晶体は、 20IU/ml hGH 5mM Na−クエン酸 12mM グリシン 250mM マニトールおよび 1%ベンジルアルコール を6.4のpHにおいて含有する溶液中に形成されなかった。 より多くのベンジルアルコール(すなわち>1%)の添加により結晶体は迅速 に形成された。 6近くにまたは6以下にpHを低減することによっても結晶体が製造された。 結晶体の形態はpHおよび成長率により変化され得る。pHが6.3に近いと き結晶体は針および平行六面体のようである。 24時間以内で結晶体は0.1ないし0.3mmの長さで約0.001ないし 0.005mmの厚さに形成される。 pHを変化させることにより結晶体の大きさはかくして変化され得る。 小さい結晶体が短い時間内に形成される。 例22 他の化学化合物が成長ホルモンの結晶体を形成する可能性に関して研究された 。 調合研究用材料は通常のジエノトロン(商標)方法における薬剤物質であった 。純化過程後得られた溶出液は調合前に約36IU/mlを含有する。 調合は使用された緩衝剤に対して透析により実験室規模において行われた。 「懸滴」方法が成長ホルモンの結晶用の有用な薬品の 研究のために使用された。 「懸滴」方法は、1991年、オックスフォードに所在のアイ アール エル 新聞社発行、エー・デュクルイックス氏およびアール・ジージエ氏著の核酸およ び蛋白質の結晶化の実用的アプローチに記載されている。 滴剤の初期容積は5μl+5μlおよび良好な容積は1mlであった。実験中 使用された緩衝剤は以下の成分を含んでいた。 以下に示されるような化合物 200mM Na−クエン酸 pH6.2 結果は異なる結晶化薬品により以下のごとくであった。 化合物 結晶体 ベンジルアルコール 大きな単結晶 ±1−(1−ナフチル)エタノール 大きな単結晶 (±)フェニルエタノール 大きな単結晶 +フェニルエタノール 大きな単結晶 −フェニルエタノール 大きな単結晶 1−フェニル−1−プロパノール 大きな単結晶 (±)1−フェニループロパノール 大きな単結晶 2−フェニル−2−プロパノール 大きな単結晶 3−フェニル−1−プロパノール 大きな単結晶 2−メチルベンジルアルコール 単結晶 使用した結晶化薬品の幾つかに関して結晶体はゆっくり形成された。±1−( 1−ナフチル)エタノールを使 用するとき結晶体は2週間後形成され、そして大きさは200ないし500ミク ロンであった。Na−クエン酸を使用する代わりに、またMES−緩衝剤が使用 された。結果はNa−クエン酸を使用するときと同一であった。 しかしながら、より高い濃度の結晶化薬品がクエン酸が存在しないとき必要と された。 一般式(1)の範囲外になる他の結晶化薬品が上記と同一方法において試験さ れたとき、結晶体は形成されなかった。 化合物 結晶体 3−メチル−4−ニトロベンジルアルコール ナシ 2−ニトロベンジルアルコール ナシ 4−ニトロベンジルアルコール ナシ 1−ナフトール ナシ 2−ナフトール ナシ フェノール ナシ ベンズアルデヒド ナシ ベンジルアミン ナシ (−)1−フェニル−1−ブタノール ナシ L−フェニルグリシノール ナシ 例23 結晶体の免疫学的分析が行われた。 結晶体は例1〜例20にしたがって、 20IU/ml成長ホルモン 5mモル Na−クエン酸 12 mモル グリシン 130 mモル マニトール 1%ベンジルアルコール を含有する緩衝剤中で形成された。 形成された結晶体の0.17mgが0.05%ツイーン20を含有する0.3 4m10.05M燐酸塩緩衝塩水、pH7.5中に溶解された。溶液は同一緩衝 剤中で10段階においてさらに希釈された。すべての個々の希釈段階が同じもの 4通に分析された。 酵素結合免疫吸収剤分析評価、ELISA、免疫吸収剤分析評価が溶解された 結晶中のrhGHを測定するのに使用された。ガラス瓶中のrhGHの量は0. 15mgであると認められた。 例24 生物学的定量 結晶体は上記の例6による溶液から成長させられかつガラス容器中に0.5m 1サンプルとして分配された。製造後溶液は成長すべき結晶体のために1週間5 ℃で貯蔵された。それらはさらに結晶体を採取する前に3カ月間5℃で貯蔵され た。結晶体が採取された後結晶体を取り囲む上清は吸い込まれた。結晶体は例6 (すなわち、成長ホルモン以外の例6による組成物)による緩衝剤0.25ml により2度濯ぎ洗いされた。第2の濯ぎ洗い工程は濯ぎ緩衝剤を放棄する前に結 晶体の遠心分離により終了された。残りの結晶体は0.5mlの5mMクエン酸 ナトリウム、12mMグリシンおよび130mMマニ トール、pH6.1からなる緩衝剤中に溶解された。幾つかのサンプルが生物学 的定量分析に使用されるべくプールされた。 ゲル濾過クロマトグラフィは上記手順により製造されたサンプルについて行わ れた。成長ホルモンは結晶化かつその後の溶解度100%単量体であることを示 した。 溶解された成長ホルモン(GH)の生物学的定量: 得られたGH結晶体が生物学的に活性であるかどうかを調べるために下垂体切 除されたラットの重量増加評価分析が行われた。 ラットはデンマーク国に所在のミューレガールト・アクテセレスカベット社か ら購入された。ラットは到着前の週に下垂体切除されかつそれゆえ内因性の成長 ホルモンおよび他の下垂体ホルモンが不足しており、妨げられた成長を生じた。 ラットは研究室においてかつ評価分析前に到着時計量された。重量の変化が<1 0%のラットが研究に参入するために受け入れられた。 ラットは次いで任意に15のグループに分割された。それらのラットは4日間 毎日2度ヒト組換えGH(4.5IU/ガラス瓶の生物学的潜在力を有するよう にWHO80/505に対して較正された)の集団内標準プレパレートかまたは 2回の投与量でGH結晶から作られた溶液により処置された。標準投与量は0. 04IU/日および0.16IU/mlであった。 グループは最初の注入(第1日)前にかつ最後の注入 (第5日)後約16時間に計量された。これらの重量間の差異が計算されかつ潜 在力が標準処置グループの動物と結晶溶液処置の動物の結果を比較することによ り決定された。 結果は以下に示されている(重量増加、g,SD) 投与量 0.04IU/日 0.16IU/日 標準 12.2 8.9 17.7 8.7 GH結晶体 17.3 8.0 21.3 1.7 溶解されたGh結晶体の生物学的潜在力は7.1IU/mlであるように認め られた。 かくして、溶解GH結晶体はヒト成長ホルモンが生物学的に生体内で活性であ ることを立証した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C12P 21/00 H 9282−4B (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),AU,CA,FI,JP,N O,US (72)発明者 ルンデン ロンニー スウェーデン国,エス―178 32 エケロ, ロボバーゲン 3 (72)発明者 トム シルッカ スウェーデン国,エス―115 36 ストッ クホルム,リンドガータン 15,アイ ア イ (72)発明者 ウエスチン ソダール ゲルトラド スウェーデン国,エス―152 57 ソテル タルエ,アルプバーゲン 22

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1)成長ホルモン(GH)またはその機能的派生物の結晶体を製造する方法に おいて、 i)GHまたはその機能的派生物を緩衝剤と一般式(1)、 Ar−〔−CR12−〕n〔−CR34−〕m−CR56−OH (1) を有する化学化合物とからなる水性溶液と混合し、式中、Arはフェニル、アル キル置換フェニル、ナフチル、アルキル置換ナフチル、R1〜R6はH,OHまた はアルキル、nおよびmは0または1であり、 ii)定温放置し iii)公知の方法により結晶体を単離する工程からなることを特徴とする成長 ホルモンの結晶体の製造方法。 2)GHがヒトGHであることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の成長ホ ルモンの結晶体の製造方法。 3)GHが組換えヒトGH(rhGH)であることを特徴とする請求の範囲第 2項に記載の成長ホルモンの結晶体の製造方法。 4)化合物がベンジルアルコール、2−メチルベンジルアルコール、1−(1 −ナフチル)エタノール、フェニルエタノール、1−フェニル−1−プロパノー ル、2−フェニル−2−プロパノール、3−フェニル−1−プロパノール中から 選ばれることを特徴とする請求の範囲第1項ないし第3項のいずれか1項に記載 の成長ホルモ ンの結晶体の製造方法。 5)化合物がベンジルアルコールであることを特徴とする請求の範囲第4項に 記載の成長ホルモンの結晶体の製造方法。 6)ベンジルアルコールの量が少なくとも1%であることを特徴とする請求の 範囲第4項に記載の成長ホルモンの結晶体の製造方法。 7)緩衝剤溶液からGHの結晶体の製造において Ar−〔−CR12−〕n〔−CR12−〕m−CR58−OH (1) 式中、Arはフェニル、アルキル置換フェニル、ナフチル、アルキル置換ナフチ ル、R1〜R6はH,OHまたはアルキル、nおよびmは0または1である一般式 (1)による化学化合物の使用。 8)少なくとも20ミクロンの長さを有する針、三角形形状、立方体または平 行六面体の形状における成長ホルモンまたは機能的類似物の結晶体。 9)GHがヒトGHであることを特徴とする請求の範囲第7項に記載の結晶体 。 10)GHが組換えヒトGH(rhGH)であることを特徴とする請求の範囲 第8項に記載の結晶体。 11)前記針が少なくとも50、好ましくは50〜2000そしてより好まし くは100〜300ミクロンの長さを有することを特徴とする請求の範囲第8項 に記載の結晶体。 12)請求の範囲第1項ないし第6項のいずれか1項に記載の方法により製造 された結晶体。 13)請求の範囲第8項ないし第12項のいずれか1項に記載の結晶体からな る注入用懸濁液。 14)請求の範囲第8項ないし第12項のいずれか1項に記載の結晶体からな る沈澱調合。 15)請求の範囲第8項ないし第12項のいずれか1項に記載の結晶体からな る乾燥調合。 16)請求された調合を投与することによる成長ホルモンまたはその機能的類 似物を必要とする患者の治療方法。 17)成長ホルモンまたはその機能的類似物を必要とする患者の治療用薬剤の 製造についての請求の範囲第8項ないし第12項のいずれか1項に記載のGH結 晶体の使用。 18)請求の範囲第1項に記載の結晶化方法を特徴とするGHの純化方法。
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