JPH08504437A - シクロアルカノン、シクロアルカノール及びシクロアルキルヒドロペルオキシドの混合物の連続調製のための方法 - Google Patents
シクロアルカノン、シクロアルカノール及びシクロアルキルヒドロペルオキシドの混合物の連続調製のための方法Info
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Abstract
(57)【要約】
環状アルカンが5〜20の炭素原子を有するところの対応するシクロアルカンが、連続法で、酸素含有ガスを用い、金属触媒の不存在下、130〜200℃の間の温度にて酸化されることによるシクロアルカノン、シクロアルカノール及びシクロアルキルヒドロペルオキシドの混合物の連続調製方法であって、酸化が、反応混合物1kg当たり0.002〜2mmol(mmol/kg)のフェノール系化合物の存在下で少なくとも部分的に行われる方法。
Description
【発明の詳細な説明】
シクロアルカノン、シクロアルカノール及び
シクロアルキルヒドロペルオキシドの混合物の
連続調製のための方法
本発明は、環状アルカンが5〜20の炭素原子を有するところの対応するシク
ロアルカンが、連続法で、酸素含有ガスを用い、金属触媒の不存在下、130〜
200℃の間の温度にて酸化されることによるシクロアルカノン、シクロアルカ
ノール及びシクロアルキルヒドロペルオキシドの混合物の連続調製方法に関する
。
連続法における、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール及びシクロヘキシル
ヒドロペルオキシドの混合物の調製のためのこのような方法は、ヨーロッパ特許
出願公開第0092867号公報に記載されている。
この公知の方法の欠点は、所望の生成物(シクロヘキサノン、シクロヘキサノ
ール及びシクロヘキシルヒドロペルオキシド)に向いた酸化反応の選択性が比較
的低く、その結果としてかなりの量の副産物が形成されることである。
本発明の目的は、所望の生成物に向いたシクロアルカン酸化反応の選択性がよ
り高い方法を提供することである。
特に、本発明の目的は、シクロアルキルヒドロペルオキシドに向いた選択性がよ
り高い方法である。
この目的は、酸化が、反応混合物1kg当たり
0.002〜2mmol(mmol/kg)のフェノール系化合物の存在下で少
なくとも部分的に行われることにより達成される。
本発明に従った方法を用いた場合は、シクロアルカノン、シクロアルカノール
に向いた、特にシクロアルキルヒドロぺルオキシドに向いた酸化反応性の選択性
がより高く、そしてフェノール系化合物が存在しない場合に比べて反応速度が低
いこともないということが判った。
ソビエト連邦特許出願公開第686329号公報に、0.01〜30重量%の
フェノール系化合物の存在下でシクロドデカンを酸化することによるシクロドデ
シルヒドロぺルオキシドを得るための方法が記載されている。実験は、1重量%
(1170mmol/kg)のフェノール、2.5重量%(230mmol/k
g)のクレゾール及び0.2重量%(18mmol/kg)のレゾルシノールを
用いて行われている。驚くべきことに、これらの実験において開示されたのより
著しく低い量のフェノール系化合物が、シクロアルカノン、シクロアルカノール
及びシクロアルキルヒドロペルオキシド、特に、シクロヘキサノン、シクロヘキ
サノール及びシクロヘキシルヒドロペルオキシドへの選択性に好ましい効果を有
している。
カイネティックス アンド カタリシス USSR(1960、1(1)、4
6−62)の文献に、n−デカンの触媒酸化においてフェノール及びα−ナフト
ールが記載され、そして阻害剤として用いられている。それ故、本発明
に従ったシクロアルカンの酸化反応が、フェノール系化合物の添加により殆ど低
下しないということは驚くべきことである。
選択性を増加させるためにシクロヘキサンの酸化の間にフェノール性又はジヒ
ドロキシベンゼン様の化合物を用いることは、ソビエト連邦特許出願公開第19
7555号公報に記載されている。本発明に従った方法に比べて、酸化反応は、
200〜250℃の間の温度にて金属触媒を用いて触媒され、シクロヘキサノー
ル及びシクロヘキサノンの混合物を生じる。更に、ソビエト連邦特許出願公開第
197555号公報の実施例に従って、多量のフェノール系化合物が、反応混合
物1kg当たりについて用いられる(90及び140mmol/kg)。従って
、無触媒酸化に少量のフェノール系化合物を添加すること及びより低い温度にて
行われることが、同じ転化率で選択性に関してポジティブな効果を有することは
驚くべきことである。
シクロドデカンの無触媒酸化の間にフェノール系化合物を用いることは、ぺト
ロリウム ケミストリ−USSR(1964、3(4)、295−301)の文
献に記載されている。この文献は、シクロドデカンの酸化の反応機構の研究を記
載している。フェノール系化合物は、シクロドデカンの一部が既に酸化された後
、バッチプロセスに添加される。この文献は、連続法におけるこのようなフェノ
ール系化合物の添加が選択性の増加を結果しうるということは示唆していない。
フェノール系化合物は、式(1)
に従った1以上の基を含み、反応条件下でシクロアルカン中に可溶である。
このようなフェノール系化合物は、好ましくは、1000未満の分子量を有し
、かつ1〜5の芳香族環を有する有機化合物である。
フェノール系化合物の適した群は、式(2)
(ここで、R1−R5は、互いに独立に、−O−R6基又はR7基であり得る(ここ
で、R6及びR7は、互いに独立に、H又は1〜30の炭素原子を有する有機基で
あることができ、エーテル、カルボニル、ヒドロキシル、アミン、アミド及びエ
ステル基で置換されていても或いはいなくてもよい)、及び/又は
ここで、R1及びR2、又はR2及びR3、又はR3及びR4、又はR4及びR5は一緒
になって、5、6、7、8、10又は12の炭素原子を有する脂肪族環又は芳香
族環を構成してもよい)
によって表され得る。
適したフェノール系化合物の例は、置換されていても或いは置換されていなく
ても良い、2,6−ジターシャリー−ブチルフェノール、2,6−ジターシャリ
ー−ブチル−4−メチルフェノール、m−クレゾール、ビスフェノール−A、ビ
フェノール、p−ターシャリー−ブチルフェノール、2−ヒドロキシナフタレン
、2,6−ジメチルフェノール、2,4−ジターシャリー−ブチルフェノール、
2,4,6−トリターシャリー−ブチルフェノール、2,4−ジメチル−6−タ
ーシャリー−ブチルフェノール、1−ヒドロキシナフタレン、ヒドロキノン、ピ
ロカテコール、レゾルシノール、p−フェノキシフェノール及びo−フェニルフ
ェノールである。
好ましくは、m−クレゾール、2,4−ジターシャリー−ブチルフェノール、
2,6−ジターシャリー−ブチルフェノール及びフェノールが用いられる。
上記したフェノール系化合物の混合物もまた用いられ得る。例えば、特定のフ
ェノール系化合物の調製の間に調製されるフェノール系化合物の混合物が有利に
用いられ得る。何故なら、次いで更なる精製が要求されないからである。
フェノール系化合物の濃度は、一般には、2mmol/kgより小さく、好ま
しくは1mmol/kgより小さく、特には0.9mmol/kgより小さい。
フェノール系化合物の濃度は、一般には、0.002mmol/kgより大きく
、好ましくは0.01mmol/kgより大きく、特には0.05mmol/k
gより大きい。本発明はまた、
フェノール系化合物の濃度が、反応混合物に対して0.01重量%未満であると
ころの方法に関する。上記濃度は、反応混合物に対して供給されたフェノール系
化合物の量に基づいた濃度である。酸化反応中の実際の平均濃度は、上記濃度よ
り低くなるであろう。何故なら、フェノール系化合物の一部が酸化中に消失する
からである。
一般に、本発明は、5〜20の炭素原子を有する環状アルカンの酸化に関する
。特に、本発明は、6〜12の炭素原子を有するシクロアルカンの酸化に関する
。適した環状アルカンの例は、シクロヘキサン、シクロオクタン及びシクロドデ
カンである。酸化生成物である、シクロヘキサノール、シクロヘキサノン及びシ
クロヘキシルヒドロペルオキシドは、別々に又は混合物として多くの用途に用い
られるので、特に本発明はシクロヘキサンの酸化に関する。また特に本発明は、
フェノールが容易に得られるので、フェノール系化合物としてフェノールを用い
るところのシクロヘキサンの酸化に関する。シクロヘキシルヒドロペルオキシド
は、例えば、対応するアルケンからのアルカンエポキシドの調製において酸化剤
として用いられ得る。混合物中のシクロヘキシルヒドロペルオキシドはまた、シ
クロヘキサノン及びシクロヘキサノールの混合物を得るために分解されうる。こ
のいわゆるK/A混合物は、例えばアジピン酸の調製においてそのまま用いられ
る生産物である。シクロヘキシルヒドロペルオキシドの分解は、一般に、混合物
の冷却後、遷移金属触媒、例えばコバルト又はクロムの影
響下で起こる。好ましくは、シクロヘキシルヒドロペルオキシドの分解は、ヨー
ロッパ特許出願公開第004105号又は第092867号公報に記載されたの
方法を用いて行われる。
酸化が行われるところの温度は、一般には、130〜200℃の間である。温
度は好ましくは、160℃より高い。温度は好ましくは、190℃より低い。
酸化が行われるところの圧力は、一般には、0.1〜5MPaの間である。圧
力は好ましくは、0.4MPaより高い。圧力は好ましくは、2.5MPaより
低い。シクロヘキサンが酸化される場合は、圧力は、一般には、0.6MPaよ
り高くかつ2.0MPaより低い。
酸化は、連続様式で行われ、好ましくは直列に連結された反応器の系又は区分
された管型反応器中にて行われる。
反応は、一般には、自熱的に又は温度を制御することにより行われる。温度は、
一般には、ガス流を介して、冷却媒体を介して、又は本技術分野の熟練者に公知
の他の方法を介して反応熱を排出することにより制御される。遷移金属(これは
、シクロアルキルヒドロペルオキシドの分解を促進する)が酸化されるべき混合
物中にいかないことを保証するために、好ましくは不活性な内壁を有する反応器
が選ばれる。この目的にために、例えば、保護膜がかぶせられたスチール、アル
ミニウム、タンタル、ガラス又は琺瑯の内壁を有する反応器が用いられる。この
ことは、小さい生産容量(この場合は、液容量に対する壁面積の比が不利で
ある)の場合に特に重要である。大容量の場合は、壁の別個の不活性化は、絶対
に必要という訳ではない。もし仮に、無視できる量の金属イオンが酸化混合物中
に入った場合でも、それが反応に本質的に影響しなければ、その時は、本発明の
骨子内で、無触媒シクロアルカン酸化であると云うことができる。無触媒シクロ
アルカン酸化に比べて、触媒酸化(これは、一般に、金属、例えばコバルト及び
クロムの添加を含む)は、シクロアルカノン+シクロアルカノールと比較してシ
クロアルキルヒドロペルオキシドが相対的に少ない反応混合物を生じる。
通常、本発明のシクロヘキサンの無触媒酸化の生産物は、シクロヘキサノール
+シクロヘキサノンの量(重量%)に少なくとも匹敵する量のシクロヘキシルヒ
ドロペルオキシド(重量%)を含む。しばしば混合物は、反応後に、シクロヘキ
サノール+シクロヘキサノンの量の2倍以上の多い量のシクロヘキシルヒドロペ
ルオキシドを含む。これに比べて、触媒酸化は、重量%で見て、シクロヘキサノ
ール+シクロヘキサノンの量に対して50%未満のシクロヘキシルヒドロペルオ
キシドを含む混合物を生じる。しばしば、これは、重量%で見て、シクロヘキサ
ノール+シクロヘキサノンの量に対して40%未満でさえある。
(最終の)酸化反応器から出された反応混合物中のシクロアルキルヒドロペル
オキシドの濃度は、一般には、0.1〜8.0重量%の間である。この混合物の
シクロアルカノン濃度は、一般には、0.1〜10重量%の間であ
る。この混合物のシクロアルカノール濃度は、一般には、0.1〜15重量%の
間である。この反応混合物に対するシクロアルカンの転化率は、一般に、0.5
〜25%の間である。シクロヘキサンの転化率は、一般に、2〜6%の間である
。
一連の連結された反応器又は区分された管型反応器の場合においては、フェノ
ール系化合物は、各反応器(又は各区分)に別々に供給されうる。第一反応器中
のフェノール系化合物の濃度が、最終の反応器中の濃度より相対的に低いのが好
ましいと判った。また、フェノール系化合物は、1以上の反応器へのみ供給して
、全ての反応器へは供給しないのが有利であり得る。
酸素そのもの、酸素濃度を増した或いは減じた空気、又は窒素或いは他の不活
性ガスと混合した酸素が、酸素含有ガスとして選ばれうる。空気が好ましいが、
空気は、爆発の危険を防止するために余分の不活性ガスと混合されうる。
一般に、爆発の危険を防止するために、排出ガス中の酸素濃度が爆発限界以下に
留まるような酸素含有ガスが、このような方法で反応器へと供給される。酸素の
供給量は、(純粋な酸素として計算して)一般に、1リットルのシクロアルカン
当たり0.1〜50Nリットルの間である。この量は反応速度に依存し、そして
酸素は好ましくは少し過剰に存在するが、酸素の量は一般に限定的でないのでこ
のことは重要ではない。
本発明を、以下の限定的でない実施例を参照して更に説
明する。実施例1
4枚の邪魔板、1つのタービンミキサー、複数の冷却器、温度計及び2つの管
を備えた二重壁ガラス反応器((170℃の)270gのシクロドデカンより成
る液容積に等しい容量)中に、溶融したシクロドデカンを、一つの供給管を通し
て、ポンプを用いて、732g/時間の速度にて供給し、そして他の管を通して
溶融したシクロドデカン中の添加剤の溶液を、第2のポンプを用いて、90g/
時間の速度にて供給した。従って、滞留時間は20分間であった。2,6−ジタ
ーシャリー−ブチルフェノールを添加剤として用いた。添加剤の供給速度を、反
応器中の濃度が0.96mmol/kgとなるように制御した。
生成物は、制御弁を用いて、オーバーフロー管を経由して反応器から排出され
た。反応温度は170℃であった。撹拌機の速度は2000分-1であった。空気
を、反応器の底に、ガス分散システムを介して、30Nリットル/時間の速度に
て供給した。反応器の排出液の分析は、シクロドデシルヒドロペルオキシド、シ
クロドデカノール及びシクロドデカノンへの選択性が、4.4mol%のシクロ
ドデカンの転化率にて、それぞれ73.4、4.4及び15.2mol%(合計
、93mol%)であることを示した。実施例2
実施例1を繰り返した。添加剤の供給速度を、反応器中の濃度が0.094m
mol/kgとなるように制御した。反応器の排出液の分析は、シクロドデシル
ヒドロペルオキシド、シクロドデカノール及びシクロドデカノンへの選択性が、
4.4mol%のシクロドデカンの転化率にて、それぞれ61.6、12.1及
び18.4mol%(合計、92.1mol%)であることを示した。実施例3
実施例1を繰り返した。添加剤の供給速度を、反応器中の濃度が0.48mm
ol/kgとなるように制御した。反応器の排出液の分析は、シクロドデシルヒ
ドロペルオキシド、シクロドデカノール及びシクロドデカノンへの選択性が、5
.0mol%のシクロドデカンの転化率にて、それぞれ68.0、4.3及び1
8.1mol%(合計、90.4mol%)であることを示した。比較実験A+B
実施例1を繰り返したが、添加剤は加えなかった。反応器の排出液の分析は、
シクロドデシルヒドロペルオキシド、シクロドデカノール及びシクロドデカノン
への選択性が、4.67mol%のシクロドデカンの転化率にて、それぞれ54
.6、13.3及び18.8mol%であることを示した。この実験を繰り返し
た。反応器の排出液の分析は、
シクロドデシルヒドロペルオキシド、シクロドデカノール及びシクロドデカノン
への選択性が、4.7mol%のシクロドデカンの転化率にて、それぞれ51.
7、15.3及び19.5mol%(合計、86.5mol%)であることを示
した。実施例4
実施例1を繰り返した。但しここでは、フェノールを添加剤として用いた。添
加剤の供給速度を、反応器中の濃度が1.0mmol/kgとなるように制御し
た。反応器の排出液の分析は、シクロドデシルヒドロペルオキシド、シクロドデ
カノール及びシクロドデカノンへの選択性が、4.4mol%のシクロドデカン
の転化率にて、それぞれ59.6、14.8及び18.7mol%(合計、93
.1mol%)であることを示した。実施例5
実施例4を繰り返した。但しここでは、添加剤の供給速度を、反応器中の濃度
が0.8mmol/kgとなるように制御し、そしてシクロドデカンの供給を、
シクロドデカンの転化率が4.7mol%となるような量に低下させた。反応器
の排出液の分析は、シクロドデシルヒドロペルオキシド、シクロドデカノール及
びシクロドデカノンへの選択性が、それぞれ58.0、12.5及び17.8m
ol%(合計、92.0mol%)であることを示した。実施例6
実施例5を繰り返した。但しここでは、添加剤の供給速度を、反応器中の濃度
が0.48mmol/kgとなるように制御した。シクロドデカンの転化率は5
.1mol%であった。反応器の排出液の分析は、シクロドデシルヒドロペルオ
キシド、シクロドデカノール及びシクロドデカノンへの選択性が、それぞれ61
.4、6.3及び15.3mol%(合計、91.1mol%)であることを示
した。比較実験C
実施例6を繰り返したが、添加剤は加えなかった。シクロドデカンの転化率は
、実施例6と同じ5.1mol%であった。反応器の排出液の分析は、シクロド
デシルヒドロぺルオキシド、シクロドデカノン及びシクロドデカノールへの選択
性が、それぞれ48.6、11.7及び17.4mol%(合計、77.6mo
l%)であることを示した。実施例7
実施例1を繰り返した。但しここでは、2,6−ジターシャリー−ブチル−4
メチルフェノールを添加剤として用いた。添加剤の供給速度を、反応器中の濃度
が0.94mmol/kgとなるように制御した。反応器の排出液の分析は、シ
クロドデシルヒドロペルオキシド、シクロドデカノール及びシクロドデカノンへ
の選択性が、4.5mol%のシクロドデカンの転化率にて、それぞれ59.2
、
13.2及び18.5mol%(合計、91.9mol%)であることを示した
。実施例8
実施例7を繰り返した。添加剤の供給速度を、反応器中の濃度が1.9mmo
l/kgとなるように制御した。反応器の排出液の分析は、シクロドデシルヒド
ロペルオキシド、シクロドデカノール及びシクロドデカノンへの選択性が、4.
6mol%のシクロドデカンの転化率にて、それぞれ63.1、8.6及び17
.0mol%(合計、88.7mol%)であることを示した。実施例9
実施例1を繰り返した。但しここでは、m−クレゾールを添加剤として用いた
。添加剤の供給速度を、反応器中の濃度が1.1mmol/kgとなるように制
御した。反応器の排出液の分析は、シクロドデシルヒドロペルオキシド、シクロ
ドデカノール及びシクロドデカノンへの選択性が、4.3mol%のシクロドデ
カンの転化率にて、それぞれ65.0、8.1及び18.5mol%(合計、9
1.6mol%)であることを示した。実施例10
実施例1を繰り返した。但しここでは、4−メトキシフェノールを添加剤とし
て用いた。添加剤の供給速度を、反
応器中の濃度が1.0mmol/kgとなるように制御した。反応器の排出液の
分析は、シクロドデシルヒドロペルオキシド、シクロドデカノール及びシクロド
デカノンへの選択性が、4.4mol%のシクロドデカンの転化率にて、それぞ
れ60.7、13.2及び17.8mol%(合計、91.7mol%)である
ことを示した。実施例11
実施例1を繰り返した。但しここでは、2,4,6−トリターシャリー−ブチ
ルフェノールを添加剤として用いた。添加剤の供給速度を、反応器中の濃度が1
.0mmol/kgとなるように制御した。反応器の排出液の分析は、シクロド
デシルヒドロペルオキシド、シクロドデカノール及びシクロドデカノンへの選択
性が、4.5mol%のシクロドデカンの転化率にて、それぞれ65.7、9.
9及び16.4mol%(合計、92.0mol%)であることを示した。実施例12
実施例1を繰り返した。但しここでは、2,4−ジターシャリー−ブチルフェ
ノールを添加剤として用いた。添加剤の供給速度を、反応器中の濃度が1.1m
mol/kgとなるように制御した。反応器の排出液の分析は、シクロドデシル
ヒドロペルオキシド、シクロドデカノール及びシクロドデカノンへの選択性が、
4.5mol%のシクロド
デカンの転化率にて、それぞれ67.4、5.4及び18.3mol%(合計、
91.1mol%)であることを示した。実施例13
シクロヘキサンを用いた実験を、実施例1に記載した装置と類似の、加圧下で
のテストのために設置された装置中で行った。2,6−ジブチル−ターシャリー
−4−メチルフェノールを添加剤として用いた。添加剤の供給速度を、反応器中
の濃度が1.25mmol/kgとなるように選択した。反応器の排出液の分析
は、シクロヘキシルヒドロぺルオキシド、シクロヘキサノール及びシクロヘキサ
ノンへの選択性が、3.5mol%のシクロヘキサンの転化率にて、92.3m
ol%であることを示した。実施例14
実施例12を繰り返した。但しここでは、フェノールを添加剤として用いた。
添加剤の供給速度を、反応器中の濃度が0.6mmol/kgとなるように選択
した。反応器の排出液の分析は、シクロヘキシルヒドロペルオキシド、シクロヘ
キサノール及びシクロヘキサノンへの選択性が、3.4mol%のシクロヘキサ
ンの転化率にて、91.5mol%であることを示した。実施例15
実施例14を繰り返した。フェノール濃度は0.3mmol/kgであり、全
選択性は、3.5mol%のシクロヘキサンの転化率にて91.9mol%であ
った。比較実験D
実施例12を繰り返したが、但しここでは添加剤は添加しなかった。反応器の
排出液の分析は、シクロヘキシルヒドロペルオキシド、シクロヘキサノール及び
シクロヘキサノンへの選択性が、3.4mol%のシクロヘキサンの転化率にて
、89.4mol%であることを示した。
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(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
C07C 407/00
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Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.環状アルカンが5〜20の炭素原子を有するところの対応するシクロアルカ ンが、連続法で、酸素含有ガスを用い、金属触媒の不存在下、130〜200℃ の間の温度にて酸化されることによるシクロアルカノン、シクロアルカノール及 びシクロアルキルヒドロペルオキシドの混合物の連続調製方法において、酸化が 、反応混合物1kg当たり0.002〜2mmol(mmol/kg)のフェノ ール系化合物の存在下で少なくとも部分的に行われることを特徴とする方法。 2.フェノール系化合物が、式(1) に従った1以上の基を含みかつ反応条件下でシクロアルカン中に可溶であること を特徴とする請求の範囲第1項に記載の方法。 3.フェノール系化合物が、1000未満の分子量を有しかつ1〜5の芳香族環 を有することを特徴とする請求の範囲第2項に記載の方法。 4.フェノール系化合物が、式(2) (ここで、R1〜R5は、互いに独立に、−O−R6基又はR7基であり得る(ここ で、R6及びR7は、互いに独立に、H又は1〜30の炭素原子を有する有機基で あることができ、エーテル、カルボニル、ヒドロキシル、アミン、アミド及びエ ステル基で置換されていても或いはいなくてもよい)、及び/又は ここで、R1及びR2、又はR2及びR3、又はR3及びR4、又はR4及びR5は一緒 になって、5、6、7、8、10又は12の炭素原子を有する脂肪族環又は芳香 族環を構成してもよい) で表されることを特徴とする請求の範囲第3項に記載の方法。 5.反応混合物中のフェノール系化合物の濃度が0.01〜1mmol/kgで あることを特徴とする請求の範囲第1項〜第4項のいずれか一つに記載の方法。 6.フェノール系化合物の濃度が0.9mmol/kgより低いことを特徴とす る請求の範囲第1項〜第5項のいずれか一つに記載の方法。 7.フェノール系化合物の濃度が0.01重量%より低いことを特徴とする請求 の範囲第1項〜第6項のいずれか一つに記載の方法。 8.環状アルカンが5〜20の炭素原子を有することを特徴とする請求の範囲第 1項〜第7項のいずれか一つに記載の方法。 9.環状アルカンがシクロヘキサンであることを特徴とする請求の範囲第8項に 記載の方法。 10.フェノール系化合物がフェノールであることを特徴とする請求の範囲第9 項に記載の方法。 11.酸化中の温度が160〜190℃の間であることを特徴とする請求の範囲 第1項〜第10項のいずれか一つに記載の方法。 12.酸化中の圧力が0.1〜5MPaの間であることを特徴とする請求の範囲 第1項〜第11項のいずれか一つに記載の方法。 13.明細書の導入部及び実施例に実質的に記載された方法。
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