JPH08503999A - 金属コバルト粉の製造方法 - Google Patents

金属コバルト粉の製造方法

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JPH08503999A JP6510501A JP51050194A JPH08503999A JP H08503999 A JPH08503999 A JP H08503999A JP 6510501 A JP6510501 A JP 6510501A JP 51050194 A JP51050194 A JP 51050194A JP H08503999 A JPH08503999 A JP H08503999A
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Abstract

(57)【要約】 硫酸コバルトアンモニウムの還元による超微細金属コバルトを含有する粉末金属コバルトの製造方法。可溶性銀塩、好ましくは、硫酸銀若しくは硝酸銀を、コバルト1kg当たり銀1g〜10gの可溶性銀対コバルトの割合の重量比となる量添加し、骨グルー、ポリアクリル酸またはこれらの混合物のような有機分散剤を、コバルトの重量の0.01〜2.5%の量添加し、アンモニア対コバルトのモル比1.5対1〜3.0対1、好ましくは約2.0対1が達成され、そして該溶液を3000〜4000kPaの水素圧下、攪拌しなから150〜250℃の範囲内の温度で、硫酸コバルトをコバルト金属粉に還元するのに十分な誘導時間及び還元時間加熱する。超微細コバルト粉は、サブミクロンの大きさで、ふしこぶ状で、2.0M2/g以上の表面積を有する。粒度と表面積は、所望の焼結密度の製品とする低い焼結温度を可能とするために必須である。

Description

【発明の詳細な説明】 金属コバルト粉の製造方法 〔発明の背景〕 本発明は、金属コバルト粉の製造方法に係り、詳記すれば、硫酸コバルトアン モニウム(cobaltous ammonium sulphate)の還元による超微細な金属コバルト 粉を含有する金属コバルト粉の製造方法に関するものである。 市販のコバルト粉末の多くは、適当なコバルト塩溶液から沈殿したシュウ酸コ バルトを、金属コバルト粉を得るための高温、部分還元雰囲気中で分解、還元す る方法によって製造していた。このようにして得たコバルト粉末は、高純度であ るが、繊維状の形態を有し、サラサラした感じではない。最近エンドユーザーは 、粉末冶金への適用に於いて、高純度繊維状粉末を、高純度でサラサラした感じ のコバルト粉末に置換するのに関心を示している。 硫酸コバルトアンモニウム水溶液を、高温、高圧で水素ガスで還元してコバル トを製造する方法は、ダブリュ・クンダ(W.Kunda)、ジェー・ピー・ワーナー (J.P.Warner)及びヴイ・エヌ・マッキウ(V.N.Mackiw)によるトランスア クションズ(Transactions)、シーアイエム(CIM)、65(1962)、第2 1〜25頁に、コバルトの湿式冶金的製法の表題の文献に開示されている。この 方法による金属の商業生産に於いては還元工程に於ける2つの基本段階がある: 最初が“核形成”段階であり、それに続く後者の“デンシフィケーション(dens ification)”段階である。核形成段階に於いては、還元が開始し、溶液中に、 微細金属粒子若しくは核が形成される。デンシフィケーシヨン段階に於いては 、予備形成した“種結晶”粒子の上の溶液から金属が沈殿し、より大きな粒子を 生成する。この後者の段階は、粉末が所望の大きさに達するまで繰り返される。 核形成段階中、金属粒子の形成を開始させるために、金属塩含有水溶液に、核 形成触媒を添加しなければならない。クンダ他によって開発され、シャリットゴ ルドンリミテッド(Sharitt Gordon Limited)によって商業上使用されたこの方 法は、コバルト粉末の核形成を促進させるために、硫化ナトリウム(sodium sul phide)とシアン化ナトリウムの混合物を使用している。この方法は、25ミク ロンという小さい大きさの粉末を得るのに使用することができる;しかしながら 、この粉末は、イオン及びカーボンの含有量が比較的高い(C:0.3〜0.8 %、S:0.2〜0.5%)。微細な大きさの粉末が必要な場合は、カーボン及 びイオウの量は、通常は高くなる。なぜなら、より少ないデンシフィケーション は、核形成粉末中の最初のカーボン及びイオウのより少ない稀釈をもたらすから である。 製品粉末に対して報告されたカーボン及びイオウ含有量が高くなる可能性があ るほかに、シアン化ナトリウムの使用は、その毒性のため望ましくない。 本発明の主目的は、低いカーボン及びイオウ含有量で、エフエスエスエス(FS SS)で測定した平均粒径が25ミクロン以下の球形若しくはふしこぶ形のコバル ト粉の製法を提供することである。 本発明の他の目的は、超微細即ち、サブミクロン、サラサラした感じの球形若 しくはふしこぶ形のコバルト粉を提供することであり、この粉末は、バイトとし て使用する焼結炭化物合金の結合物質として特に有用である。 更に本発明の目的は、微細なコバルト粉末の核形成化に、シアン化ナ トリウムを必要としない方法を提供することである。 発明の概要 本発明方法は、微細なコバルト粉の核形成化に硫化ナトリウム及びシアン化ナ トリウムの必要性をなくするものであるが、本発明者等は、より粗い粉末の製造 の種結晶として使用するのに適している微細な金属コバルト粉は、硫酸コバルト (ammoniacal cobaltous salphate)から、核形成触媒として、可溶性銀塩、好 ましくは硫酸銀若しくは硝酸銀を添加し、コバルト粒子の成長及び凝集を抑制す るための骨グルー(bone glue)、ポリアクリル酸及び骨グルー/ポリアクリル 酸混合物のような適用な有機化合物の存在下で沈殿させることによって得られる ことを見出した。 このコバルト粉の製法は、アンモニア対コバルトのモル比が、約1.5〜3. 0対1の硫酸コバルトアンモニウムを含有する溶液に、硫酸銀若しくは硝酸銀の ような可溶性金属塩を、可溶性銀対コバルトの重量比が、還元すべきコバルト1 kg当り1.0〜10gの範囲内の量を加え、製造すべきコバルト金属粉の成長 及び凝集を防止するのに効果的な量の骨グルー及び/またはポリアクリル酸を加 え、そして該溶液を、2500〜5000KPaの水素圧下に撹拌しながら、1 50〜250℃の範囲内の温度で、硫酸コバルトをコバルト金属粉に還元するの に十分な時間加熱する工程からなる。 平均の大きさ25ミクロン以下のコバルト粉末を製造する方法は、最初の核形 成段階、還元段階及び最終完了段階からなる三工程を含んでいる。誘導期の役割 をする核形成段階は、典型的には25分までを必要とし、溶液中の大部分のコバ ルタス(cobaltous cobalt)なコバルトを還元する段階(還元時間)は、30分 までを必要とし、そして溶液中の最後の痕跡量のコバルトを除去する完了段階( 完了時間)は、典型的には 、15分を必要とする。 本発明者等は、アンモニア対コバルトのモル比が、約2.0対1のアンモニア 性硫酸コバルト、コバルト1kg当たり少くとも銀1gの濃度の可溶性銀及びコ バルト重量の約0.01〜2.5%の量の動物グルーとポリアクリル酸の混合物 が、水素圧下、10分以下の誘導時間、そして10分以下の還元時間で、還元さ れ平均の大きさ1ミクロン以下の超微粒のコバルト粉末が製造できることを見出 した。 本発明の最も広い面に於いては、硫酸コバルトアンモニウム含有溶液からコバ ルト粉末を製造する本発明方法は、コバルトに対する可溶性銀が、還元すべきコ バルト1kg当たり銀0.3〜10gの範囲内の重量比となる量の可溶性銀塩を 添加し、生成すべきコバルト金属粉の凝集を防止するのに効果的な量の骨グルー 及び/またはポリアクリル酸を添加し、そして該溶液を2500〜5000KP aの水素圧下に撹拌しながら、150〜250℃の範囲内の温度で、硫酸コバル トをコバルト金属粉に還元するのに十分な時間加熱する工程からなる。 特に、本発明方法は、アンモニア対コバルトのモル比が約1.5〜3.0対1 のモル比となるように、アンモニアを40〜80g/L濃度のコバルトを含有す る硫酸コバルトの溶液に添加し、硫酸銀若しくは硝酸銀のような可溶性銀塩を、 コバルト1kg当たり銀約0.3g〜10gのコバルトに対する銀の重量比とな る量添加し、コバルト重量の0.01〜2.5%の量の骨グルー及びポリアクリ ル酸の混合物を添加し、該混合物を150℃〜250℃の範囲内の温度に加熱し 、そして該混合物を、水素雰囲気中、全圧2500〜5000KPaの範囲内で 、コバルタス(cobaltous)なコバルトがコバルト金属粉に還元されるまで撹拌 することからなる。 サブミクロンコバルト金属粉を製造する本発明方法の好ましい具体 例に於いては、アンモニア対コバルトのモル比が約2.0対1のモル比でとなる ように、アンモニアを、約40〜80g/L濃度のコバルトを含有する硫酸コバ ルトの溶液に添加し、硫酸銀若しくは硝酸銀を、コバルト1kg当たり銀約0. 3g〜4gのコバルトに対する銀の重量比添加し、コバルト重量の0.01〜2 .5%の量の骨グルー及びポリアクリル酸の混合物を添加し、該混合物を150 ℃〜250℃の範囲内の温度、好ましくは約180℃に加熱し、そして該混合物 を、水素雰囲気中、全圧3000〜4000KPa、好ましくは約3500KP aの範囲内で、コバルタス(cobaltous)なコバルトを超微細のコバルト金属粉 に還元させるため、20分以下の核形成ピン及び還元時間中撹拌する工程からな る。 図面の簡単な説明 本発明方法を添付図面に関して説明する。 図1は、本発明方法の工程フローシートである。 図2は、シュウ酸コバルトの分解及び還元によって生成した従来周知の繊維状 超微細コバルト粉末の顕微鏡写真である。 図3は、本発明方法によって得た超微細な実質的にふしこぶ状のコバルト金属 粉の顕微鏡写真である。 図4は、本発明のコバルト金属粉の相対膨張を示すグラフである。 図5は、図2で説明したシュウ酸コバルトから得たコバルト粉の相対膨張を示 すグラフである。 好ましい実施態様の記載 図1のフローシートに示すように、硫酸コバルト溶液は、良く知られているよ うに、コバルト粉末を、硫酸水溶液に添加する工程10で製造することができる 。溶液中に存在する銀は、工程12で6.0以上のpH、50〜70℃の範囲内 の温度で、空気を添加して鉄を酸化して除去 し、沈殿した酸化鉄は、液/固分離手段14で除去して廃棄する。 実質的に銀を含有しない硫酸コバルト溶液を、工程16でオートクレーブ反応 容器に供し、オートクレーブ中に濃厚アコ溶液(aqua solution)を添加し、約 8.0〜10.0のpHにする。典型的には、アンモニア対コバルトのモル比を 約2.0対1〜2.5対1にするため、約40〜80g/Lのコバルト濃度の硫 酸コバルト溶液にアンモニアを添加する。 可溶性銀塩、好ましくは硫酸銀若しくは硝酸銀を、還元すべきコバルト1kg 当たり約0.5〜10g、好ましくは約2〜4gの銀となる割合で添加する。 凝集抑制のため、骨グルー、ゼラチンまたはポリアクリル酸のような有機物質 の混合物を添加し、この混合物を、150〜250℃好ましくは約180℃の温 度で、約3000〜4000KPa好ましくは約3500KPaの適用水素雰囲 気下に、硫酸コバルトをコバルト金属粉に還元するのに十分な時間、撹拌しなが ら加熱する。 凝集及び成長抑制添加剤、好ましくは、骨グルー/ポリアクリル酸ブレンドを 、コバルトに対し0.01〜2.5重量%の量添加する。 生成したスラリーを、硫酸アンモニウムを除去するため、液/固分離工程18 に移し、そしてコバルト金属粉は、水を添加して洗浄する。洗浄したコバルト金 属粉は、更に水洗を行い、ついでアルコールを添加して最終洗浄を行いそして包 装22前に乾燥する洗浄/乾燥工程20を通過させる。 次に、本発明方法を実施例を挙げて説明するが、本発明はこの実施例には何ら 制限されない。 実施例1 コバルト核形成粉を、商用核形成手順に相当する手順を使用し、1ガ ロンの実験室用還元オートクレーブ中で製造した。全ての実験に、硫酸コバルト (CoSO4)115g/Lの核形成溶液を使用した。コバルト80g/Lとなる溶 液の容積を、ポリアクリル酸及び銀塩と一緒に、オートクレーブに装入した。そ れから、オートクレーブを密封し、水素でパージした。水素パージが完了した後 、オートクレーブ中のNH4OHを導入した。190℃、全圧3500KPaの標準 還元条件で、約15分で、完全還元をもたらす。 触媒としてNa2S/NaCNを使用する標準試験は、誘導期30分後、15分内に粉 末を生成する。この粉末は、分析すると0.18%の炭素と0.18%のイオウ を含有し、全ての粒子が20マイクロメータ(ミクロン)以下であり、フィッシ ャーナンバー(Fisher Number)(FN)1.65であった。試験結果を表1及 び2に示す。 含有するコバルトのkg当りAg2SO4 10gを使用する試験は、誘導期20〜 45分後、15〜20分内に粉末を生成する。この粉末は、分析すると0.1〜 0.2%の炭素と0.002〜0.007%のイオウを含有し、全ての粒子が2 0ミクロン以下であり、フィッシャーナンバー(Fisher number)1.25〜2 .40であった。これらの結果は、銀塩が従来使用されているNa2S/NaCN触媒の 代わりに受け入れられることを示している。 実施例2 コバルト核形成試験を、前記図1の商用核形成手順に相当する手順を使用する 1ガロンの実験室用オートクレーブ中で行った。コバルト80g/Lを与えるよ うにコバルトプラント(plant)核形成溶液の計算した容積を、硫酸銀及び骨グ ルーとポリアクリル酸との混合物と一緒にオー トクレーブに装入した。オートクレーブを160℃に加熱し、3500KPaの 水素過圧を適用し、還元が完了するまでこの状態を維持した。還元中、温度が1 0〜20℃上昇するのが記録された。30〜60分の還元時間が観測された。 最初の核形成化に続いて、粉末の成長速度と、粉末中の炭素、イオウ及び銀含 有量のデンシフィケーシヨン(densification)効果を測定するため、コバルト プラント還元供給を使用する多数のデンシフィケーションを行う7回の試験を実 施した。デンシフィケーションは、次のようにして行った。 核形成粉を含むオートクレーブ中に、コバルトプラント還元供給熱(170℃ )溶液を装入し;そして金属価が還元されるまで水素圧を適用する。 還元が完了すると、最終溶液を即座に排出し、オートクレーブに新たな供給溶 液を再び装入した。デンシフィケーションに於いて、粒子の成長を制御するのに 試験した添加剤は、“アクリゾール(ACRYSOL)A−1”及び“コロイド(COLLO ID)121”の商標名で市販のポリアクリル酸、及び骨グルー/ポリアクリル酸 の混合物である。 有機添加剤は、有効成分10重量%を含有する原液として調製され、ピペット で必要量添加される。 Ag2So4の量及び核形成工程のデンシフィケーション段階で使用した添加剤並び に還元試験結果を次表3に示す。 粉末凝集度に於ける骨グルー/ポリアクリル酸添加剤の量を増加させた効果を 測定するため、更に3つの核形成化試験を実施した。結果を次表4に示す。 添加剤の添加割合を、5から20ml/Lに増加させると、凝集度合はかなり 減少する。添加割合5〜10mL/Lで最適の結果が得られた。 実施例3 核形成化粉末を生成させるため、硫酸銀及び骨グルー/ポリアクリル酸を使用 し、コバルトプラント還元オートクレーブ中で、2回のプラント試験を行った。 骨グルー/ポリアクリル酸を、3.0ml/Lの割合で添加した実験14は、 フィッシャーナンバー2.75で、凝集物の平均サイズ22ミクロンの粉末を生 成した。この粉末は、コバルトプラント還元供給の約30デンシフィケーション に受け入れられ、市販のSグレードコバルト粉末を生成する。1.6ml/Lの 割合で添加した骨グルー/ポリアクリル酸で実施した第2の実験(試験15)は 、オートクレーブから取り出すのにこされる大きさの150ミクロン以上の凝集 物を生成した。 プラント実験結果を次表5に示す。 骨グルー/ポリアクリル酸を1.5mL/L添加したNaCN/Na2S触媒を使用す る標準プラント核形成で、粒度約15ミクロンの核形成粉末を得た。骨グルー/ ポリアクリル酸15mL/Lを必要とするNaCN/Na2S触媒を使用し、1ガロンの オートクレーブ中で、実験室での核形成を行い、同様の大きさの核形成粉末を得 た。 実施例4 硫酸コバルトとしてコバルト112g/L含有する360リットルの水溶液を 、硫酸コバルトとしてコバルト40,000gを生成させるため、1000リッ トルのきれいなオートクレーブ中に、フィルターを通して導入し、850リット ルの容積にするのに十分な水を加えた。硫酸コバルト溶液に、濃厚アンモニア水 溶液を添加して、アンモニア対コバルトのモル比2.5対1とした。215g/ Lのアンモニア水溶液135リットルを添加すると、オートクレーブ中のpHは 8.0〜10.0となった。硫酸銀170g、液体骨グルー1リットル、ポリア クリル酸0.33リットル及びアンモニア水1リットルを水6リットルに混合し て得た混合物を、オートクレーブ中に添加し、混合物を撹拌しながら約175℃ に加熱した。オークレーブを水素で3500KPaに加圧した。 コバルトイオンを、コバルト粉末に還元する核形成化段階(誘導期)、還元段 階(還元時間)及び完了段階(完了時間)は、30分以下しか 要せず、この段階での溶液濃度は、コバルト1g/リットル以下であった。下表 6は、誘導期及び還元時間は、10分以下であることを示している。 表6 試験No.4 誘導期 = 1分 還元時間 = 7分 完了時間 = 15分 最終溶液は、pH8.4で、合計金属0.4g/L以下含有していた。粉末を 洗浄し、乾燥し、そして分析して38kgのコバルトを得た。 大きさの分布と化学組成を次表7に示す。 実施例5 硫酸コバルトとしてコバルト40,000g装入するため、実施例4に於ける 硫酸銀170gと比べて60g(即ち33%)しか添加しない以外は、実施例4 の試験条件を繰り返した。誘導期は4分で、還元時間10分で34kgのコバル トを得た。 大きさの分布と化学組成を、次表8に示した。 収量は、コバルト粉末34kgに低下し、平均粒子若しくは凝集物の大きさは 増加した。 実施例6 硫酸コバルトとしてコバルト40,000g装入するため、実施例4に於ける 液体骨グルー1リットルと比べて0.25リットル(即ち25%)しか添加しな い以外は、実施例4の試験条件を繰り返した。誘導期は23分に増加し、還元時 間は57分に増加した。 大木さの分布を、次表9に示した。 誘導及び還元時間は、実質的に合計80分に増加し、平均粒子及び凝集物の大 きさは増加した。 実施例7 硫酸コバルトしてコバルト40,000g装入するため、実施例1に於ける液 体骨グルー1リットルと比べて0.5リットル(即ち50%)しか添加しない以 外は、実施例4の試験条件を繰り返した。誘導時間は5分で、還元時間32分で 39kgのコバルトを得た。 大きさの分布を、次表10に示した。 平均粒子の大きさの分布は、1ミクロンを十分越え、実施例4と比べて増加し た。 実施例8 硫酸コバルトの装入量を50,000に増加し、銀対コバルトを同じ割合に維 持するため、銀触媒を210gに増加する以外は、実施例4の試験条件を繰り返 した。 誘導時間は7分で、還元時間は6分で、49kgのコバルトを得た。 大きさの分布を表11に示した。 実施例9 硫酸コバルトの装入量を50,000に増加し、銀対コバルトを同じ割合に維 持するため、銀触媒を140gに増加する以外は、実施例4の試験条件を繰り返 した。 誘導時間は3分で、還元時間は6分で、51kgのコバルトを得た。 大きさの分布を、表12に示した。 表13に、実施例4〜9に記載した試験結果を要約を記載した。例えば、下表 の最適量の硫酸銀触媒若しくは有機添加剤の還元による還元時間を10分以上に すると、フィッシャーナンバーは1以上に増加する。 図2及び図3は、本発明により得たサブミクロンの実質的に球形若しくはふし こぶ状のコバルト粉末と、従来公知のシュウ化物法で得た繊維状若しくは棒状コ バルト粉末とを、目視比較するのによい。 図3に示すように、本発明方法によって得たと説明されているコバルト粉末は 、実質的に球形若しくはふしこぶ状であり、平均の大きさは、0.6〜0.8ミ クロンである。この形状が、焼結炭化物合金及びダイアモンドバイトの製造に使 用するバラツキのないブレンドの製造に混合する助剤の優れた流動特性を与えて いる。均一な球形及びサブミクロンの大きさは、高い焼結密度を伴なう改善され た焼結特性をもたらす2. 0M2g以上の高い表面積を与える。 実施例10 表14に、本発明により得た超微粒のコバルト、シュウ化物から得た特別に微 細なコバルトの物理試験の要約を記載した。2種のコバルト粉末を5T/cm2 で長方形の未処理の圧縮粉に圧縮し、これをアルゴン−5%水素雰囲気下のノッ チ(Notzch TM)膨張計にいれて、この未処理の圧縮粉を、10℃/分で100 ℃から1050℃の焼結プロファイル(Sinfering profile)にかけ、1050 ℃で20分間保持した。 本発明の超微粒コバルトの未処理の密度は、シュウ化物からの特別微細なコバ ルトよりも約4%大きく、本発明の超微粒コバルトの焼結密度は、シュウ化物か らの特別微細なコバルトの97%と比較して100%であった。 相対膨張によって表わされる寸法変化を、焼結中記録し、図4及び図5に示し た。図4は、本発明のコバルト粉の相対膨張を示し、図5はシュウ化物から得た コバルト粉の相対膨張を示す。 本発明のコバルト粉は、シュウ化物からのコバルト粉よりも、低温でより大き な最終密度に圧縮される。本発明の粉末は、850℃で理論密度の100%に近 づくが、シュウ化物からのコバルト粉は、約1000℃で理論密度の97%に近 づく。 実施例11 核形成化剤として硝酸銀を使用し、超微粒コバルト粉を得る試験を行った。オ ートクレーブに、二軸羽根車を装備し、860逆転/分で運転するようにセット した。全圧3500KPaの水素圧下、180℃で還元を実施した。試験溶液は 、微粒コバルトを硫酸に溶解させ、それからこの溶液をエアーで一度にスパージ ング(Sparging)させ、溶解しているいかなる鉄も除去するためpHを6.0に 上昇させることによって調製される。 この溶液は、コバルト116.4g/リットル、ニッケル0.286g/リッ トル及び銀0.0002g/リットル以下含有する。 スイフツ(Swift's)TM動物骨グルー、固形分約50重量%含有するコロイド 状タンパク質及びポリアクリル酸水溶液のアクリゾル(Acrysol)A−2TMを使 用した。1リットルのグルー、1リットルのアコ、0.3ミリリットルのアクリ ゾルA−2及び水5.66リットルを混合して、8リットルのグルー/アクリゾ ル混合物を作った。得られた淡黄色や懸濁液を、気密容器中に密封し、試験No. 14〜22以外の全てに使用した。 実験条件を次表15に示す。 誘導及び還元時間を、粒子の大きさの測定結果と共に次表16に記載した。 コバルト粉末の化学分析を次表17に示した。 標準パラメータを確立するために、予備実験を次のように実施した。 濃厚アコ50ミリリットル中に前もって硝酸銀0.74gを溶解させた溶液を 、コバルト溶液1リットルと蒸留水1490ミリリットルに添加した。それから 、硫酸コバルト溶液に、濃厚アコ313ミリリットルを添加し、ついで、骨グル ー/アクリゾル混合物39ミリリットルを加えた。スラリーをオートクレーブ中 に装入し、180℃、3500KPaの水素圧で還元した。還元完了後、ノート クレーブを冷却し、固形分を廃棄した。典型的な誘導及び還元時間の合計は、誘 導時間15〜20分を含めて30〜35分であった。生成物粉は典型的には、ニ ッケル0.25〜0.28%、銀0.36〜0.38%及び1.0〜1.2のフ ィッシャー超分級ナンバーを有していた。 操作条件の変動を作表した表15に関して、試験No.1〜6は、種々の反応温 度に於けるアンモニア添加効果を示す。各試験に、硫酸コバルト溶液856ミリ リットルと、硝酸銀0.636gを溶解させた蒸留水1340ミリリットルとを 、骨グルー/アクリゾル混合物39ミリリットルと共に、還元オートクレーブ中 に装入した。それからオートクレーブを密封し、1000KPaの水素で2回パ ージした。それから内容物を、表に示した25〜180℃の範囲内の予じめ選択 した温度に加熱し、それから258ミリリットルの濃厚アコをポンプでオートク レーブ中に導入した。それから、温度を必要なら180℃に上昇させ、前記した ように還元を実施した。アコは、コバルトの空気酸化と、その後のコバルトアミ ン錯体の形成をなくすため、不活性雰囲気下で添加される。 アンモニアを180℃で注入する試験No.1及び6以外は、還元時間(表16 参照)は、標準試験で観察されたよりもかなり短かい。これら試料の粒子の大き さの分布もまた減少し、特にフィッシャーナンバーは、1.0以上から試験No. 2〜5では、平均0.73に低下する。180℃ でアコを注入し、直ちに水素過圧を適用した試験No.1と6の両方は、還元時間 が長く、粒子の大きさはかなり大きい。 表に記載の残る試験No.7〜10は、試験No.5に関して示したように、25℃ でアンモニアを添加して実施した。 試験No.7〜10は、ヘッド(head)溶液中に存在する硫酸アンモニウムの重 要性を示している。試験No.5の条件は、アンモニア注入前に、試薬ブレードの 硫酸アンモニウム(NH42SO4を、50、150、250及び350g/Lの濃 度で添加して実施した。誘導及び還元時間は、添加した硫酸アンモニウムの量と 直接関連があることを示している。誘導及び還元時間(60分後の還元はない) は増加し、フィッシャーナンバーとマイクロトラックによって測定した粒子の大 きさは増加する。 骨グルー/アクリゾール添加剤投与量の効果は、試験No.11、12及び13 で評価される。還元装入材料に添加する添加剤の量は、39ミリリットルから試 験No.11では、29ミリリットルに、試験No.12では、19.5ミリリットル に、そして試験No.13では、10ミリリットルに減少している。誘導及び還元 時間は、添加剤容積が減少すると増加することが観察された(表16参照)。生 成物粉の粒子の大きさの分析は、マイクロトラック分析及びフィッシャーナンバ ー分析のいずれによっても、平均粒径と添加剤量との間の同様の逆の関連を示し ている(表15参照)。添加剤39ミリリットルの代わりに29ミリリットル使 用して調製した試験No.11は、添加剤投与量の増加が有益な効果がない平坦水 準があることを示す前の試験No.1〜6で調製した試料と類似している。これら の結果は、グルー/ポリアクリル酸混合物は、還元時間と生成コバルト粉の大き さに影響を与えることを示している。 一連の試験NO.14〜22は、骨グルーとポリアクリル酸の量の割合を変更し 、各々が還元時間と生成物の粒子の大きさにいかなる影響を与え るかを決定するためのものである。試験のための典型的な添加剤混合物は、次の ようにして作った。骨グルーとポリアクリル酸の選択した量を、蒸留水42.5 ミリリットルにアコ7.5ミリリットルを溶かした溶液に添加した。混合物を均 質になるまで撹拌した。この時点で、オートクレーブチャージ(charge)に、2 9ミリリットル加えた。各々の試験に使用した添加剤を、表14に記載した。ポリ アクリル酸の量を一定に保持し、骨グルーの量を変化させる試験No.14〜18 に於いては、合計還元時間は、添加する骨グルーの量とは逆に変化する。グルー を添加しない試験No.18は、1時間後でさえコバルト粉を生成しなかった。こ れら最初の5つの試験で得た粉末粒子の大きさは、骨グルーの量が減少すると粒 子の大きさが増大するという同様に逆の関連を示す。この傾向は、フィッシャー ナンバー及びマイクロトラック値の両方に於いて明白である。 骨グルーの量を一定とし、ポリアクリル酸の量を変化させた試験No.29〜3 2に於いては、合計還元時間とポリアクリル酸の添加量との間には直接的な関連 がある。後者の試験に於いては、添加剤の量の変化は、フィッシャーナンバーに は影響ないが、マイクロトラック値に影響を与える。添加剤量の減少と一定のフ ィッシャーナンバーを有するD50の増加との間には、一般には逆の関連があるこ と明らかであり、これは凝集物の増加の指標である。ポリアクリル酸なしで製造 した試料は、激しく凝集し、オートクレーブから取り出した時に、スチールウー ルに似ていることは注目すべきである。 還元に於ける第1鉄及び第2鉄の影響は、試験No.23〜28で評価される。 第1鉄及び第2鉄イオンの増加は、いずれもフィッシャーナンバーに影響を与え ないこと明らかであるが、いずれもマイクロトラック値は増加し、これは凝集が 増加したことを示している。第1鉄は、コバル ト粉末に対して報告されているが、第2鉄は、コバルト粉末に対して全て報告さ れているとは限らない(表17)。 試験No.29〜32に於いては、装入材料に対して添加した銀の量を変える影 響を試験した。最初の試験No.29は、標準対照として前記した標準試験を使用 して実施した。次の試験No.30、31及び32は、硝酸銀0.477g、0. 381g及び0.159g(原重量のそれぞれ75%、50%及び25%を示す )で行った。各々の試験結果を表16に記載した。銀含有量が減少しても、還元 時間は増加せずに、還元は正常に進行することが観察された。 一連の試験No.33〜36に於いては、アンモニア対コバルトのモル比を、2 .0から2.6〜1に変化させた影響を試験した。最初の3実験(試験No.33 、34及び35)に於いては、モル比2.0対1より大きなモル比で実施したが 、還元時間は大体一定であったが、モル比2.0対1で実施した第4番目の試験 と比べると、著しく長かった。生成物のコバルト粉の粒子の大きさの分析と化学 分析は、アンモニア対コバルトの割合とは関係がないことを示している。アンモ ニア対コバルトのモル比約2対1で、効果的な還元を与える。 試験No.37〜40は、生成物粉の大きさに及ぼすコバルト濃度の影響を測定 するために行った。45〜50g/Lのコバルト濃度を使用し、各々の濃度で2 種の実験を行った。第1の実験に於いては、アンモニア対コバルトのモル比を2 .2対1に維持するために、アンモニア濃度だけを増加し、第2の実験は、装入 材料に添加する硝酸銀とグルー/ポリアクリル酸の量を、コバルトの量の増加に 比例して上昇させた。試験の詳細な表15に記載した。 還元すべきコバルトの量が多量であるにもかかわらず、全ての4つの実験の全 還元時間は、コバルト40g/Lしか含有しない装入材料の前 記試験で観察された場合と比べて、あまり変わっていない。粒子の大きさのデー タも、少量の銀及び有機添加剤を使用した場合でさえ、より高濃度使用の結果と して生じる粉末の平均粒径の意味のある増加を示していない。実際、コバルト5 0g/Lで実験した試験の2種のサンプルは、コバルト45g/Lで調製したも のよりは実際に微細であり、コバルト40g/Lの前記試験で調製した大部分の サンプルよりも微細であり、凝集が少ない。これらの結果は、オートクレーブ装 入材料に、高濃度のコバルトを使用することによって、受け入れられ超微細粉が 、高い生産速度で製造し得ることを示している。 本発明の超微細コバルト粉は、約95重量%までのコバルトを含有し得る回転 のこ刃、ワイヤロープ、のこフェルール及びグラインダーカップ(grinder cups )のようなダイヤモンドバイト、典型的には12ミクロンより大きいバランスダ イアモンドグリット(balance diamond grit)の製造に於けるマトリックス材料 の主成分として、及び青銅、黄銅、ニッケル、タングステン及び炭化タングステ ンに、所望の延性、耐衝撃性、放熱性及び耐摩耗性付与するための種々の組合せ としての特別の有用性を有している。超微細なコバルトは、焼結中ダイヤモンド 粒子と反応して、ダイヤモンドをカーボンに変えることなしに、ダイヤモンド表 面にコバルトふしこぶ結合の形でダイヤモンド粒子と強固な結合を形成する。8 50℃で、超微細コバルト粉末の理論密度の殆ど100%が達成され、1000 ℃以下、好ましくは750℃〜1000℃で、密なコバルトが1000℃以下の ダイヤモンド粒子(1000℃以上ではダイヤモンドはもろくなる)と結合する 効果的なマトリックス焼結及び結合が達成される。 添付の請求の範囲で制限した本発明の範囲の他の具体例は、当業者には容易に 明らかである。
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1994年10月19日 【補正内容】 (英文明細書2、2a、3、4、5、6の訳文) この方法は、25ミクロンという小さい大きさの粉末を得るのに使用することが できる;しかしながら、この粉末は、イオン及びカーボンの含有量が比較的高い (C:0.3〜0.8%、S:0.2〜0.5%)。微細な大きさの粉末が必要 な場合は、カーボン及びイオウの量は、通常は高くなる。なぜなら、より少ない デンシフィケーションは、核形成粉末中の最初のカーボン及びイオウのより少な い稀釈をもたらすからである。 製品粉末に対して報告されたカーボン及びイオウ含有量が高くなる可能性があ るほかに、シアン化ナトリウムの使用は、その毒性のため望ましくない。 コバルトの還元の開始のための硫化ナトリウム−シアン化ナトリウム系の実験 的教えは、ダブリュ・クンダ(W.Kunda)及びアール・ヒッツマン(R.Hitesman )によるジャーナル ハイドロメタロジー(Journal Hydorometallurgy,vol.4( 4),1979年9月8日、アムステルダム、NL、347〜375頁)の文献 に開示されている。粒度約1ミクロンで、不純物として、イオウ0.02〜0. 05%、炭素0.1〜0.3含有する微細コバルト粉末は、硫化ナトリウムとシ アン化ナトリウムとを還元に必要な量添加することによって製造される。しかし ながら、これら粉末は、高水準の酸素(2〜8%)を含有し、そしてこの方法は 、商業上利用されていない。 本発明の主目的は、低いカーボン及びイオウ含有量で、エフエスエスエス(FS SS)で測定した平均粒径が25ミクロン以下の球形若しくはふしこぶ形のコバル ト粉の製法を提供することである。 本発明の他の目的は、超微細即ち、サブミクロン、サラサラした感じの球形若 しくはふしこぶ形のコバルト粉を提供することであり、この粉 末は、バイトとして使用する焼結炭化物合金の結合物質として特に有用である。 更に本発明の目的は、微細なコバルト粉末の核形成化に、シアン化ナトリウム を必要としない方法を提供することである。 発明の概要 本発明方法は、微細なコバルト粉の核形成化に硫化ナトリウム及びシアン化ナ トリウムの必要性をなくするものであるが、本発明者等は、より粗い粉末の製造 の種結晶として使用するのに適している微細な金属コバルト粉は、硫酸コバルト (ammoniacal cobaltous salphate)から、核形成触媒として、可溶性銀塩、好 ましくは硫酸銀若しくは硝酸銀を添加し、コバルト粒子の成長及び凝集を抑制す るための骨グルー(bone glue)、ポリアクリル酸及び骨グルー/ポリアクリル 酸混合物のような適用な有機化合物の存在下で沈殿させることによって得られる ことを見出した。 このコバルト粉の製法は、アンモニア対コバルトのモル比が、約1.5〜3. 0対1の硫酸コバルトアンモニウムを含有する溶液に、硫酸銀若しくは硝酸銀の ような可溶性金属塩を、可溶性銀対コバルトの重量比が、還元すべきコバルト1 kg当り1.0〜10gの範囲内の量を加え、製造すべきコバルト金属粉の成長 及び凝集を防止するのに効果的な量の骨グルー及び/またはポリアクリル酸を加 え、そして該溶液を、2500〜5000KPaの水素圧下に撹拌しながら、1 50〜250℃の範囲内の温度で、硫酸コバルトをコバルト金属粉に還元するの に十分な時間加熱する工程からなる。 平均の大きさ25ミクロン以下のコバルト粉末を製造する方法は、最初の核形 成段階、還元段階及び最終完了段階からなる三工程を含んでいる。誘導期の役割 をする核形成段階は、典型的には25分までを必要と し、溶液中の大部分のコバルタス(cobaltous cobalt)なコバルトを還元する段 階(還元時間)は、30分までを必要とし、そして溶液中の最後の痕跡量のコバ ルトを除去する完了段階(完了時間)は、典型的には、15分を必要とする。 本発明者等は、アンモニア対コバルトのモル比が、約2.0対1のアンモニア 性硫酸コバルト、コバルト1kg当たり少くとも銀0.3gの濃度の可溶性銀及 びコバルト重量の約0.01〜2.5%の量の動物グルーとポリアクリル酸の混 合物が、水素圧下、10分以下の誘導時間、そして10分以下の還元時間で、還 元され平均の大きさ1ミクロン以下の超微粒のコバルト粉末が製造できることを 見出した。 本発明の最も広い面に於いては、硫酸コバルトアンモニウム含有溶液からコバ ルト粉末を製造する本発明方法は、コバルトに対する可溶性銀が、還元すべきコ バルト1kg当たり銀0.3〜10gの範囲内の重量比となる量の可溶性銀塩を 添加し、生成すべきコバルト金属粉の凝集を防止するのに効果的な量の骨グルー 及び/またはポリアクリル酸を添加し、そして該溶液を2500〜5000KP aの水素圧下に撹拌しながら、150〜250℃の範囲内の温度で、硫酸コバル トをコバルト金属粉に還元するのに十分な時間加熱する工程からなる。 特に、本発明方法は、アンモニア対コバルトのモル比が約1.5〜3.0対1 のモル比となるように、アンモニアを40〜80g/L濃度のコバルトを含有す る硫酸コバルトの溶液に添加する工程を含む。硫酸銀若しくは硝酸銀のような可 溶性銀塩を、銀対コバルトの重量比がコバルト1kg当たり銀約0.3g〜10 gとなるように添加する。有機分散剤は、骨グルー、ポリアクリル酸及び骨グル ーとポリアクリル酸との混合物からなる群から選ばれる。骨グルーとポリアクリ ル酸との混合物は、コバルトの重量に対して2.5%まで有効量、すなわちコバ ルト重量 の0.01〜2.5%の量の骨グルーとポリアクリル酸との混合物を添加し、該 混合物を150℃〜250℃の範囲内の温度に加熱し、そして該混合物を、水素 雰囲気中、全圧2500〜5000KPaの範囲内で、コバルタス(cobaltous )なコバルトがコバルト金属粉に還元されるまで撹拌する。 サブミクロンコバルト金属粉を製造する本発明方法の好ましい具体例に於い ては、アンモニア対コバルトのモル比が約2.0対1のモル比でとなるように、 アンモニアを、約40〜80g/L濃度のコバルトを含有する硫酸コバルトの溶 液に添加し、硫酸銀若しくは硝酸銀を、コバルト1kg当たり銀約0.3g〜4 gのコバルトに対する銀の重量比添加し、コバルト重量の0.01〜2.5%の 量の骨グルー及びポリアクリル酸の混合物を添加し、該混合物を150℃〜25 0℃の範囲内の温度、好ましくは約180℃に加熱し、そして該混合物を、水素 雰囲気中、全圧3000〜4000KPa、好ましくは約3500KPaの範囲 内で、コバルタス(cobaltous)なコバルトを超微細のコバルト金属粉に還元す るに十分な時間中撹拌する工程からなる。 超微細粉は、平均粒度1ミクロン以下で、該粒子は、2.0m2/g以上の表面 積を有する球形である。微細コバルト粉は、コバルト核形成化/デンシフィケー ション(densification)プロセスにおいて、拡大した粒度のコバ ルト粉を得る核形成化の種子としての用途を有している。約95重量%までの微 細コバルト粉をダイヤモンドグリットの有効量として混合することができ、そし てこれを700〜100゜Cの範囲内で、ダイヤモンドグリットにコバルトが結 合するのに十分な時間焼結し、バイトを製造する。 図面の簡単な説明 本発明方法を添付図面に関して説明する。 図1は、本発明方法の工程フローシートである。 図2は、シュウ酸コバルトの分解及び還元によって生成した従来周知の繊維状 超微細コバルト粉末の顕微鏡写真である。 図3は、本発明方法によって得た超微細な実質的にふしこぶ状のコバルト金属 粉の顕微鏡写真である。 図4は、本発明のコバルト金属粉の相対膨張を示すグラフである。 図5は、図2で説明したシュウ酸コバルトから得たコバルト粉の相対膨張を示 すグラフである。 好ましい実施態様の記載 図1のフローシートに示すように、硫酸コバルト溶液は、良く知られているよ うに、コバルト粉末を、硫酸水溶液に添加する工程10で製造することができる 。溶液中に存在する銀は、工程12で6.0以上のpH、50〜70℃の範囲内 の温度で、空気を添加して鉄を酸化して除去し、沈殿した酸化鉄は、液/固分離 手段14て除去して廃棄する。 実質的に銀を含有しない硫酸コバルト溶液を、工程16でオートクレーブ反応 容器に供し、オートクレーブ中に濃厚アコ溶液(aqua solution)を添加し、約 8.0〜10.0のpHにする。典型的には、アンモニア対コバルトのモル比を 約2.0対1〜2.5対1にするため、約40〜80g/Lのコバルト濃度の硫 酸コバルト溶液にアンモニアを添加する。 可溶性銀塩、好ましくは硫酸銀若しくは硝酸銀を、還元すべきコバルト1kg 当たり約0.5〜10g、好ましくは約2〜4gの銀となる割合で添加する。 凝集抑制のため、骨グルー、ゼラチンまたはポリアクリル酸のような有機物質 の混合物を添加し、この混合物を、150〜250℃好ましくは約180℃の温 度で、約3000〜4000KPa好ましくは約35 00KPaの適用水素雰囲気下に、硫酸コバルトをコバルト金属粉に還元するの に十分な時間、撹拌しながら加熱する。 凝集及び成長抑制添加剤、好ましくは、骨グルー/ポリアクリル酸ブレンドを 、コバルトに対し0.01〜2.5重量%の量添加する。 生成したスラリーを、硫酸アンモニウムを除去するため、液/固分離工程18 に移し、そしてコバルト金属粉は、水を添加して洗浄する。洗浄したコバルト金 属粉は、更に水洗を行い、ついでアルコールを添加して最終洗浄を行いそして包 装22前に乾燥する洗浄/乾燥工程20を通過させる。 次に、本発明方法を実施例を挙げて説明するが、本発明はこの実施例には何ら 制限されない。 実施例1 コバルト核形成粉を、商用核形成手順に相当する手順を使用し、1ガロンの実 験室用還元オートクレーブ中で製造した。全ての実験に、硫酸コバルト(CoSO4 )115g/Lの核形成溶液を使用した。コバルト80g/Lとなる溶液の容積 を、ポリアクリル酸及び銀塩と一緒に、オートクレーブに装入した。それから、 オートクレーブを密封し、水素でパージした。水素パージが完了した後、オート クレーブ中のNH4OHを導入した。190℃、全圧3500KPaの標準還元条件 で、約15分で、完全還元をもたらす。 (クレームの訳文) 請求の範囲 1.コバルト40〜80g/リットル含有し、アンモニア対コバルトのモル比約 1.5〜3.0対1のアンモニア性硫酸コバルト溶液から微細コバルト粉を製造 する方法に於いて、硫酸銀若しくは硝酸銀を、前記溶液に、還元すべきコバルト のkg当たり銀約0.3g〜10gの可溶性銀対コバルトの割合となる量添加し 、製造すべきコバルト金属粉の凝集を防止するのに効果的な量の有機分散剤を添 加し、そして前記溶液を、2.5〜5.0MPaの水素圧下、攪拌しながら15 0〜2500℃の範囲内の温度で、硫酸コバルトをコバルト金属粉に還元するの に十分な時間加熱することを特徴とする硫化物及びシアン化物を使用しないコバ ルト粉の製造方法。 2.前記アンモニア性硫酸コバルト溶液を、40〜80g/リットルのコバルト を含有する硫酸コバルトの溶液に、アンモニアを、アンモニア対コバルトのモル 比が、約1.5〜3.0対1となる量添加することにより形成させてなる請求項 1に記載の製造方法。 3.前記有機分散剤が、骨グルー、ポリアクリル酸及び骨グルーとポリアクリル 酸との混合物からなる群から選ばれる請求項1に記載の製造方法。 4.前記有機分散剤が、骨グルーとポリアクリル酸との混合物である請求項1に 記載の製造方法。 5.骨グルーとポリアクリル酸との混合物を、コバルトの約2.5重量%までの 有効量添加する請求項4に記載の製造方法。 6.コバルト40〜80g/リットル含有し、アンモニア対コバルトのモル比約 2.0に対1のアンモニア性硫酸コバルト溶液から超微細粉を製造する方法に於 いて、該溶液に硫酸銀若しくは硝酸銀を、還元すべき コバルト1kg当たり銀約0.3g〜4gの有効量添加し、有機分散剤を製造す べき超微細コバルト粉の凝集を防止する有効量添加し、該溶液を180℃の温度 に加熱し、約3.5MPaの水素圧下、硫酸コバルトを超微細コバルト粉に還元 するのに十分な時間撹拌することを特徴とするコバルト粉の製造方法。 7.前記アンモニア性硫酸コバルト溶液を、コバルト40〜80g/リットル含 有する硫酸コバルト溶液に、アンモニアをアンモニア対コバルトがモル比約2. 0対1となる量添加することによって形成させてなる請求項6に記載の製造方法 。 8.前記有機分散剤が、骨グルーとポリアクリル酸との混合物である請求項7に 記載の製造方法。 9.骨グルーとポリアクリル酸との混合物を、コバルトの約2.5重量%までと なる有効量添加する請求項8に記載の製造方法。 10.1ミクロン以下の粒度を有する請求項9に記載の超微細球状コバルト粉。 11.2.0M2/g以上の表面積を有する請求項9によって製造した超微細球 状コバルト粉。 12.拡大した粒子の大きさのコバルト粉を得るコバルト核形成化/デンシフィ ケーション(densification)プロセスの核形成化の種子として使用する請求項 5の方法によって得た超微細コバルト粉。 13.超微細コバルト粉を、ダイヤモンドグリットの有効量と、マトリックス材 料として、コバルト粉約95重量%までの量で混合し、該混合物を、ダイヤモン ドグリットにコバルトを結合させる十分な時間700〜1000℃の範囲内の温 度内で焼結する工程を追加的に含むバイトを製造するための請求項9に記載の製 造方法。 14.請求項13の方法によって得たバイト。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 シェイエ,ヒュー,シー. カナダ国アルバータT8N 3P9,アル バート ストリート,ウォーターフォード プレイス 12

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.アンモニア性硫酸コバルト溶液からコバルト粉を製造する方法に於いて、硫 酸銀若しくは硝酸銀を、前記溶液に、還元すべきコバルトのkg当たり銀約0. 3g〜10gの可溶性銀対コバルトの割合となる量添加し、製造すべきコバルト 金属粉の凝集を防止するのに効果的な量の有機分散剤を添加し、そして前記溶液 を、2500〜5000KPaの水素圧下、撹拌しながら150〜250℃の範 囲内の温度で、硫酸コバルトをコバルト金属粉に還元するのに十分な時間加熱す ることを特徴とするコバルト粉の製造方法。 2.前記有機分散剤が、骨グルー、ポリアクリル酸及び骨グルーとポリアクリル 酸との混合物からなる群から選ばれる請求項1に記載の製造方法。 3.前記有機分散剤が、骨グルーとポリアクリル酸との混合物である請求項1に 記載の製造方法。 4.硫酸銀若しくは硝酸銀の添加前に、前記溶液にアンモニアを、アンモニア対 コバルトのモル比が、約1.5対1〜3.0対1となる量添加する請求項3に記 載の製造方法。 5.硫酸銀若しくは硝酸銀の添加前に、前記溶液にアンモニアを、アンモニア対 コバルトのモル比が、約2.0対1となる量添加する請求項3に記載の製造方法 。 6.骨グルーとポリアクリル酸混合物を、溶液1リットル当たり該混合物が約0 .01リットルとなる割合で添加する請求項5に記載の製造方法。 7.骨グルーとポリアクリル酸との混合物を、コバルトの約2.5重量%までの 有効量添加する請求項5に記載の製造方法。 8.硫酸銀若しくは硝酸銀を、還元すべきコバルト1kg当たり、硫酸 銀約4gとなる有効量添加する請求項7に記載の製造方法。 9.アンモニア対コバルトのモル比が約1.5〜3.0対1のモル比となるよう に、アンモニアを、40〜80g/リットル濃度のコバルトを含有する硫酸コバ ルト溶液に添加し、硫酸銀を、コバルト1kg当たり銀約0.3g〜10gのコ バルトに対する硫酸銀の重量比で添加し、コバルト重量の約0.01〜2.5% の量の骨グルー及びポリアクリル酸混合物を添加し、該混合物を150℃〜25 0℃の範囲内の温度に加熱し、そして該混合物を、水素雰囲気中、コバルタス( cobaltous)のコバルトがコバルト金属粉に還元されるまで撹拌することを特徴 とするコバルト粉の製造方法。 10.前記溶液が、1リットル中コバルト約60〜80g含有し、アンモニア対 コバルトのモル比が約2.0対1である請求項8に記載の製造方法。 11.硫酸銀を、コバルト1kg当たり、銀約4gの銀対コバルト重量比となる 有効量添加する請求項9に記載の製造方法。 12.前記混合物を約180℃に加熱する請求項10に記載の製造方法 。13.アンモニア性硫酸コバルト溶液から超微細コバルト粉を製造する方法に 於いて、硫酸銀若しくは硝酸銀を、前記溶液に、コバルト粒子の形成の核を供す る有効量添加し、生成するコバルト金属粉の凝集を防止する有効量の有機分散剤 を添加し、前記溶液を、撹拌しながら、150〜250℃の範囲内の温度で、3 000〜4000KPaの水素圧下、硫酸コバルトを超微細コバルト金属粉に還 元する20分以下の誘導時間及び還元時間加熱することを特徴とするコバルト粉 の製造方法。 14.前記有機分散剤が、骨グルー、ポリアクリル酸及び骨グルーとポリアクリ ル酸との混合物からなる群から選ばれる請求項13に記載の製造方法。 15.前記有機分散剤が、骨グルーとポリアクリル酸との混合物である請求項1 3に記載の製造方法。 16.前記溶液に、アンモニアを、アンモニア対コバルトのモル比約2.0対1 でpH約8.0〜10となる量添加する請求項15に記載の製造方法。 17.骨グルーとポリアクリル酸との混合物を、該混合物が溶液1リットル当た り約0.01リットルとなる割合で添加する請求項15に記載の製造方法。 18.骨グルーとポリアクリル酸との混合物を、コバルトの約2.2重量%まで となる有効量添加する請求項16に記載の製造方法。 19.硫酸銀として銀を、還元すべきコバルト1kg当たり硫酸銀約3となる有 効量添加する請求項18に記載の製造方法。 20.2.0M2/g以上の表面積を有する請求項16の方法によって得た超微 細球状コバルト粉。 21.コバルト濃度40〜80g/リットルで、可溶性銀0.01〜0.8g/ リットル含有する硫酸コバルト溶液を約25℃の温度で形成し、アンモニアを、 アンモニア対コバルトのモル比約2.0対1となる量添加し、骨グルーとポリア クリル酸との混合物を、コバルトの約0.01〜2.5重量%の量添加し、該混 合物を約180℃の温度に加熱し、該混合物を約3500KPaの水素雰囲気中 、超微細コバルト粉を生成するための20分以下の誘導時間及び還元時間撹拌す ることを特徴とするコバルト粉の製造方法。 22.前記溶液が、1リットル中コバルト約60〜80g含有する請求項21に 記載の製造方法。 23.硫酸銀若しくは硝酸銀を、コバルト1kg当たり銀0.3〜10の銀対コ バルト重量比となる有効量添加する請求項21に記載の製造方 法。 24.2.0M2/g以上の表面積を有する請求項23によって製造した超微細 球状コバルト粉。 25.超微細コバルト粉を、ダイヤモンドグリットの有効量と、マトリックス材 料として、コバルト粉約95重量%までの量で混合し、該混合物を、バイトを生 成するダイヤモンドグリットにコバルトを結合させる十分な時間750〜100 0℃の範囲内の温度内で焼結する工程を追加的に含む請求項21に記載の製造方 法。 26.請求項25の方法によって得たバイト。 27.拡大した粒子の大きさのコバルトを得るコバルト核形成化/デンシフィケ ーション(densification)サイクルの核形成化の種子として使用する請求項2 1の方法によって得た超微細コバルト粉。
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