JPH08503906A - ペダル及びサドルの運動により推進される自転車 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 通常のサイクリングを行う標準態様と、交互のサドルストロークとペダルストロークとにより自転車が前方に推進される訓練態様との間で変換できる自転車。サドルストロークは、サイクリストの体重をサドル（５）上にかけ、該サドルの下方への移動によりクランクシャフト（６）が駆動され且つ同位相にある２つのペダル（４ａ、４ｂ）が上方に移動されるストロークであり、ペダルストロークは、両ペダル（４ａ、４ｂ）を押し下げてサドルを再び上昇させるストロークである。訓練態様では、ペダル（４ａ、４ｂ）が下死点位置にあるときに、体重が垂直に対して或る角度をなしてクランク（６ｃ）に加えられて前方への推進を維持し、且つサドルが下死点位置にあるときに、ペダル（４ａ、４ｂ）が上死点位置の直前に位置して前方への推進を維持することにより、自転車が止まることを防止する。訓練態様では、ペダルがラチェット機構（１２、１３、１４、１６）により一方向のみに回転され、ペダルがサイクリストの向こう脛を打つことを防止するようにペダルを拘束することができる。

Description

【発明の詳細な説明】 ペダル及びサドルの運動により推進される自転車 本発明は自転車に関し、より詳しくは、ペダル及びサドルに交互に力を加える ことにより駆動輪の回転が行われるように構成された自転車に関する。 本件出願人による従前の英国特許出願第2 111 924号には、上記形式の自転車 が記載されている。この自転車は、自転車に乗る人（サイクリスト）が、慣用自 転車を用いた訓練とは異なる筋肉及び関節の訓練ができ、同時にアウトドアサイ クリングの歓びを経験できるようにした訓練自転車の性質を有する。 本件出願人の従前の自転車は慣用自転車を用いて訓練される筋肉及び関節の訓 練に使用するには適していない。このため、２組の筋肉及び関節の訓練に関心の ある人は、異なる２形式の自転車を購入し、保管し且つ維持しなければならない 。 本件出願人の従前の自転車は、例えば坂を登るときに低速で止まってしまう。 サイクリストは、ペダルが上死点位置から下死点位置へと回転するようにペダル を押し下げ、サドルをその最上方位置へと移動させる。このときのペダルのモー メントが、下死点位置を通ってペダルを移動させる。しかしながら、このように ならない場合がしばしばある。例えば、サイクリストがほんの少しの間だけペダ ルを押し下げる場合、又はサイクリストが、サドル上に座ってその全体重をサド ルにかけながら足の重量をペダルに載せる場合である。ペダルがひとたびそのモ ーメントを喪失すると、ペダルに直接作用するサイクリストの垂直下向きの体重 では、下死点位置を通ってペダルを移動させるのに不充分である。 本件出願人の従前の自転車はまた、サイクリストが、サドルを上死点位置の近 くで且つその後方に取り付け、且つペダルを下死点位置の近くで且つその直前に 取り付ける場合に、サイクリストの体重によってサドルが下方に移動され、これ によりペダルが逆方向上方に回転されて不意にライダの向こう脛を打つことがあ るという欠点を有する。 本発明の一態様によれば、ペダル及びサドルに（本件出願人の従前の自転車の ようにして）力を付与することにより自転車が前方に推進されるように、サドル 及びペダルが互いに異位相をなしてクランクシャフトに連結される訓練態様と、 自転車が慣用態様で駆動されるように、サドルが自転車のフレームに連結され且 つ２つのペダル互いに異位相でクランクシャフトに連結される慣用形態との間で 変換できる自転車が提供される。サイクリストは、本発明の自転車を、移動を目 的とする慣用形態での訓練を行うための訓練態様に使用するか、或いは、例えば 日帰り旅行に使用することもでき、必要に応じて一方のモードから他方のモード に変換できる。 したがって、本発明によれば、両形態での訓練に有効であり且つ従来技術の上 記及び他の欠点をもたない自転車が提供される。 本発明の他の形態によれば、ペダル及びサドルに交互に力を付与することによ り駆動輪を回転させることができる自転車において、サドル及びペダルは、ペダ ルクランク及びペダルが下死点位置にあるときにサドルとサドルクランクとの間 の力伝導がサドルクランクに対して或る角度をなし且つサイクリストの体重が自 転車を前方に推進させる機械的長所をもってサドルクランクに加えられる態様で クランクシャフトに連結されている自転車が提供され、この自転車は、ペダルが 下死点位置にあるときに自転車が止まる傾向を低減できる。 本発明の別の形態によれば、ペダル及びサドルに交互に力を付与することによ り駆動輪を回転させることができ、サドル及びペダルは、サドルが下死点位置に あるときにペダルクランク及びペダルが上死点位置の直前に位置する態様でクラ ンクシャフトに連結されている自転車が提供され、この自転車は、サドルが下死 点位置にあるときに自転車が止まる傾向を低減できる。 本発明の更に別の形態によれば、ペダル及びサドルに交互に力を付与すること により駆動輪を回転させることができ、クランク機構が前方への回転のみに制限 する機構を備えている自転車が提供され、この自転車は、サイクリストが自転車 跨がって上死点位置近くにあるサドル上に座るとき、サドルの下方への移動に応 答して上方に移動するペダルによってサイクリストの向こう脛を打つことがない 。 この機構は、サイクリストの意思によって係合又は離脱できることが好ましい 。これにより、自転車に乗る経験が非常に豊富なサイクリストは、機構を離脱さ せてペダルを正逆両方向に回転できるようにして、サドル及びペダルが上下の死 点 を通って移動しないように、常に上下の死点の同じ側で、サドル及びペダルをポ ンピングアップ及びポンピングダウンすることにより自転車を前方に推進させる ことができる。一方、経験が少なく向こう脛を打つ危険のあるサイクリストは、 機構を係合させ、前方のみに回転可能にすることができる。 以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施例を説明する。 第１図は、訓練態様にある本発明の自転車を示す左側面図である。 第２図は、慣用態様にある本発明の自転車を示す左側面図である。 第３図は、自転車のサドルからサドルクランクへの動力伝導部を拡大して示す 右側面図である。 第４ａ図、第４ｂ図及び第４ｃ図は、ペダルの逆回転を許容又は防止する機構 の一例を示す自転車の細部の左側面図である。 本発明の自転車は、剛性自転車フレーム１と、前輪２と、後駆動輪３と、右側 ペダル４ａと、左側ぺダル４ｂと、サドル５と、クランクシャフト６と、自転車 の右側にある駆動力伝導チェーン７とを有する。 第１図に示す訓練態様では、枢着部９で自転車のフレーム１に枢着された剛性 三角形サブフレーム８ａ、８ｂ、８ｃの一部を形成するサドル支柱８ａがリンク １０に連結され、該リンク１０はクランクシャフト６に連結されている。ペダル ４ａ、４ｂはクランク６ａ、６ｂに取り付けられており、クランク６ａ、６ｂは 、互いに同位相（ペダル４ａ及びクランク６ａがペダル４ｂ及びクランク６ｂの 直後に位置しているため、第１図にはペダル４ａ及びクランク６ａは見られない ）に、且つサドル５とは異位相に配置されている。この結果、自転車は、足の圧 力をペダル４ａ、４ｂに対して下向きに加えてクランクシャフト６及びチェーン ７を回転させ且つサドル支柱８ａ及びサドル５を上昇させることからなるペダル ストロークと、これに続くサドルストローク、すなわちサイクリストの体重によ りサドル５及びサドル支柱８ａが下降するように足の圧力を解放し、クランクシ ャフト６、駆動力伝導チェーン７及び後輪３を回転させ且つペダル４ａ、４ｂを 再び上昇させることからなるサドルストロークとにより前方に推進される。サイ クリストの身体を上昇及び落下させるこのような方法で自転車を推進させること は非常な奮闘を要し、多くの異なる筋肉を訓練する。 第２図に示す慣用態様では、左側ペダル４ｂが右側ペダル４ａとは異なる位相 （異位相）になるようにリセットされる。リンク１０は、サドル支柱８ａ及び剛 性フレーム１の固定取付け点１１から分離され、自転車から取り外される。次に 、サドル支柱８ａを、直接、固定取付け点１１に連結する。ペダル４ｂのリセッ ト及びリンク１０の連結及び分離を助けるため、これらの構成部品は、スパナ又 は他の簡単な手動工具を用いて容易に緊締又は緩めることができる取付け手段に より自転車に取り付けられる。自転車は慣用的な方法で前方に推進される。 本発明の自転車を使用して、サイクリストは、短距離走行又は長距離走行を所 望のままに行うことができる。また、自転車を訓練態様で使用して非常に疲れた 場合はいつでも、サイクリストは自転車を迅速に慣用態様に変換し、よりゆっく りした気分でサイクリングを続けることができる。 第３図には、下死点位置にあるペダルクランク６ａ及びペダル４ａが示されて いる。サドルクランク６ｃは軸線Ｂに沿って配置され、軸線Ａと軸線Ｂとの間の 角度αの結果として、サドル５に加えられた体重は、サドル５が下方に移動して ペダル４ａ、４ｂが回転し続けることを確保するという機械的長所をもって伝達 される。 第１図において、破線は、下死点位置にあるサドル５及びペダル４ａ、４ｂの 位置を示す。ペダル４ａ、４ｂは上死点位置の直前にある（図面では、明瞭化の ため前方への距離が誇張して示されている）。この構成により、サイクリストは 確実な前方への推進力を発生し、止まってしまう危険を減少させることができる 。 第４ａ図には、上死点位置にあるペダルクランク６ｂ及びペダル４ｂが示され ている。ラチェットレバー１２が、実線で示す離脱位置と破線で示す係合位置と の間で枢動できる。レバー１２はコイル圧縮ばね１３により適当な位置に保持さ れる。ばね１３の一端にはループが設けられており、サイクリストは、ループを この目的のために設けられた２つのアンカーポスト１４ａ、１４ｂのうちの一方 又は他方に掛けることができる。第４ｂ図及び第４ｃ図は、クランク機構のカバ ー１３を取り外し、ラチェット１６及びラチェットレバー１２とラチェット１６ との係合及び離脱を明らかにしたものである。ラチェット機構１２、１３、１４ 、１６は、クランクシャフト６の左端部に配置されたハウジング１７内に収容さ れ ている。 ペダルの回転を一方向のみに解放自在に拘束する機構として、ラチェット機構 の代わりに他の任意の所望の機構例えばクラッチ機構を使用できる。別の構造（ 図示せず）として、解放自在の機構の代わりに、ペダルの回転を一方向に永久的 に拘束することができる。 上記構造は単なる例示であり、他の多くの構造が可能である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ， ＴＤ，ＴＧ)，ＡＴ，ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ， ＣＡ，ＣＨ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，Ｈ Ｕ，ＪＰ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＧ ，ＭＮ，ＭＷ，ＮＬ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ， ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＫ，ＵＡ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．ペダル及びサドルに交互に力を付与することにより駆動輪を回転させること ができる自転車において、サドル及びペダルは、ペダルクランク及びペダルが下 死点位置にあるときにサドルとサドルクランクとの間の力伝導がサドルクランク に対して或る角度をなし且つサイクリストの体重が自転車を前方に推進させる機 械的長所をもってサドルクランクに加えられる態様でクランクシャフトに連結さ れていることを特徴とする自転車。 ２．サドル及びペダルは、サドルが下死点位置にあるときにペダルクランクが上 死点位置の直前に位置するようにクランクシャフトに連結されていることを特徴 とする請求の範囲第１項に記載の自転車。 ３．クランク機構が、回転を前方のみに制限する機構を有することを特徴とする 請求の範囲第１項又は第２項に記載の自転車。 ４．前記制限機構がラチェット機構であることを特徴とする請求の範囲第３項に 記載の自転車。 ５．前記制限機構がクラッチ機構であることを特徴とする請求の範囲第３項に記 載の自転車。 ６．前記制限機構が解放可能であることを特徴とする請求の範囲第３項〜第５項 のいずれか１項に記載の自転車。 ７．ペダル及びサドルに交互に力を付与することにより自転車が前方に推進され るように、サドル及びペダルが互いに異位相をなしてクランクシャフトに連結さ れる態様と、自転車が慣用態様で駆動されるように、サドルが自転車のフレーム に連結され且つ２つのペダル互いに異位相でクランクシャフトに連結される巡行 走行態様との間で変換できることを特徴とする請求の範囲第１項〜第６項のいず れか１項に記載の自転車。 ８．ペダル及びサドルに交互に力を付与することにより駆動輪を回転させること ができ、サドル及びペダルは、サドルが下死点位置にあるときにペダルクランク 及びペダルが上死点位置の直前に位置する態様でクランクシャフトに連結されて いることを特徴とする自転車。 ９．ペダル及びサドルに交互に力を付与することにより駆動輪を回転させること ができ、クランク機構が前方への回転のみに制限する機構を備えていることを特 徴とする自転車。 10．ペダル及びサドルに交互に力を付与することにより自転車が前方に推進され るように、サドル及びペダルが互いに異位相をなしてクランクシャフトに連結さ れる訓練態様と、自転車が慣用態様で駆動されるように、サドルが自転車のフレ ームに連結され且つ２つのペル互いに異位相でクランクシャフトに連結される巡 行走行態様との間で変換できることを特徴とする自転車。