JPH08500107A - 癌関連scm認識因子の免疫化学的検定 - Google Patents

癌関連scm認識因子の免疫化学的検定

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JPH08500107A JP6505605A JP50560593A JPH08500107A JP H08500107 A JPH08500107 A JP H08500107A JP 6505605 A JP6505605 A JP 6505605A JP 50560593 A JP50560593 A JP 50560593A JP H08500107 A JPH08500107 A JP H08500107A
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Abstract

(57)【要約】 下記のぺプチドまたはフラグメントによる抗体生産動物の免疫化による、細胞質マトリックステストの構造で活性なペプチド(SCM因子ペプチド)に対する抗体、および該ペプチドのフラグメントに対する抗体が開示されている。ポリクロナールおよびモノクロナール抗体を得ることができる。特に有用なのは、ペプチドM−I−P−P−E−V−K−F−N−K−P−F−V−F−L−M−I−D−Q−N−T−K−V−P−L−F−M−G−K (配列番号2)およびF−L−M−I−D−Q−N−T−K (配列番号3)を特異的に結台する抗体である。該抗体は、標識をつけることができ、細胞培養物または体液中のSCM癌認識因子の存在を検出するためのイムノアッセイを行うのに適している。1つの特に有用なイムノアッセイは、部分的に相同なぺプチド配列とSCM因子を区別することができ、そして(a)サンプルの第1のアリコートを癌認識因子に特異的な第1の抗体とともに温置して、第1のアリコート中の癌認識因子に第1の抗体を結合させる段階;(b)サンプルの第2のアリコートを、部分的相同ペプチド配列のアミノ末端部分に特異的な第2の抗体と反応させて、第2の抗体を第2のアリコート中の部分的相同ぺプチド配列と結合させる段階;および(c)第1のアリコートに結合した第1の抗体の量を第2のアリコートに結合した第2の抗体の量と比較して、癌認識因子を検出段階、を含んでなる。

Description

【発明の詳細な説明】 癌関連SCM認識因子の免疫化学的検定背景 ヒトおよび動物で発生する多くの疾患は、特に血中における外来性物質(異物 )の存在によって検出でき、前記物質は、ある疾患または状態に特異的に関連し ている。抗原類または上記疾患の結果として産生される他の上記物質類の検査は 、前記抗原または他の物質を産生した特定疾患の早期検出の診断手段として極め て有望である。上記物質類の検出方法は、保健看護提供者にとって実用的な診断 方法となるために、信頼でき、再現可能で、かつ感度が良好でなければならない 。さらに、いかなるこのような方法も、当業者で実験方法の訓練を受けた者が迅 速かつ安価に実施できるべきである。 たとえば、ヒトおよび動物が罹患する通常、癌と称される種々の悪性疾患の治 療において、早期発見は、特にほとんどの治療方法が晩期よりも実質的に癌早期 においてより有効でかつ安全であるので、有効な治療のための鍵となっている。 たとえば、悪性細胞にとって有毒である多くの化学療法剤は、正常細胞にとって も同様に有毒であり、より進行した癌症例の治癒または阻止に必要なより高い投 与量は、不快でかつ重篤な副作用の原因となり得る。また、前記疾患が拡大また は転移する前にのみ、手術が有効であることが極めて多い。余りに多くの癌症例 が有効な治療を行うには余りに遅く発見されている。 したがって、早期に癌を診断可能な信頼性ある検査に対して強い 要望がこれまでありまた引き続いてあり、かなりの研究努力がこの目的に対して 傾注されてきた。この関連からして、癌の早期発見を可能にする新規検査および 方法が開発されつつある。 このような検査のひとつの極めて望ましい局面は、使用する材料に応じて、あ らゆるタイプの癌を通常検出し、いったん癌が検出されると、その癌の特定タイ プを識別できることである。このような検査のこれまでの適用は、定期的検診で 行われるような多数の患者集団の集団検診において極めて重要である。このよう な集団検診において、癌の特定タイプに依存する検査は、数千とはいわないまで も文字どおり数百の癌タイプがあり、かつ、唯一または数種のタイプの疾患のみ を検出可能である検査は余りに多くの癌症例を見逃す可能性が極めて高くなりす ぎるので、望ましくないであろう。一般的に、これらの患者は、無症状であるか 特定タイプの癌と容易には関連づけられないはっきりしない普遍的症状のいずれ かを示すので、特定タイプを疑いこのタイプに特異的な検査を行うための根拠が ないであろう。 対照的に、いったん悪性疾患の存在が既知となるかまたは強く疑われると、存 在する悪性疾患の特定タイプを指摘し得る検査を有することが望ましいであろう 。このような検査は、化学療法剤のような最も有効な癌療法の多くが癌のひとつ のタイプまたはせいぜい狭い範囲のタイプに対してのみ有効であるので、治療効 率を大きく向上させることができ、誤った化学療法は、益よりは害を及ぼし得る 。 この要望に応えかつヒトおよび動物における癌の診断および発見を向上させる ための努力において、フィトヘムアグルチニンまたは 癌関連抗原のいずれかに暴露させた時に生リンパ球の細胞質マトリックスの構造 明確性(SCM)の変化を測定することを要する検査方法が開発された。この方 法は、L.Cercek、B.Cercek、およびC.I.V.Frankl in、”健常ドナー、悪性疾患患者およびその他の疾患患者由来リンパ球間の生 物物理的分化(Biophysical Differentiation B etween Lymphocytes from Healthy Dono rs、Patients with Malignant Diseases and Other Disorders)、”Brit.J.Cancer 29, 345−352(1974)およびL.CercekおよびB.Cerc ek、”悪性疾患の診断における細胞質マトリックスの構造明確性の変化現象の 適用:総説(Application of the Phenomenon of Changes in the Structuredness of Cytoplasmic Matrix(SCM) in the Diagn osis of Malignant Disorders:a Review )、”Europ.J.Cancer 13,903−915(1977)に記 載されている。 本方法によれば、潜在的にSCA応答性のリンパ球のサブ集団は、検査する患 者の血液サンプルから分離され、このリンパ球を悪性組織または悪性組織抽出物 とインキュベーションする。もし血液サンプルドナーが悪性疾患に罹患していれ ば、悪性疾患に罹患していないドナー由来のリンパ球のSCM応答と識別可能な 特徴的なSCM応答がある。このSCM応答は、SCM応答性リンパ球の細 胞内フルオロセイン蛍光分極における変化を測定することによって、求められる 。 SCM検査で観察された変化は、リンパ球が合成のために活性化されるに伴い リンパ球の内部構造の変化を反映すると考えられている。これらの変化は、偏光 させた光線を用いて細胞中に存在するフルオロセインを励起させたとき、細胞の 蛍光分極の低下として観察される。蛍光分極は、細胞内剛性の測定値となり、細 胞内運動性が高ければ高いほど、測定された蛍光分極は減少する。観察された蛍 光分極の低下は、細胞のエネルギー産生性オルガネラであるミトコンドリアの高 次構造の変化に主に起因すると考えられている。ミトコンドリア内の変化は、ミ トコンドリア膜のクリステすなわち内部ひだの収縮の結果であると考えられてい る。前記SCMは、巨大分子類と水分子、イオン類、アデノシン三リン酸、およ びサイクリックアデノシンリン酸のような小分子類の間の相互作用の力を反映す る。これらの相互作用の摂動の結果、SCMの変化が起こる。 SCM検査は、実質的に少量の悪性細胞に応答可能である。体重70kgのヒ トにおける約109個の細胞で、特徴的悪性疾患パターンにおけるSCM検査に おいてリンパ球を応答させるのに十分である。3.5×105個ほどのわずかの エールリッヒ腹水(癌)細胞を移植した時、マウスにおいて、SCM検査におけ る応答パターンが変化し、癌特異的抗原類に対する応答が誘発され、一方、フィ トヘムアグルチニンに対する正常な応答が実質的に消失する(L.Cercek およびB.Cercek、”Changes inSCM−Response of Lymphocytes in Mice After Implant ation with Ehrlich Ascites Cells,”Europ.J.Cance r 17 , 167−171(1981)。 SCM検査は、従来の方法で可能であったものに比べて極めて早期に癌を早期 発見できることが多く、血液サンプル採取に伴うものを除けば患者に対する不快 感も実質的にほとんどない。 しかし、この方法は、実際に不利な点も有している。たとえば、それは、癌細 胞等からの粗抽出物の調製を必要とし、または、癌細胞それ自体を癌関連抗原類 の原料として使用することを必要としている。悪性細胞またはそのような細胞の 抽出物をSCM検査で使用することにはいくつか大きな問題がある。たとえば、 時には、必要量の組織を得ることが困難である。また、全組織または組織の粗抽 出物を使用することは、検査方法に干渉物質を導入する可能性がある。これらの 干渉物質は、検査感度に悪影響を及ぼし得るしまた検査結果それ自体に有害な影 響を及ぼし得る。これらの干渉物質類の存在または不在は、悪性組織のバッチか らバッチへと容易に変化し、SCM検査に望ましくない変化を導入し得る。さら に、前記干渉物質は全組織または粗抽出物中に存在するので、それらは、識別ま たは定量が極めて困難である。 さらに、米国特許出願第07/539,686号に開示されているように、 体中で 発生するSCM因子と炎症に関連したタンパク質類の一部に、特に糖タン パク質α1−プロテアーゼインヒビター(α1−PI)の間に少なくとも部分的な 相同性が存在している。炎症は蛍光分極に基づくSCM検査において誤陽性結果 をもたらすことはないが、SCM検査と等価の結果をもたらしかつ実施がより簡 易で要する設備が少ないイムノアッセイを開発することが望まし いであろう。したがって、血液または血漿のような体液中で、部分的に相同な炎 症関連タンパク質類の存在または不在下のいずれにおいてもSCM因子を検出で きる感度の良い、信頼性の高いイムノアッセイに対する要望が存在している。要約 我々は、SCM癌認識因子に特異的な抗体類および部分的に相同な(homo logous)ペプチド配列類の存在下においてサンプル中におけるSCM因子 を検出できるイムノアッセイ類を開発した。これらの部分的に相同な配列類は、 α1−プロテアーゼインヒビター(α1−PI)のような炎症関連タンパク質類の 部分を含むことができる。上記検定を使用できるサンプルとして、細胞性試料お よび実質的に細胞を含まない体液からなる試料の両者、ならびに、培養培地また はSCM因子を含有するかも知れないその他の水性分画類が挙げられる。 一般に、このようなイムノアッセイは、 (1) 試料の第1アリコートを癌認識因子に特異的な第1抗体とともにインキ ュベーションして、前記第1抗体を前記癌認識因子に対しておよび前記第1アリ コート中の部分的に相同なペプチド配列に対して結合させること、 (2) 試料の第2アリコートを癌認識因子の配列のいずれかの部分に対しても 実質的相同性を欠いている部分的相同ペプチト配列のある部分に対して特異的で ある第2抗体とともにインキュベーションして、前記第2抗体を前記第2アリコ ート中のその部分的に相同なペプチド配列に対してのみ結合させること、 (3)第1アリコートに結合した第1抗体の量を第2アリコートに結合した第2 抗体の量と比較して、癌認識因子を検出すること、から構成される。 この検定において、第1アリコートに結合した第1抗体の量を第2アリコート に結合した第2抗体の量と比較する段階は、 (i)前記第1および第2抗体類の両者に特異的な検出抗体と段階(1)および (2)のインキュベーションしたアリコートを別々に反応させ、前記検出抗体は 、検出可能な標識に結合させておくこと;および (ii)前記標識を検出すること、 から構成される。 これとは別に、前記第1および第2抗体類をそれぞれ、例えば、アビジン−ビ オチン特異的結合ペアの1員に結合させ、前記第1および第2抗体類は同一結合 ペアの1員に結合させておく。この別法において、第1アリコートに結合した第 1抗体の量を第2アリコートに結合した第2抗体の量と比較する段階は、 (i)インキュベーションした第1および第2アリコートを、別々に、検出可能 標識と反応させ、前記検出可能標識は、第1および第2抗体に結合させた特異的 結合ぺアの1員に相補性の特異的結合ペアの1員に結合させておくこと;および (ii)SCM因子の存在を調べるために、前記第1および第2アリコート類に 結合した標識を別々に検出すること、 から構成される。 好適には、前記サンプルは、細胞性試料である。 前記部分的に相同なペプチド配列は、典型的にはα1−PI (α1−アンチトリプシンとしても公知である)であり、そのカルボキシ末端の 配列は、公知のSCM−活性癌−認識因子類の配列と実質的に相同である。α1 −PIのアミノ末端部分は、前記SCM活性癌認識因子類のいずれの部分とも実 質的相同性を欠損している。 SCM因子を検出することになる試料が細胞性試料でありかつ前記部分的相同 ペプチド配列がα1−PIのカルボキシ末端部分である時、イムノアッセイの好 適なバージョンは、 (1)前記細胞の第1アリコートを癌認識因子に特異的なウサギIgG第1抗体 とインキュベーションし、前記第1抗体を前記第1アリコートの細胞に結合させ ること、前記第1抗体は、(i)そのカルボキシ末端システイン残基においてキ ャリアタンパク質に結合しているペプチド M−I−P−P−E−V−K−F−N−K−P−F−V−F−LM−I−D−Q −N−T−K−V−P−L−F−M−G−K−C (配列番号:1)による免疫処置によって産生された抗体;および(ii)ペプ チド M−I−P−P−E−V−K−F−N−K−P−F−V−F−LM−I−D−Q −N−T−K−V−P−L−F−M−G−K (配列番号:2)による免疫処置によって産生された抗体、からなる群から選択 され、前記第1抗体が第1アリコート中において癌認識因子とα1−PIの両者 に結合しており、 (2)前記細胞の第2アリコートをα1−PIのアミノ末端19アミノ酸配列に 特異的なウサギIgG第2抗体とインキュベーションし、α1−PIの前記アミ ノ末端19アミノ酸配列は癌認識因子の 配列のいずれの部分とも実質的相同性を欠いており、前記第2抗体は、第2アリ コート中のα1−PIにのみ結合し、 (3)段階(1)および(2)のインキュベーションしたアリコートを別々に反 応させ、インキュベーションした各アリコートは、第1アリコートに結合した第 1抗体および第2アリコートに結合した第2抗体を標識する酵素標識に結合させ たウサギIgG抗体に特異的な抗体と反応し、 (4)前記第1および第2アリコート類の酵素標識結合抗体類を別々にインキュ ベーションし、前記酵素の酵素活性に応答して検出可能な産物をもたらすインデ ィケーターをそれぞれが有しており、および (5)第1および第2アリコート類によって産生された検出可能な産物の量を比 較して癌認識因子を検出すること、 の段階から構成される。 本発明のもうひとつの面は、体液中における癌認識因子の含量を求めるための 方法であり、 (1)体液および癌認識因子特異的抗体を上述のように混合すること;および (2)イムノアッセイを実施することによって、体液中癌認識因子と抗体との反 応程度を測定すること、 の段階からなる。 前記イムノアッセイは、ラジオイムノアッセイ、蛍光イムノアッセイ、化学発 光(ケミルミネサンス)イムノアッセイ、または酵素結合イムノアッセイである ことができる。 本方法の好適な態様において、本方法は、 (1)癌認識因子または免疫学的にそれと等価のアナログをタンパク質を結合可 能な固相に付着させること; (2)体液を前記固相に添加すること; (3)前記固相を癌認識因子に特異的な第1抗体とインキュベーションすること ; (4)前記第1抗体に特異的な第2抗体と前記固相をインキュベーションし、前 記第2抗体は、酵素を基質とインキュベーションした時に比色法で検出可能な生 成物を産生する酵素で標識しておくこと; (5)前記酵素に対する基質を添加すること;および (6)前記比色法で検出可能な生成物の吸光度を測定すること; から構成される酵素結合イムノアッセイである。 本発明のもうひとつの面は、特異的に癌認識因子を結合し上述のイムノアッセ イで有用な抗体類である。一般的に、これらの抗体類によって結合された因子は 、アミノ酸9個の残基の中心的配列を含めて少なくとも9個のアミノ酸残基のペ プチドであり、前記中心的配列はF−X15−M−X17−X18−X19−X20−X21 −Kである。中心的配列において、X15およびX17は、それぞれ、I、L、およ びVからなる群から選択される;X18は、DおよびEからなる群から選択される ;X19およびX20は、それぞれ、QおよびNからなる群から選択され、およびX21 は、SおよびTからなる群から選択される。前記因子は、細胞質マトリックス 構造明確性(SCM)検査において応答可能な癌に罹患したドナーから単離した リンパ球の細胞内蛍光分極値を少なくとも10%低下させ得る。前記抗体によっ て結合された特に好適な癌認識因子類は、合成SCMの断片を示す アミノ酸残基9個、15個または22個を有している。 これとは別に、前記抗体は、M−I−P−P−E−V−K−F−N−K−P− F−V−F−L−M−I−D−Q−N−T−K−V−P−L−F−M−G−K( 配列番号:2)および1個以上の保存的アミノ酸置換によるそれに関連するペプ チドからなる群から選択されたペプチドを結合する。 もうひとつの別法として、前記抗体は、アミノ酸29個の残基の癌認識因子を 特異的に結合する。前記抗体によって結合された癌認識因子は、 M−X2−P−P−X5−X6−K−F−X9−K−P−F−X13F−Xl5−M−X17 −X18−X19−X20−X21−K−X23−PX25−F−M−G−K (式中、X2、X6、X13、X15、X17、X23およびX25は、それぞれ、I、L、 およびVからなる群から選択される;X5およびX18は、DおよびEからなる群 から選択される;X9、X19、およびX20は、それぞれ、QおよびNからなる群 から選択され、およびX21は、SおよびTからなる群から選択される)のアミノ 酸配列を有している。 別法として前記抗体は、配列 F−L−M−I−X18−Q−N−T−K (式中、X18は、DおよびEからなる群から選択される)のアミノ酸14−22 における中心配列を含めて、長さがアミノ酸29個からアミノ酸35個の残基の 癌認識因子を結合する。 特に好適な抗体類は、(1)そのカルボキシ末端システイン残基においてキャ リアタンパク質に結合させたペプチド M−I−P−P−E−V−K−F−N−K−P−F−V−F−LI−M−I−D −Q−N−T−K−V−P−L−F−M−G−K−C(配列番号:1)によって 抗体産生性動物を免疫し調製した癌認識因子に特異的な抗体;および(2)ペプ チド M−I−P−P−E−V−K−F−N−K−P−F−V−F−L−M−I−D− Q−N−T−K−V−P−L−F−M−G−K (配列番号:2)によって抗体産生性動物を免疫することによって調製した癌認 識因子に特異的な抗体である。図面 これらおよび本発明のその他の特徴、諸相、および利点は、下記の説明、付属 の請求の範囲、および添付の図面を参照すれば、より理解しやすくなるであろう 。 第1図は、SCM因子のELISA検定のひとつの形態の略図である; 第2図は、ELISA検定のあるバージョンにおいて405nmにおける吸光 度によって決定した未結合SCM因子に対して作製した抗血清の反応性を抗血清 の希釈度の関数として測定した実験から得られた結果を示している; 第3図は、かさ貝(keyhole limpet)ヘモシアニン(KLH) に結合させたSCM因子に対して作製された抗血清の反応性を、ELISA検定 のバージョンにおいて405nmの吸光度で決定し、抗血清の希釈度の関数とし て測定した実験から得られた結果を示している;および 第4図は、本発明の2個の分析物質イムノアッセイの略図であり、SCM因子 および部分的に相同なペプチド配列の両者を結合する第1抗体および部分的に相 同なペプチド配列のみを結合する第2抗体によって結合されたアミノ酸配列類を 示している。定義 下記の説明、例、および付属の請求の範囲に使用したいくつかの用語の定義を 、ここで便宜のためにまとめた。 ”一般的”:本発明のSCM因子を精製した体液のドナーまたはSCM検査にお いてその因子と共に使用されるリンパ球のドナーのいずれかが罹患している癌の 特定タイプに関して、非特異的。 ”発蛍光団物質前駆体”:リンパ球によって捕捉され細胞内で加水分解により発 蛍光団化合物に変換されることができる非発蛍光団化合物で、本文で使用したそ の例は、フルオロセインジアセテート(FDA)である。 ”SCM標準検査”:6×106細胞/mlのリンパ球懸濁液1.0mlおよび 癌認識因子またはマイトジェン0.1mlを、発蛍光団物質前駆体としてのFD Aと共に用い、および蛍光分極測定のために励起波長470nmおよび発光波長 510nmを用いるSCM検査。 ”みかけの分子量”および”公式の分子量カットオフ”:これらの用語の両者と もに、大きさによる限外ろ過による分子の分離が、SCM因子の大きさの範囲の 分子については近似的であり大きさと共に立体構造にも依存するという事実を示 唆している。したがって、Xダルトンの公式の分子量カットオフを有する限外ろ 過フィル ターは、見かけの分子量がXダルトン未満から見かけの分子量がXダルトンを超 える分子類を分離するであろう。しかし、Xダルトンを超える実際の分子量を有 するいくつかの分子類はこのようなフィルターを通過するであろう。 ”実質的に純粋な癌認識因子”:SCM検査で決定された癌認識活性を示しかつ 全てのタンパク質類およびより大きなペプチド類を含む特異的生体活性を有する その他の分子類の少なくとも約95%が前記物質中に存在しない純度の状態であ る物質。用語”実質的に精製された”とは、同一純度状態を称する。 ”トリプシンペプチド”:リシンまたはアルギニン残基の後でペプチド鎖を切断 する蛋白分解酵素トリプシンの作用によって、より大きなペプチドから切断され たペプチドである。 ”部分的に相同な”;2個のペプチドまたはタンパク質配列は、前記2個の配列 の間に約40%を超える、すなわち、予測されるよりも実質的に大きな残基対残 基対応の程度がたまたま存在するときに、部分的に相同である。説明 本発明は、癌関連SCM因子類を特異的に結合可能な抗体類の我々の調製法、 および、部分的に相同なペプチド配列類の存在下において前記因子類を検出でき るイムノアッセイを含めて上記抗体類の前記因子類検出のためのイムノアッセイ における用途に関する。上記部分的に相同なペプチド配列は、炎症関連タンパク 質α1−プロテアーゼインヒビター(α1−PI)のカルボキシ末端部分を含むこ とができる。 我々は、これまで、異なる癌タイプの患者数名から単離した血清由来の一般的 癌関連SCM認識因子類である12種のペプチド類を単離した。これらのペプチ ド類は、全て、長さがアミノ酸29個乃至35個の間にあり、SCM検査におい て交差反応性であり、アミノ酸配列において驚異的な相同性を示す。この相同性 は、極めて驚くべきものであり、前記12種の精製ペプチドの共通配列を示すア ミノ酸29個のペプチドが合成された。このペプチドを”合成SCM因子”と命 名し、アミノ酸配列M−I−P−P−E−V−K−FN−K−P−F−V−F− L−M−I−D−Q−N−T−K−V−P−L−F−M−G−K(配列番号:2 )を有している。この合成ペプチドは、癌患者の血漿から単離した一般的癌関連 SCM認識因子の特性を全て、SCM検査における活性および免疫化学反応性を 含めて有している。さらに極めて予測しえなかったこととして、その配列内の9 個のアミノ酸、配列F−L−M−I−D−Q−N−T−K (配列番号:3)を 有するアミノ酸14−22の領域は、SCM検査において同様に活性である。前 記の14−22を取り込んだアミノ酸8−22、8−29および1−22を含む その他の部分的配列類は、同様に十分に活性である。我々が調製した抗体類は、 前記SCM因子ペプチド類内部の構造の保存および前記因子を極めて特異的に免 疫化学的に検定する前記ペプチド内部の領域の活性という利点を利用している。 天然の精製したおよび合成SCM因子類の両者の生物学的特性は、過去におい て、例えば、参考として参照した米国特許出願第07/539,686号におい て記載されている。これらの特性は、これまで調べたところでは、天然および合 成SCM因子類につ いて実質的に等価であり、(1)悪性疾患を全く有していないドナー由来のリン パ球のSCM応答を修飾するSCM因子の能力;(2)種々のタイプの癌を有す るドナーから単離した因子のSCM検査における交差反応性;(3)悪性細胞に 対するキラーリンパ球の天然のインビトロ細胞毒性を抑制するその能力;および (4)癌細胞の増殖と侵襲を助けると考えられているプロテアーゼ類をそれらの プロテアーゼに対する天然のインヒビターであるα1−PIによる阻害から保護 するSCM因子の新規に発見された特性、を含んでいる。 さらに、我々は、前記SCM因子類は、α1−PIのカルボキシ末端領域に部 分的に相同であることを予想外にも見いだし、α1PI存在下におけるSCM因 子類のイムノアッセイを可能とする2分析物質イムノアッセイを開発した。この ような2分析物質イムノアッセイは、SCM因子ペプチドのアミノ酸配列に部分 的に相同なアミノ酸配列をそれらのカルボキシ末端部分に含有する細胞内α1− PI分子類の存在下において、SCM因子類を検出できる。この目的のため、S CM因子ペプチドに対する抗体(第1抗体)およびSCM因子ペプチド分子のい ずれかの部分に関して実質的相同性を欠いている領域であるα1−PIタンパク 質のアミノ末端19残基領域に対する抗体(第2抗体)を作製した。したがって 、この2分析物質検定は、SCM因子ペプチドおよび細胞内α1−PIの両者を 含有する試料中において、SCM因子ペプチドの存在を検出できる。 I.単離されかつ精製された一般的癌関連SCM認識因子 一般的癌関連SCM認識因子を、12種の異なる癌タイプの患者から得た血漿 から単離し均質となるまで精製した。本文で詳細に述べるように、これらのペプ チド類は、全て、長さがアミノ酸29個または35個のいずれかであり、アミノ 酸配列において実質的に相同である。 A.精製 血漿からのSCM認識因子の実質的均質となるまでの精製は、Borisおよ びLea Cercek博士によって米国特許出願第07/167,007号に 記載の本文で参考として参照した標題”General Cancer−ass ociated SCM−recognition Factor、Prepa ration and Method of Use”に記載されているように して、実施した。精製プロセスは、(1)限外ろ過、(2)脱塩、(3)ゲルろ 過、(4)陰イオン交換クロマトグラフィ、および(5)逆相高速液体クロマト グラフィ (RP−HPLC)の5つの段階で好適に行われる。 1.限外ろ過 SCM因子精製の第1段階は、癌に罹患した患者の体液から限外ろ液を入手す ることである。体液は、末梢血、血漿または尿であることができ、もし体液が末 梢血であるならば、血液を遠心分離し、血漿から赤血球を分離する。SCM因子 の単離のために使用した体液のドナーは、SCM検査に使用するリンパ球に関し て、自己由来または同種由来であることができる。これとは別に、前記SCM因 子は、悪性疾患患者由来の細胞吸引物またはその他の細胞物質 から精製できる。 限外ろ過プロセスでは、1,000ダルトンを超える見かけの分子量を有する 分子からなる体液の第1分画を1,000ダルトン未満の見かけの分子量を有す る分子からなる第2分画から分離する。本発明の一般的癌関連SCM因子は、限 外ろ液の第2分画に観察される。用語”見かけの分子量”および”公式の分子量 カットオフ”は、限外ろ過がこの分子量範囲の分子量によって分子を分離するに はやや不正確な方法であるので、本文で使用した。1,000ダルトンの公式の 分子量カットオフを有するフィルターによって除外された正確な分子量は、分子 の立体構造にも幾分依存している。実際の分子量で1,000ダルトンを超える 分子類は、もし例えばこの分子類が実質的に長くかつ細いならば、1,000ダ ルトンの公式分子量カットオフを有する限外フィルターを現実に通過することが できる。本発明の精製された一般的癌関連SCM因子類は、実際に、長さが29 個乃至35個のアミノ酸であり、それぞれ、約3,200または4,000ダル トンの分子量を有している。にもかかわらず、これらのペプチド類の全てが1, 000ダルトンの公式分子量カットオフを有する限外フィルターを通過する。 好適には、第1分画からの第2分画の分離は、AMICONTMUM2またはY M2フィルター (Amicon Corporation,Scientif ic System Division、Danvers, Massachu setts 01923から入手可能)のような公式の分子量カットオフ1,0 00ダルトンの限外フィルターによって体液をろ過することによって実施される が、これに限定されない。 限外ろ液段階またはその後におけるこのような因子の調製の純度は、その特異 的活性によって記載できる。この観点からして、用語”特異的活性”は、SCM 検査において特定分画をSCM応答リンパ球をチャレンジ(challenge )するために使用した際に、細胞内蛍光分極を例えば20%ほどある特定程度低 下させるために要するタンパク質量の逆数として定義される。SCM因子の精製 の目標は、粗限外ろ液中で観察される特異的活性に対してSCM因子の特異的活 性を高めることにある。ゆえに、精製のプロセスは、各段階で精製された分画の 特異的活性を求めることによって、追跡できる。本文で報告した例中のタンパク 質濃度は好適には220nmにおける紫外線吸光度の観点から近似的に求めただ けであり、前記因子の完璧な用量−応答曲線はまだ求められていないので、本文 に記載したSCM因子の精製の種々の段階の特性解析は、近似的なものに過ぎな い。しかし、前記因子が種々の精製段階を通過するに伴いこの因子の活性が実質 的に影響を受けないにもかかわらずタンパク質濃度が顕著に低下し、それによっ て、SCM因子の特異的活性が上昇することになる。にもかかわらず、この限外 ろ液でさえも、公式の分子量カットオフ1,000ダルトンの膜による限外ろ過 が、生物体液から圧倒的に多数のあらゆる生体活性を有する分子類を全タンパク 質類および大きなペプチド類を含めて除外する限りにおいて、実質的に精製され た一般的癌関連SCM認識因子から基本的に構成されるとして適切に記載できる 。 2.脱塩 一般的癌関連SCM因子の精製の次の段階は脱塩段階であり、限 外ろ過によって得られた分画をそれから塩類を分離可能なクロマトグラフィカラ ムにのせる。カラムにのせた物質を次にカラムから蒸留水で溶出し、クロマトグ ラフィベッドボリューム総量の約0.3乃至約0.5倍の間の溶出ボリュームで 溶出したSCM因子を含有する部分を集める。好適には、本段階で使用したカラ ムは、デキストランゲルの1種であるSEPHADEXTM G−10 (Pha rmacia、Uppsala,Sweden)のような0乃至約700ダルト ンの分画範囲を有するゲルろ過カラムである。対応する分離特性を有するポリア クリルアミドゲルも同様に使用できる。 3.ゲルろ過 前記精製の次の段階は、大きさ別に再度分離するもうひとつのゲルろ過段階で ある。前記の脱塩段階から得られたSCM含有物質を、約1,500乃至約30 ,000ダルトンの分画範囲を有する別のゲルろ過カラムにのせる。好適には、 前記ゲルろ過カラム材質は、SEPHADEXTM G−50のようなデキストラ ンであるが、対応するポリアクリルアミドゲルも同様に使用できる。カラムにの せた物質をその後アンモニウム塩の弱水溶液離でそれから溶出する。好適には、 前記アンモニウム塩は、重炭酸アンモニウムであり、さらに好適には、50mM 重炭酸アンモニウムである。クロマトグラフィベッドボリューム総量の約0. 4倍乃至約0.6倍の間の溶出ボリュームで溶出した部分は、SCM因子を含有 しており、集められる。 4.陰イオン交換クロマトグラフィ 精製の次の段階は、電荷によって分離する陰イオン交換クロマトグラフィ段階 である。先のゲルろ過段階からのSCM因子含有物質を、好適にはジエチルアミ ノエチル−セルロース(DEAE−セルロース)である陰イオン交換カラムにの せる。次に、カラムにのせた物質をそこからアンモニウム塩の濃度を上昇させて 溶出する。好適には、前記アンモニウム塩は、重炭酸アンモニウムであり、アン モニウム塩の濃度上昇は、10mMから1.0Mの重炭酸アンモニウムである。 約0.28Mから0.31Mの重炭酸アンモニウムでカラムから溶出された分画 はSCM因子を含有しており、集められる。 5.逆相高速液体クロマトグラフィ 精製の最終段階は、逆相高速液体クロマトグラフィ(RP−HPLC)であり 、それは、電荷および/または疎水性によって分離する。典型的には、DEAE −セルロースカラム溶出液由来のSCM因子含有物質を、大きさが220mm× 2.1mmのAQUAPORETMRP−300 RP−HPLCにのせる。次に 、2種の溶媒を併用して溶出を実施する;最初は、0.1容量%のトリフルオロ 酢酸(TFA) (溶媒A) 90容量%および70%アセトニトリル水溶液中 0.09容量%TFA(溶媒B)10容量%であり、溶媒Bの濃度を上昇させた 勾配が次に続く。全出発物質類由来のSCM因子は、溶媒組成が溶媒A26容量 %および溶媒B74容量%で均一のピークとして溶出される。 これとは別に、RP−HPLCは、Beckman Instr uments Ultrasphere ODSTMカラム上でも実施できる。こ のカラムによって次に溶出をやや異なる溶媒パターンで、当初は溶媒A70容量 %および70%アセトニロリル水溶液中0.1容量%のTFA水溶液(溶媒C) 30容量%によって行い、次に溶媒Cの濃度上昇する勾配が続く。前記Ultr asphereカラムおよびこの溶媒系を用いるとき、SCM因子は、常に、溶 媒A43.7容量%および溶媒C56.3容量%の溶媒組成で均一ピークとして 溶出される。 B.単離された癌関連SCM認識因子の構造 12種の異なる癌タイプの患者由来の血漿から単離されたSCM因子類のアミ ノ酸配列は、連続的エドマン分解によって決定した。結果は、下記の例6で報告 されている。ある残基類は、未確認である;これらの残基類は、システインらし く本文ではそのように報告してある。前記12種の癌中9例において、SCM因 子は、長さがアミノ酸29個であった;残りの3例では、さらにアミノ酸6個が 存在しており、全体でアミノ酸35個となった。因子調製物12個中7個におい て、前記ペプチドの1個ないし2個の位置において保存的置換があるという点に おいて多型が存在している。また、胃肉腫および前立腺癌の2例では、SCM因 子が2種の形態で出現し、ひとつは29個のアミノ酸残基および他方は35個の アミノ酸残基である。睾丸のセミノーマにおいては、前記の35個のアミノ酸形 態のみが観察される。中間の長さの形態がこれらのサンプル中では全く観察され ない。しかし、切断または変異形態の存在の故に、いくつかの中間的長さのペプ チド類も可能であり、アミノ酸29個よりも短いいくつかのペプチドさえも可能 である。アミノ酸 配列におけるこれらのわずかの差異は、SCM検査における前記因子類の交差反 応性に影響を及ぼさない。 前記配列のひとつの領域は、ほとんど変化がない−−−残基14−22。この 配列はF−L−M−I−D−Q−N−T−K (配列番号:3)であるが、前立 腺癌および睾丸のセミノーマの因子において、E(グルタミン酸)が18位にお いてD(アスパラギン酸)に置換している。この交換は、グルタミン酸およびア スパラギン酸が同一電荷を有し1個のメチル基のみが異なるので、極めて保存的 である。この領域は、下記にも記載するが、SCM因子の機能上極めて重要であ ると考えられる。 C.単離された精製一般的癌関連SCM認識因子の特性 精製されたSCM因子類は、数種の異なる悪性疾患タイプの患者から単離され たリンパ球をチャレンジするための物質として使用すると、SCM検査において 極めて活性である。この活性は、限外ろ過で始まる前記因子の精製中のいかなる 時点においても検定によって明らかにできる。このような検定の詳細については 、下記で”例”として示す。 2.前記因子類のトリプシンペプチド類 肺癌および乳癌患者の血漿由来のSCM因子の精製調製物を、トリプシン消化 に供した後、RP−HPLCによって前記トリプシンペプチドの精製を行った。 それぞれの場合において、溶媒A30.4容量%および溶媒B69.6容量%で 溶出した特定分画を、AQUAPORETM RP−300カラムを用いるRP− HP LCにおいて(用いた)。これらの分画は、配列解析によって、残基8−22か ら構成されるSCM因子の断片であることがわかった。(両方の場合において、 残基7はリシンであり、トリプシンはリシン残基の後を切断することが公知であ る。)これらのトリプシンペプチド類は、SCM検査において十分に活性である 。両方のトリプシン分画がアミノ酸14−22由来のペプチドのほとんど変異の ない領域を含有していることは重要である。 3.SCM因子の交差反応性 全タイプの癌ドナーから単離されたリンパ球がSCM検査において前記因子の 全調製物に対して応答するので、本発明の単離因子は、一般的癌関連SCM認識 因子と称することにする。 4.α 1−プロテアーゼインヒビターとの相同性 National Biomedical ResearchFoundat ion タンパク質配列データバンクをコンピューター検索し、予測外にも、前 記単離され精製された12種の一般的癌関連SCM因子類のアミノ酸配列類が糖 タンパク質α−1−プロテアーゼインヒビター(α1−PI)の内部の28−3 3アミノ酸配列に対して82.8%乃至89.7%同等であることが明らかにな った。このα1−PIは、分子量55,000ダルトンの糖タンパク質である; それは、残基394個の単一のポリペプチドであり、セリンプロテアーゼを阻害 する。SCM因子に相同なα1PIの配列は、癌12例中9例の因子について、 アミノ酸358個乃至388個の間にあり、359位のセリンが欠損している。 残り の癌3例、胃癌、前立腺腺腫、および睾丸のセミノーマについて、相同配列は、 残基359および393の間にある。セミノーマ睾丸の因子について、相同性は 100%である;前立腺腫の因子について、相同性は97%である;および胃癌 の因子について、相同性は94%である。(これらの計算は、未確認残基を除外 している。) 5.培養癌細胞によるSCM因子の合成 T10806線維肉腫細胞、MCF7乳癌細胞、A2780卵巣癌細胞および HCT80結腸癌細胞を含む培養で増殖させた代謝的に活性のヒト癌細胞は、S CM因子精製プロセスに供した時に、SCM因子それ自体の保持時間と同一の保 持時間を有する光学密度ピークを示す分子類を、血清を含まない組織培養培地中 に排泄する。これらのピークの部分的配列決定によって、それらがSCM因子と 相同であることが示唆された。 これらの結果は、抗SCM因子抗体を用いるELISA検査において(例14 )裏付けられた。ELISA検査を培養ヒト癌細胞で実施すると、SCM因子の 存在が、検査した全細胞株で検出された。異なる細胞株は、同一条件下において 細胞1個当たり異なる量のSCM因子を産生した。この変化は、これらの異なる 細胞株の発癌性または代謝活性の差異の発現であるのであろう。このことは、タ ンパク質合成の翻訳阻害剤であるシクロヘキシイミドによってMCF7乳癌細胞 およびT1080線維肉腫細胞を治療し、SCM因子合成の低下をもたらしたこ とを示す結果によって裏付けられる。これらの結果は、癌細胞がSCM因子分子 類を活発に合成するとい う我々の仮説と一致している。 活性タンパク質合成は、癌細胞によるSCM因子の産生に必要である。例14 は、ELISA検定によって調べたところでは、蛋白合成阻害剤シクロヘキシイ ミドによる培養ヒト癌細胞の処置がSCM因子合成を実質的に低下させたことを 示している。 II.合成癌関連SCM認識因子 12種の異なるタイプの癌から単離されたSCM因子間の高度の配列相同性に 鑑み、標準的固相ペプチド合成方法を用いて、合成SCM因子を調製した。この 合成SCM因子は、29個のアミノ酸の”共通”配列を有し、単離された精製S CM因子類の特性および活性を共有している。 合成SCM因子の調製は、いくつかの理由から望ましい; (1)癌組織から の単離を必要とせずに入手できることおよび量; (2)構造および活性の均一 性;および(3)構造−活性相関を調べるために配列を変化させ得る可能性。 A.合成SCM因子分子の配列 合成SCM因子は、アミノ酸配列M−I−P−P−E−V−K−F−N−K− P−F−V−F−L−M−I−D−Q−N−T−KV−P−L−F−M−G−K (配列番号:2)を有している。 この配列は、SCM活性を有していると考えられるアミノ酸29個の唯一の配 列ではない。”保存的”アミノ酸置換と称されるあるアミノ酸置換がタンパク質 またはペプチドの構造または機能のいずれも変化させることなく、このタンパク 質またはペプチド中で頻繁 に行われることは、タンパク質およびペブチド化学において十分に確立された法 則である。このような変化は、イソロイシン(I)、バリン(V)、およびロイ シン(L)のいかなるものもこれらのアミノ酸類の他のものと置換すること、ア スパラギン酸(D)をグルタミン酸(E)等と置換すること;グルタミン(Q) をアスパラギン(N)等と置換すること;およびセリン(S)をスレオニン(T )等と置換することを含んでいる(T.E.Creighton、”Prote ins:Structures and Molecular Propert ies”(W.H.Freeman,New York, 1984)、pp. 110−112)。 これらの等価性を鑑みて、配列M−X2−P−P−X5−X6−K−F−X9−K −P−F−X13−F−X15−M−X17−X18−X19−X20−X21−K−X23−P −X25−F−M−G−L(式中、X2、X6、X13、X15、X17、X23、およびX25 は、それぞれ、I、L、またはVである;およびX5およびX18は、それぞれ 、DまたはEである;X9、X19およびX20は、それぞれ、QまたはNである; およびX21は、SまたはTである)のペプチド類は、SCM因子活性を有してい ると予測される。この配列命名においておよび対応するサブスクリプトを採用し ている他所の命名において、サブスクリプト中に現れる数は、29個のアミノ酸 の因子中で特定されたアミノ酸の位置を示している。たとえば、”X2”とは、 アミノ末端から2番目のアミノ酸を示している。 上述の置換は、”保存的”と考え得る唯一のアミノ酸置換ではない。その他の 置換も、特定アミノ酸の環境に応じて同様に保存的とみなすことができる。たと えば、グリシン(G)およびアラニン (A)は、アラニンおよびバリン(V)と同様に頻繁に相互交換可能である。メ チオニン(M)は実質的に疎水性であり、ロイシンおよびイソロイシンと頻繁に 相互交換でき、時にはバリンとも交換する。リシン(K)およびアルギニン(R )は位置が頻繁に相互交換でき、この場合、アミノ酸残基の重要な特徴はその電 荷であり、および、これらの2個のアミノ酸残基類の異なるpK類は重要ではな い。システイン(C)は、システインのジスルフィド結合を形成する能力が望ま しくないかまたは不必要である時にはセリンと頻繁に置換される。さらにその他 の変化も、特定の環境においては”保存的”と見なすことができる。 B.合成SCM因子の特性 1.SCM検査における活性 合成SCM因子分子は、SCM検査において極めて活性である。合成SCM因 子分子の2フェムトモル(2×10-16モル)ほどのわずかの量で、SCM応答 性のリンパ球を誘発するために使用すると、SCM検査において細胞内蛍光分極 が有意に20%低下した。この活性は、癌患者由来のリンパ球に特異的である。 2.健常ドナー由来リンパ球におけるSCM認識受容体類の誘導 合成SCM因子は、健常ドナー由来リンパ球のSCM応答を、このようなリン パ球の応答特性(すなわち、PHAに対するある応答および癌関連因子に対する 無応答)から癌を有するドナー由来のリンパ球の応答特性(すなわち、PHAに 対する無応答および癌関連因子に対するある応答)にまで、改変できる。この合 成SCM因子 の特性は、本文で参考として参照した我々の係属出願第07/539,686号 に詳細に開示されている。 これらの受容体の誘導は、タンパク質合成を必要としている。インキュベーシ ョンをタンパク質合成インヒビター類シクロヘキシイミドまたはアクチノマイシ ンDの10μg/5×106個細胞における存在下で行うと、合成SCM因子に 対する応答は全く誘導されず、また、マイトジェンPHAに対する正常の応答が 消失した。 C.合成SCM因子の断片の産生と活性 合成SCM因子のどの部分または部分類がSCM検査におけるその活性に関与 しているかを調べるために、合成SCM因子の5個のペプチド断片を合成し、F 1からF5と命名した。これらは、未改変の分子類の下記の部分を示していた: F1、アミノ酸1−22;F2、アミノ酸8−29;F3、アミノ酸8−22; F4、アミノ酸14−22およびF5、アミノ酸1−13。これらの断片は、下 記のアミノ酸配列を有している。 F1:M−I−P−P−E−V−K−F−N−K−P−F−V−F−L−M−D −Q−N−T−K(配列番号:4) F2:F−N−K−P−F−V−F−L−M−I−D−Q−N−T−K−V−P −L−F−M−G−K(配列番号:5) F3:F−N−K−P−F−V−F−L−M−I−D−Q−N−T−K (配列 番号:6) F4:F−L−M−I−D−Q−N−T−K(配列番号:3) および F5:M−I−P−P−E−V−K−F−N−K−P−F−V−F (配列番号:7) 下記で例8で詳細に述べるように、断片F1、F2、F3、およびF4は、S CM検査において全て活性であるが、一方、断片F5は不活性である。前記活性 断片の全ては、F4の9−アミノ酸領域を含有しており、この領域がSCM活性 に関与する活性部位を示しているとしても妥当である。 SCM検査においてはペプチド類F1からF4までが活性であるばかりでなく 、保存的アミノ酸置換を有するこれらのペプチド類の変異体も同様にSCM活性 を有し、かつ、本発明の範囲内に入れられると考えられる。これらの保存的置換 は、上述のように、イソロイシン、バリン、およびロイシンのいかなるものもこ れらのアミノ酸類の他のいかなるものにも代わること、グルタミン酸等に対して アスパラギン酸;グルタミン等に対してアスパラギン;スレオニン等に対してセ リンが代わり得ることを含んでいる。これらの保存的置換の存在は、下記のペプ チド類がSCM活性を有すると予測されることを意味している: M−X2−P−P−X5−X6−K−F−X9−K−P−F−X13−F−X15−M− X17−X18−X19−X20−X21−K; F−X9−K−P−F−X13−F−X15−M−X17−X18−X19−X20−X21− K−X23−P−X25−F−M−G−K; F−X9−K−P−F−X13−F−X15−M−X17−X18−X19−X20−X21− K;および F−X15−M−X17−X18−X19−X20−X21−K これらの配列において特定アミノ酸残基類を示すサブスクリプト類 は、全29−アミノ酸合成SCM因子中における保存的アミノ酸置換の検討で上 述したものと同一の意味を有している。 III.精製および合成SCM因子類の用途 精製および合成SCM因子類の両者がSCM検査においてチャレンジ物質とし て使用でき、SCM因子検出のための抗血清を調製するために使用でき、種々の 遺伝子工学の方法における用途のための同等の遺伝子情報を有するDNA配列類 を作製するために使用できる。下記で説明するように、このSCM因子は、また 、癌の処置にも使用できる。 A.SCM検査のパフォーマンス(挙動) 精製SCM因子および合成SCM因子の両者ならびに前記SCM因子の断片類 の活性は、L.CercekおよびB.Cercek、”悪性疾患の診断におけ る細胞質マトリックスの構造明確性の変化現象の適用:総説(Applicat ion of the Phenomenon of Changes in the Structuredness of Cytoplasmic Ma trix(SCM) in the Diagnosisof Maligna nt Disorders:a Review)、”Euro.J.Cance r 13 ,903−915(1977)による先の刊行物に従って、SCM応答 性の生リンパ球に対するその効果によって確認する。本発明の一般的癌関連SC M認識因子は、その論文に記載のように実施したSCM検査において上記リンパ 球をチャレンジするために使用すると、癌罹患患者由 来の潜在的にSCM応答性のリンパ球の細胞内蛍光分極値を有意に低下させる。 上記チャレンジさせたリンパ球の細胞内フルオレセイン蛍光分極値の低下程度は 、実質的で−−−癌罹患ドナー由来血漿からの限外ろ液を上記リンパ球チャレン ジに使用したにしても少なくとも20%であり、もし精製RP−HPLC分画類 または合成ペプチド類を使用すれば40−55%と高くなる。 過去に確立された2種の方法は、本文で報告したSCM検操の適切なパフォー マンス(挙動)にとって重要である。これらの方法は、潜在的にSCM応答性の リンパ球の単離および蛍光分極値それ自体の測定、ならびに、SCM検査で有意 味な数値へのそれらの変換である。これらの方法は、先に参考として参照したB orisおよびLea Cercekによる先の米国特許出願第07/539, 686号に詳細に記載されている。したがって、これらの方法を本文で詳細に記 載する必要はない。 SCM検査の結果は、チャレンジさせたリンパ球の細胞内フルオロセイン蛍光 分極の値である。この値をP値と命名する。測定されたP値が大きければ大きい ほど、分極程度は高くなる。用語”PS”は、本発明のSCM因子のようなチャ レンジ剤によってチャレンジしたリンパ球のアリコートのP値を示すために使用 する。同様に、用語”PC”は、チャレンジ剤によってチャレンジしなかったリ ンパ球のアリコートのP値を示すために使用する。PSをPCと比較し、PCに対 するPSの比が約0.9未満であるのは、チャレンジしたリンパ球のドナーの体 内に悪性疾患が存在していることを示唆している。 SCM因子をSCM検査においてチャレンジ剤として使用する好 適な方法は、蛍光分極値に対するPSをフィトヘムアグルチニン(PHA)のよ うなマイトジェンに接触させたリンパ球の別のアリコートのPMと比較し、RRS CM =PS+PMであるSCM応答比RRSCMを求めることからなる。約0.9未満 のRRSCMは、悪性疾患の存在を示唆する。悪性疾患を全く有していないドナー 由来のリンパ球は癌関連SCM因子類に対してではなくPHAに対して応答する 一方、悪性疾患を有するドナー由来のリンパ球はPHAに対して応答せず癌関連 SCM因子類に対して応答する。応答パターンにおけるこの二重の変化が悪性疾 患の存在を鮮明に示唆することになる。 B.SCM特異的受容体類の検出 SCM応答性リンパ球に対するSCM因子の効果は、リンパ球の細胞膜中に局 在するSCM因子特異的受容体類に対するSCM因子の特異的結合によって媒介 されると考えられる。これらの受容体類は、放射性標識SCM因子、蛍光標識S CM因子、酵素標識SCM因子、または化学発光標識で標識したSCM因子のよ うな標識SCM分子類の使用によって、検出できる。これとは別に、SCM因子 は、ビオチンに結合させることができる。次に、アビジンまたはストレプトアビ ジンを酵素類、蛍光標識類、または放射性標識によって標識できる。標識された アビジンまたはストレプトアビジンを用いて、ビオチン結合SCM因子を標識す るために結合できる。 C.癌検出におけるSCM因子の用途 我々の特許出願第07/539,686号においても先に詳しく 述べたように、本発明のSCM因子は、癌検出におけるいくつかの目的のために 使用できる。 1.チャレンジ剤としてのSCM因子の用途 SCM因子またはその活性断片類のいかなるものも、癌検出のためのSCM検 査においてチャレンジ剤として使用できる。癌を全く有していないドナー由来で はなく癌を有するドナー由来のリンパ球を、SCM検査において癌関連因子類に 応答するようにさせる。したがって、癌を有するドナー由来のリンパ球のみがS CM因子に応答し、SCM検査において細胞内フルオロセイン蛍光分極値の低下 を起こす。この応答は、癌細胞または癌の大きさがそれ以外には検出できないよ うな時にも、SCM因子産生性の癌細胞がリンパ球ドナーの体内に存在すること の早期警告となる。 2 SCM因子特異的受容体類の検出 標識されたSCM因子分子類または断片類を用いて、SCM応答リンパ球分画 上におけるSCM分子類に対する受容体の存在を検出できる。前記標識は、放射 性標識、蛍光標識、化学発光標識または酵素標識であることができるが、これら に限定されない。これらの受容体の存在は、それ自体、癌を示唆するものである 。それらは、フローサイトメトリ、蛍光顕微鏡、酵素結合検定またはリンパ球受 容体のためのその他の検定を用いて検出できる。もしSCM分子類が放射性同位 体によって標識されるならば、オートラジオグラフィ、シンチグラフィ、および その他の放射性核種検出方法を用いて、SCM因子類に対する受容体の存在を検 出できる。 もしSCM応答リンパ球を単離し、洗浄し、飽和量の標識SCM 因子とインキュベーションすれば、SCM因子のリンパ球に対する結合程度は、 リンパ球1個当たりに存在するSCM因子の数を示唆する。この検査を用いて、 SCM因子に対するSCM応答性リンパ球の感作を示唆でき、SCM検査の別法 として用いて癌の存在を検出できる;それは、また、SCM検査所見を確認する ためにも使用できる。 3.癌生検におけるSCM因子分子類の検出 SCM因子分子類は、フローサイトメトリ、蛍光顕微鏡または酵素結合検定に よって、適切に標識された抗SCM抗体類を用いて癌生検において検出できる。 SCM因子分子類は癌細胞によって十分な量で産生されるので、それらの生検標 本中における存在は、生検標本を採取した組織の癌性質を強く確信させるものと なる。癌生検におけるSCM因子分子類の免疫化学検定による検出は下記のIV部 、”天然および合成SCM因子類の免疫化学”に詳細に記載されている。 4.体液中におけるSCM因子の検出 上記でも述べたように、SCM因子分子類は、血漿または尿のような体液中に 癌細胞によって排泄される。したがって、体液中におけるSCM因子の存在を一 般的癌特異的マーカーとして用いることができる。免疫化学検定による体液中に おけるSCM因子分子類の検出については、また、下記のIV部で詳細に検討した 。 IV.天然および合成SCM因子類の免疫化学 A.抗体類の調製 抗体類は、上記の天然および合成SCM因子類の両者ならびにその断片類につ いて調製できる。 1.抗体調製の一般的方法 抗体調製方法は、当技術で周知である。上記方法は、例えば、本文で参考とし て参照したE.HarlowおよびD.Lane、”Antibodies:A Laboratory Manual、”、Cold Spring Har bor Laboratory、1988に記載されている。天然および合成の 両者の29−35アミノ酸残基類の未改変SCM因子類は、抗体形成動物に注入 すると免疫原性となり得る十分な大きさである。好適には、注入は、フロインド のアジュバントとともに行い、さらに好適には、完全フロインドのアジュバント とともに行う。 SCM因子ペプチド類の小さな断片について、抗体産生の好適な方法は、前記 ペプチドをキャリアタンパク質に結合させることおよび生成した結合物を免疫原 として使用することからなる。好適には、前記免疫原は、フロインドのアジュバ ントとともに投与される。このようにして抗体を調製できるSCM因子断片類は 、 下記: (i)F−L−M−I−D−Q−N−T−K(配列番号:3) (ii)F−N−K−P−F−V−F−L−M−I−D−Q−NT−K(配列番 号:6) (iii)F−N−K−P−F−V−F−L−M−I−D−Q−N−T−K−V −P−L−F−M−G−K(配列番号:5)および (iv)M−I−P−P−E−V−K−F−N−K−P−F−L−M−I−D− Q−N−T−K(配列番号:4) ならびに、1個以上の保存的アミノ酸置換を取り込んだその誘導体類を含んでい る。 適切なキャリアタンパク質類および結合方法は、当技術で周知である。適切な キャリアタンパク質類として、かさ貝(keyhole limpet)ヘモシ アニン、ウシ血清アルブミン、卵白アルブミン、ポリリシン、およびツベルクリ ンの精製されたタンパク質誘導体(PPD)が挙げられるが、それらに限定され ない。 ビス(スルホサクシンイミジル)スベラート、ジメチルアジピメート、ジメチ ルピメリミデート、ジメチルスベリミデート、ジサクシンイミジルスベラート、 グルタールアルデヒド、−マレイミドベンジル−N−ヒドロキシサクシンイミ ド、スルホ−−マレイミドベンジル−N−ヒドロキシサクシンイミド、スルホ サクシンイミジル 4−(N−マレイミドメチル)−シクロヘキサン−1−カル ボキシラート、スルホサクシンイミジル 4− (−マレイミドフェニル)ブ チラート、およびN−サクシンイミジルブロモアセテートを含む多数の結合剤が 、当技術で周知である。官能基類のひとつがスルフィドリル基と反応するN−サ クシンイミジルブロモアセテートのようなヘテロ2官能基架橋剤について、結合 されるペプチドはそのカルボキシル末端において付加的システイン残基によって 架橋のために伸長できる(N.S.BernatowiczおよびG.R.Ma tsueda、”Preparation of Peptide−Prote in Immunogens Usin g N−Succinimidyl Bromoacetateas a He terobifunctional Cross−Linking Agent 、”Anal. Biochem.155:95−102 (1986))。 上述の未改変29−35アミノ酸天然および合成SCM因子類は、また、抗体 産生のためにキャリアタンパク質に結合でき、適宜、それらのカルボキシ末端に システイン残基を付加した後結合できる。 モノクローナル抗体類は、当技術で周知の方法に従って、調製できる(Har lowおよびLane、同上)。これらの方法は、望ましい特異性のモノクロー ナル抗体類を産生する不死化ハイブリドーマ細胞を産生することになる。 2.特異的抗体 2種の抗体類:(1)抗体産生動物をペプチドM−I−P−P−E−V−K− F−N−K−P−F−V−F−L−M−I−D−QN−T−K−V−P−L−F −M−G−K−C(配列番号:1)によって免疫して産生された抗体類で、その カルボキシ末端システイン残基においてキャリアタンパク質に結合している;お よび(2)抗体産生動物をペプチドM−I−P−P−E−V−K−F−N−KP −F−V−F−L−M−I−D−Q−N−T−K−V−P−L−F−M−G−K (配列番号:2)によって免疫して産生された抗体類は特に有用である。 これらの抗体類は、ポリクローナルまたはモノクローナルであることができる 。前記モノクローナル抗体は、本文で参考として参照 したJ.W.Goding、”Monoclonal Antibodies: Principles and Practice、”第2版、Academi c Press、London、1986に記載されているように、免疫した動 物および融合対として使用した骨髄細胞に応じて、マウス、ラット、ヒト由来ま たはハイブリッドであることができる。 また、Fab、Fab’またはF(ab’)2のような上述の抗体類から産生 された1価または2価の抗体断片類も、本発明の範囲内である。さらに、抗体サ ブユニットのインビトロ再会合によって産生されたハイブリット特異性の抗体類 も、本発明の範囲内である。 B.SCM因子分子類および断片類に対して調製された抗体類の特異性 本発明による抗体類の中には、癌認識因子類(SCM因子分子類)およびSC M因子分子類の断片を結合可能な抗体類がある。これらの抗体類は、抗体産生性 (動物)を適切なSCM因子または断片で免疫して、上述のようにして調製され る。断片について、前記断片は、典型的には、上述のようなキャリアタンパク質 に結合される。抗体類は、ポリクローナルであることもモノクローナルであるこ ともできる。 いかなる特定の理論にも限定されることを望まないが、下記で述べる各ペプチ ドまたは断片による免疫も、そのペプチドまたは断片に特異的に結合可能な抗体 類を産生するために必要でない。通常、タンパク質またはペプチド抗原の抗原決 定基は、長さがアミノ酸約 9−15個である(I.Wilsonら、”The Structure of an Antigenic Determinant,”)Cell 37: 767−778(1984))ので、抗原決定基領域外部の変化は、抗体の結合 に影響を及ぼさないであろう。したがって、1個のSCM因子または断片による 免疫によって調製された抗体類は、免疫に使用したペプチドと結合したペプチド の間の配列差異がこの抗原決定基外部にあるならば、もうひとつに結合できる。 この結合は十分に特異的で、1個の抗体に対して1個以上のペプチドまたは断片 を認識させ、交差反応ではない。 いかなる特定の理論に限定されることも望まないが、SCM因子のアミノ酸残 基14−22の領域は、いくつかの調製物中におけるDをEで極めて保存的に置 換することを除いて、非変異である。この領域は、抗原決定基を構成するために 正に適した大きさであり、抗体を作製しかつそれら(抗体)が特異的である抗原 決定基をこの高度に保存された領域が構成することは、非常に理にかなっている 。そのことは、キャリアタンパク質との結合のためにペプチドに対してカルボキ シ末端Cを付加することが生成した抗体の特異性を変化させないという事実によ って裏付けられる。 抗体類の特異性が前記中心配列に依存する場合、前記中心配列外部における因 子の変化は生成した抗体類の特異性を変化させないと考えられる。 本発明の抗体類として、M−I−P−P−E−V−K−F−K−N−P−F− V−F−L−M−I−D−Q−N−T−K−V−PL−F−M−G−K(配列番 号:2)からなる群から選択されたペプチドおよび1個以上の保存的アミノ酸置 換によるそれに関連した ペプチドを特異的に結合する抗体が挙げられる。 本発明の抗体類として、さらに、癌認識因子を特異的に結合する抗体が挙げら れ、前記因子は、9個のアミノ酸残基の中心配列を含む少なくとも9個のアミノ 酸残基のペプチドである。前記中心配列は、F−X15−M−X17−X18−X19− X20−X21−Kである。この配列において、X15およびX17は、それぞれ、I、 L、およびVからなる群から選択される。X18は、それぞれ、DおよびEからな る群から選択される。X19およびX20は、それぞれ、QおよびNからなる群から 選択される。X21は、SおよびTからなる群から選択される。前記因子は、SC M検査において応答可能で癌罹患患者由来のリンパ球の細胞内蛍光分極値を少な くとも10%低下させることができる。 好適には、前記中心配列は、F−L−M−I−D−Q−N−P−K(配列番号 :3)である。 ひとつの別法において、前記抗体を特異的に結合する癌認識ペプチドは、9個 のアミノ酸残基を有することができかつ配列F−X15−MX17−X18−X19−X20 −X21−Kを有することができる。好適には、この別法において、前記ペプチ ドは、配列F−L−M−I−D−Q−N−T−K(配列番号:3)を有する。 さらに別法として、前記抗体によって特異的に結合された癌認識ペプチド類は 、15個のアミノ酸残基を有することができかつ配列X9−K−P−F−X13− F−X15−M−X17−X18−X19−X20−X21−Kを有することができる。この 別法において、X9は、それそれ、QおよびNからなる群から選択され、および X13は、それ ぞれ、LおよびVからなる群から選択される。X15、X17、X18、X19、X20お よびX21は、上述の通りである。好適には、前記癌認識ペプチドは、配列F−N −K−P−F−V−F−L−M−I−D−Q−N−T−K (配列番号:6)を 有する。 さらにもうひとつの別法において、前記抗体によって特異的に結合された前記 癌認識ペプチド類は、22個のアミノ酸残基を有することができかつ配列M−X2 −P−P−X5−X6−K−F−X9K−P−F−X13−F−X15−M−X17−X18 −X19−X20−X21−Kを有することができる。この別法において、X2およ びX6は、それぞれ、I、L、およびVからなる群から選択される。X5は、それ ぞれ、DおよびEからなる群から選択される。X9は、それぞれ、QおよびNか らなる群から選択される。X13、X15、X17、X18、X19、X20,およびX21は 、上記に定義した通りである。好適には、前記癌認識ペプチドは、配列M−I− P−PE−V−K−F−N−K−P−F−V−F−L−M−I−D−Q−N−K −T−K(配列番号:4)を有する。 さらにもうひとつの別法において、前記抗体によって特異的に結合された前記 癌認識ペプチドは、22個のアミノ酸残基を有することができかつ配列F−X9 −K−P−F−X13−F−X15−M−X17−X18−X19−X20−X21−K−X23 −P−X25−F−M−G−Kを有することができる。この配列において、X23お よびX25は、それぞれ、I、L、およびVからなる群から選択される。X9、X1 1 、X13、X15、X17、X18、X19、X20、およびX21は、それぞれ、上記で定 義した通りである。好適には、前記癌認識ペプチドは、配列F−N−K−P−F −V−F−L−M−I−D Q−N−T−K−V−P−L−F−M−G−K(配列番号:5)を有する。 本発明による抗体類は、さらに、M−X2−P−P−X5−X6K−F−X9−K −P−F−X13−F−X15−M−X17−X18−X19−X20−X21−K−X23−P −X25−F−M−G−Pのアミノ酸配列を有する癌認識因子を特異的に結合する 抗体を含む。この配列において、X2、X6、X9、X13、X15、X17、X18、X1 9 、X20、X21、X23、およびX25は、小さいペプチド類に関して上記で定義し た通りである。 好適には、前記因子は、配列M−I−P−P−E−V−K−F−N−K−P− F−V−F−L−M−I−D−Q−N−T−K−VP−L−F−M−G−K(配 列番号:2)を有する。 本発明の抗体類は、さらに、長さが29−35個のアミノ酸類の癌認識因子を 特異的に結合しアミノ酸14−22における中心配列を含む抗体類を含む。この 中心配列は、 F−L−M−I−D−X18−N−T−K であり、式中、X18は、DおよびEからなる群から選択される。 上述の癌認識因子を結合可能な抗体類は、下記の癌認識因子類を特異的に結合 する抗体類を含む: (1)配列V−I−P−P−E−V−K−F−N−K−P−F−V−F−L−M −I−D−Q−N−T−K−V−P−L−F−M−G−K(配列番号:8)の癌 認識因子。 (2)配列M−I−P−P−E−V−K−F−N−K−P−F−VF−L−M− I−D−Q−N−T−K−C−P−C−F−M−G−C(配列番号:9)の癌認 識因子。 (3)配列X1−I−P−P−E−V−K−F−N−K−P−FV−F−L−M −I−D−Q−N−T−K−C−C−L−F−M−G−K(式中、X1は、Mお よびVからなる群から選択される)の癌認識因子。 (4)配列X1−I−P−P−E−V−K−F−N−K−P−FV−F−L−M −I−D−Q−N−T−K−R−P−F−M−G(式中、X1は、RおよびSか らなる群から選択される)の癌認識因子。 (5)配列V−I−P−P−E−V−K−F−N−K−P−F−VF−L−M− I−D−Q−N−T−K−C−P−L−F−M−G−K(配列番号:10)の癌 認識因子。 (6)配列V−I−P−P−E−V−K−F−N−C−P−F−VF−L−M− I−D−Q−N−T−K−V−P−L−F−M−G−K(配列番号:11)の癌 認識因子。 (7)アミノ酸配列類X1−I−P−P−E−V−K−F−N−KP−F−V− F−L−M−I−D−Q−N−T−K−C−P−CF−M−G−CおよびX1− I−P−P−E−V−K−F−NK−P−F−V−F−L−M−I−D−Q−N −T−K−C−PC−F−M−G−C−V−V−N−C−T−E(式中、X1は 、RおよびSからなる群から選択される)を有するペプチド類からなる群から選 択される癌認識因子。 (8)アミノ酸配列類X1−I−P−P−E−V−K−F−N−KP−F−V− F−L−M−I−E−Q−N−T−K−S−P−LF−L−G−KおよびX1− I−P−P−E−V−K−F−NK−P−F−V−F−L−M−I−E−Q−N −T−K−S−P L−F−M−G−K−V−V−N−P−T−Q(式中、X1は、VおよびSから なる群から選択される)を有するペプチド類からなる群から選択される癌認識因 子。 (9)配列X1−I−P−P−E−V−K−F−N−K−P−FV−F−L−M −I−E−Q−N−T−K−S−P−L−F−M−G−K−V−V−N−P−T −Q(式中、X1は、SおよびVからなる群から選択される)の癌認識因子。 C.SCM因子のイムノアッセイ ポリクローナルであれモノクローナルであれSCM因子類に対する抗体類がい ったん産生されると、それらは、競合または非競合サンドイッチイムノアッセイ ;比色検定(例 ELISA、PGLIA(人工物群−標識イムノアッセイ)、 SLIFIA(基質標識蛍光イムノアッセイ)等);ラジオイムノアッセイ(R IA)のようなラジオメトリック方法;および生物発光および直接または触媒化 学発光を含む発光を用いる検定を含むいかなる種類のイムノアッセイにおいても 用いられるが、それらに限定されない。直接化学発光方法は、アクリジウム誘導 体類のような発光団を使用することができる;触媒化学発光方法は、西洋わさび パーオキシダーゼのような酵素的または金属類のような非酵素的触媒類のいずれ かを使用することができる。 多数のイムノアッセイが当技術で公知であり、両者ともに参考として参照した M.Oellerich、”Enzyme−Immunoassay:A Re view、”J.Clin.Chem.Clin.Biochem.22:89 5−904(198 4)およびC.BlakeおよびB. J.Gould,”Useof Enz ymes in Immunoassay Techniques、”Anal yst 109:533−547(1984)中に要約されている。抗原−抗体 複合体の凝集(すなわち、格子の形成)に依存するイムノアッセイを除くこれら の種類のイムノアッセイの全てについて、FabまたはFab’断片類のような 抗体類の1価の断片類は、いくつかの適用において、未改変2価の抗体分子類の 代わりに置換できる。 イムノアッセイにおける検出のために使用される標識(ラベル)は、必要な感 度および特定のイムノアッセイの詳細に依存している。適切な標識は、蛍光標識 、酵素標識、化学発光標識、生物発光標識、放射性標識、金属ゾル標識、ラテッ クス標識、および比色標識を含んでいる。 ひとつの特に有用なイムノアッセイ種類は、酵素結合免疫吸着検定(ELIS A検定)である。SCM因子検出用競合的ELISA検定は、下記で例10にお いて検討した。簡単に述べると、この競合的ELISA検定では、 (1)タンパク質を結合可能な固相に対して、SCM因子または免疫学的に等価 のそのアナログの付着; (2)検定する試料の添加; (3)SCM因子に特異的な第1抗体との前記固相のインキュベーション; (4)第1抗体に特異的な第2抗体とのインキュベーションで、前記第2抗体は 、基質とインキュベーションした時に比色法で検出可能な生成物をもたらす酵素 によって標識されている; (5)前記酵素に対する基質の添加;および (6)前記検出可能な生成物の吸光度測定; を含んでいる。 この検定は競合検定であるので、固相に付着した抗体に結合した酵素のみが色 を呈する。検査試料中におけるSCM因子の存在は、固相上においてSCM因子 に対する抗体の結合を競合的に阻害し、従って、色の収率を低下させる。 好適には、SCM因子または免疫学的アナログが付着した固相は、プラスチッ クである。ペプチド類およびタンパク質類のプラスチックへの付着は、当技術で 周知であり、例えば、本文で参考として参照したP.Tijssen、 ”Pr actice andTheory of Enzyme Immunoass ays、”(EIsevier、 Amsterdam、1985)、pp.2 97−314に記載されている。好適には、第1抗体は、ウサギSCM因子抗体 であり、第2抗体は、アルカリホスファターゼで標識したヤギ抗ウサギIgG抗 体であり、基質は、p−ニトロフェニルリン酸である。 好適には、吸光度の測定は、検出可能な生成物の最大吸光度の波長、すなわち 、p−ニトロフェニルについて405nmにおいて実施される。しかし、ある場 合には、生成物の最大吸光度の波長と異なる波長で測定を実施し、検定に存在す る別の化合物の干渉を最小とすることが望ましいこともある。 ELISA検査は、典型的には、室温で行われるが、4℃または37℃、なら びにその間のいかなる温度でも実施できる。第1抗体との固相のインキュベーシ ョン時間は、典型的には約2分から約1 時間であり、さらに典型的には、約10分から約30分である。第2抗体とのイ ンキュベーションは、典型的には、約5分から約1時間であり、さらに典型的に は、約10分から30分である。前記検定は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS) のようないかなる適切な緩衝液中においてもまたはトリス−塩酸中においても実 施できる。典型的には、前記検定は、約6乃至約8のpHにおいて行われる;好 適には、前記pHは、約7.2乃至約7.8である。一部の場合において、ヤギ 血清のような非免疫イムノグロブリンを添加し、少量のタンパク質の凝集によっ て引き起こされた非特異的交差反応を防止することが望ましいであろう。ELI SAを用いて、血漿の限外ろ液中におけるSCM因子のレベル(例12)、血清 を含まない上清癌細胞培養培地から作製した調製物中におけるSCM因子の存在 (例13)および培養ヒト癌細胞中におけるSCM因子の存在(例14)を検出 できる。 これとは別に、実質的に低いタンパク質含量を有する試料について、非競合E LISAを、存在するあらゆるSCM因子を含む試料中においてペプチド類およ びタンパク質類を固相に結合させ、次に、上記で述べた抗SCM抗体と反応させ ることによって、実施することができる。第1抗体に特異的な第2酵素標識抗体 を次に添加し、適当にインキュベーションした後、生成物の吸光度を測定する。 このELISAバージョンでは、測定吸光度が高ければ高いほど、試料中に当初 存在するSCM因子の量が多くなる。 α1−PIとのSCM因子抗体類との配列相同性によるそれらの間の潜在的交 差反応性の故に、α1−PIまたは他のあらゆる部分的相同性のペプチド配列に よる可能なあらゆる免疫化学干渉を排除 または補正するようにして、ELISAを実施することが望ましい。好適には、 2分析物質イムノアッセイを、D章で下記に述べたように実施する。 これとは別に、前記α1−PI分子類は、1,000−3,000ダルトンの 公式の分子量カットオフまたは分子量約52,000を有するα1−PIを効率 的に排除するその他のいかなる分子量カットオフを有するフィルターによる限外 ろ過を含むいくつかの技術のひとつによって、クロマトグラフィカラムを通過さ せることによってまたはα1−PIをα1−PIが安定な複合体を形成するトリプ シンのような固定化プロテアーゼ類に結合させることによって、試料から除去で きる。 D. 部分的相同炎症関連タンパク質の存在下でのSCM因子の検出のための2 被検体イムノアッセイ 上記のセクションCで述べたように、部分的相同ペプチド配列からの干渉を訂 正するように2被検体検定としてSCM因子についてのイムノアッセイを行うこ とが好ましい。そのような部分的相同ペプチド配列の特定の例は、α1−PIま たはそのフラグメントである。そのような検定は、典型的には、細胞、細胞上澄 み液または細胞画分について行い、そのなかのSCM因子の存在を検出する。こ の検定は次のようにして行われる: (1)癌認識因子に対し特異的な第1の抗体とともにサンプルの第1のアリコ ートを温置して第1の抗体を癌認識因子に結合させまた第1のアリコート中の部 分的相同ペプチドと結合させ、 (2)サンプルの第2のアリコートを、癌認識因子の配列のいずれかの部分に 関して実質的相同性に欠ける部分的相同ペプチド配列の一部に対して特異的な第 2の抗体とともに温置して、第2の抗体を第2のアリコート中のその部分的相同 ペプチド配列にのみ結合させ、 (3)第1のアリコートに結合した第1の抗体の量を、第2のアリコートに結 合した第2の抗体の量と比較して癌認識因子を検出する。 この検定は、α1−PI分子(α1−抗トリプシンとしても知られる)のアミノ 末端領域が癌認識因子の配列のいずれかの部分に関して実質的な相同性に欠ける という事実を利用している。参考とし てここに記載した出願番号第07/539,686号に開示したように、これに 開示したSCM活性癌認識因子は、α1−PIの残基358−388または39 3から延長するα1−PIの領域に相同する、すなわち、α1−PIのカルボキシ 末端に隣接する。したがって、α1−PIのアミノ末端領域に特異的な抗体は、 α1−PIにだけ結合し、SCM活性癌認識ペプチドには結合せず、SCM活性 癌認識ぺプチドに特異的な抗体は、α1−PI分子の対応する部分に結合する。 したがって、SCM因子ペプチドまたはその一部に特異的な抗体と一緒にした部 分的相同ペプチド配列の非相同部分に特異的な抗体の使用は、部分的相同ペプチ ド配列の存在下でSCM活性癌認識因子の検出をする向上した方法である。 好ましくは、この検定を受けるサンプルは、細胞サンプル、たとえば、癌細胞 を含むと思われるサンプルである。あるいは、サンプルは、体液、特に、尿また は唾液のサンプルであってよい。 第1のアリコートに結合した第1の抗体の量は、第2のアリコートに結合した 第2の抗体の量と、両方の量の間の比を得ることにより比較され得る。1よりも 小さな比は、SCM因子の存在を示す。1よりおおきな比は、SCM因子が存在 しないことを示す。 典型的には、部分的相同ペプチド配列は、α1−PIのような炎症関連タンパ ク質のセグメントを少なくとも含んでなる。好ましくは、SCM因子ペプチドの 配列との実質的相同に欠ける部分的相同ペプチド配列のセグメントに特異的な第 1の抗体は、α1−PIの アミノ末端部分に特異的である。より好ましくは、α1−PIのアミノ末端部分 は、アミノ末端の19個のアミノ酸である。SCM因子に対する第2の抗体は、 上記した抗SCM抗体のいずれかであり得る。しかしながら、いくつかの抗体が この検定で使用されるのが好ましく、その理由は、SCM因子ペプチドまたはそ の高度に保存されたフラグメントへのその結合による: (1) M−I−P−P−E−V−K−F−N−P−F−V−FL−M−I− D−Q−N−T−K−V−P−L−F−M−G−K(配列番号1)およびこれに 関連するペプチドからなる群から選択されたペプチドを1つまたはそれ以上の保 存的アミノ酸置換により特異的に結合する抗体; (2)ペプチドM−I−P−P−E−V−K−F−N−K−PF−V−F−L −M−I−D−Q−N−T−K−V−P−L−FM−G−K(配列番号2)を特 異的に結合する抗体;および (3)ペプチドF−L−M−I−D−Q−N−T−K (配列番号3)を特異 的に結合する抗体。 典型的には、検定の別々のアリコートが、適当な抗体と、上記したように非拮 抗的ELISA検定で反応させられる。第1のアリコートに結合した第1の抗体 の量を第2のアリコートに結合した第2のアリコートの量と比較する段階は、以 下からなり得る: (1)温置したアリコートを第1と第2の抗体に特異的な検出抗体と反応させ る段階であって、検出抗体が検出可能なラベルと結合されている段階、 (2)ラベルを検出する段階。 典型的には、第1と第2の抗体は、両者ともウサギIgG抗体であり、第1と 第2の抗体の両者に特異的な検出抗体は、ウサギIgGに特異的な抗体である。 しかしながら、他の非ヒトほ乳動物IgG抗体は、第1と第2の抗体が同じ種か らくるのである限り第1と第2の抗体として用いられ得ることが理解されるべき である。そのような抗体は、たとえば、ヤギ、ヒツジまたはウマ抗体であろう。 ラベルは、酵素ラベル、蛍光ラベル、放射性ラベル、比色ラベル、金属ゾルラ ベルおよび化学発光ラベルからなる群から選択され得る。好ましくは、ラベルは 、酵素ラベルたとえばβ−ガラクトシダーゼ、セイヨウワサビ(horsera dish)、グルコースオキシダーゼまたはアルカリ性ホスファターゼである。 最も好ましくは、酵素ラベルは、アルカリ性ホスファターゼである。 アルカリ性ホスファターゼに対する多くの基質が、本分野で公知である。好ま しい基質は、−ニトロフェニルホスフェートである。 別法として、第1と第2の抗体は、それぞれ、たとえば、アビジン−ビオチン 特異性結合対のメンバーに結合され得る。第1および第2の抗体は、結合対の同 じメンバー、すなわちアビジンまたはビオチンのどちらかに結合され得る。この 選択肢で、第1のアリコートに結合している第1の抗体の量を第2のアリコート に結合している第2の抗体の量に比べる段階は、次の段階を含んでいる: (1)第1と第2のアリコートを検出可能なラベルと別個に反応 させる段階であり、該検出可能なラベルが、第1と第2の抗体に結合した特異的 結合対メンバーに相補的な特異的結合対メンバーに結合している段階、 (2)SCM因子の存在を測定するため第1と第2のアリコートに結合したラ ベルを別個に検出する段階。 2被検体検定が、ナノグラム範囲のSCM因子を検出し得る。 次の例は、以下のことを説明する: (1)癌の患者の体液からの実質的に精 製されたSCMの単離、精製、特性決定および活性;(2)合成SCM因子の部 分的配列を含んでなるぺプチドおよび合成SCM因子の特性決定および活性;お よび(3)SCM因子に特異的な抗体の準備と利用。これらの例は、説明上の目 的だけのものであり、本発明を限定するものと解釈されるものではない。例1 血漿からの一般的癌関連SCM因子の初期精製 活性癌、たとえば、乳癌、肺癌、結腸癌、卵巣癌、頸部癌、子宮癌、喉頭癌ま たは皮膚癌(基礎の細胞癌腫および悪性メラノーマ)とはっきり診断されら患者 からの血液サンプルを、ヘパリン添加したバイアルたとえばVACUTAINE RTM管に集めた。血液サンプルの20ml部分を約40分間約1200xgで遠 心分離した。沈降した血液細胞上方の血漿を集め、1000ダルトン分子量カッ トオフでたとえばAMICONTM UM2またはYM2フィルターのような有孔 膜フィルターを通して圧力により濾過した。これらの限外濾過液は、さらに精製 するまで凍結乾燥するかまたは4℃で保存した。これらの限外濾過液を上記のS CMテスト手順で用いた時、いづれれの場合も、限外濾過液は、SCM応答リン パ球がP値の減少をもって特徴的に応答し、それらはあたかも癌性の組織自体と 接触したかあるいは癌性の組織の抽出物と接触したかのようであった。例2 例1のSCM因子のさらなる精製 例1のサンプルからの凍結乾燥した粉体を、注入用の無菌で保存剤なしの水2 mlに溶解させた。この段階で、配合物(preparation)のSCM活 性を、確認し、癌の同じ種類で部位のドナーからの活性なサンプルをプールした 。プールしたサンプルは、分画範囲0−700ダルトンを有するSEPHADE XTM G10の0.9x18cmのカラムで脱塩した。カラムクロマトグラフィ ーラン当たりのサンプル容量は、カラム容量の25%を越えなかった。溶離は、 線溶離速度8−9cm/時で二重(double)蒸留水を用いて行った。脱塩 は、室温(21−23℃)で行った。0.3と0.5x全クロマトグラフィーベ ッド容量の間で溶離する1ml画分を集め、画分の光学密度を測定した。SCM 活性は、第1の溶離ピーク内に含まれた。ピークのSCM活性の存在はSCMテ ストにより確認された。乳癌の患者の血漿から元来誘導した限外濾過液から得た 第1の溶離ピークのアリコートは、乳癌患者 からのリンパ球のP値を、SCMテストで対照値の86.3%に減じ、SCM活 性の存在を示した。これらの画分を集めて凍結乾燥した。 溶出液は、分画範囲1500−30,000ダルトンを有するSEPHADE XTM G−50ゲル濾過カラムで分画することによりさらに精製した。凍結乾燥 し脱塩したサンプルは、50mMのNH4HCO3に溶解させ、線溶離速度3cm /時で0.9x18cm SEPHADEXTM G−50カラムでカラム容量5 %以下で充填した。溶離は、室温で行い、0.4と0.6x全クロマトグラフィ ーベッド容量の間のカラムから溶離する1mlの画分を集めた。これらの画分を SCM活性についてテストした。SCM活性画分は、SCMテスト中の画分のテ ストの後、1mlの画分の光学密度により測定されるように第1の溶離ピーク内 に含まれた。 画分をSCM活性についてテストした後、同じ癌の種類からの活性な画分をプ ールして凍結乾燥した。 さらに精製するため、凍結乾燥したサンプルを10mMのNH4HCO3に溶解 させてから、Whatman DE−52マイクロ粒状(microgranu lar) DEAE−セルロースの0.8x26cmカラムでカラム容量4%以 下で充填した。カラムは、10mM−1MのNH4HCO3に1分当たり0.10 8%で増加させ10mMの水性NH4HCO3 10mlで洗浄した。1mlの画 分を集め、200nmの光学吸収を各画分について測定し た。光学吸光度に基づき、4.5と4.7x全クロマトグラフィーベッド容量の 間のカラムから溶離する活性画分をプールし、テストのためとさらに精製するた め凍結乾燥した。これらの画分は、上記したようにSCMテストでテストした時 SCM活性を示した。癌のない患者からのリンパ球がSCMテストでのこれらの 画分に応答しないので、SCM活性は、癌に対して特異的であった。例3 RP−HPLCによる例2のSCM因子の最終精製 例2のDE−52一般癌関連SCM活性画分を再構成し、2.1mmx22c mHPLCカラムを用いて逆相高圧液体クロマトグラフィー(RP−HPLC) により均質性となるまで精製した。カラムは、AQUAPORE PR−300TM (7ミクロン)を充填した。RP−HPLC精製段階で用いた移動相は、次の ようであった: 相A:0.1容量%の水性トリフルオル酢酸(TFA)。 相B:水性の70%アセトニトリル中に含むようにした0.09容量%の水性 TFA。 凍結乾燥したDE−52 SCM活性画分を、注入用無菌水(保存剤を含まな い)により再構成し、250マイクロリッターのアリコートをRP−HPLCカ ラムに注入した。移動相流量は、50マイクロリッター/分であり、その組成プ ロフィールは、10分の90容量%の相A、10容量%の相B、さらに1分当た り3容量%の割合での30分の線増加の相Bとした。220nmでの光学吸光度 により検出された光学密度ピークは、1.5mlプラスチック円 錐Eppendorf遠心管へ『ナノボア(nanobore)』テフロンチュ ーブを介して手により集め、溶剤は、真空遠心機で蒸発させた。すべての場合で 、一般癌関連SCM認識因子が、相Bの74%容量%でカラムから溶離した。溶 離したSCM因子は、SCMテストで活性を有した。癌のない患者からのリンパ 球が、SCMテストで溶離因子に応答しないので、活性は、癌に特異的であった 。例4 SCM因子の代わりのRP−HPLC精製 別法として、SCM因子は、例2のDEAE−52SCM活性画分を用い、B eckman Instruments, Inc.により流通されるUltr asphere ODSTM(5ミクロン)を充填した4.6mmx25cmHP LCカラムを使用してHPLCを行うことにより精製し得る。このカラムを用い た移動相は次のようであった: 相A:0.1容量%の水性トリフルオル酢酸(TFA)。 相B:水性の70%アセトニトリル中に含むようにした0.1容量%のTFA 。 次の点を別として同じ一般的手順をAQUAPORETMカラムについてこのカ ラムにより行った:移動相流量は、1.00ml/分そしてその組成プロフィー ルは、70容量%の相A5分間、30容量%の相Bさらに1分当たり3.5容量 %の割合で相Bの線増加20分とした。光学的密度ピークは、220nmで検出 され、シリコナイズド(siliconized)ガラス管に手で集め、、溶剤 は、真空遠心機で蒸発させた。このHPLCシステムを用いた 時、すべての場合で、頸部の鱗状細胞癌腫、胸の腺癌、気管支の腺癌および悪性 メラノーマを含む19の各種の癌からの一般的癌関連SCM認識因子の精製は、 相Bの56.3容量%で溶離する活性の単一光学密度ピークを常に生じた。この 活性は、癌に特異的であった。例5 乳癌および肺癌の患者の血漿から精製したSCM因子からのSCM活性トリプシ ンペプチドの確認と単離 SCM活性を有するトリプシンペプチドを、乳癌または肺癌の患者の血漿から 単離した精製SCM因子から単離した。トリプシンによる精製因子の切断および 活性画分の精製は、次の手順で行った: 凍結乾燥の間にペプチドの吸収損失を防ぐため、SCM因子をHPLC溶出液 の存在下でトリプシンにより消化させた。トリプシン消化は、トリプシン10重 量%を用いて、24時間37℃でpH8.3で0.1M Tris−HCl中で 行った。消化物は、0.1容量%の水性トリフルオル酢酸で4倍に希釈し、Ap plied Biosystems130Aマイクロフロ−HPLC分離システ ム中に注入した。トリプシン分画は、AQUAPORETMRP−300カラム( 200mmx2.1mm)を使用して分離した。分画の溶離については、移動相 溶剤は次のようであった: 相A:0.1容量%の水性トリフルオル酢酸(TFA)。 相B:水性の70%アセトニトリルに含むようにした0.09容量%のTFA 。 移動相流量は、50μl/分とし、組成プロフィールは、次のようにした:1 0分間の96容量%の相A、4容量%の相Bさらに1分当たり3容量%とした相 B中の30分線増加からなる線溶離勾配。SCM活性トリプシンペプチド分画は 、69.6容量%の相Bおよび全量約30マイクロリッター中の30.4容量% の相Aで溶離した。 肺癌の患者から精製したSCM因子から切断したトリプシンペプチドを、SC M活性についてテストし、完全に活性であることがわかった。例6で測定した全 単離SCM因子の配列と比較して、これらのトリプシンペプチドは、SCM因子 分子のアミノ酸8−22を示すことがわかった。 肺癌患者の血漿からのSCM因子から得たトリプシンペプチド(その精製は上 記した)は、標準SCMテストで完全に活性であった。その活性は、胸の腺癌の 患者からのリンパ球でテストした時完全に交差反応したので、肺癌の患者からの リンパ球に限定されなかった。例6 単離SCM因子のアミノ酸配列 12の異なった癌の血漿からの精製配合物から測定した単離SCM因子のアミ ノ酸配列は、表1に示す。配列は、オンライン120A PTH−アミノ酸分析 装置と組み合わせたApplied Biosystems477Aタンパク質 シーケンサーを用い、自動化したEdman分解手順により測定した。シーケン スコーリング ソフトウエアーを用いて、各サイクルでアミノ酸残基を確立した。SCM因子ペ プチドの配列は、同じ種類の癌の診察の約5−50人の異なる患者のプールした 血漿からの均質性に単離し精製した2−3の異なる配合物の繰り返した分析で得 た。下記に括弧内で、特定の分解サイクルで検出される主な最も有意的な残基と 呼ぶアミノ酸残基は、有意的な量で分解サイクルのいくつかで存在する第二アミ ノ酸残基を示す。これらの第二残基は、配列決定に用いたサンプルプールに含ま れる個々の血液ドナーからのSCM因子の遺伝子多形性(genetic po lymorphism)の存在を示し得る。これらの多形性の置換の全部ではな くとも多くは、保存的置換(conservative substituti on)である。全部で35のアミノ酸が見られる2つの場合では、終わりの6個 は、弱かった。このことは、2つの別個の因子が、配合物中にあり、29のアミ ノ酸のうちの1つと、35のアミノ酸までの2番目であることを示す。これらの 2つの配合物は、睾丸のセミノームまたは前立腺の癌のドナーからであった。い くつかの場合、アミノ酸は、『X』で示した特定のサイクルで見られなかった。 これらのアミノ酸は、ほぼおそらくシステインであり、システイン(C)と呼ば れる。このことは、20の普通のアミノ酸のうち、システインは、Edman分 解手順により検出できない唯一のアミノ酸であるからである。次の表で、『Ca 』は、『癌』を示す。 例7 合成SCM因子のSCM活性 M−I−P−P−E−V−K−F−N−K−P−F−V−F−L−L−I−D −Q−N−T−K−V−P−L−F−M−G−K (配列番号2)の『共通配列 』を示す合成SCM因子は、従来の固相ペプチド合成法を用いて合成された。こ のような方法は、たとえば、M. Bondanszky, ”Peptide Chemistry” (Springer−Verlag, Berlin , 1988), Ch. 10, ”Solid Phase Peptid e Synthesis”に記載されている。 この合成SCM因子のSCM活性は、標準的なSCMテストによりテストされ た。合成SCM因子は、SCMテストで十分に活性であった;この活性は、癌患 者からのリンパ球に特異的であった。例7 合成SCM因子のフラグメント 例7の合成SCM因子の明確なフラグメントを示すペプチドを、従来の固相ペ プチド合成法により合成した。これらのペプチドは、F1−F5と名づけ、次の 配列を有する: F1:M−I−P−P−E−V−K−F−N−K−P−F−V−F−L−M− D−Q−N−T−K(配列番号4); F2:F−N−K−P−F−V−F−L−M−I−D−Q−N−T−K−V− P−L−F−M−G−K (配列番号5) F3:F−N−K−P−F−V−F−L−M−I−D−Q−NT−K (配列 番号6) F4:F−L−M−I−D−Q−N−T−K (配列番号3) F5:M−I−P−P−E−V−K−F−N−K−P−F−V−F(配列番号 7) これらのフラグメントは、完全な合成SCM分子の次の部分を示した:F1、 アミノ酸1−22;F2、アミノ酸8−29;F3、アミノ酸8−22;F4、 アミノ酸14−22;およびF5、アミノ酸1−13。 フラグメントF1、F2、F3およびF4は、すべてSCMテストで完全に活 性であり、フラグメントF5は、不活性であった。フラグメントF1−F4につ いては、これらのフラグメントが、悪性度のないドナーから単離したリンパ球に 対抗するように用いられた時、蛍光偏光の減少を与えないのでSCM応答の予期 される特異性 が保たれた。 合成SCM分子の活性フラグメントを示すペプチドのうち、最も小さいのは、 F4、残基14−22である。他の活性ペプチドのすべては、このセグメントを 含み、このセグメントを有さないF5は不活性である。したがって、残基14− 22は、合成SCM因子分子の活性部位であると考えることができる。有意的に は、ペプチドのこの領域は、因子の2つの位置18のアスパラギン酸(D)に対 するグルタミン酸(E)の極めて保存的の置換を別として、単離SCM因子で実 質的に不変である。例9 合成SCM因子に対する抗体の準備 合成SCM因子分子を、実験動物を免疫化するために用いた。純粋な合成SC M因子分子とSCM因子分子が、架橋剤としてN−スクシンイミジルブロモアセ テートを用い添加カルボキシ末端システインを介してキャリヤーキーホールリン ペットヘモシアニン(KLH)に複合化(conjugate)した。これらの 免疫原は、雌のニュージーランドウサギを免疫化するために用いた。両方の免疫 原を、一次免疫化のために、Freund’s完全補助液の等容量と組み合わせ た滅菌PBSにより1.0mg/mlに希釈して、乳化した。一次免疫化に対し て、KLHと複合化させた合成SCM因子(SCM−KLH)または合成SCM 因子の全量で25μgまたは50μgをそれぞれのウサギに注入した;2匹のウ サギをそれぞれの投与範囲に対して用いた。接種は、2つの足に0.2mlで筋 肉内投与し、最小限12背面部位で皮下投与を0.2ml/部位で行った。1か 月後、最初のブースター注入を施した。合成SCM因子およびSCM−KLHを Freund′s完全補助液と不完全補助液の等容量の混合物とともにそれぞれ 投与し、乳化させた。ブースター接種は、一次接種に用いた場合と同様に筋肉内 部位および皮下部位を通じて注入した。ウサギ一匹当たり全投与量25μgまた は50μgの免疫原を、ブースター注入で投与した。 一次免疫化の後10週で採取した血液サンプルは、25μgの免疫原を注入し た動物からよりも50μgの免疫原を注入した動物から免疫グロブリン(IgG )の高い量を含む免疫血清を生じた。W. Beckerの『単一ラジアル免疫 拡散法を用いる免疫血清タイターの測定(Determination of Antisera Titres Using the Single Rad ial Immunodiffusion Method)』、Immunoc hemistry , 539 (1969)に記載のようにして行ったラジ アル免疫拡散法テストは、ウシ血清アルブミン(BSA)に複合化したSCM因 子および複合化してないSCM因子に対して沈降反応を与えた。 免疫血清から所望の抗体を含む免疫グロブリンを分けるため、免疫グロブリン を、まず、等しい量の飽和硫酸アンモニウムにより沈殿させた。次に沈殿を0. 9%NaCl中に溶解させた。硫酸アンモニウムを除くため、抗体含有溶液を、 透析するかまたは5000ダルトン分子量カットオフとしたAMICONTM膜フ ィルターを通して10回限外濾過した。抗体は、使用するまで−40℃で凍結さ せておいた。例10 SCM因子についてのELISA検定 二重抗体酵素結合拮抗免疫吸着剤検定(ELISA)を、SCM因子(例9) に対して育てた抗体の使用によりSCM因子の検出に対し展開させた。ELIS A検定は、図1に図式的に示した。第1段階では、SCM因子を典型的には、受 動吸着(passiveadsorption)によりプラスチックのような固 相に付けた。第2段階では、抗SCM抗体の限定量とともに、検定されるべきサ ンプルを加えた。十分洗浄した後、過剰の標識した第2の抗体である、酵素アル カリ性ホスファターゼで標識したヤギ抗ウサギIgGを第3段階で加えた。アル カリ性ホスファターゼに対する基質である−ニトロフェニルホスファターゼを 、次に加え、405nm(A405)での吸光度を測定した。この検定では、第2 段階で加えた遊離のSCM因子が、固相に吸着されたSCM因子と競争する。第 1と第2の抗体が結合している固相SCMだけが、色を生じる。したがって、テ ストサンプル中のSCM因子の濃度が高ければ高いほど、測定されるA405は低 い。このことは、拮抗検定に典型的である。 この手順の変形を用いて、ガン細胞のSCM分子、成長培地の上澄み液、癌患 者からの血漿標品(preparation)および各種供給源からのSCMの 精製抽出物を検出した。例11 抗SCM抗体の活性 複合化してないSCM因子およびKLH−SCM因子複合化体の両者に対して 育てた例9の抗体の活性を、例10のELISA検定の変形により測定した。抗 体の各種希釈したものを用い、遊離SCMを示すサンプルを検定に加えなかった 。結果は、複合化してないSCM因子に対して育てた免疫血清について図2に示 し、KLH−SCM因子複合化体について図3に示した。わかるように、両方の 抗体標品が、精製SCM因子に対して活性であった。例12 ELISA検定による血漿の限外濾過液のSCM因子のレベルの測定 SCM因子のレベルを、健康なドナーおよび癌患者の両者からの血漿の多数の 限外濾過液で測定した。12人の癌患者および12人の健康なドナーからの血漿 の限外濾過液を、1000ダルトン分子量カットオフとしたAMICONTM膜フ ィルターを通す濾過により準備した。SCM因子のレベルを、例10のELIS A検定により免疫化学的に検定した。結果を表2に示す。ELISA検定により 検出したSCM因子のレベルは、限外濾過液1ミリリッター当たりナノグラム範 囲であった。癌にかかったドナーからの限外濾過液では、レベルは、4.8−2 5.5ng/mlであった。通常の健康なドナーでは、SCM因子のレベルは、 最小限の検出可能なレベルより低いかまたは最大の1.85ng/ml以下であ った。 例13 抗SCM因子抗体との培養組織中の ヒト癌細胞から分泌されたSCM因子の反応性 培養組織中のヒト癌細胞から分泌されたSCM因子も、例9の抗SCM抗体と 反応した。例10のELISA検定の非拮抗型変形(noncompetiti ve variation)を用いた。このELISA検定の非拮抗型版では、 検定は、溶出液の大部分をシークエネーターディスクに充填した後、Eppen dorf収集管に吸着されたままのRP−HPLC精製段階からの溶出液に直接 行った。ほかのSCM因子を加えず、分析物(assay)には、追加のサンプ ルを加えなかった。SCM ELISA検定のこの変形は、非拮抗型である;E ppendorf管に吸着されたSCM因子の量が大きければ大きいほど、測定 されるA405は高い。表3に示す結果は、これらの画分中の抗SCM抗体と反応 し得る物質の存在を明確に示す。 例14 ELISA検定による培養組織中のヒト癌細胞中のSCM因子の検出 培養組織中のヒト癌細胞は、抗体反応性によりSCM因子分子を含むことが直 接示された。いくつかのヒト癌細胞の単層培養組織からの洗浄細胞:MCF7乳 癌細胞;T1080線維肉腫細胞;A2780卵巣癌細胞;およびHCT80結 腸癌細胞を例13の非拮抗型ELISA検定により直接検定した。データを表4 に示す。算出したELISA吸光度比(すなわち、抗SCM抗体の存在下での吸 光度を抗SCM抗体の不在下での吸光度で割る、これは、4x106細胞当たり のSCM因子の量の相対的尺度である)は、異なる癌細胞ラインが、同一の条件 下でSCM因子の異なる量を生じたことを示した。 タンパク質合成インヒビターシクロヘキシミドによる培養癌細胞の処理は、タ ンパク質合成の抑制が培養癌細胞と関連するSCM因子の濃度を減じることを示 した。減少は、MCF7乳癌細胞について25.3%であり、T1080線維肉 腫細胞について34%であった。このデータは、表5に示す。 例15 2被検体検定によるα1−PI分子の存在下での培養癌細胞中のSCM因子ペプ チドの検出 SCM因子ペプチドを、2被検体検定によるα1−PI分子の存在下での培養 癌細胞中で検出した。抗体を、キーホールリンペットへモシアニンに複合化した ヒトα1−PIのアミノ末端19アミノ酸を示す合成ペプチドに対して育てた。 α1−PI分子のこの領域のアミノ酸配列は、自然に単離したまたは合成のSC M因子ぺプチドのアミノ酸配列とのかなりの程度の相同性に欠ける。合成ぺプチ ドが、標準的な固相合成方法により合成される。α1−PIのアミノ末端領域に 対する抗体の精製のため、ペプチドを、アミノ末端でバイオチン−LC(Pie rce Chemical Company, Rockford, Illi nois)に結合させた。ペプチドは、アビジン−アガロースゲル(Pierc e)に結合させ、抗体の親和性精製のために用いた。 検定のため、複製細胞アリコート(5x106細胞/mlを含む1−mlアリ コートからの上澄み液)をEppendorf管で乾燥させて、残りのタンパク 質をプラスチック管に吸着させた。複製細胞アリコートに、カルシウムあるいは マグネシウムを含まず、3%ウシ血清アルブミンおよび0.5%Tween20 を含み、pH7.2(IB)のりん酸塩緩衝サリン(saline) (PBS )を含む温置緩衝液中で、振蕩しつつ、室温で3時間上記したように(0.6m lの抗体溶液で各抗体に対して1:1000の希釈としてある)ウサギIgG抗 SCM(例9)または抗α1−PI抗 体を接種した。管は、IBで一度、また0.5%Tween20を含む0.9% NaClりん酸塩緩衝液で2度洗浄した。次に、管は、振蕩しつつ室温で1時間 、ヤギ抗ウサギIgGアルカリ性りん酸塩複合化体(Sigma)のIB中で1 :1000の希釈として0.6mlとともに温置した。アルカリ性ホスファター ゼ基質−ニトロフェニルホスフェート(Sigma104TM)を加え、そして 405nmでの吸光度が30分−1時間の温置の後測定された。 結果は、正味の吸光度の比として表した。比は、まず対照(第1の抗体を有さ ない細胞)のA405値を両方の抗体を有する温置(incubation)から えたA405値から差引いて計算し、抗α1−PIおよび抗SCM因子アリコートに 対して正味の吸光度を得た。次に、抗α1−PIアリコートについての正味の吸 光度を、抗SCM因子アリコートについての正味の吸光度で割る。約1よりも小 さい比は、SCM因子ぺプチドの存在を示す。 結果は、表6に示してある。これらの結果は、SCM因子ぺプチドが、悪性細 胞と形質転換細胞にだけ検出され、正常な線維芽細胞株には検出されなかったこ とを示している。 本発明の利点 SCM因子またはその一部に特異的な抗体の有用性は、広範囲の種類の細胞お よび生物学的流体中のSCM因子を便利に、特異的にかつ迅速に検出する方法を 提供する。細胞中のSCM因子の存在は、それらの悪性状態と密接に関連される ので、これらの因子を検出し得るイムノアッセイの使用は、癌についての向上し たテストを提供する。イムノアッセイは、特異的SCM因子を検出するために用 いられ得るし、またはすべての癌の影響を受けた組織から単離されたSCM因子 中で実質的に同じであるSCM因子の不変の部分を検出し得る。 モノクロナール抗体は、本発明にしたがって免疫化された抗体生 産細胞を用いて準備され得る。これらのモノクロナールは、生体内のSCM因子 の検出に特に有用である。 さらに、2被検体イムノアッセイは、セリンプロテアーゼインヒビターα1− PIが存在するバックグランドでも、SCM活性癌認識ぺプチドの検出について の鋭敏で特異的なテストを提供する。このタンパク質は、そのカルボキシ末端部 分で、SCM因子ペプチドの配列と部分的に相同の配列を含み、よって、SCM 因子ぺプチドに対して育てた抗体と交差反応し、癌細胞により生じたSCM因子 ぺプチドに結合した抗体の量を検出および/または定量するのを困難とする。 本発明を本発明のある好ましい形に関してかなり詳細に記載したが、ほかの形 式も可能である。したがって、添付の請求の範囲の精神と範囲は、ここに含めた 好ましいかたちの記載に限定されるべきでない。 配列表 (1)一般的情報: (i)出願人(発明者):セルセク,ボリス セルセク,リー (ii)発明の名称:癌関連SCM認識因子の免疫化学的検定 (iii)配列の数:19 (iv)通信住所: (A)受信人:シェルドン アンド マク (B)通り:サウス レイク アベニュー 225, ナインス フロア (C)市:パサデナ (D)州:カリフォルニア (E)国:アメリカ合衆国 (F)郵便番号:91101 (v)コンピューター判読形態: (A)ミディウムタイプ:フロッピーディスク (B)コンピューター:IBM PC コンパーチブル (C)オペレーティングシステム:PC−DOS /MS−DOS (D)ソフトウェア:パテントイン リリース #1.0, バージョン #1.25 (vi)現在の出願のデータ: (A)出願番号:US 07/ (B)出願日: (C)分類: (viii)弁護士/弁理士情報: (A)氏名:ファーバー,マイケル ビー. (B)登録番号:32,612 (C)参照/名簿番号:8913 (ix)電気通信情報: (A)電話:(818)796−4000 (B)ファックス:(818)795−6321 (2)配列番号(SEQ ID NO):1: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:30 アミノ酸 (B)配列の型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ぺプチド (iii)ハイポセティカル:No (vi)起源 (A)生物名:ヒト(Homo Sapiens) (xi)配列:SEQ ID NO:1: (2)配列番号(SEQ ID NO):2: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:29 アミノ酸 (B)配列の型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ぺプチド (iii)ハイポセティカル:No (vi)起源 (A)生物名:ヒト (xi)配列:SEQ ID NO:2: (2)配列番号(SEQ ID NO):3: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:9 アミノ酸 (B)配列の型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ぺプチド (iii)ハイポセティカル:No (v)フラグメント型:中間部 (vi)起源 (A)生物名:ヒト (xi)配列:SEQ ID NO:3: (2)配列番号(SEQ ID NO):4: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:21 アミノ酸 (B)配列の型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ぺプチド (iii)ハイポセティカル:No (v)フラグメント型:N−末端 (vi)起源 (A)生物名:ヒト (xi)配列:SEQ ID NO:4: (2)配列番号(SEQ ID NO):5: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:22 アミノ酸 (B)配列の型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (iii)ハイポセティカル:No (v)フラグメント型:C−末端 (vi)起源 (A)生物名:ヒト (xi)配列:SEQ ID NO:5: (2)配列番号(SEQ ID NO):6: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:15 アミノ酸 (B)配列の型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (iii)ハイポセティカル:No (v)フラグメント型:中間部 (vi)起源 (A)生物名:ヒト (xi)配列:SEQ ID NO:6: (2)配列番号(SEQ ID NO):7: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:14 アミノ酸 (B)配列の型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ぺプチド (iii)ハイポセティカル:No (v)フラグメント型:N−末端 (vi)起源 (A)生物名.ヒト (xi)配列:SEQ ID NO:7: (2)配列番号(SEQ ID NO):8: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:29 アミノ酸 (B)配列の型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ぺプチド (iii)ハイポセティカル:No (vi)起源 (A)生物名:ヒト (xi)配列:SEQ ID NO:8: (2)配列番号(SEQ ID NO):9: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:29 アミノ酸 (B)配列の型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (iii)ハイポセティカル:No (vi)起源 (A)生物名:ヒト (xi)配列:SEQ ID NO:9: (2)配列番号(SEQ ID NO):10 (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:29 アミノ酸 (B)配列の型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (iii)ハイポセティカル:No (vi)起源 (A)生物名:ヒト (xi)配列:SEQ ID NO:10: (2)配列番号(SEQ ID NO):11: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:29 アミノ酸 (B)配列の型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (iii)ハイポセティカル:No (vi)起源 (A)生物名:ヒト (xi)配列:SEQ ID NO:11: (2)配列番号(SEQ ID NO):12: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:29 アミノ酸 (B)配列の型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (iii)ハイポセティカル:No (vi)起源 (A)生物名:ヒト (xi)配列:SEQ ID NO:12: (2)配列番号(SEQ ID NO):13: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:29 アミノ酸 (B)配列の型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ぺプチド (iii)ハイポセティカル:No (vi)起源 (A)生物名:ヒト (xi)配列:SEQ ID NO:13: (2)配列番号(SEQ ID NO):14: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:29 アミノ酸 (B)配列の型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (iii)ハイポセティカル:No (vi)起源 (A)生物名:ヒト (xi)配列:SEQ ID NO:14: (2)配列番号(SEQ ID NO):15: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:29 アミノ酸 (B)配列の型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ぺプチド (iii)ハイポセティカル:No (vi)起源 (A)生物名:ヒト (xi)配列:SEQ ID NO:15: (2)配列番号(SEQ ID NO):16: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:35 アミノ酸 (B)配列の型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ぺプチド (iii)ハイポセティカル:No (vi)起源 (A)生物名:ヒト (xi)配列:SEQ ID NO:16: (2)配列番号(SEQ ID NO):17: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:29 アミノ酸 (B)配列の型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (iii)ハイポセティカル:No (vi)起源 (A)生物名:ヒト (xi)配列:SEQ ID NO:17: (2)配列番号(SEQ ID NO):18: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:35 アミノ酸 (B)配列の型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ぺプチド (iii)ハイポセティカル:No (vi)起源 (A)生物名:ヒト (xi)配列:SEQ ID NO:18: (2)配列番号(SEQ ID NO):19: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:35 アミノ酸 (B)配列の型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ぺプチド (iii)ハイポセティカル:No (vi)起源 (A)生物名:ヒト (xi)配列:SEQ ID NO:19:
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 サーセック、リー アメリカ合衆国 92686 カリフォルニア 州 ヨーバ リンダ キャムファ アヴェ ニュー 4318 【要約の続き】 部分に特異的な第2の抗体と反応させて、第2の抗体を 第2のアリコート中の部分的相同ぺプチド配列と結合さ せる段階;および(c)第1のアリコートに結合した第 1の抗体の量を第2のアリコートに結合した第2の抗体 の量と比較して、癌認識因子を検出段階、を含んでな る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.部分的相同ペプチド配列も含んでいてもよいサンプル中の癌認識因子を検 出する方法であって、次の各段階: (a)該サンプルの第1のアリコートを癌認識因子に特異的な第1の抗体とと もに温置して、第1の抗体を癌認識因子と、第1のアリコート中の部分的に相同 なペプチド配列とに結合させる段階; (b)該サンプルの第2のアリコートを、癌認識因子の配列のいずれの部分に 関しても実質的な相同性に欠ける部分的相同ペプチド配列の一部に対して特異的 である第2の抗体とともに温置して、第2の抗体を第2のアリコート中のその部 分的相同ぺプチド配列にのみ結合させる段階;および (c)第1のアリコートに結合した第1の抗体の量を第2のアリコートに結合 した第2の抗体の量と比較して癌認識因子を検出する段階; を含んでなることを特徴とする方法。 2.第1の抗体が、M−I−P−P−E−V−K−F−N−K−P−F−V− F−L−M−I−D−Q−N−T−K−V−P−L−F−M−G−K(配列番号 2)および1つまたはそれ以上の保存的アミノ酸置換によりそれに関連付けられ たペプチドからなる群から選択されたペプチドを特異的に結合する抗体である請 求項1の方法。 3.第1の抗体が、ペプチドM−I−P−P−E−V−K−F− N−K−P−F−V−F−L−M−I−D−Q−N−T−K−V−P−L−F− M−G−K(配列番号2)を特異的に結合する請求項2の方法。 4.第1の抗体が、ペプチドF−L−M−I−D−Q−N−T−K(配列番号 3)を特異的に結合する請求項1の方法。 5.第1の抗体が、 (i)そのカルボキシ末端システイン残基でキャリヤータンパク質に複合化さ れたペプチドM−I−P−P−E−V−K−F−N−K−P−F−V−F−L− M−I−D−Q−N−T−K−V−P−L−F−M−G−K−C(配列番号1) による抗体生産動物の免疫化により生産される抗体;および (ii)ペプチドM−I−P−P−E−V−K−F−N−K−P−F−V−F −L−M−I−D−Q−N−T−K−V−P−L−F−M−G−K(配列番号2 )による抗体生産動物の免疫化により生産される抗体; からなる群から選択される請求項1の方法。 6.癌認識因子に特異的な抗体が、モノクロナール抗体である請求項1の方法 。 7.サンプルが、細胞性サンプルである請求項1の方法。 8.癌認識因子の配列のいずれの部分に関しても実質的相同性に 欠ける部分的相同ペプチドの領域が、α1−PIのアミノ末端部分であり、第2 の抗体が、α1−PIのアミノ末端部分を特異的に結合する請求項1の方法。 9.α1−PIのアミノ末端部分が、アミノ末端の19個のアミノ酸である請 求項8の方法。 10.癌認識因子に特異的であり (i)癌認識因子および(ii)第1のア リコート中の部分的相同ペプチド配列に結合している第1の抗体の量を、部分的 相同ペプチド配列のアミノ末端部分に特異的であり第2のアリコート中のその部 分的相同ペプチド配列にのみ結合している第2の抗体の量と比較する段階が、 (i)段階(a)と(b)の温置されたアリコートを、第1と第2の抗体の両 方に特異的な検出抗体と別個に反応させる段階であり、該検出抗体が検出可能な ラベルに結合している段階;および (ii)ラベルを検出する段階 を含んでいる請求項2の方法。 11.第1と第2の抗体が、両者ともウサギIgG抗体であり、検出抗体が、 ウサギIgGに特異的な抗体である請求項10の方法。 12.ラベルが、酵素ラベル、蛍光ラベル、放射性ラベル、比色ラベル、金属 ゾルラベルおよび化学発光ラベルからなる群から選択される請求項10の方法。 13.ラベルが、酵素ラベルである請求項12の方法。 14.酵素が、アルカリ性ホスファターゼである請求項13の方法。 15.第1と第2の抗体がアビジン−ビオチン特異的結合対のメンバーに結合 されていて、第1と第2の抗体が同じ結合対メンバーに結合しており、そして第 1のアリコートに結合している第1の抗体の量を第2のアリコートに結合してい る第2の抗体の量と比較する段階が: (i)温置された第1と第2のアリコートを検出可能なラベルと別個に反応さ せる段階であり、該検出可能なラベルが、第1と第2の抗体に結合された特異的 結合対メンバーに相補的な特異的結合対メンバーに結合されている段階;および (ii)癌認識因子の存在を測定するため第1と第2のアリコートに結合した ラベルを別個に検出する段階; を含む請求項1の方法。 16.部分的相同ペプチド配列が、炎症関連タンパク質のセグメントを少なく とも含む請求項1の方法。 17.炎症関連タンパク質が、α1−PIである請求項16の方法。 18.α1−PIの存在下でヒト細胞中の癌認識因子を検出する方法であって 、次の各段階: (a)該細胞の第1のアリコートを癌認識因子に特異的な第1のウサギIgG 抗体とともに温置して第1のアリコートの細胞に第1の抗体を結合させる段階で あり、第1の抗体が、(i)そのカルボキシ末端システイン残基でキャリヤータ ンパク質に複合化されたペプチドM−I−P−P−E−V−K−F−N−K−P −F−V−F−L−M−I−D−Q−N−T−K−V−P−L−M−G−K−C (配列番号1)による免疫化により生産された抗体;および(ii)ペプチド M−I−P−P−E−V−K−F−N−K−P−F−V−F−L−M−I−D− Q−N−T−K−V−P−L−FM−G−K(配列番号2)による免疫化により 生産された抗体;からなる群から選択され、第1の抗体が、第1のアリコート中 のα1−PIと癌認識因子との両方に結合している段階; (b)該細胞の第2のアリコートをα1−PIのアミノ末端の19アミノ酸配 列に対して特異的な第2のウサギIgG抗体とともに温置する段階であり、α1 −PIのアミノ末端の19アミノ酸配列が癌認識因子の配列のいずれの部分に関 しても実質的な相同性に欠けていて、第2の抗体が、第2のアリコート中のその α1−PIにだけ結合している段階; (c)段階(a)および(b)の温置されたアリコートを別個に反応させる段 階であり、それぞれの温置されたアリコートが酵素ラべルに結合されたウサギI gG抗体に特異的な抗体と反応させられて第1のアリコートに結合した第1の抗 体と第2のアリコートに結合した第2の抗体とを標識する段階; (d)第1と第2のアリコートの、結合した酵素標識抗体を、酵素の酵素活性 に応答する検出可能な生成物を生じる指標とともにそれぞれ別個に温置する段階 ;及び (e)第1と第2のアリコートにより生じた検出可能な生成物の量を比較して 癌認識因子を検出する段階; を含んでなることを特徴とする方法。 19.酵素ラベルが、アルカリ性ホスファターゼであり、検出可能なラベルを 生じるために必要な基質が、−ニトロフェニルホスフェートである請求項18 の方法。 20.癌認識因子を特異的に結合する抗体であって、該因子は少なくとも9個 のアミノ酸残基のペプチドであり、該抗体は9個のアミノ酸残基のコア配列を含 んでいて、該コア配列がF−X15−M−X17−X18−X19−X20−X21−Kであ り、ここで、X15およびX17は、I、LおよびVからなる群からそれぞれ独立的 に選択され、X18は、DおよびEからなる群から選択され、X19およびX20は、 QおよびNからなる群からそれぞれ独立的に選択され、そしてX21は、Sおよび Tからなる群から選択され、該因子が癌で悩んでいるドナーから単離された細胞 質マトリックス(SCM)テストの構造中で応答し得るリンパ球の細胞内蛍光偏 光値の10%減少を少なくとも生じ得る、癌認識因子を特異的に結合する抗体。 21.モノクロナール抗体である請求項20の抗体。 22.コア配列が、F−L−M−I−D−Q−N−P−K(配列番号3)であ る請求項20の抗体。 23.癌認識因子が、9個のアミノ酸残基を含みかつ配列F−X15−M−X17 −X18−X19−X20−X21−Kを含む請求項20の抗体。 24.癌認識因子が、配列F−L−M−I−D−Q−N−T−K(配列番号3 )を有している請求項23の抗体。 25.癌認識因子が15個のアミノ酸残基を含みかつ配列F−X9−K−P− F−Xl3−F−XI5−M−XI7−X18−X19−X20−X21−Kを含んでいて、こ こで、X9は、QおよびNからなる群から独立的に選択され、そしてX13は、I 、LおよびVからなる群から独立的に選択される請求項20の抗体。 26.癌認識因子が、配列F−N−K−P−F−V−F−L−M−I−D−Q −N−T−K(配列番号6)を含んでいる請求項25の抗体。 27.癌認識因子が22個のアミノ酸残基を含みかつ配列F−X9−K−P− F−X13−F−X15−M−X17−X18−X19−X20−X21−K−X23−P−X25 −F−M−G−Kを含んでいて、ここで、X9は、QおよびNからなる群から独 立的に選択され、そしてX23およびX25は、I、LおよびVからなる群からそれ ぞれ独立的 に選択される請求項20の抗体。 28.癌認識因子が配列F−N−K−P−F−V−F−L−M−I−D−Q− N−T−K−V−P−L−F−M−G−K(配列番号5)を含んでいる請求項2 7の抗体。 29.癌認識因子が22個のアミノ酸残基を含みかつ配列M−X2−P−P− X5−X6−K−F−X9−K−P−F−X13−F−X15−M−X17−X18−X19 −X20−X21−Kを有し、ここで、X2およびX6は、I、LおよびVからなる群 からそれぞれ独立的に選択され、X5は、DおよびEからなる群から独立的に選 択され、そしてX9は、QおよびNからなる群から独立的に選択される請求項2 0の抗体。 30.癌認識因子が配列M−I−P−P−E−V−K−F−N−K−P−F− V−F−L−M−I−D−Q−N−T−K(配列番号4)を含んでいる請求項2 9の抗体。 31.M−I−P−P−E−V−K−F−N−K−P−F−V−F−L−M− I−D−Q−N−T−K−V−P−L−F−M−G−K(配列番号2)および1 つまたはそれ以上の保存的アミノ酸置換によりそれに関連づけられたペプチドか らなる群から選択されるペプチドを特異的に結合する抗体。 32.癌認識因子を特異的に結合する抗体であって、該因子が、 29個のアミノ酸残基のペプチドを含みかつM−X2−P−P−X5−X6−K− F−X9−K−P−F−X13−F−X15−M−X17−XI8−X19−X20−X2I− K−X23−P−X25−F−M−G−Kのアミノ酸配列を含み、ここで、X2、X6 、X13、X15、X17、X23およびX25は、I、LおよびVからなる群からそれぞ れ独立的に選択され、X5およびX18は、DおよびEからなる群からそれぞれ独 立的に選択され、X9、X19およびX20は、QおよびNからなる群からそれぞれ 独立的に選択され、そしてX21は、SおよびTからなる群から選択され、該因子 が細胞質マトリックス(SCM)テストの構造中で応答し得るリンパ球の細胞内 蛍光偏光の10%減少を少なくとも生じ得る、癌認識因子を特異的に結台する抗 体。 33.モノクロナール抗体である請求項32の抗体。 34.癌認識因子が、配列M−I−P−P−E−V−K−F−N−K−P−F −V−F−L−M−I−D−Q−N−T−K−V−P−L−F−M−G−K(配 列番号2)を有する請求項33の抗体。 35.癌認識因子を特異的に結合する抗体であり、該因子が、29−35個の アミノ酸残基の長さであり、該抗体が、F−L−M−I−X18−Q−N−T−K のアミノ酸14−22でコア配列を含み、ここで、X18は、DおよびEからなる 群から選択され、該因子が細胞質マトリックス(SCM)テストの構造中で応答 し得るリンパ球の細胞内蛍光偏光値の10%減少を少なくとも生じ得る、癌認識 因子を特異的に結合する抗体。 36.癌認識因子が、配列V−I−P−P−E−V−K−F−N−K−P−F −V−F−L−M−I−D−Q−N−T−K−V−P−L−F−M−G−K(配 列番号8)を含む請求項35の抗体。 37.癌認識因子が、配列M−I−P−P−E−V−K−F−NK−P−F− V−F−L−M−I−D−Q−N−T−K−C−P−C−F−M−G−C(配列 番号9)を含む請求項35の抗体。 38.癌認識因子が、配列X1−I−P−P−E−V−K−FN−K−P−F −V−F−L−M−I−D−Q−N−P−K−CC−L−F−M−G−Kを含み 、ここで、X1は、MおよびVからなる群から選択される請求項35の抗体。 39.癌認識因子が、配列X1−I− P−P−E−V−K−FN−K−P−F −V−F−L−M−I−D−Q−N−T−K−RP−F−M−G−Kを含み、こ こで、X1は、RおよびSからなる群から選択される請求項35の抗体。 40.癌認識因子が、配列V−I−P−P−E−V−K−F−NK−P−F− V−F−L−M−I−D−Q−N−T−K−C−P−L−F−M−G−K(配列 番号10)を含む請求項35の抗体。 41.癌認識因子が、配列V−I−P−P−E−V−K−F−N−C−P−F −V−F−L−M−I−D−Q−N−T−K−V−P −L−F−M−G−K(配列番号11)を含む請求項35の抗体。 42.癌認識因子が、アミノ酸配列X1−I−P−P−E−V−K−F−N− K−P−F−V−F−L−M−I−D−Q−N−T−K−C−P−C−F−M− G−CおよびX1−I−P−P−E−V−K−F−N−K−P−F−V−F−L −M−I−D−Q−N−TK−C−P−C−F−M−G−C−V−V−C−T− Eを有するペプチドからなる群から選択され、ここで、X1は、RおよびSから なる群から選択される請求項35の抗体。 43.癌認識因子が、アミノ酸配列X1−I−P−P−E−V−K−F−N− K−P−F−V−F−L−M−I−E−Q−N−T−K−S−P−L−F−L− G−KおよびX1−I−P−P−E−V−K−F−N−K−P−F−V−F−L −M−I−E−Q−N−TK−S−P−L−F−M−G−K−V−V−N−P− T−Qを有するペプチドからなる群から選択され、ここで、X1は、VおよびS からなる群から選択される請求項35の抗体。 44.癌認識因子が、配列X1−I−P−P−E−V−K−FN−K−P−F −V−F−L−M−I−E−Q−N−T−K−SP−L−F−M−G−K−V− V−N−P−T−Qを有し、ここで、X1は、SおよびVからなる群から選択さ れる請求項35の抗体。 45.モノクロナール抗体である請求項35の抗体。 46.そのカルボキシ末端システイン残基でキャリヤータンパク質に複合化さ れたペプチドM−I−P−P−E−V−K−F−N−K−P−F−V−F−L− I−M−I−D−Q−N−T−K−V−P−L−F−M−G−K−C(配列番号 1)による抗体生産動物の免疫化により調製された癌認識因子に特異的な抗体。 47.モノクロナール抗体である請求項46の抗体。 48.ペプチドM−I−P−P−E−V−K−F−N−K−P−F−V−F− L−M−I−D−Q−N−T−K−V−P−L−F−M−G−K(配列番号2) による抗体生産動物の免疫化により調製された癌認識因子に特異的な抗体。 49.モノクロナール抗体である請求項48の抗体。 50.体液中の癌認識因子の含有量を測定する方法であり、次の各段階: (a)請求項20の抗体と体液とを混合する段階;および (b)体液中の癌認識因子と抗体との反応の程度をイムノアッセイを行うこと により測定する段階; を含むことを特徴とする方法。 51.イムノアッセイが、ラジオイムノアッセイ、蛍光イムノアッセイ、化学 発光イムノアッセイおよび酵素結合イムノアッセイか らなる群から選択される請求項50の方法。 52.酵素結合イムノアッセイである請求項51の方法であって、次の各段階 : (a)癌認識因子またはその免疫学的に当量の類似体を、タンパク質を結合し 得る固相に付着させる段階; (b)体液を固相に加える段階; (c)固相を癌認識因子に特異的な第1の抗体とともに温置する段階; (d)固相を第1の抗体に特異的な第2の抗体とともに温置する段階であり、 酵素が基質とともに温置されるときに比色的に検出可能な生成物を生じる酵素に より該第2の抗体が標識されている段階; (e)酵素に対する基質を加える段階;および (f)比色的に検出可能な生成物の吸光度を測定する段階;を含んでいる方法 。 53.体液と抗体とを混合する前に体液からα1−PI分子を除去する段階を さらに含んでいる請求項50の方法。 54.体液中の癌認識因子の含有量を測定する方法であり、次の各段階: (a)請求項31の抗体と体液とを混合する段階;および (b)体液中の癌認識因子と抗体との反応の程度をイムノアッセイを行うこと により測定する段階; を含むことを特徴とする方法。 55.イムノアッセイが、ラジオイムノアッセイ、蛍光イムノアッセイ、化学 発光イムノアッセイおよび酵素結合イムノアッセイからなる群から選択される請 求項54の方法。 56.酵素結合イムノアッセイである請求項55の方法であって、次の各段階 : (a)癌認識因子またはその免疫学的に当量の類似体を、タンパク質を結合し 得る固相に付着させる段階; (b)体液を固相に加える段階; (c)固相を癌認識因子に特異的な第1の抗体とともに温置する段階; (d)固相を第1の抗体に特異的な第2の抗体とともに温置する段階であり、 酵素が基質とともに温置されるときに比色的に検出可能な生成物を生じる酵素に より該第2の抗体が標識されている段階; (e)酵素に対する基質を加える段階;および (f)比色的に検出可能な生成物の吸光度を測定する段階; を含んでいる方法。 57.体液中の癌認識因子の含有量を測定する方法であり、次の各段階: (a)請求項35の抗体と体液とを混合する段階;および (b)体液中の癌認識因子と抗体との反応の程度をイムノアッセ イを行うことにより測定する段階; を含むことを特徴とする方法。 58.イムノアッセイが、ラジオイムノアッセイ、蛍光イムノアッセイ、化学 発光イムノアッセイおよび酵素結合イムノアッセイからなる群から選択される請 求項57の方法。 59.酵素結合イムノアッセイである請求項58の方法であって、次の各段階 : (a)癌認識因子またはその免疫学的に当量の類似体を、タンパク質を結合し 得る固相に付着させる段階; (b)体液を固相に加える段階; (c)固相を癌認識因子に特異的な第1の抗体とともに温置する段階; (d)固相を第1の抗体に特異的な第2の抗体とともに温置する段階であり、 酵素が基質とともに温置されるときに比色的に検出可能な生成物を生じる酵素に より該第2の抗体が標識されている段階; (e)酵素に対する基質を加える段階;および (f)比色的に検出可能な生成物の吸光度を測定する段階; を含んでいる方法。 60.体液中の癌認識因子の含有量を測定する方法であり、次の各段階: (a)請求項36の抗体と体液とを混合する段階;および (b)体液中の癌認識因子と抗体との反応の程度をイムノアッセイを行うこと により測定する段階; を含むことを特徴とする方法。 61.イムノアッセイが、ラジオイムノアッセイ、蛍光イムノアッセイ、化学 発光イムノアッセイおよび酵素結合イムノアッセイからなる群から選択される請 求項60の方法。 62.酵素結合イムノアッセイである請求項61の方法であって、次の各段階 : (a)癌認識因子またはその免疫学的に当量の類似体を、タンパク質を結合し 得る固相に付着させる段階; (b)体液を固相に加える段階; (c)固相を癌認識因子に特異的な第1の抗体とともに温置する段階; (d)固相を第1の抗体に特異的な第2の抗体とともに温置する段階であり、 酵素が基質とともに温置されるときに比色的に検出可能な生成物を生じる酵素に より該第2の抗体が標識されている段階; (e)酵素に対する基質を加える段階;および (f)比色的に検出可能な生成物の吸光度を測定する段階; を含んでいる方法。 63.体液中の癌認識因子の含有量を測定する方法であり、次の各段階: (a)請求項46の抗体と体液とを混合する段階;および (b)体液中の癌認識因子と抗体との反応の程度をイムノアッセイを行うこと により測定する段階; を含むことを特徴とする方法。 64.イムノアッセイが、ラジオイムノアッセイ、蛍光イムノアッセイ、化学 発光イムノアッセイおよび酵素結合イムノアッセイからなる群から選択される請 求項63の方法。 65.酵素結合イムノアッセイである請求項64の方法であって、次の各段階 : (a)癌認識因子またはその免疫学的に当量の類似体を、タンパク質を結合し 得る固相に付着させる段階; (b)体液を固相に加える段階; (c)固相を癌認識因子に特異的な第1の抗体とともに温置する段階; (d)固相を第1の抗体に特異的な第2の抗体とともに温置する段階であり、 酵素が基質とともに温置されるときに比色的に検出可能な生成物を生じる酵素に より該第2の抗体が標識されている段階; (e)酵素に対する基質を加える段階;および (f)比色的に検出可能な生成物の吸光度を測定する段階; を含んでいる方法。 66.体液中の癌認識因子の含有量を測定する方法であり、次の 各段階: (a)請求項48の抗体と体液とを混合する段階;および (b)体液中の癌認識因子と抗体との反応の程度を、イムノアッセイを行うこ とにより測定する段階; を含むことを特徴とする方法。 67.イムノアッセイが、ラジオイムノアッセイ、蛍光イムノアッセイ、化学 発光イムノアッセイおよび酵素結合イムノアッセイからなる群から選択される請 求項66の方法。 68.酵素結合イムノアッセイである請求項67の方法であって、次の各段階 : (a)癌認識因子またはその免疫学的に当量の類似体を、タンパク質を結合し 得る固相に付着させる段階; (b)体液を固相に加える段階; (c)固相を癌認識因子に特異的な第1の抗体とともに温置する段階; (d)固相を第1の抗体に特異的な第2の抗体とともに温置する段階であり、 酵素が基質とともに温置されるときに比色的に検出可能な生成物を生じる酵素に より該第2の抗体が標識されている段階, (e)酵素に対する基質を加える段階;および (f)比色的に検出可能な生成物の吸光度を測定する段階; を含んでいる方法。
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