JPH0849676A - ベーンを有するロータリポンプ - Google Patents
ベーンを有するロータリポンプInfo
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- JPH0849676A JPH0849676A JP23830694A JP23830694A JPH0849676A JP H0849676 A JPH0849676 A JP H0849676A JP 23830694 A JP23830694 A JP 23830694A JP 23830694 A JP23830694 A JP 23830694A JP H0849676 A JPH0849676 A JP H0849676A
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- vane
- pressure side
- sliding surface
- side sliding
- rotor
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ベーン先端部の摺動面がほぼ平均的に磨耗す
る様にして偏磨耗による有害な接点の移動を避け、ベー
ンが溝内に勝手に押し戻される危険を除去すること。 【構成】 自己潤滑性のあるベーンを有するロータリポ
ンプにおいて、先ず第1にベーン先端部における高圧が
作用すべき高圧側摺動面2Aを除いた低圧側摺動面2B
の所定部の磨耗を促進させる如く前記所定部の接触相手
となる壁面を形成する。第2にベーン先端部における高
圧が作用すべき高圧側摺動面2Aを除いた低圧側摺動面
2Bにおいて、ベーン先端部の摺動面頂部から所定距離
だけ離れた部分に溝8が形成され、低圧側摺動面2Bの
摺動面積が減少する様に構成する。第3にベーン先端部
における高圧が作用すべき高圧側摺動面2Aを除いた低
圧側摺動面の所定部が高圧側摺動面2Aよりも磨耗し易
い材料で形成されている様に構成する。
る様にして偏磨耗による有害な接点の移動を避け、ベー
ンが溝内に勝手に押し戻される危険を除去すること。 【構成】 自己潤滑性のあるベーンを有するロータリポ
ンプにおいて、先ず第1にベーン先端部における高圧が
作用すべき高圧側摺動面2Aを除いた低圧側摺動面2B
の所定部の磨耗を促進させる如く前記所定部の接触相手
となる壁面を形成する。第2にベーン先端部における高
圧が作用すべき高圧側摺動面2Aを除いた低圧側摺動面
2Bにおいて、ベーン先端部の摺動面頂部から所定距離
だけ離れた部分に溝8が形成され、低圧側摺動面2Bの
摺動面積が減少する様に構成する。第3にベーン先端部
における高圧が作用すべき高圧側摺動面2Aを除いた低
圧側摺動面の所定部が高圧側摺動面2Aよりも磨耗し易
い材料で形成されている様に構成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自己潤滑性のあるベー
ンを有するロータリポンプに関するものです。
ンを有するロータリポンプに関するものです。
【0002】
【従来の技術】ベーンを有するロータリポンプは、一般
には図1に示す如く溝3内から出入りするベーン2とロ
ーター1とケーシング内壁面とによって作動室7を形成
し、吸入口4から作動室7内に吸入した気体をローター
1の回転によって吐出口5へ送り出すもので、図1
(イ)はベーン形、図1(ロ)、(ハ)はカム形と呼ば
れている。近年、清浄な環境が叫ばれ、空気圧縮機を例
にとると油分を含まない圧縮空気が得られる事が求めら
れ、この様なベーンを有するロータリポンプにもベーン
2をカーボン系等の自己潤滑性のある材料を使用したも
のが考えられている。ベーン2は作動室7内の圧力によ
る力Fが生む摩擦力及びベーン先端部における距離S
(接点までの距離)に働く圧力に打ち勝って溝3内から
飛び出さなければならないが、この力は図1(イ)では
遠心力であり、図1(ロ)、(ハ)ではバネの力であ
る。この場合、距離Sが余り小さいとベーン先端部の摺
動面における接点の移動が殆どない為、ベーン2の磨耗
や発熱が激しく使用に耐えない。逆に余り大きいとベー
ン2が溝3内から飛び出すのに大きな力が必要で、図1
(イ)ではベーン2の飛び出しが困難になり(ベーン2
の材質は通常は比重が2前後の軽いカーボン系で、大き
な遠心力の発生は無理)、図1(ロ)、(ハ)では強い
バネによりベーン2の飛び出しが可能となっても、ベー
ン先端部の磨耗が激しくなるのが普通で、加えて余り距
離Sを大きくするとベーン2が溝3内に勝手に押し戻さ
れる危険すら出てくる。従って距離Sには適正範囲があ
り、これに沿って決められるが、使用時間の経過の中で
ベーン2は図1(イ)では図2(イ)の二点鎖線示の如
く、図1(ロ)、(ハ)では図2(ロ)の二点鎖線示の
如くベーン先端部の摺動面の磨耗が進行する傾向があ
る。これは距離Sは吐出側では短かく、吸入側では長く
なるのであり、吐出側では力Fによる摩擦力が大で、こ
の摩擦力及び遠心力又はバネの力に打ち勝ってベーン2
が溝3内に押し込まれる為、磨耗が激しいからである。
即ち、距離Sが短かい範囲の磨耗が大きい為である。こ
の様に図2(イ)、(ロ)の二点鎖線示の如くベーン先
端部が磨耗して来ると、ベーン先端部の摺動面における
接点が移動して吐出側における距離Sが次第に長くなる
傾向となり、遂にはベーン2は溝3に勝手に押し戻さ
れ、圧縮不能となる。これを回避するには最初からベー
ン2を極太にして遠心力を増強したり、強力なバネを使
用する事が考えられるが、いずれも既に述べた通り困難
である。又、図2(ハ)、(ニ)の如くベーン2を細く
して距離Sに制限を加える事も考えられるが、強度不足
となり、やはり困難を伴なう。
には図1に示す如く溝3内から出入りするベーン2とロ
ーター1とケーシング内壁面とによって作動室7を形成
し、吸入口4から作動室7内に吸入した気体をローター
1の回転によって吐出口5へ送り出すもので、図1
(イ)はベーン形、図1(ロ)、(ハ)はカム形と呼ば
れている。近年、清浄な環境が叫ばれ、空気圧縮機を例
にとると油分を含まない圧縮空気が得られる事が求めら
れ、この様なベーンを有するロータリポンプにもベーン
2をカーボン系等の自己潤滑性のある材料を使用したも
のが考えられている。ベーン2は作動室7内の圧力によ
る力Fが生む摩擦力及びベーン先端部における距離S
(接点までの距離)に働く圧力に打ち勝って溝3内から
飛び出さなければならないが、この力は図1(イ)では
遠心力であり、図1(ロ)、(ハ)ではバネの力であ
る。この場合、距離Sが余り小さいとベーン先端部の摺
動面における接点の移動が殆どない為、ベーン2の磨耗
や発熱が激しく使用に耐えない。逆に余り大きいとベー
ン2が溝3内から飛び出すのに大きな力が必要で、図1
(イ)ではベーン2の飛び出しが困難になり(ベーン2
の材質は通常は比重が2前後の軽いカーボン系で、大き
な遠心力の発生は無理)、図1(ロ)、(ハ)では強い
バネによりベーン2の飛び出しが可能となっても、ベー
ン先端部の磨耗が激しくなるのが普通で、加えて余り距
離Sを大きくするとベーン2が溝3内に勝手に押し戻さ
れる危険すら出てくる。従って距離Sには適正範囲があ
り、これに沿って決められるが、使用時間の経過の中で
ベーン2は図1(イ)では図2(イ)の二点鎖線示の如
く、図1(ロ)、(ハ)では図2(ロ)の二点鎖線示の
如くベーン先端部の摺動面の磨耗が進行する傾向があ
る。これは距離Sは吐出側では短かく、吸入側では長く
なるのであり、吐出側では力Fによる摩擦力が大で、こ
の摩擦力及び遠心力又はバネの力に打ち勝ってベーン2
が溝3内に押し込まれる為、磨耗が激しいからである。
即ち、距離Sが短かい範囲の磨耗が大きい為である。こ
の様に図2(イ)、(ロ)の二点鎖線示の如くベーン先
端部が磨耗して来ると、ベーン先端部の摺動面における
接点が移動して吐出側における距離Sが次第に長くなる
傾向となり、遂にはベーン2は溝3に勝手に押し戻さ
れ、圧縮不能となる。これを回避するには最初からベー
ン2を極太にして遠心力を増強したり、強力なバネを使
用する事が考えられるが、いずれも既に述べた通り困難
である。又、図2(ハ)、(ニ)の如くベーン2を細く
して距離Sに制限を加える事も考えられるが、強度不足
となり、やはり困難を伴なう。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】本発明の目的は、ベ
ーン先端部の摺動面がほぼ平均的に磨耗する様にして偏
磨耗による有害な接点の移動を避け、ベーンが溝内に勝
手に押し戻される危険を除去するところにある。
ーン先端部の摺動面がほぼ平均的に磨耗する様にして偏
磨耗による有害な接点の移動を避け、ベーンが溝内に勝
手に押し戻される危険を除去するところにある。
【0004】
【問題点を解決する為の手段】本発明はロータリポンプ
において、先ず第1にベーン先端部における高圧が作用
すべき高圧側摺動面を除いた低圧側摺動面の所定部の磨
耗を促進させる如く前記所定部の接触相手となる壁面を
形成した。第2にベーン先端部における高圧が作用すべ
き高圧側摺動面を除いた低圧側摺動面において、ベーン
先端部の摺動面頂部から所定距離だけ離れた部分に溝が
形成され、前記低圧側摺動面の摺動面積が減少する様に
構成した。第3にベーン先端部における高圧が作用すべ
き高圧側摺動面を除いた低圧側摺動面の所定部が前記高
圧側摺動面よりも磨耗し易い材料で形成されている様に
した。
において、先ず第1にベーン先端部における高圧が作用
すべき高圧側摺動面を除いた低圧側摺動面の所定部の磨
耗を促進させる如く前記所定部の接触相手となる壁面を
形成した。第2にベーン先端部における高圧が作用すべ
き高圧側摺動面を除いた低圧側摺動面において、ベーン
先端部の摺動面頂部から所定距離だけ離れた部分に溝が
形成され、前記低圧側摺動面の摺動面積が減少する様に
構成した。第3にベーン先端部における高圧が作用すべ
き高圧側摺動面を除いた低圧側摺動面の所定部が前記高
圧側摺動面よりも磨耗し易い材料で形成されている様に
した。
【0005】
【実施例】図3(イ)は本発明による自己潤滑性のある
ベーンを有するロータリポンプの一実施例で(ベーンは
複数枚でも良い)、ベーン先端部における高圧が作用す
べき高圧側摺動面2A(この高圧側摺動面2Aでも吸入
過程初期には低圧が作用するが、圧縮が進むにつれて高
圧が作用する様になる)を除いた低圧側摺動面2Bの所
定部の磨耗を促進させる如く前記所定部の接触相手とな
る壁面(角度θに相当する部分のケーシング内周面)を
形成した。例えば、ケーシング内周面の角度θに相当す
る部分の表面粗さを他より粗くしたり(これは必要なら
ば図3(ハ)、(ホ)にも適用される)、ケーシング内
周面を表面硬化処理(高周波焼入れ、窒化、硬質クロム
メッキ等)するが、θに相当する部分は表面硬化処理を
施こさないなどと形成するのである。図3(ロ)は図1
(ロ)に本発明を実施したもので、同様にベーン先端部
における高圧が作用すべき高圧側摺動面2Aを除いた低
圧側摺動面2Bの所定部の磨耗を促進させる如く前記所
定部の接触相手となる壁面(ローター1の外周面の角度
θに相当する部分)を形成してある。図3(ハ)は図1
(ハ)に本発明を実施したもので(ローター1は軸を中
心に回転するが、自転も可能)、ベーン先端部における
高圧が作用すべき高圧側摺動面2Aを除いた低圧側摺動
面2Bの所定部が高圧側摺動面2Aよりも磨耗し易い材
料で形成されている様にした。例えば高圧側摺動面2A
を形成する材料を樹脂や金属等の含浸カーボンとし、低
圧側摺動面2Bを形成する材料2′を単体カーボンとす
る。この場合、材質によっては両者の結合を強化する等
の為、図3(ニ)の如く低圧側摺動面2Bを形成する材
料2′の中に部分的に高圧側摺動面2Aを形成する材料
が柱状に入り込んで来る様にしても良い。図3(ハ)は
図1(イ)、(ロ)にも同様に実施される。次に図3
(ホ)は例えば図1(ハ)においてベーン2の構造を変
えたものに相当し(全体は略し、ベーンのみ描いた)、
ベーン先端部における高圧が作用すべき高圧側摺動面2
Aを除いた低圧側摺動面2Bにおいて、ベーン先端部の
摺動面頂部から所定距離だけ離れた部分に溝8が形成さ
れ、低圧側摺動面2Bの摺動面積が減少する様にしたも
のである。初期の段階では低圧側摺動面2BのDに相当
する部分(溝8がある)は接触せず(その様に設計して
おくのが良い)、Cに相当する部分のみ接触して摺動す
るが、磨耗の進行につれて低圧側摺動面2BのDに相当
する部分も接触する様になると、この部分は接触面積が
非常に少ない為、直ちに磨耗するのである。従ってベー
ン先端部の摺動面におけるシール作用の実際上の接点は
Cの範囲にあり、Dの範囲に来る事はない(圧縮過程中
の気体が溝8を介して漏れない)。ベーン先端部の摺動
面における接点はCの範囲にあり、この範囲は細い為、
この部分がどの様に磨耗しようが、この部分に働らく作
動室内圧力がベーン2を溝3内に勝手に押し込む事はな
い。図3(ホ)は図2(ハ)においてベーン2の細い部
分を補強したものであると考えて良い。尚、Cの範囲を
図3(ヘ)の如く先端部側へ若干延長させる如く形成し
ても良い。以上図3の各々によればベーン先端部の摺動
面がほぼ平均的に磨耗し、偏磨耗にによる有害な接点の
移動を避け、磨耗が進行してもベーンが勝手に押し戻さ
れることはない。
ベーンを有するロータリポンプの一実施例で(ベーンは
複数枚でも良い)、ベーン先端部における高圧が作用す
べき高圧側摺動面2A(この高圧側摺動面2Aでも吸入
過程初期には低圧が作用するが、圧縮が進むにつれて高
圧が作用する様になる)を除いた低圧側摺動面2Bの所
定部の磨耗を促進させる如く前記所定部の接触相手とな
る壁面(角度θに相当する部分のケーシング内周面)を
形成した。例えば、ケーシング内周面の角度θに相当す
る部分の表面粗さを他より粗くしたり(これは必要なら
ば図3(ハ)、(ホ)にも適用される)、ケーシング内
周面を表面硬化処理(高周波焼入れ、窒化、硬質クロム
メッキ等)するが、θに相当する部分は表面硬化処理を
施こさないなどと形成するのである。図3(ロ)は図1
(ロ)に本発明を実施したもので、同様にベーン先端部
における高圧が作用すべき高圧側摺動面2Aを除いた低
圧側摺動面2Bの所定部の磨耗を促進させる如く前記所
定部の接触相手となる壁面(ローター1の外周面の角度
θに相当する部分)を形成してある。図3(ハ)は図1
(ハ)に本発明を実施したもので(ローター1は軸を中
心に回転するが、自転も可能)、ベーン先端部における
高圧が作用すべき高圧側摺動面2Aを除いた低圧側摺動
面2Bの所定部が高圧側摺動面2Aよりも磨耗し易い材
料で形成されている様にした。例えば高圧側摺動面2A
を形成する材料を樹脂や金属等の含浸カーボンとし、低
圧側摺動面2Bを形成する材料2′を単体カーボンとす
る。この場合、材質によっては両者の結合を強化する等
の為、図3(ニ)の如く低圧側摺動面2Bを形成する材
料2′の中に部分的に高圧側摺動面2Aを形成する材料
が柱状に入り込んで来る様にしても良い。図3(ハ)は
図1(イ)、(ロ)にも同様に実施される。次に図3
(ホ)は例えば図1(ハ)においてベーン2の構造を変
えたものに相当し(全体は略し、ベーンのみ描いた)、
ベーン先端部における高圧が作用すべき高圧側摺動面2
Aを除いた低圧側摺動面2Bにおいて、ベーン先端部の
摺動面頂部から所定距離だけ離れた部分に溝8が形成さ
れ、低圧側摺動面2Bの摺動面積が減少する様にしたも
のである。初期の段階では低圧側摺動面2BのDに相当
する部分(溝8がある)は接触せず(その様に設計して
おくのが良い)、Cに相当する部分のみ接触して摺動す
るが、磨耗の進行につれて低圧側摺動面2BのDに相当
する部分も接触する様になると、この部分は接触面積が
非常に少ない為、直ちに磨耗するのである。従ってベー
ン先端部の摺動面におけるシール作用の実際上の接点は
Cの範囲にあり、Dの範囲に来る事はない(圧縮過程中
の気体が溝8を介して漏れない)。ベーン先端部の摺動
面における接点はCの範囲にあり、この範囲は細い為、
この部分がどの様に磨耗しようが、この部分に働らく作
動室内圧力がベーン2を溝3内に勝手に押し込む事はな
い。図3(ホ)は図2(ハ)においてベーン2の細い部
分を補強したものであると考えて良い。尚、Cの範囲を
図3(ヘ)の如く先端部側へ若干延長させる如く形成し
ても良い。以上図3の各々によればベーン先端部の摺動
面がほぼ平均的に磨耗し、偏磨耗にによる有害な接点の
移動を避け、磨耗が進行してもベーンが勝手に押し戻さ
れることはない。
【0006】尚、図1、3の各々においてはベーン2の
側面からの漏洩を防止する事が必要であるが、この為に
は図4(イ)の如くベーン2の側面に浅溝を形成し、こ
の浅溝に棒状のシール部材9(自己潤滑性あり)を嵌め
込み、ケーシング内側面に押圧するのが良い。A−A′
線断面を図4(ロ)に示すが、ベーン2の両側面を貫通
する(丸穴)穴にコイルバネの様なバネ11を備え、こ
のバネ11によりシール部材9をケーシング内側面に押
圧するのである。この場合、バネ11が長くなるのを嫌
う場合は、図4(ハ)の如く押棒12を使用しても良
い。バネ11の一方の端で左側のシール部材9を、バネ
11の他方の端で右側のシール部材9を押圧するので、
両者の押圧は常に等しく、従ってベーン2の側面がケー
シング内側面に接触する事は原則としてない。もし図4
(ニ)の如くシール部材9を別々のバネで各々押圧する
様にすると、各バネ力を厳密に等しくする事は無理であ
るから、ベーン2の一方の側面は必ずケーシング内側面
に接触し、磨耗する事になる。図4(イ)でバネ10は
シール部材9をローターの回転方向側に押圧するもの
で、シール部材9とこれが嵌り込む浅溝との嵌合を非常
に厳密なものにすれば、不要となる。又、図4(イ)で
漏洩はシール部材9で防止されるが、部位14からの漏
洩が若干あり、これを防ぐには図4(ホ)の如くシール
部材13を新たに備えるか、図4(ヘ)の如くシール部
材9を斜めに備えるのが良い。
側面からの漏洩を防止する事が必要であるが、この為に
は図4(イ)の如くベーン2の側面に浅溝を形成し、こ
の浅溝に棒状のシール部材9(自己潤滑性あり)を嵌め
込み、ケーシング内側面に押圧するのが良い。A−A′
線断面を図4(ロ)に示すが、ベーン2の両側面を貫通
する(丸穴)穴にコイルバネの様なバネ11を備え、こ
のバネ11によりシール部材9をケーシング内側面に押
圧するのである。この場合、バネ11が長くなるのを嫌
う場合は、図4(ハ)の如く押棒12を使用しても良
い。バネ11の一方の端で左側のシール部材9を、バネ
11の他方の端で右側のシール部材9を押圧するので、
両者の押圧は常に等しく、従ってベーン2の側面がケー
シング内側面に接触する事は原則としてない。もし図4
(ニ)の如くシール部材9を別々のバネで各々押圧する
様にすると、各バネ力を厳密に等しくする事は無理であ
るから、ベーン2の一方の側面は必ずケーシング内側面
に接触し、磨耗する事になる。図4(イ)でバネ10は
シール部材9をローターの回転方向側に押圧するもの
で、シール部材9とこれが嵌り込む浅溝との嵌合を非常
に厳密なものにすれば、不要となる。又、図4(イ)で
漏洩はシール部材9で防止されるが、部位14からの漏
洩が若干あり、これを防ぐには図4(ホ)の如くシール
部材13を新たに備えるか、図4(ヘ)の如くシール部
材9を斜めに備えるのが良い。
【0007】
【発明の効果】既に述べた如く距離S(図1)には適正
範囲があり、小さ過ぎても大き過ぎても不具合が生じ
る。従って磨耗初期の段階では距離Sは適正範囲内にあ
る様にするが、運転時間の経過と共に磨耗が進行してく
るとベーン先端部の摺動面における接点が移動して(図
2参照)遂にはベーン2は溝3内に勝手に押し戻され、
圧縮不能になる。これを避けるには、図1(イ)ではベ
ーン2を極太にして遠心力を増強しなければならぬが、
スペース的に無理であり、図1(ロ)、(ハ)では強力
なバネを使用しなければならず、磨耗が激しくなって実
現は困難である。本発明では運転時間の経過と共に磨耗
が進んでもベーン先端部の摺動面は平均的に磨耗してゆ
くので、初期の状態がほぼそのまま維持され続け(距離
Sが適正範囲にある)、ベーン先端部の摺動面における
接点の移動があっても、この摺動面に働らく作動室内圧
力がベーン2を溝3内に勝手に押し戻すには到らない。
又、ベーン2の飛び出しが不能になる事もない。従っ
て、ベーン2を極太にする必要はなく、ローター1が小
径化され、ベーン先端部の摺動速度も小さいので、磨耗
は少ない。又、バネも強力なものを使用する必要がない
ので、磨耗が少なく、長寿命となる。尚、本発明はベー
ン先端部の摺動面の磨耗を平均化するのであり、全体の
磨耗を早めるものではない。
範囲があり、小さ過ぎても大き過ぎても不具合が生じ
る。従って磨耗初期の段階では距離Sは適正範囲内にあ
る様にするが、運転時間の経過と共に磨耗が進行してく
るとベーン先端部の摺動面における接点が移動して(図
2参照)遂にはベーン2は溝3内に勝手に押し戻され、
圧縮不能になる。これを避けるには、図1(イ)ではベ
ーン2を極太にして遠心力を増強しなければならぬが、
スペース的に無理であり、図1(ロ)、(ハ)では強力
なバネを使用しなければならず、磨耗が激しくなって実
現は困難である。本発明では運転時間の経過と共に磨耗
が進んでもベーン先端部の摺動面は平均的に磨耗してゆ
くので、初期の状態がほぼそのまま維持され続け(距離
Sが適正範囲にある)、ベーン先端部の摺動面における
接点の移動があっても、この摺動面に働らく作動室内圧
力がベーン2を溝3内に勝手に押し戻すには到らない。
又、ベーン2の飛び出しが不能になる事もない。従っ
て、ベーン2を極太にする必要はなく、ローター1が小
径化され、ベーン先端部の摺動速度も小さいので、磨耗
は少ない。又、バネも強力なものを使用する必要がない
ので、磨耗が少なく、長寿命となる。尚、本発明はベー
ン先端部の摺動面の磨耗を平均化するのであり、全体の
磨耗を早めるものではない。
【図1】従来のベーンを有するロータリポンプの図を示
す。
す。
【図2】ベーンを示す図
【図3】本発明によるベーンを有するロータリポンプの
図である。
図である。
【図4】ベーン側面からの漏洩を防ぐ装置の図である。
1はローター、2はベーン、3は溝、4は吸入口、5は
吐出口、6は吐出弁、7は作動室、8は溝、9はシール
部材、10はバネ、11はバネ、12は押棒、13はシ
ール部材、14は漏洩が起る部位、2Aは高圧側摺動
面、2Bは低圧側摺動面、1′はシール部材、2′は低
圧側摺動面を形成する材料である。
吐出口、6は吐出弁、7は作動室、8は溝、9はシール
部材、10はバネ、11はバネ、12は押棒、13はシ
ール部材、14は漏洩が起る部位、2Aは高圧側摺動
面、2Bは低圧側摺動面、1′はシール部材、2′は低
圧側摺動面を形成する材料である。
Claims (4)
- 【請求項1】 ケーシング内周面内で回転するローター
を備え、溝内から出入りする自己潤滑性のあるベーンと
前記ローターとケーシング内壁面とにより作動室を形成
し、吸入口から作動室内に吸入した気体をローターの回
転によって吐出口へ送り出すポンプにおいて、ベーン先
端部における高圧が作用すべき高圧側摺動面を除いた低
圧側摺動面の所定部の磨耗を促進させる如く前記所定部
の接触相手となる壁面を形成したベーンを有するロータ
リポンプ。 - 【請求項2】 ケーシング内周面内で回転するローター
を備え、溝内から出入りする自己潤滑性のあるベーンと
前記ローターとケーシング内壁面とにより作動室を形成
し、吸入口から作動室内に吸入した気体をローターの回
転によって吐出口へ送り出すポンプにおいて、ベーン先
端部における高圧が作用すべき高圧側摺動面を除いた低
圧側摺動面の所定部が前記高圧側摺動面よりも磨耗し易
い材料で形成されている様にしたベーンを有するロータ
リポンプ。 - 【請求項3】 ケーシング内周面内で回転するローター
を備え、溝内から出入りする自己潤滑性のあるベーンと
前記ローターとケーシング内壁面とにより作動室を形成
し、吸入口から作動室内に吸入した気体をローターの回
転によって吐出口へ送り出すポンプであり、ベーン先端
部における高圧が作用すべき高圧側摺動面を除いた低圧
側摺動面において、ベーン先端部の摺動面頂部から所定
距離だけ離れた部分に溝が形成され、前記低圧側摺動面
の摺動面積が減少する様に構成されたベーンを有するロ
ータリポンプ。 - 【請求項4】 ベーン先端部における高圧が作用すべき
高圧側摺動面を除いた低圧側摺動面の所定部の接触相手
となる壁面の表面粗さを粗くした請求項1ないし3のい
ずれかに記載のベーンを有するロータリポンプ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23830694A JPH0849676A (ja) | 1994-08-04 | 1994-08-04 | ベーンを有するロータリポンプ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23830694A JPH0849676A (ja) | 1994-08-04 | 1994-08-04 | ベーンを有するロータリポンプ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0849676A true JPH0849676A (ja) | 1996-02-20 |
Family
ID=17028251
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23830694A Withdrawn JPH0849676A (ja) | 1994-08-04 | 1994-08-04 | ベーンを有するロータリポンプ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0849676A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107061278A (zh) * | 2017-04-28 | 2017-08-18 | 广东美芝制冷设备有限公司 | 旋转压缩机及其滑片、滑片槽和压缩组件 |
CN111120318A (zh) * | 2018-10-31 | 2020-05-08 | 广东美芝精密制造有限公司 | 压缩机构和具有其的压缩机、制冷循环装置以及空调器 |
CN113982923A (zh) * | 2021-10-20 | 2022-01-28 | 珠海格力节能环保制冷技术研究中心有限公司 | 压缩机滑片组件、泵体组件、压缩机和空调系统 |
-
1994
- 1994-08-04 JP JP23830694A patent/JPH0849676A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107061278A (zh) * | 2017-04-28 | 2017-08-18 | 广东美芝制冷设备有限公司 | 旋转压缩机及其滑片、滑片槽和压缩组件 |
CN111120318A (zh) * | 2018-10-31 | 2020-05-08 | 广东美芝精密制造有限公司 | 压缩机构和具有其的压缩机、制冷循环装置以及空调器 |
CN111120318B (zh) * | 2018-10-31 | 2022-11-15 | 广东美芝精密制造有限公司 | 压缩机构和具有其的压缩机、制冷循环装置以及空调器 |
CN113982923A (zh) * | 2021-10-20 | 2022-01-28 | 珠海格力节能环保制冷技术研究中心有限公司 | 压缩机滑片组件、泵体组件、压缩机和空调系统 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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