JP2006161696A - ベーンロータリ型真空ポンプ - Google Patents

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作田  淳
Noboru Iida
飯田  登
Tatsuya Nakamoto
達也 中本
Kiyoshi Sawai
澤井  清
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Abstract

【課題】 ベーン背圧印加によるベーンサイドからの作動流体の漏れ込みを低減させつつ、ベーンのジャンピング現象を防止しうるベーンロータリ型真空ポンプを提供する。
【解決手段】 フロントプレート9に、吸入ポート21と、吐出ポート22と、複数の背圧溝71、72、73とを設け、スリット11のベーン7よりもロータ中心側に位置する背圧室部11aを、ロータ6の軸心Oを中心とする円周Q上に位置させ、各背圧溝71、72、73を、その一端がポンプ空間8に開放される開放端71b、72b、73bとなり、その他端側が前記円周Q上にほぼ位置して前記背圧室部11aと連通可能な弧状溝部71a、72a、73aとなるように形成した。
【選択図】 図2

Description

本発明は、空気圧縮機および真空ポンプとして使用されるベーンロータリ型真空ポンプに関するものである。
従来、この種のベーンロータリ型ポンプとして、ベーンジャンピングによる騒音増大および性能低下が課題となっていた。これを解決するため、ベーンに背圧を印加し、ベーンの先端を強制的にシリンダの内周面へと押さえつけることで、ベーンジャンピングを防止し、騒音低減および性能向上を図ったものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図6は、特許文献1に記載された従来の背圧印加方法を示すものである。図6に示すように、円環状の背圧溝48がロータ46に設けられたベーン34をガイドするためのスリット33の中心側端部44と連通するように、サイドプレートに設けられており、その背圧溝48にオイルを供給する複数の穴45が構成されている。なお、図6において39は吸入ポート、41は吐出ポート、38はロータ46の回転に伴って吸入・圧縮・吐出行程を繰り返すポンプ空間である。
特開2001−165082号公報
前記従来の構成ではオイル潤滑が前提となっているため、オイルにより背圧印加を行なっている。また摺動部のクリアランス(例えばスリットとベーンのクリアランス)はオイルによりシールされ、作動流体の漏れも抑えられている。この構成をオイルレス機構の真空ポンプに適用し、高圧の作動流体を背圧溝へと導き、背圧をベーンに印加させる構成とした場合、ベーンサイドを抜けてポンプ空間へと作動流体が漏れ込むという課題を有していた。
本発明は前記従来の課題を解決するもので、オイルレス機構においてもベーンの適切な圧力の背圧印加を行い、作動流体の漏れ込みを低減させることができ、かつベーンジャンピング音を防止することができるとともに高効率を達成したベーンロータリ型真空ポンプの提供を目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、内周円形のシリンダと、シリンダ内に収容された外周円形のロータと、シリンダの両側端面を覆うと共にロータの両側面に摺接するフロントプレートおよびエンドプレートとを有し、ロータはシリンダの中心軸心から偏心した軸心のまわりに一方向に回転駆動され、ロータには外周側が開放された複数のベーンガイド用のスリットが互いに等角度間隔に形成され、各スリットには板状のベーンが摺動自在に嵌合保持され、各スリットは先端面がロータの内周面に摺接し、両側面がフロントプレートおよびエンドプレートに摺接し、ロータの回転に伴って、シリンダ、ロータ、およびベーンで囲まれる複数のポンプ空間がその体積を変化させて吸入・圧縮・吐出行程を繰り返すように構成されたベーンロータリ型真空ポンプにおいて、前記フロントプレートおよびエンドプレートの少なくとも一方に、吸入ポートと、吐出ポートと、複数の背圧溝とを設け、前記各スリットのベーンよりもロータ中心側に位置する背圧室部を、ロータの軸心を中心とする円周上に位置させ、各背圧溝を、その一端が前記ポンプ空間に開放される開放端となり、その他端側が前記円周上にほぼ位置して前記背圧室部と連通可能な弧状溝部となるように形成したことを特徴とする。この構成によれば、背圧溝を分割形成することにより、ベーン背圧をロータの回転位相により変化させることができ、各回転位置で適切な背圧を与えることができる。その結果、ベーン背面とポンプ空間が高差圧になることもなく、ベーンサイドを抜けて作動流体が漏れ込む量も低減させることができる。また適切なベーン背圧を与えてベーンジャンピングを防止しうることにより、騒音低減と性能向上も図ることができる。また、フロントプレートおよびエンドプレートにそれぞれ吸入ポート、吐出ポート、背圧溝を備えた場合、ロータの両端面で圧力がつり合うため、ロータが片側のプレートにのみ接触することはなく、良好な摺動が期待できる。
また請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、背圧室部の圧力が、この背圧室部に対応するベーンのロータ回転方向前側に形成されるポンプ空間の圧力と等しくなるように、ポンプ空間の圧力を背圧室部に導く背圧溝を有するようにしたものである。これにより、前記ベーンに対して回転方向前側のポンプ空間は、回転方向後側のポンプ空間より圧力が高いので、この回転方向前側のポンプ空間の圧力を前記ベーンの背圧室部に供給することで、ベーンジャンピングを十分に防ぐことができる。また、背圧室部とポンプ空間で圧力が釣り合っているため、ベーンとスリットとのサイドの隙間を経て作動流体がポンプ空間へと漏れ込むこともない。
また請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、圧縮行程初期のポンプ空間を形成する2枚のベーンのうち、ロータ回転方向後側のベーンに対応する背圧室部の圧力が、前記ポンプ空間よりもロータ回転方向に一つ先に形成されるポンプ空間の圧力となるようにポンプ空間の圧力を背圧室部に導く背圧溝を有するようにしたものである。これにより、吸入行程から圧縮行程に移行した時に形成されるポンプ空間の圧力よりも高い圧力を前記ベーンの背圧室部に供給することができ、ベーンジャンピングが発生しやすい閉じ込みポイント(吸入ポートの通過直後で、ポンプ空間の中で最大容積時のポイント)においてもベーンジャンピングを防止すると同時に、体積効率の向上を図ることができる。
また請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれかに記載の発明において、隣り合う背圧溝の弧状溝部間には、背圧室部の幅以上の間隔を設けた構成にしたものである。これにより、背圧室部により2つの異なる背圧溝を介して2つの異なるポンプ空間が連通されることを防ぐことができる。
また請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれかに記載の発明において、複数の背圧溝として、吸入ポートに連通するポンプ空間に開放端が接続する吸入ポート側の背圧溝と、吐出ポートに連通するポンプ空間に開放端が接続する吐出ポート側の背圧溝と、吸入ポート側の背圧溝と吐出ポート側の背圧溝との中間に位置する中間位置の背圧溝とを有するように構成したものである。そしてこの構成によれば、吸入・圧縮・吐出行程において、それぞれに最適な背圧をベーンに印加でき、高差圧から生じる摺動損失や漏れ損失を防止することができる。
また請求項6に記載の本発明は、請求項5に記載の発明において、ロータに設けた隣り合うスリットの角度間隔をθとし、ロータがシリンダに最接近する位置を原点位置としたとき、吸入ポート側の背圧溝の弧状溝部を、原点位置と、原点位置から(180°−θ/2)ロータ回転方向に進んだ位置との間の角度範囲位置に設けてなるものである。そしてこの構成によれば、吸入行程においてベーンが原点位置を過ぎてスリットから飛び出す際に背圧室部が吸入圧力と同等となり、ベーン背面が負圧になるのを防止することができる。すなわちスムーズにベーンがスリットから飛び出すことが可能となり、吸入行程におけるジャンピングを防止できる。
また請求項7に記載の本発明では、請求項5または6に記載の発明において、ロータに設けた隣り合うスリットの角度間隔をθとし、ロータがシリンダに最接近する位置を原点位置としたとき、弧状溝部を、原点位置から(180°−θ/2)ロータ回転方向に進んだ位置と、原点位置から(180°+θ/2)ロータ回転方向に進んだ位置との間の角度範囲位置に設けると共に、その開放端を前記弧状溝部の終端位置よりもロータ回転方向に進んだ位置に設けてなる中間位置の背圧溝を有するものである。そしてこの構成によれば、圧縮行程にあるポンプ空間の後側に位置するベーンに対応する背圧室部に当該ポンプ空間の圧力あるいはこれより1つ先に進んだポンプ空間の圧力を導入することができ、これによりベーンのジャンピングを防止でき、作動流体の漏れを大幅に低減するとともに騒音低減を図ることができる。
また請求項8に記載の本発明では、請求項7に記載の中間位置の背圧溝の開放端を、弧状溝部の始端位置からθロータ回転方向に進んだ位置と、前記始端位置から(θ+20°)ロータ回転方向に進んだ位置との間の角度範囲位置に設けたものである。この構成によれば圧縮行程初期時における1つ先に進んだポンプ空間の高圧力の導入期間をベーンのロータ回転位置により調整でき、過剰な押付力によるベーン先端磨耗を低減させることができる。
また請求項9に記載の本発明では、請求項5から8記載の発明のいずれかにおいて、ロータに設けた隣り合うスリットの角度間隔をθとし、ロータがシリンダに最接近する位置を原点位置としたとき、吐出ポート側の背圧溝の弧状溝部を、原点位置から(180°−θ/2)ロータ回転方向と逆方向に戻った位置と、原点位置との間の角度範囲位置に設けてなるものである。そしてこの構成によれば、上記請求項6に記載の発明と同様に、吐出行程時のベーンのジャンピング等を防止できる。
上記各発明は、請求項10に記載のように3枚のベーンを備えたベーンロータリ型真空ポンプに適用すると好適である。
本発明のベーンロータリ型真空ポンプは、吸入・圧縮・吐出行程においてそれぞれ適切な背圧を印加でき、ベーンサイドの漏れやベーン先端の過剰な押付力を低減させつつ、ベーンジャンピング現象を防止できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
図1は、本発明におけるベーンロータリ型真空ポンプの断面図を示すものである。
図1において、本発明のベーンロータリ型真空ポンプ1は、ポンプ機構部2とモータ部3と冷却回路部4により構成されている。
ポンプ機構部2は、内周円形のシリンダ5と、外周円形のロータ6と、自己潤滑性材質よりなる3枚の板状のベーン7と、これらを挟み込んで3つのポンプ空間8(図2参照)を形成させる自己潤滑性材料よりなるフロントプレート9とエンドプレート10から構成されている。これらにより、オイルレスの構成となっている。また、図2に示すように、ロータ6はシリンダ5の軸心から偏心した位置に軸心を有する状態で配置されている。このロータ6には、各ベーン7を収容し案内する3本のスリット11が、半径方向で、かつロータ6の軸方向に貫通するように形成されている。3本のスリット11はロータ回転方向Rに一定の角度θ、すなわち120°の間隔をあけて形成され、各スリット11の半径方向外端はロータ6の外周に開放され、半径方向内端部はロータ6の中心部近傍に達して背圧室部11aとなっている。各スリット11にはベーン7がロータ半径方向に摺動可能に嵌合保持されている。前記ベーン7はフロントプレート9およびエンドプレート10に接触しており、これらによっても摺動自在に案内支持されている。ロータ6の軸としてメカシャフト12が備えられており、このメカシャフト12が回転することで、ロータ6も一体となって回転し、それに伴ってベーン7がスリット11の内部で外側に移動する。運転中はベーン7の先端がシリンダ5の内周面と接触回転することにより、ポンプ空間8が仕切られ、吸入・圧縮・吐出を繰り返し、ポンプ機能を果たしている。
モータ部3は、ステータ13とモータロータ14と、左側のモータケーシングを兼ねる前記エンドプレート10と、右側のモータケーシング15から構成されている。ステータ13はエンドプレート10とモータケーシング15で両側から挟みこまれ、その内部にモータロータ14を備えている。モータロータ14の軸としてモータシャフト16が備えられており、その両端は軸受17、18により支承されている。ここで用いられる軸受17、18としては、グリス封入タイプのボールベアリングが望ましい。またモータシャフト16とメカシャフト12は一体型となっており、モータロータ14の回転が直接ロータ6の回転となるため、動力の伝達ロスは発生しない。
冷却回路部4は、冷却ファン19とエアーガイド20から構成されている。モータシャフト16の反ポンプ機構側端部に冷却ファン19を取り付け、その周りをエアーガイド20で囲い、風の分散を防いでいる。またモータケーシング15の軸方向端面には複数の貫通穴が設けられており、風回路を形成することでモータ部3の冷却を行なっている。
図2は、本実施形態におけるベーンロータリ型真空ポンプ1のポンプ機構部2の断面図である。この形態では、吸入ポート21、吐出ポート22はともにフロントプレート9に設けられており、吸入ポート21から吸い込まれた作動流体はポンプ空間8に至り、ベーン7によって閉じ込められた後、回転とともに圧縮され、吐出ポート22より排気される。このサイクルにおいて、ベーン7がシリンダ5の内周面から離れてしまう、いわゆるベーンジャンピング現象が発生する場合がある。この現象が生じると、作動流体の漏れ損失増加だけでなく、騒音増大およびベーン7の磨耗促進となる。
そこでこの現象を防止する方法として、フロントプレート9に前記スリット11のベーン7よりロータ中心側に位置する空間である背圧室部11aとポンプ空間8とを連通し得る3つの背圧溝71、72、73を設け、ベーン7の背面に圧力を作動流体により印加させ、強制的にベーン7の先端をシリンダ5の内周面に押さえつけるようにする。さらにこの背圧溝71、72、73は3つに分割されているので、ベーン7の回転位相により、背圧を変えることで、各回転位置で最適な背圧を与えることができる。これにより、ベーン7の背面とポンプ空間8が高差圧になることがなく、ベーン7の背面の作動流体がベーン7とスリット11との隙間等を抜けてポンプ空間8に漏れ込む量を低減できるようにしている。
各スリット11の背圧室部11aは、ロータ6の中心Oを中心とする円周Q上に位置するように形成され、後述する各背圧溝71、72、73の弧状溝部71a、72a、73aと連通しうるように構成されている。
より具体的な構成を図2および図3(概念図)に基づいて説明する。
前記フロントプレート9には、図2、図3に示すように、吸入ポート21、吐出ポート22、第1の背圧溝(吸入ポート側の背圧溝)71、第2の背圧溝(中間位置の背圧溝)72、第3の背圧溝(吐出ポート側の背圧溝)73が凹設されている。前記吸入ポート21には供給口21aより作業流体が供給され、吐出ポート22の作業流体は排出口22aより外部に吐出される。
ロータ6はシリンダの中心軸心から偏心した軸心(ロータ6の中心)Oのまわりに図の半時計方向Rに回転駆動され、吸入ポート21からポンプ空間8に供給された作業流体は、このポンプ空間8の回転方向後側に位置するベーン7が前記吸入ポート21の終点21eを過ぎた時点で、このポンプ空間8内に閉じ込められ、ロータ6の回転に伴って前記ポンプ空間8の体積が減小することによって圧縮され、次いでこのポンプ空間8の回転方向前側に位置するベーン7が前記吐出ポート22の始点22sを過ぎた時点で、このポンプ空間8内の作業流体は吐出ポート22、排出口22aを通じて高圧作業流体となって吐出される。
次に図3を参照して、吸入ポート21、吐出ポート22、背圧溝71、72、73を具体的に説明し、()内には具体的数値の1例を示す。シリンダ5に対し偏心しているロータ6がシリンダ5に最接近して実質点にシリンダ5との隙間が零となるトップクリアランス点74を回転方向角度位置の原点位置Sとしたとき、前記吸入ポート21は原点位置Sよりα1(10°)〜α2(125°)の角度範囲にわたって形成され、前記吐出ポート22は原点位置Sよりβ1(300°、すなわち−60°)〜β2(350°、すなわち−10°)の角度範囲にわたって形成されている。また第1の背圧溝71は、その一端が前記吸入ポート21に、その最も原点位置Sに近い箇所において接続する開放端71bとなり、その他端部が前記円周Q上にほぼ位置する円弧状の弧状溝部71aとなっている。第1の背圧溝71の弧状溝部71aは前記吸入ポート21の角度範囲よりも狭い角度範囲に形成され、具体的には原点位置Sよりγ1(30°)〜γ2(100°)の角度範囲に形成されている。
第2の背圧溝72は、その一端がロータ6の外周側、すなわちポンプ空間8に開放される開放端72bとなっており、その他端部が前記円周Q上にほぼ位置する弧状溝部72aとなっている。第2の背圧溝72の弧状溝部72aは円弧部と直線部とからなっており、弧状溝部72aの直線部から延長する同一線上の直線部の先端が前記開放端72bとなっている。第2の背圧溝72の弧状溝部72aはロータ6の回転に伴ってスリット11の背圧室部11aが前記円周Q上を移行するときに、この背圧室部11aと連通関係を維持する範囲を指すものであり、具体的には原点位置よりδ1(135°)〜δ2(200°)の範囲に形成されている。そして第2の背圧溝72の開放端72bは前記弧状溝部72aの終端よりもロータ回転方向に可成り進んだ角度位置ε(260°)に形成されている。
第3の背圧溝73は、その一端が前記吐出ポート22に、その最も原点位置Sに近い箇所において接続する開放端73bとなり、その他端部が前記円周Q上にほぼ位置する円弧状の弧状溝部73aとなっている。第3の背圧溝73の弧状溝部73aは前記吐出ポート22の角度範囲よりも若干ロータ回転方向と逆の方向に移行した範囲に形成され、具体的には原点位置よりζ1(270°)〜ζ2(330°)の範囲に形成されている。
なお図2に示すように前記スリット11の前記円周Q上における幅角度、すなわち前記背圧室部11aの幅角度φは20°であり、前記スリット11のロータ外周上における幅角度、すなわちベーン7の幅角度ψは8°である。
次に本実施形態の作用を、あるポンプ空間8に着目して説明する。回転方向後側のベーン7が前記原点位置Sを通過したとき、このベーン7とこれにより回転方向前側のベーン7とで囲まれるポンプ空間8には吸入ポート21より作業流体が供給されているが、前記後側のベーン7が吸入ポート21の終端位置21eに達するまでこの状態、すなわち吸入行程が続行される。本実施形態では、吸入ポート21の終端角度位置α2が125°に設定されているので、後側のベーン7(厳密にはその中心線位置を原点位置Sからの角度とする。)が原点位置Sより角度α2−ψ/2、すなわち121°移動したときに、吸入行程が終了する。この吸入行程において、後側のベーン7に対応するスリット11の背圧室部11aの圧力は、当初吐出ポート22と同等の高圧状態となっているが、ロータ6の回転に伴ってベーン7が外側に移動することにより圧力が低下していく。前記背圧室部11aが第1の背圧溝71の弧状溝部71aに連通する位置までそのような状態が続き、両者が連通する位置までロータ6が回転した後は、前記背圧室部71aに第1の背圧溝71を通じて吸入ポート21の圧力が導入される。この状態は前記背圧室部11aと前記弧状溝部71aとが連通関係にある間維持され、当該ポンプ空間8の後側のベーン7は当該ポンプ空間8の圧力(吸入ポート21の圧力)と同等の背圧を受けて、その先端部がシリンダ5の内周面に接触することになる。この同等の背圧をベーン7が受ける角度範囲は、原点位置Sより(γ1−φ/2)〜(γ2+φ/2)の角度範囲においてである。
吸入行程の終了近傍時には、前記背圧室部11aは前記弧状溝部71aから離れて閉塞空間となり、吸入ポート21の圧力とほぼ同等の圧力状態が維持され、この状態は、前記後側のベーン7が前記吸入ポート21の終端21eに達するまで、すなわち原点位置Sより(γ2+φ/2)〜(α2−ψ/2)の角度範囲において継続する。
上記のようにあるポンプ空間8が吸入行程にあるとき、そのポンプ空間8の後側のベーン7に作用する背圧は、当初高圧状態にあり、徐々に圧力を低下した後、当該ポンプ空間8の圧力が導入されてこれと同等となり、このポンプ空間8とほぼ同等の圧力状態が吸入行程終了時まで維持される。
前記後側のベーン7が前記吸入ポート21の終端位置21eを通過すると、その後前記ポンプ空間8の体積が減小し、内部の作業流体が圧縮される圧縮行程が始まり、このポンプ空間8の前側のベーン7が前記吐出ポート22の始端22sを通過する直前で圧縮行程が終了する。この圧縮行程において、当該ポンプ空間8の後側のベーン7に対応する背圧室部11aの圧力は、当初吸入行程終了時の圧力とほぼ同じ圧力、すなわち吸入ポート21とほぼ同じ圧力であって、その状態は原点位置Sより(α2−ψ/2)〜(δ1−φ/2)の角度範囲継続する。
その後、前記ベーン7に対応する背圧室部11aが第2の背圧溝72の弧状溝部72aに達すると、第2の背圧溝72の開放端72bから導入される圧力が前記背圧室部72aに与えられることになる。前記開放端72bは前記弧状溝部72aの始点δ1、終点δ2よりもそれぞれ(ε−δ1)、(ε−δ2)の角度、ロータ回転方向に進んだ角度位置にあり、その幅角度ω(図示省略)がロータの外周位置で8°(ベーン幅と同一)となるように形成され、(ε−δ1)>θ>(ε−δ2)の関係となっているため、前半は当該ポンプ空間8よりも1つ先に進んだポンプ空間8の圧力を前記弧状溝部11aに導き、後半は当該ポンプ空間8の圧力を前記弧状溝部11aに導くようになっている。具体的には、前記後側のベーン7が原点位置Sより(δ1−φ/2)〜(ε−θ)の角度範囲において前記1つ先に進んだポンプ空間8の圧力、すなわち吐出ポート22と同等の高圧力が前記第2の背圧溝72を通じて導入され、前記後側のベーン7が原点位置Sより(ε−θ)〜ほぼ(δ2+φ/2)の角度範囲において当該ポンプ空間8の圧力、すなわち圧縮行程にある作動流体の圧力が前記第2の背圧溝72を通じて導入される。
圧縮行程の終了近傍時には、前記背圧室部11aは前記弧状溝部72aから離れて閉塞空間となり、圧縮時の高圧状態が維持され、この状態は、当該ポンプ空間8が前記吐出ポート22に連通するまで、換言すれば前記後側のベーン7が原点位置Sより(β1+ψ/2−θ)の角度位置に達するまで維持される。
上記のようにあるポンプ空間8が圧縮行程にあるとき、そのポンプ空間8の後側のベーン7に作用する背圧は、当初吸入ポート21の圧力と略同一であるが、すぐに当該ポンプ空間8よりも1つ先のポンプ空間8の高圧力の導入により当該ポンプ空間8の圧力よりも高圧となり、圧縮行程が進行するにつれて当該ポンプ空間8の圧力が高まることに対処しうるようにし、その後は当該ポンプ空間8の圧力の導入により等圧となり、行程終了近傍においてほぼ等圧となる状態が維持される。
前記後側のベーン7が原点位置Sより(β1+ψ/2−θ)の角度位置を過ぎると、当該ポンプ空間8の前側のベーン7が前記吐出ポート22の始端22sを通過して、当該ポンプ空間8と吐出ポート22とは連通し、当該ポンプ空間8の作業流体が高圧状態となって排出口22aより外部に吐出される吐出行程に移行する。この吐出行程は、前記後側のベーン7が前記吐出ポート22の終端22eを通過するまで続行される。
この吐出行程の当初において、前記後側のベーン7に対応する背圧室部11aは閉塞空間であり、その圧力は圧縮行程の最終段階に付与された圧力が、前記閉塞空間がベーンの内側への移動によって圧縮されるに伴い徐々に上昇していく状態となり、この状態が前記背圧室部11aが第3の背圧溝73の弧状溝部73aに連通するようになるまで、すなわち原点位置Sより(ζ1−φ/2)の角度位置に達するまで続く。
吐出行程の次の段階において、前記背圧室部11aが第3の背圧溝22の弧状溝部22aに連通することにより、この背圧室部11aに吐出ポート22の圧力が導入され、当該ポンプ空間8の圧力と等しくなり、この状態が前記背圧室部11aが第3の背圧溝73の弧状溝部73aの終端ζ2を通過するまで、すなわち原点位置Sより(ζ2−φ/2)の角度位置に達するまで続く。
吐出行程の終了近傍においては、後側のベーン7に対応する背圧室部11aは閉塞空間となり吐出ポート22の圧力とほぼ等しい圧力の状態を維持し、前記後側のベーン7が原点位置Sに達したとき、次のサイクルの吸入行程に移行する。
上記のようにあるポンプ空間8が吐出行程にあるとき、そのポンプ空間8の後側のベーン7に作用する背圧は、当初圧縮行程最終段階のポンプ空間8の圧力と等しい圧力から始まり、これが徐々に昇圧した後、当該ポンプ空間8の圧力(吐出ポート22の圧力)と等圧になり、その後もほぼ同じ圧力の状態が維持される。
上記実施の形態ではフロントプレート9に、吸入ポート21、吐出ポート22、背圧溝71、72、73を設けているが、これらをエンドプレート10に設けてもよい。さらには図4に示すように、フロントプレート9とエンドプレート10の両方に吸入ポート21、吐出ポート22、そして背圧溝71、72、73を設けることができ、この場合には、ロータ6の両側面で圧力がつり合うため、ロータ6がフロントプレート9もしくはエンドプレート10のどちらか一方のプレートにのみ接触することはなく、プレートに施した自己潤滑剤の摺動磨耗を防止することができる。
またベーン7、フロントプレート9、エンドプレート10に用いられる自己潤滑剤として、1850℃から1950℃の間で焼成したカーボンを用いると良い。この材質を用いると、炭素の結晶子が小さくなり、結晶構造が緻密となって硬度が上がり、フロントプレート9もしくはエンドプレート10とロータ6の磨耗量を低減することができ、焼き付きを防止できる。さらに前記自己潤滑剤として、前記カーボンにジビニルベンゼンを含浸させるとより好適な材質になる。これはカーボンの炭素結晶子構造の隙間空間にジビニルベンゼンを入れ込むこととなり、さらに硬度が上がり、前記磨耗量をさらに低減できるからである。
上記実施の形態においては、吸入ポート側の背圧溝(第1の背圧溝)71は、その弧状溝部71aを原点位置Sより30°〜100°の角度範囲に設けているが、その角度範囲γ1〜γ2はこれに限定されるものではない。この角度範囲γ1〜γ2は、吸入行程にあるポンプ空間8の後側のベーン7に対応するスリット11の背圧室部11aに吸入ポート21と同等の背圧を導入しうる範囲となるように形成されていればよく、原点位置Sと、吸入ポート21の終点21eとの間にあればよい。また吸入ポート21は、一般に原点位置Sとこれから(180°−θ/2)ロータ回転方向に進んだ位置との範囲内に形成されているので、前記角度範囲γ1〜γ2は、原点位置Sと、原点位置Sから(180°−θ/2)ロータ回転方向に進んだ位置との間にあればよい。従って吸入行程にあたり、ベーン7がトップクリアランス部74(原点位置S)を通過してスリット11から飛び出す際にベーン7の背面が負圧になってしまうという問題を、上記のように構成することで背圧室部11aと吸入ポート21を連通させて、ベーン7の背面が負圧になるのを防止しているのである。
上記実施の形態において、中間位置の背圧溝(第2の背圧溝)72は、その弧状溝部72aを原点位置Sより135°〜200°の角度範囲に設け、その開放端72bを原点位置Sより260°の位置に設けているが、前記角度範囲δ1〜δ2および開放端位置εはこれに限定されるものではない。前記角度範囲δ1〜δ2は、原点位置Sから(180°−θ/2)ロータ回転方向に進んだ位置と、原点位置Sから(180°+θ/2)ロータ回転方向に進んだ位置との間に設け、前記開放端位置εを、弧状溝部72aの始端位置δ1からθ〜(θ+20°)ロータ回転方向に進んだ範囲の適当位置に設けると好適である。本実施の形態では、θが120°であるため、第2の背圧溝72は、トップクリアランス部74の対面点を中心として、両側にそれぞれ60°までの区間で形成している。この区間は吸入完了後の圧縮行程にあたり、ベーン7のジャンピングが発生すると、作動流体が吸入側へと大量に漏れてしまい、性能低下を引き起こしてしまう。そこでベーン7の背圧を印加することになるが、この背圧は少なくとも当初は少し高めの圧力が望ましく、いわゆる中間圧が望ましい。
そこで本実施形態では、中間圧を与える方法として、前記背圧溝72の開放端72bを、前記弧状溝部72aの始端位置δ1からθ〜(θ+20°)ロータ回転方向に進んだ範囲の適当位置である、原点位置Sから260°の位置において、ポンプ空間8と連通させている。これにより、吸入完了後から若干の間はベーン7の背面に高圧を導くこととなるが、背圧溝72が連通するポンプ空間8が1つ先のポンプ空間8から当該ポンプ空間8に変わった時点で、背圧室部11aには同圧を導くことになる。このように、適切な背圧を印加することで、ベーン7の先端磨耗を低減させることができる。なお、本実施の形態では中間圧の背圧導入区間を原点位置Sから125°(δ1−φ/2)〜140°(ε−θ)の範囲としたがこれに限定するものではなく、ベーンの枚数や運転条件によって適宜設定すれば良い。
上記実施の形態においては、吐出ポート側の背圧溝(第3の背圧溝)73は、その弧状溝部73aを原点位置Sより270°〜330°の角度範囲に設けているが、その角度範囲ζ1−ζ2はこれに限定されるものではない。吐出ポート側の背圧溝73は、吐出行程にあるポンプ空間8の後側のベーン7に対応するスリット11の背圧室部11aに吐出ポート22と同等の背圧を導入しうる範囲となるように形成されていればよく、前記背圧溝73の開放端73bは吐出ポート22の始点22sと終点22eとの間にあればよく、弧状溝部73aの前記角度範囲ζ1〜ζ2は、原点位置Sと、原点位置Sから(180°−θ/2)ロータ回転方向とは逆方向に戻った位置との間にあればよい。従って吐出行程にあたり、高圧状態にある作動流体によってベーン7がスリット11に押し戻されてしまうという問題を、上記のように構成することで、ベーン7の背面と吐出ポート22を連通させて、ベーン7の背圧を常に高圧状態とし、押し戻されることなく吐出行程が完了できるようにすることができる。
上記実施の形態においては、背圧溝71、72、73を3分割しているが、これに限ったものではなく、ポンプ空間8と連通する中間位置の背圧溝(第2の背圧溝)72は複数存在することもありえる。またベーン7の枚数が多い場合には、背圧溝を適宜連続させてもよく、要はそれぞれのポンプ空間8に対応する背圧室部11aにポンプ空間8と同等の圧力、もしくはより高圧が印加されるようにすることが望ましいのである。またベーン7の枚数が2枚の場合や、4枚以上の場合に本発明を適用することができる。
図5の(a)には、ベーン7が2枚の場合の例を示している。この例においても吸入ポート側の背圧溝171、吐出ポート側の背圧溝173は、それぞれ吸入行程、吐出行程にあるポンプ空間8の後側にあるベーン7に対応するスリット11の背圧室部11aに吸入ポート21、吐出ポート22の圧力を導入しうるように構成されている。また中間位置の背圧溝172は、圧縮行程にあるポンプ空間8の後側にあるベーン7に対応するスリット11の背圧室部11aに、当初、当該ポンプ空間8の1つ先にあるポンプ空間8の圧力を、その後当該ポンプ空間8の圧力を導入しうるように構成されている。
図5の(b)には、ベーン7が4枚の場合の例を示している。この例においても、吸入ポート側の背圧溝271、吐出ポート側の背圧溝273は、それぞれ吸入行程にあるポンプ空間8の後側にあるベーン7に対応するスリット11の背圧室部11aに吸入ポート21、吐出ポート22の圧力を導入しうるように構成されている。また中間位置の背圧溝272は圧縮行程にあるポンプ空間8の後側にあるベーン7に対応するスリット11の背圧室部11aに、当初、当該ポンプ空間8の1つ先にあるポンプ空間8の圧力を、その後当該ポンプ空間8の圧力を導入しうるように構成されている。
以上のように、本発明にかかるベーンロータリ型真空ポンプは、ベーンジャンピングの防止により、騒音低減と性能向上を図ることができるので、家庭用健康器具や医療用治療器具等の用途にも適用できる。
本発明の実施の形態におけるベーンロータリ型真空ポンプの縦断面図である。 本発明の実施の形態におけるベーンロータリ型真空ポンプのポンプ機構部を示す横断面図である。 本発明の実施の形態におけるベーンロータリ型真空ポンプのポンプ機構部を示す概念図である。 本発明の他の実施の形態におけるベーンロータリ型真空ポンプの縦断面図である。 (a)、(b)は本発明のさらに別の実施の形態におけるポンプ機構部の横断面図である。 従来のベーンロータリ型圧縮機のポンプ機構部の横断面図である。
符号の説明
1 ベーンロータリ型真空ポンプ
2 ポンプ機構部
3 モータ部
4 冷却回路部
5 シリンダ
6 ロータ
7 ベーン
8 ポンプ空間
9 フロントプレート
10 エンドプレート
11 スリット
11a 背圧室部
12 メカシャフト
13 ステータ
14 モータロータ
15 モータケーシング
16 モータシャフト
17 軸受
18 軸受
19 冷却ファン
20 エアーガイド
21 吸入ポート
21a 供給口
22 吐出ポート
22a 排出口
71 吸入ポート側の背圧溝
72 中間位置の背圧溝
73 吐出ポート側の背圧溝
71a、72a、73a 弧状溝部
71b、72b、73b 開放端
74 トップクリアランス点
171、271 吸入ポート側の背圧溝
172、272 中間位置の背圧溝
173、273 吐出ポート側の背圧溝
S 原点位置
O ロータの中心

Claims (10)

  1. 内周円形のシリンダと、シリンダ内に収容された外周円形のロータと、シリンダの両側端面を覆うと共にロータの両側面に摺接するフロントプレートおよびエンドプレートとを有し、ロータはシリンダの中心軸心から偏心した軸心のまわりに一方向に回転駆動され、ロータには外周側が開放された複数のベーンガイド用のスリットが互いに等角度間隔に形成され、各スリットには板状のベーンが摺動自在に嵌合保持され、各スリットは先端面がロータの内周面に摺接し、両側面がフロントプレートおよびエンドプレートに摺接し、ロータの回転に伴って、シリンダ、ロータ、およびベーンで囲まれる複数のポンプ空間がその体積を変化させて吸入・圧縮・吐出行程を繰り返すように構成されたベーンロータリ型真空ポンプにおいて、前記フロントプレートおよびエンドプレートの少なくとも一方に、吸入ポートと、吐出ポートと、複数の背圧溝とを設け、前記各スリットのベーンよりもロータ中心側に位置する背圧室部を、ロータの軸心を中心とする円周上に位置させ、各背圧溝を、その一端が前記ポンプ空間に開放される開放端となり、その他端側が前記円周上にほぼ位置して前記背圧室部と連通可能な弧状溝部となるように形成したことを特徴とするベーンロータリ型真空ポンプ。
  2. 背圧室部の圧力が、この背圧室部に対応するベーンのロータ回転方向前側に形成されるポンプ空間の圧力と等しくなるように、ポンプ空間の圧力を背圧室部に導く背圧溝を有する請求項1に記載のベーンロータリ型真空ポンプ。
  3. 圧縮行程初期のポンプ空間を形成する2枚のベーンのうち、ロータ回転方向後側のベーンに対応する背圧室部の圧力が、前記ポンプ空間よりもロータ回転方向に一つ先に形成されるポンプ空間の圧力となるようにポンプ空間の圧力を背圧室部に導く背圧溝を有する請求項1または2に記載のベーンロータリ型真空ポンプ。
  4. 隣り合う背圧溝の弧状溝部間には、背圧室部の幅以上の間隔が設けられている請求項1から3のいずれかに記載のベーンロータリ型真空ポンプ。
  5. 複数の背圧溝として、吸入ポートに連通するポンプ空間に開放端が接続する吸入ポート側の背圧溝と、吐出ポートに連通するポンプ空間に開放端が接続する吐出ポート側の背圧溝と、吸入ポート側の背圧溝と吐出ポート側の背圧溝との中間に位置する中間位置の背圧溝とを有する請求項1から4のいずれかに記載のベーンロータリ型真空ポンプ。
  6. ロータに設けた隣り合うスリットの角度間隔をθとし、ロータがシリンダに最接近する位置を原点位置としたとき、吸入ポート側の背圧溝の弧状溝部を、原点位置と、原点位置から(180°−θ/2)ロータ回転方向に進んだ位置との間の角度範囲位置に設けてなる請求項5に記載のベーンロータリ型真空ポンプ。
  7. ロータに設けた隣り合うスリットの角度間隔をθとし、ロータがシリンダに最接近する位置を原点位置としたとき、弧状溝部を、原点位置から(180°−θ/2)ロータ回転方向に進んだ位置と、原点位置から(180°+θ/2)ロータ回転方向に進んだ位置との間の角度範囲位置に設けると共に、その開放端を前記弧状溝部の終端位置よりもロータ回転方向に進んだ位置に設けてなる中間位置の背圧溝を有する請求項5または6に記載のベーンロータリ型真空ポンプ。
  8. 請求項7に記載の中間位置の背圧溝の開放端を、前記弧状溝部の始端位置からθロータ回転方向に進んだ位置と、前記始端位置から(θ+20°)ロータ回転方向に進んだ位置との間の角度範囲位置に設けたベーンロータリ型真空ポンプ。
  9. ロータに設けた隣り合うスリットの角度間隔をθとし、ロータがシリンダに最接近する位置を原点位置としたとき、吐出ポート側の背圧溝の弧状溝部を、原点位置から(180°−θ/2)ロータ回転方向と逆方向に戻った位置と、原点位置との間の角度範囲位置に設けてなる請求項5から8のいずれかに記載のベーンロータリ型真空ポンプ。
  10. ベーンが3枚、ロータに形成されたスリットが3本、複数の背圧溝が吸入ポート側の背圧溝と、単数または単一組の中間位置の背圧溝と、吐出ポート側の背圧溝とからなる請求項5〜9のいずれかに記載のベーンロータリ型真空ポンプ。
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