JPH0849153A - 不織布製造装置 - Google Patents

不織布製造装置

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JPH0849153A
JPH0849153A JP6200096A JP20009694A JPH0849153A JP H0849153 A JPH0849153 A JP H0849153A JP 6200096 A JP6200096 A JP 6200096A JP 20009694 A JP20009694 A JP 20009694A JP H0849153 A JPH0849153 A JP H0849153A
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fibers
heating
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Osamu Naito
内藤  治
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Abstract

(57)【要約】 【目的】バインダー用熱可塑性繊維を少量混合した、ウ
エッブ中の熱可塑性繊維を熱溶融させて構成繊維の交点
を点接着させることにより、通気性に富み、柔軟なフィ
ルター及び断熱材等として、またワニス等の含浸性が良
好で、しかも機械的物性及び電気特性に優れた不織布を
製造することのできる装置を提供する。 【構成】ウエッブ中の熱可塑性繊維を熱溶融さて構成繊
維の交点を点接着させる不織布製造装置において、ウエ
ッブの搬送経路に沿って線圧0〜0.8kg/cmに加
圧調節可能なローラ搬送手段と、遠赤外線セラミックヒ
ーターからなる加熱手段とを交互多段に配設するととも
に、これらの後段に、線圧10〜600kg/cmに加
圧調節可能な誘導コイルによる発熱ジャケットローラを
配設してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バインダー用熱可塑性
繊維を少量混合させたウエッブを加熱し、該熱可塑性繊
維を熱溶融させて不織布構成繊維の交点を点接着させる
不織布を製造するのに適した装置である。特に全芳香族
ポリアミド繊維を主要構成繊維としバインダー用熱可塑
性繊維を少量混合したウエッブを用いた不織布は、耐熱
フィルター、耐熱性電気絶縁紙、耐熱性フレキシブルプ
リント基板、耐熱性プリント配線用絶縁基板等に好適な
不織布を製造することができ、本発明は、かかる不織布
の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】全芳香族ポリアミド繊維は、耐熱性、機
械的物性、電気特性等が優れた高機能性繊維であること
から広範囲な用途に利用されている。従って全芳香族ポ
リアミド繊維の耐熱性、機械的物性を利用した不織布は
耐熱フィルターとして、または耐熱絶縁ワニスを含浸さ
せたものは耐熱性電気絶縁紙として、樹脂を含浸させた
ものは耐熱性フレキシブルプリント基板として利用され
ると共に、更に耐熱性・難燃性の断熱材や保温材等にも
利用されている。
【0003】全芳香族ポリアミド繊維を用いた不織布に
関しては、以下のようなものが知られている。即ち、全
芳香族ポリアミド繊維を同種のパルプ状粒子とともに混
抄した湿式紙状の耐熱性不織布が広く知られているが、
これは密度が高く、空隙が少ないために通気性が低く柔
軟性に乏しいので、フィルターとして用いた場合、液体
や気体の通過抵抗が著しく高く実用的でなかった。また
耐熱絶縁ワニスの含浸性も低くワニス含浸絶縁紙として
の用途には不向きであった。更に、厚手の不織布の製作
が困難なため、薄手の不織布を複数枚積層して作成する
ため、長時間の加熱により層間で剥離しバブリング現象
が多発し実用に耐えないというものであった。
【0004】また、特公昭52−27189号公報に
は、芳香族ポリアミド繊維と低配向ポリエステル繊維を
含む不織布に樹脂を含浸した不織布は、耐熱性が良好
で、機械的物性にも優れているため各種の用途に利用さ
れることが記載されている。また特開昭60−1264
00号公報には、芳香族ポリアミド繊維と低配向ポリエ
ステル繊維を混合したスラリーを湿式抄紙し、熱圧加工
して紙状物とし、これに樹脂を含浸させることにより、
フレキシブルプリント基板に用いることが記載されてい
る。然し乍ら、これらの不織布は何れも低配向ポリエス
テル繊維が15%以上の高配合であるため低配向ポリエ
ステル繊維の融点以上の温度で熱処理されたときポリエ
ステル繊維が溶融してしまうため不織布の寸法安定性が
保持できないという欠点を有している。例えばこの不織
布にエポキシ樹脂を含浸し、更に片面に銅箔を貼り合わ
せて260〜270℃を越えるハンダ浴上に浮かべると
ポリエステル繊維が溶融してエポキシ樹脂の表面に析出
してしまい、フレキシブルプリント基板としては使用に
耐えないものであった。
【0005】一方、ポリフェニレンサルファイド繊維を
用いた耐熱性のニードルパンチング法による短繊維フェ
ルトや、特開昭57−16954号公報には、スパンボ
ンド法による長繊維不織布などが記載されているが、何
れも機械的絡合により形成されるものであり、熱融着に
よる結合がないために、高温で長時間負荷がかかる場合
に形態保持性が十分でない。熱融着結合点を付与するた
めに不織布を熱圧着すると全体がペーパーライクにな
り、通気性や柔軟性が大きく低下するといった欠点があ
った。
【0006】また、特開昭61−289162号公報に
は、8〜80%の高混率の未延伸ポリフェニレンサルフ
ァイド繊維を融着成分として低温(183〜257℃)
かつ高線圧(30〜270kg/cm)でプレスする方
法が記載されている。これは非常に大きな圧力を要する
ので機械的制約があり、得られた不織布の通気性や柔軟
性が大きく低下するため、フィルターに用いた場合は液
体や気体の通気性が悪いといった欠点があった。
【0007】更に、特開平3−137259号公報及び
特開平3−137260号公報には、97〜92重量%
の耐熱性繊維(全芳香族ポリアミド繊維)と3〜8重量
%の延伸ポリフェニレンサルファイド繊維または未延伸
ポリフェニレンサルファイド繊維とを混綿して形成した
ウェッブを2本の対金属ローラで線圧5〜100kg/
cm、245〜345℃で加圧熱処理して接着させるこ
とで、通気性に富み、柔軟で、ワニス等の含浸性が良好
で、機械的物性に優れた耐熱性不織布を製造することが
記載されている。然し乍ら厚手で通気性が良好で柔軟性
を有する不織布を製造する場合、2本の対金属ローラに
て低圧力でプレスしても不織布の内部まで均等に加熱温
度が伝わり難い、即ち、不織布の表面温度と内部温度と
の隔差が発生して均一に熱融着されないため、機械的物
性が不十分であった。例え2本の金属ローラの周速を低
下させて、厚手のウエッブの内部まで熱融着させようと
した場合、ウエッブの表面は焦げ付くか、またはウエッ
ブの表面が完全溶融状態になってしまい金属ローラの表
面に張り付く現象が発生するばかりか、不織布の生産性
が極端に低下するといった欠点があった。従って実用性
のある厚手の不織布を製造する場合、厚さ(目付)には
限界があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来技術の欠点を解決するため創作されたものであ
り、バインダー用熱可塑性繊維を少量混合したウエッブ
中の熱可塑性繊維を熱溶融させて不織布構成繊維の交点
を点接着させることにより、樹脂などのワニスの含浸性
が良好であり、厚手であっても通気性や柔軟性があり、
しかも機械的物性にも優れた不織布を製造することがで
きる装置である。特に全芳香族ポリアミド繊維を主要構
成繊維とし、バインダー用熱可塑性繊維を少量混合した
ウエッブを用いて、耐熱フィルターから耐熱性電気絶縁
紙、耐熱性フレキシブルプリント基板、耐熱性プリント
配線用絶縁基板等に至るまで広い用途に適合できる不織
布を製造する装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明の不織布製造装置においては、ウエッブの搬
送経路に沿って加圧調節可能なローラ搬送手段と、遠赤
外線による加熱手段とを交互に配設するとともに、その
後段に加圧調節可能な加熱ローラを配設する。ローラ搬
送手段による加圧は、ウエッブが扁平状態にならなくす
るため、線圧0〜0.8kg/cmという軽い加圧調節
可能な加圧手段を有する。
【0010】遠赤外線加熱手段は遠赤外線セラミックヒ
ーターであることが好ましく、また遠赤外線加熱手段
は、これをウエッブ搬送経路の上下に対向配設すること
が好ましい。
【0011】加熱ローラは、線圧10〜600kg/c
mの調節可能な加圧手段を有し、また加熱ローラは誘導
コイルによる発熱ジャケットローラであることが望まし
い。
【0012】
【作用】上記のように構成された不織布製造装置におい
て、該装置に導入されたウエッブは、遠赤外線加熱手段
による遠赤外線の照射と、ローラ搬送手段による軽い加
圧作用とを交互に繰り返すことでウエッブ中の熱可塑性
繊維の溶融温度にまで徐々に加熱昇温するとともにマッ
ト化された直後、加熱ローラで適切な加圧を行う。
【0013】ローラ搬送手段による軽い加圧は、加圧調
節手段により線圧0〜0.8kg/cmの範囲で調節が
可能であって、ウエッブの構成繊維の材料、混合比率、
目付等に応じて適宜容易に調節ができる。
【0014】遠赤外線は空気等の加熱媒体を介すること
なく直接ウエッブ中の繊維に照射し加熱(即ちスポット
加熱)することから、ウエッブの厚さに関係なく表面が
焦げることもなく、内外層とも均一にムラなく加熱され
る。しかも加熱効率も良好で、温度制御も容易であり、
加熱用流体を用いる場合のように密閉する必要がない。
遠赤外線加熱手段としては遠赤外線セラミックヒーター
を用い、これをウエッブ搬送経路の上下に対向配設する
ことでウエッブの両面から所定の温度にまで効率的に加
熱できる。
【0015】また、加熱ローラによるウエッブ中の繊維
の交点を点接着させるための加圧は、加圧調節手段によ
り線圧10〜600kg/cmの範囲で調節が可能であ
って、ウエッブの構成繊維の材料、混合比率、目付等に
応じて適宜容易に調節ができる。
【0016】
【実施例】以下、添付した図面に添って実施例を示し、
更に詳しく本発明について説明する。勿論、本発明は以
下の例によって限定されるものではない。
【0017】図1は本発明の不織布製造装置1の一実施
例を示す概略正面図である。2はウエッブであり、この
ウエッブ2中の主要構成繊維としては、全芳香族ポリア
ミド繊維を用いることが好ましいが、これに限定される
ものではない。全芳香族ポリアミド繊維としては、ポリ
−m−フェニレンイソフタルアミド繊維及びその変成品
と、またはポリ−p−フェニレンテレフタルアミド繊維
及びその変成品などがある。
【0018】バインダー用熱可塑性繊維としては、ポリ
エステル、またはポリフェニレンサルファイドからなる
が、これらは溶融温度(ポリエステル260℃、ポリフ
ェニレンサルファイド290℃)が高いことから好まし
い。しかし、これらに限定されるものではなく、ポリオ
レフィン、熱可塑性ポリアミド、アクリル、ポリオキシ
メチレン、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテ
ル、ポリスチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリ
エーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルサ
ルフォン、熱可塑性ポリアミドイミド、フッ素系樹脂等
からなる繊維が使用可能であることはいうまでもない。
ウエッブ2は、ローラカード等による通常の方法によっ
て形成されるものを用いることができる。
【0019】この装置の入口部には、ウエッブ仮圧縮用
ラチス5がコンベアーラチス4の上部に対向配設されて
いる。適宜のローラカード等によってウエッブが形成さ
れ、次いでクロスレィヤー等によって適宜積層されたウ
エッブ2は、コンベアーラチス4に導入され、コンベア
ーラチス4と仮圧縮用チラス5との作用によって軽く圧
縮されることでウエッブ2の繊維間の抱合力を増加させ
ながら、入口から搬送される。
【0020】中間には、ウエッブ2が搬送ローラ6に続
いて、第1段目の遠赤外線セラミックヒーター13a、
13bがウエッブ2の搬送経路上下に対向配設され、つ
いで第1段目のローラ搬送手段であるキャリアローラ7
aとプレスローラ7bがウエッブ2の搬送経路に対向配
設されている。以下順に第2段目の遠赤外線セラミック
ヒーター14a、14b、第2段目のローラ搬送手段で
あるキャリアローラ8aとプレスローラ8b・・・・第
(n−2)段目のローラ搬送手段であるキャリアローラ
9aとプレスローラ9b、第(n−1)段目のローラ搬
送手段であるキャリアローラ10aとプレスローラ10
b、第n段目の遠赤外線セラミックヒーター16a、1
6bが交互に配設されている。更に、後部には搬送ロー
ラ11が配設されている。ここで遠赤外線セラミックヒ
ーターとローラ搬送手段が交互に多段配設された図1の
ように遠赤外線セラミックヒーターが前方に配設されて
いるが、ローラ搬送手段が前方に配設されていても勿論
よい。また、搬送ローラ6、11の上部にプレスローラ
を配設してもよい。
【0021】中間部でのウエッブ2の温度を検出するた
めの熱電対温度計、または抵抗温度計等を用いた温度検
出器(図示せず)からの情報を基に、遠赤外線セラミッ
クヒーター13a、13b、14a、14b・・・16
a、16bへ供給する電力を制御する制御手段(図示せ
ず)を備えている。遠赤外線セラミックヒーター13
a、13b、14a、14b・・・16a、16bによ
るウエッブ2の昇温常態を個々に測定できるように温度
検出器を複数個設け、それぞれの検出温度に基づき、そ
れぞれの遠赤外線セラミックヒーター13a、13b、
14a、14b・・・16a、16bへの供給電力を個
々に制御できる制御手段を採用することが好ましい。な
お、温度検出器は1つでもよく、その場合は、所定の位
置に配設された1つの検出温度に基づいて多数の遠赤外
線セラミックヒーター13a、13b、14a、14b
・・・16a、16bへの供給電力を所定の関係で個々
に制御ができる制御手段を採用してもよい。
【0022】ローラ搬送手段である搬送ローラ6、11
及びキャリアローラ7a、8a,9a,10aとプレス
ローラ7b、8b、9b、10bは、いずれも電動機等
からの駆力により回転駆動(図示せず)されるようにな
っている。また少なくともプレスローラ7b、8b、9
b、10bは、圧力センサー等によって制御される加圧
調節可能な空気圧駆動機構等(図示せず)を備え、これ
によってウエッブ2に線圧0〜0.8kg/cmの軽い
加圧を与えることができるようになっている。また、ウ
エッブ2に与える加圧が0もしくは最も軽く行う場合に
は、プレスローラ7b、8b、9b、10bを浮かす
か、もしくは自重による加圧をウエッブ2の状況に応じ
て適宜に操作できることは勿論である。なお、キャリア
ローラ7a、8a,9a,10a及びプレスローラ7
b、8b、9b、10bは、ローラ内部に流体を流こと
で所定の表面温度に制御することがより望ましい。
【0023】従って、中間部でウエッブ2は第1段目の
遠赤外線セラミックヒーター13a、13bによって、
内層に至るまで均一に加熱され昇温が始まる。第1段目
のローラ搬送手段であるキャリアローラ7aとプレスロ
ーラ7bとによる線圧0〜0.8kg/cmの軽い加圧
を行う。第2段目以降の遠赤外線セラミックヒーター1
4a、14b、第2段目のローラ搬送手段であるキャリ
アローラ8aとプレスローラ8b・・・・第(n−2)
段目のローラ搬送手段であるキャリアローラ9aとプレ
スローラ9b、第(n−1)段目の遠赤外線セラミック
ヒーター15a、15b、第(n−1)段目のローラ搬
送手段であるキャリアローラ10aとプレスローラ10
b、第n段目の遠赤外線セラミックヒーター16a、1
6bを通過することによって、ウエッブ2中の熱可塑性
繊維が軟化しはじめ、表面が焦げることなく内外層とも
に均一に順次昇温されるとともにマット化が進み、最終
段目の遠赤外線セラミックヒーターを通過したときはウ
エッブ2中の熱可塑性繊維の溶融温度にまで到達する。
【0024】こうして遠赤外線照射による加熱と軽い加
圧を繰り返すことによりウエッブ2中の熱可塑性繊維は
溶融温度にまで達し、しかも扁平状に押し潰されること
なく、所期の厚さのマットが中間部から搬送される。
【0025】出口部には、上下のカレンダーローラ12
b、12aからなる加熱ローラ対がウエッブ2の搬送経
路に対向に配設されている。カレンダーローラ12b、
12aは電動機等から駆動力により回転駆動(図示せ
ず)されるようになっており、少なくとも上方のカレン
ダーローラ12b、若しくは下方のカレンダーローラ1
2aは、圧力センサー等によって制御される加圧調節可
能な油圧駆動機構等(図示せず)を備え、これによって
ウエッブ2に線圧10〜600kg/cmを与えること
ができるようになっている。また、カレンダーローラ1
2a、12bのローラ内部に誘導コイルによる発熱ジャ
ケットが配設され温度制御装置によってローラ全長の温
度分布が均一に調節できるようになっている。カレンダ
ーローラ12a、12bの表面温度は熱損失等を考慮し
てウエッブ2中の熱可塑性繊維の溶融温度より僅か高め
に設定制御することが好ましい。
【0026】従って、ウエッブ2は、中間部で遠赤外線
加熱手段から照射される遠赤外線の加熱とローラ搬送手
段による軽い加圧作用とを交互に繰り返すことにより、
ウエッブ中の熱可塑性繊維の溶融温度にまで徐々に均一
に加熱され昇温すると同時に、不織布構成繊維自体が有
する高温による熱収縮が発生し、寸法安定化された直後
に、カレンダーローラで適切な圧力を加えることで、不
織布構成繊維の交点は点接着される。
【0027】こうして得られた不織布は厚手であって
も、通気性に富み、柔軟で、ワニス等の含浸性が良好
で、しかも機械的物性にも優れた不織布となる。特に、
全芳香族ポリアミド繊維を主要構成繊維とし、バインダ
ー用熱可塑性繊維を少量混合したウエッブからなるもの
は、ペーパーライク化することなく、通気性に富み、柔
軟な耐熱フィルター等として、また耐熱絶縁ワニス含浸
性が良好で、しかも機械的物性に優れた耐熱性電気絶縁
紙、耐熱性フレキシブルプリント基板、耐熱性プリント
配線用絶縁基板等に利用することが最適である。
【0028】(不織布製造例)繊度2デニール、繊維長
51mmの全芳香族ポリアミド繊維97.5重量%と繊
度1.3デニール、繊維長38mmの延伸ポリエステル
繊維2.5重量%とを、それぞれオープナーで充分に開
繊した後に混綿装置で均一に混綿し、ローラカードで配
向したウエッブを形成する。一方、別系列のローラカー
ドにてウエッブ化し、クロスレイヤーにて積層し、続い
てウエッブドラフターによってドラフト率を1.5〜
2.5倍の範囲で行ってウエッブの目付を調節した上
で、上記の配向したウエッブに重ね合わせて目付100
g/m2 のウエッブを形成した。これを図1に示す不織
布製造装置に導入し、等間隔に配置し13基のローラ搬
送手段により搬送速度8m/minで線圧0.2kg/
cmの軽い加圧を加えながら、等間隔に配置した12基
の遠赤外線セラミックヒーター(照射エネルギー46k
w)によって順次ポリエステル溶融温度である260℃
にまで加熱昇温した。ついで、該ウエッブを表面温度2
70℃のカレンダーローラにより線圧50kg/cmで
熱圧着して所期の耐熱性不織布を製造した。この不織布
は、強度が高く、通気性があり柔軟で耐熱絶縁ワニスの
含浸性もよく、収縮率および重量減率が低く、耐熱性電
気絶縁基材や耐熱フィルター、または断熱材、保温材と
して優れたものであった。
【0029】
【発明の効果】本発明の不織布製造装置によれば、以下
に記載のような効果を奏する。遠赤外線加熱手段から照
射される遠赤外線の作用と、ローラ搬送手段による軽い
加圧作用とを交互に繰り返すことにより、ウエッブ中の
熱可塑性繊維の溶融温度にまで徐々に加熱昇温され、不
織布構成繊維自体が有する高温による熱収縮が発生し、
寸法安定化された直後に、加熱ローラの適切な加圧作用
を受けることにより、ウエッブ中の繊維の交点が点接着
される。こうしてペーパーライク化することなく、通気
性に富み、柔軟なフィルター及び断熱材料等として、ま
たは樹脂などのワニス等の含浸性が良好で、しかも機械
的物性に優れているので、電気絶縁紙、フレキシブツプ
リント基板、プリント配線用絶縁基板等としての不織布
を製造することができる。
【0030】特に、全芳香族ポリアミド繊維を主要構成
繊維とし、バインダー用熱可塑性繊維を少量混合したウ
エッブからなるものを用いると、耐熱フィルター及び耐
熱性断熱材等から、耐熱絶縁ワニス含浸性が良好で、し
かも機械的物性に優れていることを利用して、耐熱性電
気絶縁紙、耐熱性フレキシブルプリント基板、耐熱性プ
リント配線用絶縁基板等に至るまで最適に活用できる不
織布を製造することができる。
【0031】また、ローラ搬送手段による軽い加圧は、
加圧調節手段により線圧0〜0.8kg/cmの範囲で
調節が可能であるため、ウエッブの構成繊維の材料、混
合比率等に応じて線圧を適宜調節することができ、ウエ
ッブのマット化を任意に設定することができる。
【0032】そして、加熱ローラによるウエッブ中の繊
維の交点を点接着させるための圧力は、加圧調節手段に
より線圧10〜600kg/cmの範囲で調節が可能で
あるため、ウエッブの構成繊維の材料、混合比率、必要
とする不織布密度等に応じて線圧を適宜調節することで
所期の不織布を得ることができる。
【0033】更に、遠赤外線は空気等の加熱媒体を介す
ることなく直接ウエッブ中に照射し加熱(即ちスポット
加熱)することから、ウエッブの表面が焦げることな
く、内外層とも均一にムラなく加熱される。しかも加熱
効率も良好であり、温度制御も容易であり、加熱用流体
を用いる場合のように密閉する必要がないことから設備
費、ランニングコスト等が安価となる。そして、遠赤外
線加熱手段としては遠赤外線セラミックヒータを用い、
これをウエッブ搬送経路の上下に対向配設することによ
り効率良く、ウエッブの両面から所定温度にまで加熱す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の不織布製造装置の一実施例を示す概略
正面図である。
【符号の説明】
1−不織布製造装置 2−ウエッブ 3−不織布 6−搬送ローラ 7a−キャリアローラ 7b−プレスローラ 12a−カレンダーローラ 12b−カレンダーローラ 13a−遠赤外線セラミックヒーター 13b−遠赤外線セラミックヒーター

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】バインダー用熱可塑性繊維を熱溶融させ不
    織布構成繊維の交点を点接着させる不織布製造装置にお
    いて、ウエッブの搬送経路に沿って加圧調節可能なロー
    ラ搬送手段と、遠赤外線加熱手段とを交互多段に配設す
    るとともに、これらの後段に加圧調節可能な加熱ローラ
    を配設してなることを特徴とする不織布製造装置。
  2. 【請求項2】ローラ搬送手段は、線圧0〜0.8kg/
    cmという加圧を可能とする加圧調節手段を有すること
    を特徴とする請求項1記載の不織布製造装置。
  3. 【請求項3】遠赤外線加熱手段は遠赤外線セラミックヒ
    ーターであり、これがウエッブ搬送経路の上下に対向配
    設されていることを特徴とする請求項1または2記載の
    不織布製造装置。
  4. 【請求項4】加熱ローラは、誘導コイルによる発熱ジャ
    ケットローラであって、線圧10〜600kg/cmに
    調節可能な加圧手段を有することを特徴とする請求項
    1、2または3記載の不織布製造装置。
JP6200096A 1994-08-02 1994-08-02 不織布製造装置 Pending JPH0849153A (ja)

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Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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