JP2012072526A - 絶縁性不織布およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電気絶縁性を損なうことなく、加工性および耐熱性に優れた絶縁性不織布を提供する。
【解決手段】5〜80質量%の芳香族ポリアミドパルプ粒子および/または繊維と、20〜95質量%のポリカーボネート繊維とを含む、絶縁性不織布を構成することにより、ポリカーボネート繊維が、芳香族ポリアミドパルプ粒子および/または繊維の電気絶縁性を損なうことなく、不織布に柔軟性を付与し、不織布の加工を容易にする。
【選択図】なし

Description

本発明は、電気絶縁性を有し、かつ耐熱性、加工性および難燃性に優れた不織布およびその製造方法に関する。
絶縁性を有するシート状物が、種々の電気製品および部品等において使用されている。例えば、携帯電話等において、プリント基板を電源ユニットから電気的に隔離するために、絶縁性のシートをそれらの間に配置すること、および高電圧ケーブルの表面に絶縁性を有するシートを巻き付けて使用することが知られている。
携帯電話および高圧ケーブル等に使用される絶縁性シート状物は、用途等に応じて所定の耐熱性を有することが求められる。電気絶縁体の耐熱性は、JIS C 4003:1998で定められた耐熱クラスに従って分類される。最近では、耐熱性に関して厳しい要求が課され、クラスHの耐熱性が必要とされることが多い。
良好な電気絶縁性(即ち、高い電気絶縁破壊強度)を有し、かつクラスHの耐熱性を有する絶縁性シートとして、エンジニアリングプラスチックの一種である、芳香族ポリアミド(アラミド)のパルプおよび/または繊維で構成されたシートが使用されている。このシートは薄くても十分な強力を有し、かつ耐熱性および難燃性においても優れていることから、広く使用されている。しかし、アラミドパルプおよび/または繊維のみから成るシートは、柔軟性に欠けること、および高コストであることが予て指摘され、その問題点を解消するために、例えば、ポリエステル繊維を混合した耐熱紙が提案されている(特許文献1)。
アラミド繊維と他の繊維とを併用して形成した絶縁体として、芳香族系重合体のパルプ状粒子と、一部または全部が偏平である短繊維を混合した水性スラリーから湿式抄造によって湿紙を形成し、この湿紙を複数枚積層した後、加熱加圧下に脱水乾燥して一体化させたプレスボードも提案されている(特許文献2)。特許文献2に記載のプレスボードにおいては、圧縮に対する抵抗性を向上させるために、偏平の短繊維が使用されている。
特開平3−97994号公報 特開昭63−315698号公報
特許文献1に記載された耐熱紙は、ポリエステル繊維を混合することによって、曲げ剛性を低下させて柔軟性を確保している。しかし、ポリエステル繊維は、難燃性に劣るという問題がある。近年、電気機器に対して、より高い難燃性が求められ、UL(Underwriters Laboratories)−94に規定するV0レベルの難燃性が求められている。この難燃性を達成するためには、電気機器を構成する部品それぞれが、このレベルの難燃性を有する必要があり、絶縁性シート状物についても例外ではない。また、ポリエステル繊維は、その融点が約260℃程度と高く、これを含むシート状物を熱加工により所望の形状に加工するには、200℃以上に熱することが必要である。高い加工温度はより多くのエネルギーを要し、生産コストおよび環境保護の点から望ましくない。
特許文献2に記載されたプレスボードは、複数枚の湿紙を加熱加圧下に乾燥させて得られるものであり、その目付は相当に大きく(実施例1および2において、約1400g/m)、剛直な板として使用することが予定されているものである。即ち、同文献は、ボードとした後の加工性を向上させるための具体的な構成に言及していない。また、同文献も、特許文献1と同様、絶縁性プレスボードの難燃性に言及していない。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、絶縁性を確保しつつ、優れた耐熱性および難燃性を有し、かつ一旦シート状物とした後の加工性に優れる、絶縁性不織布を提供することを目的としてなされたものである。具体的には、本発明の絶縁性不織布は、5〜80質量%の芳香族ポリアミドパルプ粒子および/または繊維と、20〜95質量%のポリカーボネート繊維とを含む、不織布である。
本発明の絶縁性不織布は、ポリカーボネート繊維を、芳香族ポリアミド粒子および/または繊維とともに用いる。ポリカーボネート繊維は、それ自体芳香族ポリアミド繊維と比較して柔軟なものであり、これを混合することによって、不織布に柔軟性を付与することができる。また、ポリカーボネート繊維は、クラスHの耐熱性を示すほど、耐熱性に優れているとともに、優れた難燃性を示す。よって、本発明の絶縁性不織布は、前記所定量でポリカーボネート繊維を用いることにより、電気絶縁性を確保しつつ、優れた加工性、耐熱性および難燃性を示す。
本発明の不織布は、ポリカーボネート繊維が、軟化および/または溶融した後、固化してなるものであることが好ましい。ポリカーボネート繊維が、軟化および/または溶融した後、固化してなる不織布は、その後、再度加熱して不織布を加工するときに、その寸法が変化しにくく(即ち、収縮または伸びが生じにくく)、優れた寸法安定性を示す。
本発明の不織布は、ポリカーボネート繊維によって、粒子間、粒子−繊維間、および/または繊維−繊維間が熱接着された熱接着絶縁性不織布であることが好ましい。具体的には、ポリカーボネート繊維が、一旦軟化および/または溶融して、粒子間、粒子−繊維間、および/または繊維−繊維間を接着させて固化したものであることが好ましい。ポリカーボネート繊維は、融点が約200℃、ガラス転移温度が約140℃であり、比較的低い温度で軟化または溶融して、粒子間、粒子−繊維間、および/または繊維−繊維間を接着させる。よって、本発明の熱接着絶縁性不織布は比較的小さいエネルギーで製造され得る。さらに、本発明の熱接着絶縁性不織布は、一旦熱接着させた後で加熱したときに、不織布の寸法が変化しにくく(即ち、収縮または伸びが生じにくく)、優れた寸法安定性を示す。
本発明の不織布は、芳香族ポリアミド繊維とポリカーボネート繊維とから成るものであることが好ましい。即ち、芳香族ポリアミド粒子を含まないものであることが好ましい。粒子を含まないことにより、シートが方向性を有し、例えば、一方向において撓み性が良好となることがあり、そのことがシートを加工するうえで好ましい場合がある。
本発明はまた、前記本発明の不織布を製造する方法を提供する。具体的には、本発明の不織布は、5〜80質量%の芳香族ポリアミドパルプ粒子および/または繊維と、20〜95質量%のポリカーボネート繊維とを含む、ウェブを作製すること、およびそのウェブを一体化させることを含む。
前記製造方法において、ウェブは、湿式抄紙ウェブ、カードウェブ、またはエアレイウェブであることが好ましい。ウェブの一体化とは、不織布にした後で、粒子および/または繊維が脱落しない程度に一体化させることをいう。例えば、湿式抄紙ウェブを加圧して、繊維間を密にして一体化させること、およびウェブに加熱処理を施して、ポリカーボネート繊維により軟化および/または溶融させること等が、ウェブの一体化方法として挙げられる。
本発明の不織布は、芳香族ポリアミドパルプ粒子および/または繊維とともに用いる繊維を、ポリカーボネート繊維とすることに特徴を有する。ポリカーボネート繊維を用いることによって、電気絶縁性を大きく低下させることなく、耐熱性、加工性および難燃性に優れた絶縁性不織布を得ることができる。また、ポリカーボネート繊維により粒子間、粒子−繊維間、および/または繊維−繊維間を熱接着させることによって、寸法安定性に優れた不織布が得られる。さらに、ポリカーボネート繊維を使用することによって、芳香族ポリアミドパルプ粒子および/または繊維のみからなる不織布または紙と比較して、低価格の絶縁性不織布を提供することが可能となる。
本発明の絶縁性不織布は、芳香族ポリアミドパルプ粒子および/または繊維と、ポリカーボネート繊維とを含む。これらの要素について、以下に説明する。
芳香族ポリアミドパルプ粒子および/または繊維は、絶縁性不織布、絶縁性の耐熱紙、および絶縁性プレスボード等の構成材料として既に知られているものを任意に使用することができる。具体的には、1)芳香族環を有するジカルボン酸と芳香族環を有するジアミンとの縮合ポリアミド、2)芳香族環を有するアミノカルボン酸を縮合してなる縮合ポリアミド、ならびに3)前記1)および2)を共重合したポリアミドである。パルプ粒子状または繊維の形態を有する芳香族ポリアミドとして、ケブラー(登録商標)(日本では東レ・デュポン(株)が販売)、トワロン(登録商標)、コーネックス(登録商標)、およびテクノーラ(登録商標)(日本ではいずれも帝人テクノプロダクツ(株)が製造または販売)がよく知られている。
本発明の絶縁性不織布を構成し得る芳香族ポリアミドパルプ粒子とは、例えば、特公昭35−11851号公報および特公昭37−5732号公報に記載されている方法で製造されるものである。本明細書において、「芳香族ポリアミドパルプ粒子」という用語は、「芳香族ポリアミド繊維」と区別するために用いられ、同公報に記載のような方法に従って、剪断条件下で沈澱により製造されるものを指す。一般に、芳香族ポリアミドパルプ粒子は、フィブリル化した粒子であって、その寸法が0.1mm以上3mm未満のものである。
本発明においては、芳香族ポリアミド繊維が好ましく用いられ、芳香族ポリアミドパルプ粒子を用いずに、不織布を構成することが好ましい。ここで、「芳香族ポリアミド繊維」という用語は、芳香族ポリアミドを紡糸ノズルから吐出させ、必要に応じて延伸処理を施して得たものを指す。芳香族ポリアミド繊維は、不織布化したときに、不織布に方向性を与え、例えば、不織布の一方向において良好な撓み性を有する不織布を与える。また、芳香族ポリアミドパルプ粒子を使用しないことによって、糊剤を使用せずに、圧延処理を施すことなく、繊維脱落のない又は少ない不織布を得ることができるという利点がある。
芳香族ポリアミド繊維として、ウェブの形態に応じて、繊度1〜10dtex、繊維長3〜100mmのものを任意に使用できる。中でも、芳香族ポリアミド繊維として、繊度が5dtex以下の繊維を用いると、緻密で均一な地合の不織布が得られ、その結果、絶縁性がより高い不織布を得ることができる。例えば、ウェブを湿式抄紙法により作製して、不織布を製造する場合、芳香族ポリアミド繊維は、繊度1〜5dtex、繊維長3〜20mmのものであることが好ましい。ウェブをカード機を用いて作製して、不織布を製造する場合、芳香族ポリアミド繊維は、2〜10dtex、繊維長20〜100mmのものであることが好ましい。ウェブをエアレイ法により作製して、不織布を製造する場合、芳香族ポリアミド繊維は、1〜5dtex、繊維長3〜20mmのものであることが好ましい。
本明細書でいう、「ポリカーボネート繊維」は、溶融紡糸法により製造された、ポリカーボネート樹脂を含む成分のみからなる単一繊維または当該成分を一成分とする複合繊維を指す。ポリカーボネート繊維は、ポリカーボネート樹脂を含む成分が、ポリカーボネート樹脂を好ましくは50質量%以上含み、より好ましくは60質量%以上含み、さらにより好ましくは70質量%以上含み、最も好ましくはポリカーボネート樹脂から実質的になるものである。ここで、「実質的に」という用語は、通常、製品として提供される樹脂は安定剤等の添加剤を含むため、及び/または繊維の製造に際して各種添加剤が添加されるため、ポリカーボネート樹脂のみから成り、他の成分を全く含まない形態の繊維が得られないことを考慮して使用している。通常、添加剤の含有量は最大で15質量%である。
本発明の不織布において、ポリカーボネート繊維は、ポリカーボネート樹脂を含む成分からなる単一繊維であることが好ましく、ポリカーボネート樹脂から実質的に成る単一繊維であることがより好ましい。ポリカーボネートは、ポリカーボネート繊維を構成し得る他の樹脂(例えば、ポリプロピレンおよびポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン6およびナイロン66等の脂肪族ポリアミド系樹脂)と比較して、高い耐熱性および難燃性を有するため、これを多く含むことが、本発明の目的を達成するためには好ましい。
さらに、ポリカーボネート繊維は、分岐化度の高いポリカーボネート樹脂を含むものであることが好ましい。分岐化度の高いポリカーボネート樹脂は、繊度の小さい繊維を得るのに適しているからである。より具体的には、ポリカーボネート繊維は、数平均分子量が19000以下であり、分岐化度が0.1モル%〜0.8モル%の範囲内であるポリカーボネート樹脂を含むものであることが好ましい。ここで挙げる数平均分子量および分岐化度は繊維化後のものである。
ポリカーボネート樹脂の数平均分子量は、繊維を試料として、下記の手順に従って測定される。ポリカーボネート樹脂の数平均分子量は、19000以下であることが好ましく、12000〜16000であることがより好ましく、12500〜15000の範囲内にあることがさらに好ましい。数平均分子量が19000を超えると、溶融紡糸中の樹脂の粘度が高くなり、紡糸中の糸切れが多発し、細い繊維を得られないか、あるいは機械特性の劣った繊維しか得られない。市販のポリカーボネート樹脂は一般に数分子平均量が13000程度以上(繊維化前の状態で測定される値)であり、これよりも小さい分子量のものは入手しにくいため、分子量が12000未満であるポリカーボネート繊維を得ることは、コストの上昇につながることがある。
[数平均分子量および重量平均分子量の測定方法]
試料10mgをテトラヒドロフラン5mLに加え、室温(25℃)で、緩やかに攪拌し、溶解させた。次に、試料を溶解させた溶液を、孔径が0.45μmのフィルターで濾過し、測定用試料溶液を得た。ゲル浸透クロマトグラフ装置 GPC(gel permeation chromatography)に測定用試料溶液を0.2mL注入して、数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)を測定する。また、得られた数平均分子量及び重量平均分子量からQ値(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)を算出した。
上記の測定は、検出器として、示唆屈折率検出器 RI (東ソー製8020型、感度32)を、カラムとして、TSKgelGMHXL(2本)、G2500HXL(1本)を、標準試料として、単分散ポリスチレンを用い、カラム温度を23℃として測定される。
ポリカーボネート樹脂の分岐化度は、ポリカーボネートの構造単位1モルに対する分岐構造単位の合計モル数の比(モル%)で表される。ポリカーボネートの構造単位は、例えば、国際公開パンフレットWO2008/090673号に記載されているとおり、下記式(a)で示されるものであり、分岐構造単位は、下記式(b)〜(e)で示されるものである。
Figure 2012072526
Figure 2012072526

(式(a)、(b)〜(e)中、Xは、単結合、炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数2〜炭素数8のアルキリデン基、炭素数5〜炭素数15のシクロアルキレン基、炭素数5〜炭素数15のシクロアルキリデン基又は、-O-,-S-,-CO-,-SO-,-SO2-で示される2価の基からなる群から選ばれるものである。)
分岐化度は、国際公開パンフレットWO2008/090673号で説明されている方法で測定され、具体的には、次の手順に従って測定される。
試料(繊維1g)を、塩化メチレン100mlに溶解した後、28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液18ml及びメタノール80mlを加え、さらに純水25mlを添加した後、室温で2時間撹拌して完全に加水分解する。その後、ここに1規定塩酸を加えて中和し、塩化メチレン層を分離して加水分解物を得る。
次に、上記の加水分解物0.05gをアセトニトリル10mlに溶解し、逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用し測定を行う。逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)は、溶離液としてアセトニトリルと10mM酢酸アンモニウム水溶液とからなる混合溶媒を用い、アセトニトリル/10mM酢酸アンモニウム水溶液比率を(20/80)からスタートし(80/20)までグラジュエントする条件下、カラム温度40℃で測定を行う。検出は波長280nmのUV検出器(株式会社島津製作所製、SPD-6A)を用いる。
前述した式(a)〜(e)で表される構造単位は、式(f)〜(j)の化合物として検知される。構造単位の同定は、LC-MS(Agilent株式会社製Agilent-1100)及びNMR(日本電子株式会社製AL-400)を用いて行う。また、各構造単位の含有量は、各化合物の標準物質を用いて、(濃度/ピーク面積)の検量線を作成し、各構造単位の含有量を定量する。
Figure 2012072526
前記の範囲の数平均分子量および分岐化度を有するポリカーボネート樹脂は、具体的には、三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社より販売されている、ノバレックスM7020A(粘度平均分子量15000、分岐化度0.2モル%、この商品は、2008年4月1日以降少なくとも本願の出願日までは、溶融法で製造されたポリカーボネート(分岐構造あり)として販売され、2008年3月31日以前に、界面法で製造されたポリカーボネート(分岐構造なし)である、商品名ノバレックス7020Aとは異なる)およびノバレックスM7020J(安定剤が添加されていないことを除いては、ノバレックスM7020Aと同じ物性を有するもの)である。
前記の範囲の数平均分子量および分岐化度を有するポリカーボネート樹脂を用い、溶融紡糸条件および延伸条件を適宜設定することにより、繊度5.0dtex以下の繊維を得ることができる。具体的には、繊維化前の粘度平均分子量が19000以下であり又は繊維化前の数平均分子量が19000以下であり、繊維化前の分岐化度が0.1モル%〜0.8モル%の範囲内であるポリカーボネート樹脂を含む樹脂を溶融させて紡糸ノズルから吐出させること、および紡糸ノズルから吐出したフィラメント状の樹脂を、風圧50mmAqu以上の冷却風で冷却することを含み、さらに必要に応じて130℃以上150℃以下の範囲内にある温度で、1〜3倍の延伸倍率で延伸処理することを含む方法によって、繊度5.0dtex以下のポリカーボネート繊維を得ることができる。
ポリカーボネート繊維の繊度は、芳香族ポリアミド繊維を用いる場合には、その繊度と同じまたはそれ以下の繊度であることが好ましい。ポリカーボネート繊維の繊度を小さくすることによって、より緻密で均一な不織布を得ることができる。あるいは、ポリカーボネート繊維の直径を芳香族ポリアミド繊維の直径と同じまたはそれ以下の直径とすることによっても、緻密で均一な不織布を得ることができる。
ポリカーボネート繊維の繊度が5.0dtexよりも大きくてもよい場合には、繊維化できるポリカーボネート樹脂を用いる限りにおいて、繊維化後のポリカーボネート樹脂の数平均分子量および分岐化度が前記範囲内になくてもよい。即ち、直鎖状の分岐のない又は少ないポリカーボネート樹脂を用いて繊維化したものを、ポリカーボネート繊維として使用してよい。
より具体的には、ポリカーボネート繊維の繊度は、限定されるものではないが、1〜20dtexであることが好ましく、2〜10dtexであることがより好ましい。繊度が1dtex以上であると、安定してポリカーボネート繊維を製造することができる。繊度が20dtex以下であると、緻密で均一な地合の不織布が得られ、絶縁性のより高い不織布となる。また、ポリカーボネート繊維の繊度が前記範囲内にあると、後述のようにポリカーボネート繊維を軟化又は溶融させる場合に、不織布を構成する繊維間の狭い間隙にもポリカーボネート繊維が存在しやすくなる。その結果、ポリカーボネート繊維を軟化又は溶融させた後の不織布の引張強度や突刺強度がより高くなる。
ポリカーボネート繊維の繊維長は、製造しようとする不織布の形態に応じて適宜選択され、例えば、ウェブをカード機を用いて作製して、不織布を製造する場合、ポリカーボネート繊維は、2〜20dtex、繊維長20〜100mmのものであることが好ましい。ウェブをエアレイ法により作製して、不織布を製造する場合、ポリカーボネート繊維は、1〜10dtex、繊維長3〜20mmのものであることが好ましい。ウェブを湿式抄紙法により作製して、不織布を製造する場合、芳香族ポリアミド繊維は、繊度1〜10dtex、繊維長3〜20mmのものであることが好ましい。
本発明の絶縁性不織布において、芳香族ポリアミドパルプ粒子および/または繊維は、5〜80質量%の割合で含まれ、10〜60質量%の割合で含まれることが好ましい。芳香族ポリアミド粒子および/または繊維の割合が5質量%未満であると、不織布が十分な電気絶縁性を有しないものとなり、80質量%を超えると、ポリカーボネート繊維の割合が少なくなって不織布の加工性が低下する。
本発明の絶縁性不織布において、ポリカーボネート繊維は、20〜95質量%の割合で含まれ、40〜90質量%の割合で含まれることが好ましい。ポリカーボネート繊維の割合が20質量%未満であると、不織布が十分な加工性を有しないものとなる。ポリカーボネート繊維の割合が95質量%を超えると、芳香族ポリアミド粒子および/または繊維の割合が少なくなって、不織布が十分な電気絶縁性を有しないものとなる。
芳香族ポリアミドパルプ粒子および/または繊維、ならびにポリカーボネート繊維が、上記の割合で含まれる限りにおいて、本発明の不織布は、他の繊維または添加物を含んでよい。他の繊維は、例えば、合成繊維、再生繊維、無機繊維および天然繊維等である。具体的には、合成繊維は、ポリプロピレンおよびポリエチレン等のポリオレフィン系繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートおよびポリトリメチレンテレフタレート等のポリエステル系繊維、ならびにナイロン6およびナイロン66等のポリアミド系繊維である。再生繊維は、ビスコースレーヨン、キュプラ、および溶剤紡糸セルロース繊維(リヨセル)等である。無機繊維は、例えば、カーボン繊維、ガラス繊維、石綿、アルミナ繊維およびセラミック繊維等である。天然繊維は、例えば、木綿、絹、麻および羊毛等である。尤も、これらの繊維を含むことにより、不織布の加工性および/または難燃性が低下することがある。そのため、他の繊維は、15質量%以下の割合で含まれることが好ましく、10質量%以下の割合で含まれることがより好ましい。最も好ましくは、本発明の絶縁性不織布は、ポリアミドパルプ粒子および/または繊維、ならびにポリカーボネート繊維のみから成り、他の繊維を含まない。
本発明の絶縁性不織布は、ポリカーボネート繊維を熱接着繊維として用い、これによって、粒子間、粒子−繊維間、および/または繊維−繊維間が熱接着された熱接着不織布の形態で提供されてよい。この熱接着不織布は、高い強度を有し、取り扱い性に優れる。また、本発明の絶縁性不織布は、一旦熱接着不織布の形態になると、その後、熱が加えられた場合でもその寸法が変化しにくいという特性を有する。これは、ポリオレフィン系繊維またはポリエステル系繊維で繊維同士を熱接着させた不織布の寸法が、後の加熱によって変化しやすいものであることと異なる、有利な特性である。
また、ポリカーボネート繊維を熱接着繊維として用いた熱接着不織布は、比較的低い温度(140〜200℃程度)で加熱および必要に応じて加圧することによって、所望の形状に加工することができる。これは、ポリカーボネート樹脂が非晶性の樹脂であって、そのガラス転移点が比較的低い(約140℃)ことによると考えられる。ポリエステルのような結晶性の樹脂を流動させるためには、融点近くまで加熱する必要があるため、加工のために大きなエネルギーを要する。ポリカーボネート繊維を用いると、加工温度を低くしても、繊維を構成する樹脂を流動化させることができるため、省資源に寄与できる。
本発明の絶縁性不織布において、ポリカーボネート繊維は、ポリカーボネート繊維が軟化又は溶融した後、固化してなる樹脂固形物の形態で存在することが好ましい。ポリカーボネート繊維が一旦軟化又は溶融し、その後再度固化してなる樹脂固形物であると、不織布の厚みが薄くなり、緻密な不織布が得られ、その結果、電気絶縁性がより高い不織布を得ることができる。また、芳香族ポリアミド粒子および/または繊維の粒子間、粒子−繊維間、および/または繊維−繊維間が熱接着された、強力の高い熱接着不織布を得ることができる。このような熱接着不織布は取り扱い性に優れる。
樹脂固形物は、ポリカーボネート繊維が、形状を維持したまま軟化又は溶融してなる線状樹脂固形物であってよく、又は、軟化又は溶融の度合い(即ち、流動化の度合い)が高くて、フィルム状になったフィルム化樹脂固形物であってよい。あるいは、樹脂固形物は、線状樹脂固形物とフィルム化樹脂固形物とが混在した形態のものであってよい。中でも、樹脂固形物は、ポリカーボネート繊維の形状を維持したまま軟化又は溶融してなる線状樹脂固形物を含むことが好ましい。樹脂固形物が線状樹脂固形物を含むと、絶縁性不織布の平面方向および厚み方向に延びる芳香族ポリアミドパルプ粒子および/または繊維同士を接着することができるため、引張強度に優れた絶縁性不織布を得ることができる。
あるいは、本発明の絶縁性不織布は、樹脂を含浸させて使用してよい。その場合には、含浸させた樹脂を軟化および/または溶融させて、樹脂含浸不織布を所望の形状に加工する。その場合でも、本発明の絶縁性不織布それ自体が、芳香族ポリアミドパルプ粒子および/または繊維のみから成るシート状物と比較して、より柔軟であるため、容易に加工を実施できる。含浸させる樹脂は、樹脂含浸不織布が用途に応じて必要とされる物性(電気絶縁性、耐熱性および難燃性等)を考慮して、選択される。含浸させる樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。
本発明の絶縁性不織布の目付は特に限定されず、用途等に応じて適宜選択される。具体的には、本発明の不織布の目付は、例えば、50〜300g/mとすることができる。ウェブを湿式抄紙法により作製して製造される不織布は、好ましくは50〜150g/m程度の目付を有する。ウェブをカード法により作製して製造される不織布は、好ましくは70〜300g/m程度の目付を有する。ウェブをエアレイ法により作製して製造される不織布は、好ましくは50〜150g/m程度の目付を有する。いずれの方法でウェブを作製する場合にも、必要に応じて、同種または異種のウェブもしくは不織布を積層して一体化させることにより、高い目付の不織布を得ることができる。
本発明の絶縁性不織布の見掛け密度は、0.05〜0.8g/cmであることが好ましく、0.2〜0.7g/cmであることがより好ましい。見掛け密度が0.05g/cm以上であると、絶縁性の繊維が高充填されていることに起因して、より高い絶縁性の不織布を得ることができる。また、見掛け密度が0.8g/cm以下であると、不織布を、不織布の通気性を活かした分野に利用することができ、例えば、空気冷却可能な基板用絶縁カバーなどに使用することができる。
次に、本発明の絶縁性不織布の製造方法を説明する。本発明の絶縁性不織布は、5〜80質量%の芳香族ポリアミドパルプ粒子および/または繊維と、20〜95質量%のポリカーボネート繊維とを含む、ウェブを作製すること、およびそのウェブを一体化させることを含む方法によって製造される。ウェブは、不織布またはパルプ粒子を用いたシートの製造において採用されている任意の方法に従って作製される。具体的には、湿式抄紙法、カード機を用いてパラレルウェブ、セミランダムウェブ、ランダムウェブ、クロスウェブもしくはクリスクロスウェブを作製するカード法、またはエアレイ法が用いられる。いずれの方法を選択するかは、最終的に得られる絶縁性不織布が用いられる用途に応じて決定される。例えば、携帯電話のような小型電気機器においては、絶縁性のムラが少ない絶縁性シートが求められるため、湿式抄紙法により作製されたウェブが好ましく用いられる。絶縁性と通気性とを必要とする場合には、見掛け密度および不織布強度の点から、カード法により作製されるウェブが好ましく用いられる。
次いで、ウェブを一体化させる処理を行う。「ウェブを一体化させる」とは、不織布中のパルプ粒子および/または繊維が後の処理工程または不織布の使用中に、脱落しない程度に繊維同士を交絡させる、または接合することを意味する。したがって、例えば、湿式抄紙法により作製されるウェブにおいては、粒子同士、粒子と繊維、および/または繊維同士が抄紙の段階である程度絡み合うため、抄紙後、必要に応じて圧力を加えながら、ウェブを乾燥処理に付することによって、ウェブの一体化を完了させることも可能である。
あるいは、繊維同士を一体化させる工程は、粒子間、粒子−繊維間、および/または繊維−繊維間を適当な接着剤を用いて接合する工程、繊維の一部を軟化および/または溶融させて粒子間、粒子−繊維間、および/または繊維−繊維間を熱接着する工程、ならびに粒子間、粒子−繊維間、および/または繊維−繊維間をニードルパンチングまたは高圧水流交絡処理により交絡させる工程から選択される、1または複数の工程であってよい。
粒子間、粒子−繊維間、および/または繊維−繊維間を接合させる場合には、特に、ポリカーボネート繊維を軟化および/または溶融させる方法で、粒子間、粒子−繊維間、および/または繊維−繊維間を熱接着することが好ましい。この方法によれば、接着剤を別途用意する必要がなく、また、この方法で製造した不織布は、前述したように、後で熱処理に付されたときの寸法安定性が高いからである。ポリカーボネート繊維を熱接着繊維として熱接着処理を実施する場合には、必要に応じてウェブをニードルパンチングまたは水流交絡処理による交絡処理に付した後、140〜200℃の温度にて、0.1〜10MPaの圧力を加えながら、熱接着処理を実施することが好ましい。
熱接着処理温度は、150℃〜190℃の範囲であることがより好ましい。かかる温度範囲で熱処理を行うと、ポリカーボネート繊維のガラス転移点以上で融点以下の温度であることに起因して、ポリカーボネート繊維の線状樹脂固形物によって、粒子間、粒子−繊維間、および/または繊維−繊維間を熱接着させることができる。
前述のように、不織布に樹脂を含浸させる場合には、粒子間、粒子−繊維間、および/または繊維−繊維間を、接着剤またはポリカーボネート繊維を用いて接合しない方がよい。不織布において接合した部分が存在すると、樹脂が浸透しにくくなるからである。あるいは、ポリカーボネート繊維を熱接着繊維として熱接着処理を実施する場合には、不織布の加工(例えば、成形加工)と同時に、熱接着処理を実施してよい。その場合、不織布の寸法が若干変化するので、その変化を考慮して、加工処理を実施する必要がある。
得られた不織布は、そのまま絶縁性シートとして使用してよく、前述のように、さらに加工処理に付して所望の形状にしてよく、あるいは樹脂を含浸させて使用してよい。中でも、絶縁性不織布は、好適にはスタンパブルシートとして(またはスタンパブルシートのごとく)用いて、成形することができる。スタンパブルシートとして用いられる絶縁性不織布は、例えば、絶縁性不織布を雄型と雌型の間に配置し、両型をプレスすることにより、成型品を与えることができる。いずれのように使用する場合でも、本発明の絶縁性不織布は、芳香族ポリアミドパルプ粒子および/または繊維を、ポリカーボネート繊維と組み合わせることにより、電気絶縁性を確保しつつ、良好な柔軟性を有し、かつ優れた耐熱性および難燃性を示す。したがって、本発明の絶縁性不織布は、種々の電気機器の絶縁部材として、巻き付ける形態で使用するのに適し、あるいは凹凸を有する部品の形状に合致するように加工して使用するのに適している。
本発明の絶縁性不織布は、JIS−C−2300−24.1 交流 A法 JIS(2010)に準じて測定される絶縁破壊の強さが、3kV/mm〜30kV/mmであることが好ましく、4kV/mm〜10kV/mmであることがより好ましい。絶縁破壊の強さが、かかる範囲であると、絶縁性を必要とする、例えば、電子基板の絶縁体などの分野に好ましく利用することができる。
以下、本発明の絶縁性不織布を、実施例によって説明する。
(実施例1)
芳香族ポリアミド繊維として、繊度4.7dtex、繊維長51mmのポリパラフェニレンテレフタルアミドから成る繊維(商品名:ケブラー970、東レ・デュポン(株)販売)を用意した。
ポリカーボネート繊維を下記の方法により製造した。
溶融法で製造したポリカーボネート樹脂(商品名ノバレックスM7020A、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)を用意した。この樹脂の繊維化前の粘度平均分子量は15000であり、数平均分子量は13000であり、分岐化度は0.2モル%であり、重量平均分子量は28500であり、Q値は2.18であり、末端OH基の割合は450ppmであった。
この樹脂を、紡糸ノズル(孔径0.6mm)を用い、紡糸温度を300℃として溶融押出し、紡糸ノズル付近の温度を16℃に冷却し、延伸倍率(紡糸ドラフト)を360倍として、繊度7.8dtexの紡糸フィラメントを得た。冷却は、より詳細には、風圧120mmAqu、風速96m/分、温度16℃の冷却風を、紡糸ノズルから吐出されるフィラメント状の樹脂にあてて実施した。冷却は、100メッシュのステンレスメッシュからなり、垂直方向に40cmにわたって設けられた送風部と、送風部の下部に垂直方向に5mの長さを有する冷却管部とからなる、円筒型の冷却チムニーを用いて行った。上記の風圧および風速は、最上部に位置する冷却風吐出口(紡糸ノズルとの間の垂直方向における距離が5cmとなる位置にある)におけるものである。冷却風吐出口とそれに最も近接するフィラメント状の樹脂との間の距離は、10cmであった。
得られた紡糸フィラメントに繊維処理剤を付与した後、紡糸フィラメントにスタッフィングボックス型クリンパーにて、15山/25mmの機械捲縮を付与した。そして、110℃に設定した熱風吹き付け装置にて約15分間、弛緩した状態で乾燥処理を施し、フィラメントを51mmの繊維長に切断して、ステープルファイバーの形態のポリカーボネート繊維を得た。
芳香族ポリアミド繊維50質量%と、ポリカーボネート繊維50質量%とを混合して、パラレルカード機により、目付135g/mのカードウェブを作製した。次いで、カードウェブを、熱風吹き付け装置を用いて、加熱温度を170℃、圧力を2MPaとして、加熱加圧処理に1分間付して、熱接着不織布を得た。加熱加圧処理は、より具体的には、カードウェブの上に、金属板を載せて、圧力を上記値となるように加え、金属板が載せられた状態のカードウェブを熱風吹き付け装置内に配置して実施した。以下の実施例および比較例においても、熱風吹き付け装置を使用した加熱加圧処理は、このようにして実施した。
(実施例2)
実施例1で作製した手順にしたがってカードウェブを作製した。次いで、作製したカードウェブを積層して目付270g/mの積層ウェブを得、熱風吹き付け装置を用いて、加熱温度を170℃、圧力を2MPaとして、加熱加圧処理に1分間付して、熱接着不織布を得た。
(実施例3)
芳香族ポリアミド繊維として、繊度1.7dtex、繊維長51mmのコポリパラフェニレン・3,4’オキシジフェニレン・テレフタラミドから成る繊維(商品名:テクノーラ、帝人テクノプロダクツ(株)製)を用意した。この繊維50質量%と、実施例1で使用したものと同じポリカーボネート繊維50質量%とを混合して、パラレルカード機を用いて、目付76g/mのカードウェブを作製した。次いで、カードウェブを、熱風吹き付け装置を用いて、加熱温度を170℃、圧力を2MPaとして、加熱加圧処理に1分間付して、熱接着不織布を得た。
(実施例4)
実施例1で用いた手順と同じ手順で、ポリカーボネート繊維を溶融紡糸し、紡糸したフィラメントに機械捲縮を付与することなく、長さ5mmにカットして、短繊維を得た。また、芳香族ポリアミド繊維として、繊度4.7dtex、繊維長5mmのポリパラフェニレンテレフタルアミドから成る繊維(商品名:ケブラーチョップドストランド、東レ・デュポン(株)販売)を用意した。ポリカーボネート繊維90質量%と、芳香族ポリアミド繊維10質量%を混合して、湿式抄紙法により、目付100g/mのウェブを得た。このウェブに、165℃に設定したヤンキードライヤー(圧力2MPa)を用いて加熱加圧処理を1分間行い、熱接着不織布を得た。
(実施例5)
ポリカーボネート繊維の混合割合を70質量%、および芳香族ポリアミド繊維の混合割合を30質量%としたことを除いては、実施例4と同じ手順に従って、熱接着不織布を作製した。
(実施例6)
ポリカーボネート繊維の混合割合を50質量%、および芳香族ポリアミド繊維の混合割合を50質量%としたことを除いては、実施例4と同じ手順に従って、熱接着不織布を作製した。
(実施例7)
ポリカーボネート繊維の混合割合を30質量%、および芳香族ポリアミド繊維の混合割合を70質量%としたことを除いては、実施例4と同じ手順に従って、熱接着不織布を作製した。
(実施例8)
ポリカーボネート繊維の混合割合を50質量%、芳香族ポリアミド繊維の混合割合を50質量%としたこと、およびヤンキードライヤーによる加熱加圧処理の後に、150℃のカレンダーロールを用いて加熱処理を更に実施したことを除いては、実施例4と同じ手順に従って、熱接着不織布を作製した。
(実施例9)
ポリカーボネート繊維の混合割合を50質量%、芳香族ポリアミド繊維の混合割合を50質量%としたこと、および目付を140g/mにしたことを除いては、実施例4と同じ手順に従って、熱接着不織布を作製した。
(比較例1)
ポリカーボネート繊維に代えて、融点165℃のポリプロピレンから成るポリプロピレン繊維(繊度6.7dtex、繊維長51mm)を用いた。実施例1で採用した手順と同じ手順で、カードウェブを作製した。カードウェブを、熱風吹き付け装置を用いて、加熱温度を170℃、圧力を2MPaとして、加熱加圧処理に5分間付して、熱接着不織布を得た。
(比較例2)
ポリカーボネート繊維に代えて、融点165℃のポリプロピレンから成るポリプロピレン繊維(繊度6.7dtex、繊維長51mm)を用いた。実施例1で採用した手順と同じ手順で、カードウェブを作製し、実施例2で採用した手順と同じ手順で、ウェブを得た。この積層ウェブを、熱風吹き付け装置を用いて、加熱温度を170℃、圧力を2MPaとして、加熱加圧処理に5分間付して、熱接着不織布を得た。
(比較例3)
ポリカーボネート繊維の混合割合を10質量%、芳香族ポリアミド繊維の混合割合を90質量%としたことを除いては、実施例4と同じ手順に従って、熱接着不織布を作製した。
(比較例4)
ポリカーボネート繊維に代えて、融点165℃のポリプロピレンから成るポリプロピレン繊維(繊度6.7dtex、繊維長5mm)を用いた。このポリプロピレン繊維の混合割合を50質量%、芳香族ポリアミド繊維の混合割合を50質量%としたこと、およびヤンキードライヤーの設定温度を170℃にしたことを除いては、実施例4と同じ手順に従って、熱接着不織布を作製した。
実施例1〜9および比較例1〜4で得た不織布について、以下の評価を実施した。
[厚み]
厚み測定機(商品名 THICKNESS GAUGE モデル CR−60A (株)大栄科学精器製作所製)を用い、試料1cmあたり2.94cNの荷重を加えた状態で測定した。
[引張強力および伸度]
JIS L 1096 8.14.1 A法(ストリップ法)JIS(2010)に準じて、定速緊張形引張試験機を用いて、試料片の幅5cm、つかみ間隔10cm、引張速度10±3cm/分の条件で引張試験に付し、不織布が破断したときの強力および伸度を測定した。本実施例において、強力および伸度の測定は、ウェブ形態がカードウェブである不織布については、不織布の縦方向(MD方向)および横方向(CD方向)それぞれについて(即ち、各方向を引っ張り方向にして)行い、ウェブ形態が湿式抄紙ウェブである不織布については、縦方向について行った。
[伸長時応力]
JIS L 1096 8.14.1 A法(ストリップ法)JIS(2010)に準じて、定速緊張形引張試験機を用いて、試料片の幅5cm、つかみ間隔10cm、引張速度10±3cm/分の条件で引張試験に付し、5%、10%、15%、20%伸長時の伸長応力を測定した。本実施例において、伸長時応力の測定は、ウェブ形態がカードウェブである不織布については、不織布の縦方向(MD方向)および横方向(CD方向)それぞれについて(即ち、各方向を引っ張り方向にして)行い、ウェブ形態が湿式抄紙ウェブである不織布については、縦方向について行った。
[寸法安定性]
不織布に、縦×横が10cmである正方形の四隅に相当する点を記し、無緊張状態で、200℃に設定した熱風吹き付け装置内に30分間に置いた。それから、不織布を取り出し、加熱後の不織布の四隅を結んで得られる矩形の面積(Acm)を求めた。Aから、次の式により、収縮率を求めた。この収縮率が小さいほど、加熱に対する寸法安定性が高いといえる。
収縮率(%)=[(100−A)/100]×100
[難燃性]
不織布を縦×横が20cm×1cmとなるようにカットし、不織布の縦方向を垂直方向となるように保持した(垂らした)。この不織布の先端に、ガスバーナーの火炎を近づけ、不織布がどのように燃焼するかを観察し、下記の基準に従って評価した。
○:火炎を近づけても不織布に火炎が移らず、不織布からドリップ(=不織布の真下に置いた脱脂綿を発火させる落下物)も生じない。
×:火炎を近づけると不織布に火炎が移って不織布が燃焼するか、あるいは不織布からドリップが生じる。
[絶縁破壊強度]
JIS−C−2300−24.1 交流 A法 JIS(2010)に準じて測定した。
[加工性]
上側の直径14cmφ、下側の直径13.5cmφ、高さが1cmの円錐台形のステンレス製カップの組と、直径14cmφ、下側の直径12.5cmφ、高さが3cmの円錘台形のステンレス製カップの組を用意した。不織布を各組のカップの間にそれぞれ挟みこんだ。次いで、不織布をカップの間に挟み込んだ状態(2つのカップの間に不織布が位置するようにカップを重ねた状態)にして、カップを、熱風吹き付け装置を用いて、加熱温度を150℃、加熱時間を5分間(カップの自重で加圧)として、加熱処理した。その後、取り出して、常温になるまで自然冷却した後の不織布の状態を観察し、成形後の不織布の高さが、カップの高さに対して80%以上である場合にカップ成形できたと判定し、下記の基準に従って評価した。
○:高さが1cmと3cmの両方のカップでカップ形状の成型品を得ることができた。
△:高さが1cmのカップでのみ、カップ形状の成型品を得ることができた。
×:いずれのカップを用いた場合にも、カップ成形できなかった、又は破れが生じた。
各実施例および各比較例の評価結果を表1に示す。
Figure 2012072526
実施例1〜9の不織布はいずれも、難燃性に優れ、かつ優れた又は良好な加工性を示した。これに対し、ポリカーボネート繊維に代えてポリプロピレン繊維を使用した比較例1、2および4はいずれも、難燃性に劣っていた。具体的には、これらの比較例の不織布は、火炎を近づけたときに、不織布の半分以上が燃焼し、さらにドリップの発生が認められた。また、比較例1、2および4の不織布は、加熱処理を施すと熱収縮が生じ、寸法安定性の点で劣っていた。これは、加熱の際に、ポリプロピレン繊維が溶融したことによると考えられる。これに対し、実施例1〜9の不織布はいずれも良好な寸法安定性を示した。
比較例3の不織布は、ポリカーボネート繊維の混合割合が少なかったため、縦方向(MD方向)の強力が非常に小さい不織布となり、取り扱い性の点で劣っていた。そのため、加工性の評価の際に、破れが生じ、加工することができなかった。また、実施例4〜9の結果から、ポリカーボネート繊維の混合割合が大きいほど、縦方向(MD方向)の強力が大きくなる傾向にあり、取扱い性および加工性に優れた不織布を得られることがわかった。
実施例1〜9を比較すると、実施例4〜9(ウェブ形態が湿式抄紙ウェブであるもの)の絶縁破壊強度が、実施例1〜3(ウェブ形態がカードウェブであるもの)のそれと比較して、高い傾向にあることがわかった。また、実施例6と実施例8とを比較すると、実施例8の絶縁破壊強度は、実施例6のそれよりも高かった。さらに、実施例6と実施例9とを比較すると、実施例6の絶縁破壊強度は、実施例9のそれよりも高かった。実施例8は、ヤンキードライヤーによる加熱に加えて、カレンダーロールによる加熱処理を施したことにより、その見掛け密度が実施例6のそれよりも大きくなっている。また、実施例9は、目付が大きかったために、実施例6と同じ加熱加圧処理を施したときに、実施例6と比較して緻密化の度合いが低くなり、実施例6よりも見掛け密度が低くなっている。これらのことから、不織布の見掛け密度が高く、より緻密であるほど、その絶縁破壊強度が高くなると推察される。
本発明の絶縁性不織布は、電気絶縁性を確保しつつ、良好な加工性、および優れた耐熱性および難燃性を示すものであるから、種々の電気製品に組み込む絶縁体として使用するのに適している。

Claims (6)

  1. 5〜80質量%の芳香族ポリアミドパルプ粒子および/または繊維と、20〜95質量%のポリカーボネート繊維とを含む、絶縁性不織布。
  2. 前記ポリカーボネート繊維が、軟化および/または溶融した後、固化してなる請求項1に記載の絶縁性不織布。
  3. ポリカーボネート繊維により、粒子−粒子間、粒子−繊維間および/または繊維−繊維間が熱接着されている、請求項1または2に記載の絶縁性不織布。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の絶縁性不織布をプレス成形してなる成型品。
  5. 5〜80質量%の芳香族ポリアミドパルプ粒子および/または繊維と、20〜95質量%のポリカーボネート繊維とを含む、ウェブを作製すること、およびそのウェブを一体化させることを含む、絶縁性不織布の製造方法。
  6. ウェブを一体化させることが、ポリカーボネート繊維を軟化/溶融させることを含む、請求項5に記載の絶縁性不織布の製造方法。
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