JP7206812B2 - アスファルト防水基布用ガラス繊維補強積層不織布 - Google Patents
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Description
アスファルト防水に使用される基布として、高強力、高弾性率および寸法安定性を得るために、二層の不織布の間にガラス繊維等を一方向に挟む、あるいはガラス繊維等からなるネットを挟んだ積層シートが検討されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、アスファルト加工時の収縮による加工性を改善することを課題としており、自着工法特有の要求特性であるアスファルト加工後のアスファルト防水基布の柔軟性については検討されていない。
2.目付が100g/m2以上200g/m2以下である上記1に記載のアスファルト防水基布用ガラス繊維補強積層不織布。
3.不織布が長繊維不織布である上記1または2に記載のアスファルト防水基布用ガラス繊維補強積層不織布。
4.長繊維不織布がポリエチレンテレフタレートスパンボンド不織布である上記3に記載のアスファルト防水基布用ガラス繊維補強積層不織布。
まず、公知の方法でPETスパンボンド不織布を製造する。続いて、二層のPETスパンボンド不織布の間に複数本のガラス繊維を前記不織布の縦方向に略平行に存在するよう挿入し、積層した後、ニードルパンチによって積層一体化し、積層不織布を得る。得られた積層不織布に加熱圧着処理を行った後、樹脂を含浸処理し、ガラス繊維補強積層不織布を製造する。
加熱圧着処理の加圧線圧が200N/cm未満ではガラス繊維補強積層不織布の厚みを所望の厚みまで十分に下げることができない。また、加圧線圧が350N/cmを越えるとガラス繊維が破断してガラス繊維補強積層不織布に必要な強力を得ることが困難になる。
加熱圧着処理の加工速度が8m/分未満では生産性が悪くなってしまう。また、加工速度が15m/分を超えると、ガラス繊維補強積層不織布の厚みを所望の厚みまで十分に下げるために加熱温度および加圧線圧を従来より上げた上記生産条件では、ガラス繊維が破断してガラス繊維補強積層不織布に必要な強力を得ることができなくなる。
得られた樹脂含浸不織布は、乾燥およびキュアリング工程を通過させて、樹脂による皮膜を張らせることが好ましい。ディッピングよって樹脂を不織布中に多量に含浸させることで、耐熱性に優れた樹脂含浸不織布であるガラス繊維補強積層不織布が得られる。
JIS L 1913(2010) 6.2記載の方法に準拠し、20cm×20cmのサイズで測定した(単位:g/m2)。
JIS L 1913(2010) 6.1記載の方法に準拠し、10cm×230cmのサイズで卓上式測定器(測定子=φ14.3mm)、荷重0.49N/cm2でn=40にて測定した。得られた厚みの平均値を厚みとした(単位:mm)。
JIS L 1913(2010) 6.3.1に記載の手順に従い、定速伸長型引張試験機(オリエンテック製テンシロン)と同試験機の恒温槽を用いて160℃雰囲気下で不織布の製品巾から巾50mm長さ200mmの試料片20点を採取し、試料片短辺を、つかみ間隔100mmとなるようつかみ、引張り速度200mm/分で測定し得られた160℃ 熱時の2%伸張時応力の平均値を160℃ 熱時2%伸張時応力とした(単位:N/5cm)。
得られた不織布に改質アスファルト(SBS 12質量%、ストレートアスファルト180-200 63質量%、充填材 25質量%)を2000g/m2含浸させた後、その両面にさらに2000g/m2の前記改質アスファルト層を両面ができるだけ均等になるよう設ける(改質アスファルト量は4000g/m2)。改質アスファルトを付着させた試料は厚さが3.3.mmになるように調整し、試料となる改質アスファルトシートを作製する。
得られた測定用の改質アスファルトシートをJIS A 6013(2005) 7.12に記載の耐折り曲げ性に記載の手順に従い、無処理、加熱後共に巾50mm長さ100mmの試料片5点につき恒温槽及び、折り曲げ装置を用いて180°に折り曲げて外面の亀裂の有無について測定した。亀裂のなかったものを○、亀裂のあったものを×として評価した。
固有粘度0.65dl/gのポリエチレンテレフタレート(PET)を用い、口径0.30mmの丸断面ノズルを使用し、紡糸温度285℃、単孔吐出量1.25g/分で溶融紡糸し、エジェクターで引き取りつつ開繊して、ネットコンベア上に繊維配列がランダムになるように速度調整して堆積させた。単糸繊度2.7dtexの長繊維からなる目付60g/m2のウェブを得た。次いで圧着面積率7%の角錐台形状の凸部が千鳥配列されたエンボスロールで、195℃、線圧25kN/mでエンボス加工を行い、熱圧着タイプのスパンボンドを得た。
上記で得られたスパンボンド不織布2枚の間に、ガラスフィラメント(日本電気硝子(株)製ガラスヤーンECG1501/01ZY-95(番手33.1tex、引張強さ0.39N/tex以上 単繊維直径9.2±1.0μm)を長手方向(縦方向)に挿入し、積層した後、ニードル密度50本/cm2、ニードル針深度12mm(ニードルはオルガン社製FPD220使用)にてニードルパンチによる交絡処理を行い、ガラス繊維積層不織布を得た。
上記で得られたガラス繊維積層不織布を195℃のエンボスロールとフラットカレンダー間で線圧284N/cm、加工速度10m/分で加熱圧着処理し、次いで尿素メラミン樹脂とアクリル系樹脂をディップ法により付着させた(付着量が固形分21%)。その後150℃で5分の乾燥後、180℃で5分の熱処理を行い、ガラス繊維補強積層不織布を作成した。得られたガラス繊維補強積層不織布の物性を表1にまとめた。
実施例1において、加熱圧着処理を195℃のカレンダーロールとカレンダーロール間で線圧268N/cm、加工速度10m/分に変更した以外は実施例1と同様にして、ガラス繊維補強積層不織布を作成した。得られたガラス繊維補強積層不織布の物性を表1にまとめた。
実施例1において、加熱圧着処理を210℃のエンボスロールとカレンダーロール間で線圧345N/cm、加工速度8m/分に変更した以外は実施例1と同様にして、ガラス繊維補強積層不織布を作成した。得られたガラス繊維補強積層不織布の物性を表1にまとめた。
<比較例1>
実施例1において、ガラスフィラメントを挿入せずに積層不織布を作成した以外は実施例1と同様にして、樹脂含浸積層不織布を作成した。得られた樹脂含浸積層不織布の物性を表1にまとめた。
実施例1において、加熱圧着処理を180℃のエンボスロールとフラットカレンダー間で線圧180N/cm、加工速度12m/分に変更した以外は実施例1と同様にして、ガラス繊維補強積層不織布を作成した。得られたガラス繊維補強積層不織布の物性を表1にまとめた。
実施例1において、加熱圧着処理を195℃のエンボスロールとフラットカレンダー間で線圧440N/cm、加工速度10m/分に変更した以外は実施例1と同様にして、ガラス繊維補強積層不織布を作成した。得られたガラス繊維補強積層不織布の物性を表1にまとめた。
実施例1において、加熱圧着処理を195℃のエンボスロールとフラットカレンダー間で線圧340N/cm、加工速度8m/分に変更した以外は実施例1と同様にして、ガラス繊維補強積層不織布を作成した。得られたガラス繊維補強積層不織布の物性を表1にまとめた。
Claims (4)
- 二層の不織布の間に複数本のガラス繊維を前記不織布の縦方向に略平行に存在させた積層不織布に樹脂を含浸したガラス繊維補強積層不織布であって、厚みが0.4mm以上0.6mm以下であり、目付/厚みの値が0.25g/cm3以上0.35g/cm3以下であり、縦方向の熱時2%伸長時応力が80N/5cm以上であるアスファルト防水基布用ガラス繊維補強積層不織布。
- 目付が100g/m2以上200g/m2以下である請求項1に記載のアスファルト防水基布用ガラス繊維補強積層不織布。
- 不織布が長繊維不織布である請求項1または2に記載のアスファルト防水基布用ガラス繊維補強積層不織布。
- 長繊維不織布がポリエチレンテレフタレートスパンボンド不織布である請求項3に記載のアスファルト防水基布用ガラス繊維補強積層不織布。
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