JPH0848871A - 熱可塑性樹脂組成物、成形材料及びそれを用いた成形品 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物、成形材料及びそれを用いた成形品

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JPH0848871A
JPH0848871A JP18465394A JP18465394A JPH0848871A JP H0848871 A JPH0848871 A JP H0848871A JP 18465394 A JP18465394 A JP 18465394A JP 18465394 A JP18465394 A JP 18465394A JP H0848871 A JPH0848871 A JP H0848871A
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JP
Japan
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resin
melt viscosity
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50vol
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JP18465394A
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English (en)
Inventor
Chikaya Katou
哉也 加藤
Norihiro Takahashi
法洋 高橋
Kazuo Kuba
一生 久場
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)およびポリ
アミド樹脂(B)からなり、各々の樹脂が樹脂温度17
0〜220℃、せん断速度10〜103sec-1における溶
融粘度値が103〜106poiseの範囲の中に含まれ、か
つ各々の樹脂を混合、溶融混練する際の溶融粘度比ηA
/ηBと体積%比が、特定の(I)、(II)及び(III)
の関係式にあることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物、
成形材料及びそれを用いた成形品。 【効果】 熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)とポリアミ
ド樹脂(B)と各々の樹脂温度、せん断速度での特定範
囲の溶融粘度を有し、溶融粘度比と体積%比が特定の関
係式であることにより、相溶性、引張弾性率、力学特性
に優れた熱可塑性樹脂組成物、成形品が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、従来の熱可塑性ポリウ
レタン樹脂と比較して高弾性率を示し、相溶性に優れる
ので表面外観性に優れるなどの特徴を有する熱可塑性樹
脂組成物、成形材料及びそれを用いた成形品に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ポリウレタン樹脂は、他の熱可
塑性エラストマーに比べて良好な力学的特性、耐摩耗
性、耐寒性等により広く利用されている。またポリアミ
ド樹脂は、他の汎用エンジニアリングプラスチックに比
べて良好な靱性、耐摩耗性、耐衝撃性等により広く利用
されている。しかし、熱可塑性ポリウレタン樹脂は、剛
性、耐熱性等に劣り、ポリアミド樹脂は吸湿による物性
変化がある。
【0003】そこで両方の樹脂を混合することによって
両者の持つ欠点を互いに補い合う技術が過去に提案され
ている。例えば特公昭54−4388号公報は、耐衝撃
性、剛性共に優れたポリアミド樹脂を得ることを目的と
して、特公昭55−44108号公報は、ポリアミド樹
脂に靱性を付与させることを目的として上記の技術が提
案されている。また、特公昭57−48584号公報
は、熱可塑性ポリウレタン樹脂の比重や成形安定性等を
改良することを目的として、特開平3−14868号公
報は、ポリアミドエラストマ−の耐摩耗性の改良を目的
として上記の技術が提案されている。さらには、各々の
樹脂成分に加えて一つないし二つの他の樹脂成分または
充填剤を混合する技術も多数提案されている(例えば、
特公昭54−4388号公報、特公昭61−17175
6号公報、特開昭61−21565号公報等)。
【0004】通常(A)、(B)各樹脂成分を単純に混
合し、成形を行うと両成分が連続体または層状となり、
両成分の界面での接着強度が低いため各樹脂成分が剥離
してしまい、そのため成形品の表面層が浮き上がること
によるスキンめくれや引張試験等で応力が成形品にかか
ると各樹脂成分に剥離してしまうなど表面外観が悪くな
る。また物性的にも強度面、特に耐衝撃性の低下等がみ
られる。これらの現象は一般的には相溶性が悪い、又は
混和性が悪いといった表現が用いられる。特公昭55−
44108号公報ではポリアミド樹脂に混合する樹脂
が、分散した際の粒子径を限定することによって相溶性
を改善させており、特公昭57−48584号公報では
ポリアミド樹脂に外部可塑剤を添加することによって相
溶性を改善させている。また、特開平3−14868号
公報では、ポリアミド樹脂としてポリエ−テルエステル
アミドを使用することによって相溶性を改善させてお
り、第三成分を加える系では改質ポリオレフィン樹脂等
に代表される相溶化剤を添加することによって相溶性を
改善させている。一般に熱可塑性ポリウレタン樹脂とポ
リアミド樹脂との混合物は完全相溶とはならないため、
表面外観や物性において相溶性の良好な状態とはどちら
か一方の樹脂が他の樹脂の中で粒子状に分散したミクロ
相分離構造をとっていることが多い。そのような構造を
発現させる因子の一つに混練中の各樹脂の溶融粘度が挙
げられる。しかし従来の技術では各樹脂の混練中の溶融
粘度と相溶性に関して明言したものはない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、熱可
塑性ポリウレタン樹脂(A)とポリアミド樹脂(B)と
の混合物がミクロ相分離構造をとることによって相溶性
に優れることにより表面外観に優れ、かつ熱可塑性樹脂
の弾性率を向上することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題点
を鑑みて、成形材料、成形品用途に適した物性を持つ熱
可塑性ポリウレタン樹脂(A)とポリアミド樹脂(B)
を主体とした組成物を得るべく鋭意研究した結果、各々
の樹脂を混合、溶融混練する際の溶融粘度比と体積%比
が特定の範囲に含まれている場合のみ高弾性で、かつ相
溶性に優れることにより表面外観に優れる熱可塑性樹脂
組成物が得られることを見出し本発明を完成するに至っ
た。
【0007】即ち、本発明は、熱可塑性ポリウレタン樹
脂(A)およびポリアミド樹脂(B)からなり、各々の
樹脂が樹脂温度170〜220℃、せん断速度10〜1
3sec-1における溶融粘度値が103〜106poiseの範
囲の中に含まれ、かつ各々の樹脂を混合、溶融混練する
際の溶融粘度比ηA/ηBと体積%比が以下の(I)、(I
I)及び(III)の関係式にあることを特徴とする熱可塑
性ポリウレタン樹脂組成物、成形材料及びそれを用いた
成形品を提供する。
【0008】(I) 0.1≦ηA/ηB<1 (A)+(B)=100体積% 50体積%≦(A)≦99体積% 1体積%≦(B)≦50体積% (II) ηA/ηB=1 (A)+(B)=100体積% 1体積%≦(A)≦99体積%(但し50体積%を除
く) 1体積%≦(B)≦99体積%(但し50体積%を除
く) (III) 1<ηA/ηB≦10 (A)+(B)=100体積% 1体積%≦(A)≦50体積% 50体積%≦(B)≦99体積%
【0009】(構成)一般に異種熱可塑性樹脂どうしを
混合、溶融混練する際には目的とする特性を得ることも
重要だがその相溶性も重要となる。熱可塑性ポリウレタ
ン樹脂とポリアミド樹脂との組み合わせのような非相溶
型のポリマーアロイが、良好な相溶性を示すにはミクロ
相分離構造、即ち、どちらか一方の樹脂がマトリックス
相(連続相)となり、他方の樹脂が分散粒子として均一
に細かく分散している構造をとる必要があるといわれて
いる。溶融混練中にミクロ相分離構造をとるには溶融粘
度の低い樹脂が混練機による温度とせん断力によりマト
リックス相となり、溶融粘度の高い樹脂が分散粒子とな
りマトリックス相に侵入する。この場合マトリックス相
の体積分率が、分散相に比べて50体積%以上ないとマ
トリックス相になりずらい。分散粒子径が細かくなるに
は溶融混練中の温度、せん断力またはせん断速度、各樹
脂の溶融粘度比、各樹脂の界面張力が影響を与えている
と考えられている。せん断力は混練機を選択することに
より、界面張力は樹脂の組み合わせを選択することによ
り自動的に決定される。そこで異種熱可塑性樹脂どうし
を混合、溶融混練して得られた組成物がミクロ相分離構
造をとるためには両樹脂の溶融粘度を近づける制御が必
要となる。
【0010】一般に熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)の
溶融粘度制御としては、ジヒドロキシ化合物の分子量、
長短のジヒドロキシ化合物の重量比、有機ジイソシアネ
ートの配合量等によって行われる。
【0011】またポリアミド樹脂(B)の溶融粘度制御
としては、その分子量さらにポリアミド樹脂が共重合体
である場合の各樹脂成分の組成と重量比によって、さら
には全体の数平均分子量によって行われる。ポリアミド
樹脂(B)の好ましい数平均分子量として5000〜2
0000、より好ましくは8000〜16000であ
る。5000未満ではポリアミド樹脂としての物性例え
ば剛性の低下が生じ、20000を超えると通常の熱可
塑性ポリウレタン樹脂の溶融粘度と著しく異なるので、
好ましくない。
【0012】混練機中での溶融粘度測定方法としては、
実用的な方法がないので、その代用評価として回転粘度
計または細管粘度計による溶融粘度値が一般に用いられ
ている。本発明では、特に高せん断速度範囲での溶融粘
度測定方法として細管粘度計による方法を用いる。混練
機中の樹脂温度とせん断速度が求まれば代用評価でも混
練機中の溶融粘度を充分評価できる。本願発明の溶融粘
度は、具体的には:東洋精機(株)製キャピログラフ1B
にて、ダイス径1.0mm×ダイス長さ10mm、せん
断速度102sec-1で測定をしたものである。
【0013】本願発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂
(A)とポリアミド樹脂(B)の溶融粘度は、成形温度
170〜220℃、せん断速度10〜103sec-1におい
て103〜106poiseである。両樹脂の溶融粘度は、上
記条件でほぼ同じであることが望ましい。さらに両樹脂
の溶融粘度比と体積%比の組み合わせとして好ましい値
は同一成形樹脂温度、せん断速度において (I)0.1≦ηA/ηB<1、より好ましくは0.5≦
ηA/ηB<1の場合 熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)の体積分率は50体積
%以上であり、 (II)ηA/ηB=1の場合 各樹脂の体積分率は50体積%を除いたいかなる体積分
率で良く、 (III)1<ηA/ηB≦10、より好ましくは1<ηA
ηB≦5の場合 ポリアミド樹脂(B)の体積分率は50体積%以上であ
る。
【0014】(I)の場合熱可塑性ポリウレタン樹脂
(A)がマトリックス相となり、ポリアミド樹脂(B)
が分散相となる。(II)の場合体積%の大きい樹脂がマ
トリックス相となり、小さい樹脂が分散相となる。(II
I)の場合ポリアミド樹脂(B)がマトリックス相とな
り、熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)が分散相となる。
溶融粘度比ηA/ηBが0.1を下回るまたは10を超え
る場合は両樹脂の溶融粘度がかけ離れているためその混
合物はミクロ相分離構造となりにくい。また(I)にお
いて熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)の体積分率が50
%未満の場合または(III)においてポリアミド樹脂
(B)の体積分率が50%以下の場合はそれぞれの樹脂
がマトリックス相となりづらいためその混合物もミクロ
相分離構造となりにくい。さらには(II)において各樹
脂の体積%が50体積%の場合両樹脂が連続相すなわち
マトリックス相となる。そのため相溶性が悪く表面外観
が悪くなり、物性的にも強度面、特に耐衝撃性等の低下
がみられる。
【0015】本発明で用いられる熱可塑性ポリウレタン
樹脂(A)は、好ましくは例えば有機ジイソシアネート
(イ)、平均分子量が500〜4000のジヒドロキシ
化合物(ロ)、分子量が500より小さいジヒドロキシ
化合物(ハ)からなる熱可塑性ポリウレタン樹脂のこと
である。その製造方法はいかなる方法でも良く、例えば
(イ)と予め均一に混合した(ロ)および(ハ)とを高
速攪拌混合して離型処理したバット上に流延して必要に
応じて200℃以下の温度で反応して製造するか、或い
は、(イ)と(ロ)を加えて末端イソシアネート基のプ
レポリマーとした後、(ハ)を加えて高速攪拌混合し離
型処理したバット上に流延して必要に応じて200℃以
下の温度で反応して製造するなど従来より公知の技術を
利用できる。
【0016】有機ジイソシアネート(イ)としては、従
来より公知のものがいずれも使用できるが、例えばヘキ
サメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、キシレンジイソシア
ネート、シクロヘキサンジイソシアネート、トルイジン
ジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネー
ト、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4´−ジ
フェニルメタンジイソシアネート、p−フェニレンジイ
ソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、1,
5−ナフタレンジイソシアネートなどの単独あるいはこ
れらの混合物が使用できる。
【0017】分子量が500より小さいジヒドロキシ化
合物(ハ)としては、エチレングリコール、1,2−プ
ロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、
2,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、2,2´−ジメチル−1,3−プロパンジオール、
ジエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサン−1,4−
ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールなど
の単独あるいは混合物が挙げられる。
【0018】平均分子量が500〜4000のジヒドロ
キシ化合物(ロ)としては、ポリエステルジオール、ポ
リエーテルジオール、ポリカーボネートジオール等が挙
げられる。 ポリエステルジオールとしては、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジ
オール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサン
ジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,
5−ペンタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、
或いはその他の低分子ジオール成分の1種叉は2種以上
とグルタル酸、スベリン酸、セバシン酸、テレフタル
酸、イソフタル酸等の低分子ジカルボン酸の1種叉は2
種以上との縮合重合物やラクトンの開環重合で得たポリ
ラクトンジオール、例えばポリプロピオラクトンジオー
ル、ポリカプロラクトンジオール、ポリバレロラクトン
ジオール等が挙げられる。
【0019】ポリエーテルジオールとしては、ポリプロ
ピレンエーテルグリコール、ポリテトラメチレンエーテ
ルグリコール、ポリヘキサメチレンエーテルグリコー
ル、その他の共重合ポリエーテルグリコール等が挙げら
れる。
【0020】ポリカーボネートジオールとしては、ポリ
ヘキサメチレンカーボネートジオール、ポリヘキサメチ
レンカーボネートジオールにラクトンを開環付加重合し
て得られるジオール、ポリヘキサメチレンカーボネート
ジオールと他のポリエステルジオール、ポリエーテルジ
オール、ポリエーテル・エステルジオールとの共縮合物
等が挙げられる。
【0021】本発明において用いられるポリアミド樹脂
(B)は、いかなる組成でも良く、例えばナイロン6、
66、610、11、12等の従来から公知なポリアミ
ド樹脂のことである。
【0022】ここでナイロン6とは、ε−カプロラクタ
ムの自己重縮物のことであり、ナイロン66とはヘキサ
メチレンジアミンとアジピン酸との重縮合物のことであ
り、ナイロン610とはヘキサメチレンジアミンとセバ
シン酸との重縮合物のことであり、ナイロン11とは1
1−アミノウンデカン酸の重縮合物のことであり、ナイ
ロン12とはラウロラクタムの自己縮合物のことであ
る。それら以外にもヘキサメチレンジアミンとドデカン
酸との重縮合物(ナイロン612)、ヘキサメチレンジ
アミンとテレフタル酸との重縮合物(ナイロン6T)、
キシリレンジアミンとアジピン酸との重縮合物(XD6
ナイロン)およびキシリレンジアミンとセバチン酸との
重縮合物(XD10ナイロン)等が使用できる。
【0023】また本発明においてポリアミド樹脂(A)
として共重合ポリアミド樹脂が使用できる。共重合ポリ
アミド樹脂はいかなる組成でも良く、例えばナイロン6
/66、6/610、6/11、6/12、66/61
0、6/66/610共重合体等の従来から公知な共重
合体ナイロン樹脂のことである。その製造方法もいかな
る方法でも良く、例えば単量体を混和して縮合する方法
や重合体を混合し、加熱溶融してアミド交換反応によっ
て共重合体を得る方法など公知の技術を利用できる。
【0024】これらの熱可塑性樹脂組成物には、必要に
応じて脂肪酸エステル、パラフィンワックス、シリコン
オイル等の滑剤、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、着
色剤、帯電防止剤などの添加剤を加えることができる。
また他の強化材、無機系充填材やフィラー等を必要に応
じて併用することもできる。
【0025】本発明の熱可塑性樹脂組成物による成形材
料の製造方法は、特に限定されないが、例えば、ヘンシ
ェルミキサー等により混合した後、押出機、バンバリー
ミキサー、熱ロール、コニーダー等の一般的な溶融混練
機により溶融混練して製造する方法等が挙げられる。
又、ドライブレンド物から、直接溶融混練して成形品を
製造しても良い。
【0026】かくして得られた熱可塑性樹脂組成物から
なる成形材料は、射出成形、押出成形、ブロー成形等の
成形法により、自動車用外板、内装部品、電装部品等、
家電用部品、電子部品、日用品等の成形品を得ることが
できる。
【0027】
【実施例】次に本発明を実施例によって説明するが、こ
れはあくまで一態様でしかなく、本発明は実施例によっ
てのみ限定されるものではない。
【0028】[実施例1〜10、比較例1〜7] 熱可塑性ポリウレタン樹脂:大日本インキ化学工業(株)
製 パンデックス T−6080NAT(エーテル系) パンデックス T−1180N(エステル系) パンデックス T−1370N(エステル系) パンデックス T−8285N(エーテル系) パンデックス T−8295N(エーテル系)
【0029】12ナイロン樹脂:A(分子量約1万4
千) B(分子量約3万)
【0030】6.66共重合ナイロン樹脂:C(分子量
約1万,6成分リッチ) D(分子量約2万,6成分リッチ)
【0031】6.12共重合ナイロン樹脂:E(分子量
約1万,12成分リッチ) これらすべての樹脂は樹脂温度170〜220℃、せん
断速度10〜103sec-1における溶融粘度値が103
106poiseとなる範囲の中に含まれるが、溶融粘度値は
すべて異なる。
【0032】各々の樹脂ペレットを熱風乾燥機にて10
0℃、2時間以上乾燥した後、第1〜4表に示した組成
で混合し、オークマクラウスマッファイ(株)製OKM6
0/210A射出成形機で試験片を成形した。引張弾性
率または相溶性を評価するために引張試験を行った。相
溶性は、引張試験破断後の相剥離状態を目視による判定
で評価した。射出成形時の成形最高温度における各樹脂
の溶融粘度を細管流動試験法にて測定を行った。これら
の値は必ずしも混練機中の実際の溶融粘度を示すもので
はないが、この値を評価することによりその誤差は相殺
される。これらの実施例、比較例は各樹脂の組み合わ
せ、配合比、成形最高温度以外すべて同一成形条件、同
一測定条件である。
【0033】結果を第1〜4表に示す。尚、第1〜4表
中の試験条件は下記によった。 引張試験:JIS K−7311に準拠 23℃、ヘッドスピード300mm/min JIS3号ダンベル
【0034】溶融粘度試験:東洋精機(株)製キャピログ
ラフ1B ダイス径1.0mm×ダイス長さ10mm せん断速度102sec-1
【0035】実施例1において、混合、溶融混練時の成
形最高温度190℃における熱可塑性ポリウレタン樹脂
(A)の溶融粘度は、せん断速度102secー1において
9.0*103poise、ポリアミド樹脂(B)の溶融粘度
は1.0*104poiseであった。体積%は、熱可塑性ポ
リウレタン樹脂(A)が70体積%、ポリアミド樹脂
(B)が30体積%、溶融粘度比は0.90であった。
【0036】各々の樹脂の体積%比と溶融粘度比の値は
特許請求の(I)の範囲に含まれる。表面外観は良好
で、引張弾性率も比較例1におけるパンデックス T−
6080NATのそれよりも上回っている。また、得ら
れた成形品の低温破壊での破断面を走査型電子顕微鏡で
観察を行ったところ、分散粒子径が平均約5μm以下と
なり良好なミクロ相分離構造を示していた。
【0037】以下、実施例2〜8にも同様な結果が得ら
れた。特許請求(I)、(II)の範囲に含まれない例と
して比較例2〜7を示したが、いずれも表面外観が悪
く、引張弾性率については一部測定不可能な例もみられ
た。
【0038】
【表1】 第1表 ──────────────────────────────────── 実施例No. 実1 実2 実3 実4 ──────────────────────────────────── 熱可塑性ポリウレタン樹脂 T-6080NAT T-6080NAT T-6080NAT T-6080NAT ポリアミド樹脂 A A C D ──────────────────────────────────── 体積配合比(WTPU/WNy) 70/30 50/50 70/30 70/30 ──────────────────────────────────── 射出成形最高温度 ℃ 190 190 190 190 溶融粘度比(ηTPU/ηNy) 0.90 0.90 0.75 0.45 ──────────────────────────────────── 相溶性評価* ◎ ○ ◎ ○ ──────────────────────────────────── 引張弾性率(kgf/cm2) 1146 1802 220 208 ──────────────────────────────────── *××:試験前から剥離している(引張試験不可) ×:試験後かなり剥離している △:試験後少し剥離している ○:剥離はしていないが破断面に若干の段差有り ◎:剥離も破断面の段差も無し
【0039】
【表2】 第2表 ──────────────────────────────────── 実施例No. 実5 実6 実7 実8 ──────────────────────────────────── 熱可塑性ポリウレタン樹脂 T-6080NAT T-1180N T-8285N T-8295N ポリアミド樹脂 E A C A ──────────────────────────────────── 体積配合比(WTPU/WNy) 70/30 70/30 70/30 30/70 ──────────────────────────────────── 射出成形最高温度 ℃ 190 190 210 220 溶融粘度比(ηTPU/ηNy) 0.75 0.95 0.67 3.00 ──────────────────────────────────── 相溶性評価* ◎ ◎ ○ ○ ──────────────────────────────────── 引張弾性率(kgf/cm2) 426 930 383 2907 ──────────────────────────────────── *××:試験前から剥離している(引張試験不可) ×:試験後かなり剥離している △:試験後少し剥離している ○:剥離はしていないが破断面に若干の段差有り ◎:剥離も破断面の段差も無し
【0040】
【表3】 第3表 ──────────────────────────────────── 比較例No. 比1 比2 比3 比4 ──────────────────────────────────── 熱可塑性ポリウレタン樹脂 T-6080NAT T-6080NAT T-1370N T-6080NAT ポリアミド樹脂 - A B C ──────────────────────────────────── 体積配合比(WTPU/WNy) 100/0 30/70 50/50 30/70 射出成形最高温度 ℃ − 190 170 190 溶融粘度比(ηTPU/ηNy) − 0.90 0.06 0.75 ──────────────────────────────────── 相溶性評価* − △ ×× × ──────────────────────────────────── 引張弾性率(kgf/cm2) 84 2876 − 405 ──────────────────────────────────── *××:試験前から剥離している(引張試験不可) ×:試験後かなり剥離している △:試験後少し剥離している ○:剥離はしていないが破断面に若干の段差有り ◎:剥離も破断面の段差も無し
【0041】
【表4】 第4表 ─────────────────────────────── 比較例No. 比5 比6 比7 ─────────────────────────────── 熱可塑性ポリウレタン樹脂 T-1180N T-8295N T-8295N ポリアミド樹脂 A A C ─────────────────────────────── 体積配合比(WTPU/WNy) 30/70 70/30 70/30 ─────────────────────────────── 射出成形最高温度 ℃ 190 220 220 溶融粘度比(ηTPU/ηNy) 0.95 3.00 2.50 ─────────────────────────────── 相溶性評価* △ △ ×× ─────────────────────────────── 引張弾性率(kgf/cm2) 2861 1378 − ─────────────────────────────── *××:試験前から剥離している(引張試験不可) ×:試験後かなり剥離している △:試験後少し剥離している ○:剥離はしていないが破断面に若干の段差有り ◎:剥離も破断面の段差も無し
【0042】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑
性ポリウレタン樹脂(A)とポリアミド樹脂(B)各々
の体積分率と溶融粘度との組み合わせを選択することに
より、相溶性に優れた成形材料から外観表面の優れた成
形品が得られる。その成形品は熱可塑性ポリウレタン樹
脂とポリアミド樹脂各々が持つ特性が生きる優れた弾性
率、力学特性、耐寒性、耐摩耗性、成形加工性を併せ持
つものである。
【0043】そのため高弾性な射出成形品、たとえば車
両用タイヤチェーンや従来ピンスパイクを必要とした靴
底やスキー靴等のシェルボディなど、また高弾性な押出
成形品、たとえば高硬度チューブやモノフィラメントな
ど日用品、スポーツ用品、自動車部品、家電部品、電子
部品、医療器具等に好適な成形品が得られる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)および
    ポリアミド樹脂(B)からなり、各々の樹脂が樹脂温度
    170〜220℃、せん断速度10〜103sec-1におけ
    る溶融粘度値が103〜106poiseの範囲の中に含ま
    れ、かつ各々の樹脂を混合、溶融混練する際の溶融粘度
    比ηA/ηBと体積%比が以下の(I)、(II)及び(II
    I)の関係式にあることを特徴とする熱可塑性ポリウレ
    タン樹脂組成物。 (I) 0.1≦ηA/ηB<1 (A)+(B)=100体積% 50体積%≦(A)≦99体積% 1体積%≦(B)≦50体積% (II) ηA/ηB=1 (A)+(B)=100体積% 1体積%≦(A)≦99体積%(但し50体積%を除
    く) 1体積%≦(B)≦99体積%(但し50体積%を除
    く) (III) 1<ηA/ηB≦10 (A)+(B)=100体積% 1体積%≦(A)≦50体積% 50体積%≦(B)≦99体積%
  2. 【請求項2】 熱可塑性ポリウレタン樹脂が、有機ジイ
    ソシアネート(イ)、平均分子量が500〜4000の
    ジヒドロキシ化合物(ロ)、分子量が500より小さい
    ジヒドロキシ化合物(ハ)からなることを特徴とする請
    求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 ポリアミド樹脂(B)の数平均分子量
    が、5000〜20000であることを特徴とする請求
    項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物から
    なることを特徴とする成形材料。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物から
    なることを特徴とする成形品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003292771A (ja) * 2002-01-29 2003-10-15 Kuraray Co Ltd 熱可塑性ポリウレタン組成物およびその製造方法
US7387837B2 (en) 2002-01-29 2008-06-17 Kuraray Co., Ltd. Thermoplastic polyurethane composition and process for producing the same
WO2019106837A1 (ja) * 2017-12-01 2019-06-06 株式会社アシックス アウトソール、及び、靴

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