JPH084835Y2 - コンバイン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は例えば脱穀部前側に刈取部を装設し、刈取部
前面に引起ケースを立設させ、引起ケースに設ける引起
タインによって未刈り穀稈を起立させるコンバインに関
する。

「従来の技術」 従来、実開昭55−113024号公報に示す如く、エンジン
からの駆動力を刈取入力プーリを介して引起し入力軸に
入力させ、多条用の各引起ケースに駆動力を伝える横軸
を前記ケース上側に配設させると共に、前記引起し入力
軸と横軸の伝動経路中に、前記引起し入力軸の回転を変
速する変速ギヤを介在させ、また前記変速ギヤを変速操
作する変速レバーを設ける技術があった。

「考案が解決しようとする課題」 前記従来技術は、前記変速ギヤを内設させる変速ケー
スに変速レバーを設けていたから、引起し駆動構造並び
に変速レバー取付け位置が制約され易く、変速操作など
取扱い操作の簡略化を容易に図り得ない等の問題があっ
た。

「課題を解決するための手段」 然るに、本考案は、エンジンからの駆動力を刈取入力
プーリを介して引起し入力軸に入力させ、多条用の各引
起ケースに駆動力を伝える横軸を前記ケース上側に配設
させると共に、前記引起し入力軸と横軸の伝動経由中
に、前記引起し入力軸の回転を変速する変速ギヤを介在
させ、また前記変速ギヤを変速操作する変速レバーを設
けるコンバインにおいて、前記横軸を内包する横パイプ
の前面視投影範囲内に前記変速レバーを横設させると共
に、前記引起ケースの上端部で該引起ケースの前面視投
影範囲外に、前記変速レバーの握り部を延出させたこと
を特徴とする。

「作用」 従って、前記引起ケース上側の横パイプの背面空間を
利用して変速レバーを配置し得ると共に、引起ケース範
囲外に突出させる握り部を介して変速レバー操作を行い
得、例えば変速ギヤと握り部を刈取部の左右側部に振分
け配置するなど引起し駆動構造並びに握り部取付け位置
の制約を低減し得、引起し構造の簡略化並びに変速操作
性の向上などを容易に図り得るものである。

「実施例」 以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳述する。第
１図は要部の正面説明図、第２図はコンバインの全体側
面図、第３図は同平面図であり、図中（１）は走行クロ
ーラ（２）を装設するトラックフレーム、（３）は前記
トラックフレーム（１）上に架設する機台、（４）はフ
ィードチェン（５）を左側に張架し扱胴（６）及び処理
胴（７）を内蔵している脱穀部、（８）は刈刃（９）及
び穀稈搬送機構（10）などを備える刈取部、（11）は昇
降支点筒軸（12）を介して刈取部（８）を昇降させる油
圧シリンダ、（13）は排藁チェン（14）終端を臨ませる
排藁カッター、（15）は脱穀部（４）からの穀粒を揚穀
筒（16）を介して搬入する穀物タンク、（17）は前記タ
ンク（15）の穀粒を機外に排出する排出オーガ、（18）
は運転操作部（19）及び運転席（20）を備える運転台、
（21）は運転席（20）下方に設けるエンジンであり、連
続的に穀稈を刈取って脱穀するように構成している。

さらに、第４図乃至第８図に示す如く、機台（３）前
側に左右架台（22）（23）を介して前記筒軸（12）を取
付け、該筒軸（12）に刈取フレームパイプ（24）を連結
支持させ、前記筒軸（12）及びパイプ（24）を介して刈
取部（８）各部を装設し、左の架台（22）に設ける水平
回転支点軸（25）を中心に刈取部（８）全体を機体左側
に水平回転自在に取付けると共に、前記筒軸（12）右端
に刈取入力プーリ（26）を設け、該プーリ（26）を介し
て刈取部（８）各部を駆動するように構成している。

また、刈刃駆動ギヤケース（27）などを取付ける駆動
ケース（28）右側を刈取フレームパイプ（24）先端に連
設させ、左１条分の刈取フレーム（29）を駆動ケース
（28）左端に連結固定させると共に、右側２条分の刈取
フレーム（30）（31）及び分草フレーム（32）を横フレ
ーム（33）と横パイプ（34）に一体連設させ、横フレー
ム（33）及びパイプ（34）を介して各フレーム（30）
（31）（32）を駆動ケース（28）に連結支持させてい
る。

また、左右の刈取フレーム（29）（30）基部に支持筒
（35）（35）を固設させ、支持筒（35）に転輪（36）を
装着させ、刈取部（８）を転輪（36）によって支持し乍
ら支点軸（25）を中心に水平移動させると共に、前記各
フレーム（29）〜（32）先端に分草板（37）…（38）を
取付けるもので、右端の分草板（37）を調節板（39）に
より水平方向に揺動自在に設け、その分草板（37）の先
端側を左右に変位させて分草幅を変更するように構成し
ている。

また、刈取フレーム（29）（30）（31）前端にＬ形支
杆（40）…を介して引起ケース（41）…下端を支持させ
ると共に、左及び中央及び右の引起パイプ（42）（43）
（44）を介して引起ケース（41）…上端側を支持させる
もので、３条分の引起ケース（41）…を刈取部（８）前
側に立設させ、各引起ケース（41）…に設ける引起タイ
ン（45）…によって未刈り穀稈を起立させるように構成
している。

さらに、駆動ケース（28）に連設する左の引起パイプ
（42）に引起し入力軸（46）を挿通させると共に、その
パイプ（42）上端に引起し変速ケース（47）を取付ける
と共に、前記各引起ケース（41）…上端側で左右方向に
各引起パイプ（42）（43）（44）を介して水平に横パイ
プ（48）を架設させ、該パイプ（48）に横軸（49）を挿
通し、変速ケース（47）の変速ギヤ（50）を介して横軸
（49）左端を入力軸（46）に連結させる。

また、変速ケース（47）にブラケット（51）及び支軸
（52）を介して変速アーム（53）を軸支させ、変速ギヤ
（50）を切換えるロッド（54）に前記アーム（53）を介
して引起し変速レバー（55）を連結させると共に、横パ
イプ（48）背面側でこれに略平行に前記レバー（55）を
架設し、運転席（20）前方の操作部（19）近くにまで前
記レバー（55）を延出させて握り部（55a）を設け、運
転台（18）の作業者が握り部（55a）を介してレバー（5
5）を左右に摺動させ、変速ギヤ（50）を切換えるもの
で、引起ケース（41）…の上側背面部に前記レバー（5
5）を配設し、レバー（55）操作により引起タイン（4
5）の駆動速度を変更するように構成している。上記か
ら明らかなように、エンジン（21）からの駆動力を刈取
入力プーリ（26）を介して引起し入力軸（46）に入力さ
せ、多条用の各引起ケース（41）…に駆動力を伝える横
軸（49）を前記ケース（41）上側に配設させると共に、
前記引起し入力軸（46）と横軸（49）の伝動経路中に、
前記引起し入力軸（46）の回転を変速する変速ギヤ（5
0）を介在させ、また前記変速ギヤ（50）を変速操作す
る変速レバー（55）を設けるコンバインにおいて、前記
横軸（49）を内包する横パイプ（48）の前面視投影範囲
内に前記変速レバー（55）を横設させると共に、前記引
起ケース（41）の上端部で該引起ケース（41）の前面視
投影範囲外に、前記変速レバー（55）の握り部（55a）
を延出させている。

さらに、駆動スプロケット（56）、テンションスプロ
ケット（57）及び転輪（58）を引起ケース（41）に内設
させてタインチェン（59）を張設させ、該チェン（59）
に引起タイン（45）を取付けると共に、引起ケース（4
1）上端部と横パイプ（48）の間にチェンケース（60）
を連設させ、スプロケット（61）（62）及びチェン（6
3）をケース（60）に内設させ、横軸（49）を駆動スプ
ロケット（56）にチェン（63）を介して連結させ、横軸
（49）を介して３条分の各タイン（45）…を駆動するよ
うに構成している。

また、肉厚のある鋳造物で形成するケース本体（64）
と鈑金製の背面カバー（65）とでチェンケース（60）を
構成し、ケース本体（64）を引起ケース（41）に背面に
固定させ、引起ケース（41）背面の出代を小さくすると
共に、引起ケース（41）の剛性を確保するように形成し
ている。

さらに、第14図及び第15図は他の実施例を示すもの
で、上記実施例のスプロケット（61）（62）及びチェン
（63）に代え、無段変速プーリ（66）（67）及びベルト
（68）を設けて横軸（49）に駆動スプロケット（56）を
連結させ、ベルト（68）を介して引起タイン（45）を駆
動するもので、上記実施例の変速ケース（47）及び変速
ギヤ（50）を不要とし、変速レバー（55）操作によるベ
ルト（68）の無段変速により引起タイン（45）駆動速度
を任意に選択できると共に、走行変速制御と連動させる
モータなどによって変速レバー（55）を作動させること
により、車速と連動して引起し速度を変更することがで
きるものである。

「考案の効果」 以上実施例から明らかなように本考案は、エンジン
（21）からの駆動力を刈取入力プーリ（26）を介して引
起し入力軸（46）に入力させ、多条用の各引起ケース
（41）…に駆動力を伝える横軸（49）を前記ケース（4
1）上側に配設させると共に、前記引起し入力軸（46）
と横軸（49）の伝動経路中に、前記引起し入力軸（46）
の回転を変速する変速ギヤ（50）を介在させ、また前記
変速ギヤ（50）を変速操作する変速レバー（55）を設け
るコンバインにおいて、前記横軸（49）を内包する横パ
イプ（48）の前面視投影範囲内に前記変速レバー（55）
を横設させると共に、前記引起ケース（41）の上端部で
該引起ケース（41）の前面視投影範囲外に、前記変速レ
バー（55）の握り部（55a）を延出させたもので、前記
引起ケース（41）上側の横パイプ（48）の背面空間を利
用して変速レバー（55）を配置できると共に、引起ケー
ス（41）範囲外に突出させる握り部（55a）を介して変
速レバー（55）操作を行うことができ、例えば変速ギヤ
（50）と握り部（55a）を刈取部（８）の左右側部に振
分け配置するなど引起し駆動構造並びに握り部（55a）
取付け位置の制約を低減でき、引起し構造の簡略化並び
に変速操作性の向上などを容易に図ることができるもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は要部の正面説明図、第２図は全体の側面図、第
３図は同平面図、第４図は刈取部の左側面図、第５図は
同平面図、第６図は同右側面図、第７図は同正面図、第
８図は同駆動説明図、第９図は引起し変速部の側面図、
第10図及び第11図は引起ケースの側面図、第12図及び第
13図は同正面説明図、第14図は他の実施例を示す側面
図、第15図は同正面図である。 （41）…引起ケース （45）…引起タイン （55）…引起し変速レバー

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 安藤 和登 大阪府大阪市北区茶屋町１番32号 ヤンマ ー農機株式会社内 (72)考案者 稲垣 晴三 大阪府大阪市北区茶屋町１番32号 ヤンマ ー農機株式会社内 (56)参考文献 実開 昭55−113024（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】エンジン（21）からの駆動力を刈取入力プ
   ーリ（26）を介して引起し入力軸（46）に入力させ、多
   条用の各引起ケース（41）…に駆動力を伝える横軸（4
   9）を前記ケース（41）上側に配設させると共に、前記
   引起し入力軸（46）と横軸（49）の伝動経路中に、前記
   引起し入力軸（46）の回転を変速する変速ギヤ（50）を
   介在させ、また前記変速ギヤ（50）を変速操作する変速
   レバー（55）を設けるコンバインにおいて、前記横軸
   （49）を内包する横パイプ（48）の前面視投影範囲内に
   前記変速レバー（55）を横設させると共に、前記引起ケ
   ース（41）の上端部で該引起ケース（41）の前面視投影
   範囲外に、前記変速レバー（55）の握り部（55a）を延
   出させたことを特徴とするコンバイン。