JPH084808B2 - オ−ステナイト系ステンレス鋼の冷間圧延方法 - Google Patents

オ−ステナイト系ステンレス鋼の冷間圧延方法

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JPH084808B2
JPH084808B2 JP17207887A JP17207887A JPH084808B2 JP H084808 B2 JPH084808 B2 JP H084808B2 JP 17207887 A JP17207887 A JP 17207887A JP 17207887 A JP17207887 A JP 17207887A JP H084808 B2 JPH084808 B2 JP H084808B2
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rolling
cold
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全紀 上田
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Nippon Steel Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、18Cr−8Ni鋼に代表されるオーステナイト
系ステンレス鋼の冷間圧延方法に関する。
[従来の技術] 従来、18Cr−8Ni鋼に代表されるオーステナイト系ス
テンレス鋼である、たとえば、SUS304,SUS301といった
ステンレス鋼の冷間圧延や冷間引き抜き等の冷間加工に
おいては、加工度に応じて硬化が進み、冷間加工プロセ
スの低能率化を招く。
わけても、薄手材の製造においては、冷間加工の途中
で、軟化熱処理、酸洗を行なって冷間圧延を継続すると
いうプロセスを採ることを余儀無くされている。
オーステナイト系ステンレス鋼の冷間加工中の硬化の
原因は、よく知られているように、(i)加工によりγ
系合金がマルテンサイト変態する、(ii)オーステナイ
トの加工硬化が生じる、の2点であり、(i),(ii)
が共に生じることから、普通鋼等に比較して冷間加工に
伴う加工硬化の程度が高く、従って、普通鋼の冷間圧延
で採られている、大径ワークロールを有するタンデム冷
間圧延機列による高速圧延プロセスを採ることができ
ず、オーステナイト系ステンレス鋼の冷間圧延は、小径
のワークロールでかつ周囲から複数のサポートロールで
バックアップする、たとえばセンジミアミルで生産性の
低い操業を余儀無くされている。
今後、たとえば0.1mmといった、薄手のオーステナイ
ト系ステンレス鋼製品のニーズが増大するにつれて、冷
間圧延の高能率が必要となってくるが、特に薄手材の冷
間圧延においては、冷間圧延工程の途中での軟化熱処理
を繰返して冷間圧延する以外になかった。
従来、たとえば「ステンレス鋼便覧」(昭和48年8月
30日、日刊工業新聞社発行)の第620〜629頁に記載され
ているように、前述の軟化熱処理は、冷延コイルを、別
ラインである加熱帯および均熱帯からなる焼純炉で1000
℃以上の温度域で数分間加熱し次いで冷却し、表面にス
ケールを改質後酸洗除去する処理ラインでなされてき
た。
冷延コイルは、このような中間処理を行なうことによ
って軟化され、表面を清浄にされて再び冷間圧延工程に
戻され、圧延される。
このように、従来のプロセスにおいては、高温長時間
加熱とデスケーリングによりコスト高となるのみなら
ず、工程数が多いから製造日程を長くするという問題が
あった。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明は、上に述べた従来の技術における問題点を解
決することを目的としてなされた。
[問題点を解決するための手段] 本発明の要旨とする処は、 1)18Cr−8Ni鋼に代表されるオーステナイト系ステン
レス鋼の冷間圧延において、加工硬化した圧延途中の材
料を急速加熱して700〜950℃の温度域に0〜20秒間保持
して軟化焼鈍した後、冷間圧延を継続することを特徴と
するオーステナイト系ステンレス鋼の冷間圧延方法。及
び 2)加工硬化した圧延途中の材料の急速加熱が、連続圧
延機列における圧延機間でなされるものである前記
(1)に記載の方法。及び 3)加工硬化した圧延途中の材料の急速加熱が、保護雰
囲気下でなされるものである前記(1)に記載の方法。
である。
以下に、この発明を、詳細に説明する。
本発明者等は、18Cr−8Ni鋼に代表されるオーステナ
イト系ステンレス鋼の冷間圧延、就中、薄手材の冷間圧
延の高能率化について検討し、その結果、冷間圧延工程
の途中で材料を急速加熱する方法を組み込むことによ
り、冷間圧延工程の途中から焼鈍、酸洗ラインへ迂回さ
せることなく最終ゲージまで冷間圧延が可能であり、ま
た、たとえば250mm以上の大径ワークロールを有するタ
ンデムミルで冷間圧延することができるプロセスを完成
させた。
先に述べたように、オーステナイト系ステンレス鋼
は、冷間加工に伴って加工硬化が進むが、その原因は、
マルテンサイトに変態することによる硬化と、オーステ
ナイト自体の加工効果とからなっている。これら2つの
原因が、オーステナイト系ステンレス鋼の冷間圧延の能
率化、即ち、1パス当りの圧下率限界を決めている。
そこで本発明者等は、冷間圧延(冷間加工)の途中
で、前述のマルテンサイトへの変態部分とオーステナイ
トの加工硬化部分を軟化させることで、できれば極めて
短時間で軟化させること、たとえばパス間で軟化させる
可能性について検討した。
実験は、SUS304鋼を熱間圧延、酸洗した材料(板)
を、3.0mm厚さから1.5mm厚さまで冷間圧延した段階の冷
延板を用いてなされた。この冷間圧延でマルテンサイト
が18%生成していた。この冷延板を、急速加熱し、短時
間保定した。そのときのマルテンサイトの分解と、加工
硬化したオーステナイトの軟化の限界温度と時間を求め
た。特に、時間については、冷間圧延のパス間でのスト
リップの加熱を想定し、保定時間は、0秒,0.5秒,1秒,3
秒,10秒といった短時間のテストを実施した。
実験結果を、第1図に示す。第1図から明らかな如
く、マルテンサイトの分解に要する温度・時間は、700
℃,0秒以上である。
また、加工硬化したオーステナイトの軟化は、第2図
に示すように、800℃で数秒以内、900℃では保定時間な
しで達成できる。
従来、1000℃以上でなされていた冷間圧延のための中
間焼鈍は、軟化を目的とするだけならば、700〜950℃の
温度域で20秒間以内、特に900℃以上の高温域では保定
時間なしで達成できることが判明した。
これらの結果から、急速加熱法、たとえば誘導加熱法
や通電加熱法によって、タンデム圧延機列の圧延機間で
材料を軟化させることができることが明らかとなった。
このような短時間処理では、材料表面のスケール生成
も軽微であり、加熱部分の雰囲気をコントロールするこ
とでスケールの生成を抑え得るし、また軽度のデスケー
リングでスケールを除去できる。
このように、700〜950℃の温度域で短時間加熱した材
料は、次いで冷却されて200℃以下の温度域で引続き冷
間圧延することができる。むしろ、常温まで冷却するよ
りも50〜200℃の温度域で次の冷間圧延を開始する方
が、冷間加工に伴うマルテンサイト変態を抑制して以降
の冷間圧延を高速化し得ることになる。
最終ゲージまで冷間圧延を行なった後、通常通り、10
00℃以上の温度域で最終焼鈍することで所定の材質を得
ることができる。
勿論、冷間圧延ライン中で、高温、短時間加熱して冷
却した後に冷間圧延を継続するには、加熱に際してスケ
ールを過度に生成せしめないことや、潤滑剤に対する配
慮が必要であるが、これらは、既に存在する急速加熱装
置や冷却装置、さらにはループ機構を付加することで可
能である。
こうして、オーステナイト系ステンレス鋼のマルテン
サイト変態やオーステナイトの加工硬化による冷間圧延
塗中の材料の硬化を、700〜950℃の温度域に材料を急速
加熱することで軟化させ得ることが明らかなったが、こ
の急速加熱法を、普通鋼冷間圧延用のタンデム冷間圧延
機列の圧延機間に適用することによって、オーステナイ
ト系ステンレス鋼もタンデムミルにより高速冷間圧延が
可能となる。
コールドタンデムミルの中間スタンドでの圧延速度を
約500m/minとしスタンド間隔を5mとすると、約0.6秒間
で、最高900℃まで加熱し、冷却することになり、或は
スタンド間にループを設ければさらに容易に材料の加
熱、冷却が可能である。
勿論、リバース方式の冷間圧延プロセスにおいては、
前述のコールドタンデムミルにおけるような急速加熱、
冷却は必要ない。
一方、冷間圧延途中の材料の加熱温度を700〜950℃と
したのは、700℃以下では材料の軟化が不十分であり、9
50℃で効果が飽和するからである。
また保定時間を20秒間以下としたのは、20秒間で効果
が飽和することおよび操業能率を低下せしめないためで
ある。
[実施例] 酸洗済のSUS304鋼板を、タンデムコールドミルによっ
て冷間圧延した。
4スタンドのタンデム冷間圧延においては、冷間圧延
限界は、3.0mmから1.5mmまでの50%であった。
一方、3.0mmから1.5mmに冷間圧延したストリップコイ
ルからサンプルを切り出し、高周波誘導加熱法によっ
て、(i)700℃×1秒間保定および(ii)900℃で保定
時間0秒の条件で急速加熱、急速冷却した。この急速加
熱、急速冷却は、不活性ガスによる保護雰囲気下でなさ
れた。この材料を、タンデムコールドミルによって圧延
した処、1.5mmから0.7mmまで冷間圧延することができ
た。
こうして、タンデムコールドミルのスタンド間で材料
を700℃×1秒間保定域は、950℃で保定なしといった条
件で急速加熱、冷却することにより、普通鋼の圧延の場
合と同一能力のコールドタンデムミルで3.0mm→1.5mm
(冷延率:50%)から3.0mm→0.7mm(冷延率:76.7%)に
冷間圧延限界を引上げることができることが明らかとな
った。
[発明の効果] 本発明は、以上述べたように構成しかつ作用せしめる
ようにしたから、生産性の極めて高い普通鋼用タンデム
コールドストリップミルを用いてオーステナイト系ステ
ンレス鋼を、ホットゲージから最終ゲージまで中間焼鈍
することなく冷間圧延することができる等工業的に大き
な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、冷間圧延途中のSUS304鋼の加熱温度とマルテ
ンサイトの分解挙動の関係を、加熱保定時間水準別に示
す図、第2図は、冷間圧延途中のSUS304鋼の加熱温度と
硬度の関係を、加熱保定時間水準別に示す図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】18Cr−8Ni鋼に代表されるオーステナイト
    系ステンレス鋼の冷間圧延において、加工硬化した圧延
    途中の材料を急速加熱して700〜950℃の温度域に0〜20
    秒間保持して軟化焼鈍した後、冷間圧延を継続すること
    を特徴とするオーステナイト系ステンレス鋼の冷間圧延
    方法。
  2. 【請求項2】加工硬化した圧延途中の材料の急速加熱
    が、連続圧延機列における圧延機間でなされるものであ
    る特許請求の範囲第1項に記載の方法。
  3. 【請求項3】加工硬化した圧延途中の材料の急速加熱
    が、保護雰囲気下でなされるものである特許請求の範囲
    第1項に記載の方法。
JP17207887A 1987-07-11 1987-07-11 オ−ステナイト系ステンレス鋼の冷間圧延方法 Expired - Lifetime JPH084808B2 (ja)

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