JPH0847746A - 鋳造用発泡模型、発泡性樹脂組成物および鋳物の製造法 - Google Patents

鋳造用発泡模型、発泡性樹脂組成物および鋳物の製造法

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JPH0847746A
JPH0847746A JP18620094A JP18620094A JPH0847746A JP H0847746 A JPH0847746 A JP H0847746A JP 18620094 A JP18620094 A JP 18620094A JP 18620094 A JP18620094 A JP 18620094A JP H0847746 A JPH0847746 A JP H0847746A
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casting
foaming
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cast iron
spheroidizing agent
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JP18620094A
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Yoshiyuki Kato
芳行 加藤
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  • Molds, Cores, And Manufacturing Methods Thereof (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 球状化剤を容易に十分に機能させることがで
きる鋳造用発泡模型を堤供する。 【構成】熱可塑性樹脂、発泡剤および球状化剤を含有し
てなる発泡性樹脂組成物を加熱発泡成形してなる鋳造用
発泡模型。 【効果】上記鋳造用発泡模型を用いることにより球状黒
鉛鋳鉄を製造するための鋳造工程前に球状化剤を溶湯に
添加しなくてもよく(予め混合する必要がなく)、この
発泡模型を用いて行う鋳造工程において効率良く反応さ
せることができるので、鋳造の全工程が簡略化でき、し
かも、危険がなく、衛生的に鋳造が可能であり、さら
に、鋳造時の鋳物欠陥が少なくて良好な球状黒鉛鋳鉄の
鋳造品が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋳造用発泡模型、それ
を製造するための発泡性樹脂組成物およびそれを用いる
鋳物の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】発泡ポリスチレンのような発泡熱可塑性
物質からなる模型は、溶融金属(溶湯とよばれる)の鋳
造におけるフルモールド法または消失模型鋳造法(ロス
トフォーム鋳造法ともいう)に使用される。これらの鋳
造法において、製造される鋳造物及ぴ湯道(スプルー)
に対応するように作製されたlつ又はそれ以上の模型が
耐火性塗料(塗型剤ともよばれる)でコートされ、鋳型
を構成する鋳枠中で砂で囲まれる。溶融金属がその鋳型
に注がれると、その模型は分解し、金属がそれに置き換
わり、固化する。この結果、模型と同じ形状を有する鋳
造物が製造される。
【0003】鋳鉄としては、現在、ねずみ鋳鉄(黒鉛が
析出して破面が灰色を呈する鋳鉄)が一般に用いられて
いる。一方、球状黒鉛鋳鉄は、ねずみ鋳鉄より著しく優
れた耐熱性を有しているため、その用途は、近年、圧延
用ロール、鉄管、車両部品、パルプ、カムシャフト、機
械部品等に拡大している。
【0004】球状黒鉛鋳鉄を製造する方法としては、従
来から木型を用いる空洞鋳型鋳造法における押し湯方案
が採用されている。また、消失模型鋳造法における無押
し湯方案で球状黒鉛鋳鉄を製造する方法も提案されてい
る。いずれの方法においても、球状化剤を添加した溶湯
を注湯して鋳込みが行われている。
【0005】前記において、球状化剤を添加した溶湯
は、一般に、置き注法で調製される。この置き注法で
は、普通、電気炉でねずみ鋳鉄(FC相当)をl550
℃まで昇温し溶融した後、取りべ(取り鍋)に注ぎ、例
えば、Fe50%−Si45%−Mg5%等の組成から
なる球状化剤、場合によりさらにFe25%−Si75
%等の組成からなる接種剤が添加される。この後、14
00℃で鋳込んで、球状黒鉛鋳鉄(例えば、FCD40
相当)の製造が行われる。
【0006】従って、前記したいずれの方法において
も、溶湯への球状化剤の添加時に、球状化剤中のマグネ
シウムが爆発的に反応して発煙し、作業場内の空気が著
しく汚染される。
【0007】また、球状化剤を鉄と均一に反応させるた
めには、撹拌を十分に行う必要がある。撹拌を十分に行
なわないと黒鉛が十分に球状化されず、球状黒鉛鋳鉄と
しての金属特性が得られない。これだけでなく、撹拌中
に溶湯の温度が低下し過ぎた場合、湯道(スプルー)で
溶湯が凝固してしまったり、鋳物の湯回り不良(充填不
足)欠陥とか、製品鋳物中に空気を巻き込む等の欠焔を
生じる。
【0008】このような問題点の解決策として、特開平
3-297534号公報には、予備発泡ポリスチレン粒子と球状
化剤および接種剤を混合した後、発泡成形して得られる
消失模型を用いる鋳造方法が提案されている。しかし、
予備発泡ポリスチレン粒子の密度は一般的には0.016〜
0.025g/cm3、(比容積63〜40ml/g)と極めて小さい
のに対して、球状化剤及ぴ接種剤はいずれも金属合金で
あり、密度は3〜5と大きい。このため、予備発泡ポリス
チレン粒子と球状化剤または接種剤は普通では分離し均
一に混合されない。
【0009】そこで、特開平3-297534号公報には、球状
化剤または接種剤の比重を予備発泡ポリスチレン粒子の
比重と同様にするため球状化剤または接種剤をポーラス
にすることも提案されている。しかし、球状化剤または
接種剤をポーラスにして予備発泡ポリスチレン粒子と同
じ比重に調節するためには、そのための設備と操作が必
要であり、また、予備発泡ポリスチレン粒子と密度の大
きく異なる合金を、予備発泡ポリスチレン粒子と同じ密
度に調節することは困難であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、球状
化剤または接種剤を容易に十分に機能させることができ
る鋳造用発泡模型、そのための発泡性樹脂組成物、さら
にそれを用いる鋳造法を堤供することにより、爆発的な
反応に伴う危険がなく、しかも作業環境が良く、良好な
球状黒鉛鋳鉄を得ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明における鋳造用発
泡模型は、熱可塑性樹脂、発泡剤および球状化剤を含有
してなる発泡性樹脂組成物を加熱発泡成形してなるもの
である。
【0012】まず、本発明における発泡性樹脂組成物に
ついて説明する。粒子の主成分となる熱可塑性樹脂は、
溶湯の温度で熱分解し、加熱発泡できる熱可塑性樹脂で
ある。この熱可塑性樹脂としては、スチレン、メチルメ
タクリレート、エチレン、塩化ビニル等のモノマーの単
独重合体、共重合体等、ポリウレタンなどが使用可能で
ある。熱可塑性樹脂は、球状粒子等の粒子形が好まし
く、押出しペレットであってもよい。
【0013】前記単独重合体又は共重合体は、溶液重
合、乳化重合、懸濁重合等の任意の方法で得ることがで
きる。重合に際して、使用される重合開始剤としては、
例えばラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキ
サイド、t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエ
ート)、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチ
ルパーオキシピバレート等の一官能性有機過酸化物、
1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ3,3,5−トリメ
チルシクロヘキサン等の二官能性有機過酸化物などの有
機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリルやアゾビスジ
メチルバレロニトリル等のアゾ化合物などが用いられ
る。
【0014】上記重合開始剤の使用量は、単量体の総量
に対して0.01〜2重量%使用されるのが好ましく、
得られる樹脂の重量平均分子量が5〜35万になるよう
に調節することが好ましい。
【0015】また、重合体の分子量を調節するために、
n−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタ
ン、n−ブチルメルカプタン、tert−ブチルメルカ
プタン等を使用することができる。これらは、好ましく
は、単量体に対して1モル%以下使用する。重合温度は
0〜150℃の間で適宜選択することができる。
【0016】球状黒鉛鋳鉄を得るために使用する球状化
剤としては酸化マグネシウムまたはFe50%−Si4
5%−Mg5%の合金、Fe50%−Si40%−Mg
10%の合金、Fe40%−Si40%−Mg20%合
金、Mg40%−Si60%等のマグネシウムを含む合
金があり、さらに、セリウムと鉄との合金がある。球状
化剤は最大長さが0.01〜0.05μmのものが好ま
しい。
【0017】球状化剤は、発泡性樹脂組成物中に、熱可
塑性樹脂に対して1〜5重量%含有させることが好まし
い。球状化剤が少なすぎると鋳造時の黒鉛の球状化が不
十分になり、球状化剤が多すぎると、発泡成形品に空隙
ができたり、発泡成形品の表面平滑性が低下する。発泡
性樹脂組成物に含有させるべき球状化剤の量は、発泡成
形品の密度、鋳鉄の密度、鋳物の容積、使用すべき球状
化剤の量(鉄に対するマグネシウムまたはセリウムの使
用量)から決定される。一般に、マグネシウムは製品と
なる球状黒鉛鋳鉄中に0.04重量%以上、セリウムは
0.02重量%以上含有することのできるようにされ
る。
【0018】接種とは、球状黒鉛鋳鉄を製造するとき、
上記した球状化剤による処理と併用して行われる方法で
ある。単に、鋳鉄にマグネシウムを添加すると、セメン
タイトが安定化し、白銑の組織になってしまうおそれが
あるので、これを防止する方法である。接種には、接種
剤が使用されるが、接種剤としては、Fe25%−Si
75%などのフェロシリコン、カルシウムシリコン、ニ
ッケルシリコン、クロムシリコン等の珪素合金等が使用
される。接種剤は最大長さが0.01〜0.05μmの
ものが好ましい。この接種剤は、球状化剤と併用するこ
とができる。
【0019】接種剤は、発泡性樹脂組成物中に、球状化
剤とあわせた量で熱可塑性樹脂に対して1〜5重量%含
有させることが好ましい。接種剤の量が少なすぎると鋳
造時にその目的が達成できず、球状化剤と接種剤の量が
多すぎると発泡成形品に空隙ができたり、発泡成形品の
表面平滑性が低下する。発泡性樹脂組成物に含有させる
べき接種剤の量は、発泡成形品の密度、鋳鉄の密度、鋳
物の容積、使用すべき接種剤の量(鉄に対する珪素の使
用量)から決定される。接種剤は、使用する場合、鋳鉄
中の珪素が0.4〜0.6重量%増加する程度に添加さ
れるのが好ましい。
【0020】球状化剤及び接種剤を発泡性樹脂組成物に
含有させる方法としては、前記した熱可塑性樹脂中に分
散させておくことが好ましい。このためには、熱可塑性
樹脂を製造するための重合時に、モノマーと球状化剤及
び接種剤を混合しておく方法、熱可塑性樹脂と球状化剤
及び接種剤を溶融混練(特に押出機で溶融押し出し)す
る方法等がある。熱可塑性樹脂を製造するための重合時
に、モノマーと球状化剤及び接種剤を混合しておく方法
において、重合方法が懸濁重合によるときは、油滴が粘
稠性を帯びた時点で(好ましくは重合率が40〜60重
量%のときに)、球状化剤及び接種剤を添加すること
が、懸濁重合の安定性、熱可塑性樹脂への球状化剤及び
接種剤の効率的な取り込みのために好ましい。
【0021】本発明に使用する発泡剤としては、常温常
圧下で液体であり、かつ、熱可塑性樹脂を溶解しない易
揮発性有機化合物が使用される。発泡剤の含有量は熱可
塑性樹脂に対して0.5〜10重量%であるが好まし
い。この範囲外では良好な発泡成形体が得られなくなる
傾向がある。発泡剤の含有量は熱可塑性樹脂に対して1
〜10重量%であることが特に好ましい。
【0022】発泡剤としては、特に、ペンタンが好まし
く用いられる。ペンタンとしては、n−ペンタン、i−
ペンタン、ネオペンタン、シクロペンタン等が使用でき
る。含浸させた発泡剤の保持性の面と経済性の面からは
i−ペンタンが最も好ましい。ペンタン以外の発泡剤と
しては、例えばプロパン、ブタン、ヘキサン、石油エー
テル等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン等の環状炭化
水素、塩化メチレン、トリクロロトリフルオロエタン、
ジクロロジフルオロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水
素があげられる。これらのペンタン以外の発泡剤は、ペ
ンタンと併用することが好ましい。
【0023】発泡剤は熱可塑性樹脂に含浸させられる
が、その方法としては、熱可塑性樹脂を懸濁重合を採用
して製造するときには、その重合の後半に、重合系に発
泡剤を添加すること、好ましくは圧入することにより行
うことができる。ここで重合の後半とは、重合転化率が
50重量%以上、好ましくは70重量%以上の時点をい
う。別の方法としては、熱可塑性樹脂の球状またはペレ
ット状の粒子を水性媒体中に懸濁させ、これに発泡剤を
添加する方法がある。懸濁下での発泡剤の含浸は20〜
130℃で行うのが好ましい。さらに別の方法として、
熱可塑性樹脂と発泡剤を溶融混合してもよい。この場合
主に、押出機が使用される。
【0024】熱可塑性樹脂への発泡剤の含浸時には、可
塑剤を存在させることができる。可塑剤としては、熱可
塑性樹脂を溶解または膨潤させることができる有機溶剤
が使用でき、その沸点が、熱可塑性樹脂の軟化点よりも
約10℃低い温度以上でかつ150℃以下のものが好ま
しい。可塑剤としては、エチルベンゼン、トルエン、ス
チレン、キシレン等の芳香族炭化水素、1,2−ジクロ
ロプロパン、トリクロロエチレン、パークロロエチレン
等のハロゲン化炭化水素などがある。可塑剤は共重合に
対して0〜5重量%使用されるのが好ましい。さらに、
本発明による発泡性樹脂組成物には、帯電防止剤等の公
知の添加剤を含有させてもよい。
【0025】本発明による発泡用樹脂組成物を用いた消
失模型の発泡成形は広く工業的に行われているスチレン
系樹脂の発泡、成形方法がそのまま適用できる。発泡は
常圧または加圧あるいは減圧下でスチームとか気体によ
る加熱により行われる。例えば、樹脂が粒子の場合は水
蒸気による予備発泡を行った後、成形機中でさらに水蒸
気で発泡させ、成形品を得ることができる。また押し出
し発泡機を用いて発泡体を得ることもできる。本発明に
よる発泡用樹脂組成物の発泡倍率は、低倍率から高倍率
まで任意に選択することができる。
【0026】以上のような方法により得られた消失模型
は、これを砂等の耐火性の物質で囲む工程、消失模型部
に溶湯を注入する工程、この溶湯の熱で消失模型を分解
消失させるとともに消失部分に溶湯を入れる工程、金属
の凝固により鋳造物を模型の複製として形成する工程を
含む鋳鉄の鋳造法に用いられ、球場黒鉛鋳鉄を効率良く
製造することができる。このような鋳造法は、前記消失
模型を使用する以外は、常法に従うことができる。球状
黒鉛鋳鉄の原料銑の溶解は、キュポラ、アーク炉、高周
波誘電炉、反射炉などによることができる。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するがなんらこの方法に制約されるものではない。な
お、以下、「部」及ぴ「%」は重量基準である。
【0028】実施例1(発泡性共重合体粒子および発泡
模型の製造) スチレン750g、メタクリル酸メチル250gの単量
体溶液に、重合開始剤としてt一ブチルパーオキシ(2
一エチルヘキサノエート)2g、ラウロイルパーオキサ
イド2g、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネ
ートlgを溶解した溶液に、球状化剤として酸化マグネ
シウ微粒子を40g、接種剤としてFe25%−Si7
5%の合金微粒子をl0g添加し、撹拌混合した溶液
を、3Lオートクレーブ中のイオン交換水1500g
に、リン酸カルシウム5g、ドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウム0.5%水溶液6g、および硫酸ナトリウ
ム0.5gを溶解および分散させ、500回転/分で撹
拌した水溶液中に添加し、さらにオートクレーブ内の雰
囲気を窒素で置換した。ついで80℃まで昇温し、その
ままの温度でl0時間保持した時点でペンタン(n−ペ
ンタン/iペンタンの重量比が8/2)100g、トル
エン20gを添加して含有させた。ついで110℃まで
昇温し、同温度で5時間保持した。その後、冷却し、発
泡性共重合体粒子を取り出し、塩酸洗浄および水洗脱水
して乾燥した。
【0029】この発泡性共重合体粒子を0.3〜0.7
mmの範囲にふるい分け、ふるい分けた粒子から775
mlをとり常圧スチーム・バッチ式発泡機で25リット
ルに発泡させて予備発泡粒子を得た。この予備発泡粒子
の発泡倍数は、球状化剤及び接種剤を含有していないと
きの50m1/gに相当する。
【0030】この予備発泡粒子を25℃の空気中で24
時間熟成し、減圧冷却方式成形機(ダイセン工業(株)
製ダイヤVS−300成形機)を用い、真空加熱:3
秒、加熱1:3秒、加熱2:7秒、水冷l0秒、放冷3
00秒、加熱スチーム圧力0.8kgf/cm2の条件
下で、大きさ(外形)が横335mm×高さ150m
m、肉厚50mmの箱形の成形品を成形した。成形直後
に成形品の肉厚を測定し、成形金型寸法(50mm)に
対して誤差が+2〜0%(全体寸法5l〜50mm)で
あって、冷却条件が過不足を起こしていないことを確認
した。成形品はこの後40℃で24時間乾燥した。更
に、この成形品をl50mm×335mm×50mm長
方体に切り出し鋳造試験用発泡模型とした。
【0031】参考例 前記実施例1において球状化剤及び接種剤を用いないこ
と以外は、実施例1と同様に行って、発泡性共重合体粒
子、予備発泡粒子及び成形品の製造を行った。得られた
成形品から30mm×30mm×長さ550mmと30
mm×30mm×長さ50mmの大きさに切り出し、こ
れら二つの成形品を酢酸ビニル系接着剤で接着してL字
形成形体(L字の縦を550mmとし、L字の横を80
っmmとした)とした。
【0032】実施例2(鋳物の製造法) 参考例で作製したL字形成形体を湯道(スプルー)とし
て用い、これと実施例1で得られた鋳造試験用模型(球
状化剤を含んでいる)とを酢酸ビニル系接着剤で接着し
た。接着させた湯道と模型を市販されている消失模型専
用の水性珪素ベースの塗型剤(80ボーメ)にどぶづけ
し、室温で48時間自然乾燥させた後、40℃で8時間
乾燥した。元湯としてねずみ鋳鉄FC相当(C:3.7
6%、Si:2.19%、Mn:0.37%、P:0.
06%)を目気炉で1550℃まで加熱した。取り鍋中
でカルシウムカーバイドによりイオウを0.0l9%に
した後、鋳込み温度l450〜l470℃で注湯を行っ
た。このとき,マグネシウムによる爆発的な反応はみら
れず、溶湯の吹き戻し、反応に伴う煙の発生、臭気はな
く、作業性はよかった。得られた鋳物の内部組織を観察
した結果、球状化剤及び接種剤を含有していない湯道
(スプルー)部分の鋳物は元湯と同じ片状黒鉛の組織に
なっているのに対して、球状化剤を含有した発泡性共重
合体粒子から作成した模型部分の鋳物は球状黒鉛の組織
になっていて、球状化の作用に効果があることを確認し
た。更に、鋳物を切断し内部を観察した結果、空洞は発
生しておらず、溶湯の充填性が良好であったことを確認
した。
【0033】
【発明の効果】請求項1における発泡模型は、これを鋳
物の製造法において、球状黒鉛鋳鉄を製造するための鋳
造工程前に球状化剤を溶湯に添加しなくてもよく(予め
混合する必要がなく)、この発泡模型を用いて行う鋳造
工程において効率良く反応させることができるので、鋳
造の全工程が簡略化でき、しかも、危険がなく、衛生的
に鋳造が可能であり、さらに、鋳造時の鋳物欠陥が少な
くて良好な球状黒鉛鋳鉄の鋳造品が得られる。請求項2
における発泡模型には、前記した効果に加え、さらに良
好な球状黒鉛鋳鉄の鋳造品を確実にする効果がある。請
求項3における発泡性樹脂組成物は、これの発泡成形品
を消失模型として用いると、球状黒鉛鋳鉄を製造するた
めの鋳造工程前に球状化剤を溶湯に添加しなくてもよく
(予め混合する必要がなく)、この発泡模型を用いて行
う鋳造工程において効率良く反応させることができるの
で、鋳造の全工程が簡略化でき、しかも、危険がなく、
衛生的に鋳造が可能であり、さらに、鋳造時の鋳物欠陥
が少なくて良好な球状黒鉛鋳鉄の鋳造品が得られる。請
求項4における発泡性樹脂組成物は、これの発泡成形品
を消失模型として用いると、請求項3における効果に加
え、さらに良好な球状黒鉛鋳鉄の鋳造品を確実にする効
果がある。請求項5における方法では、球状黒鉛鋳鉄を
製造するための鋳造工程前に球状化剤を溶湯に添加しな
くてもよく(予め混合する必要がなく)、この発泡模型
を用いて行う鋳造工程において効率良く反応させること
ができるので、鋳造の全工程が簡略化でき、しかも、危
険がなく、衛生的に鋳造が可能であり、さらに、鋳造時
の鋳物欠陥が少なくて良好な球状黒鉛鋳鉄の鋳造品が得
られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C21C 1/10 103

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂、発泡剤および球状化剤を含
    有してなる発泡性樹脂組成物を加熱発泡成形してなる鋳
    造用発泡模型。
  2. 【請求項2】発泡性樹脂組成物がさらに接種剤を含有し
    てなるものである請求項1記載の鋳造用発泡模型。
  3. 【請求項3】熱可塑性樹脂、発泡剤および球状化剤を含
    有してなる発泡性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】さらに接種剤を含有してなる請求項3記載
    の発泡性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】請求項1または請求項2記載の鋳造用発泡
    模型を消失模型として用いることを特徴とする鋳物の製
    造法。
JP18620094A 1994-08-09 1994-08-09 鋳造用発泡模型、発泡性樹脂組成物および鋳物の製造法 Pending JPH0847746A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104308127A (zh) * 2014-10-29 2015-01-28 洛阳轴研科技股份有限公司 一种球墨铸铁消失模铸造球化装置及处理方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104308127A (zh) * 2014-10-29 2015-01-28 洛阳轴研科技股份有限公司 一种球墨铸铁消失模铸造球化装置及处理方法

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