JPH0847383A - 冷凍食品類とその製造法 - Google Patents

冷凍食品類とその製造法

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JPH0847383A
JPH0847383A JP20420994A JP20420994A JPH0847383A JP H0847383 A JPH0847383 A JP H0847383A JP 20420994 A JP20420994 A JP 20420994A JP 20420994 A JP20420994 A JP 20420994A JP H0847383 A JPH0847383 A JP H0847383A
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JP
Japan
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frozen
foods
pyroglutamic acid
food
thawing
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JP20420994A
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English (en)
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Shiyouta Mansei
昌太 満生
Akinori Mizuno
晶徳 水野
Shigeru Toba
茂 鳥羽
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Ajinomoto Co Inc
Original Assignee
Ajinomoto Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 凍結及び解凍時間の短縮された新規な冷凍食
品及び冷凍食品原料。 【構成】 ピログルタミン酸及び/又はその塩を含有し
てなる新規な冷凍食品及び冷凍食品原料、並びにピログ
ルタミン酸及び/又はその酸を含有する食品類を凍結す
ることによる冷凍食品類の製造法。 【効果】 呈味や物性等の食品の品質に影響を及ぼすこ
と無く、冷凍食品類の凍結及び解凍に要する時間を大幅
に短縮出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はピログルタミン酸及びそ
の塩から選ばれた1種以上を含有することを特徴とする
新規な冷凍食品類とその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】食品又はその各種原材料を冷凍する際に
は、生産効率向上及び冷凍変性抑制の観点から、それら
を短時間で凍結せしめることが要求されてきた。そのた
め、冷凍機の能力を上げる等の試みがなされているが、
コストの上昇を伴い、必ずしも良好な方法とは言い難
い。
【0003】一方、凍結状態にある食品を調理・喫食し
たり、凍結状態にある食品原料を加工・調理するために
は解凍過程が必要である。しかしながら、一般的に解凍
に要する時間は、凍結に要する時間以上に長く、生産効
率向上及び家庭に於ける調理簡便性向上の観点から、そ
れらを短時間に解凍せしめることが要求されてきた。こ
のように凍結、解凍が問題になる程に長い時間を要する
のは、水から氷、氷から水に相変化を起こす際に、1g
当たり約335Jの熱量が必要であり、この値は品温を
10℃上げるために必要な1g当たりの熱量約42Jと
比べて非常に大きいからである。
【0004】従って、これらを解決するために、既に、
食品又はその原料に呈味の比較的低い、糖類を始めとす
る可食性の物質を添加することによって不凍水量を増加
せしめることにより、凍結及び解凍時間を短縮する種々
の試みがなされている。具体的には、甘味度50以下の
オリゴ糖を添加し、或いはこれに加えて有機酸塩を添加
する方法(特開平04−222584号公報)が知られ
ている。しかしながら、この方法にあっても、これらの
物質を充分な効果が得られる程度まで添加した場合の呈
味が充分低いとは言えないため、なお一層、凍結・解凍
時間を短縮し、かつ呈味の弱い物質の開発が望まれてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、従来
の方法よりもさらに冷凍時間及び解凍時間が短縮された
冷凍飲食品及び冷凍食品原料を提供することにある。な
お、本明細書では、解凍することによってそのまま調
理、喫食することができる凍結状態の食品のみならず、
喫食できる食品に加工・調理される凍結状態の食品原料
をも含んで冷凍食品類と称することもある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、通常の食品にごく
少量しか含まれることの無いピログルタミン酸(2−ピ
ロリドン−5−カルボン酸とも呼ばれる)とその塩が、
水を不凍水にするすぐれた効果を有すことを見い出し、
これを凍結しようとする飲食品及び食品原料等の食品類
中に含有させ、凍結することによって、呈味に大きな影
響を及ぼすことなく上記の課題を解決できることを発見
し、本発明を完成させるに至った。
【0007】本発明において使用されるピログルタミン
酸は、塩の場合さらに高い効果を示す。塩の種類につい
ては、特に限定されるものではないが、2価、3価の塩
より1価の塩の方が効果が高く、食品への利用を考え合
わせた場合、カリウム塩及びナトリウム塩が好ましい。
【0008】本発明において使用されるピログルタミン
酸及びその塩は、どのような方法によって得られたもの
でも利用可能であり、テンサイ等の天然の植物から抽出
分離したもの、各種動物の熱水抽出物から分離したも
の、グルタミン酸、グルタミン等から誘導したもののい
ずれを用いても良い。
【0009】本発明において使用されるピログルタミン
酸及びその塩の割合は、対象となる食品又は食品原料に
対して0.5%〜10%(重量/重量、以下同様)であ
り、特に好ましくは1%〜4%である。この範囲以下の
添加割合では充分な効果は得られず、逆にこの範囲を越
える添加割合ではピログルタミン酸特有の味を付与し、
味のバランスを壊してしまう場合があるので適当でな
い。
【0010】さらに効果的に課題を解決するために呈味
質の異なる他の食品成分、具体的には糖類、無機塩類、
有機酸、有機酸塩、アミノ酸、アミノ酸塩、ペプチド
類、タンパク質等の物質を、呈味に大きな影響を与えな
い添加量の範囲内で、1〜数種類を組み合わせて含有せ
しめることも可能である。この際の併用添加に適した物
質の種類、配合割合は、呈味及び必要とされる効果の大
きさを考慮して、本発明を利用する食品又は食品原料毎
に検討する必要があるが、当業者であれば、それらの配
合割合は容易に決定できる。
【0011】ピログルタミン酸及び/又はその塩、さら
に前記併用添加物質を冷凍飲食品又は冷凍食品原料に含
有せしめる方法としては、凍結処理前であれば、それら
の成分の微結晶又は粉末を均一になるよう混合する方
法、それらの成分を溶解、又は分散した水溶液を添加す
る方法、或いはそれら水溶液に漬けた状態で静置、又は
圧力をかけて浸漬する方法等、何れの方法を用いても良
く、食品の性質を考慮して適宜選択される。
【0012】本発明にあって、対象となる冷凍飲食品又
は冷凍食品原料は特に限定されず、広範なものに適用で
きる。すなわち、飲料、半調理加工食品、調理済加工食
品、生鮮食品、果実、デザート等、何れであっても良
い。さらに本発明は、これら対象の食品又は食品原料の
凍結時間、解凍時間を短縮するが、その効果は広範な凍
結、解凍方法において認められるものである。すなわ
ち、凍結方法としては、冷凍庫内で凍結する方法、氷点
下の冷風を吹きつける方法、冷媒につけこむ方法の何れ
の方法においても、凍結所要時間を短縮することが出来
るし、解凍方法としても、オーブン内解凍、電子レンジ
内解凍、室温下自然解凍の何れの方法においても、解凍
所要時間を短縮することが出来る。
【0013】以下に、本発明を実施例に基づいて説明す
るが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
【0014】
【実施例】
実施例1 ピログルタミン酸及びその塩の水の不凍水化能:ピログ
ルタミン酸等の物質を含有せしめた場合に、それが単位
重量当たりどれくらいの量の水を不凍水に変える能力を
有しているか、すなわちどれくらい凍結及び解凍時間を
短縮する能力を有するのかを測定し評価した。該評価は
ピログルタミン酸及びその塩の約5%溶液を凍結し、−
20℃で10分間保持後、同温度から3℃/分で昇温し
た際に、氷の融解に要する熱量を示差走査熱量計(DS
C、「セイコー電子工業(株)製品」以下、同様)にて
測定し、その値から溶液中の不凍水量を算出し、溶質1
g当たりどれくらいの量の水を不凍水化出来たかを求め
ることによって行った。その結果を以下に示す。
【0015】上記の方法により求めたピログルタミン酸
及びその塩1g当たりの水の不凍化能と、対照としてグ
ルタミン酸ナトリウム、グルコース及びシュークロース
1g当たりの水の不凍水化能を表1に示した。なお、ピ
ログルタミン酸とグルタミン酸の塩は、各々の酸を0.
1規定度の水酸化ナトリウム又はカリウムにて約pH
7.0になるまで中和することにより調製したものを用
いた。表から分かるように、ピログルタミン酸は少糖類
並の不凍水化能を有し、また、そのナトリウム塩、カリ
ウム塩に至ってはグルタミン酸ナトリウムを超える非常
に高い不凍水化能を有していた。
【0016】このことはピログルタミン酸及びその塩が
含有されることにより食品又は食品原料中の水のより多
い部分が不凍水に変化し、それに伴い冷凍時の水の凍結
に要する熱量や解凍時の氷の融解に要する熱量が少なく
なり、凍結時間、解凍時間が短縮されることを示してい
る。また、ピログルタミン酸の塩の種類による効果の違
いについては、表1の結果からナトリウム塩とカリウム
塩との間には大きな差はないが、今回データを示してい
ないカルシウム塩等の2価の塩の水の不凍水化能は、ピ
ログルタミン酸よりは高いものの、1価のナトリウム
塩、カリウム塩よりは低かった。このことは、ナトリウ
ム塩、カリウム塩を含有せしめた方が、より効果的に凍
結時間、解凍時間を短縮出来ることを示している。
【0017】実施例2 ピログルタミン酸ナトリウム含有グラタンの解凍時間と
呈味への影響:市販の一般用調味料入り粉末ホワイトソ
ース14gに、ピログルタミン酸ナトリウム含有割合が
0〜6%(0%はピログルタミン酸ナトリウム無添加
で、対照品)、全量が100gとなるように水とピログ
ルタミン酸ナトリウムを加え、攪拌しながら80℃の温
浴中で15分間加熱し、予備調理済みグラタンを得た。
各添加割合のグラタン試料は、−20℃に保った冷凍庫
に一夜保存することにより凍結せしめた。解凍所要時間
は、これら凍結グラタンを一般用オーブンにて解凍し、
グラタンの中心部温度が70℃以上に達し、且つ、全体
がなめらかな状態に達する迄の時間を測定することによ
り求めた。各種濃度のピログルタミン酸が含有された凍
結グラタンの解凍所要時間の測定結果を表2に示した。
無添加の対照品である0%添加品の解凍には20分を超
える時間を要したが、ピログルタミン酸ナトリウムの添
加濃度に従いその時間は短縮され、6%添加品では約1
4分となり、約30%短縮することに成功した。
【0018】一方、ピログルタミン酸ナトリウムを添加
した場合のグラタン味については、10名のパネリスト
による官能評価により評価した。その結果、表2に示す
ように3%程度の添加ならば、呈味上問題無く解凍時間
を短縮することができ、その短縮率は15%であった。
【0019】実施例3 ピログルタミン酸ナトリウム及びグルコースを含有する
酢豚の解凍時間と呈味への影響:実施例2と同様にし
て、3%ピログルタミン酸ナトリウム及び/又は3%グ
ルコースを含有するか、或いはその両方とも含有しない
予備調理済み冷凍酢豚(200g包装品)を得た。解凍
所要時間は、これら凍結酢豚を85℃の恒温槽中にて解
凍し、酢豚の中心部温度が70℃以上に達する迄の時間
を測定することにより求めた。各凍結酢豚の解凍所要時
間の測定結果を表3に示した。両方無添加の対照品の解
凍には11分45秒を要したが、ピログルタミン酸ナト
リウムの添加によりその時間が短縮出来、それはさらに
グルコースの添加品で短縮出来た。10名のパネリスト
による官能評価の評価の結果、表3に示すようにピログ
ルタミン酸ナトリウム及びグルコースを含む酢豚は、呈
味上問題無く解凍時間が短縮されており、その短縮率は
約25%であった。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明によれば、
冷凍用の食品類にピログルタミン酸及びその塩類から選
ばれた1種以上を含有せしめることにより、該食品類を
凍結して冷凍食品とするために要する時間が短縮できる
と共に、冷凍食品類を解凍するために要する時間も短縮
できることから、食品類の冷凍変性が抑制できるし、冷
凍食品類の生産効率が向上し、家庭における調理簡便性
も向上する効果を奏する。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピログルタミン酸及びその塩から選ばれ
    た1種以上を含有してなる冷凍食品類。
  2. 【請求項2】 ピログルタミン酸及びその塩から選ばれ
    た1種以上の含有率が重量で0.5%以上10%未満で
    ある請求項1記載の冷凍食品類。
  3. 【請求項3】 ピログルタミン酸の塩がナトリウム塩及
    び/又はカリウム塩である請求項1又は2記載の冷凍食
    品類。
  4. 【請求項4】 食品類にピログルタミン酸及びその塩か
    ら選ばれた1種以上を含有せしめて凍結することを特徴
    とする冷凍食品類の製造法。
  5. 【請求項5】 ピログルタミン酸の塩がナトリウム塩及
    び/又はカリウム塩である請求項4記載の冷凍食品類の
    製造法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006118090A1 (ja) * 2005-04-28 2006-11-09 Taiyokagaku Co., Ltd. 含水食品
US11925189B2 (en) 2021-02-26 2024-03-12 Taiyo Kagaku Co., Ltd. Gummy composition and method for producing the same

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2006118090A1 (ja) * 2005-04-28 2006-11-09 Taiyokagaku Co., Ltd. 含水食品
US10905764B2 (en) 2005-04-28 2021-02-02 Taiyokagaku Co., Ltd. Hydrated food
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