JPH0847342A - ビニールハウスの巻き上げシートの自動開閉装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡便にビニールハウスの温度制御作業が行
え、しかも装置自体も廉価なビニールハウスの巻き上げ
シートの自動開閉装置を提供する。 【構成】 巻き棒１３の一端に連接されるフレキシブル
シャフト１７と、フレキシブルシャフト１７の他端に連
結される回転駆動源１８と、ビニールハウス１１内に配
置された温度センサー１９と、温度センサー１９の温度
値を入力とし回転駆動源１８を作動させてビニールハウ
ス１１内の気温を一定範囲に制御する制御装置２０とを
有するビニールハウスの巻き上げシートの自動開閉装
置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、農業、園芸用に使用す
るビニールハウス（被覆シートの一部又は全部にビニー
ル以外の合成樹脂素材を使用するものも含む）の巻き上
げシートの自動開閉装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、野菜や果実等の促成栽培が行われ
ているが、この促成栽培には一般にビニールハウスが使
用されている。このビニールハウスは予め鉄材あるいは
木材等で蒲鉾状の骨組を作っておき、その上からビニー
ルシートを被せて構成されている。そして、促成栽培を
行うビニールハウスは、内部を冷たい外気から遮断して
内部の空気の温度を気温より高くしているが、冬季以外
の季節にはビニールハウス内の温度が日中は上がり過ぎ
るので、適当にビニールハウスの周囲を開けて外気をい
れるようにしている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記作
業はビニールハウス内の温度を測定しながら、ビニール
ハウスの管理者等が行うので、神経を使う重労働であ
り、更には開き過ぎた場合適当に閉める必要があり、極
めて温度の管理が難しいという問題点があった。本発明
はかかる事情に鑑みてなされたもので、簡便にビニール
ハウスの温度制御作業が行え、しかも装置自体も廉価な
ビニールハウスの巻き上げシートの自動開閉装置を提供
することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】前記目的に沿う請求項１
記載のビニールハウスの巻き上げシートの自動開閉装置
は、下端に巻き棒を備えた巻き上げシートを側面に備え
たビニールハウスの前記巻き上げシートの自動開閉装置
であって、前記巻き棒の一端に連接されるフレキシブル
シャフトと、該フレキシブルシャフトの他端に連結され
る回転駆動源と、前記ビニールハウス内に配置された温
度センサーと、該温度センサーの温度値を入力とし前記
回転駆動源を作動させて該ビニールハウス内の気温を一
定範囲に制御する制御装置とを有して構成されている。
請求項２記載のビニールハウスの巻き上げシートの自動
開閉装置は、下端に巻き棒を備えた巻き上げシートを側
面に備えたビニールハウスの前記巻き上げシートの自動
開閉装置であって、前記巻き棒の一端に連接される中間
軸と、該中間軸を回転自由に支持する軸受と、該軸受を
昇降可能に支持する垂直ガイドと、前記中間軸にその一
端が連接されるフレキシブルシャフトと、該フレキシブ
ルシャフトの他端に連結される回転駆動源と、前記ビニ
ールハウス内に配置された温度センサーと、該温度セン
サーの温度値を入力とし前記回転駆動源を作動させて該
ビニールハウス内の気温を一定範囲に制御する制御装置
とを有して構成されている。

【０００５】

【作用】請求項１、２記載のビニールハウスの巻き上げ
シートの自動開閉装置においては、前記巻き棒の一端に
フレキシブルシャフトを介して回転駆動源が設けられて
いるので、該回転駆動源を作動させることによって、ビ
ニールハウスの側面に設けられている巻き上げシートの
巻き上げ及び巻き下げが行える。この場合、巻き棒はビ
ニールシートを巻回するので、その位置が変わるがフレ
キシブルシャフトを介して回転駆動源に連結されている
ので、自由にその高さを変えることができる。そして、
比較的重量の重い回転駆動源は、ビニールハウスとは別
の場所に固定して配置できるので、取付け等が簡単であ
る。特に、請求項２記載のビニールハウスの巻き上げシ
ートの自動開閉装置においては、巻き棒の一端に中間軸
を取付け、該中間軸を回転自由に支持する軸受を垂直ガ
イドに沿って自由に移動できるようにしているので、フ
レキシブルシャフトを伝わる曲がりトルクによって、巻
き棒が水平方向に移動したり、あるいは押されたりする
ことがなくなり、回転駆動源の据え付け位置に関係なく
安定した動作が行える。

【０００６】

【実施例】続いて、添付した図面を参照しつつ本発明を
具体化した実施例につき説明し、本発明の理解に供す
る。ここに、図１は本発明の一実施例に係るビニールハ
ウスの巻き上げシートの自動開閉装置の概略構成図、図
２は同正面図、図３は同平面図、図４は同フロー図であ
る。

【０００７】図１〜図３に示すように、本発明の一実施
例に係るビニールハウスの巻き上げシートの自動開閉装
置１０は、ビニールハウス１１の側面に設けられた巻き
上げシート１２の下端に取付けられた巻き棒１３の一端
に連接される中間軸１４と、中間軸１４を回転自由に支
持する軸受１５と、軸受１５を昇降可能に支持する垂直
ガイド１６と、前記中間軸１４にその一端が連接される
フレキシブルシャフト１７と、フレキシブルシャフト１
７の他端に連結される回転駆動源１８と、ビニールハウ
ス１１内に配置された温度センサー１９と、温度センサ
ー１９に接続される制御装置２０とを有している。以
下、これらについて詳しく説明する。

【０００８】前記巻き棒１３は鋼製のパイプからなっ
て、透明なビニールシートからなる巻き上げシート１２
の下端に固着されている。この巻き上げ棒１３の一端に
は中間軸１４の一端がフランジ２１を介して連結され、
該中間軸１４は軸受１５によって回転自由に支持されて
いる。前記軸受１５には垂直ガイド１６を構成するスラ
イドレール上を自由に走行するスライドベアリングが取
付けられ、前記垂直ガイド１６は垂直支持架台２２に取
付けられている。なお、前記巻き棒１３と、中間軸１４
との連結は必ずフランジを用いる必要はなく、例えば、
パイプからなる巻き棒１３に中間軸１４を差し込み側部
からねじ止めしてもよい。

【０００９】前記中間軸１４の他端には、フレキシブル
シャフト１７の一端が取付けられ、該フレキシブルシャ
フト１７の他端には回転駆動源１８が接続されている。
前記回転駆動源１８は減速モーターからなって、架台２
３に取付けられ、制御装置２０からの指令信号によって
回転し、前記巻き棒１３を中間軸１４及びフレキシブル
シャフト１７を介して回転駆動するようになっている。

【００１０】前記温度センサー１９は、ビニールハウス
１１の天井部近くに配置され、ビニールハウス１１内の
気温を測定し、その信号を制御装置２０に送っている。
また、前記垂直支持架台２２の上下には、前記中間軸１
４の上限及び下限を決定するリミットスイッチ２４、２
５が設けられている。

【００１１】前記制御装置２０は内部にプログラマブル
コントローラを有し、図４に示すようなシーケンス動作
を行っているので、以下これについて説明する。まず、
温度センサー１９でビニールハウス１１内の温度Ｆ℃を
測定し、温度センサー設定温度上限ａ℃より大きいこと
を確認する（ステップＳ１）。これによって前記回転駆
動源１８のモーターが正転し（ステップＳ２）、地表面
ＧＬから約５００ｍｍの位置で巻き上げシート１２の下
端が停止する（ステップＳ３）。この動作時間は内蔵す
るタイマーによって対応している。そして、ｘ秒間（５
〜３０秒間の任意の時間）そのままの状態を保持する。
これによってビニールハウス１１内に外気が入るので、
一定の時間（ｘ秒間）をおいて温度Ｆ℃を測定し、更
に、温度センサー設定温度上限ａ℃より大きい場合には
（ステップＳ５）、前記モーターを正転し、これによっ
て、巻き上げシート１２は全開（地表面ＧＬから１００
０ｍｍ）となって、上限のリミットスイッチ２４によっ
て前記モーターは停止する（ステップＳ６）。

【００１２】この状態で温度Ｆ℃を測定し、内部の気温
が下がって温度センサー設定温度下限ｂ℃より小さくな
る（ステップＳ７）と、ビニールハウス１１内の温度が
下がり過ぎるということであるので、前記モーターが逆
転する（ステップＳ８）。そして、地表面ＧＬから５０
０ｍｍの位置で一旦停止し（ステップＳ９）、ｘ秒間ホ
ールドする（ステップＳ１０）。そして、温度センサー
１９によってビニールハウス１１内の温度Ｆ℃を測定
し、前記温度センサー設定温度下限ｂ℃より低い場合に
は（ステップＳ１１）、モーターが逆転して巻き上げシ
ート１２を全閉する（ステップＳ１２）。そして、ステ
ップＳ１に戻る。

【００１３】ステップＳ５の判断がＮＯの場合で、温度
Ｆ℃が温度センサー設定温度下限ｂ℃と温度センサー設
定温度上限ａ℃との間の場合（ステップＳ１３）、巻き
上げシート１２をそのまま保持する（ステップＳ１
４）。ステップＳ１３の判断がＮＯの場合には、温度Ｆ
℃が温度センサー設定温度下限ｂ℃より小さいことを確
認して（ステップＳ１５）、前記モーターは逆転して巻
き上げシート１２を閉じ、ステップＳ１に戻る。

【００１４】次に、ステップＳ１１がＮＯの場合には、
温度Ｆ℃が温度センサー設定温度上限ａ℃と温度センサ
ー設定温度下限ｂ℃との間にあることを確認して（ステ
ップＳ１７）、巻き上げシート１２を半開のまま保持す
る（ステップＳ１８）。一方、温度Ｆ℃が温度センサー
設定温度上限ａ℃より高い場合には（ステップＳ１
９）、モーターが正転して巻き上げシート１２を全開に
し（ステップＳ２０）、ステップＳ７に戻る。以上の工
程を繰り返してビニールハウス１１内の温度Ｆ℃を温度
ａ℃と温度ｂ℃の間に自動的に保つことになる。

【００１５】前記実施例においては、ビニールハウス１
１の片側のみの巻き上げシートを開閉する場合について
説明したが、ビニールハウス１１の両側にビニールハウ
スの巻き上げシートの自動開閉装置１０を取付け、同時
に制御するのが好ましい。また、並列に配置された複数
のビニールハウスがある場合には、一つの駆動源を用い
て同時に多数のビニールハウスの巻き上げシートを開閉
する場合も当然本発明は適用される。

【００１６】

【発明の効果】請求項１、２記載のビニールハウスの巻
き上げシートの自動開閉装置は以上の説明からも明らか
なように、巻き棒の一端にフレキシブルシャフトを介し
て回転駆動源が設けられているので、動力を用いて巻き
上げシートを円滑に開閉できる。更には、内部の温度を
測定して、常に一定の範囲にあるように巻き上げシート
の開閉制御を行っているので、ビニールハウスの無人運
転が可能となる。そして、回転駆動源の動力はフレキシ
ブルシャフトを介して巻き棒に伝えられるので、回転駆
動源の据え付け位置が自由となる。特に、請求項２記載
のビニールハウスの巻き上げシートの自動開閉装置にお
いては、フレキシブルシャフトを伝わる曲がりトルクに
よって、巻き棒が水平方向に移動したり、あるいは押さ
れたりすることがなくなり、回転駆動源の据え付け位置
に関係なく安定した動作が行え、回転駆動源の据え付け
位置が更に広がり、また安心して自動運転ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係るビニールハウスの巻き
上げシートの自動開閉装置の概略構成図である。

【図２】同正面図である。

【図３】同平面図である。

【図４】同フロー図である。

【符号の説明】

１０ ビニールハウスの巻き上げシートの自動開閉装置 １１ ビニールハウス １２ 巻き上げシート １３ 巻き棒 １４ 中間軸 １５ 軸受 １６ 垂直ガイド １７ フレキシブルシャフト １８ 回転駆動源 １９ 温度センサー ２０ 制御装置 ２１ フランジ ２２ 垂直支持架台 ２３ 架台 ２４ リミットスイッチ ２５ リミットスイッチ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 倉地 慎次 福岡県北九州市戸畑区飛幡町２番２号 日 鐵運輸株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 下端に巻き棒を備えた巻き上げシートを
   側面に備えたビニールハウスの前記巻き上げシートの自
   動開閉装置であって、 前記巻き棒の一端に連接されるフレキシブルシャフト
   と、該フレキシブルシャフトの他端に連結される回転駆
   動源と、前記ビニールハウス内に配置された温度センサ
   ーと、該温度センサーの温度値を入力とし前記回転駆動
   源を作動させて該ビニールハウス内の気温を一定範囲に
   制御する制御装置とを有してなることを特徴とするビニ
   ールハウスの巻き上げシートの自動開閉装置。
2. 【請求項２】 下端に巻き棒を備えた巻き上げシートを
   側面に備えたビニールハウスの前記巻き上げシートの自
   動開閉装置であって、 前記巻き棒の一端に連接される中間軸と、該中間軸を回
   転自由に支持する軸受と、該軸受を昇降可能に支持する
   垂直ガイドと、前記中間軸にその一端が連接されるフレ
   キシブルシャフトと、該フレキシブルシャフトの他端に
   連結される回転駆動源と、前記ビニールハウス内に配置
   された温度センサーと、該温度センサーの温度値を入力
   とし前記回転駆動源を作動させて該ビニールハウス内の
   気温を一定範囲に制御する制御装置とを有してなること
   を特徴とするビニールハウスの巻き上げシートの自動開
   閉装置。