JPH084705B2 - 複層除湿膜 - Google Patents

複層除湿膜

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JPH084705B2
JPH084705B2 JP63062018A JP6201888A JPH084705B2 JP H084705 B2 JPH084705 B2 JP H084705B2 JP 63062018 A JP63062018 A JP 63062018A JP 6201888 A JP6201888 A JP 6201888A JP H084705 B2 JPH084705 B2 JP H084705B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、混合流体より特定成分を、膜を用いて透過
分離せしめる分離膜に関する。
更に詳しくは、建物の空気調和や計装用圧縮空気等の
湿度を低減させた空気の製造や、天然ガス中の水分除
去,ならびに化学工業をはじめ、電気・電子産業,精密
機械工業,食品工業,繊維工業等,広い分野で使用され
る湿度をコントロールされた気体の製造において、水分
を含有する気体をイオン交換膜を用いて、水,水蒸気を
選択的に透過分離する方法に関する。
[従来の技術] 気体中の水蒸気を除去する方法として大別して、
(1)圧縮法,(2)冷却法,(3)吸着法,(4)膜
分離法の4法が知られている。
膜分離法は、水蒸気を含有する気体を隔膜の一面に接
触させ、もう一面から水蒸気を選択的に透過分離せしめ
る方法であり、原理的に他の3法に比べ、ランニングコ
ストが安価,装置構造が簡単,気体を汚染することなく
連続的に乾燥気体が得れる等の利点を持つが、従来、水
蒸気透過性の優れた隔膜がないため、ほとんど実用化さ
れていない。
例えば、特開昭53−97246,特開昭54−11481,特開昭54
−152679,特開昭60−183025,特開昭61−195117,特開昭6
2−42723に吸水性高分子膜や、酸素分離,水素分離に使
用された気体透過性の大きな膜素材による除湿膜が記載
されているが、水蒸気透過量が少なく、また水蒸気・気
体との分離係数も充分でない。
また水蒸気透過量と膜強度を改良する目的で上記膜素
材を薄膜として、ポリスルホン多孔膜,ポリプロピレン
多孔膜,ポリテトラフルオロエチレン多孔膜との複合膜
が、特開昭53−86684,特開昭60−257819,特開昭60−261
503,特開昭62−42772等に記載されているが、これらは
膜強度の改良はなされているが、水蒸気透過量が充分で
はなく、また水蒸気選択透過係数も小さい。
一方、燃料電池用隔膜や電解用隔膜に使用されてい
る、側鎖にスルホン酸基を含有するパーフルオロイオン
交換膜は、吸水性が高く、ポリマー中の水の透過速度が
大きいことから除湿膜素材として有効と考えられ、パー
フルオロスルホン酸ポリマーの中空チューブを用いた除
湿器が、USP3735558に記載され、パーマピュアドライ
として入手できる。しかしながら、これは水蒸気透過量
が小さいため、多量の気体を処理する工業用用途では、
従来の冷凍法や吸着法に代替できない欠点がある。
更に、特開昭62−7417では、パーフルオロスルホン酸
ポリマーからなる中空糸を加熱処理することで、露点温
度が低い気体を製造する除湿膜が記載されているが、加
熱処理により膜内の水分が除去されるため水蒸気透過速
度が著しく低下する欠点がある。
また、本発明の除湿膜と構成も目的も異なるが、特公
昭52−13228,特公昭54−18994,特開昭52−153897,特開
昭53−92394に、固定イオン濃度の異なる複層イオン交
換膜が記載されている。これは、塩化アルカリ電解用隔
膜において、水酸イオンの透過を阻止するため固定イオ
ン濃度を高くせしめたものであり、吸水率が低く、そも
そも除湿膜に使用できるものではない。
[本発明の解決しようとする問題点] 本発明は、従来技術が有していた前述の欠点を解消し
ようとするものであり、水蒸気透過速度,水蒸気選択透
過係数の大きな新規な除湿膜を提供することを目的とす
る。
本発明は、従来技術による空気調和装置や計装用圧縮
空気の製造に代替できる他、天然ガスの除湿,従来技術
では使用できない腐食性ガスの除湿等に使用できる除湿
膜を提供することを目的とする。
[問題点を解決するための手段] 本発明の上記目的は、固定イオン濃度が異なる少なく
とも二層のイオン交換体層からなり、好ましくは固定イ
オン濃度6ミリ等量/g H2O以下,吸水率40容積%以上の
第一のイオン交換体層と、固定イオン濃度が第一のイオ
ン交換体層より少なくても0.5ミリ当量/g H2O大きく、
吸水率が30容積%以上の第二のイオン交換体層から構成
され、全膜厚が0.1〜500μmの複合除湿膜によって達成
せしめられる。
本発明の複合除湿膜は、基本的には上記特定の2種類
のイオン交換体層を組合わせたものであるが、これは従
来にない新規な発想と知見に基づくものである。
即ち、充分の除湿膜としては、前述したごとく、吸水
性高分子や、酸素分離,水素分離に使用された気体透過
性の大きな膜,およびパーフルオロスルホン酸膜が使用
されているが、これらの膜は、単一層の水蒸気透過性膜
から構成されている。また、多孔体層との複層膜も知ら
れているが、これらの多孔体層は、水蒸気透過性膜の薄
膜支持性と膜強度の改善に使用され、基本的には、単一
層の水蒸気透過性膜から構成された除湿膜と位置づけら
れ、従来、水蒸気透過性層が複層化された除湿膜は知ら
れていない。
本発明者は、水蒸気透過性の優れた除湿膜について、
鋭意研究した結果、ビニロンフィルムやセルロース系膜
に代表される吸水性高分子膜は、イオン交換膜に比べ、
吸水性が高いにもかかわらず、水蒸気透過性が低いこ
と,またイオン交換膜において、吸水率を高めると、あ
る範囲まで水蒸気透過性が向上するが、過度に吸水率が
高くなると、かえって、水蒸気透過性が低下するという
事実から、膜内の固定イオン濃度が水蒸気透過性に深く
関わっていることを見い出した。更に水蒸気透過性につ
いて検討した結果、固定イオン濃度の異なる二層からな
る複層膜が、膜厚が厚くなっているにもかかわらず、各
々の単一層の水蒸気透過速度より増加するという予想外
の事実を見い出し、本発明を完成するに到った。
固定イオン濃度の異なる二層膜が何故、水蒸気の透過
性を高めるのかは、解明されていないが、おそらく以下
の理由と考えられる。
即ち、水蒸気の透過速度は、次の3ステップの律速を
うける。第一ステップは、水蒸気の膜表面への溶解吸収
速度、第二ステップは、膜内の水蒸気の拡散速度,第三
ステップは、膜の透過側表面での水蒸気脱離速度に影響
される。
固定イオン濃度が低い膜、すなわち、イオン交換基あ
たりの吸水性が大きい膜は、水蒸気の溶解吸収速度が高
く、また膜内の水蒸気の拡散速度も高い。しかしそのよ
うな膜は、高い吸水性ゆえに、逆に水蒸気の脱離速度の
低下を招く。一方、固定イオン濃度が高い膜は、固定イ
オン濃度が低い膜に比べ、水蒸気の脱離速度は高いが、
水蒸気の膜内への溶解吸収速度や拡散速度が低く、水蒸
気透過速度は低下する。従って、固定イオン濃度の異な
る二層膜において、吸水性の高い層側に水蒸気を接触せ
しめ、膜表面への水蒸気の溶解吸収速度を高め、一方、
吸水性の低い層側から水蒸気を脱離させることにより、
単層膜より水蒸気の透過速度の大きな膜が得られると説
明される。しかし、かかる説明は本発明の理解のために
述べたものであり、何ら本発明を限定するものではな
い。
本発明の除湿膜にする第一のイオン交換体層として
は、固定イオン濃度6ミリ当量/g H2O以下、吸水率40容
積%以上が使用される。ここで固定イオン濃度は、膜に
吸水した水(H2O)1グラム当りのイオン交換基当量で
表示したもので、吸水率は、乾燥樹脂の容積に対して、
25℃の純水が吸着した容積の%で表示したものである。
従来の、電気透析あるいは電解などのイオン選択透過
性隔膜として使用するイオン交換膜においては、イオン
選択透過性がドナンの平衡式から固定イオン濃度を高め
た膜が使用され、通常、固定イオン濃度が6ミリ当量/g
H2O以上のものが使用されている。本発明者の研究から
水蒸気透過性イオン交換体層の第一層としては、固定イ
オン濃度が6ミリ当量/g H2をO越えると水蒸気透過速
度が低下することから、吸水性の高い、即ち、膜表面へ
の水蒸気溶解吸収速度が大きい固定イオン濃度が6,好ま
しくは5ミリ当量/g H2O以下が使用される。また吸水率
が40容量%以下では、水蒸気の溶解量が少ないため水蒸
気透過速度が低く、40〜500容積%,好ましくは、50〜2
50容積%の給水率を有するイオン交換体層が、本発明の
複層除湿膜の第一層として使用される。
一方、本発明の複層除湿膜の第二のイオン交換体層
は、固定イオン濃度が第一のイオン交換体層より0.5ミ
リ当量/g H2O以上大きく,吸水率が30容積%以上のイオ
ン交換体層を使用することが、本発明の複層除湿膜の特
徴を発現させるうえで重要である。固定イオン濃度の差
が0.5ミリ当量/g H2O以下では、水蒸気透過速度の改善
効果が明らかでなく、0.5好ましくは1.0ミリ当量/g H2O
以上の固定イオン濃度差をもつイオン交換体層が選定さ
れる。また上記の固定イオン濃度差を有していても吸水
率が低い場合は、膜内から離脱される水蒸気の含有量が
低下するため、水蒸気透過速度の低下を招くので、吸水
率が30容積%以上、好ましくは、40〜500容積%,特に
は50〜200容積%の吸水率を有するイオン交換体層が、
本発明の複層除湿膜の第二層として使用される。
かくして、上述した吸水性の高い第一のイオン交換体
層と、第一層より吸水性の低い第二のイオン交換体層か
らなる複層除湿膜により、水蒸気透過性,水蒸気選択透
過性が改良されるが、本発明の複層除湿膜に厚みも又重
要である。膜厚は、水蒸気透過速度を増加せしめるた
め、可及的に薄くせしめることができる。しかし本発明
の除湿膜においては、水蒸気の透過性が、膜表面への溶
解吸着速度と、透過側表面での脱離速度の依存性が大き
いので、水蒸気透過性が膜厚に反比例せず、次式の関係
がある。
Q=A+B/t (ここでQは水蒸気透過速度,tは膜厚A,Bは膜の個有
値) 一方、水蒸気以外の窒素,酸素,メタン等の気体透過
速度は膜厚に反比例するので膜厚の低減は、水蒸気選択
透過性の低下を招くので過度の膜厚低減は好ましくな
い。また膜厚を過度に厚くすると、水蒸気透過速度は、
あまり低下してないのにもかかわらず、湿潤気体を除湿
しても、乾燥度の高い気体が得られないという欠点があ
る。かくした複層除湿膜の厚みは、好ましくは、0.1〜5
00μm,特には1〜250μmが使用される。
以下に本発明を更に詳しく説明すると、本発明を構成
するイオン交換体層としては、固定イオン濃度,吸水率
が前述したある特定な範囲を有するものであることが好
ましい。
イオン交換基の型としては、スルホン酸,スルホン酸
塩,カルボン酸,カルボン酸塩,リン酸,リン酸塩,酸
性水酸基,酸性水酸塩等のカチオン交換基の他、1〜3
級アミノ基,4級アンモニュウム基等のアニオン交換基が
例示できるが、なかでも、スルホン酸が、吸水性が高
く、また、膜内の透過速度も高いことから、第一のイオ
ン交換体層として特に好ましく、イオン交換容量が0.8
〜5.0ミリ当量/g樹脂のスルホン酸膜が使用される。
スルホン酸含有膜の材質としては、セルロース系,ポ
リオレフィン系,アクリル系,酢酸ビニル系,ポリスチ
レン系,ポリスルホン系,含フッ素重合系がなんら制限
なく使用される。これらの材質にスルホン酸基を導入す
る方法としては、スルホン酸基またはスルホン酸基に転
換できるモノマーを共重合あるいは、含浸重合,グラフ
ト重合するか、または、濃硫酸,クロルスルホン酸,無
水硫酸/トリエチルホスフェート錯体等のスルホン化剤
により直接スルホン酸基を導入する方法が使用できる。
なかでも機械的強度,耐熱性,耐薬品性,成形加工性,
特に薄膜形成性と複層化形成性が良好な、スルホン化ポ
リスルホン系膜と、パーフルオロスルホン酸膜が好まし
く、特に一般式 からなる、イオン交換容量が0.65〜2.5ミリ当量/g樹脂
更に好ましくは、1.0〜2.0ミリ当量/g樹脂からなるパ
ーフルオロスルホン酸膜は、その超酸性より吸水性が高
く,また耐薬品性が優れ、腐食性流体中の水分が除去で
きる等の理由から、好適に使用される。
本発明の複層除湿膜を構成する第二のイオン交換体層
としては、第一のイオン交換体層より好ましくは固定イ
オン濃度が0.5ミリ当量/g H2O以上,吸水率が30容積%
以上を有するイオン交換体層であれば、なんら制限なく
使用できるが、かかる構成をせしめる方法として、以下
の方法が例示される。
(1)第一のイオン交換体層と同一の構成成分からなる
場合には、第二のイオン交換体層のイオン交換容量が、
第一のイオン交換体層のそれより少なくても0.1ミリ当
量/g樹脂小さく、かつ0.65〜4.9ミリ当番/g樹脂、好ま
しくは、0.8〜3.5ミリ当量/g樹脂のスルホン酸−SO3Hを
含有した第二のイオン交換体層を使用する方法 (2)第一のイオン交換体層のイオン交換基が吸水性の
大きな−SO3Hを含有する場合には、第二のイオン交換体
層として、吸水性の小さい−SO3M(Mはアルカリ金属,
アルカリ土金属,およびアミン,アンモニュウム塩類)
を含有しイオン交換容量0.65〜5.0,好ましくは、0.8〜
3.5ミリ当量/g樹脂を使用する方法 (3)第一のイオン交換体層のイオン交換基が吸水性の
高い−SO3Z(Zは、水素又はM)を含有する場合、第二
のイオン交換体層として、吸水性の小さい−COOM(Mは
上記と同じ)を含有し、イオン交換容量1.0〜6.0,好ま
しくは、1.4〜5.0ミリ当量/g樹脂を使用する方法 (4)第一のイオン交換体層が、パーフルオロスルホン
酸膜で超酸性−SO3Hを含有する場合、第二のイオン交換
体層として、−SO3Hを含有する炭化水素からなり、イオ
ン交換容量が0.8〜5.0,好ましくは、1.0〜3.5ミリ当量/
g樹脂を使用する方法 などから、便宜、選定して使用できる。
かくして選定したイオン交換体層を複層化する方法と
しては、各々の膜を加熱圧縮して積層せしめるか、第一
あるいは第二の層上に、第二層あるいは第一層を、重
合,あるいは、ポリマー溶液から形成せしめるなどの方
法が使用される。
かかる複層除湿膜は、そのままでも使用できるが、複
層化されたイオン交換体膜の薄層と、孔内壁が親水層を
有する多孔性基材と複合化して使用することが、水蒸気
透過性が優れ、機械的強度の大きな膜を得るうえで好ま
しい。多孔性基材の孔内壁が何故に親水性を有しなけれ
ばならないかの理由は、必ずしも明確でないが、親水性
を有しない多孔性基材を用いた場合、複層イオン交換膜
単独の水蒸気透過速度と比較して、1/3〜1/4に低下し、
一方、親水層を被覆した多孔性基材を用いた場合は、イ
オン交換体層のそれに比較し、水蒸気透過性が逆に一層
向上することができる。また多孔性基材は、第一のイオ
ン交換体層または/および第二のイオン交換体層に積層
されるが、好ましくは、第二のイオン交換体層に積層す
ることが、高い水蒸気透過性を得るうえで好ましい場合
が多い。
かくて得られた複層除湿膜は、好ましくは、第一のイ
オン交換体層側に、水蒸気を含有する気体を接触せし
め、第二のイオン交換体層側に乾燥気体を接触するか、
あるいは減圧にせしめて、水蒸気を透過せしめることに
より、単一のイオン交換膜と比べ、水蒸気透過速度と水
蒸気選択透過係数が、一段と向上した除湿膜として使用
することができる。
次に本発明を実施例により説明するが、本発明はかか
る実施例に限定されるものではない。
実施例に先立ち、以下の実施例で用いた各種測定法に
関して、まとめて述べる。
(1)吸水率Wの測定 通過性を測定する複層膜と同一条件で製作した単一な
イオン交換体層を、純水中、25℃に浸漬した膜重量W1.
該イオン交換体層を真空乾燥した乾燥膜重量W2および乾
燥膜の密度ρから、次式により求める。
W=100(W1−W2)/W2÷ρ (2)固定イオン濃度AWの算出 イオン交換容量(m eq/g樹脂)ARと、上記W1及びW2
ら、次式により求める。
AW=AR×1000/(W1−W2)÷W2 (3)水蒸気透過速度Q(m3(STP)/m2.hr.atm)の測
定 図−1の装置により、純度100%の水蒸気透過速度を
算出する。
(4)水蒸気選択透過係数α 気体Aの透過速度QAを製科研式ガス透過測定機で求
め、次式により算出する。
α=Q/QA [実施例] 実施例1 CF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF22SO2Fとテトラフルオ
ロエチレンを共重合せしめ、イオン交換容量1.1ミリ当
量/g樹脂の共重合体Aおよび、イオン交換容量0.92ミリ
当量/g樹脂の共重合体Bを得た。
次に、上記共重合体A及びBを、溶融押出成型し、各
々、40μmのフィルムを得た。次いで、共重合体A40μ
mと共重合体B40μmとを加熱ロールにより積層し、80
μmの複層膜(1)を得た。
かくて得られた複層膜(1)を、水酸化カリ水溶液で
K塩に変換し、次いで塩酸水溶液で酸型に転換せしめた
御、該膜を二分割し、一枚は、複層膜の共重合体A側な
水蒸気を接触せしめ、もう一枚は、共重合体B側に水蒸
気を接触せしめるようにして、各々の水蒸気透過速度,
および水蒸気/窒素の選択透過係数を求めた。結果を表
−1に示す。
なお、共重合体A40μm,共重合体B40μmを、積層させ
ない以外は、全く同様にして、加熱ロール処理,K塩変
換,酸型転換せしめた御、吸水率,固定イオン濃度を求
めた結果、共重合体Aは、吸水率60.8容積%,固定イオ
ン濃度3.6m eq/g H2O,共重合体Bは、吸水率35容積%,
固定イオン濃度5.3m eq/g H2Oであった。
比較例1 共重合体A40μmの二枚を積層した共重合体Aの80μ
m膜を、同様にして、共重合体Bの二枚積層80μm膜
を、実施例1と全く同様にして、酸型せしめ、水蒸気透
過性を求めた。また共重合体A及びBの40μm膜につい
ても同様にして、水蒸気透過性を求めた。結果を表−1
に示す。
実施例2 実施例1と同じモノマーを使用して、イオン交換容量
が1.38ミリ当量/g樹脂の共重合体Cと1.60ミリ当量/g樹
脂の共重合体Dを得た。
次に上記共重合体CおよびDを、加熱圧縮成型によ
り、各々、70μmのフィルムを得た。次いで実施例1で
得たイオン交換容量が1.1ミリ当量/g樹脂の共重合体A40
μmのフィルムと、各々、積層し、共重合体C/共重合体
Aの被膜層(2),および共重合体D/共重合体Aに複層
膜(3)を得た。
かくして得られた複層膜(2)及び(3)は、実施例
と同様にして酸型に転換せしめ、各々共重合体C,D側に
水蒸気を接触せしめ、透過速度を求めた。
一方、共重合体CおよびDフィルムの各吸水率,固定
イオン濃度を求めたところ、 共重合体C:吸水率100容積%,固定イオン濃度2.7m eq/g
H2O 共重合体D:給水率260容積%,固定イオン濃度1.2m eq/g
H2O であった。各単一フィルムの水蒸気透過性を、実施例の
比較として、まとめて表−2に示した。
実施例3 実施例1及び2で得た共重合体Aと共重合体Dを酸型
化せしめ、次いで該酸型共重合体を、各々エタノールに
溶解せしめた。
次に、孔径1.5μm,気孔率80%,膜厚150μmのポリテ
トラフルオロエチレン多孔質膜の片面に、共重合体Aを
10重量%含有するエタノール水溶液を塗布、乾燥し、10
μmの共重合体Aのフィルムを積層せしめた。
次いで、共重合体Dを10重量%含有するエタノール溶
液を、上記共重合体Aフィルム上に塗布、乾燥し、共重
合体D10μm/共重合体A10μm/PTFE多孔体からなる複層膜
(4)を得た。かくて得た複層膜(4)を二分割し、一
方を複層膜のPTFE多孔体層に、共重合体Aを2重量%含
有するエタノール溶液を含浸せしめ、乾燥することによ
り多孔体の孔内壁を共重合体Aで被覆せしめた複層膜
(5)を得た。複層膜(5)の孔内壁に付着した共重合
体Aの付着量は、膜面積1m2あたりで3gであった。
かくして得た複層膜(4)および(5)の水蒸気透過
速度は、それぞれ80m3/m2.hr.atm,および250m3/m2.hr.a
tmであった。
実施例4 CF2=CFO(CF23COOCH3とテトラフルオロエチレンと
のイオン交換容量が1.8ミリ当量/g樹脂の共重合体E40μ
mおよび10μmのフィルムを得た。
該共重合体Eフィルムと共重合体Aフィルムとのカル
ボン酸膜とスルホン酸膜の積層膜を作成し、各単膜の吸
水率,固定イオン濃度および水蒸気透過速度を求めた。
結果を表−3に示す。
実施例5 4,4′ジフェノールとジハロジフェニルスルホンと反
応せしめ、次いで該プリカーサーとジハロジフェニルス
ルホンと硫酸ナトリウムとを反応し、次式で示される芳
香族ポリスルホン−ポリチオエーテル共重合体Fを得
た。
m/n=1/1,固有粘度0.65 次いで、該共重合体Fを、無水硫酸/トリエチルホス
フェート錯体で、スルホン化せしめ、イオン交換容量1.
85ミリ当量/g樹脂のスルホン化共重合体Fを得た。
次に、スルホン化共重合体FをNメチルピロリドンに
溶解し、ガラス板上にキャストし、170℃加熱処理し、7
0μm膜を得た。
該膜を100℃熱水処理した後、吸水率,固定イオン濃
度,水蒸気透過速度を求めたところ、それぞれ、70容積
%,2.6m eq/g H2O,83m3/m2.hr.atmであった。
かくして得られた、上記膜の片面に実施例3で使用し
た、イオン交換容量1.60ミリ当量/g樹脂の共重合体Dの
エタノール溶液を塗布し、乾燥し、膜厚10μm積層した
複合膜を得た。
該複合膜の共重合体Dの側に水蒸気を接触せしめるよ
うにして水蒸気透過速度を求めたところ、105m3/m2.hr.
atmであった。
なお、共重合体Dのキャスト層単膜の吸水率,固定イ
オン濃度を求めたところ、各々265容積%,1.2m eq/g H2
Oであった。
[発明の効果] 本発明の複層除湿膜は、吸水性の異なるイオン交換体
層との積層からなることを特徴としている。すなわち吸
水性の高いイオン交換体層と水蒸気を接触せしめ、膜内
へ水蒸気を積極的に取り込み、一方、透過側には、水蒸
気が離脱しやすい吸水性の低いイオン交換体層が配置さ
れているので、水蒸気透過性が加速される。このため、
膜厚が厚くても、換言すれば、膜強度が大きく、しかも
透過性が高い水蒸気選択透過性膜を得ることができる。
特に水蒸蒸と接触する側に、吸水性の高いパーフルオ
ロスルホン酸を使用し、透過側にスルホン化ポリスルホ
ン膜等の材質の異なるイオン交換体層との組み合わせ
は、膜の製造コストの低減のみならず、パーフルオロス
ルホン酸膜が有するガスバリヤーと異なる性質を有する
ガスバリヤー性が付加される結果、各種気体に対する水
蒸気選択係数が改善されるという特徴を有する。
【図面の簡単な説明】
図−1は、水蒸気透過速度の測定装置の概略図を示す。 1……水蒸気透過測定セル 2……水蒸気室側圧力計 3……透過室側圧力計 4……水分凝集捕集用トラップ 11……多孔性支持体 12……測定用試料膜 13……水蒸気 14……純水
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−92394(JP,A) 特開 昭59−55315(JP,A) 特公 昭54−18994(JP,B2) 特公 昭52−13228(JP,B2)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定イオン濃度が小さい第一のイオン交換
    体層と、第一のイオン交換体層に比べて大きい固定イオ
    ン濃度を有する第二のイオン交換体層との少なくとも2
    層からなることを特徴とする複層除湿膜。
  2. 【請求項2】第一のイオン交換体層が、固定イオン濃度
    6ミリ当量/g H2O以下,吸水率40容積%以上を有し、第
    二のイオン交換体層が、第一のイオン交換体層よりも0.
    5ミリ当量/g H2O以上大きい固定イオン濃度と吸吸率が3
    0容積%以上を有し、且つ全厚が0.1〜500μmである請
    求項1の複層除湿膜。
  3. 【請求項3】第一のイオン交換体層が、イオン交換容量
    0.8〜5.0ミリ当量/g樹脂のスルホン酸基を含有する請求
    項1の複層除湿膜。
  4. 【請求項4】第二のイオン交換体層が、第一のイオン交
    換体層のイオン交換当量より少なくとも0.1ミリ当量/g
    樹脂小さく、且つ0.65〜4.9ミリ当量/g樹脂のスルホン
    酸基を含有する請求項1の複層除湿膜。
  5. 【請求項5】第二のイオン交換体層が、イオン交換容量
    0.65〜5.0ミリ当量/g樹脂のスルホン酸基−SO3M(M:ア
    ルカリ金属,アルカリ土金属,およびアミン,アンモニ
    ウム塩類)を含有する請求項1の複層除湿膜。
  6. 【請求項6】第二のイオン交換体層がイオン交換容量1.
    0〜6.0ミリ当量/g樹脂のカルボン酸塩基−COOMを含有す
    る請求項1の複層除湿膜。
  7. 【請求項7】イオン交換体層のいずれか一層が、一般式 (式中m=0または1,n=2〜5の整数Z=HまたはM
    である。) を含有し、イオン交換容量0.65〜2.5ミリ当量/g樹脂で
    ある請求項1の複層除湿膜。
  8. 【請求項8】イオン交換体層のいずれか一層が、スルホ
    ン酸基−SO3Zを1.0〜3.5ミリ当量/g樹脂含有するポリス
    ルホン重合体である請求項1の複層除湿膜。
  9. 【請求項9】固定イオン濃度が異なる二層のイオン交換
    体層が、孔壁に親水性を有する多孔体層と複合されてい
    る請求項1の複層除湿膜。
  10. 【請求項10】第一のイオン交換体層側に水蒸気を含有
    する気体を接触し、第二のイオン交換体層側に乾燥気体
    を接触あるいは、減圧することで、水蒸気を選択的に透
    過せしめることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1
    の複層除湿膜を使用する除湿方法。
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