JPH084541Y2 - リッドオープナー - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、自動車のトランク、給油口のリッドを座席
位置より遠隔操作で開口するリッドオープナーに関し、
その目的は、リッドロック解除用のレバーと進退移動調
整可能なドライバーシートに着座している乗員との位置
関係を常に一定にして操作性を向上したことである。

〈従来の技術〉 従来、この種のリッドオープナーは、例えばトランク
のリッドロックに連結したロック解除用のワイヤー１の
端部をドライバーシート部位まで延ばし、第２図で示す
ように、シート側のフロアに固定したブラケット２にレ
バー３を旋回動可能に枢着し、前記ワイヤー１の端部を
レバー３に結合した構造である。

〈考案が解決しようとする課題〉 上記従来の構造では、レバー３がシート側方のフロア
に設置されているため、第３図（Ａ）で示すように、シ
ート４が中間位置や後退端に位置したときにはレバー３
は操作容易な位置となるが、第３図（Ｂ）で示すよう
に、シート４を中間位置より前方にスライドさせると、
レバー３と乗員との相対位置が変わり操作性を悪くする
という問題があった。

〈課題を解決するための手段〉 本考案は、上記従来の問題点を解決したリッドオープ
ナーを提供するもので、その特徴とする構成は、進退移
動調整可能なシートを備えた自動車において、トランク
等のリッドロックに連結されている遠隔操作によるロッ
ク解除用のワイヤーのシート側端部を少くともシートの
前進端移動量相当分だけ延長し、前記ワイヤーの端部を
挟んでシートの移動によりワイヤーに沿って移動し、引
き上げ旋回動作にてワイヤーを把持して引き動かすワイ
ヤー把持部を備えたレバーをシートに枢着したものであ
る。

〈作用〉 上記の構成により、レバーは常にシートと一体に進退
移動し、レバーの引き上げ旋回操作により、レバーに設
けられているワイヤー把持部にてワーヤーを把持して引
き動かし、リッドロックを解除する。

〈実施例〉 以下本考案の実施例を図面に基づいて説明する。第１
図において、１はワイヤーであり、その一端は図示省略
しているトランクリッド等のロック装置に連結されてい
る。

このワイヤー１は、フロアに固定されているブラケッ
ト10を介して配置したパイプ11内に挿通案内され、ワイ
ヤー１のシート側の他端は、少くともシートの前進端移
動量相当分だけ長くした延長部1aを有している。

さらに、図略のシートにはブラケット12が固定され、
このブラケット12にワイヤー１を操作するレバー13が支
軸14を支点にして上下方向に旋回動可能に枢着されてい
る。前記レバー13は、上側レバー13aと下側レバー13bと
によって構成され、この上、下側レバー13a、13bは前記
支軸14を同一の支点としてブラケット12に支持されてい
る。

また、上、下側レバー13a、13bにはワイヤー１を挟む
ワイヤー把持部15を有している。このワイヤー把持部15
は上側レバー13a側の歯形部15aと、下側レバー13b側の
歯形部15bとによって構成されている。

尚、ワイヤー把持部15は前記歯形部15a、15bの構造に
限定するものではなく、通常は開口してワイヤー１を相
対摺動可能に挟み、下側レバー13bの持ち上げにより、
ワイヤー１を噛み込むような構造であれば他の形状でも
よい。

16はブラケット12に固定されている前記ワイヤー１の
延長部1aが挿通する余剰ワイヤーのガイドパイプであ
る。

本考案は上記の通りの構造であるから、レバー13のワ
イヤー把持部15は通常開口した状態でワイヤー１を挟ん
でいる。従ってシートを前後方向に進退移動調整した場
合、レバー13は常にシートと共に移動し、ワイヤー把持
部15はワイヤー１を挟んだ状態でワイヤー１に沿って相
対摺動する。そして、シートを中間位置より前進端方向
に移動したときにはガイドパイプ16内に挿通案内されて
いたワイヤー１の延長部1aがガイドパイプ16外に露出
し、ワイヤー把持部15に挟まれる。

シートを進退移動調整した位置で、リッドを明けるた
めにレバー13を下側レバー13b側を持って引き上げる
と、下側レバー13b側の歯形部15bと上側レバー13a側の
歯形部15aとが互いに接近し、ワイヤー１又はその延長
部1aを噛み込み把持する。これにより、レバー13の引上
げ旋回運動にてワイヤー１を引き動かし、リッドロック
を解除してリッドが開かれる。

〈考案の効果〉 以上のように本考案によると、レバーをシートに旋回
動可能に設け、リッドロックに連結したワイヤーのシー
ト側の一端を少なくともシートの前進端移動量相当分だ
け延長し、前記レバーに前記ワイヤーの把持部を設け、
レバーの引き上げによりワイヤーを把持して引き動か
し、リッドロックを解除するようにした構成であるか
ら、シートを進退移動調整してもワイヤーと把持部との
相対位置が変更するが、レバーは常にシートと一体に進
退移動してシートに着座している乗員とレバーとの位置
が変らないため、操作性を向上する利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の斜視図、第２図は従来の斜視図、第３
図（Ａ）、（Ｂ）は従来の問題点の説明図である。 １……ワイヤー、1a……延長部、12……ブラケット、13
……レバー、13a……上側レバー、13b……下側レバー、
14……支軸、15……ワイヤー把持部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】進退移動調整可能なシートを備えた自動車
   において、トランク等のリッドロックに連結されている
   遠隔操作によるロック解除用のワイヤーのシート側端部
   を少くともシートの前進端移動量相当分だけ延長し、前
   記ワイヤーの端部を挟んでシートの移動によりワイヤー
   に沿って移動し、引き上げ旋回動作にてワイヤーを把持
   して引き動かすワイヤー把持部を備えたレバーをシート
   に枢着したことを特徴とするリッドオープナー。