JPH0842959A - 冷蔵庫及びそれに用いられる蒸発器 - Google Patents
冷蔵庫及びそれに用いられる蒸発器Info
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- JPH0842959A JPH0842959A JP17814094A JP17814094A JPH0842959A JP H0842959 A JPH0842959 A JP H0842959A JP 17814094 A JP17814094 A JP 17814094A JP 17814094 A JP17814094 A JP 17814094A JP H0842959 A JPH0842959 A JP H0842959A
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- refrigerator
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- fin pitch
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Abstract
(57)【要約】
【目的】本発明の目的は、耐着霜性能を維持しつつ熱交
換性能を大幅に向上させた冷蔵庫を提供することであ
る。 【構成】空気流にほぼ直交するように配置された複数の
直管部3がベンド部4により接続されて蛇行状に形成さ
れた冷媒管2と、該冷媒管2の直管部3に管軸方向に互
いに間隔を有して固定された複数のほぼ平板状のフィン
5とを備えた蒸発器本体1を、箱体内部に形成されたダ
クト内に設置した冷蔵庫において、前記フィン5の平均
フィンピッチを前記冷媒管2の外径の0.4〜0.85
倍の範囲に設定した。
換性能を大幅に向上させた冷蔵庫を提供することであ
る。 【構成】空気流にほぼ直交するように配置された複数の
直管部3がベンド部4により接続されて蛇行状に形成さ
れた冷媒管2と、該冷媒管2の直管部3に管軸方向に互
いに間隔を有して固定された複数のほぼ平板状のフィン
5とを備えた蒸発器本体1を、箱体内部に形成されたダ
クト内に設置した冷蔵庫において、前記フィン5の平均
フィンピッチを前記冷媒管2の外径の0.4〜0.85
倍の範囲に設定した。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷蔵庫及びそれに用い
られる蒸発器に係わり、特に冷蔵庫の庫内循環空気の冷
却に用いられ、熱交換性能及び耐着霜性に好適な蒸発器
及びそれを搭載した冷蔵庫に関する。
られる蒸発器に係わり、特に冷蔵庫の庫内循環空気の冷
却に用いられ、熱交換性能及び耐着霜性に好適な蒸発器
及びそれを搭載した冷蔵庫に関する。
【0002】
【従来の技術】以下、便宜上、冷蔵庫用の蒸発器におい
て、空気流にほぼ直交するように配置された直管部が通
風方向を列方向または通風方向と、その管列数を列数と
呼び、冷媒管の直管部分の管軸方向の互いの間隔をフィ
ンピッチと呼ぶ。又、冷媒管の直管部の管軸方向を幅方
向またはダクト幅方向と呼び、列方向と幅方向とに直交
する方向方向を段方向またはダクト高さ方向と、その管
列数を段数と呼ぶ。
て、空気流にほぼ直交するように配置された直管部が通
風方向を列方向または通風方向と、その管列数を列数と
呼び、冷媒管の直管部分の管軸方向の互いの間隔をフィ
ンピッチと呼ぶ。又、冷媒管の直管部の管軸方向を幅方
向またはダクト幅方向と呼び、列方向と幅方向とに直交
する方向方向を段方向またはダクト高さ方向と、その管
列数を段数と呼ぶ。
【0003】冷蔵庫用の蒸発器の熱交換性能の向上につ
いて対策したものとしては、ナショナル・テクニカル・
レポート、30、5(1984年)第736頁から第7
44頁(National Technical Report 30、5(198
4)pp736−744)、大分工業専門学校研究報
告、23(1987年)第19頁から第22頁に示され
るように、フィン形状を列方向に連続したフィンである
連続フィンから列方向の管列毎に分割されたフィンいわ
ゆる独立フィンに変更したものと、管配列を列方向に管
列を直線状に並べるいわゆる格子状配列から列方向の各
管列を交互に段方向にずらしたいわゆる千鳥状管配列と
するものとがある。
いて対策したものとしては、ナショナル・テクニカル・
レポート、30、5(1984年)第736頁から第7
44頁(National Technical Report 30、5(198
4)pp736−744)、大分工業専門学校研究報
告、23(1987年)第19頁から第22頁に示され
るように、フィン形状を列方向に連続したフィンである
連続フィンから列方向の管列毎に分割されたフィンいわ
ゆる独立フィンに変更したものと、管配列を列方向に管
列を直線状に並べるいわゆる格子状配列から列方向の各
管列を交互に段方向にずらしたいわゆる千鳥状管配列と
するものとがある。
【0004】一方、冷蔵庫用の蒸発器の耐着霜性能の向
上について対策したものとしては、特開昭55−537
64号公報に示されるように、通風方向に並べられた直
管部分の各管列でフィンピッチを、上流の管列では広
く、下流の管列では狭くなるように設定するフィンピッ
チの適正化を行うものや、特開昭58−203379号
公報に示されるように、ダクトの高さをフィンに比べて
通風方向の上流の管列で大きくして、上流から下流へ通
ずる空気流が迂回する流路を確保するバイパス流路を設
けるものがある。また、第22回空気調和・冷凍連合講
演会講演論文集(1988年)第53頁から第56頁に
示されるように、長さの異なるフィンを交互に配置して
上流の管列のフィンピッチを広げるいわゆるフロントス
テージングや、ダクト高さ方向への高さの異なるフィン
を交互に配置して蒸発器のダクト高さ方向の両端のフィ
ンピッチを広げるいわゆるサイドステージングもある。
これらは連続フィン型の蒸発器においてフィンピッチの
適正化を行うものやバイパス流路を設けるものと同じ効
果を得ようとするものである。
上について対策したものとしては、特開昭55−537
64号公報に示されるように、通風方向に並べられた直
管部分の各管列でフィンピッチを、上流の管列では広
く、下流の管列では狭くなるように設定するフィンピッ
チの適正化を行うものや、特開昭58−203379号
公報に示されるように、ダクトの高さをフィンに比べて
通風方向の上流の管列で大きくして、上流から下流へ通
ずる空気流が迂回する流路を確保するバイパス流路を設
けるものがある。また、第22回空気調和・冷凍連合講
演会講演論文集(1988年)第53頁から第56頁に
示されるように、長さの異なるフィンを交互に配置して
上流の管列のフィンピッチを広げるいわゆるフロントス
テージングや、ダクト高さ方向への高さの異なるフィン
を交互に配置して蒸発器のダクト高さ方向の両端のフィ
ンピッチを広げるいわゆるサイドステージングもある。
これらは連続フィン型の蒸発器においてフィンピッチの
適正化を行うものやバイパス流路を設けるものと同じ効
果を得ようとするものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ナショナル・テクニカ
ル・レポート、30、5(1984年)第736頁から
第744頁に記載のものは、フィンを通風方向に短く分
割することにより、フィン表面の空気流の境界層が分断
されて平均的には薄くなるという前縁効果を、大分工業
専門学校研究報告、23(1987年)第19頁から第
22頁にきさいのものは、管列を連続させることで空気
流の乱れを大きくするという管群効果が格子状管配列よ
り千鳥状管配列で大きいことを、それぞれ利用して熱交
換性能を向上させている。これらの構成を採用したこと
による蒸発器の熱交換性能の向上効果を図4に示す。図
4は、横軸に熱交換器の前面風速を、縦軸に空気側熱コ
ンダクタンスをとり、上記資料に示されたデータをまと
めて示している。ここで、空気側熱コンダクタンスは、
単位外表面面積と単位温度差当りの熱交換量である熱通
過率に近いものであり、構成を変えても蒸発器の外表面
面積があまり変わらないこの場合についてはこの空気側
熱コンダクタンスで熱交換性能を評価できる。図4から
明らかなように、冷蔵庫において実際に使用される風速
範囲でも良好な結果が得られることが確認されており、
製造上の制約から独立フィンと格子状管配列の組み合わ
せや連続フィンと千鳥状管配列の組み合わせという適用
形態が多いものの、冷蔵庫用の蒸発器には何れかの構成
が採用されている。
ル・レポート、30、5(1984年)第736頁から
第744頁に記載のものは、フィンを通風方向に短く分
割することにより、フィン表面の空気流の境界層が分断
されて平均的には薄くなるという前縁効果を、大分工業
専門学校研究報告、23(1987年)第19頁から第
22頁にきさいのものは、管列を連続させることで空気
流の乱れを大きくするという管群効果が格子状管配列よ
り千鳥状管配列で大きいことを、それぞれ利用して熱交
換性能を向上させている。これらの構成を採用したこと
による蒸発器の熱交換性能の向上効果を図4に示す。図
4は、横軸に熱交換器の前面風速を、縦軸に空気側熱コ
ンダクタンスをとり、上記資料に示されたデータをまと
めて示している。ここで、空気側熱コンダクタンスは、
単位外表面面積と単位温度差当りの熱交換量である熱通
過率に近いものであり、構成を変えても蒸発器の外表面
面積があまり変わらないこの場合についてはこの空気側
熱コンダクタンスで熱交換性能を評価できる。図4から
明らかなように、冷蔵庫において実際に使用される風速
範囲でも良好な結果が得られることが確認されており、
製造上の制約から独立フィンと格子状管配列の組み合わ
せや連続フィンと千鳥状管配列の組み合わせという適用
形態が多いものの、冷蔵庫用の蒸発器には何れかの構成
が採用されている。
【0006】特開昭55−53764号公報に記載のフ
ィンピッチの適正化を行うもの及び第22回空気調和・
冷凍連合講演会講演論文集(1988年)第53頁から
第56頁に記載のフロントステージングでは、空気流と
の温度差が大きく熱交換量も大きく、着霜速度の大きい
蒸発器の上流部分でフィンピッチを広くし、上流部分で
既にある程度の熱交換と着霜が行われるため着霜速度が
小さくなる下流部分でフィンピッチを狭くすることで、
着霜によってフィン間の空気流路の面積が減少し閉塞を
上流部分と下流部分とでほぼ同等になるように、即ち均
一な着霜に近づけることができるようになる。このよう
にすることにより、上流部分で着霜することによるフィ
ン間の空気流路の面積が減少し早く閉塞することにより
風量が減少して熱交換性能が低下しやすいが、フィンピ
ッチの適正化を行うこと及びフロントステージングによ
り局所的な流路の減少・閉塞が現れにくくなるので耐着
霜性能を向上できる。
ィンピッチの適正化を行うもの及び第22回空気調和・
冷凍連合講演会講演論文集(1988年)第53頁から
第56頁に記載のフロントステージングでは、空気流と
の温度差が大きく熱交換量も大きく、着霜速度の大きい
蒸発器の上流部分でフィンピッチを広くし、上流部分で
既にある程度の熱交換と着霜が行われるため着霜速度が
小さくなる下流部分でフィンピッチを狭くすることで、
着霜によってフィン間の空気流路の面積が減少し閉塞を
上流部分と下流部分とでほぼ同等になるように、即ち均
一な着霜に近づけることができるようになる。このよう
にすることにより、上流部分で着霜することによるフィ
ン間の空気流路の面積が減少し早く閉塞することにより
風量が減少して熱交換性能が低下しやすいが、フィンピ
ッチの適正化を行うこと及びフロントステージングによ
り局所的な流路の減少・閉塞が現れにくくなるので耐着
霜性能を向上できる。
【0007】また、特開昭58−203379号公報に
記載のバイパス流路を設けるもの及び第22回空気調和
・冷凍連合講演会講演論文集(1988年)第53頁か
ら第56頁に記載のサイドステージングでは、除霜が行
われてから次の除霜が行われるまでの運転時間の前半
で、空気流と冷媒との温度差が大きい上流部分で比較的
多く熱交換が行われて下流部分より早く着霜するため空
気流路の面積が減少し閉塞が進むが、運転時間の後半で
は空気流の大部分は閉塞した上流部分を通らずにバイパ
ス流路やサイドステージング部から着霜の少ない下流部
分に流入して熱交換が行われる結果として、次の除霜直
前までは均一な着霜に近づけることができるため、耐着
霜性能が向上する。このことは、上記した第22回空気
調和・冷凍連合講演会講演論文集に示されるように、バ
イパス流路及びサイドステージングを有さないTYPE
−1と、バイパス流路をもつTYPE−2と、サイドス
テージングを行ったTYPE−3のデータ比較から確認
できる。以上述べたような耐着霜性能の向上のためのフ
ィンピッチを適正化するもの又はフロントステージング
と、バイパス流路を設けるもの又はサイドステージン
グ、冷蔵庫用の蒸発器に一般的に併用されて適用されて
いる。
記載のバイパス流路を設けるもの及び第22回空気調和
・冷凍連合講演会講演論文集(1988年)第53頁か
ら第56頁に記載のサイドステージングでは、除霜が行
われてから次の除霜が行われるまでの運転時間の前半
で、空気流と冷媒との温度差が大きい上流部分で比較的
多く熱交換が行われて下流部分より早く着霜するため空
気流路の面積が減少し閉塞が進むが、運転時間の後半で
は空気流の大部分は閉塞した上流部分を通らずにバイパ
ス流路やサイドステージング部から着霜の少ない下流部
分に流入して熱交換が行われる結果として、次の除霜直
前までは均一な着霜に近づけることができるため、耐着
霜性能が向上する。このことは、上記した第22回空気
調和・冷凍連合講演会講演論文集に示されるように、バ
イパス流路及びサイドステージングを有さないTYPE
−1と、バイパス流路をもつTYPE−2と、サイドス
テージングを行ったTYPE−3のデータ比較から確認
できる。以上述べたような耐着霜性能の向上のためのフ
ィンピッチを適正化するもの又はフロントステージング
と、バイパス流路を設けるもの又はサイドステージン
グ、冷蔵庫用の蒸発器に一般的に併用されて適用されて
いる。
【0008】以上述べたように、冷蔵庫用の蒸発器で
は、その熱交換器の全体構成に合わせて上記したような
熱交換性能の向上策や耐着霜性能の改善策を組合わせる
ことで熱交換性能と耐着霜性能をある程度まで向上させ
ることができる。しかしながら、冷蔵庫用の蒸発器の構
成及びその仕様形態に対する検討が不十分であり、これ
までの従来の装置では、耐着霜性は維持しつつ熱交換性
能を向上することについては、十分配慮されていない。
は、その熱交換器の全体構成に合わせて上記したような
熱交換性能の向上策や耐着霜性能の改善策を組合わせる
ことで熱交換性能と耐着霜性能をある程度まで向上させ
ることができる。しかしながら、冷蔵庫用の蒸発器の構
成及びその仕様形態に対する検討が不十分であり、これ
までの従来の装置では、耐着霜性は維持しつつ熱交換性
能を向上することについては、十分配慮されていない。
【0009】本発明の目的は、耐着霜性能は従来のもの
と同等に保持しつつ、熱交換性能を従来のものより大幅
に向上させた冷蔵庫用の蒸発器を提供することにある。
と同等に保持しつつ、熱交換性能を従来のものより大幅
に向上させた冷蔵庫用の蒸発器を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の構成の冷蔵庫は、空気流にほぼ直交するよ
うに配置された複数の直管部がベンド部により接続され
て蛇行状に形成された冷媒管と、該冷媒管の直管部に管
軸方向に互いに間隔を有して固定された複数のほぼ平板
状のフィンとを備えた蒸発器本体を、箱体内部に形成さ
れたダクト内に設置した冷蔵庫において、前記フィンの
平均フィンピッチを前記冷媒管の外径の0.4〜0.8
5倍の範囲に設定したしたことを特徴とするものであ
る。
に、本発明の構成の冷蔵庫は、空気流にほぼ直交するよ
うに配置された複数の直管部がベンド部により接続され
て蛇行状に形成された冷媒管と、該冷媒管の直管部に管
軸方向に互いに間隔を有して固定された複数のほぼ平板
状のフィンとを備えた蒸発器本体を、箱体内部に形成さ
れたダクト内に設置した冷蔵庫において、前記フィンの
平均フィンピッチを前記冷媒管の外径の0.4〜0.8
5倍の範囲に設定したしたことを特徴とするものであ
る。
【0011】又、空気流にほぼ直交するように配置され
た複数の直管部がベンド部により接続されて蛇行状に形
成された冷媒管と、該冷媒管の直管部に管軸方向に互い
に間隔を有して固定された複数のほぼ平板状のフィンと
を備えた蒸発器本体を、箱体内部に形成されたダクト内
に設置した冷蔵庫において、前記フィンピッチを3.5
mm以上で、かつ前記冷媒管の外径の0.85倍以下に
設定したしたことを特徴とするものである。
た複数の直管部がベンド部により接続されて蛇行状に形
成された冷媒管と、該冷媒管の直管部に管軸方向に互い
に間隔を有して固定された複数のほぼ平板状のフィンと
を備えた蒸発器本体を、箱体内部に形成されたダクト内
に設置した冷蔵庫において、前記フィンピッチを3.5
mm以上で、かつ前記冷媒管の外径の0.85倍以下に
設定したしたことを特徴とするものである。
【0012】又、空気流にほぼ直交するように配置され
た複数の管列をなす直管部がベンド部により接続されて
蛇行状に形成された冷媒管と、該冷媒管の直管部に管軸
方向に互いに間隔を有して固定された複数のほぼ平板状
のフィンとを備えた蒸発器本体を、箱体内部に形成され
たダクト内に設置した冷蔵庫において、前記直管部のダ
クト幅方向のフィンの両端の間の距離に下流側の管列の
フィンピッチの1/2を加えた距離をW、管列の数を
n、各管列のフィン枚数の合計をNとしたとき、n・W
/Nの値を前記冷媒管の外径の0.4〜0.85倍の範
囲に設定したしたことを特徴とするものである。
た複数の管列をなす直管部がベンド部により接続されて
蛇行状に形成された冷媒管と、該冷媒管の直管部に管軸
方向に互いに間隔を有して固定された複数のほぼ平板状
のフィンとを備えた蒸発器本体を、箱体内部に形成され
たダクト内に設置した冷蔵庫において、前記直管部のダ
クト幅方向のフィンの両端の間の距離に下流側の管列の
フィンピッチの1/2を加えた距離をW、管列の数を
n、各管列のフィン枚数の合計をNとしたとき、n・W
/Nの値を前記冷媒管の外径の0.4〜0.85倍の範
囲に設定したしたことを特徴とするものである。
【0013】さらに、前記フィンが独立に形成されてい
るものであって、前記管列が格子状に配列されているも
のである。又、前記フィンが連続して形成されているも
のであって、前記管列が千鳥状に配列されるとともに空
気流のバイパス流路が設けられているものである。又、
前記フィンが連続して形成されているものであって、前
記管列が千鳥状に配列されるとともにサイドステージン
グが設けられているものである。又、前記バイパス流路
が蒸発器の高さ方向に設けられているものである。
るものであって、前記管列が格子状に配列されているも
のである。又、前記フィンが連続して形成されているも
のであって、前記管列が千鳥状に配列されるとともに空
気流のバイパス流路が設けられているものである。又、
前記フィンが連続して形成されているものであって、前
記管列が千鳥状に配列されるとともにサイドステージン
グが設けられているものである。又、前記バイパス流路
が蒸発器の高さ方向に設けられているものである。
【0014】又、本発明の蒸発器は、空気流にほぼ直交
するように配置された複数の直管部がベンド部により接
続されて蛇行状に形成された冷媒管と、該冷媒管の直管
部に管軸方向に互いに間隔を有して固定された複数のほ
ぼ平板状のフィンとを備えた蒸発器において、前記フィ
ンの平均フィンピッチを前記冷媒管の外径の0.4〜
0.85倍の範囲に設定したことを特徴とするものであ
る。
するように配置された複数の直管部がベンド部により接
続されて蛇行状に形成された冷媒管と、該冷媒管の直管
部に管軸方向に互いに間隔を有して固定された複数のほ
ぼ平板状のフィンとを備えた蒸発器において、前記フィ
ンの平均フィンピッチを前記冷媒管の外径の0.4〜
0.85倍の範囲に設定したことを特徴とするものであ
る。
【0015】
【作用】本発明の冷蔵庫あるいは蒸発器は、上記のよう
に構成しているので、冷蔵庫用の蒸発器で平均フィンピ
ッチの縮小化により、熱交換性能については、冷蔵庫用
の蒸発器では通常フィン面積が外表面面積の約90%を
占めるため、外表面面積が平均フィンピッチにほぼ反比
例して増加するのに対し、空気側の熱伝達率(熱通過率
はこれに近い値となる)は平均フィンピッチの縮小化を
行わない場合と同等かわずかな減少ですむため、外表面
面積と熱通過率の積で表されるような実質的に熱交換性
能、すなわち同一サイズの蒸発器に対する単位温度差ま
たは単位エンタルピ差当りの熱交換量は、かなり大きな
割合で向上する。ここで、従来の熱交換器の平均フィン
ピッチは上記したように十分大きいものであるので、平
均フィンピッチの縮小化により大幅な向上量を期待でき
る。
に構成しているので、冷蔵庫用の蒸発器で平均フィンピ
ッチの縮小化により、熱交換性能については、冷蔵庫用
の蒸発器では通常フィン面積が外表面面積の約90%を
占めるため、外表面面積が平均フィンピッチにほぼ反比
例して増加するのに対し、空気側の熱伝達率(熱通過率
はこれに近い値となる)は平均フィンピッチの縮小化を
行わない場合と同等かわずかな減少ですむため、外表面
面積と熱通過率の積で表されるような実質的に熱交換性
能、すなわち同一サイズの蒸発器に対する単位温度差ま
たは単位エンタルピ差当りの熱交換量は、かなり大きな
割合で向上する。ここで、従来の熱交換器の平均フィン
ピッチは上記したように十分大きいものであるので、平
均フィンピッチの縮小化により大幅な向上量を期待でき
る。
【0016】一方、耐着霜性能についても、従来の熱交
換器の平均フィンピッチが比較的大きいため、正常な運
転では着霜によるフィン間の閉塞に対し余裕があるこ
と、あるいは蒸発器と熱交換する冷蔵室と冷凍室内の戻
り空気の平均温度は、正常な運転だけでなく冷蔵庫の扉
を締め忘れたまま、あるいは扉のパッキンの不良がある
まま等の異常な運転でも基本的には氷点以下に保たれる
ため、エアコン用の室外熱交換器に比べ冷蔵庫用の蒸発
器は低温の条件で動作するので、エアコンの場合より霜
が低密度であること、又、エアコンの場合とは霜の成長
過程が異なるため、完全には閉塞しにくい。また、上述
したようにバイパス流路を設ける、又はサイドステージ
ング等の耐着霜性能を向上させる構成を平均フィンピッ
チを縮小化した場合と併用することもできる。この場
合、蒸発器の上流端よりダクト高さ方向の側面はかなり
面積が大きいので、平均フィンピッチをある程度縮小し
てもこの側面には着霜が遅いため、閉塞するのも遅く、
着霜性能を従来の装置と同等にすることができる。
換器の平均フィンピッチが比較的大きいため、正常な運
転では着霜によるフィン間の閉塞に対し余裕があるこ
と、あるいは蒸発器と熱交換する冷蔵室と冷凍室内の戻
り空気の平均温度は、正常な運転だけでなく冷蔵庫の扉
を締め忘れたまま、あるいは扉のパッキンの不良がある
まま等の異常な運転でも基本的には氷点以下に保たれる
ため、エアコン用の室外熱交換器に比べ冷蔵庫用の蒸発
器は低温の条件で動作するので、エアコンの場合より霜
が低密度であること、又、エアコンの場合とは霜の成長
過程が異なるため、完全には閉塞しにくい。また、上述
したようにバイパス流路を設ける、又はサイドステージ
ング等の耐着霜性能を向上させる構成を平均フィンピッ
チを縮小化した場合と併用することもできる。この場
合、蒸発器の上流端よりダクト高さ方向の側面はかなり
面積が大きいので、平均フィンピッチをある程度縮小し
てもこの側面には着霜が遅いため、閉塞するのも遅く、
着霜性能を従来の装置と同等にすることができる。
【0017】
【実施例】本発明の第1の実施例を図1から図15によ
り説明する。図1は、本実施例の冷蔵庫用の蒸発器の正
面図、図2は、本実施例の冷蔵庫用の蒸発器の側面図で
ある。 一般に、冷蔵庫用の蒸発器は、空気流にほぼ直
交するように配置された直管部が通風方向に複数列(通
常5〜6列以上であり、以下、この方向を列方向または
通風方向と、その管列数を列数と呼ぶ)並べられた蛇行
管である冷媒管と、冷媒管の直管部分に管軸方向に互い
に間隔(以下、この間隔をフィンピッチと呼ぶ)を有し
て重ねられ、冷媒管に貫通される形で固定された多数の
平板状のフィンとからなる構成であり、冷蔵庫本体は、
この蒸発器を箱体内部の壁面や仕切り板により形成され
たダクト内に設置した構成になっている。
り説明する。図1は、本実施例の冷蔵庫用の蒸発器の正
面図、図2は、本実施例の冷蔵庫用の蒸発器の側面図で
ある。 一般に、冷蔵庫用の蒸発器は、空気流にほぼ直
交するように配置された直管部が通風方向に複数列(通
常5〜6列以上であり、以下、この方向を列方向または
通風方向と、その管列数を列数と呼ぶ)並べられた蛇行
管である冷媒管と、冷媒管の直管部分に管軸方向に互い
に間隔(以下、この間隔をフィンピッチと呼ぶ)を有し
て重ねられ、冷媒管に貫通される形で固定された多数の
平板状のフィンとからなる構成であり、冷蔵庫本体は、
この蒸発器を箱体内部の壁面や仕切り板により形成され
たダクト内に設置した構成になっている。
【0018】冷媒管は、直管部の管軸方向には比較的長
く(以下、この方向を幅方向またはダクト幅方向と呼
ぶ)、列方向と幅方向とに直交する方向には2〜3列
(以下、この方向を段方向またはダクト高さ方向と、そ
の管列数を段数と呼ぶ)をもつ構成であることが多いた
め、全体形状としては、空気流からみた蒸発器本体は奥
行と幅が大きい扁平な形状となっている。
く(以下、この方向を幅方向またはダクト幅方向と呼
ぶ)、列方向と幅方向とに直交する方向には2〜3列
(以下、この方向を段方向またはダクト高さ方向と、そ
の管列数を段数と呼ぶ)をもつ構成であることが多いた
め、全体形状としては、空気流からみた蒸発器本体は奥
行と幅が大きい扁平な形状となっている。
【0019】蒸発器では、冷媒管内を流れる低温の冷媒
が空気から受熱して蒸発し、庫内を循環した後ダクトに
戻った空気が冷媒管外とフィン間を流れる間に熱を奪わ
れて冷却される形で熱交換が行われる。この流入する空
気は平均温度が氷点以下であり、庫内の食品から水分の
蒸散が生じることや扉を開閉するので多湿の空気が侵入
することにより湿度が高い状態になることが多い。
が空気から受熱して蒸発し、庫内を循環した後ダクトに
戻った空気が冷媒管外とフィン間を流れる間に熱を奪わ
れて冷却される形で熱交換が行われる。この流入する空
気は平均温度が氷点以下であり、庫内の食品から水分の
蒸散が生じることや扉を開閉するので多湿の空気が侵入
することにより湿度が高い状態になることが多い。
【0020】このため、熱交換される時に冷媒管やフィ
ンの表面に空気流中の水分が凝結・付着して霜が生成さ
れる。このような着霜は、一般に冷蔵庫がかなり高温あ
るいは低湿で運転される場合以外の通常の運転状態で
は、冷蔵庫では熱交換に付随して必然的に発生し、(厳
密には、蒸発器温度が氷点以下かつ空気流の露点温度以
下になることが着霜が発生する条件である。熱伝達と物
質伝達の現象の相似性から、しかも時間と共にその付着
量、即ち着霜量は単調的に増加する。)また基本的には
熱交換性能を向上させると着霜量の時間的な増加率即ち
着霜速度も増大するという性質がある。蒸発器への着霜
量がある程度以上多くなると、通風抵抗が増大して風量
が減少するため熱交換性能が顕著に低下する。さらにフ
ィン間の空気流路が霜で閉塞するようになると、熱交換
不能の状態となって冷蔵庫の正常な運転が困難になる。
すなわち、冷蔵庫の冷凍能力が失われ庫内温度が設定値
より上昇してゆく状態になり、全体構成及び運転条件の
異なるエアコンでは、暖房運転時の室外熱交換器では急
激に発生することが知られている。これを防ぐために冷
蔵庫では、一般に着霜量が多くなった時点でサイクル運
転を停止して蒸発器の霜をヒータ加熱で解かす方法の除
霜を行なっている。このような除霜運転は、冷蔵庫の運
転を継続してゆくためには不可欠なものであるが、除霜
運転のため、霜で完全に閉塞した場合の温度上昇よりは
短時間で小さいが、運転を中断しなければならず庫内温
度が上昇するという不具合があり、霜を解かすために通
常運転も含めた全消費電力量の約5〜10%に相当する
余分な電力消費が必要である。除霜運転だけでなく、着
霜による通風抵抗の増大や熱交換性能の低下等も結局、
無着霜条件に比べて消費電力量の増加につながるため、
着霜による余分な電力消費量の合計はかなり大きな値と
なる。
ンの表面に空気流中の水分が凝結・付着して霜が生成さ
れる。このような着霜は、一般に冷蔵庫がかなり高温あ
るいは低湿で運転される場合以外の通常の運転状態で
は、冷蔵庫では熱交換に付随して必然的に発生し、(厳
密には、蒸発器温度が氷点以下かつ空気流の露点温度以
下になることが着霜が発生する条件である。熱伝達と物
質伝達の現象の相似性から、しかも時間と共にその付着
量、即ち着霜量は単調的に増加する。)また基本的には
熱交換性能を向上させると着霜量の時間的な増加率即ち
着霜速度も増大するという性質がある。蒸発器への着霜
量がある程度以上多くなると、通風抵抗が増大して風量
が減少するため熱交換性能が顕著に低下する。さらにフ
ィン間の空気流路が霜で閉塞するようになると、熱交換
不能の状態となって冷蔵庫の正常な運転が困難になる。
すなわち、冷蔵庫の冷凍能力が失われ庫内温度が設定値
より上昇してゆく状態になり、全体構成及び運転条件の
異なるエアコンでは、暖房運転時の室外熱交換器では急
激に発生することが知られている。これを防ぐために冷
蔵庫では、一般に着霜量が多くなった時点でサイクル運
転を停止して蒸発器の霜をヒータ加熱で解かす方法の除
霜を行なっている。このような除霜運転は、冷蔵庫の運
転を継続してゆくためには不可欠なものであるが、除霜
運転のため、霜で完全に閉塞した場合の温度上昇よりは
短時間で小さいが、運転を中断しなければならず庫内温
度が上昇するという不具合があり、霜を解かすために通
常運転も含めた全消費電力量の約5〜10%に相当する
余分な電力消費が必要である。除霜運転だけでなく、着
霜による通風抵抗の増大や熱交換性能の低下等も結局、
無着霜条件に比べて消費電力量の増加につながるため、
着霜による余分な電力消費量の合計はかなり大きな値と
なる。
【0021】このような不具合を少なくして冷蔵庫の消
費電力量の低減を図るために、冷蔵庫用の蒸発器では単
に熱交換性能の改善ばかりでなく、着霜も考慮した熱交
換性能として評価され、耐着霜性能の改善も含めた対策
が必要である。又、既に述べたように、熱伝達と物質伝
達との現象は相似性を有するので、性能を改善するため
の対策は、熱交換性能と耐着霜性能単独では基本的に相
反する効果をもたらすと考えられるため、実際には蒸発
器では熱交換性能と耐着霜性能のそれぞれを向上するた
めの対策を同時に複数採用して、その組合わせ及び構成
を最適化することにより、熱交換器性能と耐着霜性能と
の両性能が共に向上できるようにすることが必要であ
る。
費電力量の低減を図るために、冷蔵庫用の蒸発器では単
に熱交換性能の改善ばかりでなく、着霜も考慮した熱交
換性能として評価され、耐着霜性能の改善も含めた対策
が必要である。又、既に述べたように、熱伝達と物質伝
達との現象は相似性を有するので、性能を改善するため
の対策は、熱交換性能と耐着霜性能単独では基本的に相
反する効果をもたらすと考えられるため、実際には蒸発
器では熱交換性能と耐着霜性能のそれぞれを向上するた
めの対策を同時に複数採用して、その組合わせ及び構成
を最適化することにより、熱交換器性能と耐着霜性能と
の両性能が共に向上できるようにすることが必要であ
る。
【0022】本実施例の蒸発器は、図1、図2から分か
るように独立フィンでかつ配管列を格子状に構成してい
る。蒸発器本体1は、次のように構成されている。空気
流6にほぼ直交するように配置された複数の直管部3が
通風方向に管列として並べられる。直管部3同士はベン
ド部4によって接続されており、その結果として冷媒管
2は蛇行管となっている。冷媒管2の直管部3には、複
数枚のほぼ平板状の形状をしているフィン5がその管軸
方向に互いに間隔を有して重ねられ、フィン5は直管部
3に貫通されるとともに、直管部3に固定されている。
この蒸発器本体1は、冷蔵庫の箱体内部に形成されたダ
クト7内に設置されており、蒸発器本体1の下部には、
図示しないヒータが設けられている。
るように独立フィンでかつ配管列を格子状に構成してい
る。蒸発器本体1は、次のように構成されている。空気
流6にほぼ直交するように配置された複数の直管部3が
通風方向に管列として並べられる。直管部3同士はベン
ド部4によって接続されており、その結果として冷媒管
2は蛇行管となっている。冷媒管2の直管部3には、複
数枚のほぼ平板状の形状をしているフィン5がその管軸
方向に互いに間隔を有して重ねられ、フィン5は直管部
3に貫通されるとともに、直管部3に固定されている。
この蒸発器本体1は、冷蔵庫の箱体内部に形成されたダ
クト7内に設置されており、蒸発器本体1の下部には、
図示しないヒータが設けられている。
【0023】本実施例では、平均フィンピッチPfの値
が、冷媒管2の外径dの0.4〜0.85倍の範囲に設
定されている。これまで採用されていないが、性能向上
できる可能性がある構成は幾つか考えられ、発明者等が
検討した結果、それらの中で最も効果的に熱交換性能を
大幅に向上できるものの1つが、平均フィンピッチを縮
小するものである。ここで、平均フィンピッチとは、各
管列に固定されたフィンにおいて熱交換に有効に作用す
る領域のフィンの幅を列方向に合計した値を、各管列の
フィンの枚数を列方向に合計した値で除した値として定
義される。
が、冷媒管2の外径dの0.4〜0.85倍の範囲に設
定されている。これまで採用されていないが、性能向上
できる可能性がある構成は幾つか考えられ、発明者等が
検討した結果、それらの中で最も効果的に熱交換性能を
大幅に向上できるものの1つが、平均フィンピッチを縮
小するものである。ここで、平均フィンピッチとは、各
管列に固定されたフィンにおいて熱交換に有効に作用す
る領域のフィンの幅を列方向に合計した値を、各管列の
フィンの枚数を列方向に合計した値で除した値として定
義される。
【0024】ここで、領域の幅Wは、図1に示すよう
に、各管列のダクト幅方向のフィン5の両端の間の距離
にさらに下流側の管列でのフィンピッチの1/2を加え
た距離であり、この領域の幅Wは各管列で同一な値で評
価している。蒸発器の平均フィンピッチPfは、各管列
でフィン5が熱交換が有効に作用する領域の幅Wと通風
方向の管列の数nの積を、各管列でのフィン枚数の合
計、すなわち図2に示すようにN1+‥+Ni+‥+N
nで除した値で定義される。
に、各管列のダクト幅方向のフィン5の両端の間の距離
にさらに下流側の管列でのフィンピッチの1/2を加え
た距離であり、この領域の幅Wは各管列で同一な値で評
価している。蒸発器の平均フィンピッチPfは、各管列
でフィン5が熱交換が有効に作用する領域の幅Wと通風
方向の管列の数nの積を、各管列でのフィン枚数の合
計、すなわち図2に示すようにN1+‥+Ni+‥+N
nで除した値で定義される。
【0025】この平均フィンピッチについて、これまで
実際の冷蔵庫に使用されている蒸発器を発明者らが調査
した結果では、従来の装置の平均フィンピッチの下限は
管外径の0.87倍であった。又、平均フィンピッチの
値は6.7〜8.9mm、管外径は6.8〜8.6mm
の範囲であり、管外径の小さい蒸発器ほど平均フィンピ
ッチも小さくする傾向にある。一方、ルームエアコンに
おいて、冬の暖房運転では蒸発器として動作する室外熱
交換器にも同様な着霜の問題があるが、エアコン用の室
外熱交換器の平均フィンピッチの値は、通常ほぼ1.1
〜2mm、管外径は冷蔵庫用の蒸発器と同程度となって
いる。すなわち、冷蔵庫用の平均フィンピッチは、ルー
ムエアコン用の室外熱交換器に比べると、かなり大きな
値となっている。
実際の冷蔵庫に使用されている蒸発器を発明者らが調査
した結果では、従来の装置の平均フィンピッチの下限は
管外径の0.87倍であった。又、平均フィンピッチの
値は6.7〜8.9mm、管外径は6.8〜8.6mm
の範囲であり、管外径の小さい蒸発器ほど平均フィンピ
ッチも小さくする傾向にある。一方、ルームエアコンに
おいて、冬の暖房運転では蒸発器として動作する室外熱
交換器にも同様な着霜の問題があるが、エアコン用の室
外熱交換器の平均フィンピッチの値は、通常ほぼ1.1
〜2mm、管外径は冷蔵庫用の蒸発器と同程度となって
いる。すなわち、冷蔵庫用の平均フィンピッチは、ルー
ムエアコン用の室外熱交換器に比べると、かなり大きな
値となっている。
【0026】従来の冷蔵庫用の蒸発器でこのように平均
フィンピッチを大きくしている理由としては、次のよう
なものがある。第1の理由としては、エアコン用の室外
熱交換器では、冷蔵庫用に比べ平均フィンピッチは小さ
いが、列方向には2〜3列と短く設定(但し、段方向に
10列以上と長く、幅方向にも長い)している。このよ
うに、エアコン用の室外熱交換器は、奥行のない全体構
成であるが、冷蔵庫用蒸発器では最短で8時間程度とさ
れるのに対し、エアコンでは最短で30〜60分と除霜
間隔が短いため、外気条件によっては急激に霜で閉塞し
て熱交換不能になることがよく知られている。このよう
に奥行のないエアコン用の室外熱交換器でも急激に霜で
閉塞することから、奥行のある全体構成のため着霜によ
る閉塞が起きやすいと見られる冷蔵庫用の蒸発器では、
エアコン用のものより相対的に平均フィンピッチを大き
くする必要がある。
フィンピッチを大きくしている理由としては、次のよう
なものがある。第1の理由としては、エアコン用の室外
熱交換器では、冷蔵庫用に比べ平均フィンピッチは小さ
いが、列方向には2〜3列と短く設定(但し、段方向に
10列以上と長く、幅方向にも長い)している。このよ
うに、エアコン用の室外熱交換器は、奥行のない全体構
成であるが、冷蔵庫用蒸発器では最短で8時間程度とさ
れるのに対し、エアコンでは最短で30〜60分と除霜
間隔が短いため、外気条件によっては急激に霜で閉塞し
て熱交換不能になることがよく知られている。このよう
に奥行のないエアコン用の室外熱交換器でも急激に霜で
閉塞することから、奥行のある全体構成のため着霜によ
る閉塞が起きやすいと見られる冷蔵庫用の蒸発器では、
エアコン用のものより相対的に平均フィンピッチを大き
くする必要がある。
【0027】又、第2の理由としては、冷蔵庫の扉を締
め忘れたまま、あるいは扉のパッキンの不良があるまま
等の異常な運転の場合には正常な運転の場合より、庫内
の温度や湿度が大幅に上昇するため、蒸発器での着霜速
度もかなり大きくなる。このような状態でも庫内温度の
上昇が小さいことが必要であるため、蒸発器が熱交換不
能にならず、除霜直後に機能や性能に支障をきたすほど
の霜や氷が残らぬことが必要であるため、十分に除霜さ
れることが要求される。このような異常な運転の場合で
も、除霜間隔を最短の8時間より短縮する等の特別な制
御を行うことは一般的に行われていないため、蒸発器へ
の着霜量は正常な運転の数倍にまで増えることもありう
る。従って、このような異常な運転にも対応するために
は、正常な運転を想定した平均フィンピッチよりは余裕
を持たせて大きくする必要があるためである。
め忘れたまま、あるいは扉のパッキンの不良があるまま
等の異常な運転の場合には正常な運転の場合より、庫内
の温度や湿度が大幅に上昇するため、蒸発器での着霜速
度もかなり大きくなる。このような状態でも庫内温度の
上昇が小さいことが必要であるため、蒸発器が熱交換不
能にならず、除霜直後に機能や性能に支障をきたすほど
の霜や氷が残らぬことが必要であるため、十分に除霜さ
れることが要求される。このような異常な運転の場合で
も、除霜間隔を最短の8時間より短縮する等の特別な制
御を行うことは一般的に行われていないため、蒸発器へ
の着霜量は正常な運転の数倍にまで増えることもありう
る。従って、このような異常な運転にも対応するために
は、正常な運転を想定した平均フィンピッチよりは余裕
を持たせて大きくする必要があるためである。
【0028】これらの理由から、冷蔵庫用の蒸発器で
は、平均フィンピッチの縮小化を行うことは耐着霜性能
の低下につながると常識的に考えられており、蒸発器の
平均フィンピッチを広く変化させた場合の熱交換性能や
耐着霜性能の測定及びそのような観点からの構造の検討
はこれまで行われなかった。
は、平均フィンピッチの縮小化を行うことは耐着霜性能
の低下につながると常識的に考えられており、蒸発器の
平均フィンピッチを広く変化させた場合の熱交換性能や
耐着霜性能の測定及びそのような観点からの構造の検討
はこれまで行われなかった。
【0029】しかしながら、冷蔵庫用の蒸発器で平均フ
ィンピッチの縮小化を行うならば、まず熱交換性能につ
いては、冷蔵庫用の蒸発器では通常フィン面積が外表面
面積の約90%を占めるため、外表面面積が平均フィン
ピッチにほぼ反比例して増加するのに対し、空気側の熱
伝達率(熱通過率はこれに近い値となる)は、平均フィ
ンピッチの縮小化を行わない場合と同等かわずかな減少
ですむため、外表面面積と熱通過率の積で表されるよう
な実質的に熱交換性能、すなわち同一サイズの蒸発器に
対する単位温度差または単位エンタルピ差当りの熱交換
量は、かなり大きな割合で向上する。ここで、従来の熱
交換器の平均フィンピッチは上記したように十分大きい
ものであるので、平均フィンピッチの縮小化により大幅
な向上量を期待できる。
ィンピッチの縮小化を行うならば、まず熱交換性能につ
いては、冷蔵庫用の蒸発器では通常フィン面積が外表面
面積の約90%を占めるため、外表面面積が平均フィン
ピッチにほぼ反比例して増加するのに対し、空気側の熱
伝達率(熱通過率はこれに近い値となる)は、平均フィ
ンピッチの縮小化を行わない場合と同等かわずかな減少
ですむため、外表面面積と熱通過率の積で表されるよう
な実質的に熱交換性能、すなわち同一サイズの蒸発器に
対する単位温度差または単位エンタルピ差当りの熱交換
量は、かなり大きな割合で向上する。ここで、従来の熱
交換器の平均フィンピッチは上記したように十分大きい
ものであるので、平均フィンピッチの縮小化により大幅
な向上量を期待できる。
【0030】一方、耐着霜性能についても、従来の熱交
換器の平均フィンピッチが比較的大きいため、正常な運
転では着霜によるフィン間の閉塞に対し余裕があるこ
と、あるいは蒸発器と熱交換する冷蔵室と冷凍室内の戻
り空気の平均温度は、正常な運転だけでなく、上記した
異常な運転でも基本的には氷点以下に保たれるため、エ
アコン用の室外熱交換器に比べ冷蔵庫用の蒸発器は低温
の条件で動作するので、エアコンの場合より霜が低密度
であること、又、エアコンの場合とは霜の成長過程が異
なるため、完全には閉塞しにくい。また、上述したよう
にバイパス流路を設ける、又はサイドステージング等の
耐着霜性能を向上させる構成をを平均フィンピッチを縮
小化した場合と併用することもできる。この場合、蒸発
器の上流端よりダクト高さ方向の側面はかなり面積が大
きいので、平均フィンピッチをある程度縮小してもこの
側面には着霜が遅いため、閉塞するのも遅く、着霜性能
を従来の装置と同等にすることができる。
換器の平均フィンピッチが比較的大きいため、正常な運
転では着霜によるフィン間の閉塞に対し余裕があるこ
と、あるいは蒸発器と熱交換する冷蔵室と冷凍室内の戻
り空気の平均温度は、正常な運転だけでなく、上記した
異常な運転でも基本的には氷点以下に保たれるため、エ
アコン用の室外熱交換器に比べ冷蔵庫用の蒸発器は低温
の条件で動作するので、エアコンの場合より霜が低密度
であること、又、エアコンの場合とは霜の成長過程が異
なるため、完全には閉塞しにくい。また、上述したよう
にバイパス流路を設ける、又はサイドステージング等の
耐着霜性能を向上させる構成をを平均フィンピッチを縮
小化した場合と併用することもできる。この場合、蒸発
器の上流端よりダクト高さ方向の側面はかなり面積が大
きいので、平均フィンピッチをある程度縮小してもこの
側面には着霜が遅いため、閉塞するのも遅く、着霜性能
を従来の装置と同等にすることができる。
【0031】平均フィンピッチの縮小化による熱交換性
能及び耐着霜性能について、以下詳細に述べる。
能及び耐着霜性能について、以下詳細に述べる。
【0032】まず、平均フィンピッチの縮小化による熱
交換性能の向上の効果について述べる。複数の冷媒管に
貫通され、フィンが互いに間隔をとって複数枚冷媒管に
固定されて一体化されたものであり、一般に冷蔵庫用の
蒸発器やエアコン用の室外熱交換器に使用される、いわ
ゆるクロスフィンチューブ型熱交換器に対して精度が良
好であるプロシーディングズ・オブ・エイトス・ヒート
トランスファー・カンフェランス(1986年)第27
45頁から第2750頁(Proc. of Eighth Int. Heat
Transfer Conference(1986)pp2745−27
50)に提案された評価式を使って検討する。この論文
で提案されている空気側の熱伝達率hの評価式を数式1
に、数式1の中で用いられている形状パラメータの定義
を図3に示す。
交換性能の向上の効果について述べる。複数の冷媒管に
貫通され、フィンが互いに間隔をとって複数枚冷媒管に
固定されて一体化されたものであり、一般に冷蔵庫用の
蒸発器やエアコン用の室外熱交換器に使用される、いわ
ゆるクロスフィンチューブ型熱交換器に対して精度が良
好であるプロシーディングズ・オブ・エイトス・ヒート
トランスファー・カンフェランス(1986年)第27
45頁から第2750頁(Proc. of Eighth Int. Heat
Transfer Conference(1986)pp2745−27
50)に提案された評価式を使って検討する。この論文
で提案されている空気側の熱伝達率hの評価式を数式1
に、数式1の中で用いられている形状パラメータの定義
を図3に示す。
【0033】
【数1】
【0034】ここで、数式1で示される評価式の適用範
囲は、レイノズル数をRe、段方向の管ピッチをS1、
列方向の管ピッチをS2、管の直径をd、フィンピッチ
をPfとして、500<Re<24700、1.97<
S1/d<2.55、1.70<S2/d<2.58、
0.08<Pf/d<0.64であり、列数については
1〜8列以上となっている。
囲は、レイノズル数をRe、段方向の管ピッチをS1、
列方向の管ピッチをS2、管の直径をd、フィンピッチ
をPfとして、500<Re<24700、1.97<
S1/d<2.55、1.70<S2/d<2.58、
0.08<Pf/d<0.64であり、列数については
1〜8列以上となっている。
【0035】評価式を導く上で使用されたデータは、全
体構成が、段数が列数より多く、平板状の連続フィンと
千鳥状の管配列からなるエアコン用の室外熱交換器に関
するものであり、上記した適用範囲である管ピッチ比S
1/d、S2/dやフィンピッチ比Pf/dも冷蔵庫用
の通常の蒸発器の場合より小さめであるが、冷蔵庫用の
蒸発器に対しても、熱交換性能の概略値を求めることや
各種パラメータの性能に与える影響等の検討のためには
有効と考えうる。
体構成が、段数が列数より多く、平板状の連続フィンと
千鳥状の管配列からなるエアコン用の室外熱交換器に関
するものであり、上記した適用範囲である管ピッチ比S
1/d、S2/dやフィンピッチ比Pf/dも冷蔵庫用
の通常の蒸発器の場合より小さめであるが、冷蔵庫用の
蒸発器に対しても、熱交換性能の概略値を求めることや
各種パラメータの性能に与える影響等の検討のためには
有効と考えうる。
【0036】既に述べたように、冷蔵庫用の通常の蒸発
器ではフィンピッチの適正化を行うためには、各管列の
フィンピッチは2種類以上の異なる値を設定するが、後
述するように、冷蔵庫用の蒸発器の着霜の性質からフィ
ンピッチの適正化の構成として最小フィンピッチと平均
フィンピッチをかなり近くすることが可能なため、数式
1の評価式のフィンピッチPfには平均フィンピッチを
そのまま適用することとする。平均フィンピッチを小さ
くした場合、同一サイズの蒸発器では、外表面面積が平
均フィンピッチにほぼ反比例して増加する。例えば、フ
ィン面積が外表面面積の約90%を占める場合では、フ
ィンピッチを1/2にすると外表面面積は1.9倍にな
る。
器ではフィンピッチの適正化を行うためには、各管列の
フィンピッチは2種類以上の異なる値を設定するが、後
述するように、冷蔵庫用の蒸発器の着霜の性質からフィ
ンピッチの適正化の構成として最小フィンピッチと平均
フィンピッチをかなり近くすることが可能なため、数式
1の評価式のフィンピッチPfには平均フィンピッチを
そのまま適用することとする。平均フィンピッチを小さ
くした場合、同一サイズの蒸発器では、外表面面積が平
均フィンピッチにほぼ反比例して増加する。例えば、フ
ィン面積が外表面面積の約90%を占める場合では、フ
ィンピッチを1/2にすると外表面面積は1.9倍にな
る。
【0037】一方、空気側熱伝達率hは、数式1の左辺
と右辺第2項においては同一サイズの蒸発器ではフィン
枚数増加→通風損失増加→風量減少となり質量速度Gc
が減少するため、右辺第4項においては形状の変化によ
り流動状態が変化するために影響が現れるので変化す
る。しかし、前者については、冷蔵庫用の通常の蒸発器
では、上記論文の通風抵抗の評価式を用いて試算した結
果、通風抵抗は冷媒管による影響が大半を占めるため、
フィンの影響による通風抵抗は全体の数%程度と小さ
く、フィンピッチを縮小しても質量速度Gcの減少は小
さいため、空気側熱伝達率hの低下はわずかである。例
えば、フィンピッチを1/2にすると質量速度Gcは
0.97倍になり、その0.672乗に比例する空気側
熱伝達率hは0.98倍となる程度である。又、後者に
ついても空気側熱伝達率hをわずかに低下させるだけで
ある。例えば、フィンピッチを1/2にすると、空気側
熱伝達率hをその0.0312乗、即ち0.98倍とな
る程度である。
と右辺第2項においては同一サイズの蒸発器ではフィン
枚数増加→通風損失増加→風量減少となり質量速度Gc
が減少するため、右辺第4項においては形状の変化によ
り流動状態が変化するために影響が現れるので変化す
る。しかし、前者については、冷蔵庫用の通常の蒸発器
では、上記論文の通風抵抗の評価式を用いて試算した結
果、通風抵抗は冷媒管による影響が大半を占めるため、
フィンの影響による通風抵抗は全体の数%程度と小さ
く、フィンピッチを縮小しても質量速度Gcの減少は小
さいため、空気側熱伝達率hの低下はわずかである。例
えば、フィンピッチを1/2にすると質量速度Gcは
0.97倍になり、その0.672乗に比例する空気側
熱伝達率hは0.98倍となる程度である。又、後者に
ついても空気側熱伝達率hをわずかに低下させるだけで
ある。例えば、フィンピッチを1/2にすると、空気側
熱伝達率hをその0.0312乗、即ち0.98倍とな
る程度である。
【0038】従って、既に述べたような外表面面積と熱
通過率の積で表される実質的な熱交換性能は大きな割合
で向上できることになる。例えば、フィンピッチを1/
2にすると、1.9×0.98×0.98=1.82倍
になる。
通過率の積で表される実質的な熱交換性能は大きな割合
で向上できることになる。例えば、フィンピッチを1/
2にすると、1.9×0.98×0.98=1.82倍
になる。
【0039】以上の結果は、数式1を適用範囲外まで外
挿した概略の評価であるが、着霜条件や蒸発器の全体構
成の違い等により傾向がずれるとしても、評価式で推定
される平均フィンピッチの縮小化により熱交換性能向上
はほぼ反比例的で大きく向上するため、冷蔵庫用の蒸発
器に実際に適用したとしても熱交換性能は大きく向上す
る傾向にある。
挿した概略の評価であるが、着霜条件や蒸発器の全体構
成の違い等により傾向がずれるとしても、評価式で推定
される平均フィンピッチの縮小化により熱交換性能向上
はほぼ反比例的で大きく向上するため、冷蔵庫用の蒸発
器に実際に適用したとしても熱交換性能は大きく向上す
る傾向にある。
【0040】次に、耐着霜性能に影響する効果について
述べる。まず、冷蔵庫用の蒸発器では上記したように霜
が低密度であり完全には閉塞しにくい傾向があることに
ついて説明する。
述べる。まず、冷蔵庫用の蒸発器では上記したように霜
が低密度であり完全には閉塞しにくい傾向があることに
ついて説明する。
【0041】着霜現象や熱交換器の着霜に関する論文は
多いが、発明者らが調べた範囲では、冷蔵庫のように空
気温度も氷点以下の場合について検討したものはなかっ
た。また、霜の密度は絶対湿度差、物質伝達率、空気・
蒸発器温度等だけでなく種々の条件に依存する複雑な物
理量であるため、冷蔵庫とエアコンのようにかなり条件
が異なる場合に比較できる有効な評価式等は提案されて
いない。そこで、熱交換器の着霜を対象としている中で
比較的低い空気温度条件を扱っている冷凍67巻779
号(1992年)第78頁から第87頁に記載の中の蒸
発器の単体試験の結果を参照する。この論文に記載の蒸
発器の全体構成は、フィンピッチ2.1mm、列数1列
とエアコン用の熱交換器に近いものであり、空気の温度
及び湿度は2℃及び90%、初期の前面風速は1〜3m
/s、蒸発器温度は−7.8℃及び−12.7℃の条件
で熱交換させた場合の霜の密度及び厚さの測定値が示さ
れている。冷蔵庫用の蒸発器の代表的な動作条件は、空
気温度及び湿度が−16℃及び10〜100%、初期の
前面風速が0.7m/s、蒸発器温度が−26℃程度で
あるのに対し、冬の暖房運転時のエアコン用の室外熱交
換器では、空気温度及び湿度が2℃及び10〜90%、
初期の前面風速が1.4m/s、蒸発器温度が−5〜−
10℃程度と考えられている。上記の論文の図3に示さ
れる結果では、条件や全体構成の対応が十分でないた
め、概略の比較になるが、冷蔵庫を想定すると初期の前
面風速1m/s、蒸発器温度−12.7℃のデータを、
エアコンを想定すると初期の前面風速2m/s、蒸発器
温度−7.8℃のデータを選定したとして、測定された
霜の密度は前者の場合が約120kg/m3であるのに
対して後者が約200kg/m3であり、冷蔵庫用の蒸
発器の霜の方がエアコン用のものより一般的に低密度で
あると考えられる。このように霜層の平均的な密度が低
いため、多孔質な部分が多くなり通気性が現れやすくな
る。
多いが、発明者らが調べた範囲では、冷蔵庫のように空
気温度も氷点以下の場合について検討したものはなかっ
た。また、霜の密度は絶対湿度差、物質伝達率、空気・
蒸発器温度等だけでなく種々の条件に依存する複雑な物
理量であるため、冷蔵庫とエアコンのようにかなり条件
が異なる場合に比較できる有効な評価式等は提案されて
いない。そこで、熱交換器の着霜を対象としている中で
比較的低い空気温度条件を扱っている冷凍67巻779
号(1992年)第78頁から第87頁に記載の中の蒸
発器の単体試験の結果を参照する。この論文に記載の蒸
発器の全体構成は、フィンピッチ2.1mm、列数1列
とエアコン用の熱交換器に近いものであり、空気の温度
及び湿度は2℃及び90%、初期の前面風速は1〜3m
/s、蒸発器温度は−7.8℃及び−12.7℃の条件
で熱交換させた場合の霜の密度及び厚さの測定値が示さ
れている。冷蔵庫用の蒸発器の代表的な動作条件は、空
気温度及び湿度が−16℃及び10〜100%、初期の
前面風速が0.7m/s、蒸発器温度が−26℃程度で
あるのに対し、冬の暖房運転時のエアコン用の室外熱交
換器では、空気温度及び湿度が2℃及び10〜90%、
初期の前面風速が1.4m/s、蒸発器温度が−5〜−
10℃程度と考えられている。上記の論文の図3に示さ
れる結果では、条件や全体構成の対応が十分でないた
め、概略の比較になるが、冷蔵庫を想定すると初期の前
面風速1m/s、蒸発器温度−12.7℃のデータを、
エアコンを想定すると初期の前面風速2m/s、蒸発器
温度−7.8℃のデータを選定したとして、測定された
霜の密度は前者の場合が約120kg/m3であるのに
対して後者が約200kg/m3であり、冷蔵庫用の蒸
発器の霜の方がエアコン用のものより一般的に低密度で
あると考えられる。このように霜層の平均的な密度が低
いため、多孔質な部分が多くなり通気性が現れやすくな
る。
【0042】次に、冷蔵庫用の蒸発器では完全には閉塞
しにくいが、この点について、まず霜の成長過程を考慮
した霜層の密度分布について説明する。霜の成長過程に
ついては、日本冷凍協会論文集、3巻、2号(1986
年)第1頁から第9頁に示されている。この論文では、
エアコン用の室外熱交換器のような空気温度が氷点以上
の条件でのデータにより霜の成長過程を説明している
が、この論文では、冷却面上に局所的に発生した氷結晶
の一次元的成長で空隙率の大きな霜柱群を形成する霜柱
発生期と、霜柱の頭部が結晶遷移や結晶相互の干渉で三
次元的に氷柱部として成長すると共に空隙部が濃度勾配
に基づく水蒸気の内部拡散で多孔質部に埋められる霜層
成長期と、霜層表面が氷点以上になって凝縮した水滴や
水膜の内部浸透が起こり表面の氷層化が進む霜層成熟期
とが、どのような条件下の着霜でも共通してあると説明
されている。
しにくいが、この点について、まず霜の成長過程を考慮
した霜層の密度分布について説明する。霜の成長過程に
ついては、日本冷凍協会論文集、3巻、2号(1986
年)第1頁から第9頁に示されている。この論文では、
エアコン用の室外熱交換器のような空気温度が氷点以上
の条件でのデータにより霜の成長過程を説明している
が、この論文では、冷却面上に局所的に発生した氷結晶
の一次元的成長で空隙率の大きな霜柱群を形成する霜柱
発生期と、霜柱の頭部が結晶遷移や結晶相互の干渉で三
次元的に氷柱部として成長すると共に空隙部が濃度勾配
に基づく水蒸気の内部拡散で多孔質部に埋められる霜層
成長期と、霜層表面が氷点以上になって凝縮した水滴や
水膜の内部浸透が起こり表面の氷層化が進む霜層成熟期
とが、どのような条件下の着霜でも共通してあると説明
されている。
【0043】しかし、冷蔵庫用の蒸発器の場合には、空
気温度が氷点以下であるので高密度な霜で通気性は失わ
れて表面の氷層化が起こるため霜層成熟期には移行せ
ず、霜層成長期の最終段階で表面付近ほど低密度な層が
残されたまま成長が次第に緩慢になり、各部分のフィン
ピッチや条件等により、閉塞以前で成長が止まるか見か
け上の閉塞にまで進むかのいずれかになる。このことは
後述するように着霜実験、あるいは冷蔵庫に熱交換器を
組込んだ発明者らの実験で確認されている。
気温度が氷点以下であるので高密度な霜で通気性は失わ
れて表面の氷層化が起こるため霜層成熟期には移行せ
ず、霜層成長期の最終段階で表面付近ほど低密度な層が
残されたまま成長が次第に緩慢になり、各部分のフィン
ピッチや条件等により、閉塞以前で成長が止まるか見か
け上の閉塞にまで進むかのいずれかになる。このことは
後述するように着霜実験、あるいは冷蔵庫に熱交換器を
組込んだ発明者らの実験で確認されている。
【0044】これは、霜層が厚くなると、霜が低密度で
あり熱伝導の抵抗が大きいために空気流と霜層表面の温
度差が小さくなるためと、後述するようなバイパス流路
等により閉塞に近い部分から他の部分へ空気流の迂回が
起きやすく局所的に風量が減少してある程度厚くなった
部分では熱交換量が減少するので成長が途中で鈍化する
かまたは停止して、その表面は霜層成長期のような低密
度な状態で残るためである。この場合、見かけ上は閉塞
している部分でも、その境界は低密度で通気性のある状
態になっており、エアコン用の室外熱交換器のように完
全に閉塞することがない。又、冷蔵庫とエアコンとで
は、霜層の境界や表面付近の霜の密度は上記した平均的
な密度以上に差を有すると考えられる。
あり熱伝導の抵抗が大きいために空気流と霜層表面の温
度差が小さくなるためと、後述するようなバイパス流路
等により閉塞に近い部分から他の部分へ空気流の迂回が
起きやすく局所的に風量が減少してある程度厚くなった
部分では熱交換量が減少するので成長が途中で鈍化する
かまたは停止して、その表面は霜層成長期のような低密
度な状態で残るためである。この場合、見かけ上は閉塞
している部分でも、その境界は低密度で通気性のある状
態になっており、エアコン用の室外熱交換器のように完
全に閉塞することがない。又、冷蔵庫とエアコンとで
は、霜層の境界や表面付近の霜の密度は上記した平均的
な密度以上に差を有すると考えられる。
【0045】以上述べたように、平均フィンピッチの縮
小化により熱交換性能の向上及び耐着霜性能を維持でき
ることについて定性的にもある程度定量的に把握できた
ように、冷蔵庫用の蒸発器において平均フィンピッチの
縮小化を行うことで、熱交換性能を従来のものより大幅
に向上させながら耐着霜性能は従来のものと同等か同等
近くに保持できる。
小化により熱交換性能の向上及び耐着霜性能を維持でき
ることについて定性的にもある程度定量的に把握できた
ように、冷蔵庫用の蒸発器において平均フィンピッチの
縮小化を行うことで、熱交換性能を従来のものより大幅
に向上させながら耐着霜性能は従来のものと同等か同等
近くに保持できる。
【0046】次に、冷蔵庫用の蒸発器での平均フィンピ
ッチの縮小化を行った場合の熱交換性能及び耐着霜性能
の効果についての実験による検証結果について説明す
る。
ッチの縮小化を行った場合の熱交換性能及び耐着霜性能
の効果についての実験による検証結果について説明す
る。
【0047】まず、実際に使用されている冷蔵庫の通常
運転に近い条件で検証するために、従来のように平均フ
ィンピッチの縮小化を行わない場合と各種の平均フィン
ピッチの縮小化を行った構成の蒸発器について蒸発器単
体での着霜実験を行った。この実験では、平均フィンピ
ッチを管外径に対して0.66〜1.11倍に設定して
おり、それ以外は仕様及びサイズが同一である独立フィ
ン型で管配列が格子状の蒸発器を用いている。
運転に近い条件で検証するために、従来のように平均フ
ィンピッチの縮小化を行わない場合と各種の平均フィン
ピッチの縮小化を行った構成の蒸発器について蒸発器単
体での着霜実験を行った。この実験では、平均フィンピ
ッチを管外径に対して0.66〜1.11倍に設定して
おり、それ以外は仕様及びサイズが同一である独立フィ
ン型で管配列が格子状の蒸発器を用いている。
【0048】ここで、上記した着霜実験及び後述する冷
蔵庫への組込み実験で、平均フィンピッチが管外径の
1.11倍のものを便宜上現状型といい、平均フィンピ
ッチがそれ未満のものを改良型といって区別する。又、
着霜実験の方法は、第22回空気調和・冷凍連合講演会
講演論文集(1988年)第53頁から第56頁に示さ
れている実験とほぼ同様の実験方法である。
蔵庫への組込み実験で、平均フィンピッチが管外径の
1.11倍のものを便宜上現状型といい、平均フィンピ
ッチがそれ未満のものを改良型といって区別する。又、
着霜実験の方法は、第22回空気調和・冷凍連合講演会
講演論文集(1988年)第53頁から第56頁に示さ
れている実験とほぼ同様の実験方法である。
【0049】すなわち、ダクトに流入させる空気の温度
と湿度、冷媒管に供給するブラインの温度と流量、ダク
トと連通され蒸発器の下流に設置されたプロペラファン
型で実際の冷蔵庫用に使用される近い仕様に近い送風機
の回転数をそれぞれ一定に保ち、着霜を生じる条件で熱
交換させて、風速や熱通過率等の時間変化を測定する方
法で行った。既に述べたように冷蔵庫用の蒸発器の代表
的な動作条件に比べ、空気や蒸発器温度はやや高く、湿
度は示された範囲の上限近くに設定している。
と湿度、冷媒管に供給するブラインの温度と流量、ダク
トと連通され蒸発器の下流に設置されたプロペラファン
型で実際の冷蔵庫用に使用される近い仕様に近い送風機
の回転数をそれぞれ一定に保ち、着霜を生じる条件で熱
交換させて、風速や熱通過率等の時間変化を測定する方
法で行った。既に述べたように冷蔵庫用の蒸発器の代表
的な動作条件に比べ、空気や蒸発器温度はやや高く、湿
度は示された範囲の上限近くに設定している。
【0050】この実験によって得られた結果の一例を図
4に示す。図4は、熱通過率と外表面面積の積K・A
が、同一サイズの蒸発器についての単位エンタルピ差当
たりの熱交換量であり、蒸発器の外表面面積が異なる場
合に実質的な熱交換性能を示す量と考え、代表的な4種
類の蒸発器について前面風速Vairと熱通過率と外表
面面積の積K・Aの時間変化を示している。ここで、図
4に示す縦軸の単位の中でΔiは、SI単位(kJ/k
g)でとった比エンタルピを示しており、実験の条件で
は全体の熱交換量の中の潜熱分が無視できないため、エ
ンタルピ差基準で熱通過率を評価している。図4から分
かるように、平均フィンピッチがPf=1.11dで図
4中に白抜きの丸に中点を付けた記号で示した現状型
と、平均フィンピッチがPf<1.11dのフィンピッ
チを縮小した改良型とを比較すると、前面風速Vair
はあまり差がないが、熱通過率と外表面面積の積K・A
は大幅に増加している。すなわち、平均フィンピッチP
fを40%縮小すると約50%増加する。
4に示す。図4は、熱通過率と外表面面積の積K・A
が、同一サイズの蒸発器についての単位エンタルピ差当
たりの熱交換量であり、蒸発器の外表面面積が異なる場
合に実質的な熱交換性能を示す量と考え、代表的な4種
類の蒸発器について前面風速Vairと熱通過率と外表
面面積の積K・Aの時間変化を示している。ここで、図
4に示す縦軸の単位の中でΔiは、SI単位(kJ/k
g)でとった比エンタルピを示しており、実験の条件で
は全体の熱交換量の中の潜熱分が無視できないため、エ
ンタルピ差基準で熱通過率を評価している。図4から分
かるように、平均フィンピッチがPf=1.11dで図
4中に白抜きの丸に中点を付けた記号で示した現状型
と、平均フィンピッチがPf<1.11dのフィンピッ
チを縮小した改良型とを比較すると、前面風速Vair
はあまり差がないが、熱通過率と外表面面積の積K・A
は大幅に増加している。すなわち、平均フィンピッチP
fを40%縮小すると約50%増加する。
【0051】これは図20に示すように、独立フィンと
した構成と管配列を千鳥状にした構成とを組合わせとき
の性能向上量にほぼ匹敵しており、時間が経過しても現
状型と比べて改良型の性能向上率はほぼ同等に保たれな
がら推移していることが分かる。このことは、既に理論
的な検討で示された、平均フィンピッチの縮小化により
冷蔵庫用の蒸発器の熱交換性能を従来のものより大幅に
向上させることができ、冷蔵庫の通常運転時の蒸発器に
おいて耐着霜性能は従来と同等に保持されることが実験
的にも実証されたことを意味する。
した構成と管配列を千鳥状にした構成とを組合わせとき
の性能向上量にほぼ匹敵しており、時間が経過しても現
状型と比べて改良型の性能向上率はほぼ同等に保たれな
がら推移していることが分かる。このことは、既に理論
的な検討で示された、平均フィンピッチの縮小化により
冷蔵庫用の蒸発器の熱交換性能を従来のものより大幅に
向上させることができ、冷蔵庫の通常運転時の蒸発器に
おいて耐着霜性能は従来と同等に保持されることが実験
的にも実証されたことを意味する。
【0052】次に、平均フィンピッチと熱交換性能との
関係について図5により説明する。図5は、横軸に平均
フィンピッチと管外径の比であるフィンピッチ比Pf/
dをとり、縦軸に熱通過率と外表面面積の積K・Aを運
転時間全域で平均した値をとって整理し直して示した図
である。又、図5には、上記の着霜実験の結果、従来の
蒸発器のフィンピッチ比であるPf>0.87dの範囲
での実験結果、後述する評価式で予想される値、蒸発器
の除霜性を考慮したフィンピッチ比の適用範囲を併せて
示している。
関係について図5により説明する。図5は、横軸に平均
フィンピッチと管外径の比であるフィンピッチ比Pf/
dをとり、縦軸に熱通過率と外表面面積の積K・Aを運
転時間全域で平均した値をとって整理し直して示した図
である。又、図5には、上記の着霜実験の結果、従来の
蒸発器のフィンピッチ比であるPf>0.87dの範囲
での実験結果、後述する評価式で予想される値、蒸発器
の除霜性を考慮したフィンピッチ比の適用範囲を併せて
示している。
【0053】まず、図5中に丸印で示した着霜実験デー
タと、これらの実験データを内挿した実線で示した結果
から分かるように、平均フィンピッチを縮小化するとと
もに熱通過率と外表面面積の積K・Aの時間平均値は、
フィンピッチ比Pf/dを変化させた実験範囲内で単調
的に増加していることが分かる。前述した評価式の数式
1により評価すると、Pf=1.11dの現状型と平均
フィンピッチがPf=0.66dの改良型とを比較する
と熱交換性能が理論的には1.53倍となり、実験デー
タの1.5倍とほとんど差がない。ここで、評価式の数
式1による評価では、前述したように、熱通過率と空気
側熱伝達率の変化を同等とみなすと、性能変化は1.5
9×0.98×0.98=1.53倍となる。
タと、これらの実験データを内挿した実線で示した結果
から分かるように、平均フィンピッチを縮小化するとと
もに熱通過率と外表面面積の積K・Aの時間平均値は、
フィンピッチ比Pf/dを変化させた実験範囲内で単調
的に増加していることが分かる。前述した評価式の数式
1により評価すると、Pf=1.11dの現状型と平均
フィンピッチがPf=0.66dの改良型とを比較する
と熱交換性能が理論的には1.53倍となり、実験デー
タの1.5倍とほとんど差がない。ここで、評価式の数
式1による評価では、前述したように、熱通過率と空気
側熱伝達率の変化を同等とみなすと、性能変化は1.5
9×0.98×0.98=1.53倍となる。
【0054】このことから、着霜実験データと評価式に
よる性能面の検討から、通常運転時の冷蔵庫用の蒸発器
においては、平均フィンピッチを従来のものよりもかな
り縮小しても着霜条件での熱交換性能を向上できるとと
もに耐着霜性能は同等に保持できることが分かる。すな
わち、着霜実験の範囲が評価式のやや適用範囲外であり
着霜の影響等もあるにもかかわらず、平均フィンピッチ
を縮小することにより熱交換性能は向上することを示し
ている。また、着霜実験を行ったフィンピッチ比の範囲
では、平均フィンピッチの縮小によって着霜実験のデー
タと評価式で評価した結果との間に性能向上率でほとん
ど差がないこと、フィンピッチ比を上記の範囲以下に縮
小した場合にも評価式で評価した結果から上記の範囲内
と同等な性能向上率が得られることから、着霜条件での
熱交換性能もフィンピッチ比を上記の範囲以下に縮小し
た場合に図5中に破線で示したように向上する傾向にあ
ることが分かる。
よる性能面の検討から、通常運転時の冷蔵庫用の蒸発器
においては、平均フィンピッチを従来のものよりもかな
り縮小しても着霜条件での熱交換性能を向上できるとと
もに耐着霜性能は同等に保持できることが分かる。すな
わち、着霜実験の範囲が評価式のやや適用範囲外であり
着霜の影響等もあるにもかかわらず、平均フィンピッチ
を縮小することにより熱交換性能は向上することを示し
ている。また、着霜実験を行ったフィンピッチ比の範囲
では、平均フィンピッチの縮小によって着霜実験のデー
タと評価式で評価した結果との間に性能向上率でほとん
ど差がないこと、フィンピッチ比を上記の範囲以下に縮
小した場合にも評価式で評価した結果から上記の範囲内
と同等な性能向上率が得られることから、着霜条件での
熱交換性能もフィンピッチ比を上記の範囲以下に縮小し
た場合に図5中に破線で示したように向上する傾向にあ
ることが分かる。
【0055】ただし、フィンピッチ比以外にバイパス流
路を設けるあるいはフィンピッチの適正化等の熱交換器
の構成を変えた場合には、あるフィンピッチ比の縮小し
た範囲以下では熱交換性能の向上率が鈍化することもあ
り得ると考えられる。
路を設けるあるいはフィンピッチの適正化等の熱交換器
の構成を変えた場合には、あるフィンピッチ比の縮小し
た範囲以下では熱交換性能の向上率が鈍化することもあ
り得ると考えられる。
【0056】一方、冷蔵庫用の蒸発器として実際に使用
することを考慮すると、以下に述べるように、平均フィ
ンピッチの下限値には制限がある。上述したように、冷
蔵庫用の蒸発器として使用する場合、着霜量や運転時間
等に対応して、蒸発器の霜を取り除く除霜運転がある頻
度で行われる。除霜運転では、ヒータで加熱することに
より、蒸発器の霜を解かし、この除霜水を重力の作用に
よりフィンを伝わせて蒸発器本体やフィンの下部からダ
クトの最下部に落下させて排出している。このような除
霜運転途中の状態を図6から図9に示す。図6及び図7
は縦置き型の場合を、図8及び図9は横置き型の場合を
示している。ここで、縦置き型の方が、蒸発器本体と非
接触状態で配置されているヒータが利用しやすいことか
ら、一般的に使用されている。また、図示したように縦
置き型あるいは横置き型の構成と、独立フィンあるいは
格子状の管配列等の蒸発器本体の構成とを組合わせ場合
でも、蒸発器の除霜と平均フィンピッチの関係は適用で
きるものである。
することを考慮すると、以下に述べるように、平均フィ
ンピッチの下限値には制限がある。上述したように、冷
蔵庫用の蒸発器として使用する場合、着霜量や運転時間
等に対応して、蒸発器の霜を取り除く除霜運転がある頻
度で行われる。除霜運転では、ヒータで加熱することに
より、蒸発器の霜を解かし、この除霜水を重力の作用に
よりフィンを伝わせて蒸発器本体やフィンの下部からダ
クトの最下部に落下させて排出している。このような除
霜運転途中の状態を図6から図9に示す。図6及び図7
は縦置き型の場合を、図8及び図9は横置き型の場合を
示している。ここで、縦置き型の方が、蒸発器本体と非
接触状態で配置されているヒータが利用しやすいことか
ら、一般的に使用されている。また、図示したように縦
置き型あるいは横置き型の構成と、独立フィンあるいは
格子状の管配列等の蒸発器本体の構成とを組合わせ場合
でも、蒸発器の除霜と平均フィンピッチの関係は適用で
きるものである。
【0057】図6から図9に示すように、冷媒管2とフ
ィン5からなる蒸発器本体に付着した霜は、ヒータを加
熱するにより溶解されて除霜水8となり、矢印9に示す
方向にフィン5を伝わって蒸発器本体やフィン5の下部
に溜まり、その部分の表面張力で保持できる以上の量に
なると水滴・水柱等の形でダクト7の最下部に落下して
蒸発器本体から除去される。なお、縦置き型で独立フィ
ンのものは、各管列のフィン5の上流端にも一時的に溜
まりながら下方に移動してゆく。このようにして、蒸発
器に着霜したものの大部分は、除霜水として取り除かれ
るが、ヒータの加熱が不十分である場合には着霜したも
のの一部分が解けないで残霜として蒸発器に着霜したま
ま残る。このような現象は、既に述べたように、異常な
運転で着霜量が極端に増えた場合に主として生じる。ま
た、除霜水の一部分は、除霜することによって庫内の温
度が上昇することや余分な電力消費を使うため、完全に
乾燥させるようヒータの加熱時間を長くするが行われな
いため、蒸発器に付着したまま乾燥せずに残る。このよ
うに一般には、除霜運転後でも着霜量はゼロにならず、
この初期的な着霜量がある程度多く、かつその着霜個所
が通風を妨げる部分に偏っている場合は、この初期的な
着霜は再凍結するので、氷に近い状態であり通気性に欠
ける性質をもつため、蒸発器の熱交換性能に悪い影響を
与える。
ィン5からなる蒸発器本体に付着した霜は、ヒータを加
熱するにより溶解されて除霜水8となり、矢印9に示す
方向にフィン5を伝わって蒸発器本体やフィン5の下部
に溜まり、その部分の表面張力で保持できる以上の量に
なると水滴・水柱等の形でダクト7の最下部に落下して
蒸発器本体から除去される。なお、縦置き型で独立フィ
ンのものは、各管列のフィン5の上流端にも一時的に溜
まりながら下方に移動してゆく。このようにして、蒸発
器に着霜したものの大部分は、除霜水として取り除かれ
るが、ヒータの加熱が不十分である場合には着霜したも
のの一部分が解けないで残霜として蒸発器に着霜したま
ま残る。このような現象は、既に述べたように、異常な
運転で着霜量が極端に増えた場合に主として生じる。ま
た、除霜水の一部分は、除霜することによって庫内の温
度が上昇することや余分な電力消費を使うため、完全に
乾燥させるようヒータの加熱時間を長くするが行われな
いため、蒸発器に付着したまま乾燥せずに残る。このよ
うに一般には、除霜運転後でも着霜量はゼロにならず、
この初期的な着霜量がある程度多く、かつその着霜個所
が通風を妨げる部分に偏っている場合は、この初期的な
着霜は再凍結するので、氷に近い状態であり通気性に欠
ける性質をもつため、蒸発器の熱交換性能に悪い影響を
与える。
【0058】蒸発器のフィンピッチを縮小した場合に
は、蒸発器に付着して残る除霜水の量(以下、これを保
水量という)が増え、上記したような状況が考えられ
る。発明者らの蒸発器本体やフィンの下部の除霜水の状
態についての観察では、図10からに示す結果が得られ
た。図10から図13に示すように、フィンピッチが大
きい部分では、除霜水8は、個々のフィン5や冷媒管2
の下向きの端面や側面に比較的小さな単独の水滴あるい
は水膜として付着するので、フィン間の空気流路に対し
下方から上方に向かう方向に通風抵抗を増大させたり、
閉塞させることは少なかった。
は、蒸発器に付着して残る除霜水の量(以下、これを保
水量という)が増え、上記したような状況が考えられ
る。発明者らの蒸発器本体やフィンの下部の除霜水の状
態についての観察では、図10からに示す結果が得られ
た。図10から図13に示すように、フィンピッチが大
きい部分では、除霜水8は、個々のフィン5や冷媒管2
の下向きの端面や側面に比較的小さな単独の水滴あるい
は水膜として付着するので、フィン間の空気流路に対し
下方から上方に向かう方向に通風抵抗を増大させたり、
閉塞させることは少なかった。
【0059】しかし、フィンピッチが小さい部分では、
除霜水8の水滴や水膜は、フィンの間が狭いため合体し
て比較的大きくなるとともに、フィン5や冷媒管2の下
向きの端面に保持される保水量が増えるため(特に、隣
接するフィン5の下向き端面同士や下向き端面とフィン
側面との間に水膜が形成されやすくなる。)、下方から
上方へ向かう方向のフィン間の空気流路が閉塞されやす
くなる。以上のような除霜水の状態の変化は、フィンピ
ッチが約3.5mmの前後で発生した。従って、蒸発器
本体やフィンの下部でフィンピッチが上記の値より小さ
い部分では、除霜後も除霜水が上記したように残るた
め、通常の運転を再開した後に大部分が初期的な着霜に
変わる。縦置き型の場合には、蒸発器やフィンの上流端
が、横置き型の場合は、蒸発器の下側の側面が通常運転
の初期の段階からかなり閉塞した状態となり、熱交換性
能に影響を及ぼすことになる。
除霜水8の水滴や水膜は、フィンの間が狭いため合体し
て比較的大きくなるとともに、フィン5や冷媒管2の下
向きの端面に保持される保水量が増えるため(特に、隣
接するフィン5の下向き端面同士や下向き端面とフィン
側面との間に水膜が形成されやすくなる。)、下方から
上方へ向かう方向のフィン間の空気流路が閉塞されやす
くなる。以上のような除霜水の状態の変化は、フィンピ
ッチが約3.5mmの前後で発生した。従って、蒸発器
本体やフィンの下部でフィンピッチが上記の値より小さ
い部分では、除霜後も除霜水が上記したように残るた
め、通常の運転を再開した後に大部分が初期的な着霜に
変わる。縦置き型の場合には、蒸発器やフィンの上流端
が、横置き型の場合は、蒸発器の下側の側面が通常運転
の初期の段階からかなり閉塞した状態となり、熱交換性
能に影響を及ぼすことになる。
【0060】これに対し、図14、図15に示したエア
コン用の室外熱交換器の場合には、フィンピッチは小さ
く設定されてはいるものの連続フィンで構成されてお
り、フィン5の長手方向である熱交換器の段方向がほぼ
垂直になっているので、除霜水8はフィン5を伝わって
下向きの矢印9で示すように円滑に下部に運ばれ、熱交
換器の途中にはあまり残らないため、冷蔵庫用の蒸発器
について上記したような熱交換性能に影響を及ぼしにく
いと考えられている。以上から冷蔵庫用の蒸発器では、
蒸発器本体やフィンの下部付近でのフィンピッチが約
3.5mmより小さい範囲では、除霜の面から熱交換性
能が低下する問題がある。
コン用の室外熱交換器の場合には、フィンピッチは小さ
く設定されてはいるものの連続フィンで構成されてお
り、フィン5の長手方向である熱交換器の段方向がほぼ
垂直になっているので、除霜水8はフィン5を伝わって
下向きの矢印9で示すように円滑に下部に運ばれ、熱交
換器の途中にはあまり残らないため、冷蔵庫用の蒸発器
について上記したような熱交換性能に影響を及ぼしにく
いと考えられている。以上から冷蔵庫用の蒸発器では、
蒸発器本体やフィンの下部付近でのフィンピッチが約
3.5mmより小さい範囲では、除霜の面から熱交換性
能が低下する問題がある。
【0061】既に述べたように、冷蔵庫用の蒸発器では
霜が低密度であり、閉塞しにくい傾向がある。このこと
からフィンピッチの適正化の構成は採らなくてもよく、
例えば、図4あるいは図5に示すPf=0.66dの改
良型ではフィンピッチは1種類で構成していることから
も分かるように、最小フィンピッチと平均フィンピッチ
とを近い値に構成することが可能である。フィンピッチ
の下限値である約3.5mmは、蒸発器の最小フィンピ
ッチであり、また管外径dについては、一般に6.8〜
8.6mmの範囲のものが採用されており、8mm以上
のものが多く採用されている。その上限値を採用すると
して、平均フィンピッチPfの下限値は、(3.5/
8.6)d=0.4dとなる。この下限値より小さい範
囲は、図5中に除霜性の面から適用困難なフィンピッチ
比の範囲として示している。一方、平均フィンピッチP
fの上限値は、0.87dよりやや小さめの0.85d
とするのが適当である。
霜が低密度であり、閉塞しにくい傾向がある。このこと
からフィンピッチの適正化の構成は採らなくてもよく、
例えば、図4あるいは図5に示すPf=0.66dの改
良型ではフィンピッチは1種類で構成していることから
も分かるように、最小フィンピッチと平均フィンピッチ
とを近い値に構成することが可能である。フィンピッチ
の下限値である約3.5mmは、蒸発器の最小フィンピ
ッチであり、また管外径dについては、一般に6.8〜
8.6mmの範囲のものが採用されており、8mm以上
のものが多く採用されている。その上限値を採用すると
して、平均フィンピッチPfの下限値は、(3.5/
8.6)d=0.4dとなる。この下限値より小さい範
囲は、図5中に除霜性の面から適用困難なフィンピッチ
比の範囲として示している。一方、平均フィンピッチP
fの上限値は、0.87dよりやや小さめの0.85d
とするのが適当である。
【0062】これまでは、理論的な検討と蒸発器単体に
よる着霜実験とについて述べたが、次に冷蔵庫に熱交換
器を実際に組込んで実働条件で実験を行い、蒸発器の平
均フィンピッチの縮小化を行った効果の確認結果につい
て説明する。実験に用いた蒸発器は、既に述べた着霜実
験で示した4種類のうちの、Pf=1.11dの現状型
と、Pf=0.89dと0.77dの改良型2種類であ
る。また、供試した冷蔵庫は現状型の蒸発器を採用して
製品化されている機種のものである。組込み実験とし
て、通常の運転において、蒸発器の熱交換性能の向上に
よって冷蔵庫全体での効果を確認するために日本工業規
格に準ずる消費電力量試験と、異常な運転において、蒸
発器の耐着霜性能が保持されることを確認するための霜
取り試験とを行った。これらの組込み実験の結果をまと
めると表1のようになる。なお、表1において、F室と
R室はそれぞれ冷凍室と冷蔵室の略称である。
よる着霜実験とについて述べたが、次に冷蔵庫に熱交換
器を実際に組込んで実働条件で実験を行い、蒸発器の平
均フィンピッチの縮小化を行った効果の確認結果につい
て説明する。実験に用いた蒸発器は、既に述べた着霜実
験で示した4種類のうちの、Pf=1.11dの現状型
と、Pf=0.89dと0.77dの改良型2種類であ
る。また、供試した冷蔵庫は現状型の蒸発器を採用して
製品化されている機種のものである。組込み実験とし
て、通常の運転において、蒸発器の熱交換性能の向上に
よって冷蔵庫全体での効果を確認するために日本工業規
格に準ずる消費電力量試験と、異常な運転において、蒸
発器の耐着霜性能が保持されることを確認するための霜
取り試験とを行った。これらの組込み実験の結果をまと
めると表1のようになる。なお、表1において、F室と
R室はそれぞれ冷凍室と冷蔵室の略称である。
【0063】
【表1】
【0064】表1から分かるように、消費電力量試験で
は、改良型の蒸発器を組込んだ冷蔵庫の消費電力量が低
減されており、その低減量は、冷蔵庫のサイクル計算で
確認した結果から着霜試験での蒸発器の熱交換性能の向
上量とほぼ同等の大きさとなっている。また、改良型2
種類の霜取り試験結果では、異常な運転を想定した着霜
量の多い過酷条件でも改良型の蒸発器が耐着霜性能の点
で、現状型のものより劣る傾向は現れていない。これら
の結果から、冷蔵庫の通常の運転時だけでなく、異常な
運転時においても、平均フィンピッチを縮小化する構成
により、冷蔵庫用の蒸発器の熱交換性能を従来のものよ
り大幅に向上させながら耐着霜性能は従来のものと同等
に保持できることが確認された。
は、改良型の蒸発器を組込んだ冷蔵庫の消費電力量が低
減されており、その低減量は、冷蔵庫のサイクル計算で
確認した結果から着霜試験での蒸発器の熱交換性能の向
上量とほぼ同等の大きさとなっている。また、改良型2
種類の霜取り試験結果では、異常な運転を想定した着霜
量の多い過酷条件でも改良型の蒸発器が耐着霜性能の点
で、現状型のものより劣る傾向は現れていない。これら
の結果から、冷蔵庫の通常の運転時だけでなく、異常な
運転時においても、平均フィンピッチを縮小化する構成
により、冷蔵庫用の蒸発器の熱交換性能を従来のものよ
り大幅に向上させながら耐着霜性能は従来のものと同等
に保持できることが確認された。
【0065】本発明の第2の実施例を図16から図17
により説明する。図16は、本実施例の冷蔵庫用の蒸発
器の正面図、図17は、本実施例の冷蔵庫用の蒸発器の
側面図である。 本実施例の蒸発器は、図16、図17
から分かるように、バイパス流路が設けられており、連
続フィンであり、配管列は千鳥状となっている。
により説明する。図16は、本実施例の冷蔵庫用の蒸発
器の正面図、図17は、本実施例の冷蔵庫用の蒸発器の
側面図である。 本実施例の蒸発器は、図16、図17
から分かるように、バイパス流路が設けられており、連
続フィンであり、配管列は千鳥状となっている。
【0066】本実施例の蒸発器において、平均フィンピ
ッチを縮小化し、バイパス流路を設ける構成のの耐着霜
性能に対する効果について説明する。
ッチを縮小化し、バイパス流路を設ける構成のの耐着霜
性能に対する効果について説明する。
【0067】バイパス流路を設けることにより、熱交換
量が多く着霜の多い部分が、運転時間の前半から後半に
進むにつれて蒸発器の上流側部分から下流側部分へと移
行するようにできるので、運転時間の後半でも熱交換器
のフィンに均一な着霜に近づける運転ができるため、蒸
発器全体で有効な熱交換を実現できる。このような過程
では、運転時間の前半では空気流は、主として蒸発器の
上流端に直接流入する。ここで、独立フィン型の熱交換
器の場合は、運転時間の前半では独立フィンの上流側の
管列のフィンの上流端に流入する。運転時間の後半に進
むにつれて次第に蒸発器のダクト高さ方向の両側の側面
に迂回して流入する空気量が多くなる。
量が多く着霜の多い部分が、運転時間の前半から後半に
進むにつれて蒸発器の上流側部分から下流側部分へと移
行するようにできるので、運転時間の後半でも熱交換器
のフィンに均一な着霜に近づける運転ができるため、蒸
発器全体で有効な熱交換を実現できる。このような過程
では、運転時間の前半では空気流は、主として蒸発器の
上流端に直接流入する。ここで、独立フィン型の熱交換
器の場合は、運転時間の前半では独立フィンの上流側の
管列のフィンの上流端に流入する。運転時間の後半に進
むにつれて次第に蒸発器のダクト高さ方向の両側の側面
に迂回して流入する空気量が多くなる。
【0068】冷蔵庫用の蒸発器の通常の仕様では、上流
端の面積よりも側面の面積は数倍から10倍程度と大き
く、運転時間の後半に側面から迂回して流入する空気流
は広い範囲に分散されることになり、側面おける着霜速
度は運転時間の前半での上流端ほどには大きくならな
い。このため、平均フィンピッチを縮小した場合、着霜
により閉塞は起こりやすくなる傾向にはなるが、後述す
るが冷蔵庫に熱交換器を組込んだ実験の中でも確認して
いるように、上記した異常運転においても蒸発器の側面
の全域まで閉塞することはまず起らない。また、蒸発器
の上流端及び蒸発器の側面での着霜の厚さの分布は、空
気流が流入するフィンの先端部が最も大きく、空気流の
下流側ほど単調に減少する傾向にある。
端の面積よりも側面の面積は数倍から10倍程度と大き
く、運転時間の後半に側面から迂回して流入する空気流
は広い範囲に分散されることになり、側面おける着霜速
度は運転時間の前半での上流端ほどには大きくならな
い。このため、平均フィンピッチを縮小した場合、着霜
により閉塞は起こりやすくなる傾向にはなるが、後述す
るが冷蔵庫に熱交換器を組込んだ実験の中でも確認して
いるように、上記した異常運転においても蒸発器の側面
の全域まで閉塞することはまず起らない。また、蒸発器
の上流端及び蒸発器の側面での着霜の厚さの分布は、空
気流が流入するフィンの先端部が最も大きく、空気流の
下流側ほど単調に減少する傾向にある。
【0069】従って、運転時間の前半に蒸発器の上流端
が閉塞状態に近づいても、フィンの先端部の付近を除い
た蒸発器の側面では着霜は少なく、運転時間の後半にお
いて迂回する空気流の流入はあまり妨げられない状態で
ある。これは、平均フィンピッチを縮小してもあまり変
わらない。また、運転時間の後半では側面への空気流の
流入が増えて着霜するようになるが、上記したように上
流端と側面との面積比からいって平均フィンピッチを縮
小しても熱交換器の全域で閉塞することはないから、閉
塞していない部分から空気流が蒸発器内部の着霜の少な
い部分に流入して熱交換が効率良く行われる状態が保た
れる。又、上述したように、冷蔵庫用の蒸発器の霜は低
密度で完全には閉塞しにくい傾向を有するから、平均フ
ィンピッチを縮小して見かけ上の閉塞する部分が増えて
も、そのような閉塞する部分から蒸発器内部の着霜の少
ない部分へ空気流が流入し、熱交換はある程度確保され
ることになる。
が閉塞状態に近づいても、フィンの先端部の付近を除い
た蒸発器の側面では着霜は少なく、運転時間の後半にお
いて迂回する空気流の流入はあまり妨げられない状態で
ある。これは、平均フィンピッチを縮小してもあまり変
わらない。また、運転時間の後半では側面への空気流の
流入が増えて着霜するようになるが、上記したように上
流端と側面との面積比からいって平均フィンピッチを縮
小しても熱交換器の全域で閉塞することはないから、閉
塞していない部分から空気流が蒸発器内部の着霜の少な
い部分に流入して熱交換が効率良く行われる状態が保た
れる。又、上述したように、冷蔵庫用の蒸発器の霜は低
密度で完全には閉塞しにくい傾向を有するから、平均フ
ィンピッチを縮小して見かけ上の閉塞する部分が増えて
も、そのような閉塞する部分から蒸発器内部の着霜の少
ない部分へ空気流が流入し、熱交換はある程度確保され
ることになる。
【0070】以上述べたように、平均フィンピッチを縮
小した場合でも、運転時間の後半で迂回する空気流が流
入し、熱交換が蒸発器の側面の未だ閉塞していない部分
だけでなく閉塞したと見られる部分でもある程度確保さ
れることになる。このように、平均フィンピッチを縮小
する構成とバイパス流路を設けることを組み合わせる場
合も有効に作用する。
小した場合でも、運転時間の後半で迂回する空気流が流
入し、熱交換が蒸発器の側面の未だ閉塞していない部分
だけでなく閉塞したと見られる部分でもある程度確保さ
れることになる。このように、平均フィンピッチを縮小
する構成とバイパス流路を設けることを組み合わせる場
合も有効に作用する。
【0071】本発明の第3の実施例を図18から図19
により説明する。図18は、本実施例の冷蔵庫用の蒸発
器の正面図、図19は、本実施例の冷蔵庫用の蒸発器の
側面図である。
により説明する。図18は、本実施例の冷蔵庫用の蒸発
器の正面図、図19は、本実施例の冷蔵庫用の蒸発器の
側面図である。
【0072】本実施例の蒸発器は、図18、図19から
分かるように、サイドステージングが設けられており、
連続フィンで配管列は千鳥状になっている。このように
構成した場合も第2の実施例と同様な効果がある。
分かるように、サイドステージングが設けられており、
連続フィンで配管列は千鳥状になっている。このように
構成した場合も第2の実施例と同様な効果がある。
【0073】以上の各実施例についての説明では、冷蔵
庫用の蒸発器として独立フィンで配管列が格子状の構成
もの、連続フィンで配管列が千鳥状の構成のものを対象
としているが、この他にも例えば、独立フィンで配管列
が千鳥状の構成のものや連続フィンで配管列が格子状の
構成のもの等についても適用することができ、各実施例
で説明したと同様の効果を得ることができる。
庫用の蒸発器として独立フィンで配管列が格子状の構成
もの、連続フィンで配管列が千鳥状の構成のものを対象
としているが、この他にも例えば、独立フィンで配管列
が千鳥状の構成のものや連続フィンで配管列が格子状の
構成のもの等についても適用することができ、各実施例
で説明したと同様の効果を得ることができる。
【0074】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、冷蔵庫
用の蒸発器において、耐着霜性能は従来のものと同等に
保持しつつ熱交換性能を大幅に向上させることができ
る。
用の蒸発器において、耐着霜性能は従来のものと同等に
保持しつつ熱交換性能を大幅に向上させることができ
る。
【0075】
【図1】本発明の第1の実施例を示した冷蔵庫用の蒸発
器の正面図である。
器の正面図である。
【図2】本実施例の冷蔵庫用の蒸発器の側面図である。
【図3】クロスフィンチューブ型熱交換器の熱交換性能
の評価式である数式1の形状パラメータを説明する図で
ある。
の評価式である数式1の形状パラメータを説明する図で
ある。
【図4】着霜実験における本実施例の蒸発器と従来の蒸
発器の前面風速及び熱交換性能の時間変化を示した図で
ある。
発器の前面風速及び熱交換性能の時間変化を示した図で
ある。
【図5】着霜実験における本実施例の蒸発器と従来の蒸
発器の平均フィンピッチと熱交換性能の関係及び本実施
例の有効範囲を示した図である。
発器の平均フィンピッチと熱交換性能の関係及び本実施
例の有効範囲を示した図である。
【図6】縦置き型の蒸発器の除霜状態を説明する図で側
面図である。
面図である。
【図7】縦置き型の蒸発器の除霜状態を説明する図で部
分正面図である。
分正面図である。
【図8】横置き型の蒸発器の除霜状態を説明した図で側
面図である。
面図である。
【図9】横置き型の蒸発器の除霜状態を説明した図で部
分正面図である。
分正面図である。
【図10】図8に示す除霜状態の詳細を説明した図で部
分Aの拡大図である。
分Aの拡大図である。
【図11】図8に示す除霜状態の詳細を説明した図でB
方向の矢視図である。
方向の矢視図である。
【図12】図9に示す除霜状態の詳細を説明した図で部
分Aの拡大図である。
分Aの拡大図である。
【図13】図9に示す除霜状態の詳細を説明した図でB
方向の矢視図である。
方向の矢視図である。
【図14】エアコン用の室外熱交換器での除霜状態を説
明した図で側面図である。
明した図で側面図である。
【図15】エアコン用の室外熱交換器での除霜状態を説
明した図で部分正面図である。
明した図で部分正面図である。
【図16】本発明の第2の実施例を示した冷蔵庫用の蒸
発器の正面図である。
発器の正面図である。
【図17】本実施例の冷蔵庫用の蒸発器の側面図であ
る。
る。
【図18】本発明の第3の実施例を示した冷蔵庫用の蒸
発器の正面図である。
発器の正面図である。
【図19】本発明の第3の実施例を示した冷蔵庫用の蒸
発器の側面図である。
発器の側面図である。
【図20】従来の冷蔵庫用の蒸発器の熱交換性能を比較
した図である。
した図である。
1…蒸発器本体、2…冷媒管、3…直管部、4…ベンド
部、5…フィン、6…空気流、7…ダクト。
部、5…フィン、6…空気流、7…ダクト。
Claims (8)
- 【請求項1】空気流にほぼ直交するように配置された複
数の直管部がベンド部により接続されて蛇行状に形成さ
れた冷媒管と、該冷媒管の直管部に管軸方向に互いに間
隔を有して固定された複数のほぼ平板状のフィンとを備
えた蒸発器本体を、箱体内部に形成されたダクト内に設
置した冷蔵庫において、前記フィンの平均フィンピッチ
を前記冷媒管の外径の0.4〜0.85倍の範囲に設定
したしたことを特徴とする冷蔵庫。 - 【請求項2】空気流にほぼ直交するように配置された複
数の直管部がベンド部により接続されて蛇行状に形成さ
れた冷媒管と、該冷媒管の直管部に管軸方向に互いに間
隔を有して固定された複数のほぼ平板状のフィンとを備
えた蒸発器本体を、箱体内部に形成されたダクト内に設
置した冷蔵庫において、前記フィンピッチを3.5mm
以上で、かつ前記冷媒管の外径の0.85倍以下に設定
したしたことを特徴とする冷蔵庫。 - 【請求項3】空気流にほぼ直交するように配置された複
数の管列をなす直管部がベンド部により接続されて蛇行
状に形成された冷媒管と、該冷媒管の直管部に管軸方向
に互いに間隔を有して固定された複数のほぼ平板状のフ
ィンとを備えた蒸発器本体を、箱体内部に形成されたダ
クト内に設置した冷蔵庫において、前記直管部のダクト
幅方向のフィンの両端の間の距離に下流側の管列のフィ
ンピッチの1/2を加えた距離をW、管列の数をn、各
管列のフィン枚数の合計をNとしたとき、n・W/Nの
値を前記冷媒管の外径の0.4〜0.85倍の範囲に設
定したしたことを特徴とする冷蔵庫。 - 【請求項4】前記フィンが独立に形成されているもので
あって、前記管列が格子状に配列されている請求項1か
ら3のいずれかに記載の冷蔵庫。 - 【請求項5】前記フィンが連続して形成されているもの
であって、前記管列が千鳥状に配列されるとともに空気
流のバイパス流路が設けられている請求項1から3のい
ずれかに記載の冷蔵庫。 - 【請求項6】前記フィンが連続して形成されているもの
であって、前記管列が千鳥状に配列されるとともにサイ
ドステージングが設けられている請求項1から3のいず
れかに記載の冷蔵庫。 - 【請求項7】前記バイパス流路が蒸発器の高さ方向に設
けられている請求項5に記載の冷蔵庫。 - 【請求項8】空気流にほぼ直交するように配置された複
数の直管部がベンド部により接続されて蛇行状に形成さ
れた冷媒管と、該冷媒管の直管部に管軸方向に互いに間
隔を有して固定された複数のほぼ平板状のフィンとを備
えた蒸発器において、前記フィンの平均フィンピッチを
前記冷媒管の外径の0.4〜0.85倍の範囲に設定し
たことを特徴とする蒸発器。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17814094A JPH0842959A (ja) | 1994-07-29 | 1994-07-29 | 冷蔵庫及びそれに用いられる蒸発器 |
KR1019950022452A KR100229981B1 (ko) | 1994-07-29 | 1995-07-27 | 냉장고 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17814094A JPH0842959A (ja) | 1994-07-29 | 1994-07-29 | 冷蔵庫及びそれに用いられる蒸発器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0842959A true JPH0842959A (ja) | 1996-02-16 |
Family
ID=16043347
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17814094A Pending JPH0842959A (ja) | 1994-07-29 | 1994-07-29 | 冷蔵庫及びそれに用いられる蒸発器 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0842959A (ja) |
KR (1) | KR100229981B1 (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011085317A (ja) * | 2009-10-15 | 2011-04-28 | Mitsubishi Electric Corp | 除霜装置及び冷凍サイクル装置及び除霜方法 |
JP2012042207A (ja) * | 2011-10-27 | 2012-03-01 | Mitsubishi Electric Corp | 冷凍サイクル装置 |
CN102967088A (zh) * | 2012-12-12 | 2013-03-13 | 合肥美的荣事达电冰箱有限公司 | 用于冰箱的翅片蒸发器、制造方法和具有其的冰箱 |
CN103673409A (zh) * | 2013-12-11 | 2014-03-26 | 常州市常蒸蒸发器有限公司 | 蒸发器 |
CN105737455A (zh) * | 2016-04-19 | 2016-07-06 | 合肥太通制冷科技有限公司 | 一种椭圆孔窄板冷藏翅片蒸发器 |
CN105823271A (zh) * | 2015-01-28 | 2016-08-03 | 松下知识产权经营株式会社 | 热交换器 |
CN106440537A (zh) * | 2016-10-13 | 2017-02-22 | 合肥太通制冷科技有限公司 | 一种冷冻翅片蒸发器总成 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100424295B1 (ko) * | 2001-06-28 | 2004-03-24 | 엘지전자 주식회사 | 직냉식 냉장고의 증발기 |
-
1994
- 1994-07-29 JP JP17814094A patent/JPH0842959A/ja active Pending
-
1995
- 1995-07-27 KR KR1019950022452A patent/KR100229981B1/ko not_active IP Right Cessation
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN102967088A (zh) * | 2012-12-12 | 2013-03-13 | 合肥美的荣事达电冰箱有限公司 | 用于冰箱的翅片蒸发器、制造方法和具有其的冰箱 |
CN102967088B (zh) * | 2012-12-12 | 2015-08-26 | 合肥美的电冰箱有限公司 | 用于冰箱的翅片蒸发器、制造方法和具有其的冰箱 |
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CN105823271A (zh) * | 2015-01-28 | 2016-08-03 | 松下知识产权经营株式会社 | 热交换器 |
JP2016138726A (ja) * | 2015-01-28 | 2016-08-04 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 熱交換器 |
CN105737455A (zh) * | 2016-04-19 | 2016-07-06 | 合肥太通制冷科技有限公司 | 一种椭圆孔窄板冷藏翅片蒸发器 |
CN106440537A (zh) * | 2016-10-13 | 2017-02-22 | 合肥太通制冷科技有限公司 | 一种冷冻翅片蒸发器总成 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
KR100229981B1 (ko) | 1999-11-15 |
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