JPH0842420A - 分配型燃料噴射ポンプ - Google Patents

分配型燃料噴射ポンプ

Info

Publication number
JPH0842420A
JPH0842420A JP6179333A JP17933394A JPH0842420A JP H0842420 A JPH0842420 A JP H0842420A JP 6179333 A JP6179333 A JP 6179333A JP 17933394 A JP17933394 A JP 17933394A JP H0842420 A JPH0842420 A JP H0842420A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
passage
pressure
fuel injection
fuel
injection pump
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6179333A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Nagatani
康一 永谷
Katsuya Nomoto
勝哉 野本
Koichi Nagai
光一 永井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NipponDenso Co Ltd filed Critical NipponDenso Co Ltd
Priority to JP6179333A priority Critical patent/JPH0842420A/ja
Publication of JPH0842420A publication Critical patent/JPH0842420A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 エンジン始動開始時などの極低速回転域にお
ける必要なフィード圧を確保するとともに、極低速回転
域の燃料噴射時期の進角不足を解消する分配型燃料噴射
ポンプを提供する。 【構成】 エンジンの極低速回転域にあるとき、吸入ギ
ャラリ14と連通している燃料通路73、74、75の
圧力も増加するが、この増加した圧力は差圧弁30の圧
縮コイルスプリング33の付勢力に抗する強さに満たな
いため差圧弁30は開弁しない。このときタイマ部40
は、フィードポンプフィード圧室8に連通した燃料通路
73、74、75の圧力が増加することから、タイマ部
油圧供給通路47を介してフィードポンプフィード圧室
8に連通するタイマ高圧室44の圧力が増加する。この
圧力がリターンスプリング46の付勢力に抗してタイマ
ピストン42をリターンスプリング46を圧縮する方向
に移動させ燃料噴射時期を進角させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関用の分配型燃
料噴射ポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の分配型燃料噴射ポンプは、シリン
ダ内をロータが摺接しながら回転し、ロータに形成され
る分配ポートがシリンダの分配通路に連通したときプラ
ンジャによる加圧燃料が分配ポートから分配通路を経由
してデリバリバルブよりディーゼル機関(以下「エンジ
ン」という)に供給されるようになっている。
【0003】このような分配型燃料噴射ポンプとして、
特開平3−37337号公報に開示される分配型燃料噴
射ポンプは、ポンプ室に形成された燃料流通路をチェッ
ク弁により開閉するとともに、エンジンの冷却水温によ
り体積が変化する感温膨張部材によってチェック弁を閉
方向に付勢するスプリングの荷重を変化させる構成にな
っている。冷却水温が低いエンジン始動時、感温膨張部
材の収縮によりチェック弁の開弁圧を高く設定されるこ
とからエンジンの低回転域でのポンプ室の燃料圧力を上
昇させ、このポンプ室の燃料圧力により作動する油圧式
タイマの進角不足を補っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
3−37337号公報に開示される分配型燃料噴射ポン
プは、チェック弁を付勢するスプリングに作用する圧縮
荷重をエンジンの冷却水温により調節するため、この冷
却水温により体積が変化する感温膨張部材およびこの感
温膨張部材の体積に応じて作動するカム、レバー等を必
要とし構造が複雑になるとともに重量が増大するという
問題がある。
【0005】また、この従来の分配型燃料噴射ポンプ
は、スプリングに作用する圧縮荷重をエンジンの冷却水
温により調節するため、エンジン停止直後等の感温膨張
部材が充分に冷却されていない場合、チェック弁の開弁
圧が高く設定できないためエンジンの始動時ポンプ室の
燃料圧力を上昇させることができず油圧式タイマの進角
不足を補えないおそれが生ずるという問題がある。な
お、特開平3−37337号公報に開示される分配型燃
料噴射ポンプは、ポンプ室の燃料圧力によって作動する
油圧式タイマの具体的記述が明細書、図面にない。
【0006】本発明は、このような問題を解決するため
になされたもので、エンジン始動開始時などの極低速回
転域における必要なフィード圧を確保するとともに、極
低速回転域の燃料噴射時期の進角不足を解消する分配型
燃料噴射ポンプを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明の請求項1記載の分配型燃料噴射ポンプは、往
復運動可能なプランジャと回転運動可能なロータにより
燃料の圧送および分配を行う分配型燃料噴射ポンプであ
って、内燃機関と同期して回転駆動される送油ポンプ
と、前記送油ポンプの吐出室側に連通する吸入通路およ
び内燃機関の各気筒側に連通する複数の分配通路を有す
るシリンダと、前記シリンダ内を回転運動可能かつ前記
吸入通路及び前記複数の分配通路を開閉可能なロータ
と、燃料噴射時期を調節するために前記プランジャの圧
送タイミングを調節するカム部材と、前記カム部材のカ
ム山位置を駆動するための圧力制御室を有する油圧ピス
トンと、前記送油ポンプのフィード圧が上昇すると燃料
噴射時期を進角側に前記油圧ピストンを移動するように
燃料圧が作用する前記圧力制御室と前記吐出室とを接続
するフィード圧通路と、一端が前記フィード圧通路に連
通し他端が低圧側に連通する通路に設けられ、前記フィ
ード圧通路の圧力が所定値を超えたときに開く逆止弁と
を備えたことを特徴とする。
【0008】ここで、所定値とは、エンジンの始動開始
時などの極低速回転域中に進角不足を解消する程度に高
い圧力制御室の圧力値をいう。また、本発明の請求項2
記載の分配型燃料噴射ポンプは、請求項1記載の分配型
燃料噴射ポンプにおいて、前記逆止弁は、前記フィード
圧通路と、前記シリンダと前記ロータとの隙間とを結ぶ
前記通路に設けられることを特徴とする。
【0009】また、本発明の請求項3記載の分配型燃料
噴射ポンプは、請求項1または2記載の分配型燃料噴射
ポンプにおいて、前記逆止弁は、前記フィード圧通路と
燃料噴射終了時に加圧燃料を溢流させる燃料溢流弁とを
結ぶ前記通路に設けられることを特徴とする。また、本
発明の請求項4記載の分配型燃料噴射ポンプは、請求項
1、2または3記載の分配型燃料噴射ポンプにおいて、
前記逆止弁は、前記フィード圧通路と前記駆動軸を回転
自在に支持する軸受とを結ぶ前記通路に設けられること
を特徴とする。
【0010】また、本発明の請求項5記載の分配型燃料
噴射ポンプは、請求項1、2、3または4記載の分配型
燃料噴射ポンプにおいて、前記逆止弁は、前記フィード
圧通路と前記カム部材を収容するカム室とを結ぶ前記通
路に設けられることを特徴とする。また、本発明の請求
項6記載の分配型燃料噴射ポンプは、請求項1、2、
3、4または5記載の分配型燃料噴射ポンプにおいて、
前記通路は、前記逆止弁の上流側に第1のオリフィスが
形成されることを特徴とする。
【0011】また、本発明の請求項7記載の分配型燃料
噴射ポンプは、請求項1、2、3、4または5記載の分
配型燃料噴射ポンプにおいて、前記通路は、前記逆止弁
の下流側に第2のオリフィスが形成されることを特徴と
する。
【0012】
【作用および発明の効果】本発明の請求項1記載の分配
型燃料噴射ポンプによると、フィード圧通路の圧力が所
定値以下であるとき、一端が前記フィード圧通路に連通
し他端が低圧側に連通する通路に設けられた逆止弁によ
りこの通路が閉じられることから、フィード圧通路に充
満する燃料の圧力の減少を防止しフィード圧を確保する
効果がある。また、フィード圧通路の圧力が所定値以下
であるとき、フィード圧通路に充満する燃料の圧力の減
少を防止しフィード圧を確保することから、送油ポンプ
のフィード圧により燃料噴射時期が進角側になるように
油圧ピストンを移動させることができ、カム部材の進角
の不足を補う効果がある。
【0013】また本発明の請求項2記載の分配型燃料噴
射ポンプによると、逆止弁がフィード圧通路と、シリン
ダとロータとの隙間とを結ぶ通路に設けられることか
ら、フィード圧通路の圧力が所定値を超えたとき、逆止
弁を開くことによってこの通路を流れる燃料によりシリ
ンダとロータとを冷却する効果がある。また本発明の請
求項3記載の分配型燃料噴射ポンプによると、逆止弁が
フィード圧通路と、前記フィード圧通路と燃料溢流弁と
を結ぶ通路に設けられることから、フィード圧通路の圧
力が所定値を超えたとき、逆止弁を開くことによってこ
の通路を流れる燃料により燃料溢流弁を冷却する効果が
ある。
【0014】また本発明の請求項4記載の分配型燃料噴
射ポンプによると、逆止弁がフィード圧通路と、前記フ
ィード圧通路と駆動軸を回転自在に支持する軸受とを結
ぶ通路に設けられることから、フィード圧通路の圧力が
所定値を超えたとき、逆止弁を開くことによってこの通
路を流れる燃料により駆動軸および軸受を冷却する効果
がある。
【0015】また本発明の請求項5記載の分配型燃料噴
射ポンプによると、逆止弁がフィード圧通路と、前記フ
ィード圧通路とカム部材を収容するカム室とを結ぶ通路
に設けられることから、フィード圧通路の圧力が所定値
を超えたとき、逆止弁を開くことによってこの通路を流
れる燃料によりカム部材を冷却する効果がある。さらに
本発明の請求項6記載の分配型燃料噴射ポンプによる
と、逆止弁の下流側通路に第1のオリフィスが形成され
ることから、フィード圧通路の圧力が所定値を超えたと
き、逆止弁を開くことにより低圧側に流入する燃料量を
この第1のオリフィスにより規制する効果があり、また
この流入燃料量の規制によりフィード圧通路に充満する
燃料の圧力の減少を抑制する効果がある。
【0016】さらにまた本発明の請求項7記載の分配型
燃料噴射ポンプによると、逆止弁の下流側通路に第2の
オリフィスが形成されることから、フィード圧通路の圧
力が所定値を超えたとき、逆止弁を開くことにより低圧
側に流入する燃料量をこの第2のオリフィスにより規制
する効果があり、またこの流入燃料量の規制によりフィ
ード圧通路に充満する燃料の圧力の減少を抑制する効果
がある。また、複数の低圧側に連通する通路毎に形成さ
れる複数の第1のオリフィスをこの第2のオリフィスに
集約可能なことから、製造コストを低減でき、さらにオ
リフィスに塵、異物等が詰まることにより発生する故障
率を低下させる効果がある。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。 (第1実施例)本発明の第1実施例による分配型燃料噴
射ポンプを図1〜図4に示す。図1に示すように、図示
しないエンジンにより駆動される噴射ポンプ10のドラ
イブシャフト1はベアリング2およびドライブシャフト
ジャーナル軸受2aを介してポンプハウジング3に回転
可能に支持されている。ベーン式フィードポンプ4はド
ライブシャフト1と一体に回転し、図示しない燃料タン
クから燃料を吸入して加圧し、フィードポンプフィード
圧室8を介し外部配管200を通して吸入ギャラリ14
に燃料を送出している。吸入ギャラリ14は、ポンプハ
ウジング3に固定された分配ヘッド5の内壁に環状に形
成されている。図2に示すように、ベーン式フィードポ
ンプ4の燃料吐出側と燃料吸入側とは、吐出圧力が調節
されるように圧力調整弁4aを介して接統されている。
【0018】図1に示すように、分配ヘッド5の内壁に
シリンダ6が固定され、このシリンダ6の内壁に分配ロ
ータ13が環状のベアリング部9により回転可能に支持
されている。分配ロータ13はドライブシャフト1と軸
方向に連結され、ドライブシャフト1と一体に回転す
る。シリンダ6には吸入ギャラリ14に連通する複数の
吸入通路15、エンジンの各気筒に燃料を供給するため
の複数の分配通路16および複数のスピル通路17が形
成されており、各分配通路16は分配ヘッド5に設けた
分配通路18を介してエンジンの各気筒に燃料を供給す
るためのデリバリバルブ19に連通されている。
【0019】分配ロータ13には互いに直交する一対の
摺動孔13aが形成され、各摺動孔13aを形成する分
配ロータ13の内壁にそれぞれ一対のプランジャ20が
油密状態で摺動可能に支持されており、各プランジャ2
0の内端面と各摺動孔13aを形成する内壁により燃料
加圧室としてのプランジャ室21が区画形成されてい
る。
【0020】各プランジャ20の外側端部にはシュー2
2が配設され、各シュー22にローラ23が回転自在に
保持されている。ローラ23の外側には内周面に複数の
カム山を有するカム面の形成されたインナーカムリング
24が配置されており、分配ロータ13の回転に基づい
てローラ23がインナーカムリング24内周面のカム面
に摺動することにより、ローラ23はカム面に沿ってイ
ンナーカムリング24の半径方向に往復動し、この往復
動がシュー22を介して前記プランジャ20に伝達され
る。そしてプランジャ20が分配ロータ13の半径方向
外側に移動する行程が吸入行程であり、半径方向内側に
移動する行程が分配行程となる。
【0021】また、分配ロータ13にはプランジャ室2
1に連通する吸入ポート25、分配ポート26およびス
ピルポート27が形成されており、分配ロータ13の回
転に基づきそれぞれ各吸入通路15、各分配通路16お
よび各スピル通路17に連通するようになっている。タ
イマ部40はローラ23に接するインナーカムリング2
4を回動させることによりエンジンクランク角度に対す
る噴射開始位置を調節する。すなわちインナーカムリン
グ24に連動するタイマピストンピン41を駆動するタ
イマピストン42がタイマシリンダ43に摺動可能に収
納されており、フィードポンプフィード圧室8の圧力が
タイマ部油圧供給通路47を介してこのタイマピストン
42の一端側のタイマ高圧室44に導かれ、他端側のタ
イマ低圧室45にタイマピストン42を遅角側(高圧室
側)に付勢するリターンスプリング46が介装されてい
る。またタイマ高圧室44とタイマ低圧室45とは、図
示しないタイミングコントロールバルブにより絞られる
図示しない通路により連通している。このタイミングコ
ントロールバルブは配線48によりエンジンコントロー
ルユニット(以下「ECU」という)90に接続され、
タイミングコントロールバルブに印加されるパルス状の
電圧のデューティ比により前記通路の絞りが制御され
る。これにより、燃料噴射時期を調節するタイマピスト
ン42の位置は、タイマ高圧室44の圧力とタイマ低圧
室45の圧力およびリターンスプリング46の付勢力と
のバランスにより決定される。フィードポンプフィード
圧室8の圧力が増加するとタイマピストン42がタイマ
低圧室45側に移動し、燃料噴射時期を進角するように
なっている。
【0022】分配ロータ13の後方に位置する分配ヘッ
ド5の一部には燃料通路70、71、72、73が形成
されている。燃料通路73は、燃料通路74、75を介
して吸入ギャラリ14に連通する一方、差圧弁30を介
して燃料通路72に連通している。この差圧弁30は、
分配ロータ13方向に絞られるテーパ状の弁座31とこ
の弁座31に着座可能な鋼球からなる弁体32とこの弁
体32を着座する方向に付勢する圧縮コイルスプリング
33とから構成されている。この差圧弁30の開弁圧
は、吸入ギャラリ14、燃料通路73、74、75に充
満する燃料が所定に圧力、例えば1〜3Kg/cm3に達する
まで閉弁する圧力値に設定されている。燃料通路72か
ら、ドライブシャフトジャーナル軸受2aに燃料を送出
するためのシャフト潤滑通路7と、分配ロータ13とシ
リンダ6との間に燃料を送出するための燃料通路70
と、スピル弁50に燃料を送出するための燃料通路71
とがそれぞれ形成されている。これらのシャフト潤滑通
路7、燃料通路70、71には燃料流量を制御するため
それぞれにオリフィス7a、70a、71aが形成され
ている。
【0023】スピル弁50はスピル通路17に配設さ
れ、バルブボディ51と弁体53と弁体53を開方向に
付勢する圧縮コイルスプリング52と図示しない励磁コ
イル等からなる励磁部54とからなる。スピル弁50
は、配線55によりECU90と接続され励磁部54に
パルス状の電圧が印加され、燃料の分配行程時において
スピル通路17と吸入ギャラリ14との連通または遮断
を行なって加圧された燃料を溢流させることにより、噴
射量を制御するようになっている。励磁部54に励磁電
流が供給されると弁体53が圧縮コイルスプリング52
の付勢力に抗してスピル通路17方向に移動し弁を閉じ
る。励磁部54に励磁電流が供給されず弁が開いたとき
の燃料の経路は、スピル通路17、環状ギャラリ56、
ギャラリ57、溢流通路58、吸入ギャラリ14であ
る。このため、スピル弁50を経て溢流した燃料は溢流
通路58を経て吸入ギャラリ14に再吸入可能になって
いる。また、ECU90の制御により開弁閉弁を繰返す
スピル弁50を冷却するためスピル弁50にはバルブボ
ディ51を径方向に貫通する冷却通路59が形成されて
いる。この冷却通路59は、差圧弁30を介して吸入ギ
ャラリ14に連通する燃料通路71、72、73、7
4、75と連通するとともに、またベアリング部9方向
に延びる燃料通路60とも連通している。
【0024】燃料通路60は、ベアリング部9と分配ヘ
ッド5との間に形成される隙間を介してベアリング部
9、シリンダ6、分配ロータ13により区画形成される
環状溝61に連通している。この環状溝61は、差圧弁
30を介して燃料通路60、59、71、72、73、
74、75および吸入ギャラリ14に連通している。環
状溝61に送り込まれ溜まった燃料がシリンダ6と分配
ロータ13との僅かな隙間に流れ出し、シリンダ6、分
配ロータ13を冷却している。前述の燃料通路70に連
通する燃料通路62もベアリング部9と分配ヘッド5と
の間に形成される隙間を介して環状溝61に連通してい
ることから、差圧弁30の開弁時、吸入ギャラリ14、
燃料通路73、74、75に充満する燃料がシリンダ
6、分配ロータ13を冷却する。
【0025】燃料通路60、62と連通する低圧のポン
プ室94はポンプハウジング3内に形成され、オーバフ
ローバルブ90が嵌挿されている。このオーバフローバ
ルブ90の開弁によりポンプ室94の燃料圧力が所定圧
以下になるように保持している。オーバフローバルブ9
0は、外部配管93を介して燃料タンク11に接続され
ている。またポンプ室94内には、インナーカムリング
24に固定される回転角センサ35が配設されており、
さらにドライブシャフト1の外周壁には所定間隔毎に突
起37を設けたパルサー36が嵌挿されている。突起3
7の近接または離間をパルス信号に変換する回転角セン
サ35の出力をターミナル38、配線39を介してEC
U90が得る。つまり、回転角センサ35が出力するパ
ルス数をECU90が計数することにより、インナーカ
ムリング24に対するドライブシャフト1の回転角、す
なわちインナーカムリング24に対する分配ロータ13
の回転角を検出することができる。
【0026】次に、エンジンの極低速回転域における作
動を図2に基づいて説明する。エンジンの始動時、図示
しないクランクシャフトに同期して回転するドライブシ
ャフト1の回転が0回転から次第に上昇し始める。この
エンジンの極低速回転域にあるとき、吸入ギャラリ14
と連通している燃料通路73、74、75の圧力も増加
するが、この増加した圧力は差圧弁30の圧縮コイルス
プリング33の付勢力に抗する強さに満たないため差圧
弁30は開弁しない。このときタイマ部40は、フィー
ドポンプフィード圧室8に連通した燃料通路73、7
4、75の圧力が増加することから、タイマ部油圧供給
通路47を介してフィードポンプフィード圧室8に連通
するタイマ高圧室44の圧力が増加する。この圧力がリ
ターンスプリング46の付勢力に抗してタイマピストン
42をリターンスプリング46を圧縮する方向に移動さ
せ燃料噴射時期を進角させる。このようにしてエンジン
の極低速回転域においても燃料噴射時期を進化させるこ
とで進角不足を解消し、エンジン排気ガス中の白煙等の
発生量を低減することができる。
【0027】次に、エンジンの回転数が極低速回転域を
超える回転域にあるときの作動について説明する。この
回転域では、エンジンの回転数が上昇するにしたがって
吸入ギャラリ14と連通している燃料通路73、74、
75に充満する燃料の圧力も増加する。この燃料圧力が
例えば1〜3Kg/cm2に達したとき差圧弁30が開弁し燃
料通路72から分岐している3つの通路、燃料通路7
0、71、シャフト潤滑通路7に燃料が流出する。この
流出した燃料が燃料通路70、71、シャフト潤滑通路
7にそれぞれ形成されるオリフィス7a、70a、71
aを介してシリンダ6、分配ロータ13、スピル弁5
0、ドライブシャフトジャーナル軸受2a等を冷却す
る。このとき流出する燃料はそれぞれのオリフィス7
a、70a、71aにより流量を規制されるため燃料が
大量に流出することはなく、吸入ギャラリ14の燃料圧
力の低下によりタイマ部40を制御できなくなることは
ない。
【0028】次に、第1実施例の燃料噴射終了から次の
燃料噴射終了までの燃料噴射行程の1サイクルについて
説明する。 (1) 駆動軸1の回転に伴い分配ロータ13が回転し、イ
ンナーカムリング24のカム山とローラ23とが係合す
ると、各プランジャ20が分配ロータ13の半径方向内
側に移動することによりプランジャ室21の容積が減少
するのでプランジャ室21の圧力が増大する。ここで、
吸入ポート25と吸入通路15とが遮断される一方、分
配ロータ13の分配ポート26がいずれかの分配通路1
6に連通するとともに、プランジャ室21で加圧された
燃料が一定圧以上になると、分配ポート26、分配通路
16、分配通路18を経てデリバリバルブ19からエン
ジンの各気筒に高圧燃料が供給される。このとき、吸入
ポート15と吸入通路25とは遮断されているため、ベ
ーン式フィードポンプ4により加圧された燃料が外部配
管200を通して吸入ギャラリ14に送出されるととも
に、燃料噴射終了時にスピル弁50から溢流通路58を
介して吸入ギャラリ14に燃料が還流されるため、吸入
ギャラリ14の圧力は急激に増加する。
【0029】(2) インナーカムリング24のカム山とロ
ーラ23とが係合していない状態では、各プランジャ2
0が分配ロータ13の半径方向外側に移動することによ
りプランジャ室21の容積が増大するのでプランジャ室
21の圧力が低下する。ここで、分配ロータ13の吸入
ポート25がいずれかの吸入通路15に連通すると、次
噴射に備えて吸入ギャラリ14に充填されていた燃料が
プランジャ室21内に吸入される。
【0030】ここで、第1実施例の効果を明確にするた
め、本発明者が行った比較例との比較実験により得た特
性図を図3および図4に示す。図3に示される特性図
は、フィードポンプの回転数に対するフィード圧を表し
たものである。ここで本発明の差圧弁30、オリフィス
7a、70a、71aを備えないものを比較例とし、第
1実施例の分配型燃料噴射ポンプによるものと対比し
た。それぞれフィードポンプの回転数に対するフィード
圧特性を示している。第1実施例の分配型燃料噴射ポン
プは比較例と比較して、フィードポンプの回転数が15
0rpm以下においてほぼ2倍のフィード圧を得られ改
善していることが確認されている。
【0031】図4に示される特性図は、フィードポンプ
の回転数に対するタイマ部のタイマ進角値を表したもの
である。前記比較例の分配型燃料噴射ポンプのよるもの
と第1実施例の分配型燃料噴射ポンプによるものとの対
比で、それぞれフィードポンプの回転数に対するタイマ
部のタイマ進角値特性を示している。フィードポンプの
回転数が150rpm以下において前述のフィード圧が
ほぼ2倍の改善されたことに伴い、第1実施例の分配型
燃料噴射ポンプは、比較例の分配型燃料噴射ポンプのフ
ィードポンプの回転数よりほぼ50rpm低い回転数
で、比較例のものと同等のタイマ進角値を得られ、改善
していることが確認されている。
【0032】第1実施例によると、極低速回転域におい
て、吸入ギャラリ14、燃料通路73、74、75に充
満する燃料圧力の減少を差圧弁30により防止すること
から、フィードポンプ効率が低下する極低速回転域のフ
ィード圧の減少を抑制することができる効果がある。ま
た、第1実施例によると、極低速回転域のフィード圧の
減少を抑制することから、フィード圧により制御される
タイマ部40のタイマ特性を向上させ、タイマ進角の不
足を補う効果がある。
【0033】なお、第1実施例では、ベーン式フィード
ポンプ4をドライブシャフト1に設けたが、本発明では
噴射ポンプの搭載スペースに合わせて分配ロータ側に設
けることも可能である。 (第2実施例)本発明の第2実施例による分配型燃料噴
射ポンプを図5に示す。第1実施例と実質的に同一の構
成部分には同一の符号を付す。
【0034】第2実施例による分配型燃料噴射ポンプ
は、燃料通路72から分岐する通路が燃料通路70、7
1の2つになり、シャフト潤滑通路7が差圧弁30を介
すことなく吸入ギャラリ14と常に連通している点が第
1実施例と異なる。図5に示すように、ドライブシャフ
トジャーナル軸受2aに連通するシャフト潤滑通路7
は、吸入ギャラリ14と連通していることから、タイマ
部40と同様、エンジンの極低速回転域において、潤滑
油として用いられる燃料が供給される。この構成は、ド
ライブシャフトジャーナル軸受2aに固体潤滑材を使用
していない場合、ドライブシャフト1およびドライブシ
ャフトジャーナル軸受2aを効果的に冷却することがで
きる。
【0035】第2実施例によると、極低速回転域におい
て、吸入ギャラリ14、燃料通路73、74、75に充
満する燃料圧力の減少を差圧弁30により防止し、かつ
ジャーナル軸受に潤滑用燃料を供給することから、第1
実施例の効果に加えドライブシャフト1およびドライブ
シャフトジャーナル軸受2aを冷却できる効果がある。
【0036】また、第2実施例によると、極低速回転域
においてもドライブシャフトジャーナル軸受2aを冷却
できることから、ドライブシャフトジャーナル軸受2a
の材料に固体潤滑材を使用する必要がなくコストを低減
できる効果がある。 (第3実施例)本発明の第3実施例による分配型燃料噴
射ポンプを図6に示す。第1実施例と実質的に同一の構
成部分には同一の符号を付す。
【0037】第3実施例による分配型燃料噴射ポンプ
は、第2実施例において、燃料通路70、71に形成さ
れているオリフィス70a、71aを一つに集約し、吸
入ギャラリ14と差圧弁30との間の燃料通路73、7
4、75のいずれかにオリフィスを設けた点が第2実施
例と異なる。図6に示すように、燃料通路72から分岐
する通路が燃料通路70、71には、オリフィスが形成
されてなく、吸入ギャラリ14と差圧弁30との間の燃
料通路、例えば燃料通路73にオリフィス80が形成さ
れている。このオリフィス80は、吸入ギャラリ14と
差圧弁30との間に位置することにより、第2実施例の
オリフィス70a、71aの作用、すなわち燃料通路7
0、71を流れる燃料の流量を規制する働きを一つのオ
リフィス80により行うことができる。
【0038】第3実施例によると、極低速回転域におい
て、吸入ギャラリ14、燃料通路73、74、75に充
満する燃料圧力の減少を差圧弁30により防止し、かつ
ドライブシャフトジャーナル軸受2aに潤滑用燃料を供
給することから、第1実施例の効果に加えドライブシャ
フト1およびドライブシャフトジャーナル軸受2aを冷
却できる効果がある。
【0039】また、第3実施例によると、極低速回転域
においてもドライブシャフトジャーナル軸受2aを冷却
でき、また燃料通路に形成するオリフィスの数量を減少
可能なことから、第2実施例の効果に加え製造コストを
低減でき、さらにオリフィスに塵、異物等が詰まること
により発生する故障率を低下させる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による分配型燃料噴射ポン
プを示す縦断面図である。
【図2】本発明の第1実施例による分配型燃料噴射ポン
プを示す全体構成図である。
【図3】本発明の第1実施例による分配型燃料噴射ポン
プのフィードポンプの回転数に対するフィード圧を示す
特性図である。
【図4】本発明の第1実施例による分配型燃料噴射ポン
プのフィードポンプの回転数に対するタイマ進角度を示
す特性図である。
【図5】本発明の第2実施例による分配型燃料噴射ポン
プを示す全体構成図である。
【図6】本発明の第3実施例による分配型燃料噴射ポン
プを示す全体構成図である。
【符号の説明】
1 ドライブシャフト (駆動軸) 2a ドライブシャフトジャーナル軸受 (軸受) 4 ベーン式フィードポンプ (送油ポン
プ) 6 シリンダ 7 燃料通路 (通路) 7a オリフィス (第1のオリ
フィス) 8 フィードポンプフィード圧室 (吐出室) 10 噴射ポンプ (分配型燃
料噴射ポンプ) 13 分配ロータ (ロータ) 14 吸入ギャラリ 15 吸入通路 16 分配通路 20 プランジャ 24 インナーカムリング (カム部
材) 30 差圧弁 (逆止弁) 40 タイマ部 42 タイマピストン (油圧ピス
トン) 44 高圧室 (圧力制御
室) 47 タイマ部油圧供給通路 (フィード
圧通路) 50 スピル弁 (燃料溢流
弁) 70、71 燃料通路 (通路) 70a、71a オリフィス (第1のオ
リフィス) 73、74、75 燃料通路 (通路) 80 オリフィス (第2のオ
リフィス) 94 ポンプ室 (カム室)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 往復運動可能なプランジャと回転運動可
    能なロータにより燃料の圧送および分配を行う分配型燃
    料噴射ポンプであって、 内燃機関と同期して回転駆動される送油ポンプと、 前記送油ポンプの吐出室側に連通する吸入通路および内
    燃機関の各気筒側に連通する複数の分配通路を有するシ
    リンダと、 前記シリンダ内を回転運動可能かつ前記吸入通路及び前
    記複数の分配通路を開閉可能なロータと、 燃料噴射時期を調節するために前記プランジャの圧送タ
    イミングを調節するカム部材と、 前記カム部材のカム山位置を駆動するための圧力制御室
    を有する油圧ピストンと、 前記送油ポンプのフィード圧が上昇すると燃料噴射時期
    を進角側に前記油圧ピストンを移動するように燃料圧が
    作用する前記圧力制御室と前記吐出室とを接続するフィ
    ード圧通路と、 一端が前記フィード圧通路に連通し他端が低圧側に連通
    する通路に設けられ、前記フィード圧通路の圧力が所定
    値を超えたときに開く逆止弁とを備えたことを特徴とす
    る分配型燃料噴射ポンプ。
  2. 【請求項2】 前記逆止弁は、前記フィード圧通路と、
    前記シリンダと前記ロータとの隙間とを結ぶ前記通路に
    設けられることを特徴とする請求項1記載の分配型燃料
    噴射ポンプ。
  3. 【請求項3】 前記逆止弁は、前記フィード圧通路と燃
    料噴射終了時に加圧燃料を溢流させる燃料溢流弁とを結
    ぶ前記通路に設けられることを特徴とする請求項1また
    は2記載の分配型燃料噴射ポンプ。
  4. 【請求項4】 前記逆止弁は、前記フィード圧通路と前
    記駆動軸を回転自在に支持する軸受とを結ぶ前記通路に
    設けられることを特徴とする請求項1、2または3記載
    の分配型燃料噴射ポンプ。
  5. 【請求項5】 前記逆止弁は、前記フィード圧通路と前
    記カム部材を収容するカム室とを結ぶ前記通路に設けら
    れることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の
    分配型燃料噴射ポンプ。
  6. 【請求項6】 前記通路は、前記逆止弁の下流側に第1
    のオリフィスが形成されることを特徴とする請求項1、
    2、3、4または5記載の分配型燃料噴射ポンプ。
  7. 【請求項7】 前記通路は、前記逆止弁の上流側に第2
    のオリフィスが形成されることを特徴とする請求項1、
    2、3、4または5記載の分配型燃料噴射ポンプ。
JP6179333A 1994-07-29 1994-07-29 分配型燃料噴射ポンプ Pending JPH0842420A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6179333A JPH0842420A (ja) 1994-07-29 1994-07-29 分配型燃料噴射ポンプ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6179333A JPH0842420A (ja) 1994-07-29 1994-07-29 分配型燃料噴射ポンプ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0842420A true JPH0842420A (ja) 1996-02-13

Family

ID=16064011

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6179333A Pending JPH0842420A (ja) 1994-07-29 1994-07-29 分配型燃料噴射ポンプ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0842420A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008215340A (ja) * 2007-02-06 2008-09-18 Denso Corp サプライポンプ

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008215340A (ja) * 2007-02-06 2008-09-18 Denso Corp サプライポンプ
JP4556973B2 (ja) * 2007-02-06 2010-10-06 株式会社デンソー サプライポンプ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1427935B1 (en) Hybrid control method for fuel pump using intermittent recirculation at low and high engine speeds
EP1457667B1 (en) Fuel supply pump which is lubricated by the fuel
JP4036197B2 (ja) 燃料供給ポンプ
JP4207834B2 (ja) 蓄圧式燃料噴射システム
JPH0212299Y2 (ja)
JP3852753B2 (ja) 燃料噴射ポンプ
EP1522726B1 (en) Safety fuel injection pump
JPH10213049A (ja) 燃料ポンプ
JP2002322968A (ja) 燃料供給装置
JP3849928B2 (ja) 燃料噴射ポンプ
JP2006510835A (ja) 内燃機関の燃料噴射装置のための高圧ポンプ
JP2001003839A (ja) 高圧燃料ポンプ
JPH0842420A (ja) 分配型燃料噴射ポンプ
JP2003222062A (ja) 燃料噴射機構のためのポンプエレメント及び高圧燃料ポンプ
JP3603678B2 (ja) 内燃機関の燃料供給装置の燃料洩れ防止装置
JPH06200725A (ja) エンジンの潤滑油供給装置
JP2002021668A (ja) 分配型燃料噴射ポンプ
JPH0821327A (ja) 分配型燃料噴射ポンプ
JP5423354B2 (ja) 燃料供給ポンプ
JPH07151055A (ja) 燃料噴射ポンプ用潤滑油圧送ポンプ
JP2003184704A (ja) 燃料噴射ポンプ
JPS5882060A (ja) 燃料噴射ポンプ
JP2001221129A (ja) 高圧燃料ポンプ
JP2001304064A (ja) 分配型燃料噴射ポンプ
JPH08100677A (ja) 燃料噴射ポンプ