JPH0841160A - 熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物、成形材料、成形品及びフィルム・シート - Google Patents

熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物、成形材料、成形品及びフィルム・シート

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JPH0841160A
JPH0841160A JP6178951A JP17895194A JPH0841160A JP H0841160 A JPH0841160 A JP H0841160A JP 6178951 A JP6178951 A JP 6178951A JP 17895194 A JP17895194 A JP 17895194A JP H0841160 A JPH0841160 A JP H0841160A
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polyurethane resin
thermoplastic polyurethane
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diol
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JP6178951A
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Norihiro Takahashi
法洋 高橋
Masayoshi Imanaka
正能 今中
Kiyotaka Wakabayashi
清孝 若林
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 高分子ジオール(a)、低分子ジオール
(b)、有機ジイソシアネート(c)からなる熱可塑性
ポリウレタン樹脂で、該樹脂が−40℃での損失弾性率
が2〜20×108ダイン/cm2、かつ80℃での損失弾
性率が1〜10×10 7ダイン/cm2の範囲にあり、か
つ、200℃での溶融粘度が0.1〜25×10 5ポイ
ズであることを特徴とする熱可塑性ポリウレタン樹脂組
成物、成形材料、成形品、シート、フィルム。 【効果】 本発明の樹脂組成物は、−40℃、80℃と
の損失弾性率と200℃の溶融粘度が特定範囲内にある
限定された熱可塑性ポリウレタン樹脂とすることで、−
40℃超低温から80℃高々温域での優れた強度、伸
度、耐衝撃性、高耐久性を有するので、電気・電子部
品、機械部品、自動車部品等に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、−40℃超低温から8
0℃高々温域での優れた強度、伸度、耐衝撃性、高耐久
性を有する特定の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物、成
形材料、成形品及びフィルム・シートに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、熱可塑性ポリウレタン樹脂は、分
子量500以上の高分子ジオールに対して300以下の
低分子ジオールを種々任意の配合にて調整し、末端水酸
基の合計モル数にほぼ等しいモル数の有機ポリイソシア
ネートとの反応により合成されている。こうしたポリウ
レタン樹脂は、ポリエチレンやABS等般用樹脂より優
れた耐摩耗性の為、紳士靴、婦人靴底用をはじめ各種ス
ポーツシューズ底用に使用されている。こうした熱可塑
性ポリウレタ樹脂は、高分子ジオール、低分子ジオール
成分の内容や、製造時の反応条件等の微妙な相違によ
り、種々の相違のあるものとなることがある。
【0003】本発明者らは、上記の0℃低温〜常温で使
用される熱可塑性ポリウレタン樹脂について研究の結
果、特定の温度での溶融粘度範囲にある熱可塑性ポリウ
レタン樹脂が屈曲疲労特性、常温での強度、高耐久性、
耐摩耗性に優れることを見いだし特願平6−13214
7号として出願した。
【0004】しかし、この熱可塑性ポリウレタン樹脂組
成物では、広範囲の温度領域、即ち超低温−40℃〜高
々温80℃の環境領域で強度、伸度、耐衝撃性、高耐久
性にバランス良く優れる熱可塑性ポリウレタン樹脂を得
るには十分ではなかった。
【0005】こうした優れた熱可塑性ポリウレタン樹脂
は、得られておらず、−40℃の超低温〜80℃の高々
温域で実用試験をしながら、他の樹脂、充填剤等の混合
で個別に対応しているのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の如き、超低温−40℃から高々温80℃での環境領域
で実用的な強度、伸度、耐衝撃性、高耐久性のバランス
良く優れる熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物、成形材
料、及びその成形品、シート、フィルムを得ることにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者等は、超
低温−40℃から高々温80℃での環境領域で実用的物
性を有する、フィルム、シート、成形品用途等に用いる
熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物について、鋭意研究し
たところ、ある一定温度範囲における損失弾性率が、あ
る特定範囲から逸脱しないで、更にある一定温度におけ
る溶融粘度がある特定範囲から逸脱しない、熱可塑性ポ
リウレタン樹脂組成物を用いれば超低温−40℃から高
々温80℃での環境領域で優れた熱可塑性ポリウレタン
樹脂組成物の得られることを見いだし本発明を完成する
に至った。
【0008】即ち、本発明は、高分子ジオール(a)、
低分子ジオール(b)、有機ジイソシアネートからなる
熱可塑性ポリウレタン樹脂で、該樹脂が−40℃での損
失弾性率2〜20×108ダイン/cm2で、80℃での損
失弾性率1〜10×107ダイン/cm2の範囲にあり、更
に該樹脂が200℃での溶融粘度が0.1〜25×10
5ポイズにあることを特徴とする熱可塑性ポリウレタン
樹脂組成物、好ましくは高分子ジオール(a)が、数平
均分子量1000以上5000未満で、(a)に対して
1〜7モルの数平均分子量300以下の低分子ジオール
(b)と、(a)と(b)の合計モルにほぼ等しいモル
数の有機ジイソシアネート(c)とを反応せしめたもの
であること、好ましくは該樹脂の数平均分子量は5万以
上であること、好ましくは該熱可塑性ポリウレタン樹脂
が、23℃の常温で硬度(JISA)83〜98゜、引
張り強度250kg/cm2以上、破断伸度300%以上の
物性を有するものでかつ、損失弾性率が0.4〜8×1
8ダイン/cm2の範囲にあること、該樹脂が、80℃の
高温での引張り強度150kg/cm2以上を有するもので
特に超低温から高々温域での優れた物性を有している熱
可塑性ポリウレタン樹脂組成物、成形材料、成形品、及
びフィルム・シートを提供するものである。以下に本発
明を更に詳しく説明する。
【0009】(構成)本発明の熱可塑性ポリウレタン樹
脂組成物は、高分子ジオール(a)、低分子ジオール
(b)、有機ジイソシアネートとを反応させて得られる
熱可塑性ポリウレタン樹脂で、該樹脂が−40℃での損
失弾性率2〜20×108ダイン/cm2、80℃での損失
弾性率1〜10×107ダイン/cm2の範囲にあり、20
0℃での溶融粘度が0.1〜25×105ポイズにある
ものである。
【0010】本発明は、熱可塑性ポリウレタン樹脂を得
る際に用いる(a)〜(c)自体、方法に特徴を求める
ものではなく、得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂の損
失弾性率範囲に特徴があり、−40℃での損失弾性率2
〜20×108ダイン/cm2、80℃で1〜10×107
ダイン/cm2の損失弾性率の範囲にある熱可塑性ポリウ
レタン樹脂を得ることで、−40℃の超低温〜80℃の
高々温域での高耐久性に優れた熱可塑性ポリウレタン樹
脂組成物が得られ、この範囲からはずれると超低温〜高
々温域での耐久性に劣るものとなる。
【0011】本発明の損失弾性率とは、固体粘弾性アナ
ライザー(レオメトリック社製品)にて、測定周波数:
1Hz、試験片:1mm厚×幅5mm×長さ45mm、測定昇温
速度:4℃/minで測定された−40℃、23℃、80
℃での値を言うものである。
【0012】本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂の数平
均分子量は、好ましくは5万以上で、より好ましくは5
万〜50万で、更に好ましくは8万〜20万である。
【0013】本発明者等の知見によれば、高耐久性を必
要とする用途の成形品、フィルム、シート材料等に適し
た熱可塑性ポリウレタン樹脂として当該温度における熱
可塑性ポリウレタン樹脂の損失弾性率が低い程、高温引
張り強度の耐熱性が劣り、当該温度における損失弾性率
が高くなる程、低温衝撃性が低下し、使用時に、破断す
るなどの問題があるため、上記した温度において上記特
定の損失弾性率範囲を選択する本発明の熱可塑性ポリウ
レタン樹脂組成物が必要なのである。
【0014】本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物
は、上記範囲の損失弾性率や溶融粘度を有していればよ
いが、上記特性を有しているとともに、さらに好ましく
は硬度(JIS)83〜98゜、引張り強度250kg/
cm2以上、破断伸度300%以上、80℃の高温での引
張り強度150kg/cm2以上を有するものが好ましく、
特に好ましくは硬度85〜95゜、引張り強度300kg
/cm2以上、破断伸度400%以上、かつ80℃の高温
引張り強度200kg/cm2以上の物性を有するものが使
用出来る。
【0015】高分子ジオール(a)は、好ましくは分子
量1000以上5000未満のポリエステルジオール、
ポリエーテルジオール、ポリシリコーンジオール、ポリ
ブチレンジオールなどポリマーのヒドロキシ末端化合物
で、特に好ましくは、分子量1500〜5000の高分
子ジオールである。
【0016】一方、低分子ジオール(b)は、好ましく
は分子量300以下のヒドロキシ末端化合物であり、ジ
オール化合物である。このジオール(b)は、高分子ジ
オール(a)に対して、好ましくは1〜7モル、特に好
ましくは2〜5モルが高分子ジオール(a)と併せて使
用される。
【0017】そし熱可塑性ポリウレタン樹脂を得るため
に、有機ジイソシアネート(c)が(a)及び(b)と
反応させられる。本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組
成物を得る際、有機ポリイソシアネート(c)は、
(a)成分と(b)成分の合計モルに等しいモル数が好
ましく用いられる。
【0018】本発明で云う(a)、(b)成分として
は、好ましくはポリエステルジオール及び/又はポリエ
ーテルジオールが挙げられる。
【0019】ここで言うポリエステルジオールとは、多
価アルコールと多塩基性カルボン酸の縮合物、ヒドロキ
シカルボン酸と多価アルコールの縮合物などが挙げられ
る。
【0020】これらに使用される多価アルコールとして
は、例えばエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ブタンジオール、ジエチレングリコール、3メチル
ペンタングリコール、グリセリン、ヘキサントリオー
ル、トリメチロールプロパンなどが挙げられ、多塩基性
カルボン酸としては、例えばアジピン酸、グルタール
酸、アゼライン酸、フマール酸、マレイン酸、フタール
酸、テレフタール酸、ダイマー酸、ピロメリット酸など
が挙げられる。
【0021】又、ヒドロキシカルボン酸と多価アルコー
ルの縮合物としては、例えばヒマシ油、ヒマシ油とエチ
レングリコール、プロピレングリコールなどの反応生成
物も有用である。
【0022】更に、ポリエステルジオールとしては、ε
−カプロラクトン等のラクトン類を開環重合して得られ
るラクトン系ポリエステルジオール類も用いる事が出来
る。このラクトン系ポリエステルジオール類としては、
先に述べた多価アルコール類にε−カプロラクトン、δ
−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン等
の一種又は二種以上を付加重合させたものがいずれも使
用出来る。
【0023】ポリエーテルジオールとしては、例えばエ
チレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒド
ロフランなどのアルキレンオキサイドの一種もしくは二
種以上を、2個以上の活性水素を有する化合物に付加重
合せしめた生成物が使用でき、通常の熱可塑性ポリウレ
タン樹脂の製造に用いられる、公知のポリエーテルポリ
オールがいずれも使用できる。
【0024】この場合2個以上の活性水素を有する化合
物としては、例えば先にのべた多価アルコール、多塩基
性カルボン酸の他に、例えばエチレンジアミン、ヘキサ
メチレンジアミンなどのアミン類、エタノールアミン、
プロパノールアミンなどのアルカーノルアミン類、レゾ
ルシン、ビスフェノールの如き多価フェノール類、ヒマ
シ油などが挙げられる。
【0025】本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物
を得る際の(a)(b)成分としては、イソシアネート
基含有ウレタンプレポリマーの製造に用いられるポリヒ
ドロキシル化合物が全て使用出来る。即ち、ポリエステ
ルポリオール、及びポリエーテルポリオールの一種もし
くは二種以上を用いる事が出来る。又、前記の多価アル
コールの如き低分子ポリヒドロキシ化合物をポリオール
成分として併用する事も出来る。
【0026】高分子ジオール(a)は、先に述べた平均
分子量1000以上5000未満のポリエステルジオー
ル、ポリエーテルジオールであり、この他にポリシリコ
ーンジオール、ポリエチレンジオールなどの一種もしく
は二種以上を用いてもよい。更に、先に述べた多価アル
コールを低分子ジオール(鎖伸長剤)(b)としても良
い。
【0027】以上、数平均分子量の大小を区別すること
なく、(a)(b)成分を例示したが、本願発明の熱可
塑性ポリウレタン樹脂は、異なる分子量の高分子ジオー
ル(a)同士及び低分子ジオール(b)同士を併用でき
るのは、勿論のことである。
【0028】本発明に用いられる有機ジイソシアネート
(c)とは、分子中にイソシアネート基2個有する化合
物であり、ウレタン樹脂の製造に用いられる種々のもの
が使用でき、例えばトリレンジイソシアネート、ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、ジアニジンジイソシアネ
ート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタ
ントリイソシアネート、ビス(ジイソシアナトトリル)
フェニルメタン、ポリメチレンポリフェニルポリイソシ
アネートなどの芳香族系ポリイソシアネート、脂肪族系
のポリイソシアネートとしては、イソホロンジイソシア
ネート、ジシクロヘキシメタンジイソシアネート、(水
素添加ジフェニルメタンジイソシアネート)、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネー
ト、水素添加トリレンジイソシアネート、イソプロピリ
デンビス(シクロヘキシルイイソシアネート)等が挙げ
られる。
【0029】本発明に用いられる有機ジイソシアネート
(c)は、2種以上の異なる有機ポリイソシアネートを
併用してもよく、特に脂肪族系又は脂環系ポリイソシア
ネートに芳香族系ポリイソシアネートを併用してもよ
い。
【0030】本発明のポリウレタン樹脂は、上記化合物
(a)〜(c)を必要に応じて触媒の存在下、所定のモ
ル割合で、塊状重合、溶液重合が可能であるが、好まし
くは塊状重合させれば容易に得ることができる。
【0031】本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物
を得るには、高分子ジオール(a)に対して低分子ジオ
ール(b)を1〜7モル用いること及び化合物(a)と
(b)の合計モル数とほぼ同じモル数の化合物(c)を
用いて反応を行う。通常、NCO/活性水素原子のモル
比が1:1付近となる様、(a)〜(c)を用いる。こ
の際の反応条件は、特に制限されるものではなく、従来
の条件がいずれも採用できる。
【0032】得られたポリウレタン樹脂は、粉体、粒状
物、ペレット形状として成形材料として供給され、通常
条件で押出成形方法、射出成形方法、ブロー成形法等に
より成形品、フィルム、シートとされる。
【0033】本発明のポリウレタン樹脂組成物は、その
製造時あるいは製造後に、必要に応じて、例えば離型
剤、カップリング剤、着色剤、滑剤、耐候性安定剤、発
泡剤、防錆剤、乳白剤、防ばい剤、充填剤等の添加剤を
必要量添加したものであっても良い。
【0034】また、本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂
組成物には、本発明の目的を逸脱しない範囲で他の熱可
塑樹脂又はエラストマー、例えばポリ塩化ビニル、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、エチレンプロピレン系エラ
ストマー、変性オレフィン系エラストマー、ポリエステ
ル系エラストマー、ポリマミド系エラストマー、スチレ
ン系エラストマー、ポリブタジエン系エラストマー、等
のエラストマー系ポリマーや、ABS、AES等のアク
リル系ポリマー、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミド
イミド、ポリフェニレンサルファイド等ポリマーを併用
することも可能である。
【0035】本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物
は、機械的混合などにより上記した特定の特性となる様
に調製したポリウレタン樹脂や、先に述べた他の熱可塑
性樹脂又はエラストマー等の他の合成樹脂と混合して変
性し、上記した特定の特性となる様に調製したポリウレ
タン樹脂組成物も包含するのは勿論である。
【0036】本発明の樹脂組成物を用いた成形品として
は、射出成形法や押出成形法で得られるサッカー靴底、
野球靴底等、タイヤ滑り止め装置等、高耐久性を必要と
する用途や搬送ベルト、ホース、チューブ、時計バン
ド、ヒールトップ、ギヤー、キャスター、ベルト等の工
業部品、自動車部品、電気部品用途に採用できる。
【0037】本発明の樹脂組成物を用いたフィルム、シ
ートとは、Tダイ、インフレーション成形、押出成形、
ブロー成形等によるフィルム厚み100〜500μ、シ
ート0.5〜5mmのもので、電気・電子部品、機械部
品、自動車部品、土木建築資材・部材、包装材料、医療
用部材、印刷部材、家庭用品等に使用される。
【0038】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるもので
はない。尚、例中の部は重量部を意味するものとする。
【0039】(実施例1)アジピン酸と3−メチルペン
タングリコールからなる数平均分子量3000のジリオ
−ル1500部に、テトラメチレングリコール180部
を混合し理論量に相当するジフェニルメタン−4,4’
−ジイソシアネート638部とを加え160℃で10分
間反応させて塊状の反応生成物を取出し、210℃で混
練して、ペレット化を行い、熱可塑性ポリウレタン樹脂
エラストマーAの試料を製造した。
【0040】(実施例2)テトラヒドロフランから得ら
れる数平均分子量2000のポリテトラメチレンエーテ
ルジオール2000部、テトラメチレングリコール28
7部、それにジフェニルメタン−4,4’−ジイソシア
ネート1065部とから実施例1と同様にして、熱可塑
性ポリウレタン樹脂エラストマーBの試料を製造した。
【0041】(実施例3)テトラヒドロフランから得ら
れる平均分子量1500のジオール1500部にテトラ
メチレングリコール333部、それにジフェニルメタン
−4,4’−ジイソシアネート1198部とから実施例
1と同様にして、熱可塑性ポリウレタン樹脂エラストマ
ーCの試料を製造した。
【0042】(実施例4)エチレングリコールを開始剤
とし、カプロラクトンを開環重合して得られる数平均分
子量2000のラクトン系ポリエステルジオール200
0部にテトラメチレングリコール225部それにジフェ
ニルメタン−4,4’−ジイソシアネート893部とか
ら実施例1と同様にして、熱可塑性ポリウレタン樹脂エ
ラストマーDの試料を製造した。
【0043】(比較例1)テトラヒドロフランから得ら
れる数平均分子量1000のジオール2000部にテト
ラメチルグリコール222部、それに、ジフェニルメタ
ン−4.4’−ジイソシアネート885部をから実施1
と同様にして熱可塑性ポリウレタン樹脂エラストマーE
の試料を製造した。
【0044】(比較例2)エチレングリコールを開始剤
とし、カプロラクトンを開環重合して得られる数平均分
子量1300のラクトン系ポリエステルジオール260
0部に、テトラメチレングリコール630部、それにジ
フェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート2293
部から実施例1と同様にして熱可塑性ポリウレタン樹脂
エラストマーFの試料を製造した。
【0045】(比較例3)アジピン酸とテトラメチルグ
リコールからなる平均分子量5000のジオール500
0部、テトラメチレングリコール360部、それにジフ
ェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート1270部
とから実施例1と同様にして、熱可塑ポリウレタン樹脂
エラストマーGの試料を製造した。
【0046】上記実施例1〜4及び比較例1〜3の各ウ
レタンエラストマーA〜G試料を射出成形、押出成形に
て100μmから2mm厚試験片をつくり、JIS K
7311法に準じた各種物性測定や、また、固体粘弾性
アナライザーにて(レオメトリック社製品、測定周波数
1HZ、テストピース1mm厚、測定昇温速度4℃/mi
n)損失弾性率測定、また、高化式フローテスターにて
1mm(径)×1mm(長さ)のノズル、荷重30kgf、昇
温速度 3℃/min等条件での溶融粘度等の測定、GPC
による数平均分子量測定(テトロヒドロフラン、DMF
溶剤)の結果を第1表、第2表に示した。
【0047】また、上記の各試料を射出成形にて、2mm
厚試験シート、6mm厚試験片を作成し、80℃高温引張
り強度測定及びASTM D−256法による−40℃
低温時又は衝撃試験の測定結果を第1表、第2表に示し
た。
【0048】
【表1】 第1表
【0049】
【表2】 第1表 (つづき)
【0050】
【表3】 第2表
【0051】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、−40℃、80
℃との損失弾性率と200℃の溶融粘度が特定範囲内に
ある限定された熱可塑性ポリウレタン樹脂とすること
で、−40℃超低温から80℃高々温域での優れた強
度、伸度、耐衝撃性、高耐久性を有するといった格別顕
著な効果を奏するもので、射出成形法や押出成形法で得
られる成形品、例えばタイヤ滑り止め装置等、高耐久性
を必要とする用途をはじめホース、サッカー、野球、ラ
グビー等スポーツシューズ底、時計バンド、ヒールトッ
プ、ギヤー、キャスター(椅子・荷車の車輪)、搬送ベ
ルト等に有用で、更にフィルム、シートとして電気・電
子部品、自動車部品等に有用である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子ジオール(a)、低分子ジオール
    (b)、有機ジイソシアネート(c)からなる熱可塑性
    ポリウレタン樹脂で、該樹脂が−40℃での損失弾性率
    が2〜20×108ダイン/cm2、かつ80℃での損失弾
    性率が1〜10×107ダイン/cm2の範囲にあり、か
    つ、200℃での溶融粘度が0.1〜25×105ポイ
    ズであることを特徴とする熱可塑性ポリウレタン樹脂組
    成物。
  2. 【請求項2】 高分子ジオール(a)が、分子量100
    0以上5000未満で、(a)に対して1〜7モルの分
    子量300以下の低分子ジオール(b)と、(a)と
    (b)の合計モルにほぼ等しいモル数の有機ジイソシア
    ネート(c)とを反応せしめたものであることを特徴と
    する請求項1記載の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 熱可塑性ポリウレタン樹脂の数平均分子
    量が、5万以上であることを特徴とする請求項1〜2記
    載の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 熱可塑性ポリウレタン樹脂が、23℃の
    常温で硬度(JISA)83〜98゜、引張り強度25
    0kg/cm2以上、破断伸度300%以上の物性を有する
    ものでかつ、損失弾性率が0.4〜8×108ダイン/c
    m2の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の熱可塑
    性ポリウレタン樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 熱可塑性ポリウレタン樹脂が、80℃の
    高温での引張り強度150kg/cm2以上を有することを
    特徴とする請求項1記載の熱可塑性ポリウレタン樹脂組
    成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の熱可塑性ポリウレタン樹
    脂組成物からなることを特徴とする成形材料。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5の熱可塑性ポリウレタン樹
    脂組成物からなることを特徴とする成形品。
  8. 【請求項8】 請求項1〜5の熱可塑性ポリウレタン樹
    脂組成物からなることを特徴とするフィルム・シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018122852A (ja) * 2017-02-01 2018-08-09 西川ゴム工業株式会社 ウェザーストリップ

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