JPH0841116A - 光重合開始剤、これを含有するエネルギー線硬化性組成物及びその硬化物 - Google Patents

光重合開始剤、これを含有するエネルギー線硬化性組成物及びその硬化物

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JPH0841116A
JPH0841116A JP19377894A JP19377894A JPH0841116A JP H0841116 A JPH0841116 A JP H0841116A JP 19377894 A JP19377894 A JP 19377894A JP 19377894 A JP19377894 A JP 19377894A JP H0841116 A JPH0841116 A JP H0841116A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】相容性、保存安定性が良好で、透明で硬化性に
優れ、硬化塗膜の光沢が良好で、硬化塗膜の臭気が小さ
く、優れた物性の硬化物を得ることができる新規な光重
合開始剤、これを含有する樹脂組成物の提供。 【構成】カチオン重合物質と特定のスルホニウム塩また
はスルホキソニウム塩である光重合開始剤を含有するエ
ネルギー線硬化性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な特定な構造を有
するスルホニウム塩またはスルホキソニウム塩である光
重合開始剤、これを含有するエネルギー線の照射により
硬化が可能なエネルギー線硬化性組成物及びその硬化物
に関する。
【0002】
【従来の技術】光重合性組成物は印刷インキ、塗料、コ
ーティング、液状レジストインキ等の分野において、省
エネルギー、省スペース、無公害性等の要請から盛んに
研究され、実用化が検討されてきた。しかしこれらの研
究の大部分は二重結合のラジカル重合反応に基づくもの
であった。カチオン重合性物質、例えばエポキシ樹脂
は、物性的には優れた材料であるが光重合をさせること
は困難で、今までアクリル変性することにより二重結合
を導入した材料が主に使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】光によりエポキシ樹脂
を硬化されるのに、例えば米国特許第3794576号
には感光性芳香族ジアゾニウム塩を光重合開始剤として
使用し光照射により光重合開始剤を分解し、ルイス酸を
放出することによりエポキシ樹脂を重合する方法が提案
されている。しかしながら芳香族ジアゾニウム塩は光分
解によりルイス酸と同時に窒素ガスを放出し、そのため
にエポキシ樹脂の膜厚が15μ以上になると塗膜が発泡
し、厚塗りの用途には適さない。更に、又、エポキシ樹
脂との混合物は光が存在しない時でも、徐々に硬化が進
行する等、保存安定性に問題があり、一液性の組成物と
はなりえない。上記のジアゾニウム塩系開始剤の欠点を
克服すべく、種々検討がなされ、厚塗り性及び保存安定
性の改良された技術として芳香族スルホニウム塩系や芳
香族ヨードニウム塩系開始剤及びそれらを含有する硬化
性樹脂組成物が特公昭52−14278号公報、特公昭
52−14277号公報、特開昭54−53181号公
報、特公昭59−19581号公報等に開示されてい
る。しかしながら、これらの芳香族オニウム塩を含有す
る組成物はジアゾニウム塩に比較し硬化性が乏しいとい
う欠点を有し、又芳香族スルホニウム塩の場合は、硬化
物の臭気が問題となっていた。かかる欠点を克服するべ
く、特開昭56−55420号公報等に、特定の基を有
する芳香族スルホニウム塩が提案されている。しかし、
上記の欠点は、いくらか解消されるものの十分ではな
い。又、光重合性組成物の使用される分野が拡大するに
つれて、市場の要求に対応するために、新規な光重合開
始剤、それを含有する組成物の提供は重要である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するため鋭意研究の結果、新規な光重合開始剤
を開発し、これを用いた組成物は、保存安定性、相容
性、硬化性に優れ、その硬化物は臭気が少ないエネルギ
ー線硬化性組成物を提供することに成功した。すなわ
ち、本発明は、
【0005】(1)式(1)で示されるスルホニウム塩
またはスルホキソニウム塩。
【化10】
【0006】(但し、式中、Xは下記の式(2)で表さ
れる基
【0007】
【化11】
【0008】(R1 〜R10は、それぞれ水素原子、ハロ
ゲン原子、ニトロ基、アルコキシ基、C1 〜C18の脂肪
族基、フェニル基、フェノキシ基、チオフェノキシ基、
【0009】
【化12】 または
【0010】
【化13】 のいずれかから選択された基である。a及びbは1〜5
の数である。Gは、イオウ原子または
【化14】 である。Aは、
【0011】
【化15】
【0012】または、
【0013】
【化16】
【0014】であり、nは1〜3の整数である。Zは式
【0015】
【化17】
【0016】または
【0017】
【化18】
【0018】で示され、Mはリン原子、ホウ素原子、ヒ
素原子またはアンチモン原子であり、Qはハロゲン原子
であり、lは4〜6の整数である。) (2)式(1)で示されるスルホニウム塩またはスルホ
キソニウム塩からなる光重合開始剤。 (3)カチオン重合性物質(A)と(1)項記載の光重
合開始剤(B)を含有することを特徴とするエネルギー
線硬化性組成物及びその硬化物に関する。
【0019】本発明で用いるカチオン重合性物質(A)
としては、例えば、エポキシ樹脂、スチレン、ビニルエ
ーテル等のカチオン重合性ビニル化合物、更にはスピロ
オルソエステル、ビシクロオルソエステル、スピロオル
ソカーボナートのような環状エーテル類が挙げられる。
エポキシ樹脂としては、従来、公知の芳香族エポキシ樹
脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、更には
エポキシド単量体類、エピサルファイド単量体類が挙げ
られる。ここで、芳香族エポキシ樹脂として例示すれ
ば、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノール
またはそのアルキレンオキサイド付加体のポリグリシジ
ルエーテルであって、例えばビスフェノールA、ビスフ
ェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール化合
物またはビスフェノール化合物のアルキレンオキサイド
(例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ド、ブチレンオキサイド等)付加体とエピクロロヒドリ
ンとの反応によって製造されるグリシジルエーテル類、
ノボラック型エポキシ樹脂類(例えば、フェノール・ノ
ボラック型エポキシ樹脂、クレゾール・ノボラック型エ
ポキシ樹脂、臭素化フェノール・ノボラック型エポキシ
樹脂等)、トリスフェノールメタントリグリシジルエー
テル等が挙げられる。また、脂環式エポキシ樹脂とし
て、具体的な例としては、3,4−エポキシシクロヘキ
シルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキ
シレート、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシルメ
チル)アジペート、2−(3,4−エポキシシクロヘキ
シル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキ
サノン−メタ−ジオキサン、ビス(2,3−エポキシシ
クロペンチル)エーテル、EHPE−3150(ダイセ
ル化学工業株式会社製、脂環式エポキシ樹脂、軟化点7
1℃)等が挙げられる。更に脂肪族エポキシ樹脂の例と
しては、脂肪族多価アルコールまたはそのアルキレンオ
キサイド付加物のポリグリシジルエーテルがあり、その
代表例としては、1,4−ブタンジオールのジグリシジ
ルエーテル、1,6−ヘキサンジオールのジグリシジル
エーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリ
メチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ポリエ
チレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレン
グリコールのジグリシジルエーテル、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、グリセリン等の脂肪族多価
アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイ
ド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド)を付
加することにより得られるポリエーテルポリオールのポ
リグリシジルエーテルが挙げられる。更にエポキシド単
量体類の例としては、脂肪族高級アルコールのモノグリ
シジルエーテルやフェノール、クレゾール、ブチルフェ
ノールまたはこれらにアルキレンオキサイドを付加する
ことにより得られるポリエーテルアルコールのモノグリ
シジルエーテル等が挙げられる。カチオン重合性ビニル
化合物としては、例えば、トリエチレングリコールジビ
ニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエー
テル、シクロヘキサン−1,4−ジメチロールジビニル
エーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、
【0020】
【化19】 及び
【0021】
【化20】 等が挙げられる。また、これらカチオン重合性有機材料
は単独でも2種以上の混合物でもかまわない。
【0022】本発明で用いる一般式(1)及び(2)で
表されるスルホニウム塩またはスルホキソニウム塩の具
体例としては、例えば以下の表1から表2の化合物が挙
げられる。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】これらの化合物は例えば式
【0026】
【化21】
【0027】
【化22】
【0028】
【化23】
【0029】
【化24】
【0030】
【化25】
【0031】
【化26】
【0032】その他のスルホニウム化合物を、酸化剤
(例えば、過酸化水素や過酸化ナトリウム等)を用いて
0〜30℃で、反応させることにより得ることができ
る。必要に応じて有機溶剤類(例えば、アセトン、ブチ
ロラクトン、ジクロロメタン、酢酸等)を用いることも
できる。本発明の硬化性組成物は、100重量部のカチ
オン重合性物質(A)に対して0.01〜20重量部、
より好ましくは0.1〜10重量部の前記の式(1)で
示されるスルホニウム塩またはスルホキソニウム塩
(B)を必須の成分とするが、適当な割合は、カチオン
重合性物質の性質やエネルギー線の種類、照射量、所望
の硬化時間、温度、湿度、塗膜厚などさまざまな要因を
考慮することによって決定される。カチオン重合性物質
へのスルホニウム塩またはスルホキソニウム塩の溶解を
容易にするため、あらかじめスルホニウム塩またはスル
ホキソニウム塩を溶剤類(例えば、プロピレンカーボネ
ート、カルビトール、カルビトールアセテート、ブチロ
ラクトン等)に溶解し使用することができる。
【0033】本発明の硬化性組成物は、カチオン重合性
物質及びスルホニウム塩またはスルホキソニウム塩を混
合、溶解あるいは混練等の方法により調製することがで
きる。
【0034】本発明の硬化性組成物は、紫外線等のエネ
ルギー線を照射することにより0.1秒〜数分後に指触
乾燥状態あるいは溶媒不溶性の状態に硬化することがで
きる。適当なエネルギー線としては、スルホニウム塩ま
たはスルホキソニウム塩の分触を誘発するエネルギーを
有する限りいかなるものでもよいが、好ましくは、高、
低圧水銀ランプ、キセノンランプ、殺菌灯、レーザー光
などから得られる2000オングストローム〜7000
オングストロームの波長を有する電磁波エネルギーや電
子線、X線、放射線等の高エネルギー線を使用する。エ
ネルギー線への暴露は、エネルギー線の強度によるが、
通常は0.1秒〜10秒程度で十分である。しかし比較
的厚い塗装物についてはそれ以上の時間をかけるのが好
ましい。エネルギー線照射後0.1秒〜数分後には、ほ
とんどの組成物はカチオン重合により指触乾燥するが、
カチオン重合反応を促進するめたに加熱を併用すること
も場合によっては好ましい。
【0035】本発明の組成物には、さらにカチオン重合
を損わない範囲で希釈のための溶剤や、改質のための非
反応性の樹脂や(メタ)アクリル酸エステル化合物(例
えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型
エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の
反応物であるエポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン
(メタ)アクリレート、ポリエステルポリ(メタ)アク
リレート等のオリゴマーや、2−ヒドロキシ(メタ)ア
クリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アク
リレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレ
ート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等
のモノマー等)を配合することができる。(メタ)アク
リル酸エステル化合物を使用する場合には、光ラジカル
重合開始剤(例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフ
ェニルケトン、アセトフェノンジメチルケタール、ベン
ゾイルメチルエーテル等)を使用するのが好ましい。ま
た例えば、電気特性を改良する目的などのため有機カル
ボン酸や酸無水物を使用したり、あるいはゴム弾性をも
たせるなどの目的でポリマールその他の可とう性プレポ
リマーを混合することができる。
【0036】本発明の組成物は、通常透明な液状として
使用されるものであるが、用途によっては不活性な顔
料、染料、充填剤、静電防止剤、難燃剤、消泡剤、流動
調整剤、増感剤、促進剤、光安定剤等を混合して用いら
れる。本発明の組成物は金属、木材、ゴム、プラスチッ
ク、ガラス、セラミック製品等に使用することができ
る。さらに本発明の具体的な用途としては、塗料、コー
ティング剤、インキ、レジスト、液状レジスト、接着
剤、成形材料、注型材料、パテ、ガラス繊維含浸剤、目
止め剤等が挙げられる。
【0037】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、実施例中の部は、重量部である。 (式(1)で表されるスルホニウム塩の実施例) 実施例1 下記式で表されるスルホニウム塩22部
【0038】
【化27】
【0039】をブチロラクトン88部に溶解した。つい
で30%過酸化水素4部を添加し、25℃で約18時間
反応を行なった。ついで混合物を蒸留水200部中に注
入した。得られた粗生成物を水及びエチルエーテルで洗
浄した。白色の固体が22.5部得られた。生成物の融
点は271〜283℃で元素分析値はつぎのとおりであ
った。 元素 実測値(重量%) 計算値(重量%) 炭素 38.11 38.16 水素 2.98 3.02 イオウ 8.52 8.50 アンチモン 21.46 21.51 フッ素 26.81 26.86 この製造方法に基づいて、構造式
【0040】
【化28】
【0041】のスルホニウム塩を得た。
【0042】実施例2.下記式で表されるスルホニウム
塩16.9部
【0043】
【化29】
【0044】をブチロラクトン40部に溶解した。つい
で0℃に冷却し30%過酸化水素2部を添加し、0℃で
24時間反応を行なった。ついで水200部に注入し
た。得られた粗生成物を水及びエチルエーテルで洗浄し
た。白色の固体が17.0部得られた。生成物の融点は
223〜234℃で元素分析値はつぎのとおりであっ
た。 元素 実測値(重量%) 計算値(重量%) 炭素 49.98 50.09 水素 3.25 3.27 イオウ 11.18 11.15 リン 7.24 7.18 フッ素 26.40 26.44 この製造方法に基づいて、構造式
【0045】
【化30】
【0046】のスルホニウム塩を得た。
【0047】実施例3.下記式で表されるスルホニウム
塩18.3部
【0048】
【化31】
【0049】をブチロラクトン42部に溶解した。つい
で30%過酸化水素4部を添加し、25℃で約18時間
反応を行なった。ついで混合物を水200部中に注入し
た。得られた粗生成物を水及びエチルエーテルで洗浄し
た。白色の固体が18.5部得られた。生成物の融点
は、294〜305℃で、元素分析値はつのとおりであ
った。 元素 実測値(重量%) 計算値(重量%) 炭素 45.55 45.60 水素 2.79 2.77 イオウ 10.09 10.15 リン 6.51 6.54 フッ素 24.03 24.07 塩素 7.45 7.49 この製造方法に基づいて、構造式
【0050】
【化32】
【0051】のスルホニウム塩を得た。 実施例4.実施例1で得たスルホニウム塩2.6部、ブ
タノール1.04部および炭酸カリウム0.96部をジ
メチルスルホキシド30部中で100℃、18時間加熱
する。次いで冷却し、ヘキサフルオロアンチモン酸カリ
ウム水溶液に注ぐ。結果得られた沈殿を集め、次にエチ
ルエーテルで洗浄する。白色の固体3.0部を得た。融
点は105〜115℃で元素分析値は次のとおりであっ
た。 元素 実測値(重量%) 計算値(重量%) 炭素 46.25 46.28 水素 4.47 4.48 イオウ 7.05 7.13 アンチモン 17.94 18.06 フッ素 16.87 16.91 この製造方法に基づいて、構造式
【0052】
【化33】
【0053】のスルホニウム塩を得た。
【0054】(式(1)で表されるスルホキソニウム塩
の実施例) 実施例5.実施例1で得たスルホニウム塩33.9部,
ジクロロメタン400部に溶解し、次いでp−トルエン
スルホニルクロライド47.6部を仕込み0℃に冷却
し、この混合物に、過酸化ナトリウム48.4部を水6
00部に溶解した水溶液を0℃を保ちながら約30分で
滴下する。さらに同一温度で約2時間反応を行なった。
その後、静置し、2層を分離するよう放置する。下層の
有機層を集め、乾燥し、減圧下で濃縮する。得られた残
渣を水およびエチルエーテルで洗浄し、白色の固体3
4.5gを得た。生成物の融点は301〜310℃で元
素分析値は次のとおりであった。 元素 実測値(重量%) 計算値(重量%) 炭素 37.09 37.11 水素 2.05 2.08 イオウ 8.21 8.26 アンチモン 20.89 20.92 フッ素 26.07 26.12 この製造方法に基づいて、構造式
【0055】
【化34】
【0056】のスルホキソニウム塩を得た。
【0057】実施例6.実施例2で得たスルホニウム塩
28.4部、ジクロロメタン400部に溶解し、次いで
p−トルエンスルホニルクロライド47.6部を仕込
み、0℃に冷却し、この混合物に過酸化ナトリウム4
8.4部を水600部に溶解した水溶液を0℃を保ちな
がら約30分で滴下する。さらに同一温度で約2時間反
応を行なった。その後、静置し、2層を分離するよう放
置する。下層の有機層を集め、乾燥し、減圧下で濃縮す
る。得られた残渣を水およびエチルエーテルで洗浄し、
白色の固体27gを得た。生成物の融点は305〜31
7℃で元素分析値は次のとおりであった。 元素 実測値(重量%) 計算値(重量%) 炭素 47.39 47.45 水素 3.05 3.10 イオウ 7.01 7.03 リン 6.74 6.80 フッ素 24.99 25.04 この製造方法に基づいて、構造式
【0058】
【化35】
【0059】のスルホキソニウム塩を得た。
【0060】実施例7 実施例5で得たスルホキソニウム塩8.1部、グリシト
ール4.1部および炭酸カリウム11.6部をジメチル
スルホキシド100部中で100℃で18時間加熱す
る。次いで冷却し、ヘキサフルオロアンチモン酸カリウ
ム水溶液に注ぐ。結果得られた沈殿を集め、次にエーチ
ルエーテルで洗浄する。白色の固体9.2gを得た。融
点は263〜275℃で元素分析値は、次のとおりであ
った。 元素 実測値(重量%) 計算値(重量%) 炭素 41.59 41.74 水素 3.23 3.21 イオウ 6.95 6.97 アンチモン 17.58 17.64 フッ素 16.53 16.52 この製造方法に基づいて、構造式
【0061】
【化36】
【0062】のスルホキソニウム塩を得た。
【0063】実施例8.実施例5で得たスルホキソニウ
ム塩8.1部、エチレングリコール6.2部および炭酸
カリウム11.6部をジメチルスルホキシド100部中
で100℃で18時間加熱する。以下実施例7と同様に
して白色の固体9.2gを得た。融点272〜283℃
で元素分析値は、次のとおりであった。 元素 実測値(重量%) 計算値(重量%) 炭素 39.60 39.64 水素 3.27 3.33 イオウ 7.19 7.22 アンチモン 18.30 18.28 フッ素 17.10 17.12 この製造方法に基づいて、構造式
【0064】
【化37】
【0065】のスルホキソニウム塩を得た。
【0066】(組成物の実施例) 実施例9〜16、比較例1、2 表1に示す配合組成(数値は重量部である。)に従って
エネルギー線硬化性組成物を配合し、混合溶解した。こ
れを、アルミテストパネル上に5μの厚さに塗布し高圧
水銀灯(80w/cm)で8cmの距離から紫外線を照
射し、硬化させた。調製された組成物の透明性、保存安
定性、指触乾燥性、硬化塗膜の光沢、臭気について試験
した。それらの結果を表3に示す。
【0067】透明性:組成物の透明性を目視判定した。 ○・・・・完全に透明である △・・・・わずかににごりあり ×・・・・白ダクしている ××・・・・すぐに分離する 保存安定性:組成物を40℃で3ケ月間保存し、安定性
を調査した。 ○・・・・全く変化していない △・・・・やや増粘している ×・・・・ゲル化している 指触乾燥性:指触乾燥するまでの照射量(mJ/cm2)を測定
した。 光沢:指触乾燥するまでの照射量(mJ/cm2)を照射した
後、硬化塗膜の表面を目視判定した。 ○・・・・光沢が良好である △・・・・ややくもりがある ×・・・・全く光沢がない
【0068】臭気:塗布面に1000mJ/cm2照射した
後、硬化塗膜の表面の臭気を観察した。 ○・・・・全く臭気がない △・・・・わずかに臭気がある ×・・・・臭気がある ××・・・・臭気が強い
【0069】
【表3】 表3 実 施 例 9 10 11 12 13 14 15 16 実施例1で得た光重合開始剤 1.5 実施例2で得た光重合開始剤 1.5 実施例3で得た光重合開始剤 1.5 実施例4で得た光重合開始剤 1.5 実施例5で得た光重合開始剤 1.5 実施例6で得た光重合開始剤 1.5 実施例7で得た光重合開始剤 1.5 実施例8で得た光重合開始剤 1.5 化合物1 *1 化合物2 *2 セロキサイド2021 *3 80 80 80 80 80 80 80 80 EHPE−3150 *4 20 20 20 20 20 20 20 20 透明性 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 保存安定性 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 指触乾燥性(mJ/cm2) 23 35 35 35 23 35 23 23 光沢 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 臭気 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
【0070】注 *1 化合物1:ジフェニル−4
−チオフェノキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロ
ホスフェート *2 化合物2:4,4′−ビス〔ビスフェニルスル
ホニオ〕フェニルスルフィドビスヘキサフルオロホスフ
ェート *3 セロキサイド2021:ダイセル化学工業
(株)製、脂環式エポキシ樹脂 *4 EHPE−3150:ダイセル化学工業(株)
製、脂環式エポキシ樹脂
【0071】表1の結果から明らかなように、本発明の
光重合開始剤を含有した組成物は、相容性、保存安定性
に優れ、透明で硬化性に優れ、硬化塗膜の光沢が良好で
あり、硬化塗膜の臭気も小さい。
【0072】
【発明の効果】本発明の光重合開始剤を含有したエネル
ギー線硬化性組成物は、相容性、保存安定性に優れ、透
明で硬化性に優れ、硬化塗膜の光沢が良好で、硬化塗膜
の臭気も小さく、優れた物性の硬化物をあたえる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(1) 【化1】 (但し、式中、Xは式(2)で示される基 【化2】 (R1 〜R10は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、ニ
    トロ基、アルコキシ基、C1 〜C18の脂肪族基、フェニ
    ル基、フェノキシ基、チオフェノキシ基、 【化3】 または 【化4】 のいずれかから選択された基である。a及びbは、1〜
    5の数であり、Gは、イオウ原子または 【化5】 である。)Aは、 【化6】 または 【化7】 であり、nは1〜3の整数である。Zは式 【化8】 または 【化9】 で示され、Mは、リン原子、ホウ素原子、ヒ素原子また
    はアンチモン原子であり、Qはハロゲン原子であり、l
    は4〜6の整数である。)で示されるスルホニウム塩ま
    たはスルホキソニウム塩。
  2. 【請求項2】前記式(1)で示されるスルホニウム塩ま
    たはスルホキソニウム塩からなる光重合開始剤。
  3. 【請求項3】カチオン重合性物質(A)と請求項2記載
    の光重合開始剤(B)を含有することを特徴とするエネ
    ルギー線硬化性組成物。
  4. 【請求項4】請求項3記載の組成物の硬化物。
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