JPH0841090A - ハロアルキルフェロセンの合成方法 - Google Patents

ハロアルキルフェロセンの合成方法

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JPH0841090A
JPH0841090A JP7144480A JP14448095A JPH0841090A JP H0841090 A JPH0841090 A JP H0841090A JP 7144480 A JP7144480 A JP 7144480A JP 14448095 A JP14448095 A JP 14448095A JP H0841090 A JPH0841090 A JP H0841090A
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    • C07F17/00Metallocenes
    • C07F17/02Metallocenes of metals of Groups 8, 9 or 10 of the Periodic Table

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  • Organic Chemistry (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ハロアルキルフェロセンの合成方法を提供す
る。 【構成】 本発明は、触媒としてAlCl3 が存在する
有機溶媒中で、カルボン酸ハライド及びカルボン酸無水
物とフェロセンもしくはアルキルフェロセンが反応する
第1段階の反応から成るハロアルキルフェロセンの合成
方法に関する。第1段階の反応の後、中間化合物を単離
せずに反応混合物中に金属水素化物を加える。ハロアル
キルフェロセンは推進薬用の燃焼触媒の合成の中間体と
して有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明はハロアルキルフェロセンの新規な
合成方法に関する。
【0002】ハロアルキルフェロセンは、フランス特許
第2,567,895号に記載されているシリルフェロ
セン基を含むエチレン系不飽和ポリマーのような推進薬
用のフェロセン燃焼触媒の合成の中間体として有用であ
る。これらポリマーのシリルフェロセングラフトは一般
に、前記ハロアルキルフェロセンのマグネシウム誘導体
とジアルキルハロシランの反応により得られ、推進薬と
して使用するのに十分な品質のシリルフェロセンポリマ
ーを低コストで最終的に得るには、高純度かつ高収率で
シリルフェロセングラフトを製造することが必須であ
る。これらの制約から、できる限り単純で低コストな方
法によって高収量かつ高純度のハロアルキルフェロセン
を生成することが必要である。
【0003】2段階の反応でフェロセンからハロアルキ
ルフェロセンを生成する方法が知られている。ハロアル
カノイルフェロセン化合物を合成する第1段階の反応
は、触媒としての塩化アルミニウムの存在下の有機溶媒
中におけるフェロセンとカルボン酸ハライドもしくはカ
ルボン酸無水物との「Friedel-Crafts」型の反応であ
る。ハロアルカノイルフェロセンの中間体は反応混合物
から単離され、次いで精製される。
【0004】第2段階の反応は、前記ハロアルカノイル
フェロセン誘導体を化学的もしくは触媒水素化によって
対応するハロアルキルフェロセン誘導体に還元すること
から成る。この反応の主な困難点はハロゲン官能基を還
元することなしにケトン官能基を還元することにある。
【0005】一般に、前記の2段階の反応によってハロ
アルキルフェロセンを合成する工程は、これら2段階の
反応の各々の完了の際に得られる粗生成物を精製する際
の特別な困難さと、その際に必然的に伴うコストのため
に、非常に制限されている。
【0006】ハロアルカノイルフェロセンの粗中間体に
比較的多量のフェロセン及び1,1′−ジ(ハロアルカ
ノイル)フェロセンが不純物として含まれているため
に、粗生成物の精製が必要である。一方、実際には、残
留フェロセンは昇華しやすく、その後の反応段階の間に
冷たい壁面(トラップ、配管等)全体に析出し、また一
方、1,1′−ジ(ハロアルカノイル)フェロセンは不
適当な架橋を起こす二官能価を有することから、低品質
のフェロセンポリマーを生成させる。
【0007】フランス特許第2,667,318号は、
酢酸中でのモノハロアルカノイルフェロセンの触媒水素
化によるモノハロアルキルフェロセンの合成方法を記載
している。この触媒はPtO2 をベースとしている。こ
うして得られた粗合成生成物の純度は概して95%程度
であり、この純度では推進薬用のフェロセン燃焼触媒の
合成の中間体として使用するのに、その後に精製を必要
としない。しかし、本発明の場合には、実施例で示すよ
うに、再結晶された、非常に純粋なハロアルカノイルフ
ェロセンを用いることが必要である。さらに、前記の方
法では実際には純度はせいぜい95%が限度であり、そ
して、98%程度の純度を有するハロアルキルフェロセ
ンを使用するのが望ましいことが明らかとなっている。
さらに、白金をベースとする触媒は非常に高価であり、
また、加圧して行う水素化反応には比較的高価で特別な
装置を必要とする。
【0008】フランス特許第2,667,600号は、
特に温度、反応体の濃度及び量に関して非常に厳密な条
件のもとにおいて、概して95%程度の純度を有するハ
ロアルカノイルフェロセン粗合成誘導体の前記の「Frie
del-Crafts」反応による合成を記載している。しかし、
こうして得られる粗生成物は、前記フランス特許第2,
667,318号に記載されている工程において、精製
せずに直接使用するには不十分な純度である。実際に、
不十分な濃度の粗生成物を使用すると、次の反応段階の
前に精製しないと使用不可能な95%未満の純度を有す
るハロアルキルフェロセン粗誘導体が生成する。
【0009】フランス特許第2,667,600号はセ
リウム(III )塩の添加によって純度が95%を超える
粗生成物を得ることが可能であることを明らかに記載し
ているが、この添加は1,1′−ジ(ハロアルカノイ
ル)フェロセン誘導体の含有量に実質的になんら影響を
及ぼさずに過剰量残存させる。
【0010】さらに、当業者は、フェロセンケトン、特
にアセチルフェロセンを対応するアルキルフェロセンに
化学的に還元することができ、例えば、K.Schloegl, A.
Mohar and M.Peterlik, Monatsch.Chem., 1961, No.92,
pp.921-926 に記載されているようにNaBH4 とAl
Cl3 の組み合わせ及びAlLiH4 とAlCl3 の組
み合わせを用いる方法がある。しかし、当業者はこれら
の方法が選択的ではなく、しかもハロアルキル誘導体を
対応するアルカンに還元する可能性のあることを周知し
ている。このことは、例えば、J.March, Advanced Orga
nic Chemistry: Reactions, Mechanisms, and Structur
e, Second Edition, 1977, pages 399-401 に記載され
ており、ハロアルカノイルフェロセンのケトン官能基の
選択的還元を行う者に忠告している。
【0011】本発明は前記の問題の解決方法を提供す
る。本発明の目的はフェロセンもしくはアルキルフェロ
セン及びカルボン酸ハライドもしくはカルボン酸無水物
を出発物質として同一の媒体中で連続的に2段階の反応
で行う(いわゆる「One pot 」法)によってハロアルキ
ルフェロセンを生成するための単純で安価な工程を提供
することである。この第1段階の反応は「Friedel-Craf
ts」型の反応で、そして第2段階の反応は、反応混合物
の処理、特に反応混合物の加水分解、及び中間生成物の
精製もしくは単離を一切行わずに、第1段階の反応を完
了した混合物に直接金属水素化物を加える。一方、前記
の通り各々の操作(加水分解、問題の多い分離を有す抽
出、蒸留、再結晶等)は全て時間及び費用を要する。
【0012】本発明の合成方法は、その単純性と低コス
トであることを理由に工業的利用に特に利点を有し、ま
た、不安定で時間の経過とともに分解する、すなわち合
成が短時間であればあるほど高純度に得られるハロアル
カノイルフェロセン中間誘導体を単離しないことによっ
て収率を改善することが可能である。
【0013】本発明の合成方法は、いくつかの理由によ
って特別な利点を有する。まず第一に、多段階の工程で
は、当業者は第1段階から純度を制御することを重要な
こととみなす。しかし、本発明の方法では、ハロアルカ
ノイルフェロセン中間体は精製も単離もされない。
【0014】さらに、第1段階の「Friedel-Crafts」型
の反応によって実質的に全ての塩化アルミニウムは消費
される一方、第2段階の還元反応を起こすために、水素
化物と共にAlCl3 もしくはBF3 などの水素化物の
活性化剤を添加せずに還元剤として金属水素化物を選択
するだけでこの結果を得ることが可能である。
【0015】さらに、当該技術分野において当然推測さ
れることに反して、当業者はこれらの反応条件でハライ
ド官能基の顕著な還元反応を観測することはない。
【0016】出願人は以下の仮説に束縛されるものでは
ないが、本発明により、第2段階の還元反応の前に加水
分解を行わない結果、「Friedel-Crafts」反応によって
還元されるのはハロアルカノイルフェロセン誘導体では
なくそのAlCl3 錯体である可能性がある。
【0017】反応のレベルの基本的な違いは基本的には
前記の予想外の観測が原因の一部であるが、それにもか
かわらずこの仮説に基づく理由によってさえもこれを十
分に説明することはできない。
【0018】本発明の目的は、さらに詳しく述べると、
ハロアルキルフェロセンの新規な合成方法にあり、この
方法は触媒として塩化アルミニウムが存在する有機溶媒
中でカルボン酸ハライドもしくはカルボン酸無水物とフ
ェロセン及びアルキルフェロセンからなる群から選ばれ
るフェロセン誘導体とを反応させる「Friedel-Crafts」
型の第1段階の反応からなる。この新規な合成方法は、
第1段階の反応完了後に第1段階の反応中間体の単離及
び反応混合物の前処理、特に加水分解処理を行わずに金
属水素化物を反応混合物に添加することに特徴がある。
【0019】ハロアルキルフェロセンは望ましくは一般
【化3】 (式中、Rは炭素数1〜47のアルキル鎖であり、望ま
しくは炭素数1〜23、より望ましくは炭素数1〜1
1、さらに炭素数1〜7または2〜7のものが望まし
い。そして、RはCH2 もしくはポリメチレン基(CH
2 n (nは2≦n≦7の整数)であることが特に望ま
しい。そして、R1 及びR2 は互いに同一な基もしくは
異なる基であり、水素もしくは炭素数1〜8のアルキル
鎖を表し、望ましくは炭素数1〜4のアルキル鎖を表
す。そして特にR1 及びR2 が水素であり、もしくはR
1 及びR2 のどちらか一方がエチル基であることが望ま
しく、また、Xは塩素もしくは臭素を表し、塩素である
ことが望ましい)で示される。
【0020】前記の式(I)に相当する様々な望ましい
ハロアルキルフェロセンに対し、フェロセン及びアルキ
ルフェロセンからなる群より選ばれるフェロセン誘導体
は一般式
【化4】 (式中、R1 及びR2 は前記と同様な官能基を表す)で
示され、一方、カルボン酸は一般式 X−R−COOH
(III )(式中、X及びRは前記と同様な基を表す)で
示される。本発明の特に望ましい態様では、R1 及びR
2 は水素であり、Xは塩素であり、そしてnは3であ
る。すなわち、得られるハロアルキルフェロセンは4−
クロロブチルフェロセンである。
【0021】本発明の方法の「Friedel-Crafts」型の第
1段階の反応は当業者によく知られている。反応体とし
てカルボン酸塩化物及び溶媒としてCH2 Cl2 を用い
ることが望ましい。この反応のタイプに通常用いられる
他の溶媒を使用してもよい。例えば、ジクロロエタン及
びクロロホルムような塩素化溶媒が例示される。この第
1段階の反応は一般に、0〜35℃の温度で行われる。
カルボン酸ハライドもしくはカルボン酸無水物とフェロ
セン及びアルキルフェロセンからなる群より選ばれるフ
ェロセン誘導体のモル比は望ましくは1.0〜1.1で
あり、AlCl3 とこのフェロセン誘導体のモル比は
1.0〜1.1である。
【0022】望ましい方法はカルボン酸ハライドもしく
はカルボン酸無水物とAlCl3 を有機溶媒中で混合す
ることによって得られるアシル化用溶液を調製し、次
に、このアシル化用溶液をフェロセン誘導体の溶液にゆ
っくりと注ぐことから成る。この第1段階の反応が完了
すると、反応混合物はなんら物理的もしくは化学的処理
を必要としないまま金属水素化物が加えられる。金属水
素化物としては、LiAlH4 ,NaAlH4 ,NaB
4 ,B2 6、トリフェニルチンハイドライド及びL
iBH(C2 5 3 が例示される。硼化水素そして特
にNaBH4 の使用が望ましい。
【0023】好ましい方法によると、金属水素化物を溶
液にして望ましくはゆっくりと、例えば1〜4時間を超
える時間をかけて有機溶媒中の反応混合物に加える。適
当な有機溶媒は数多く存在し、例えばトリグリム、ジグ
リム、テトラヒドロフラン及びアルキルエーテルのよう
なものが例示される。「Friedel-Crafts」型の第1段階
での反応混合物の溶媒に混和性の溶媒を選ぶべきであ
る。
【0024】式 CH3 −〔O−(CH2 2 −〕3
CH3 で示されるトリグリムは特に望ましい。実際に、
意外なことに、生成物を単離するために引き続いて蒸留
を行ったところ残留フェロセンがトリグリムと共留した
ためにプラントのトラップ及び配管にはフェロセンは全
く残らなかった。この結果は、他の溶媒を用いた場合に
は観測されず前記の溶媒を用いたときに特徴的であり、
非常に利点を有す。まず第一に、カラムクロマトグラフ
ィーによって精製することなしにハロアルキルフェロセ
ンの蒸留を簡易にするだけではなく、既に記述したよう
に、「Friedel-Crafts」型の第1段階の反応物の割合を
変えて最終的に得られるフェロセンポリマーを分解する
原因となる二置換誘導体の形成を減少させることを可能
にする。
【0025】実際に、残留フェロセンの存在によってこ
の場合の問題を生じることはなく、カルボン酸ハライド
もしくはカルボン酸無水物に対するフェロセンのモル濃
度を増すことが可能であり、このことによって1,1′
−ジ(ハロアルカノイル)フェロセン誘導体の形成のリ
スクは減少する。さらに、当該技術においてNaBH4
を用いて還元を行うには多量の溶媒を必要とするが、N
aBH4 はジグリム中よりもトリグリム中でほぼ3倍程
度の量が溶解する。これにより、トリグリムの価格は一
般にジグリムよりも安価なので、非常に高価な溶媒の量
及びこの溶媒の蒸留工程にかかる時間をかなり削減する
ことができる。
【0026】金属水素化物を用いる第2段階の還元反応
は、望ましくは−10〜10℃の温度範囲で行う。この
第2段階の反応の後、反応混合物から生成する望ましい
ハロアルキルフェロセン誘導体を単離するために、例え
ば、まず反応混合物を加水分解することが可能である。
沈降によって分離した後、有機相が生じ、この有機溶媒
をそれ自体の性質に従って随意に減圧蒸留を行って除去
し、次にハロアルキルフェロセンを減圧蒸留する。目的
生成物を単離する他の方法、特に高分子量のハロアルキ
ルフェロセンを単離する方法には、例えばカラムクロマ
トグラフィーを用いる方法がある。以下の非制限の実施
例は本発明及び本発明の利点を例示する。
【0027】
【実施例】実施例1−4−クロロブチルフェロセンの合成 A)AlCl3 と4−クロロブチロイル塩化物の錯体の
調製 CH2 Cl2 5.4リットル及びAlCl3 750
g(5.62モル)を入れる。反応容器の温度が5℃以
下になるように冷却し、次に、撹拌しながら時間をかけ
て(約2時間)、4−クロロ−n−ブチロイル塩化物8
00g(5.68モル)を加える。このとき、反応容器
中の温度が5℃を超えないように冷却する。撹拌は約1
時間程度行う。このアシル化溶液(溶液A)は5℃に冷
却しておく。
【0028】B)NaBH4 のトリグリム溶液の調製 反応容器中のトリグリム1.5リットルを撹拌しながら
NaBH4 216g(5.68モル)を溶解させるこ
とによりNaBH4 のトリグリム溶液を調製する。Na
BH4 の溶解中、反応容器内の温度は約35℃まで上昇
する。完全に溶解させるために2〜3時間の撹拌を行
い、次に25℃まで冷却する(溶液B)。
【0029】C)4−クロロブチルフェロセンの合成 CH2 Cl2 2.6リットルをほうろうの反応容器に
入れ、次にフェロセン1000g(5.37モル)を加
える。フェロセンによって反応容器中に導入されうる水
を除去するために、40℃を超えないように加熱して還
流することによって0.8〜1リットルのCH2 Cl2
を蒸留する。この反応液を緩やかに加熱して還流しなが
ら、すでに調製したAlCl3 と4−クロロブチロイル
塩化物の錯体をゆっくりと(8〜10時間かけて)加え
る。次に、還流しながら反応混合物を30分間放置し、
続いて−5℃まで冷却する。
【0030】反応容器中の温度を−5℃以下に保ちなが
ら、先に調製したNaBH4 のトリグリム溶液を連続的
に(2〜3時間かけて)加えると紫色の溶液を得る。反
応混合物は橙色を帯びるようになる。反応混合物の温度
を0℃に保って撹拌しながら約1時間放置する。
【0031】次に、反応混合物の温度を10℃以下に保
ちながら、水6リットルを用いて加水分解する。反応混
合物を沈降させることにより分離し、有機相を除去す
る。水性相をCH2 Cl2 1リットルを用いて3回洗
浄し、そして有機相、すなわち反応混合物から生じる有
機相と水性相を洗浄した3つの有機相をひとまとめにす
る。ひとまとめにした有機相は、次に、NaCl飽和溶
液1.5リットルで洗浄し、次に、反応容器の温度が約
80℃になるように、この洗浄した有機相を加熱するこ
とによってCH2 Cl2 を蒸留する。7〜8リットルの
CH2 Cl2 はこのように回収され、Na2 SO4 を用
いて乾燥すると再利用することができる。次に、残留C
2 Cl2 を約80℃、約100mmHg(1.33×10
4Pa )の減圧の条件で抽出する。
【0032】次に、トリグリム及びトリグリムと混和す
ることが明らかとなった残留フェロセンを、約15mmHg
(2×103Pa )の減圧下及びカラムヘッドの温度が8
0〜90℃の条件で蒸留する。さらに3mmHg(4×10
2Pa )以下に減圧し、温度を147〜155℃にして蒸
留を行うと、基本的な分析並びにプロトンNMRスペク
トロメトリー及びIRスペクトロメトリーによって同定
される4−クロロブチルフェロセンを1160g得る。
収率は出発物質のフェロセンを基準にすると78%であ
る。得られる4−クロロブチルフェロセンの純度は99
%を超える。ガスクロマトグラフィーによる分析から、
この物質は0.2重量%以下のフェロセン、0.2重量
%以下の1,1′−ジ(4−クロロブチル)フェロセ
ン、0.1重量%以下のブチルフェロセン、0.1重量
%以下の4−ヒドロキシブチルフェロセン及び約0.4
重量%のトリグリムを含む。
【0033】実施例2 3−クロロプロピルフェロセン
の合成 合成の方法は、4−クロロ−n−ブチロイル塩化物80
0gの代わりに3−クロロ−n−プロピオニル塩化物7
20g(5.66モル)を用いたことを除き、実施例1
と同様に行った。プロトンNMRスペクトロメトリー及
びIRスペクトロメトリーにより同定される3−クロロ
プロピルフェロセンの収率は出発物質のフェロセンに対
して70%である。クロマトグラフィーによる分析は、
この物質の純度が99%を超えることを示している。
フロントページの続き (72)発明者 シャルレ−エンリー ビンセン フランス国,60460 プレシー スュール オワス,リュ オー プラトル,8

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 触媒としてアルミニウムが存在する有機
    溶媒中でカルボン酸ハライドもしくはカルボン酸無水物
    とフェロセン及びアルキルフェロセンからなる群より選
    ばれるフェロセン誘導体との第1段階の反応を含み、前
    記第1段階の反応の後に、中間化合物の単離を行わず
    に、この反応混合物に金属水素化物を加えることを特徴
    とするハロアルキルフェロセンの合成方法。
  2. 【請求項2】 ハロアルキルフェロセンが一般式(I) 【化1】 (式中、Rは炭素数1〜47のアルキル鎖を表し、R1
    及びR2 は、互いに同一の基もしくは異なる基であり、
    水素もしくは炭素数1〜8のアルキル鎖を表し、Xは塩
    素もしくは臭素を表す)で示され、フェロセン及びアル
    キルフェロセンからなる群より選ばれるフェロセン誘導
    体が、一般式(II) 【化2】 (式中、R1 及びR2 は前記と同様の基を表す)で示さ
    れ、そしてカルボン酸が一般式 X−R−COOH(II
    I )(式中、X及びRは前記と同様の基を表す)で示さ
    れることを特徴とする請求項1記載の合成方法。
  3. 【請求項3】 RがCH2 もしくはポリメチレン基(C
    2 n (nは2≦n≦7の整数)であることを特徴と
    する請求項2記載の合成方法。
  4. 【請求項4】 R1 及びR2 が水素であり、Xが水素で
    あり、そしてnが3であることを特徴とする請求項3記
    載の合成方法。
  5. 【請求項5】 金属水素化物が硼化水素であることを特
    徴とする請求項1記載の合成方法。
  6. 【請求項6】 硼化水素が水素化硼素ナトリウムである
    ことを特徴とする請求項5記載の合成方法。
  7. 【請求項7】 金属水素化物を有機溶媒に溶かして反応
    混合物に加えることを特徴とする請求項1記載の合成方
    法。
  8. 【請求項8】 金属水素化物がトリグリム溶液であるこ
    とを特徴とする請求項7記載の合成方法。
  9. 【請求項9】 第1段階の反応をメチレンクロライド媒
    体中で行うことを特徴とする請求項1記載の合成方法。
  10. 【請求項10】 金属水素化物を加えた後に反応混合物
    を加水分解し、有機相を回収して、次に、有機相の蒸留
    によってハロアルキルフェロセンを単離することを特徴
    とする請求項1記載の合成方法。
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