JPH0840037A - 車高調整装置 - Google Patents

車高調整装置

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Publication number
JPH0840037A
JPH0840037A JP18143494A JP18143494A JPH0840037A JP H0840037 A JPH0840037 A JP H0840037A JP 18143494 A JP18143494 A JP 18143494A JP 18143494 A JP18143494 A JP 18143494A JP H0840037 A JPH0840037 A JP H0840037A
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JP
Japan
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vehicle height
vehicle
adjusting device
control
time
Prior art date
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Application number
JP18143494A
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English (en)
Inventor
Eiki Matsunaga
松永  栄樹
Fumihito Asano
浅野  文仁
Satoshi Iwasaki
智 岩崎
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 車高を迅速に目標の車高に調節して、作業性
等を向上することができる車高調整装置を提供するこ
と。 【構成】 ステップ500にて、エアバルブが作動中で
あるか否かを判定する。ステップ510では、車高調整
終了直後か否かを判定する。ステップ520では、エア
バルブが作動中、即ち現在車高調整中であるので、目標
車高の不感帯に入っていないと見なして、T1時間にお
ける平均車高演算を行なう。ステップ530では、車高
調整終了直後であり、不感帯に入っている可能性が高い
ので、T2時間における平均車高演算を行なう。ステッ
プ540では、車高調整終了直後から時間が経過し、確
実に不感帯に入っていると見なされるので、T3時間に
おける平均車高演算を行なう。このT1,T2,T3時
間は、T1<<T2<<T3に設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばバスやトラック
等の車両の車高を調節することができる車高調整装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えばバスやトラック等の車
両において、乗降の際や荷物の積み降ろし作業の際など
に、その乗降や作業を容易にするために、車両の車高を
調節する車高調節装置が用いられている。
【0003】この車高調節装置としては、例えば特公平
6−449号等に示す様に、荷台下方に位置する後輪を
支持するためのリヤサスペンションに、リーフスプリン
グと流体圧式バネとを組み合わせたものを用いたものが
ある。そして、乗降や作業を行なう際などには、この流
体圧式バネに対して流体圧を吸排制御することによっ
て、車高を大きく下げて最低車高のバンプ状態とするこ
とにより、乗降や作業を容易に行なう様にしている。
【0004】上述した車高の調節は、予め車高調節装置
に設けられた制御装置に記憶された車高データを用いて
自動的に行なうことができる。例えば荷物の積み降ろし
用の基準の車高データや走行用の基準の車高データは、
予め制御装置に記憶されているので、ドライバは自動車
高スイッチをオンすることによって、所定の目標車高に
セットすることができる。またそれとは別に、手動車高
スイッチを操作することによって車高を上下させて、所
望の車高にセットすることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この様
に車高を自動或は手動にてセットする動作においては、
その車高を調節するスピードが遅いという問題があっ
た。例えば車高を10cm程度上下させる場合には、従
来の車高調節装置では数十秒ほどかかり、乗降に手間取
ったり、作業能率が低下するという問題があった。
【0006】これは、車両には荷台やシート等に加えて
各種の装置を搭載しなければならず、搭載できる車高調
節装置にはその重量や能力等の点で一定の制限があるか
らである。つまり、車高を調節する際に使用されるコン
プレッサの容量やサージタンクの容量に一定の制限があ
るためである。
【0007】本発明は、前記従来の技術の問題点を解消
することを課題とし、車両に搭載するという一定の制限
のもとでも、車高を迅速に目標の車高に調節して、作業
性等を向上することができる車高調整装置を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の請求項1の発明は、図1に例示する様に、車両の車高
を目標車高に収束させる収束制御を行なう車高調節装置
において、前記車高を測定する車高測定手段からの信号
に基づいて、所定の周期にて平均車高を算出する平均車
高算出手段と、前記目標車高に収束制御中であるか否か
を判定する収束制御判定手段と、該収束制御判定手段に
よって目標車高に収束制御中であると判断された場合に
は、前記平均車高を算出する周期を、前記収束制御中で
ないときの周期より短く設定する周期設定手段と、を備
えたことを特徴とする車高調整装置を要旨とする。
【0009】請求項2の発明は、図2に例示する様に、
車両の車高を調節するバルブを駆動制御することによっ
て、車高を目標車高に制御する車高調節装置において、
前記車高を測定する車高測定手段からの信号に基づい
て、所定の周期にて平均車高を算出する平均車高算出手
段と、前記バルブが作動中であるか否かを判定するバル
ブ作動判定手段と、該バルブ作動判定手段によってバル
ブが作動中であると判断された場合には、前記平均車高
を算出する周期を、前記バルブが作動中でないときの周
期より短く設定する周期設定手段と、を備えたことを特
徴とする車高調整装置を要旨とする。
【0010】請求項3の発明は、図3に例示する様に、
車両の車高を目標車高に収束させる収束制御を行なうと
ともに、収束した目標車高を維持する維持制御を行なう
車高調節装置において、前記車高を測定する車高測定手
段からの信号に基づいて、所定の周期にて平均車高を算
出する平均車高算出手段と、前記目標車高の収束制御直
後か又は直後から所定期間経過後かを判定する期間判定
手段と、該期間判定手段によって収束制御直後であると
判定された場合には、前記平均車高を算出する周期を、
前記収束制御直後から所定期間経過後のときの周期より
短く設定する周期設定手段と、を備えたことを特徴とす
る車高調整装置を要旨とする。
【0011】請求項4の発明は、図4に例示する様に、
車両の車高を目標車高に制御する車高調節装置におい
て、前記車両の実際の車高を測定する車高測定手段と、
該車高測定手段によって所定時間毎に検出した車高値を
用いて、該所定時間における平均車高を算出する平均車
高算出手段と、該平均車高算出手段によって求めた今回
の平均車高と前回の平均車高とに基づいて実車高を推定
する実車高推定手段と、を備えたことを特徴とする車高
調整装置を要旨とする。
【0012】請求項5の発明は、前記実車高推定手段
が、前記平均車高算出手段によって求めた今回の平均車
高と前回の平均車高との差の1/2に今回の平均車高を
加算して実車高を推定する手段であることを特徴とする
前記請求項4記載の車高調整装置を要旨とする。
【0013】請求項6の発明は、図5に例示する様に、
車両の車高をバルブによって目標車高に制御する車高調
節装置において、前記車高の実測値又は推定値を求める
車高検出手段と、該車高検出手段によって求めた車高値
と目標車高との偏差を求める偏差検出手段と、該偏差検
出手段によって求めた偏差が所定の閾値以上か否かを判
定する閾値判定手段と、該閾値判定手段によって前記偏
差が閾値以上であると判定された場合には、前記バルブ
のオンオフ制御を行なうオンオフ制御手段と、前記閾値
判定手段によって前記偏差が閾値未満であると判定され
た場合には、前記バルブのデューティ制御を行なうデュ
ーティ制御手段と、を備えたことを特徴とする車高調整
装置を要旨とする。
【0014】請求項7の発明は、前記閾値が車高速度に
応じて設定されることを特徴とする前記請求項6記載の
車高調整装置を要旨とする。請求項8の発明は、前記デ
ューティ制御手段によるデューティ制御を、2回に1回
の割で休止することを特徴とする前記請求項6又は7記
載の車高調整装置を要旨とする。
【0015】請求項9の発明は、図6に例示する様に、
車両の車高を手動操作手段にて調整する車高調節装置に
おいて、前記手動操作手段による車高の変更の指示の操
作時間を検出する操作時間検出手段と、該操作時間検出
手段によって検出された操作時間が所定時間よりも長い
か短いかを判定する操作時間判定手段と、該操作時間判
定手段によって操作時間が所定時間より長いと判定され
た場合には、前記操作時間に応じて車高を長時間にわた
り調整する長時間制御手段と、該操作時間判定手段によ
って操作時間が所定時間より短いと判定された場合に
は、車高を所定の短時間調整する短時間制御手段と、を
備えたことを特徴とする車高調整装置を要旨とする。
【0016】請求項10の発明は、図7に例示する様
に、予め記憶した車高データに基づいて、車両の車高制
御を行なう車高調節装置において、複数の車種に応じた
車高データを記憶する車高データ記憶手段と、外部信号
に基づいて自身の車種を判別する車種判別手段と、該車
種判別手段によって判別した自身の車種を記憶する車種
記憶手段と、前記車高の制御を行なう際には、前記車高
データ記憶手段に記憶した複数の車種の車高データのう
ち、前記車種記憶手段によって記憶した車種の車高デー
タを用いて車高の制御を行なう車高制御手段と、を備え
たことを特徴とする前記請求項1〜9のいずれか記載の
車高調整装置を要旨とする。
【0017】請求項11の発明は、図8に例示する様
に、予め記憶された目標車高に自動にて調整する自動モ
ードと、車高を手動にて調整する手動モードとを備え、
各モードにて手動操作手段により車両の車高制御を行な
う車高調節装置において、前記自動モードにおける前記
手動操作手段の操作時間を測定する操作時間測定手段
と、該操作時間測定手段によって測定された操作時間が
所定時間以上か否かを判定する操作時間判定手段と、該
操作時間判定手段によって操作時間が所定時間以上であ
ると判断された場合には、現状車高を前記自動モードの
目標車高として記憶する目標車高記憶手段と、前記操作
時間判定手段によって操作時間が所定時間以上ではない
と判断された場合には、前記予め記憶された目標車高を
今回の目標車高として設定する目標車高設定手段と、を
備えたことを特徴とする前記請求項1〜9のいずれか記
載の車高調整装置を要旨とする。
【0018】請求項12の発明は、車両の車高を手動に
て調整する手動モードを備えた車高調節装置において、
手動モードにて機能する第1及び第2のスイッチからな
る1組の操作手段を有し、該第1及び第2のスイッチの
オンオフの組み合せによって、手動にて車高を調整する
車輪を選択することを特徴とする前記請求項1〜9のい
ずれか記載の車高調整装置を要旨とする。
【0019】請求項13の発明は、予め記憶された目標
車高に自動にて調整する自動モードと、車高を手動にて
調整する手動モードとを備えた車高調節装置において、
前記自動モードと手動モードとを切り換えるモード切換
手段と、該モード切換手段にて切り換えられる自動モー
ド及び手動モードにて車高の調整を行う操作手段と、を
備えるとともに、該操作手段は、自動モードの場合には
目標車高に調整する機能に設定され、手動モードの場合
には手動にて車高を調整する機能に設定されることを特
徴とする前記請求項1〜9のいずれか記載の車高調整装
置を要旨とする。
【0020】
【作用】請求項1の発明では、平均車高算出手段によっ
て、車高測定手段からの信号に基づいて所定の周期にて
平均車高を算出するとともに、収束制御判定手段によっ
て、目標車高に収束制御中であるか否かを判定する。こ
こで目標車高に収束制御中であると判断された場合に
は、周期設定手段によって、平均車高を算出する周期を
収束制御中でないときの周期より短く設定する。
【0021】つまり、本発明では、目標車高に収束させ
る制御を行っている場合には、短い周期で平均車高を算
出するが、収束制御の後に行われるいわゆるレベリング
制御の場合には、それより長い周期にて平均車高の算出
を行なうものである。これによって、車高の変化の急な
収束制御の場合に精密に平均車高を算出することができ
るので、収束性が向上することになる。
【0022】請求項2の発明は、請求項1を具体的に示
したものであり、平均車高算出手段車高によって、車高
測定手段からの信号に基づいて所定の周期にて平均車高
を算出するとともに、バルブ作動判定手段によって、バ
ルブが作動中であるか否かを判定する。ここでバルブが
作動中であると判断された場合には、周期設定手段によ
って、平均車高を算出する周期をバルブが作動中でない
ときの周期より短く設定する。
【0023】請求項3の発明では、平均車高算出手段に
よって、車高を測定する車高測定手段からの信号に基づ
いて所定の周期にて平均車高を算出するとともに、期間
判定手段によって、目標車高の収束制御直後か又は直後
から所定期間経過後かを判定する。ここで収束制御直後
であると判定された場合には、周期設定手段によって、
平均車高を算出する周期を収束制御直後から所定期間経
過後のときの周期より短く設定する。
【0024】つまり、本発明では、目標車高に収束させ
る制御を行った直後には、短い周期で平均車高を算出す
るが、収束制御直後から所定期間経過した後には、それ
より長い周期にて平均車高の算出を行なうものである。
これによって、目標車高に収束させた後も、比較的短い
時間で再度車高値を監視することになるので、いわゆる
レベリング時における、荷重変動による目標車高とのず
れを早く修正することが可能である。
【0025】請求項4の発明では、車高測定手段によっ
て所定時間毎に実際に測定した車高値を用い、平均車高
算出手段によって、所定時間における平均車高を算出す
る。そして、この車高算出手段によって求めた今回の平
均車高と前回の平均車高とに基づいて、実車高推定手段
によって実車高を推定する。
【0026】これによって、実車高の推定精度が向上す
るので、オーバーシュートを低減してハンチングを防止
できる。請求項5の発明は、請求項4の発明を具体的に
説明したものであり、平均車高算出手段によって求めた
今回の平均車高と前回の平均車高との差の1/2に、今
回の平均車高を加算して、より精密に実車高を推定する
ものである。
【0027】請求項6の発明では、車高検出手段によっ
て、車高の実測値又は推定値を求め、偏差検出手段によ
って、この車高値と目標車高との偏差を求める。そし
て、閾値判定手段によって、この偏差が所定の閾値以上
か否かを判定し、ここで偏差が閾値以上であると判定さ
れた場合には、オンオフ制御手段によって、バルブのオ
ンオフ制御を行ない、一方、偏差が閾値未満であると判
定された場合には、デューティ制御手段によって、バル
ブのデューティ制御を行なう。
【0028】つまり、本発明では、目標車高との偏差に
応じて、バルブのオンオフ制御とデューティ制御とを切
り換えるものであり、偏差が大きい時にはオンオフ制御
によって応答性が向上し、偏差が小さい時にはデューテ
ィ制御によって目標車高への収束性が向上する。
【0029】請求項7の発明では、前記請求項6の閾値
が車高速度に応じて設定されているので、一層応答性及
び収束性に優れることになる。請求項8の発明では、前
記請求項6又は7のデューティ制御手段によるデューテ
ィ制御を、2回に1回の割で休止するので、ハンチング
が防止される。
【0030】請求項9の発明では、操作時間検出手段に
よって、手動操作手段による車高の変更の指示の操作時
間を検出し、操作時間判定手段によって、この操作時間
が所定時間よりも長いか短いかを判定する。そして、操
作時間が所定時間より長いと判定された場合には、長時
間制御手段によって、操作時間に応じて車高を長時間に
わたり調整し、一方、操作時間が所定時間より短いと判
定された場合には、短時間制御手段によって、車高を所
定の短時間だけ調整する。
【0031】つまり、本発明は、例えば手動操作スイッ
チを押す時間の長さに応じて、粗調整とワンショットの
微調整とができる構成とすることによって、手動操作に
おける操作性を向上させたものである。請求項10の発
明では、車高データ記憶手段によって、複数の車種に応
じた車高データを記憶し、車種判別手段によって、外部
信号に基づいて自身の車種を判別するとともに、車種記
憶手段によって、その判別した自身の車種を記憶する。
そして、車高の制御を行なう際には、車高制御手段によ
って、車高データ記憶手段に記憶した複数の車種の車高
データのうち車種記憶手段によって記憶した車種の車高
データを用いて車高の制御を行なう。
【0032】つまり、本発明では、例えば1つの電子制
御装置(ECU)に複数の車種の車高データを記憶する
ことにより、各車種別に異なるECUを作成する必要が
なくなるので、作業能率を改善して量産効果を向上する
ことができるものである。請求項11の発明では、操作
時間測定手段によって、自動モードにおける手動操作手
段の操作時間を測定し、操作時間判定手段によって、こ
の測定された操作時間が所定時間以上か否かを判定す
る。そして、操作時間が所定時間以上である場合には、
現状車高を自動モードの目標車高として記憶し、一方、
操作時間が所定時間以上ではない場合には、目標車高設
定手段によって、予め記憶された目標車高を今回の制御
の目標車高として設定する。
【0033】つまり、本発明では、例えば1つの手動操
作スイッチを押す時間の違いに応じて、自動モードにお
ける目標車高に調整する自動操作と、既に手動にて調整
した現在車高を自動モードにおける目標車高として記憶
する記憶操作とができる構成とする。それによって、ス
イッチ操作の操作性が向上することになる。
【0034】請求項12の発明では、手動モードにて機
能する第1及び第2のスイッチからなる1組のスイッチ
のオンオフの組み合せによって、手動にて車高を調整す
る車輪を選択することが可能である。請求項13の発明
では、モード切換手段によって、自動モードと手動モー
ドとを切り換え、操作手段によって、自動モード及び手
動モードにて車高の調整を行う。つまり、モード切換手
段によってその機能が切り換えられる例えば1つの操作
手段により、自動モードの場合には目標車高に調整し、
手動モードの場合には手動にて車高を調整することがで
きる。
【0035】
【実施例】以下、本発明の実施例の車高調整装置を説明
する。まず、本実施例の車高調整装置の装置構成を、図
9〜11に基づいて具体的に説明する。尚、図9はエア
回路を含む全体の構成図であり、図10は電気的構成を
示すブロック図であり、図11はスイッチ構成を示す説
明図である。
【0036】図9において、1,2は左右の前輪の上下
振動を吸収するための第1及び第2エアばねであり、
3,4は同様に左右の後輪の上下振動を吸収するための
第3及び第4エアばねである。この第1〜第4エアばね
1〜4は、配管5を介してエアを貯溜するリザーブタン
ク7に接続されており、リザーブタンク7は、配管5を
介してエア供給源としてのコンプレッサ9に接続されて
いる。
【0037】前記第1エアばね1は、配管5に設けられ
た(電磁弁である)第1エアバルブ11及び第1給排切
換エアバルブ21を介してリザーブタンク7に接続され
ており、第2エアばね2は、第2エアバルブ12及び第
1給排切換エアバルブ21を介してリザーブタンク7に
接続されている。また、第3エアばね3は、第3エアバ
ルブ13及び第2給排切換エアバルブ22を介してリザ
ーブタンク7に接続されており、第4エアばね4は、第
4エアバルブ14及び第2給排切換エアバルブ22を介
してリザーブタンク7に接続されている。
【0038】前記第1〜第4エアバルブ11〜14は、
配管5内のエアの流路を開閉することによって、第1〜
第4エアばね1〜4へのエアの流入と第1〜第4エアば
ね11〜4からのエアの流出とを調節するバルブであ
る。また、第1,第2給排切換エアバルブ21,22
は、エアのリザーブタンク7から第1〜第4エアばね1
〜4側への供給(給気)と第1〜第4エアばね1〜4側
から大気側への放出(排気)とを切り換えるためのバル
ブである。この第1〜第4エアバルブ11〜14及び第
1,第2給排切換エアバルブ21,22は、電子制御装
置(ECU)17からの制御信号によって駆動制御され
る。
【0039】例えば車両のフロント側の(両輪の)車
高を上昇させる場合には、第1給排切換エアバルブ21
を給気側に切り換えるとともに、第1,第2エアバルブ
11,12を開く。それによって、エアはリザーブタン
ク7から第1給排切換エアバルブ21及び第1,第2エ
アバルブ11,12を介して、第1,第2エアばね1,
2に供給されるので、車高が上昇する。
【0040】また、例えば車両のフロント側の車高を
維持する場合には、第1,第2エアバルブ11,12を
閉じる。それによって、エアは第1,第2エアばね1,
2から移動しない様に規制されるので、車高は維持され
る。 更に、例えば車両のフロント側の車高を下降させる場
合には、第1給排切換エアバルブ21を排気側に切り換
えるとともに、第1,第2エアバルブ11,12を開
く。それによって、エアは第1,第2エアばね1,2か
ら第1,第2エアバルブ11,12を介して、第1給排
切換エアバルブ21から大気側に放出されるので、車高
は下降する。
【0041】尚、リヤ側についても、使用するエアバル
ブが異なるのみで同様に行なうことができ、また片側の
車輪のみを調節することも、対応するエアバルブを調節
することによって同様に行なうことができる。前記EC
U17は、図10に示す様に、周知のCPU17a,R
OM17b,RAM17c,EEPROM17d,入力
ポート17e,出力ポート17f,バスライン17g等
を備えている。そして、入力ポート17eには、各車輪
毎に設けられてその位置での車高を検出する車高センサ
25と、後述する各種のスイッチ類が接続されている。
また、出力ポート17fには、エアコンプレッサ9と、
第1〜第4エアバルブ11〜14と、第1,第2給排切
換エアバルブ21,22と、異常を報知する警報ランプ
27及び警報ブザー28とが接続されている。
【0042】尚、前記ECU17には、例えば図示しな
い3本の信号線(ワイヤーハーネス)が、当該ECU1
7が搭載された車種に対応して接続されており、図示し
ないイグニッションがオンされると、この3本の信号線
から車種に応じたオンオフの信号がECU17入力され
るので、車種をこの信号線のハード構成にて区別するこ
とができる。
【0043】前記ROM17bには、後に詳述する様
に、車種別及び各(自動モードにおける)操作スイッチ
別に設定された目標車高等の車高データが、各車種コー
ドとともに記憶されている。また、EEPROM17d
には、ECU17出荷時には初期コードが記憶されてい
るが、車両出荷時には初期コードに替わって車種コード
が記憶される。
【0044】前記車高センサ25としては、既存のポテ
ンシオメータやホール素子等を用いたセンサを利用で
き、接触式、非接触式を問わない。前記スイッチ類とし
ては、下記の各種のスイッチが使用される。即ち、図1
1及び下記表1に示す様に、自動モードと手動モードと
記憶モードとを切り換えるモード切換スイッチMSと、
各モード下において異なる機能を有する第1〜第4車高
調整操作スイッチS1〜S4(操作スイッチと総称す
る)とを備えている。
【0045】
【表1】
【0046】このうち、自動モードは、予め記憶された
目標車高に自動的に設定するモードであり、この自動モ
ードにおいては、第1操作スイッチS1は、車両の前部
を下げ且つ後部を上げるクラウチング起動スイッチとし
て機能し、第2操作スイッチS2は、フェリー乗船時に
大きく車体全体を下げるフェリー起動スイッチとして機
能し、第3操作スイッチS3は、所定の高さに車高を上
昇させる車高アップ起動スイッチとして機能し、第4操
作スイッチS4は、所定の高さに車高を下降させる車高
ダウン起動スイッチとして機能する。
【0047】また、手動モードは、手動にて所望の車高
に設定するモードであり、この手動モードにおいては、
第1操作スイッチS1は、スイッチオンの間は車高を上
げ続ける車高上げスイッチとして機能し、第2操作スイ
ッチS2は、スイッチオンの間は車高を下げ続ける車高
下げスイッチとして機能し、第3及び第4操作スイッチ
S3,S4は、どの車輪に対して車高を操作するかを指
定する車輪選択スイッチとして機能する。
【0048】即ち、下記表2に示す様に、第3及び第4
操作スイッチS3,S4が共にオフの場合は、操作する
対象としてフロントの両車輪(Fr輪)を選択し、第3
操作スイッチS3がオンで第4操作スイッチS4がオフ
の場合はリヤの右車輪(RR輪)を選択し、第3操作ス
イッチS3がオフで第4操作スイッチS4がオンの場合
はリヤの左車輪(RL)を選択する。
【0049】尚、下記表2では、フロントは左右同時
に、リヤは独立を示したが、フロント/リヤ共に独立で
あっても、同時であってもよい。
【0050】
【表2】
【0051】また、記憶モードは、手動モードにて設定
された車高を記憶するモードであり、この記憶モードに
おいては、第1〜第4操作スイッチS1〜S4は、手動
モードにて設定された車高を、各々メモリA〜Dに記憶
する記憶スイッチとして機能する。そして、この記憶モ
ードにて記憶された車高に自動的に調節する場合は、前
記自動モードにて、各メモリA〜Dに対応する第1〜第
4操作スイッチS1〜S4をオンすればよい。
【0052】従って、例えば自動にて車高を調節する
場合には、まず、モード切換スイッチMSを操作して自
動モードを選択し、その後各操作スイッチS1〜S4を
操作する。また、手動にて車高を設定する場合には、
まず、手動モードを選択し、次いで第3及び第4操作ス
イッチS3,S4を操作して車高を設定する車輪を選択
し、その後第1及び第2操作スイッチS1,S2を操作
して、所望の車高に設定する。更に、この手動にて設
定した車高を記憶したい場合には、記憶モードを選択
し、第1〜第4操作スイッチS1〜S4をオンすること
によって各メモリA〜Dにその車高を記憶する。そし
て、メモリA〜Dに記憶した車高に自動的に調節したい
場合には、自動モードを選択し、メモリA〜Dに対応す
る第1〜第4操作スイッチS1〜S4を操作する。
【0053】尚、前記記憶モードによる記憶がなされて
いる場合は、自動モードにおけるクラウチング起動など
の機能は停止されるが、通常の自動モードにおける機能
を復活させる場合は、例えば復活用のスイッチを設けた
り、或は別に復活用のモードを設け、各メモリA〜Dの
内容をクリアする様にしてもよい。
【0054】また、前記手動モードにて、車輪を指定し
ないで第1,第2操作スイッチS1,S2を操作した場
合は、車両全体が上下する様に構成してもよい。更に、
前記自動モードにおけるクラウチング起動などの機能の
停止を望まない場合は、例えばモード切換スイッチMS
で切り換えられるモードとして、記憶モードにて記憶さ
れた車高に自動的に調節する記憶実行モードを別途設
け、この記憶実行モードにおいて、第1〜第4操作スイ
ッチS1〜S4を操作したときには、各メモリA〜Dに
記憶された車高に自動的に調節される様にしてもよい。
【0055】次に、前記構成を備えた本実施例の車高調
整装置の動作の概略を、図12の基本動作を示すフロー
チャートに基づいて説明する。図12に示す様に、ステ
ップ10にて、カウンタ等のクリアなどの初期化処理を
行なう。
【0056】続くステップ20にて、ワイヤハーネスか
ら車種別信号を取り込み、ステップ30にて、モード切
換スイッチMSからモード切換スイッチ信号を取り込
み、ステップ40にて、第1〜第4操作スイッチS1〜
S4から操作スイッチ信号を取り込み、ステップ50に
て車高センサ25から車高信号を取り込む。
【0057】続くステップ60にて、上記の様にして取
り込んだ各信号を用いて目標車高を演算し、ステップ7
0にて、制御状態に応じて変化する実車高推定する演算
を行なう。続くステップ70にて、上記の様にして演算
して求めた目標車高及び実車高推定値等を用いて、実際
に車高を変化させるバルブ駆動指令値を演算し、ステッ
プ80にて、その演算したバルブ駆動指令値を第1〜第
4エアバルブ11〜14及び第1,第2給排切換エアバ
ルブ21,22等のエアバルブに出力し、以下前記ステ
ップ20〜90の処理を繰り返す。
【0058】次に、上述した車高調整装置の動作の詳細
を、以下順次説明する。 (1)車種判別の処理 本実施例においては、ECU17の出荷時に、予めEE
PROM17dの所定領域に初期コードを記憶してお
き、その後ECU17を搭載した車両を出荷する際に、
上述したワイヤーハーネスによる信号である車種判別信
号を取り込み、初期コードを消去して、この車種判別信
号を車種コードとして前記所定領域に記憶する。
【0059】そして、図13に示す様に、イグニッショ
ンがオンされると、ステップ100にて、EEPROM
17d内に記憶された車種コードを、CPU17aの処
理領域に読み込む。続くステップ110では、読み込ん
だ車種コードが初期コードであるか否かによって、車種
コードが既に記憶済みであるかまだ記憶されていないか
を確認する。ここで記憶済みであると判断されるとステ
ップ120に進み、一方記憶されていないと判断される
とステップ170に進む。
【0060】ステップ120では、読み込んだデータが
車種コードであることが確認されたので、上述したワイ
ヤーハーネスによる信号である車種判別信号を取り込
む。続くステップ130では、車種判別信号と車種コー
ドとが一致するか否かをチェックする。ここで肯定判断
されるとステップ140に進み、一方否定判断されると
ステップ160に進む。
【0061】ステップ140では、車種コードが正しい
ことが確認されたので、車種コードに基づいて車種を判
別し、続くステップ150では、判別した車種に基づい
た各種の制御を行なう。一方、ステップ160では、車
種判別信号又は車種コードに異常があるので、異常が有
る旨を警報ランプ27等で報知するとともに(ウオーニ
ング)、車高制御を禁止し、一旦本処理を終了する。
【0062】また、前記ステップ110で、読み込んだ
データが実際に車種コードではなく、初期コードのまま
の状態であると判断されて進むステップ170では、車
種別信号を取り込み、続くステップ180にて、この車
種別信号を車種コードとしてセットして、前記ステップ
140に進む。
【0063】この様に、本実施例では、予め多くの車種
(即ち車種コード)に対応した車高データを例えば車種
別のマップの形式で備えている。そして、外部信号であ
る車種判別信号を用いてECU17が搭載された車両の
車種を確認して、その車種コードを記憶し、車高制御を
行なう場合には、この記憶した車種コードに対応した車
高データを選択して車両を制御している。従って、車高
制御を行なう対象の車種が多くとも、車種別のマップを
記憶した1種類のECU17を作成するだけでよく、作
業の能率が大きく向上するという顕著な効果を奏する。
特に、近年の様に、多品種少量生産を要求される場合に
は、その利点は一層大きくなる。
【0064】また、本実施例においては、ワイヤハーネ
スのハード構成により入力される車種判別信号と、既に
EEPROM17dに記憶された車種コードとを、例え
ばイグニッションオン時毎等の所定期間毎にクロスチェ
ックする。そして、両値が一致しない時には異常がある
と判断して、ウオーニングするとともに、車高制御を禁
止するので、安全性が向上するという効果がある。
【0065】ここで、本処理の基本構成を示すと、「予
め記憶した車高データに基づいて、車両の車高制御を行
なう車高調節装置において、複数の車種に応じた車高デ
ータを記憶する車高データ記憶手段と、外部信号に基づ
いて自身の車種を判別する車種判別手段と、該車種判別
手段によって判別した自身の車種を記憶する車種記憶手
段と、前記車高の制御を行なう際には、前記車高データ
記憶手段に記憶した複数の車種の車高データのうち、前
記車種記憶手段によって記憶した車種の車高データを用
いて車高の制御を行なう車高制御手段と、を備えたこと
を特徴とする車高調整装置。」となる。
【0066】また、「前記車高調整装置において、前記
車種を示す外部信号である車種判別信号と、前記車種記
憶手段に記憶されてた車種を示す車種コードとが、同一
の車種を示すデータであるか否かを監視するデータ監視
手段を備えたことを特徴とする車高調整装置。」とな
る。 (2)ECUの起動時に、現状車高のレベリングから車
高調整装置のシステムを起動する処理 本処理は、イグニッションをオンした場合に、急に車高
が変化してドライバや乗員等に不安を与えることを防止
するための処理である。例えばバスの様に、イグニッシ
ョンがオフされている間に乗客の乗降によって荷重移動
がある場合には、それに伴って車高も変化してしまうこ
とがあり、そのときには、イグニッションをオンしたと
たんに目標車高に上下に大きく変動することがあるの
で、本処理はこの様な不意の変化を防止するためのもの
である。
【0067】図14に示す様に、ステップ200にて、
イグニッションがオンされたか否かによって、ECU1
7が起動時であるか否かを判定する。ここで肯定判断さ
れるとステップ210に進み、一方否定判断されるとス
テップ230に進む。ステップ210では、車高センサ
25から読み取った現状の車高が、目標車高と一致して
いるか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステッ
プ220に進み、一方否定判断されるとステップ230
に進む。
【0068】ステップ220では、現状の車高を目標車
高に設定し、即ち、目標車高に制御しても車高の変動が
ない様に設定し、一旦本処理を終了する。一方、前記ス
テップ200にて、ECU17の起動時でないと判断さ
れて進むステップ230では、各操作スイッチS1〜S
4の要求に応じた目標車高を設定して、一旦本処理を終
了する。
【0069】この様に、本処理では、ECU17が起動
時の場合に、現状の車高と目標車高が一致していない場
合には、現状の車高を目標車高にセットしているので、
イグニッションをオンした場合でも、予期せぬ車高の変
化を防止できる。よってドライバが不安を生じることが
なく、スムーズにシステム起動を行うことができ、安全
性が向上する。
【0070】ここで、本処理の基本構成を示すと、「予
め記憶した車高データに基づいて、車両の車高制御を行
なう車高調節装置において、ECUの起動時か否かを判
定する起動時判定手段と、該起動時判定手段によって起
動時であると判断された場合には、現状の車高と目標車
高とが一致しているか否かを判定する一致手段と、該一
致判定手段によって現状の車高と目標車高とが一致して
いると判断された場合には、現状の車高を目標車高に設
定する設定手段と、を備えたことを特徴とする車高調整
装置。」となる。 (3)ECUのオフ時の処理 本処理は、ドライバがイグニッションをオンした場合
に、急に車高が変化してドライバや乗員に不安を与える
ことを防止するためと、迅速に目標車高に制御するため
の処理である。
【0071】図15に示す様に、ステップ300にて、
ECU17がオフタイミングであるか否かを、例えばイ
グニッションがオフされたか否かによって判定する。こ
こで肯定判断されるとステップ310に進み、現在の車
高制御の状態をEEPROM17dに記憶し、一旦本処
理を終了する。一方否定判断されると、そのまま本処理
を終了する。
【0072】この様に、本処理では、ECU17がオフ
タイミングである場合には、現在の車高制御の状態をE
EPROM17dに記憶するので、ECU17を起動す
る場合には、このEEPROM17dに記憶した車高制
御の状態から制御を出発することができる。従って、ド
ライバがイグニッションをオンした場合には、それほど
大きく目標車高が変動することがないので、スムーズに
システム起動を行うことができ、車高の急変化による不
安感が防止できる。また、終了した車高制御の状態から
開始できるので、多くの場合において、目的とする車高
に迅速に調整できるという利点もある。
【0073】ここで、本処理の基本構成を示すと、「予
め記憶した車高データに基づいて、車両の車高制御を行
なう車高調節装置において、ECUのオフタイミングで
あるか否かを判定する判定手段と、該判定手段によって
ECUのオフタイミングであると判断された場合には、
現在の車高状態を記憶する記憶手段と、を備えたことを
特徴とする車高調整装置。」となる。 (4)車高制御を行なっている場合に目標車高が変化し
たときの処理 図16に示す様に、ステップ350にて、所定の目標車
高の制御中に、操作スイッチS1〜S4の操作によって
目標車高が変更されたか否かを判定する。
【0074】ここで肯定判断されるとステップ360に
進み、最新の目標車高値をEEPROM17dに記憶
し、一旦本処理を終了する。一方否定判断されると、そ
のまま本処理を終了する。この様に、本処理では、車高
制御を行なって途中で目標車高が変化したときには、既
に選択され(制御の実行途中にある)目標車高ではな
く、最新の目標車高値を新たな目標車高としてEEPR
OM17dに記憶している。従って、実際の車高制御
は、この最新の目標車高の値に基づいて行われるので、
車高制御が迅速に行われるという効果がある。
【0075】ここで、本処理の基本構成を示すと、「予
め記憶した車高データに基づいて、車両の車高制御を行
なう車高調節装置において、目標車高に制御中に目標車
高が変更されたか否かを判定する判定手段と、該判定手
段によって目標車高に制御中に目標車高が変更されたと
判断された場合には、目標車高を変更された新たな目標
車高に設定する目標車高設定手段と、を備えたことを特
徴とする車高調整装置。」となる。 (5)自動操作と記憶操作の切換を行なう処理 本処理は、自動モードと手動モードと記憶モードとの3
つのモードに切り換えるものではなく、自動モードと手
動モードとの2つのモードに切換え、1つの操作スイッ
チをそのオン時間によって区別し、自動モードにおいて
記憶用の機能に切り換えるものである。
【0076】まず、手動モードにて所望の車高に設定さ
れた後に、自動モードに切り換えられた場合において、
図17に示す様に、ステップ400にて、いずれかの操
作スイッチ(例えば第1操作スイッチS1)が操作さ
れ、現在操作スイッチがオン状態であるか否かを判定す
る。ここで肯定判断されるとステップ410に進み、一
方否定判断されるとステップ430に進む。
【0077】ステップ410では、オン時間が所定時間
以上か否かを判定する。ここで、所定時間以上であると
判断されると、ステップ420に進み、一方否定判断さ
れると、一旦本処理を終了する。ステップ420では、
現状の車高(即ち既に手動にて設定された車高)を目標
車高として、対応する第1操作スイッチS1の目標車高
として記憶する。従って、次に自動モードにてこの第1
操作スイッチS1がオンされると、このステップ420
にて記憶された目標車高に自動的に制御されることにな
る。尚、操作されるスイッチは第1〜第4操作スイッチ
S1〜S4のいずれのスイッチでもよい。
【0078】一方、ステップ430では、第1操作スイ
ッチS1のオン状態が終了したか否かを、第1操作スイ
ッチS1から手が離される際に出力されるオフエッジが
検出されたか否かによって判定し、ここで肯定判断され
るとステップ440に進み、一方否定判断されると、一
旦本処理を終了する。
【0079】ステップ440では、オン時間が所定時間
未満か否かを判定し、ここで肯定判断されるとステップ
450に進み、一方否定判断されると、一旦本処理を終
了する。ステップ450では、第1操作スイッチS1が
短時間操作されただけであるので、自動モードにおける
通常の第1操作スイッチS1に対応した目標車高に設定
し、一旦本処理を終了する。
【0080】この様に、本処理では、手動モードにて所
望の車高に設定された後に、自動モードに切り換えられ
た場合において、任意の操作スイッチがオンされた時間
が所定時間より長く続く場合は、手動モードにて設定さ
れた車高を、自動モードにて自動設定される目標車高と
して記憶することができる。従って、次回に、自動モー
ドにて対応する操作スイッチを操作すると、手動モード
にて設定した車高に自動的にセットされることになる。
つまり、この様にスイッチの機能を設定することによっ
て、モードの数を節約できるので、構造が簡易化される
という利点があり、ドライバの操作性も向上する。
【0081】また、この場合では、手動モードで設定し
た値を記憶すると、例えばクラウチング等の機能はその
間は実行できなくなるので、これとは別に、上述した様
な記憶実行モードを設け、本処理で記憶した目標車高に
制御する動作を、この記憶実行モードにて実行させても
よい。
【0082】ここで、本処理の基本構成を示すと、「予
め記憶された目標車高に自動にて調整する自動モード
と、車高を手動にて調整する手動モードとを備え、各モ
ードにて手動操作手段により車両の車高制御を行なう車
高調節装置において、前記自動モードにおける前記手動
操作手段の操作時間を測定する操作時間測定手段と、該
操作時間測定手段によって測定された操作時間が所定時
間以上か否かを判定する操作時間判定手段と、該操作時
間判定手段によって操作時間が所定時間以上であると判
断された場合には、現状車高を前記自動モードの目標車
高として記憶する目標車高記憶手段と、前記操作時間判
定手段によって操作時間が所定時間以上ではないと判断
された場合には、前記予め記憶された目標車高を今回の
目標車高として設定する目標車高設定手段と、を備えた
ことを特徴とする車高調整装置。」となる。 (6)車高調整直後又はバルブ作動中に実車高推定演算
周期の短縮を行なう処理 本処理は、車高制御の制御状態に応じて演算周期を変更
することによって、演算処理を軽減するとともに、迅速
に車高制御を行なうための処理である。尚、本処理は、
例えば10msや30ms毎に実行される。
【0083】図18に示す様に、ステップ500にて、
現在制御対象となるエアバルブが作動中であるか否かを
判定する。ここで否定判断されるとステップ510に進
み、一方肯定判断されるとステップ520に進む。ステ
ップ510では、車高調整終了直後か否かを例えばエア
バルブに対する制御信号等から判定し、ここで肯定判断
されるとステップ530に進み、一方否定判断されると
ステップ540に進む。
【0084】そして、前記ステップ520では、エアバ
ルブが作動中、即ち現在車高調整中であるので、図19
に示す目標車高の上下の所定幅に設定された不感帯に入
っていないと見なして、(車高センサ25からの信号に
基づいて)T1時間における平均車高演算を行なう。こ
のT1時間とは、例えば0.2secの様な非常に短い期間
であり、不感帯に入っていない場合は、早く作動(迅速
に車高を変化)させるので、この様な短期間のサイクル
による平均車高を求める必要がある。尚、車高センサ2
5からの信号から得た車高をそのまま用いずに、その平
均値を使用するのは、振動等の誤差を除去してより正確
な値を得るためである。
【0085】また、ステップ530では、車高調整終了
直後であり、不感帯に入っている可能性が高いので、T
2時間における平均車高演算を行なう。このT2時間と
は、例えば5secの様なT1時間より長い中程度の期間
であり、不感帯に入った直後にはそれほど大きく変化し
ないと予想されるが不感帯から出る可能性もあるので、
この程度の期間のサイクルによる平均車高を求める必要
がある。また、これによって制御中の荷重変動にも対応
できる。
【0086】更に、ステップ540では、車高調整終了
直後から時間が経過し、確実に不感帯に入っていると見
なされるので、T3時間における平均車高演算を行な
う。このT3時間とは、例えば60secの様なT2時間
より一層長期間であり、不感帯に入って有る程度時間が
経過した後には大きく車高が変化しないと予想されるの
で、この程度の期間のサイクルによる平均車高を求めれ
ば十分である。
【0087】そして、前記ステップ520,530,5
40の後のステップ550では、求めた平均車高より例
えば後述する(7)欄の処理によって実車高を推定し、
一旦本処理を終了する。この様に、本処理では、車高調
整中の場合には、短いサイクルT1で平均車高を算出
し、車高調整直後の場合には、中程度のサイクルT2で
平均車高を算出し、車高調整直後から時間が経過してい
る場合には、長いサイクルT3で平均車高を算出し、こ
の算出した平均車高を用いて実車高を推定しているの
で、不要な演算を行なう必要がなく且つ十分な演算結果
が得られる。よって、迅速に且つ精密に車高を制御でき
るという効果がある。
【0088】具体的には、バルブ作動中はバルブ停止中
の平均車高の算出時間T2,T3より短いサイクルT1
で平均車高を算出することにより、目標車高への収束性
を向上することができる。また、バルブ停止中であって
も、車高調整直後の場合は、通常のバルブ停止中の平均
車高の算出時間T3より短いサイクルT2で平均車高を
算出することにより、例えば荷重変動により生じた目標
車高とのズレを早く修正することができる。尚、T1<<
T2<<T3である。
【0089】ここで、本処理の基本構成を示すと、「車
両の車高を目標車高に収束させる収束制御を行なう車高
調節装置において、前記車高を測定する車高測定手段か
らの信号に基づいて、所定の周期にて平均車高を算出す
る平均車高算出手段と、前記目標車高に収束制御中であ
るか否かを判定する収束制御判定手段と、該収束制御判
定手段によって目標車高に収束制御中であると判断され
た場合には、前記平均車高を算出する周期を、前記収束
制御中でないときの周期より短く設定する周期設定手段
と、を備えたことを特徴とする車高調整装置。」とな
る。
【0090】また、「車両の車高を調節するバルブを駆
動制御することによって、車高を目標車高に制御する車
高調節装置において、前記車高を測定する車高測定手段
からの信号に基づいて、所定の周期にて平均車高を算出
する平均車高算出手段と、前記バルブが作動中であるか
否かを判定するバルブ作動判定手段と、該バルブ作動判
定手段によってバルブが作動中であると判断された場合
には、前記平均車高を算出する周期を、前記バルブが作
動中でないときの周期より短く設定する周期設定手段
と、を備えたことを特徴とする車高調整装置。」とな
る。
【0091】更に、「車両の車高を目標車高に収束させ
る収束制御を行なうとともに、収束した目標車高を維持
する維持制御を行なう車高調節装置において、前記車高
を測定する車高測定手段からの信号に基づいて、所定の
周期にて平均車高を算出する平均車高算出手段と、前記
目標車高の収束制御直後か又は直後から所定期間経過後
かを判定する期間判定手段と、該期間判定手段によって
収束制御直後であると判定された場合には、前記平均車
高を算出する周期を、前記収束制御直後から所定期間経
過後のときの周期より短く設定する周期設定手段と、を
備えたことを特徴とする車高調整装置。」となる。 (7)実車高推定演算の処理 本処理は、前記(6)欄の様にして求めた各時間T1,
T2,T3における平均車高を用いて、実車高を推定す
る処理である。
【0092】図20に示す様に、ステップ600にて、
各所定時間(T1,T2,T3)における今回の平均車
高(HTA)を演算する。続くステップ610では、今
回の平均車高HTAと前回の平均車高HTABとから、
実車高RHTを推定演算する。具体的には、下記式
(1)に示す様に、今回の平均車高HTAと前回の平均
車高HTABの差の1/2に今回の平均車高HTAを加
算する。これは、前回から今回の計測までの変化で同様
に車高が変化すると見なして実車高を推定するものであ
る。
【0093】 RTH=HTA+(HTA−HTAB)/2…(1) 続くステップ620では、今回の平均車高HTAを前回
の平均車高HTABとして記憶し、一旦本処理を終了す
る。この様に、本処理では、今回の平均車高HTAと前
回の平均車高HTABの差の1/2に今回の平均車高H
TAを加算して実車高を推定しているので、正確に実車
高を推定することができる。つまり、実車高の推定精度
を向上でき、オーバーシュートの防止及びハンチングを
防止することができる。
【0094】ここで、本処理の基本構成を示すと、「車
両の車高を目標車高に制御する車高調節装置において、
車両の実際の車高を測定する車高測定手段と、該車高測
定手段によって所定時間毎に測定した車高値を用いて、
該所定時間における平均車高を算出する平均車高算出手
段と、該平均車高算出手段によって求めた今回の平均車
高と前回の平均車高とに基づいて実車高を推定する実車
高推定手段と、を備えたことを特徴とする車高調整装
置。」となる。
【0095】また、「車両の車高を目標車高に制御する
車高調節装置において、車両の実際の車高を測定する車
高測定手段と、該車高測定手段によって所定時間毎に測
定した車高値を用いて、該所定時間における平均車高を
算出する平均車高算出手段と、該平均車高算出手段によ
って求めた今回の平均車高と前回の平均車高との差の1
/2に今回の平均車高を加算して実車高を推定する実車
高推定手段と、を備えたことを特徴とする車高調整装
置。」となる。 (8)エンスト時の処理 本処理は、エンストが発生した場合における例えば一定
車高の維持(レベリング)等の処理である。
【0096】図21に示す様に、ステップ700にて、
エンスト時であるか否かを判定する。例えば、イグニッ
ションキーオンの状態で、エンジン回転数が所定値以下
に低下した場合や、エンジン回転数が所定値以上の割合
で低下した場合や、(エンジンオイル圧力センサにて)
エンジンオイル圧力が所定値以下に低下した場合などに
は、エンストが発生したと判定する。ここで肯定判断さ
れるとステップ710に進み、一方否定判断されるとス
テップ770に進む。
【0097】ステップ710では、既に車高調整が開始
されているか否かを判定し、ここで肯定判断されるとス
テップ730に進み、一方否定判断されるとステップ7
60に進む。ステップ720では、車高制御状態が、目
標車高に制御中であるか又はレベリング中であるか又は
標準車高に復元中であるかを判定する。ここで、標準車
高とは、図22に示す様に、目標車高に制御する前の基
準となる車高、或は一旦目標車高に到達して現在維持さ
れている車高を意味する。
【0098】ステップ730では、エンスト時に目標車
高に制御中(例えば図22の時点A)であるので、制御
を中断することなく、そのまま目標車高に調整する。ス
テップ740では、エンスト時にレベリング中(例えば
図22の時点B)であるので、制御を中断することな
く、そのままレベリングを維持し、一旦本処理を終了す
る。
【0099】ステップ750では、エンスト時に標準車
高に復元中(図14の時点C)であるので、制御を中断
することなく、そのまま標準車高に調整し、一旦本処理
を終了する。ステップ760では、エンスト時に車高調
整を開始していないので、そのまま、標準車高のレベリ
ングを維持し、一旦本処理を終了する。尚、本処理で
は、操作スイッチの状態にかかわらず、標準車高のレベ
リングのみ実施する。
【0100】ステップ770では、エンスト時ではない
ので、通常の各操作スイッチに応じた車高制御を行い、
一旦本処理を終了する。この様に、本処理では、エン
スト時か否か、既に車高制御開始か否か、車高制御
状態は何か等の運転状態を判定し、この運転状態に応じ
て車高制御を行なうので、適切な制御を実行することが
できる。つまり、目標車高に制御中又は標準車高に復元
中である場合には、エンストになってもその制御を続
け、一方、レベリング制御中である場合には、そのまま
現状車高を維持できるので、必要な車高を確保できると
いう効果がある。例えばエンスト時に荷重変動があって
も、一定の車高を維持できるので、乗客の乗降性を好適
に維持できるという利点がある。
【0101】更に、エンスト時には一般にリザーブタン
ク7の内圧が低下するが、本処理では、エンスト時に、
一旦目標車高又は標準車高に調節された後、或はレベリ
ング制御によって所定の車高に維持されている場合に
は、操作スイッチによる目標車高への制御を禁止してい
る。よって、エネルギー消費を低減でき、低い内圧でも
確実な車高調整を行うことができる。
【0102】ここで、本処理の基本構成を示すと、「車
両の車高を目標車高に制御する車高調節装置において、
エンスト時か否かを判定するエンスト判定手段と、車高
調整が開始されているか否かを判定する車高調整判定手
段と、車高制御状態が標準車高又は目標車高へ制御中で
あるか否かを判定する車高制御状態判定手段と、前記エ
ンスト判定手段及び車高調整判定手段及び車高制御状態
判定手段によって、エンスト時で且つ車高制御開始後で
且つ目標車高に制御中であると判断された場合には、目
標車高への制御を持続する目標車高制御持続手段と、を
備えたことを特徴とする車高調整装置。」となる。
【0103】また、「車両の車高を目標車高に制御する
車高調節装置において、エンスト時か否かを判定するエ
ンスト判定手段と、車高調整が開始されているか否かを
判定する車高調整判定手段と、車高制御状態がレベリン
グ中であるか否かを判定する車高制御状態判定手段と、
前記エンスト判定手段及び車高調整判定手段及び車高
制御状態判定手段によって、エンスト時で且つ車高制御
開始後で且つレベリング中である場合にはレベリングの
制御を維持するレベリング制御手段と、を備えたことを
特徴とする車高調整装置。」となる。
【0104】更に、「車両の車高を目標車高に制御する
車高調節装置において、エンスト時か否かを判定するエ
ンスト判定手段と、車高調整が開始されているか否かを
判定する車高調整判定手段と、前記エンスト判定手段及
び車高調整判定手段によって、エンスト時で且つ車高調
整が開始されていないと判断された場合には、操作スイ
ッチによる目標車高への制御を禁止してレベリングの制
御を維持するレベリング制御手段と、を備えたことを特
徴とする車高調整装置。」となる。 (9)複数の機能要求時の処理 本処理は、操作スイッチ等によって複数の機能の実行が
要求された場合の処理である。
【0105】(その1;先の機能優先)図23に示す様
に、ステップ800にて、操作スイッチがオンされたか
否かを判定し、ここで肯定判断されるとステップ810
に進み、一方否定判断されるとステップ840に進む。
【0106】ステップ810では、既にオンされた操作
スイッチに応じて所定の機能が実行されているか否かを
判定し、ここで肯定判断されるとステップ820に進
み、一方否定判断されるとステップ830に進む。そし
て、ステップ820では、今回操作スイッチがオンされ
たが、既に他の操作スイッチがオンされているので、今
回の操作スイッチの機能を実行を保留し、現在実行中の
機能をそのまま実行して、一旦本処理を終了する。尚、
この場合、保留した機能の実行は、現在実行中の機能の
終了後に行ってもよいが、保留した機能の実行を禁止し
てもよい(即ち今回の操作スイッチの指示を無視す
る)。
【0107】ステップ830では、今回操作スイッチが
オンされときには、他の操作スイッチによる機能の実行
が行われていないので、そのまま今回の操作スイッチの
機能を実行実行し、一旦本処理を終了する。ステップ8
40では、操作スイッチがオンされていないので、標準
車高でのレベリングを実行し、一旦本処理を終了する。
【0108】この様に、本処理では、先に起動した機能
が優先的に実行されるので、制御が順次一つづく確実に
実行され、制御の手順が明確になる。また、機能実行中
に誤って操作スイッチが押された場合の誤動作を防止で
きる。ここで、本処理の基本構成を示すと、「車両の車
高を目標車高に制御する車高調節装置において、操作ス
イッチがオンされたか否かを判定するスイッチ判定手段
と、前記操作スイッチによる機能が実行中であるか否か
を判定する実行判定手段と、 前記スイッチ判定手段及
び実行判定手段によって、前記操作スイッチがオンされ
且つその機能が実行中であると判断された場合には、今
回入力された操作スイッチによる機能の実行を禁止する
とともに既に実行中の機能を継続する機能継続手段と、
を備えたことを特徴とする車高調整装置。」となる。
【0109】(その2;後の機能優先)図24に示す様
に、ステップ850にて、操作スイッチがオンされたか
否かを判定し、ここで肯定判断されるとステップ860
に進み、一方否定判断されるとステップ870に進む。
【0110】ステップ860では、今回操作されたスイ
ッチの機能を強制的に実行し、一旦本処理を終了する。
尚、この場合、既に他の機能が実行中である場合には、
その機能の実行を中止して、今回操作されたスイッチの
機能を実行する。一方、ステップ870では、操作スイ
ッチがオンされていないので、標準車高でのレベリング
を実行し、一旦本処理を終了する。
【0111】この様に、本処理では、後に起動した機能
が優先的に実行されるので、迅速に所望の車高に制御で
きるという効果がある。ここで、本処理の基本構成を示
すと、「車両の車高を目標車高に制御する車高調節装置
において、操作スイッチがオンされたか否かを判定する
スイッチ判定手段と、該スイッチ判定手段によって操作
スイッチがオンされたと判断された場合には、今回入力
された操作スイッチによる機能の実行を強制的に行なう
機能強制実行手段と、を備えたことを特徴とする車高調
整装置。」となる。
【0112】(その3;予め決められた優先順位による
機能実行)下記表3に示す様に、例えば機能K1(クラ
ウチング機能),K2(フェリー機能),K3(車体全
体上げ機能)に対して、機能K1の優先順位が機能K
2,K3よりも高く設定され、機能K2と機能K3の優
先順位は同じに設定されている。
【0113】
【表3】
【0114】従って、この様な場合に、前記(その1;
先の機能優先)の処理を行なうときには、機能K1の実
行の指示が当該操作スイッチにてなされると、そのまま
機能K1が実行される。そして、機能K1,K2に関し
ては同じ優先順位であるので、先に実行された機能が優
先される。
【0115】また、前記(その2;後の機能優先)の処
理を行なうときには、機能K1の実行の指示が当該操作
スイッチにてなされると、前記先の機能優先の場合と同
様に、そのまま機能K1が実行される。そして、機能K
1,K2に関しては、後に指示された機能が優先され
る。この様に、本処理では、所望の機能の優先順位を予
め設定することによって、必要とされる機能を最優先に
て実行することができ、制御性が向上するという効果が
ある。
【0116】ここで、本処理の基本構成を示すと、「車
両の車高を目標車高に制御する車高調節装置において、
機能の優先順位を記憶する優先順位記憶手段と、操作ス
イッチがオンされたか否かを判定するスイッチ判定手段
と、該スイッチ判定手段によって操作スイッチがオンさ
れたと判断された場合には、前記優先順位記憶手段に記
憶された機能の優先順位に基づいて機能の実行を行なう
機能実行手段と、を備えたことを特徴とする車高調整装
置。」となる。 (10)手動制御する車輪の選択を行う処理 本処理は、手動にて所定の操作スイッチをオンすること
によって、任意の車高に設定できる手動モードにて車高
を調整する場合に、調整する対象となる車輪を選択する
際の処理である。尚、車輪の選択には、前記表2に示す
様に、第3操作スイッチS3及び第4操作スイッチS4
を使用する。
【0117】(その1;車輪選択の処理)図25に示す
様に、ステップ900にて、手動モードであるか否かを
判定し、ここで肯定判断されるとステップ910に進
み、一方否定判断されると一旦本処理を終了する。
【0118】ステップ910では、上述した表2に基づ
いて、第3操作スイッチS3及び第4操作スイッチS4
の操作状態から、どの車輪が選択されのかを判定する。
ステップ920では、第3操作スイッチS3がオフで第
4操作スイッチS4もオフであり、両前輪(Fr輪)が
選択されているので、車高調整する対象の車輪をFr輪
に設定し、一旦本処理を終了する。
【0119】ステップ930では、第3操作スイッチS
3がオンで第4操作スイッチS4がオフであり、右後輪
(RR輪)が選択されているので、車高調整する対象の
車輪をRR輪に設定し、一旦本処理を終了する。ステッ
プ940では、第3操作スイッチS3がオフで第4操作
スイッチS4がオンであり、左後輪(RL輪)が選択さ
れているので、車高調整する対象の車輪をRL輪に設定
し、一旦本処理を終了する。
【0120】(その2;車高制御の処理)次に、前記ス
テップ920〜940の後の処理について説明する。図
26に示す様に、既に車高調整する車輪が選択されたの
であるから、ステップ950にて、第1,第2操作スイ
ッチS1,S2の操作状態を判定する。
【0121】ステップ960では、第1操作スイッチ
(上げスイッチ)S1がオンであるので、スイッチが押
されている間は、車高調整する対象の車輪に車高上げ指
令を行ない、一旦本処理を終了する。ステップ970で
は、第1操作スイッチS1及び第2操作スイッチ(下げ
スイッチ)S2が共にオフであるので、現車高で(エア
の通路を遮断することにより)ホールドし、一旦本処理
を終了する。尚、ここで、両操作スイッチS1,S2が
共にオフの状態が所定時間継続した場合は、荷重変動に
対応するために、その車高を目標車高としてレベリング
を行ってもよい。
【0122】ステップ980では、第2操作スイッチS
2がオンであるので、車高調整する対象の車輪に車高下
げ指令を行ない、一旦本処理を終了する。この様に、本
実施例では、手動モードにおいて一対の操作スイッチS
3,S4を用いて、車高を調整する車輪を選択すること
ができるので、車輪を選択するスイッチを別途設ける必
要がなく、スイッチ数を低減でき、ドライバの操作性を
向上することができる。
【0123】また、前記処理では、車輪の調整を3軸に
て行ったが、下記表4に示す様に、1〜4軸を適宜使用
することができる。
【0124】
【表4】
【0125】ここで、本処理の基本構成を示すと、「車
両の車高を手動にて調整する手動モードを備えた車高調
節装置において、手動モードにて機能する第1及び第2
のスイッチからなる1組の操作手段を有し、該第1及び
第2のスイッチのオンオフの組み合せによって、手動に
て車高を調整する車輪を選択することを特徴とする車高
調整装置。」となる。 (11)自動モードと手動モードとを切り換える場合の
処理 本処理は、モード切換スイッチMSによって、予め記憶
された目標車高に自動的に調整する自動モードと、手動
にて任意の車高に設定できる手動モードとを切り換える
とともに、自動モードにて各操作スイッチをオンするこ
とによって、各目標車高に自動調整し、一方、手動モー
ドにて各操作スイッチをオンすることによって、任意の
車高に設定する場合の処理である。
【0126】図27に示す様に、ステップ1000に
て、モード切換スイッチMSの状態が自動モードに設定
されているか手動モードに設定されているかを判定し、
ここで自動モードの場合はステップ1010に進み、一
方手動モードの場合はステップ1020に進む。
【0127】ステップ1010では、自動モードにおい
て操作スイッチがオンされているか否かを判定し、ここ
でオンされている場合はステップ1030に進み、一方
オフされている場合はステップ1040に進む。ステッ
プ1030では、自動モードにて操作スイッチがオンさ
れているので、オンされた各操作スイッチに応じて目標
車高に自動調整する。一方、ステップ1040では、自
動モードではあるが操作スイッチがオフされているの
で、そのまま標準車高のレベリングを実施する。
【0128】また、前記ステップ1020では、手動モ
ードにおいて(上げスイッチである)第1操作スイッチ
S1と、(下げスイッチである)第2操作スイッチS2
の状態を判定し、各操作状態に応じて下記ステップ10
50〜1070に進む。ステップ1050では、第1操
作スイッチS1がオンされているので、手動による車高
上げ指令を実行し、一旦本処理を終了する。
【0129】ステップ1060では、第1,第2操作ス
イッチS1,S2ともオフであるので、車高ホールドを
行って、一旦本処理を終了する。尚、ここでは、車高ホ
ールドに代えて現状車高のレベリングを行ってもよい。
ステップ1070では、第2操作スイッチS2がオンさ
れているので、手動による車高下げ指令を実行し、一旦
本処理を終了する。
【0130】この様に、本処理では、モード切換スイッ
チMSによってモードを切り換えることによって、同一
の操作スイッチを自動車高調整と手動車高調整とに役割
を切り換えて用いることができる。よって、自動車高調
整用のスイッチと手動車高調整用のスイッチを別途設け
る必要がなく、スイッチ数を低減でき、ドライバの操作
性を向上することができる。
【0131】ここで、本処理の基本構成を示すと、「予
め記憶された目標車高に自動にて調整する自動モードと
車高を手動にて調整する手動モードとを備えた車高調節
装置において、前記自動モードと手動モードとを切り換
えるモード切換スイッチと、該モード切換スイッチにて
切り換えられる自動モード及び手動モードにて車高の調
整を行う操作スイッチと、を備えるとともに、該操作ス
イッチは、自動モードの場合には目標車高に調整する機
能に設定され、手動モードの場合には手動にて車高を調
整する機能に設定されることを特徴とする車高調整装
置。」となる。 (12)複数の機能要求時の警告の処理 本処理は、複数の機能が要求された場合に、正常の操作
ではないことをドライバに報知するための処理である。
【0132】図28に示す様に、ステップ1100に
て、操作スイッチの操作状態を検出し、その操作状態に
応じて、下記ステップ1110〜1130の処理を行
う。ステップ1110では、同時に複数の操作スイッチ
がオンされているので、警報ランプ27や警報ブザー2
8でその操作ミスをドライバに報知し、一旦本処理を終
了する。尚、警報ランプ27は点灯でも点滅でもよく、
警報ブザー28は連続音でも断続音でもよい。また、操
作スイッチが1個のみオン状態となるまで警告を続けて
よいし、所定時間のみ警告してもよいし、1度全ての操
作スイッチがオフ状態となるまで警告してもよい。更
に、警報ランプ27と警報ブザー28のいずれかでもよ
い。
【0133】ステップ1120では、1個の操作スイッ
チのみがオンされており、正常な操作であるので、要求
された操作スイッチの機能の車高制御を実行し、一旦本
処理を終了する。ステップ1130では、全ての操作ス
イッチがオフされており、正常な操作であるので、標準
車高のレベリングを実行し、一旦本処理を終了する。
【0134】この様に、本処理では、同時に複数の操作
スイッチがオンされた場合には、操作ミスであると判断
して、ドライバに操作ミスを報知するので、ドライバは
より正確にかつ安全に車高制御を行うことができる。こ
こで、本処理の基本構成を示すと、「車両の車高を目標
車高に制御する車高調節装置において、車高の制御を指
示する複数の操作スイッチと、該操作スイッチのうち複
数の操作スイッチが同時に操作されたか否かを判定する
同時操作判定手段と、該同時操作判定手段によって複数
の操作スイッチが同時に操作されたと判断された場合に
は、操作ミスであることを報知する警報手段と、を備え
たことを特徴とする車高調整装置。」となる。 (13)エバブルブのオン/オフ制御とデューティ制御
とを偏差に応じて行なう処理 本処理は、エアバルブの制御を目標車高と実車高との偏
差に応じて、オン/オフ制御とデューティ制御とに変更
して行なう処理である。
【0135】図29に示す様に、ステップ1200に
て、目標車高と(例えば前記図20に示す処理により求
めた)実車高推定値との偏差を演算する。続くステップ
1210では、今回実車高推定値から前回実車高推定値
を引いて、車高の上下に変化するスピードである車高速
度を演算する。
【0136】続く1220では、オン/オフ制御とデュ
ーティ制御とを切り換える閾値を演算する。この閾値と
は、偏差に応じてオン/オフ制御とデューティ制御とを
切り換えるための値であり、例えば図30に示す様に、
車高速度に応じてマップや演算式によって設定される。
ここで、オン/オフ制御は応答性に優れているので偏差
が大きいときに使用され、デューティ制御は収束性に優
れているので偏差が小さきときに使用される。尚、これ
とは別に閾値を固定値としてもよい。
【0137】続くステップ1230では、偏差が(目標
車高の近傍である)前回定められた不感帯内であるか否
かを判定し、ここで肯定判断されるとステップ1240
に進み、一方否定判断されるとステップ1250に進
む。ステップ1240では、図31に示す様に、不感帯
を、KH←K0,KL←K1の様に設定する。このKH
(K0)は不感帯の上限値であり、KL(K1)は不感
帯の下限値である。尚、ここで不感帯の幅を設定したの
は、不感帯にヒステリシスを設定し、制御のハンチング
を防止するためであり、制御を開始する不感帯は少し大
きめに設定してある。
【0138】一方、ステップ1250では、不感帯を、
KH←K0+△K0,KL←K1+△K1の様に設定す
る。このKH(K0+△K0)は不感帯の上限値であ
り、KL(K1+△K1)は不感帯の下限値であるの
で、前記ステップ1240で設定された不感帯の幅より
も広くなる。ここで、この様な不感帯の幅に設定したの
は、制御終了の不感帯として収束幅を規定し、必要な目
標車高の制度に収束させるためである。
【0139】尚、前記K0,K1,△K0,△K1は、
固定値でも、車種に応じた値でも、走行状態に応じた値
でもよい。また、絶対値として、K0=K1,△K0=
△K1としてもよい。このステップ1250に続くステ
ップ1300では、既に偏差が小さく不感帯内に入って
いるので、これ以上エアバルブによる制御を行って車高
を変化させないために、エアバルブをオフして、一旦本
処理を終了する。
【0140】また、前記ステップ1240に続くステッ
プ1260では、図31に示す様に、前記偏差がデュー
ティ制御を行なう閾値内であるか否かを判定する。ここ
で肯定判断されるとステップ1270に進み、一方否定
判断されるとステップ1280に進む。
【0141】ステップ1270では、偏差が小さく閾値
内であるので、後に図32にて詳述するデューティ演算
を行ない。一方、ステップ1280では、偏差が大きく
閾値外であるので、オン/オフ制御である100%デュ
ーティの処理を行なう。前記ステップ1270,128
0に続き、ステップ1290にて、デューティ休止タイ
ミングか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステ
ップ1300に進み、一方否定判断されるとステップ1
310に進む。尚、この休止タイミングとは、図31に
排気の例を示す様に、ハンチングを防止するために、デ
ューティ制御を2回に1回の割で休止するために設定さ
れたタイミングである。
【0142】ステップ1300では、デューティ休止タ
イミングであるので、エアバルブをオフし、一旦本処理
を終了する。一方、ステップ1310では、偏差に応じ
て給気すべきか排気すべきかを判定し、その判定結果に
応じて下記ステップ1320、1330に進む。
【0143】ステップ1320では、目標車高より車高
が下がり過ぎているので、給気を行なうために、エアバ
ルブに所定のデューティによる給気指令を行なう。ステ
ップ1330では、目標車高より車高が上がり過ぎてい
るので、排気を行なうために、エアバルブに所定のデュ
ーティによる排気指令を行なう。
【0144】次に、前記ステップ1270のデューティ
演算の処理を説明する。本処理は、いわゆるPID制御
の制御要素のうち、少なくとも1つの要素で制御するも
のである。図32に示す様に、ステップ1271にて、
比例成分を演算する。ここで、比例成分としては、下記
表5に示す様に、偏差に応じた値や、エアバルブの応答
時間を考慮した固定値を採用できる。
【0145】続くステップ1272にて、積分成分を演
算する。ここで、積分成分としては、下記表5に示す様
に、偏差に応じた値を積分したものや、固定値を積分し
たものや、車高速度に応じた値を積分したものを採用で
きる。続くステップ1273にて、微分成分を演算す
る。ここで、微分成分としては、下記表5に示す様に、
車高速度に応じた値を採用できる。
【0146】
【表5】
【0147】続くステップ1274では、比例成分と積
分成分と微分成分とを加算して、デューティを算出す
る。続くステップ1275では、異常な値を排除するた
めに、デューティの上下限をガードして、一旦本処理を
終了する。
【0148】この様に、本処理では、偏差が大きいとき
には、オン/オフ制御を行なうので応答性を向上させる
ことができ、また、偏差が小さい時には、ディーティ制
御を行なうことによって、目標車高への収束性を向上さ
せることができるという顕著な効果を奏する。また、デ
ューティ休止タイミングに応じて、デューティ制御を適
切に行なうことができるので、エア回路の応答遅れに起
因するハンチングを防止できるという利点もある。
【0149】ここで、本処理の基本構成を示すと、「車
両の車高をバルブによって目標車高に制御する車高調節
装置において、前記目標車高と実車高推定値との偏差を
求める偏差検出手段と、該偏差検出手段によって求めた
偏差が所定の閾値以上か否かを判定する閾値判定手段
と、該閾値判定手段によって偏差が閾値以上であると判
定された場合には、前記バルブのオンオフ制御を行なう
オンオフ制御手段と、該閾値判定手段によって偏差が閾
値未満であると判定された場合には、前記バルブのデュ
ーティー制御を行なうデューティ制御手段と、を備えた
ことを特徴とする車高調整装置。」となる。
【0150】また、「前記閾値が車高速度に応じて設定
されていることを特徴とする車高調整装置。」となる。
更に、「前記デューティ制御手段によるデューティ制御
を2回に1回の割で休止することを特徴とする車高調整
装置。」となる。 (14)手動モードにおけるエバブルブの制御の処理 本処理は、車高の調節を大きな動作で行なう処理と小さ
な動作で行なう処理とを組み合わせて行なうものであ
る。
【0151】図33に示す様に、手動モードの場合に、
ステップ1400にて、操作スイッチがオン状態か否か
を判定する。ここで肯定判断されるとステップ1410
に進み、一方否定判断されるとステップ1430に進
む。ステップ1410では、所定時間操作スイッチがオ
ンされているか否かを判定し、ここで肯定判断されると
ステップ1420に進み、一方否定判断されると一旦本
処理を終了する。
【0152】ステップ1420では、所定の長い期間操
作スイッチがオンされているので、車高の粗調整を行な
うために、エアバルブを連続作動させて、一旦本処理を
終了する。また、前記ステップ1400にて否定判断さ
れて進むステップ1430では、オフエッジが検出され
たか否かによって、操作スイッチから手が離されたか否
かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ144
0に進み、一方否定判断されると一旦本処理を終了す
る。
【0153】ステップ1440では、操作スイッチがオ
ン状態であった期間が所定時間未満か否かによって、操
作スイッチが僅かに操作されかた否かを判定する。ここ
で肯定判断されるとステップ1450に進み、一方否定
判断されると一旦本処理を終了する。
【0154】ステップ1450では、操作スイッチが短
期間押されただけであるので、車高の微調整を行なうた
めに、エアバルブをワンショット作動させて、一旦本処
理を終了する。この様に、本処理では、図34に示す様
に、操作スイッチのオン状態が長い場合は、エアバルブ
を連続作動させて、迅速に所望の車高に近づけることが
できる。また、操作スイッチのオン状態が短い場合は、
操作スイッチをオフした時点で短時間エアバルブを作動
させて、車高の微調整を行なうことができる。尚、あま
り操作スイッチのオン時間が短い場合は、エアバルブは
作動させない。
【0155】従って、操作スイッチを押す時間を調節す
るだけで、迅速な車高の変化と細かい車高の調節とを行
なうことができ、操作性が向上するという効果がある。
また、ここでは、オフエッジを検出して、エアバルブの
ワンショト作動を行ったが、それとは別に、オンエッジ
を検出してワンショト動作を行なってもよい。
【0156】ここで、本処理の基本構成を示すと、「車
両の車高を手動操作手段にて調整する車高調節装置にお
いて、前記手動操作手段による車高の変更の指示の操作
時間を検出する操作時間検出手段と、該操作時間検出手
段によって検出された操作時間が所定時間よりも長いか
短いかを判定する時間判定手段と、該時間判定手段によ
って操作時間が前記所定時間より長時間であると判定さ
れた場合には、車高を長時間にわたり調整する長時間制
御手段と、該時間判定手段によって操作時間が前記所定
時間より短時間であると判定された場合には、車高を所
定の短時間調整する短時間制御手段と、を備えたことを
特徴とする車高調整装置。」となる。 (15)車高調整時間監視の処理 本処理は、車高の調節にかかる時間を監視して、実際に
正常に車高の調整が行われているか否かをチェックする
処理である。
【0157】図35に示す様に、まず、ステップ150
0にて、FR輪,FL輪,RR輪,RL輪のうち、少な
くとも1輪の車高調整時間を監視する。具体的には、図
36に示す様に、ステップ1501にて、目標車高と実
車高との偏差が不感帯にあるか否かによって、現在実際
に車高を変化させている制御中か否かを判定する。
【0158】ここで制御中であると判断されると、ステ
ップ1502にて、車高調整の時間を測定するために、
車高調整時間監視カウントアップを行なう。一方、制御
中でなく例えばレベリング中の状態であると判断される
と、車高調整の時間の測定は行えないので、ステップ1
503にて、車高調整時間監視カウンタをクリアする。
【0159】続くステップ1504では、車高調整時間
カウンタが所定時間を示す値以上かか否かを判定する。
つまり、車高調整時間が異常に長いか否かを判定する。
ここで肯定判断されると、ステップ1505にて、車高
調整時間が異常であると判断して、一旦本処理を終了
し、一方否定判断されると、そのまま本処理を終了す
る。
【0160】図35に戻り、ステップ1510にて、前
記ステップ1505の判断結果に基づいて、いずれかの
車輪の電気系統やエア回路系統に異常があるか否かを判
定する。ここで異常があると判断されると、ステップ1
520にて、警報ランプ27,警報ブザー28によって
異常があることをドライバに報知するとともに、車高制
御中断し、一旦本処理を終了する。
【0161】一方、異常がないと判断されると、ステッ
プ1530にて、通常の車高制御を行なって、一旦本処
理を終了する。この様に、本処理では、各車輪の上下動
作時間が一つでも所定時間以上の場合には、各車輪の電
気系統やエア回路系統に異常があると判断して、ドライ
バに警告するとともに、車高制御を中止するので、異常
の検出が迅速且つ確実にでき、安全性が向上するという
効果がある。
【0162】ここで、本処理の基本構成を示すと、「車
両の車高を目標車高に調整する車高調節装置において、
車高を目標車高に調節する際の車高調整時間を測定する
車高調整時間測定手段と、該車高調整時間測定手段によ
って測定した車高調整時間が所定の異常判定時間以上か
否かを判定する時間判定手段と、該時間判定手段によっ
て前記車高調整時間が前記異常判定時間以上であると判
断された場合には、車高調整装置に異常があると判断す
る異常判定手段と、を備えたことを特徴とする車高調整
装置。」となる。
【0163】また、「前記車高調節装置において、前記
異常判定手段によって車高調整装置に異常があると判断
された場合には、異常を報知する異常報知手段を備えた
ことを特徴とする車高調整装置。」となる。
【0164】更に、「前記車高調節装置において、前記
異常判定手段によって車高調整装置に異常があると判断
された場合には、車高制御を中止する車高制御中止手段
を備えたことを特徴とする車高調整装置。」となる。 (16)車高センサ異常時の処理(その1) 本処理は、各車輪の車高センサ25に異常があるか否か
を判定し、車高センサ25に異常がある場合には現在の
制御状態に応じて適切に対処する場合の処理である。
【0165】図37に示す様に、まず、ステップ160
0にて、各車高センサ25に異常があるか否かを判定す
る。ここで異常があると判断されるとステップ1610
に進み、一方異常がないと判断されるとステップ164
0に進む。この車高センサ25の異常の判定は、下記表
6の様な判定基準に基づいて行なう。
【0166】
【表6】
【0167】そして、この様な判定の結果、車高センサ
25が異常であると判定されて進むステップ1610で
は、(レベリングではない)上下に移動させる車高調整
機能(即ち目標車高に収束させる収束制御)が既に実行
中であるか否かを判定する。ここで、収束制御中である
と判断されるとステップ1620に進み、一方、標準車
高にレベリング中であると判断されるとステップ163
0に進む。
【0168】ステップ1620では、異常な車高センサ
25の車輪については、その車高制御を中断する。ま
た、正常な車高センサ25の車輪については、そのまま
要求されるスイッチ操作に従って制御を継続する。ステ
ップ1630では、異常な車高センサ25の車輪につい
ては、標準車高のレベリングの車高制御を中断する。ま
た、新たに如何なる操作スイッチによって指令が行われ
ても車高調整を起動しない。更に、正常な車高センサ2
5の車輪については、そのまま標準車高のレベリングを
行なう。
【0169】ステップ1640では、車高センサ25が
正常であるので、通常の車高制御を行なって、一旦本処
理を終了する。この様に、本処理では、各車輪の車高セ
ンサ25に異常があるか否かを判定し、異常がある場合
には、現在の制御状態に応じ、またどの車高センサ25
に異常があるかを勘案して、適切な制御を行なうことが
でき、安全性が向上するという効果がある。特に、正常
輪に関しては、一連の(既に実行中の)制御を行った後
に標準車高のレベリングを行なうので、その点でも異常
な動作を軽減でき、安全性が高く且つドライバに与える
不安感を低減できるという利点がある。
【0170】ここで、本処理の基本構成を示すと、「車
両の車高を目標車高に調整するとともに、標準車高での
レベリングを行なう車高調節装置において、各車輪の車
高センサが異常か否かを判定する異常判定手段と、該異
常判定手段によって車高センサが異常であると判断され
た場合には、異常である車高センサに対応する車輪の車
高制御は中断する制御中断手段と、前記異常判定手段に
よって車高センサが異常であると判断された場合には、
正常である車高センサに対応する車輪の車高制御が実行
中か否かを判定する制御判定手段と、該制御判定手段に
よって現在車高制御を実行中であると判断された場合に
は、現在の制御を継続し、その制御終了後には標準車高
のレベリングの制御を行なう正常輪制御手段と、を備え
たことを特徴とする車高調整装置。」となる。 (17)車高センサ異常時の処理(その2) 本処理は、左右輪を独立に車高制御するシステムにおい
て、一方の車高センサ25の異常時には、正常な車高セ
ンサ25を用いて、左右輪を同時に制御する処理であ
る。
【0171】図38に示す様に、まず、ステップ170
0にて、右輪の車高センサ25に異常があるか否かを判
定する。ここで異常があると判断されるとステップ17
10に進み、一方正常であると判断されるとステップ1
720に進む。ステップ1710では、左輪の車高セン
サ25に異常があるか否かを、例えば前記表6の様な判
定基準に基づいて判定する。ここで異常があると判断さ
れるとステップ1730に進み、一方正常であると判断
されるとステップ1740に進む。
【0172】また、ステップ1720では、同様に、左
輪の車高センサ25に異常があるか否かを判定する。こ
こで異常があると判断されるとステップ1740に進
み、一方正常であると判断されるとステップ1750に
進む。ステップ1730では、両輪の車高センサ25と
も異常があると判断されたので、車高制御を中断し、一
旦本処理を終了する。
【0173】ステップ1740では、左右輪のどちらか
一方の車高センサ25が異常であると判断されたので、
正常方の車高センサ25を用いて、左右輪を同時に制御
し、一旦本処理を終了する。ステップ1750では、両
輪の車高センサ25とも正常であると判断されたので、
左右輪の車高センサ信号を用いて、左右輪を独立に制御
し、一旦本処理を終了する。
【0174】この様に、本処理では、左右輪の車高セン
サ25に異常があるか否かを判定し、異常がある場合に
は、正常な車高センサ25を用いて左右輪の車高制御を
行なうことができるので、より安全に制御を行なうこと
ができるという効果がある。ここで、本処理の基本構成
を示すと、「車両の左右輪の車高の制御を行なう車高調
節装置において、左右輪の車高を各々測定する左右の車
高測定手段と、該左右の車高測定手段のうち一方のみが
異常か否かを判定する異常判定手段と、 該異常判定手
段によって一方の車高測定手段が異常であると判断され
た場合には、他方の正常の車高センサを用いて左右輪の
車高制御を行なう車高制御手段と、を備えたことを特徴
とする車高調整装置。」となる。 (18)記憶した目標車高の異常時の処理 本処理は、記憶していた目標車高や車種コードが異常な
場合、予めROM17bに記憶しておいたデフォルト車
高を目標車高として制御する処理である。
【0175】図39に示す様に、まず、ステップ180
0にて、EEPROM17dに記憶してある目標車高に
異常があるか否かを判定する。この異常の判定方法とし
ては下記表7の方法を採用できる。尚、この様にEEP
RPM17dのデータの異常判定を行なう理由は、EE
PRPM17dのデータの書き込み回数や記憶保持期間
に一定の制限があり、経時変化の恐れがあるからであ
る。
【0176】
【表7】
【0177】そして、この判定方法によって、目標車高
のデータに異常があると判断されると、ステップ182
0にて、予めROM17bに記憶してある(安定したデ
ータであり且つ安全な目標車高である)デフォルト目標
車高を目標車高として採用し、一旦本処理を終了する。
【0178】一方、目標車高のデータが正常であると判
断されると、ステップ1830にて、そのままEEPR
OM17dに記憶してある目標車高を採用し、一旦本処
理を終了する。この様に、本処理では、EEPRPM1
7dに記憶している目標車高のデータに異常があるか否
かを判定し、異常がある場合には安全なデフォルト車高
を採用するので、EEPROM17dの経時変化による
データの異常に好適に対応でき、長期間にわたってより
安全な車高制御を実現できるという効果がある。
【0179】また、ここでは、EEPROM17dに記
憶された目標車高のデータのチェックを例に挙げたが、
データのチェックに関しては、目標車高以外にもEEP
ROM17dに記憶されるデータで有れば、例えば車種
コード等のデータの種類には特に限定されない。
【0180】ここで、本処理の基本構成を示すと、「車
両の目標車高をEEPROMに記憶して車高の制御を行
なう車高調節装置において、前記EEPROMに記憶し
た目標車高が異常か否かを判定する異常判定手段と、該
異常判定手段によって目標車高が異常であると判断され
た場合には、ROMに記憶したデフォルト目標車高を目
標車高として採用する目標車高採用手段と、を備えたこ
とを特徴とする車高調整装置。」となる。
【0181】尚、本発明は前記実施例になんら限定され
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲におい
て種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
【0182】
【発明の効果】以上詳述した様に、請求項1の発明で
は、車高測定手段からの信号に基づいて所定の周期にて
平均車高を算出するとともに、目標車高に収束制御中で
あるか否かを判定する。ここで目標車高に収束制御中で
あると判断された場合には、平均車高を算出する周期を
収束制御中でないときの周期より短く設定する。これに
よって、車高の変化の急な収束制御の場合に精密に平均
車高を算出することができるので、精密な値に基づく制
御によって収束性が向上する。その結果、従来と比べて
車高を調節するスピードが速くなり、乗降に手間取るこ
ともなく、作業能率が向上するという顕著な効果を奏す
る。
【0183】請求項2の発明は、請求項1を具体的に示
したものであり、車高測定手段からの信号に基づいて所
定の周期にて平均車高を算出するとともに、バルブが作
動中であるか否かを判定する。ここでバルブが作動中で
あると判断された場合には、平均車高を算出する周期を
バルブが作動中でないときの周期より短く設定する。こ
れによって、バルブ作動中の場合の演算周期を短くする
ことができるので、車高の迅速な調節を精密に行なうこ
とができる。
【0184】請求項3の発明では、車高を測定する車高
測定手段からの信号に基づいて所定の周期にて平均車高
を算出するとともに、目標車高の収束制御直後か又は直
後から所定期間経過後かを判定する。ここで収束制御直
後であると判定された場合には、平均車高を算出する周
期を、収束制御直後から所定期間経過後のときの周期よ
り短く設定する。これによって、レベリング時におけ
る、荷重変動による目標車高とのずれを早く修正するこ
とができる。
【0185】請求項4の発明では、所定時間毎に実際に
測定した車高値を用いて所定時間における平均車高を算
出し、今回の平均車高と前回の平均車高とに基づいて実
車高を推定する。これによって、実車高の推定精度が向
上するので、オーバーシュートを低減してハンチングを
防止できる。
【0186】請求項5の発明では、請求項4の今回の平
均車高と前回の平均車高との差の1/2に今回の平均車
高を加算して実車高を推定することによって、より精密
に実車高を推定することができる。請求項6の発明で
は、車高の実測値又は推定値を求め、この車高値と目標
車高との偏差を求める。そして、この偏差が所定の閾値
以上か否かを判定し、偏差が閾値以上である場合にはバ
ルブのオンオフ制御を行ない、一方偏差が閾値未満であ
る場合には、バルブのデューティ制御を行なう。つま
り、偏差が大きい時にはオンオフ制御によって応答性が
向上し、偏差が小さい時にはデューティ制御によって目
標車高への収束性が向上するという効果がある。
【0187】請求項7の発明では、前記請求項6の閾値
が車高速度に応じて設定されているので、一層応答性及
び収束性に優れている。請求項8の発明では、前記請求
項6又は7のデューティ制御を、2回に1回の割で休止
するので、制御のハンチングを防止できる。
【0188】請求項9の発明では、手動操作手段による
車高の変更の指示の操作時間を検出し、この操作時間が
所定時間よりも長いか短いかを判定する。そして、操作
時間が所定時間より長い場合には操作時間に応じて車高
を長時間にわたり調整し、一方操作時間が所定時間より
短い場合には車高を所定の短時間だけ調整する。つま
り、例えば手動操作スイッチを押す時間の長さに応じ
て、粗調整とワンショットの微調整とを区別して行なう
ことができるので、手動操作における操作性が向上する
という効果がある。
【0189】請求項10の発明では、複数の車種に応じ
た車高データを記憶し、外部信号に基づいて自身の車種
を判別するとともに、その判別した自身の車種を記憶す
る。そして、車高の制御を行なう際には、記憶した複数
の車種の車高データのうち各車種に応じた車高データを
用いて車高の制御を行なう。従って、例えば1つのEC
Uに複数の車種の車高データを記憶することにより、各
車種別に異なるECUを作成する必要がなくなるので、
作業能率を改善して量産効果を向上することができる。
【0190】請求項11の発明では、手動操作手段の操
作時間を測定し、その測定された操作時間が所定時間以
上か否かを判定する。そして、操作時間が所定時間以上
である場合には現状車高を目標車高として記憶し、所定
時間以上でない場合は自動モードにおける目標車高に設
定する。従って、例えば1つの手動操作スイッチを押す
時間の違いに応じて、目標車高への自動操作と現状車高
を記憶する記憶操作とを区別して行なうことができ、ス
イッチの操作性が向上する。
【0191】請求項12の発明では、手動モードにて機
能する第1及び第2のスイッチからなる1組のスイッチ
のオンオフの組み合せを用いることにより、手動にて車
高を調整する車輪を選択することができる。請求項13
の発明では、モード切換手段によってその機能が切り換
えられる例えば1つの操作手段により、自動モードの場
合には目標車高に調整し、手動モードの場合には手動に
て車高を調整することができる。よって例えばスイッチ
類の数を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1の発明の基本的構成の一例を示す構
成図である。
【図2】 請求項2の発明の基本的構成の一例を示す構
成図である。
【図3】 請求項3の発明の基本的構成の一例を示す構
成図である。
【図4】 請求項4の発明の基本的構成の一例を示す構
成図である。
【図5】 請求項6の発明の基本的構成の一例を示す構
成図である。
【図6】 請求項9の発明の基本的構成の一例を示す構
成図である。
【図7】 請求項10の発明の基本的構成の一例を示す
構成図である。
【図8】 請求項11の発明の基本的構成の一例を示す
構成図である。
【図9】 本実施例のエア回路を含むシステム構成図で
ある。
【図10】 実施例の電気的構成を示すブロック図であ
る。
【図11】 実施例のスイッチ構成を示す説明図であ
る。
【図12】 実施例の基本の制御処理を示すフローチャ
ートである。
【図13】 車種判別の処理を示すフローチャートであ
る。
【図14】 ECUの起動時の処理を示すフローチャー
トである。
【図15】 ECUのオフ時の処理を示すフローチャー
トである。
【図16】 車高制御をおこなっている場合に目標車高
が変更された場合の処理を示すフローチャートである。
【図17】 自動操作と記憶操作の切換を行なう処理を
示すフローチャートである。
【図18】 車高調整直後又はバルブ作動中に実車高推
定演算周期の短縮を行なう処理を示すフローチャートで
ある。
【図19】 実車高推定演算周期の区分を示す説明図で
ある。
【図20】 実車高推定演算の処理を示すフローチャー
トである。
【図21】 エンスト時の処理を示すフローチャートで
ある。
【図22】 エンスト時の処理を示す説明図である。
【図23】 操作スイッチの先の機能優先を示すフロー
チャートである。
【図24】 操作スイッチの後の機能優先を示すフロー
チャートである。
【図25】 手動制御をする車輪を選択する処理を示す
フローチャートである。
【図26】 手動における車高制御の処理を示すフロー
チャートである。
【図27】 自動モードと手動モードとを切り換える処
理を示すフローチャートである。
【図28】 複数の機能要求時の警告の処理を示すフロ
ーチャートである。
【図29】 エアバルブの制御の処理を示すフローチャ
ートである。
【図30】 閾値を設定するマップを示す説明図であ
る。
【図31】 エアバルブの制御を示す説明図である。
【図32】 デューティ制御を示すフローチャートであ
る。
【図33】 手動モードにおけるエアバルブの制御を示
すフローチャートである。
【図34】 手動モードにおけるエアバルブの制御を示
す説明図である。
【図35】 車高調整時間監視の処理を示すフローチャ
ートである。
【図36】 車高調整時間の異常判定の処理を示すフロ
ーチャートである。
【図37】 スロットル弁の制御処理を示すフローチャ
ートである。
【図38】 車高センサ異常時の処理を示すフローチャ
ートである。
【図39】 他の車高センサ異常時の処理を示すフロー
チャートである。
【符号の説明】
1…第1エアばね 2…第2エアばね 3…第3エアばね 4…第4エアばね 5…配管 7…リザーブタン
ク 9…エアコンプレッサ 11…第1エアバ
ルブ 12…第2エアバルブ 13…第3エアバ
ルブ 14…第4エアバルブ 17…電子制御装
置(ECU) 17d…EEPROM 21…第1給排切
換エアバルブ 22…第2給排切換エアバルブ 25…車高センサ 27…警報ランプ 28…警報ブザー

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の車高を目標車高に収束させる収束
    制御を行なう車高調節装置において、 前記車高を測定する車高測定手段からの信号に基づい
    て、所定の周期にて平均車高を算出する平均車高算出手
    段と、 前記目標車高に収束制御中であるか否かを判定する収束
    制御判定手段と、 該収束制御判定手段によって目標車高に収束制御中であ
    ると判断された場合には、前記平均車高を算出する周期
    を、前記収束制御中でないときの周期より短く設定する
    周期設定手段と、 を備えたことを特徴とする車高調整装置を要旨とする。
  2. 【請求項2】 車両の車高を調節するバルブを駆動制御
    することによって、車高を目標車高に制御する車高調節
    装置において、 前記車高を測定する車高測定手段からの信号に基づい
    て、所定の周期にて平均車高を算出する平均車高算出手
    段と、 前記バルブが作動中であるか否かを判定するバルブ作動
    判定手段と、 該バルブ作動判定手段によってバルブが作動中であると
    判断された場合には、前記平均車高を算出する周期を、
    前記バルブが作動中でないときの周期より短く設定する
    周期設定手段と、 を備えたことを特徴とする車高調整装置。
  3. 【請求項3】 車両の車高を目標車高に収束させる収束
    制御を行なうとともに、収束した目標車高を維持する維
    持制御を行なう車高調節装置において、 前記車高を測定する車高測定手段からの信号に基づい
    て、所定の周期にて平均車高を算出する平均車高算出手
    段と、 前記目標車高の収束制御直後か又は直後から所定期間経
    過後かを判定する期間判定手段と、 該期間判定手段によって収束制御直後であると判定され
    た場合には、前記平均車高を算出する周期を、前記収束
    制御直後から所定期間経過後のときの周期より短く設定
    する周期設定手段と、 を備えたことを特徴とする車高調整装置。
  4. 【請求項4】 車両の車高を目標車高に制御する車高調
    節装置において、 前記車両の実際の車高を測定する車高測定手段と、 該車高測定手段によって所定時間毎に検出した車高値を
    用いて、該所定時間における平均車高を算出する平均車
    高算出手段と、 該平均車高算出手段によって求めた今回の平均車高と前
    回の平均車高とに基づいて実車高を推定する実車高推定
    手段と、 を備えたことを特徴とする車高調整装置。
  5. 【請求項5】 前記実車高推定手段が、前記平均車高算
    出手段によって求めた今回の平均車高と前回の平均車高
    との差の1/2に今回の平均車高を加算して実車高を推
    定する手段であることを特徴とする前記請求項4記載の
    車高調整装置。
  6. 【請求項6】 車両の車高をバルブによって目標車高に
    制御する車高調節装置において、 前記車高の実測値又は推定値を求める車高検出手段と、 該車高検出手段によって求めた車高値と目標車高との偏
    差を求める偏差検出手段と、 該偏差検出手段によって求めた偏差が所定の閾値以上か
    否かを判定する閾値判定手段と、 該閾値判定手段によって前記偏差が閾値以上であると判
    定された場合には、前記バルブのオンオフ制御を行なう
    オンオフ制御手段と、 前記閾値判定手段によって前記偏差が閾値未満であると
    判定された場合には、前記バルブのデューティ制御を行
    なうデューティ制御手段と、 を備えたことを特徴とする車高調整装置。
  7. 【請求項7】 前記閾値が車高速度に応じて設定される
    ことを特徴とする前記請求項6記載の車高調整装置。
  8. 【請求項8】 前記デューティ制御手段によるデューテ
    ィ制御を、2回に1回の割で休止することを特徴とする
    前記請求項6又は7記載の車高調整装置。
  9. 【請求項9】 車両の車高を手動操作手段にて調整する
    車高調節装置において、 前記手動操作手段による車高の変更の指示の操作時間を
    検出する操作時間検出手段と、 該操作時間検出手段によって検出された操作時間が所定
    時間よりも長いか短いかを判定する操作時間判定手段
    と、 該操作時間判定手段によって操作時間が所定時間より長
    いと判定された場合には、前記操作時間に応じて車高を
    長時間にわたり調整する長時間制御手段と、 該操作時間判定手段によって操作時間が所定時間より短
    いと判定された場合には、車高を所定の短時間調整する
    短時間制御手段と、 を備えたことを特徴とする車高調整装置。
  10. 【請求項10】 予め記憶した車高データに基づいて、
    車両の車高制御を行なう車高調節装置において、 複数の車種に応じた車高データを記憶する車高データ記
    憶手段と、 外部信号に基づいて自身の車種を判別する車種判別手段
    と、 該車種判別手段によって判別した自身の車種を記憶する
    車種記憶手段と、 前記車高の制御を行なう際には、前記車高データ記憶手
    段に記憶した複数の車種の車高データのうち、前記車種
    記憶手段によって記憶した車種の車高データを用いて車
    高の制御を行なう車高制御手段と、 を備えたことを特徴とする前記請求項1〜9のいずれか
    記載の車高調整装置。
  11. 【請求項11】 予め記憶された目標車高に自動にて調
    整する自動モードと、車高を手動にて調整する手動モー
    ドとを備え、各モードにて手動操作手段により車両の車
    高制御を行なう車高調節装置において、 前記自動モードにおける前記手動操作手段の操作時間を
    測定する操作時間測定手段と、 該操作時間測定手段によって測定された操作時間が所定
    時間以上か否かを判定する操作時間判定手段と、 該操作時間判定手段によって操作時間が所定時間以上で
    あると判断された場合には、現状車高を前記自動モード
    の目標車高として記憶する目標車高記憶手段と、 前記操作時間判定手段によって操作時間が所定時間以上
    ではないと判断された場合には、前記予め記憶された目
    標車高を今回の目標車高として設定する目標車高設定手
    段と、 を備えたことを特徴とする前記請求項1〜9のいずれか
    記載の車高調整装置。
  12. 【請求項12】 車両の車高を手動にて調整する手動モ
    ードを備えた車高調節装置において、 手動モードにて機能する第1及び第2のスイッチからな
    る1組の操作手段を有し、該第1及び第2のスイッチの
    オンオフの組み合せによって、手動にて車高を調整する
    車輪を選択することを特徴とする前記請求項1〜9のい
    ずれか記載の車高調整装置。
  13. 【請求項13】 予め記憶された目標車高に自動にて調
    整する自動モードと、車高を手動にて調整する手動モー
    ドとを備えた車高調節装置において、 前記自動モードと手動モードとを切り換えるモード切換
    手段と、 該モード切換手段にて切り換えられる自動モード及び手
    動モードにて車高の調整を行う操作手段と、 を備えるとともに、 該操作手段は、自動モードの場合には目標車高に調整す
    る機能に設定され、手動モードの場合には手動にて車高
    を調整する機能に設定されることを特徴とする前記請求
    項1〜9のいずれか記載の車高調整装置。
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