JPH083893A - 紙匹の漂白方法および漂白装置 - Google Patents

紙匹の漂白方法および漂白装置

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JPH083893A
JPH083893A JP15437394A JP15437394A JPH083893A JP H083893 A JPH083893 A JP H083893A JP 15437394 A JP15437394 A JP 15437394A JP 15437394 A JP15437394 A JP 15437394A JP H083893 A JPH083893 A JP H083893A
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JP
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ozone
bleaching
paper
oxygen gas
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JP15437394A
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Osamu Mizushima
治 水嶋
Toshio Komura
敏夫 小村
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Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
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Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 漂白設備の小型化と簡略化を図り、パルプ収
率の低下を抑制し、汚濁物質の系外への排出量を削減で
きる紙匹の漂白方法および漂白装置を提供すること。 【構成】 巻取紙1を巻解しながら加湿器3を通過させ
て適宜な水分含有率の紙匹Wとし、反応容器4内を通過
させる。該反応容器4内にはオゾン含有酸素ガスを充満
させ、通過する紙匹Wをオゾン漂白する。オゾンの紙匹
Wに対する酸化作用は強力であるから、短時間で紙匹W
を漂白できる。反応容器4から送出された紙匹Wを乾燥
機5を通して所定の水分含有量にして巻取機6で巻取る
ようにする。上記反応容器4を抄紙機の適宜部分、例え
ばプレスパートの後であってドライヤーパートの前の部
分に配設すれば、オンライン工程で紙匹Wの漂白を行う
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オゾンの強力な酸化作
用を利用して紙匹を漂白する紙匹の漂白方法および漂白
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えばクラフトパルプの漂白は、塩素処
理、アルカリ処理、次亜塩素酸処理、二酸化塩素処理、
過酸化水素処理、酸素処理等の工程を組合わせ、それぞ
れ漂白塔を使用し多段で漂白を行って、製紙原料として
の漂白パルプに要求される白色度を得るようにしてい
る。
【0003】このような従来の多段漂白装置では大規模
な漂白設備を要するため、漂白設備を簡素化し漂白コス
トをさげることを目的として、特開昭58−60088
号公報に記載されているような、抄紙工程中において紙
匹面に漂白液を塗布する紙匹面漂白装置等が開発されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の抄紙工程中における紙匹面漂白装置では、漂白
処理に過酸化水素(H22)、ジンクハイドロサルファ
イト(ZnS24)カルシウムハイポクロライト(Ca
(OCl)2 )、ソジュームハイポクロライト(NaOC
l)等の漂白液が使用されているため、多段漂白設備の
場合と同様に、パルプ収率の低下や系外への汚濁物質の
排出は抑制できない。このため、多段漂白設備の場合と
同様に、漂白排水として系外に排出される汚濁物質の処
理設備が必要となり、排水処理コストを十分に低減させ
ることができない。
【0005】そこで、本発明はオゾンの強力な酸化作用
に着目し、気相オゾンを利用して漂白を行うことによ
り、パルプ収率の低下を抑制し、漂白排水の削減によっ
て排水処理設備の簡素化を行い、また漂白設備の簡素化
を図ることができるとともに、、有機塩素化合物を含ま
ない紙製品を提供できる紙匹の漂白方法および漂白装置
を提案することを目的としている。
【0006】すなわち、オゾンは強力な酸化剤であり、
パルプとの反応時間は他の漂白剤に比べて短いことが知
られている。そこで、オゾン漂白の短い反応時間という
特徴を利用して、オンマシン工程あるいはオフマシン工
程において紙匹のオゾン漂白が可能なことを見出して、
本発明をなすに至ったものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの技術的手段として、この発明に係る紙匹の漂白方法
は、未晒パルプあるいは非塩素系漂白パルプを用いて、
オフマシン工程あるいはオンマシン工程において、適宜
な水分を含有する紙匹を、オゾン含有酸素ガスの雰囲気
中を通過させることにより紙匹を漂白することを特徴と
している。
【0008】また、この発明に係る紙匹の漂白装置は、
抄紙された紙匹に対しては、未晒パルプまたは非塩素系
漂白パルプを用いて抄紙された紙匹の巻取紙を支持する
とともに順次送り出す巻出手段と、前記巻出手段から送
り出された紙匹を通過させて、該紙匹を適宜に加湿する
加湿手段と、オゾン含有酸素ガスに満たされ、前記加湿
手段により加湿された紙匹を通過させて、オゾンにより
漂白を行う反応手段と、前記反応手段により漂白された
紙匹を通過させて、該紙匹を適宜に乾燥させる乾燥手段
と、前記乾燥手段により乾燥させられた紙匹を巻き取る
巻取手段とからなることを特徴としている。
【0009】また、抄紙工程中にある紙匹に対しては、
未晒パルプまたは非塩素系漂白パルプを用いて抄紙する
抄紙機の適宜な部分に、オゾン含有酸素ガスに満たさ
れ、紙匹を通過させてオゾンにより漂白を行う反応手段
を配設したことを特徴としており、上記適宜な部分とし
ては、抄紙機の加圧搾水工程の後であって乾燥工程の前
であること、または加圧搾水工程を前段と後段に分割
し、これら前後段の間即ち加圧搾水工程の途中であるこ
とを特徴としている。
【0010】さらに、漂白剤としてのオゾンを有効に利
用し、汚濁物質の系外への排出をさらに抑制するため、
前記反応手段が、紙匹の一面あるいは両面にオゾン含有
酸素ガスを吹き付ける吹き付け手段と、該吹き付けられ
たオゾン含有酸素ガスのうちの余剰分を吸引する吸引手
段と、該吸引されたオゾン含有酸素ガスを前記吹き付け
手段に給送する循環手段とを有することを特徴としてい
る。
【0011】抄紙原料としては、未晒パルプ、酸素漂白
パルプ、あるいは非塩素系漂白パルプを使用できる。
【0012】原料のパルプスラリーを、硫酸、硫酸バン
ド、あるいは硫酸と硫酸バンドとの併用(以下、「硫酸
等」という。)により、pHを2〜7に調整し、常法で
抄紙した。抄紙pHは低いほどオゾン漂白効率が優れ、
白色度の増加幅は大きく、紙を再離解したときのパルプ
粘度の低下幅も小さくなるが、低pHで抄いた紙の耐久
性は著しく劣る。我々は本発明におけるオゾン漂白条件
を種々検討した結果、オゾンの利用効率に優れ、かつ十
分な漂白効果が得られ、繊維強度の低下も小さい抄紙p
H条件として、pH3〜5が適当であることを見出し
た。pH調整剤として硫酸等の他にSO3、CO2等の無
機酸及び有機酸も使用可能である。
【0013】なお、抄紙に当たっては一般の抄紙に使用
されるサイズ剤(ロジン系サイズ剤等)、紙力増強剤、
歩留向上剤等も問題なく使用することができる。オフマ
シン工程において漂白する場合は、オゾン利用効率及び
漂白速度を上げるために紙匹の水分が40%から70%にな
るように加湿した後、オゾン含有酸素ガスに満たされて
いる容器中を通過させて、あるいはオゾン含有酸素ガス
を紙匹に吹き付け、吹き付け面の裏面及び吹き付け部位
の周囲から余分のオゾン含有酸素ガスを吸引し、循環再
利用することにより、紙匹を漂白した後、乾燥工程で乾
燥する。漂白後の紙匹は洗浄を必要としない。この場
合、加湿の程度は要求される漂白後の白色度、漂白時
間、漂白紙の生産量、漂白後の乾燥条件等の操業条件を
加味して決められるべきである。この際、使用するオゾ
ン含有酸素ガスの濃度は、オゾン発生装置の性能に依存
するが、漂白時間を短くするために、爆発の危険性が高
いとされている30wt%以下の安全な濃度範囲のなかで、
できるだけ高濃度のオゾン含有酸素ガスを使用すること
が望ましい。
【0014】一方、オンマシンでオゾン漂白を行う場合
も、オゾンの利用効率が高く、漂白速度の大きい、湿紙
水分約60%前後が望ましく、通常の抄紙工程で言えば、
加圧脱水工程以降で、かつ乾燥工程の前にオゾン漂白工
程を設けるのが望ましい。あるいは、必要な湿紙水分に
応じて、加圧搾水工程を前後段の2段に分割し、その前
段と後段との間にオゾン漂白工程を設けても構わない。
【0015】
【作用】オフライン工程では加湿手段を通過して所定の
水分含有率となるよう調整された紙匹が、オンライン工
程では加圧搾水工程において適宜に搾水されて所定の水
分含有率となった紙匹が、前記反応手段に給送される
と、紙匹がオゾン含有酸素ガスの雰囲気中にさらされ、
酸化漂白される。オゾンのパルプに対する漂白力は強力
で、短時間のうちに漂白されるから、反応手段から送出
された紙匹は必要にかつ十分に漂白されたものとなる。
そして、乾燥工程を経ることにより、所定の水分含有量
の紙匹を得ることができる。
【0016】
【実施例】以下、図示した実施例に基づいて、この発明
に係る紙匹の漂白方法および漂白装置を具体的に説明す
る。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものでは
なく、要求される紙匹の白色度や、加湿条件、乾燥条件
等の諸条件に応じて漂白装置の仕様は変更される。
【0017】図1はオフライン工程で紙匹をオゾン漂白
するための漂白装置の概略を示す図である。あらかじめ
抄紙機によって抄かれて巻き取られた巻取紙1を巻出手
段である巻出機2で支持させてある。この巻出機2の前
方には加湿手段である加湿器3が設けられており、巻出
器2から送出される紙匹Wがこの加湿器3を通過するよ
うにしてある。この加湿器3では通過する紙匹が適宜な
水分含有率となるよう加湿する。そして、この加湿器3
の前方に反応手段としての反応容器4が設置され、加湿
器3から送出された紙匹Wが該反応容器4を通過するよ
うにしてある。この反応容器4の内部はオゾン含有酸素
ガスで充満されており、通過している紙匹Wがこのオゾ
ン含有酸素ガスにさらされてオゾン漂白される。
【0018】上記反応容器4のオゾン供給側にはオゾン
発生装置4aが供給管4bを介して接続されており、該供給
管4bの途中に供給量調節バルブ4cが設けられている。ま
た、反応容器4のオゾン排出側には排出管4dを介してオ
ゾン除去装置4eが接続されており、反応容器4から排出
されるオゾン含有酸素ガスは該オゾン除去装置4eを通過
してオゾンが除去されて大気に放出される。なお、排出
管4dの途中には排出量調節バルブ4fが設けられている。
さらに、排出管4dの排出量調節バルブ4fに至るまでの途
中と供給管4bの供給量調節バルブ4cから反応容器4に至
るまでの途中とが戻り管4gで連通させてあり、該戻り管
4gの途中に循環量調節バルブ4hとポンプ4iとが設けられ
ている。また、反応容器4にはオゾン濃度計4jが設けら
れており、反応容器4内のオゾン濃度が計測され、その
結果の信号が分析計4kに送出されている。そして、この
分析計4kで分析された分析信号が、オゾン発生装置4aと
前記供給量調節バルブ4cの供給量調節器4m、前記排出量
調節バルブ4fの排出量調節器4n、前記循環量調節バルブ
4hの循環量調節器4oとに送出されている。
【0019】前記反応容器4を通過した紙匹Wは乾燥手
段である乾燥機5に給送されて該乾燥機5内を通過する
ようにしてある。この乾燥機5内では紙匹Wが乾燥され
て、所定の水分含有量となるようにしてある。そして、
乾燥機5を通過した紙匹は巻取手段である巻取機6によ
って巻取られて、再び巻取紙1に形成される。
【0020】図2はオンライン工程で紙匹を漂白する漂
白装置の概略の図であり、長網式抄紙機に実装する場合
を示している。長網式抄紙機は、脱水紙層形成工程であ
るワイヤパート11と加圧搾水工程であるプレスパート1
2、乾燥工程であるドライヤーパート13、紙を平滑に
し、光沢をつける工程であるカレンダーパート14、紙匹
の巻取工程であるリールパート15とが順次並設して構成
されている。この長網式抄紙機にオゾン漂白装置を実装
する場合には、紙匹Wが適宜に水分含有率にある部分が
好ましい。すなわち、図2に示すように、前述した図1
に示す反応容器4を、プレスパート12の後であって、ド
ライヤーパート13の前の部分に設置し、プレスパート12
を通過した紙匹Wを該反応容器4内を通し、その後ドラ
イヤーパート13に給送するようにする。また、プレスパ
ート12の途中でオゾン漂白に適した水分含有率となるよ
うな場合には、プレスパート12を前後段に分割し、その
前段と後段の間に反応容器4を配設したものであっても
構わない。
【0021】以上の図1、図2に示す実施例では、紙匹
Wは反応容器4に導入される前工程で適宜に水分含有率
に調節されている。すなわち、図1に示すオフライン工
程による漂白装置では加湿器3を通過することによって
加湿されて、図2に示すオンライン工程による漂白装置
ではプレスパート12を通過するすることによって搾水さ
れて、それぞれオゾン漂白に適した水分含有率に調整さ
れる。そして、紙匹Wは反応容器4に給送されてその内
部を通過する間にオゾン含有酸素ガスにさらされてオゾ
ン漂白され、漂白紙に要求される白色度が得られる。反
応容器4から送出された紙匹Wは、オフライン工程では
乾燥機5によって、オンライン工程ではドライヤーパー
ト13によって、乾燥されて所定の水分含有量の紙匹を得
ることができる。
【0022】反応容器4にはオゾン発生装置4aによって
発生したオゾン含有酸素ガスが供給管4bを通って供給さ
れている。その際、供給量調節バルブ4cの開度が調節さ
れることにより、オゾン含有酸素ガスの供給量が調節さ
れる。なお、この供給量調節バルブ4cの開度は前記分析
計4kの出力信号を受けた供給量調節器4mによって調節さ
れる。
【0023】反応容器4の内部で紙匹Wの漂白に供しな
かった余剰のオゾン含有酸素ガスは排出管4dを通って、
一部はオゾン除去装置4eに送られてオゾンが除去されて
大気に放出される。残りのオゾン含有酸素ガスは前記ポ
ンプ4iの吸引力を受けて戻り管4gに導入され、該戻り管
4gを通って供給管4bに供給される。したがって、供給管
4bを通って反応容器4に供給されるオゾン含有酸素ガス
は、この戻り管4gを通って戻された余剰分と混合して供
給されることになる。余剰のオゾン含有酸素ガスの戻り
量は循環量調節バルブ4hの開度によって調整され、その
開度は分析計4kの出力信号を受けた循環量調節器4oによ
って調整される。また、オゾン除去装置4eに送られるオ
ゾン含有酸素ガスは排出量調節バルブ4fの開度によって
調節され、その開度は分析計4kの出力信号を受けた排出
量調節器4nによって調節される。さらに、分析計4kの出
力信号によってオゾン発生装置4aからのオゾンの発生量
が調節される。
【0024】図3は、オゾン含有酸素ガスを紙匹Wの一
方の面(表面)に吹き付け、余剰のオゾン含有酸素ガス
を回収する漂白装置の概略を示す図である。紙匹Wは反
応容器21の内部を通過するようにしてある。反応容器21
の内部には吹き付け手段である吹き付けノズル22が、通
過する紙匹Wの表面に臨んで配設されており、該吹き付
けノズル22は供給管23を介してオゾン発生装置24に接続
されている。供給管23の途中であってオゾン発生装置24
の近傍には供給量調節バルブ23a が設けられ、この供給
量調節バルブ23a の開度は供給量調節器23b によって調
節されるようにしてある。また、供給管23の途中にはオ
ゾン濃度計25が接続され、このオゾン濃度計25の出力信
号が分析計25a に送出されるようにしてある。
【0025】また、反応容器21の上下部には循環手段を
構成する上下の回収管26、27が接続されている。下側回
収管27は紙匹Wの裏面に臨んで開口しており、吹き付け
ノズル22から吹き出され紙匹Wを通過したオゾン含有酸
素ガスを回収する。また、上側回収管26は紙匹Wの表面
に吹き付けられて飛散ったあるいは反応容器21内に滞留
しているオゾン含有酸素ガスを回収する。そして、これ
ら上下の回収管26、27は途中で合流し、循環量調節バル
ブ28を介して吸引手段であるポンプ29の吸入側に接続さ
れている。なお、この循環量調節バルブ28は循環量調節
器28a によって開度が調節される。ポンプ29の吐出側は
戻し管30を介して、前記供給管23の前記供給量調節バル
ブ23a とオゾン濃度計25との間位置に接続されている。
また、前記分析計25a の出力信号は、オゾン発生装置24
と供給量調節器23b 、循環量調節器28aとに送出されて
いる。
【0026】そして、図3に示す反応容器21を図1また
は図2の反応容器4の代りに配設すればよい。すなわ
ち、適宜な水分含有率に調整された紙匹Wは反応容器21
の内部を通過する際に、表面に吹き付けノズル22から噴
射されるオゾン含有酸素ガスが吹き付けられてオゾン漂
白された後該反応容器21から送り出され、後工程の乾燥
機5やドライヤーパート13で乾燥されることになる。
【0027】紙匹Wの表面に吹き付けられたオゾン含有
酸素ガスは一部が紙匹Wの漂白に供し、残りは紙匹Wを
通過したり、紙匹Wの表面で飛散ったりする。これらの
残部はポンプ29の吸引力により回収管26、27から吸引さ
れ、戻し管30を通って供給管23に戻されることになる。
なお、オゾン含有酸素ガスの供給量は分析計25a の出力
信号を受けたオゾン発生装置24による発生量と、同じく
出力信号を受けた供給量調節器23b による供給量調節バ
ルブ23a の開度とによって調整され、回収量は分析計25
a の出力信号を受けた循環量調節器28a により循環量調
節バルブ28の開度によって調整される。
【0028】なお、この実施例では紙匹Wの一方の面
(表面)にオゾン含有酸素ガスを吹き付ける構成のもの
について説明したが、紙匹Wの両面にオゾン含有酸素ガ
スを吹き付ける構成とすることもできる。なお、この場
合には、回収管は反応容器21の適宜箇所に開口して、反
応容器21内に残留しているオゾン含有酸素ガスを効率よ
く回収すればよい。
【0029】以上に説明した構成による紙匹の漂白装置
によって紙匹の漂白実験を行ったので、以下にその実験
内容を説明する。
【0030】〔実験1〕あらかじめ酸素漂白した広葉樹
クラフトパルプのスラリーを硫酸と硫酸バンドでpH4
に調整し、サイズ剤、歩留向上剤、紙力増強剤を添加し
た後抄紙し、坪量60 g/m2の紙匹Wを得た。次に図1に
示したように、幅50cmの巻取紙1を巻出機2から巻解
し、加湿器3を使って紙匹の水分を60%まで加湿した
後、オゾン含有酸素ガス(オゾン濃度140 g/m3(10.48
wt%))で満たされている反応容器4中に紙匹を通過
させることにより該紙匹Wを漂白した。反応容器中の紙
匹の移動距離は10mに設計した。なお、反応容器に取り
付けたオゾン濃度計4jの値を分析計4kで処理し、排気
量、循環量、オゾン供給量をそれぞれバルブ4f、4h、4c
で調節すること、および直接オゾン発生装置4aからオゾ
ン発生量を調節することにより消費されるオゾンを補給
し、反応容器4中のオゾン濃度を一定の保持した。漂白
後の紙匹の余分な水分は乾燥機5を使って約5%まで乾
燥させた。漂白の程度は紙匹Wの容器通過時間を変化さ
せることにより調整し得る。漂白された紙匹Wは巻取機
6で巻取った。漂白紙の白色度はハンター式白色度計で
測定した。容器通過時間を変更して取得したデータを表
1に示す。なお、色戻りは従来の漂白法による紙と同等
である。
【表1】
【0031】〔実験2〕実験2では、実験1と同様にし
て得たパルプスラリーを使用し、図2に示すように、抄
紙工程において、プレスパート12の後で、かつドライヤ
ーパート13より前に、オゾン含有酸素ガス(オゾン濃度
140 g/m3 )に満たされている反応容器4を設け、紙匹
Wを該反応容器4中に通過させて紙匹Wを漂白した。反
応容器4中の紙匹Wの移動距離は実験1と同様に10mに
設計した。反応容器4のその他の仕様も実験1と同様で
ある。反応容器4で漂白された紙匹Wは、次のドライヤ
ーパート13において乾燥し、漂白の程度は抄紙速度を調
節して紙匹Wの容器通過時間を変化させることにより調
整した。漂白後の紙の白色度はハンター式白色度計で測
定した。容器通過時間を変更して取得したデータを表2
に示す。なお、色戻りは従来の漂白法による紙と同等で
ある。
【表2】
【0032】〔実験3〕実験3は、実験1と同様にして
得た紙匹Wを使用し、図3に示したオゾン含有酸素ガス
を循環させる装置の反応容器21を図1の反応容器4と置
換して紙匹Wの漂白を行った。この場合、反応装置が小
型化されるとともに、実験1の反応容器4を使用した場
合と同様の結果が得られた。容器通過時間を変更して取
得したデータを表3に示す。なお、色戻りは従来の漂白
法による紙と同等である。
【表3】
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る紙匹
の漂白方法および漂白装置によれば、漂白反応物は紙匹
中に残留するためパルプ収率が向上すると同時に、系外
への汚濁物質排出量を削減できる。また本発明により得
られる紙は有機塩素化合物を一切含まない無害な紙であ
る。さらに色戻りに関しては従来の漂白法で得られた紙
と遜色のないものが得られた。
【0034】しかも、従来の漂白設備に比べて小型の漂
白設備とすることができ、汚濁物質の排出を抑制できる
ので排水処理設備が殆ど不要となるから、紙の製造コス
トを低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のオフマシン工程での漂白装置の概略図
である。
【図2】本発明のオンマシン工程での漂白装置の概略図
である。
【図3】本発明のオゾン含有酸素ガスを紙匹に吹き付
け、余剰分を回収して循環させる漂白装置の概略図であ
る。
【符号の説明】
1 巻取紙 2 巻出機(巻出手段) 3 加湿器(加湿手段) 4 反応容器(反応手段) 4a オゾン発生装置 4e オゾン除去装置 4i ポンプ 4j オゾン濃度計 4k 分析計 5 乾燥機(乾燥手段) 6 巻取機(巻取手段) 12 プレスパート 13 ドライヤーパート 21 反応容器(反応手段) 22 吹き付けノズル(吹き付け手段) 24 オゾン発生機 25 オゾン濃度計 25a 分析計 26 上側回収管 27 下側回収管 29 ポンプ(吸引手段) 30 戻し管

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 未晒パルプあるいは非塩素系漂白パルプ
    を用いて、オフマシン工程あるいはオンマシン工程にお
    いて、適宜な水分を含有する紙匹を、オゾン含有酸素ガ
    スの雰囲気中を通過させることにより漂白することを特
    徴とする紙匹の漂白方法。
  2. 【請求項2】 未晒パルプまたは非塩素系漂白パルプを
    用いて抄紙された紙匹の巻取紙を支持するとともに順次
    送り出す巻出手段と、 前記巻出手段から送り出された紙匹を通過させて、該紙
    匹を適宜に加湿する加湿手段と、 オゾン含有酸素ガスに満たされ、前記加湿手段により加
    湿された紙匹を通過させて、オゾンにより漂白を行う反
    応手段と、 前記反応手段により漂白された紙匹を通過させて、該紙
    匹を適宜に乾燥させる乾燥手段と、 前記乾燥手段により乾燥させられた紙匹を巻き取る巻取
    手段とからなることを特徴とするオフライン工程での紙
    匹の漂白装置。
  3. 【請求項3】 未晒パルプまたは非塩素系漂白パルプを
    用いて抄紙する抄紙機の適宜な部分に、オゾン含有酸素
    ガスに満たされ、紙匹を通過させてオゾンにより漂白を
    行う反応手段を配設したことを特徴とするオンライン工
    程での紙匹の漂白装置。
  4. 【請求項4】 前記反応手段を、抄紙機の加圧搾水工程
    の後であって乾燥工程の前に配設したことを特徴とする
    請求項3に記載のオンライン工程での紙匹の漂白装置。
  5. 【請求項5】 前記反応手段を、抄紙機の加圧搾水工程
    の途中に配設したことを特徴とする請求項3に記載のオ
    ンライン工程での紙匹の漂白装置。
  6. 【請求項6】 前記反応手段が、紙匹の一面あるいは両
    面にオゾン含有酸素ガスを吹き付ける吹き付け手段と、
    該吹き付けられたオゾン含有酸素ガスのうちの余剰分を
    吸引する吸引手段と、該吸引されたオゾン含有酸素ガス
    を前記吹き付け手段に給送する循環手段とを有すること
    を特徴とする請求項2ないし3のいずれかに記載の紙匹
    の漂白装置。
JP15437394A 1994-06-14 1994-06-14 紙匹の漂白方法および漂白装置 Withdrawn JPH083893A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6509111B1 (en) 1999-09-24 2003-01-21 Hitachi, Ltd. Magnetic recording media and magnetic disk apparatus
JP2009544857A (ja) * 2006-07-21 2009-12-17 ナルコ カンパニー 改良された紙製品の組成およびプロセス

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